JPH11264538A - 燃焼装置 - Google Patents

燃焼装置

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JPH11264538A
JPH11264538A JP7048798A JP7048798A JPH11264538A JP H11264538 A JPH11264538 A JP H11264538A JP 7048798 A JP7048798 A JP 7048798A JP 7048798 A JP7048798 A JP 7048798A JP H11264538 A JPH11264538 A JP H11264538A
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JP
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flame
combustion
electrode
plate
negative electrode
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JP7048798A
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English (en)
Inventor
Minoru Sato
稔 佐藤
Takaaki Akaishi
貴昭 赤石
Hiroaki Shigeoka
浩昭 重岡
Teruo Sugimoto
照男 椙本
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 絶縁体の多孔質状セラミックスを燃焼板に使
用した場合に、炎電流を簡易に、かつ確実に検知できる
燃焼装置を得ることを目的とする。 【解決手段】 この発明に係る燃焼装置は、多孔質状の
セラミックスで形成された燃焼板5と、燃焼板5上の火
炎6が形成される部位の表面に先端部が接触するように
配置された負極の電極11と、負極の電極11に対し所
定距離離して配置された正極の電極10と、正極の電極
10及び負極の電極11間に電圧を印加する手段と、正
極の電極及び負極の電極間を流れる電流を検出する検出
手段とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は燃焼空気と燃料とを
予混合して燃焼させる燃焼装置、特に多孔質セラミック
スをバーナー材料に利用した燃焼装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、都市ガスなどの気体燃料と空気と
の混合気や、灯油などの液体燃料の気化ガスと空気との
混合気を燃焼させるバーナーは、火炎が形成される燃焼
板として金属製のものが一般的に使用されていた。この
金属製バーナーにおいて、火炎の有無や燃焼空気の不足
などを判定する目的で、イオン電極を燃焼板からあるギ
ャップだけ離した位置に設置し、これを正極とし、金属
製燃焼板を負極として電気回路を形成し、ギャップ間に
流れる炎電流を検出している。この場合、負極は導電性
の金属であるため、正極のイオン電極を設置するだけで
炎電流の検出回路を形成することができる。
【0003】ところが、耐熱性向上の観点などからバー
ナーの燃焼板をセラミックス製にすると、一般に電気的
に絶縁体であるセラミックスは炎電流回路の負極として
利用することができない。その対策として、「シュバン
クバーナー」と称される多数の小孔(直径1mm程度)
を表裏で貫通させたセラミックスプレートを使用するバ
ーナーでは、以下に示す従来例のような対策が行われて
きた。
【0004】(従来例1)図8は実開昭57−8261
9号公報に示された従来のセラミックスバーナーを示す
図である。図において、101は外枠、102はスロー
ト、103はセラミックスバーナープレート、104は
耐熱パッキン、105は押さえ板、106はネジ、10
7は係止片、110は段付きネジである。
【0005】図8に示すセラミックスバーナーでは、図
8に示すようにセラミックス燃焼板自体を負極とするの
ではなく、セラミックス板103を固定する金属製の押
え板105の一部の係止片107を負極として代用して
いる。しかしながら、この係止片107はセラミックス
板103の端部に位置しているため、中央部に比較して
混合気の空気比が安定せず、ガス濃度差に起因した炎電
流の差が生じる場合があった。
【0006】上記対策としては、次にようなものがあ
る。 (従来例2)図9は特開平8−14560号公報に示さ
れた従来のセラミックスバーナーの火炎周辺部の拡大図
である。図において、121は火炎、122はセラミッ
クス板、123はセラミックス板122に形成された炎
孔、124はセラミックス板122上に設けられた負極
ロッド、125はイオン電極である。
【0007】図9に示すセラミックスバーナーでは、セ
ラミックス板122の中央部へと負極用の電極ロッド1
24を押え板から延長させ、その負極ロッド124とイ
オン電極(正極)125ロッドとを対向させるようにし
ている。このバーナー、シュバンクバーナーでは図9に
示すような火炎121がセラミックス板122の炎孔1
23に形成され、セラミックス板122上の負極ロッド
124と正極ロッド125とで炎電流を検出する。
【0008】負極ロッド124は燃焼中に高温になり熱
変形するため正極ロッド125との間隔が変化するが、
火炎121はある高さを有しているため、負極ロッド1
24が熱変形を起こしてもシュバンクバーナーでは炎電
流の検知は可能である。
【0009】(従来例3)図10は特公平7−1532
4号公報に示された従来の他のセラミックスバーナーの
火炎周辺部の拡大図で、図10(a)は負極電極をセラ
ミックス板の下側に設置した場合を示す図で、図10
(b)は負極電極をセラミックス板の上側に設置した場
合を示す図である。図において、131は火炎、132
は高温時に比較的高い導電性を示すリチア系セラミック
スで構成されたセラミックス板、133はセラミックス
板132に形成された炎孔、134はセラミックス板1
32上に設けられた負極ロッド、135は負極ロッド1
34に対向する位置に設けられたイオン電極である。
【0010】図10(a)に示すように負極電極134
をセラミックス板132の下側に設置すると、炎電流は
正極電極135から火炎131とセラミックス板132
を介して負極電極134へ流れることになり、導電性の
小さなセラミックスでは炎電流の値は非常に小さくな
る。その改善策として、ここではセラミックス板132
を導電性材料にすることで炎電流の感度を向上させてい
る。
【0011】また、図10(b)に示すように負極電極
134をセラミックス板132の上側に設置すると、構
成は前述の従来例2とほぼ同様であり、セラミックス板
132を介さずに炎電流回路が形成されるためセラミッ
クス材料の導電性には関係しない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来例は、いず
れもシュバンクバーナーに類する小孔貫通穴を有したセ
ラミックスバーナーの炎電流検出方法であり、多孔質セ
ラミックスを使用した表面燃焼火炎で炎電流を検出する
例はこれまでに無い。
【0013】また、多孔質セラミックスの表面燃焼で
は、前述の図9のような分離独立した火炎ではなく、図
11に示す表面に密接した非常に薄い火炎が形成され
る。そのため、多孔質セラミックスで構成される燃焼板
において、負極ロッドを燃焼板の表面に図9に示したよ
うな直線状にして接触させた場合には、負極ロッドが変
形してセラミックスとの間隔や接触度合が少しでも変化
すると、炎電流が大きく変化したり、検出できなくなる
問題点がある。つまり、負極ロッド全長にわたり、常時
セラミックス板と均一に接触させることが困難である。
【0014】この発明は上記のような問題点を解決する
ためになされたもので、表面燃焼火炎を絶縁体セラミッ
クス上に形成した場合に、簡易に、かつ確実に検出でき
る燃焼装置を得ることを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】この発明に係る燃焼装置
は、多孔質状のセラミックスで形成された燃焼板と、燃
焼板上の火炎が形成される部位の表面に先端部が接触す
るように配置された負極の電極と、負極の電極に対し所
定距離離して配置された正極の電極と、正極の電極及び
負極の電極間に電圧を印加する手段と、正極の電極及び
負極の電極間を流れる電流を検出する検出手段とを備え
ている。
【0016】また、多孔質状のセラミックスで形成され
た燃焼板と、燃焼板上の火炎が形成される部位に先端部
が表面側から埋設された負極の電極と、負極の電極に対
し所定距離離して配置された正極の電極と、正極の電極
及び負極の電極間に電圧を印加する手段と、正極の電極
及び負極の電極間を流れる電流を検出する検出手段とを
備えている。
【0017】さらに、正極の電極は、燃焼板から離して
配置されている。また、正極の電極は、先端部が燃焼板
上の火炎が形成される部位の表面に接触するように配置
されている。さらに、負極の電極は、先端部が燃焼板表
面の凹部に接触するように配置されている。
【0018】また、正極の電極は、燃焼板上の火炎が形
成される部位に先端部が表面側から埋設されるように配
置されている。さらに、負極の電極は、先端部が燃焼板
表面の凹部に埋設するように配置されている。
【0019】
【発明の実施の形態】実施の形態1.以下、この発明の
実施の形態を図に基づいて説明する。図1はこの実施の
形態1の燃焼装置を示す構成図である。図において、1
は灯油燃料を気化させるための部屋である気化室、2は
その気化室1の側壁に埋設され、その気化室1を加熱す
る電熱ヒータである。3は気化室1の上部に嵌合固定さ
れた絞り部、4はその絞り部3の上部に設けられた整流
板、5は火炎6が形成されるセラミックス粒子焼結プレ
ート、7はセラミックス粒子焼結プレート5を取り付け
るための保持部品である。なお、セラミックス粒子焼結
プレート5は、平均粒子径250μmのコージェライト
粒子を厚さ1mmに焼結したものである。
【0020】8は気化室1の側壁に設置されその気化室
1内に開口している空気ノズルであり、この空気ノズル
8は燃焼用送風機(図示せず)に接続されている。9は
空気ノズル8と同軸上に、且つ先端部が空気ノズル先端
から突出するように配置された灯油供給管であり、灯油
タンク(図示せず)の灯油はこの灯油供給管9を介して
灯油ポンプ(図示せず)によって気化室1に供給される
ようになっている。
【0021】10は炎電流を検出するための正極電極、
11は負極電極であり、各々にはイットリウム成分を混
入させた耐熱性金属線を使用し、その線径を2mmにし
て、先端部を曲げて鋭角状にカットしてセラミックス粒
子焼結プレート5に接触させている。また、両方の電極
は炎電流検出回路(図示せず)に接続されている。
【0022】次に動作について説明する。電熱ヒータ2
に通電することにより、灯油燃料の気化に必要な温度
(200〜300℃)まで気化室1が予熱される。予熱
完了後、燃焼用送風機から送られた燃焼空気が、ノズル
8から気化室1に供給される。また、燃料供給管9から
は、所定量の灯油燃料が気化室1に供給される。燃焼空
気の供給量は灯油供給量が理論的に完全燃焼する空気量
(=理論空気量)、つまり空気比が1に相当する量であ
る。
【0023】供給された灯油燃料は、燃焼空気の流れに
より微粒化され、予熱された気化面で気化する。気化し
た灯油燃料は、絞り部3を通過する際に、更に燃焼空気
と予混合されて濃度分布が均一になる。この後、気化灯
油と燃焼空気との予混合気は、整流板4の無数の穴を通
ることで整流されて流速分布が均一になる。
【0024】本実施の形態ではセラミックス粒子焼結プ
レート5に平均粒子径250μmの細かな粒子を使用し
たため、その表面の凹凸は小さく比較的均一であり、予
混合気は非常に細かな細孔から均一に流出する。流出し
た予混合気は、セラミックス粒子焼結プレート5の上方
の点火装置(図示せず)により着火され、火炎6を形成
する。火炎6はセラミックス粒子焼結プレート5の下流
側(図では上側)表面に近接して均一に形成される。
【0025】正極電極10と負極電極11の間には、着
火動作の前から炎電流検出回路より直流10Vが印加さ
れている。火炎6が形成される前は両極間には電流が流
れないが、火炎が形成されるとマイクロアンペアオーダ
の炎電流が流れるようになる。着火後にこの炎電流が検
出され、その値が事前に定めた値以上の場合に炎電流検
出回路は「正常着火」と判断する。
【0026】通常、表面燃焼火炎は温度が低く、炎電流
も小さめであるため、大きな電極面積が必要であるとい
われており、発明者らも、当初、炎電流検出用の電極を
図9に示したように直線状にしてセラミックス粒子焼結
プレート5に接触させていた。しかしながら、燃焼時の
電極の熱変形が原因で炎電流値が経時的に大きく変化し
たため、接触面積を常時一定に保つ方法として、図1に
示した電極先端部のみを接触させる方式を見いだした。
【0027】図2は電極の先端部だけを接触させた場合
の炎電流の値を測定した結果の一例を示す図である。図
2は直流10Vを両電極間に印加し、燃焼量と空気比を
変化させて炎電流値を測定した結果である。電極10、
11とセラミックス粒子焼結プレート5とは点状で接触
し、非常に小さな接触面積であるにも関わらず、具体的
な炎電流値は、図2に示したように、空気比が1の場合
に4000kcal/hの燃焼量で約25μA、250
0kcal/hで約20μA、1000kcal/hで
約12μAと、従来と同程度の炎電流値が検出できた。
【0028】炎電流値は空気比が1の場合に最大にな
り、燃焼空気が多くても不足しても炎電流値は減少す
る。空気比が1.2や0.8の条件では炎電流値は1.
0の場合より数μA(3〜6μA程)低い値である。燃
焼用送風機にホコリが詰まり燃焼空気が減少する場合
や、部屋の酸素濃度が減少する場合などは、空気比が1
から減少していくが、炎電流値の変化をモニタすること
でこれらの検知が可能である。
【0029】一方、燃焼空気は正常量であるものの、灯
油燃料が灯油ポンプの詰まりなどで減少する場合には、
空気比が1から増加していき、これも検知可能である。
よって、燃焼空気の過不足時にはこれを補うような制御
を実施したり、異常燃焼時には速やかに燃焼を停止した
りすることも可能である。
【0030】具体的には、まず、使用初期の炎電流値、
つまり正常な状態での空気比1.0の炎電流値をマイコ
ンに記憶させておく。炎電流値が何らかの要因で減少し
た場合には、燃焼用送風機の回転数を若干増加させ、炎
電流値が回復する際は空気比が1以下であると判断し、
徐々に回転数を増加させて、炎電流値が初期値に近くな
るように制御する。回転数を若干増加させても炎電流値
が更に減少する場合は空気比が1以上であると判断し、
逆に燃焼用送風機の回転数を減少させて、炎電流値が初
期値に近くなるように制御する。これらの制御を行う際
に、予め設定してあった送風機回転数の変化範囲で炎電
流が初期値まで回復しない場合は、異常燃焼と判断して
燃焼を停止させる。
【0031】このように、正極と負極の先端だけをセラ
ミックス粒子焼結プレートの表面に接触させるだけで、
従来と同程度の炎電流を検出することができる。炎電流
値は燃焼量と空気比により変化する値であるが、燃焼量
4000kcal/h、印加電圧10Vで最高25μA
程度が得られた。
【0032】また、本燃焼装置では、電極の全長を均一
に接触させる必要がなく、先端部のみの接触で良いため
設置方法が簡単であり、電極の設置時に、セラミックス
プレートへ電極を押しつける力を加えて設置すると、高
温下で熱応力が作用しても電極がセラミックスプレート
表面から離れることはなく、安定して炎電流を検知でき
る。
【0033】図3は両電極の間隔を変化させて炎電流を
測定した結果を示す図である。印加電圧10V(直
流)、燃焼量2500kcal/h、空気比1.0の条
件で測定した結果である。電極間隔が小さいほど炎電流
値は大きく、間隔3mmの時に21μAが検出された。
間隔が大きくなるにつれて炎電流値は減少していくもの
の、測定を行った範囲で最大の間隔である50mmの時
でも14μAの炎電流が検出できている。
【0034】炎電流は実際にはその値が時間的に小さく
変動するため、検出回路にコンデンサなどを挿入して平
滑化する方法などが良く利用されるが、炎電流の絶対値
が小さくなると変動値の割合が大きくなり、炎電流の検
出誤差が生じるようになる。そのため炎電流の絶対値は
数μA(4〜5μA程度)以上あることが望ましい。
【0035】図3に示した結果から、電極間隔は小さい
ほど炎電流値が大きいため望ましいが、例えば50mm
にしても炎電流は十分検出でき、燃焼量や空気比に対す
る傾向も図2と同様であるため、炎電流を利用した燃焼
制御は可能である。さらに、間隔を50mm以上にして
も、炎電流値は徐々に減少する傾向であると図3から推
定でき、炎電流は燃焼制御に十分な値である。
【0036】図4は各電極をセラミックス表面から離し
た場合の炎電流の測定結果の一例を示す図である。図4
は印加電圧10V(直流)、燃焼量1200kcal/
h、空気比0.8の燃焼条件で測定した値である。両極
とも接触させた場合は炎電流値が9〜10μAとれてい
るのに対し、負極を1mmと少しでも離すと炎電流値は
激減して1μA以下になり、ほとんど検出されなくな
る。
【0037】これに対し、正極を離しても炎電流を検出
することができ、20mm離した場合に8μA、40m
mで6.5μA、60mmで4μAが検出できた。10
0mm離しても炎電流は1μA程度検出できた。正極を
例えば20mm離して設置した場合には、このように炎
電流値は約2割程度小さくなるが、燃焼量や空気比に対
する傾向は図2と同様であるため、炎電流を利用した燃
焼制御は可能である。
【0038】また、正極を例えば100mmと大きく離
して設置する必要が生じた場合、炎電流値は1μAと小
さいため、印加電圧を10Vから100Vへ変更する
と、炎電流値も約10倍程度まで増加するため、使用可
能である。したがって、正極とセラミックス表面との間
隔を、望ましくは60mm以内に、最大で100mm以
内に設定すれば、炎電流を利用した燃焼制御が可能であ
る。
【0039】正極を離しても炎電流が検出可能なのは、
正極側に取り込まれる火炎中の電子と、負極に取り込ま
れる火炎中の正イオンとの移動度と空間分布の差が原因
である。移動度が大きく、火炎下流側にも分布する電子
は火炎から多少離れた正極にも取り込まれるため、正極
が火炎から多少離れても検出可能である。
【0040】それに対して、移動度が小さく、火炎近傍
にのみ分布するCHO+などの正イオンは火炎から離れ
た負極には到達できないため、負極を火炎から離すと炎
電流は検出できなくなる。したがって、負極電極の先端
は火炎の形成されているセラミックスプレート表面に接
触させる必要があるものの、正極電極に限ってはセラミ
ックス表面から多少離して設置しても炎電流値を検出で
きる。
【0041】本実施の形態では、両方の電極をセラミッ
クス粒子焼結プレートに接触させているが、正極の電極
はセラミックス粒子焼結プレートから離して設けても良
い。
【0042】本実施の形態では、負極の電極をセラミッ
クス粒子焼結プレートに接触させるようにしているの
で、簡易に、かつ確実に炎電流を検出することができ
る。また、電極がセラミックス粒子焼結プレートに接触
するよう設けられているので、ガス濃度の安定した燃焼
板中央付近で炎電流を検出することができる。
【0043】実施の形態2.実施の形態1ではセラミッ
クス粒子焼結プレートに平均粒子径250μmの細かな
粒子を使用した例を説明したが、本実施の形態では、粒
子径が大きなセラミックス粒子焼結プレートを使用した
例について述べる。
【0044】図5はこの実施の形態2のセラミックス粒
子焼結プレートの表面部分の拡大図である。図において
12はセラミックス粒子焼結プレートにおけるセラミッ
クス粒子である。本実施の形態ではセラミックス粒子焼
結プレートの平均粒子径、電極の配置位置が異なる以外
は実施の形態1と同様であるのでその他の説明は省略す
る。
【0045】図5に示すように粒子径が、例えば100
0μmと大きなセラミックス粒子焼結プレートでは、レ
ート表面の凹凸が粒子12の径に起因して大きくなる。
この場合の火炎6は下流側出口面の凹部に形成される。
火炎の厚さはメタンの大気圧火炎で、空気比1の状態で
0.45mm程度である(燃焼工学ハンドブック、日本
機会学会発行より)といわれており、例えば粒子径が1
000μmの粒子で図5に示したような凹凸がある場合
には、火炎は凸部粒子の上方には形成されない。このよ
うな場合には、電極、特に負極電極11をこの凹部に設
置する必要がある。このように表面に大きな凹凸がある
場合でも、電極を凹部に設置すると、電極に火炎が接触
し、前述した実施の形態1と同様の炎電流を利用した燃
焼状態の検知が可能である。
【0046】発明者らは平均粒子径が250、500、
750、1000μmの焼結プレートについて測定を実
施したが、実施の形態1で述べた平均粒子径250μm
では電極設置箇所の影響(測定回数ごとの炎電流の違
い)が小さかったのに対し、500μm以上の粒子で
は、火炎が形成される凹部に負極電極を設置しなければ
炎電流値が激減した。このことから、今回の灯油燃料の
火炎では火炎の厚みが上記メタン火炎の0.45mmよ
り更に薄いと推測される。したがって、平均粒子径が5
00μm程度より大きな焼結プレートでは、電極、特に
負極電極を凹部に設置する必要がある。
【0047】本実施の形態では、両方の電極をセラミッ
クス粒子焼結プレートの凹部に接触させているが、正極
の電極はセラミックス粒子焼結プレートから離して設け
ても良い。
【0048】実施の形態3.本実施の形態は、セラミッ
クス粒子焼結プレートに炎電流検出用の電極を埋設させ
た例について説明する。図6、7はこの実施の形態3の
セラミックス粒子焼結プレートの表面部分の拡大図であ
る。図において、10は先端がセラミックス粒子焼結プ
レートに埋設された正極の電極、11は先端がセラミッ
クス粒子焼結プレートに埋設された正極の電極で、これ
らの電極は、セラミックスプレート作成時に導電性材料
からなる電極をセラミックス粒子の間に埋め込むことに
より形成することができる。本実施の形態では、電極の
配置位置が異なる以外は実施の形態2と同様であるので
その他の説明は省略する。
【0049】図6に示すように電極をセラミックスプレ
ートに埋設すると、下流側表面近傍に形成される火炎は
必ず電極に接するため、炎電流の検出が確実に行える。
特に、実施の形態2でも述べたように、電極をセラミッ
クスプレートの凹部に埋設すると炎電流をより確実に検
出できる。図では電極の先端を鋭角状に細くしてあり、
これは高温時の電極の熱膨張を極力少なくするためであ
り、熱膨張係数の小さな材料を電極に使用した場合は先
端部が太くても良い。
【0050】図6は電極をセラミックスプレートの途中
まで埋設した例であるが、図7のように電極を上流側ま
で貫通させて埋設しても炎電流の検知は確実に行える。
この際は電極を通じて上流側へと伝導する熱による逆火
に注意する必要がある。上流側への伝熱量を減少させる
ために、電極に熱伝導率の小さな導電性材料を使用した
り、電極の径を小さくするなどの工夫を実施すれば、図
7の実施の形態も使用可能である。
【0051】また、実施の形態1で示したように正極電
極をセラミックスプレートから離す、つまり負極電極だ
けをセラミックスプレート中に埋設し、正極電極をセラ
ミックス表面からある間隔をあけて設置しても、炎電流
の減少は図4と同様に小さいため、炎電流の検出ができ
る。
【0052】実施の形態1から3で示したセラミックス
粒子焼結板の粒子径については、粒子を焼結した後に形
成される気孔(予混合気の通過する細孔)が燃料の消炎
距離(quenching distance)より小
さければ逆火が生じない。したがって、気孔が消炎距離
より小さな場合には、いかなる粒子径でも使用可能であ
る。
【0053】さらに、セラミックス粒子の焼結プレート
だけでなく、セラミックスフォームと称される三次元骨
格構造をした多孔体や、セラミックスの繊維などを使用
しても、炎電流の検出は可能である。
【0054】電極の形状については、電極の線径を2m
m程度と太くすると、経時的に高温酸化による減肉が生
じてもその耐久性は十分である。この線径は2mmに限
ることはなく、電極の置かれる温度と必要とされる耐久
性に応じて線径を変更すれば良い。
【0055】電極の材質については、従来例1では電極
材料としてイットリウム成分を混入した耐熱性金属線の
例を示したが、これに限ることはなく、耐熱性の導電材
料であれば使用可能である。
【0056】また、炎電流検出回路の電源として直流1
0Vの例を示したが、電流値は10Vに限ることはな
い。交流電源についても、炎電流検出回路に整流機能を
持たせて検出される炎電流を直流にすることで使用可能
である。
【0057】
【発明の効果】以上のように、本発明に係る燃焼装置
は、多孔質状のセラミックスで形成された燃焼板と、前
記燃焼板上の火炎が形成される部位の表面に先端部が接
触するように配置された負極の電極と、前記負極の電極
に対し所定距離離して配置された正極の電極と、前記正
極の電極及び前記負極の電極間に電圧を印加する手段
と、前記正極の電極及び前記負極の電極間を流れる電流
を検出する検出手段とを備えているので、電極の熱変形
に強く、表面に近接した火炎の炎電流を確実に検出でき
る燃焼装置を得ることができる。
【0058】また、多孔質状のセラミックスで形成され
た燃焼板と、前記燃焼板上の火炎が形成される部位に先
端部が表面側から埋設された負極の電極と、前記負極の
電極に対し所定距離離して配置された正極の電極と、前
記正極の電極及び前記負極の電極間に電圧を印加する手
段と、前記正極の電極及び前記負極の電極間を流れる電
流を検出する検出手段とを備えているので、負極の電極
と火炎とを確実に接触させることができ、電極の熱変形
に強く、表面に近接した火炎の炎電流をより確実に検出
できる燃焼装置を得ることができる。
【0059】さらに、正極の電極は、燃焼板から離して
配置されているので、電極の設置が容易である。
【0060】また、正極の電極は、先端部が燃焼板上の
火炎が形成される部位の表面に接触するように配置され
ているので、正極の電極と火炎との距離を小さくでき、
より確実に炎電流を検出することができる。
【0061】さらに、負極の電極は、先端部が燃焼板表
面の凹部に接触するように配置されているので、火炎が
燃焼板の凹部にしか生じない場合にでも炎電流を検出す
ることができる。
【0062】また、正極の電極は、燃焼板上の火炎が形
成される部位に先端部が表面側から埋設されるように配
置されているので、正極の電極と火炎との距離を小さく
でき、より確実に炎電流を検出することができる。
【0063】さらに、負極の電極は、先端部が燃焼板表
面の凹部に埋設するように配置されているので、火炎が
燃焼板の凹部にしか生じない場合にでも炎電流を検出す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1の燃焼装置を示す構成
図である。
【図2】 図1に示した燃焼装置の炎電流の測定結果を
示す図である。
【図3】 図1に示した燃焼装置の炎電流の測定結果を
示す図である。
【図4】 図1に示した燃焼装置の炎電流の測定結果を
示す図である。
【図5】 本発明の実施の形態2の燃焼装置を示す図で
ある。
【図6】 本発明の実施の形態3の燃焼装置を示す図で
ある。
【図7】 本発明の実施の形態3の燃焼装置を示す図で
ある。
【図8】 従来のセラミックスバーナーを示す構成図で
ある。
【図9】 従来のセラミックスバーナーを示す構成図で
ある。
【図10】 従来のセラミックスバーナーを示す構成図
である。
【図11】 表面燃焼の火炎を示す説明図である。
【符号の説明】
1 気化室 2 ヒータ 3 絞り部 4 整流板 5 多孔質セラミックスプレート 6 火炎 7 保持部分 8 空気ノ
ズル 9 灯油供給管 10 正極電
極 11 負極電極 12 セラ
ミックス粒子 101 外枠 102 ス
ロート 103 セラミックスバーナープレート 104 耐
熱パッキン 105 押さえ板 106 ネ
ジ 107 係止片 110 段
付きネジ 121 火炎 122 セ
ラミックス板 123 炎孔 124 負
極ロッド 125 イオン電極 131 火炎 132 セ
ラミックス板 133 炎孔 134 負
極ロッド 135 イオン電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 椙本 照男 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多孔質状のセラミックスで形成された燃
    焼板と、前記燃焼板上の火炎が形成される部位の表面に
    先端部が接触するように配置された負極の電極と、前記
    負極の電極に対し所定距離離して配置された正極の電極
    と、前記正極の電極及び前記負極の電極間に電圧を印加
    する手段と、前記正極の電極及び前記負極の電極間を流
    れる電流を検出する検出手段とを備えたことを特徴とす
    る燃焼装置。
  2. 【請求項2】 多孔質状のセラミックスで形成された燃
    焼板と、前記燃焼板上の火炎が形成される部位に先端部
    が表面側から埋設された負極の電極と、前記負極の電極
    に対し所定距離離して配置された正極の電極と、前記正
    極の電極及び前記負極の電極間に電圧を印加する手段
    と、前記正極の電極及び前記負極の電極間を流れる電流
    を検出する検出手段とを備えたことを特徴とする燃焼装
    置。
  3. 【請求項3】 正極の電極は、燃焼板から離して配置さ
    れていることを特徴とする請求項1または請求項2記載
    の燃焼装置。
  4. 【請求項4】 正極の電極は、先端部が燃焼板上の火炎
    が形成される部位の表面に接触するように配置されてい
    ることを特徴とする請求項1記載の燃焼装置。
  5. 【請求項5】 負極の電極は、先端部が燃焼板表面の凹
    部に接触するように配置されていることを特徴とする請
    求項1または請求項4記載の燃焼装置。
  6. 【請求項6】 正極の電極は、燃焼板上の火炎が形成さ
    れる部位に先端部が表面側から埋設されるように配置さ
    れていることを特徴とする請求項2記載の燃焼装置。
  7. 【請求項7】 負極の電極は、先端部が燃焼板表面の凹
    部に埋設するように配置されていることを特徴とする請
    求項2または請求項6記載の燃焼装置。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
NL1025986C2 (nl) * 2004-04-20 2005-10-24 Eco Ceramics B V Keramische brander.
WO2007059991A1 (de) * 2005-11-25 2007-05-31 Gvp Gesellschaft Zur Vermarktung Der Porenbrennertechnik Mbh Brenneranordnung
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WO2010110146A1 (ja) * 2009-03-27 2010-09-30 新日本石油株式会社 灯油用表面燃焼バーナ
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CN110017507A (zh) * 2019-04-15 2019-07-16 苏磊 一种高效节能环保全预混燃气灶热效率系统

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