JPH1126427A - 膜パターニング方法,半導体素子の製造方法並びに薄膜太陽電池及びその製造方法 - Google Patents

膜パターニング方法,半導体素子の製造方法並びに薄膜太陽電池及びその製造方法

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JPH1126427A
JPH1126427A JP9176188A JP17618897A JPH1126427A JP H1126427 A JPH1126427 A JP H1126427A JP 9176188 A JP9176188 A JP 9176188A JP 17618897 A JP17618897 A JP 17618897A JP H1126427 A JPH1126427 A JP H1126427A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 膜を簡易にパターニングする方法、及び、こ
の方法を用いて薄膜太陽電池を製造する方法を提供す
る。 【解決手段】 第1の膜1上に第2の膜2を積層した積
層体3に対して、、ノズル4にて大気圧より高圧の液体
5を第2の膜2の除去対象領域に向けて噴射し、液体5
の圧力によって第2の膜2の一部を除去して、第2の膜
2のパターニングを行う。第1の膜1へのエッチング速
度と第2の膜2へのエッチング速度との比が1対10以
上であるような液体5を使用する。使用する液体5のp
Hは2.5〜6.0または8.0〜11.5の範囲内と
し、噴射圧力は100〜500kg/cm2 の範囲内と
する。このようなパターニング方法を、集積型薄膜太陽
電池の透光性導電膜,光電変換膜,裏面電極膜のパター
ニング加工に利用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、薄膜太陽電池等の
半導体素子を製造する際に利用できる、膜のパターニン
グ方法に関する。
【0002】半導体膜を光活性層とする薄膜型の太陽電
池としては、現在、順タイプのものと逆タイプのものと
が実用化されている。順タイプのものは、ガラス基板等
の絶縁性及び透光性を有する基板上に、透光性導電膜と
pin接合を含む非晶質シリコン等の非晶質半導体膜と
裏面電極膜とを積層してなる多数の光電変換素子を有
し、隣合う光電変換素子間で一方の光電変換素子の透光
性導電膜と他方の光電変換素子の裏面電極膜とを電気的
に接続して、これらの多数の光電変換素子を直列的に集
積化した構成をなす。各光電変換素子において、基板,
透光性導電膜を順次介して光が入射すると、非晶質半導
体膜内で光起電力が発生し、それぞれの光電変換素子で
発生した光起電力は裏面電極膜を介して直列的に相加さ
れて外部に取り出される。
【0003】一方、逆タイプの薄膜太陽電池は、ステン
レス板等の金属板に絶縁膜を形成したもの、或いはプラ
スチック板等の絶縁性表面を有する基板上に、裏面電極
膜とnip接合を含む非晶質シリコン等の非晶質半導体
膜と透光性導電膜とを積層してなる多数の光電変換素子
を有し、隣合う光電変換素子間で一方の光電変換素子の
透光性導電膜と他方の光電変換素子の裏面電極膜とを電
気的に接続して、これらの多数の光電変換素子を直列的
に集積化した構成をなす。各光電変換素子において、透
光性導電膜を介して光が入射すると、非晶質半導体膜内
で光起電力が発生し、それぞれの光電変換素子で発生し
た光起電力は裏面電極膜を介して直列的に相加されて外
部に取り出される。
【0004】このような順タイプ及び逆タイプの何れの
型の薄膜太陽電池においても、多数の光電変換素子を形
成してこれらを集積化するために、その作製工程におい
て、成膜された透光性導電膜,非晶質半導体膜及び裏面
電極膜の所定の領域を除去してパターニングする必要が
ある。このような薄膜をパターニングする手法として
は、エネルギビームとしてのレーザビームを薄膜に照射
して所定領域を焼き切るようにした細密加工性に富むレ
ーザ加工技術が一般的に使用されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このレーザ加工技術を
使う膜パターニング方法には、以下に述べるような問題
点がある。基板の凹凸,傷,反り等によってレーザビー
ムの焦点が加工点に合わない場合は、加工残しが生じ
る。また、レーザビームの照射によって飛ばされた飛散
物が別の領域に再び付着する。そして、このような加工
残し或いは飛散物の再付着があると、これらを介した電
流のリーク或いはこれらに起因する非晶質半導体膜,裏
面電極膜の剥離等が生じ、歩留りを低下させるという問
題がある。また、それぞれの膜のパターニングに最適で
ある高価なレーザビーム照射設備を設ける必要があり、
コストが嵩むという問題もある。
【0006】本発明は斯かる事情に鑑みてなされたもの
であり、膜の除去対象の領域に高圧の液体を噴射するこ
とにより、加工残し,再付着が発生せず、簡易かつ容易
に所望のパターンで膜をパターニングできる膜パターニ
ング方法を提供することを目的とする。
【0007】本発明の他の目的は、このような膜パター
ニング方法を用いることにより、歩留りの向上を図れる
半導体素子の製造方法を提供することにある。
【0008】本発明の更に他の目的は、透光性導電膜,
光電変換膜及び裏面電極膜のパターニングにこのような
膜パターニング方法を採用することにより、歩留り良く
安価に製造でき、光電変換素子間の分離が精度良くなさ
れている薄膜太陽電池及びその製造方法を提供すること
にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る膜パター
ニング方法は、下地体に被着された膜の一部を除去して
パターニングする方法において、加圧した液体を前記膜
の除去対象の領域に噴射することを特徴とする。
【0010】請求項2に係る膜パターニング方法は、第
1の膜に積層された前記第1の膜とは異なる材料からな
る第2の膜の一部を除去して前記第2の膜をパターニン
グする方法において、加圧した液体を前記第2の膜の除
去対象の領域に噴射することとし、前記第1の膜のエッ
チング速度に対する前記第2の膜のエッチング速度の比
が10以上になるように前記液体のpHを調整すること
を特徴とする。
【0011】請求項3に係る半導体素子の製造方法は、
パターニングされた薄膜を有する半導体素子を製造する
方法において、請求項1または2記載の膜パターニング
方法を用いて前記パターニングされた薄膜を形成する工
程を有することを特徴とする。
【0012】請求項4に係る薄膜太陽電池は、絶縁性を
有する透光性基板上に、パターニングされた透光性導電
膜,光電変換膜及び裏面電極膜を積層した薄膜太陽電池
において、前記透光性導電膜,光電変換膜及び裏面電極
膜の少なくとも1つの膜が、請求項1または2記載の膜
パターニング方法を用いてパターニングされたことを特
徴とする。
【0013】請求項5に係る薄膜太陽電池は、絶縁性表
面を有する基板上に、パターニングされた裏面電極膜,
光電変換膜及び透光性導電膜を積層した薄膜太陽電池に
おいて、前記裏面電極膜,光電変換膜及び透光性導電膜
の少なくとも1つの膜が、請求項1または2記載の膜パ
ターニング方法を用いてパターニングされたことを特徴
とする。
【0014】請求項6に係る薄膜太陽電池の製造方法
は、絶縁性を有する透光性基板上に、パターニングされ
た透光性導電膜,光電変換膜及び裏面電極膜を積層した
薄膜太陽電池を製造する方法において、前記透光性導電
膜,光電変換膜及び裏面電極膜の少なくとも1つの膜の
除去対象の領域に加圧した液体を噴射して、その膜をパ
ターニングすることを特徴とする。
【0015】請求項7に係る薄膜太陽電池の製造方法
は、絶縁性表面を有する基板上に、パターニングされた
裏面電極膜,光電変換膜及び透光性導電膜を積層した薄
膜太陽電池を製造する方法において、前記裏面電極膜,
光電変換膜及び透光性導電膜の少なくとも1つの膜の除
去対象の領域に加圧した液体を噴射して、その膜をパタ
ーニングすることを特徴とする。
【0016】本発明の膜パターニング方法の概要につい
て説明する。図1は、本発明の膜パターニング方法の実
施状態を示す模式図である。図1において、3は第1の
膜1上に第2の膜2を積層してなる積層体であり、第2
の膜2を所定のパターンに応じてパターニングする。第
1の膜1と第2の膜2とは材質が異なる膜であり、例え
ば、第1の膜1が非晶質シリコン膜、第2の膜2が金属
膜である。このような積層体3に対して、水平面と所定
の角度(θ)をなして上方からノズル4にて高圧の液体
5を噴射する。この際、第2の膜2の除去対象領域に向
けて液体5を噴射する。そうすると、液体を噴射された
領域では第2の膜2が除去されて、所望のパターニング
が実現される。
【0017】本発明の方法では、レーザビーム照射のよ
うな大嵩な装置が必要でなく焦点合わせも不要であり、
極めて簡易かつ容易に第2の膜2のパターニングを行え
る。また、熱も発生しない。
【0018】尚、使用する液体としては、第2の膜2に
対するエッチングが容易であって第1の膜1に対するエ
ッチングが困難であるような液体を使用する。具体的に
は、第1の膜1へのエッチング速度と第2の膜2へのエ
ッチング速度との比が1対10以上であるような液体を
使用する。このようなエッチング速度比を実現するため
に、使用する液体のpHを調整して2.5〜6.0また
は8.0〜11.5の範囲内とする。また、噴射する液
体の圧力は100〜500kg/cm2 の範囲内とす
る。また、噴射角度θは30〜90度の範囲内とする。
尚、これらの数値の限定理由については、実施の形態の
項で後述する。
【0019】本発明の膜パターニング方法では、レーザ
ビームによるパターニング時に見られるような加工残
し,飛散物の再付着の虞がないので、パターニングされ
た薄膜を有する薄膜太陽電池等の半導体素子を製造する
際の歩留りの向上に本発明の膜パターニング方法は多い
に寄与できる。薄膜太陽電池を例にすれば、本発明の膜
パターニング方法を用いることにより、透光性導電膜,
光電変換膜,裏面電極膜が、各光電変換素子毎に確実に
分離され、電気的短絡も発生せず、歩留りは向上する。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、薄膜太陽電池を例として、
本発明をその実施の形態を示す図面を参照して具体的に
説明する。
【0021】(実施の形態1)図2は、実施の形態1に
おける順タイプの非晶質シリコン太陽電池の作製工程を
示す模式的断面図である。この実施の形態1の例では、
後述するように、パターニングの被加工体を裏面電極膜
(Ag)とし、噴射液体はアルカリ性溶液を用いる。
【0022】まず、ガラス基板11上に、熱CVD法を
用いてSnO2 からなる透光性導電膜12を厚さ数千Å
で蒸着した後(図2(a))、その透光性導電膜12を
レーザビーム照射によりパターニングする(図2
(b))。次に、プラズマCVD法を用いてガラス基板
11側からp型非晶質シリコンカーバイド層,i型非晶
質シリコン層及びn型非晶質シリコン層を積層した単一
または複数の積層体(厚さ2000Å〜1μm)からな
る非晶質半導体膜13を形成する(図2(c))。具体
的には、シランガス雰囲気にジボラン及びメタンを添加
してp型非晶質シリコンカーバイド層を形成し、シラン
ガスのみによりi型非晶質シリコン層を形成し、シラン
ガスにホスフィンを添加してn型非晶質シリコン層を形
成する。成膜した非晶質半導体膜13をレーザビーム照
射によりパターニングする(図2(d))。次に、Ag
からなる裏面電極膜14を厚さ2000Å〜1μmで蒸
着する(図2(e))。
【0023】そして、本発明のパターニング方法を用い
て、裏面電極膜14をパターニングする(図2
(f))。直径0.01mmのノズルから、NaOH:
10に対して水:0.5〜6の割合で混合した液体を、
裏面電極膜14の非晶質半導体膜13上における所望の
領域に噴射してパターニングを行う。ノズル先端と被加
工部との間隔は5mmとし、液体の噴射角度は裏面電極
膜14に対して垂直とする。その後、パターニング表面
周辺部に純水を厚さ1〜3mm,流速2〜5m/秒で流
して、パターニング領域以外がエッチングされることを
防止する。以上のような処理によって、隣合う一方の光
電変換素子の裏面電極膜14と他方の光電変換素子の透
光性導電膜12とが電気的に接続され、多数の光電変換
素子の集積化を実現できる。
【0024】以下、このような順タイプの非晶質シリコ
ン太陽電池における本発明のパターニング方法の種々の
条件についての考察を行う。
【0025】液体の噴射圧力に対する下地への影響を調
べた結果を表1に示す。尚、下地への影響は、ガラス基
板上に形成された膜厚約2000Åの非晶質シリコン膜
の所定部に、NaOH:10に対して水:4の割合で混
合した液体を垂直に噴射し、この時の噴射圧力に対する
ガラス基板表面の表面粗さを測定することで行った。液
体の噴射圧力が500kg/cm2 までである場合に
は、ガラス基板の表面粗さは変化せず、520kg/c
2 以上になると、表面粗さが増して下地への影響が無
視できなくなる。斯かる如く下地への影響が無視できな
くなる噴射圧力の閾値は、パターニングされる膜の膜
厚,種類、或いは噴射する液体の濃度等に依存するた
め、これらに応じて最適な噴射圧力を設定する必要があ
る。ここでは噴射圧力を500kg/cm2 以下として
以降の実験を行った。
【0026】
【表1】
【0027】次に、噴射圧力を500kg/cm2 以下
の範囲で変化させてNaOH:10,水:4の混合液を
噴射し、裏面電極膜をパターニングして太陽電池を10
0枚製造し、歩留りを測定した。その測定結果を表2に
示す。尚、歩留りは、光電変換効率ηが最高効率値η
max の85%以上であるものを良品として計算し、従来
のレーザビーム照射を用いて形成した場合の歩留りとの
相対値で示している。また、非晶質半導体膜13及び裏
面電極膜14の膜厚は、それぞれ2000Å及び400
0Åと一定である。
【0028】
【表2】
【0029】噴射する液体のpHを変化させた場合にお
けるパターニング結果を表3に示す。また、その液体の
pHを変化させた場合におけるAg(裏面電極膜14)
とa−Si(非晶質半導体膜13)とのエッチング速度
の変化を表4に示す。尚、非晶質半導体膜13,裏面電
極膜14の厚さは、何れも4000Åで一定とし、液体
はNaOHと水との混合液を使用した。また、噴射圧力
は、表2の結果が最も良好であった400kg/cm2
とした。歩留りの数値の求め方は表2と同じである。
【0030】
【表3】
【0031】
【表4】
【0032】表2,表3の結果から、限られたpHのア
ルカリ性溶液の噴射加工によって、従来のレーザビーム
照射によるパターニング(線幅約40〜60μm)と同
程度の線幅にて太陽電池を製造し、従来よりも歩留りを
10〜40%も向上させ得ることが分かる。
【0033】また、表3の結果から、液体のpHを7.
9〜12.5の範囲内で変化させてパターニングを行っ
た場合、pHが10.0〜11.5のときに従来例より
歩留りが向上し、pHが11.5において最も歩留りが
良かったことが分かる。尚、噴射する液体としてpH=
7.0の純水を使用した場合には、Ag,a−Siの選
択的なエッチング加工を行えず、集積化ができなかった
ので、太陽電池特性も得られなかった。
【0034】更に、表4の結果から、pH7.9〜1
2.5の範囲内の液体に対するAg,a−Siのエッチ
ング速度を比較した場合、pHが7.9以下または1
2.0以上ではAgのエッチング速度がa−Siのエッ
チング速度の10倍未満であることが分かる。そして、
表3,表4の結果から、従来例に比べて歩留りを同等ま
たは向上させる(表3の歩留りが1.0以上であり、そ
のときのpHは8.0〜11.5)ためには、a−Si
のエッチング速度に対するAgのエッチング速度の比を
10以上とする必要があることが分かる。
【0035】尚、液体の噴射角度については、加工面に
対する水平角度30〜90度の範囲内でパターニングを
行ったが、エッチング幅,エッチング速度,歩留りに差
異は見られなかった。
【0036】以上のような結果に鑑みて、パターニング
対象の第2の膜(Agの裏面電極膜14)に対するエッ
チング速度がその下地層である第1の膜(a−Siの非
晶質半導体膜13)に対するエッチング速度の10倍以
上となるような、pHが8.0〜11.5の範囲内であ
る液体を使用し、噴射圧力を400kg/cm2 程度と
すると、最も効率良く第2の膜(Agの裏面電極膜1
4)のパターニングを行えることになる。
【0037】(実施の形態2)図3は、実施の形態2に
おける逆タイプの非晶質シリコン太陽電池の作製工程を
示す模式的断面図である。この実施の形態2の例では、
後述するように、パターニングの被加工体を透光性導電
膜(ITO)とし、噴射液体は酸性水溶液を用いる。
【0038】まず、SUS金属基板21上に、SiO2
からなる絶縁膜22,Agからなる裏面電極膜23をそ
れぞれ厚さ数千Åでこの順に蒸着した後(図3
(a))、裏面電極膜23をレーザビーム照射によりパ
ターニングする(図3(b))。次に、裏面電極膜23
側からn型非晶質シリコン層,i型非晶質シリコン層及
びp型非晶質シリコン層を積層した単一または複数の積
層体からなる非晶質半導体膜24(厚さ2000Å〜1
μm)を、実施の形態1と同様に形成する(図3
(c))。成膜した非晶質半導体膜24をレーザビーム
照射によりパターニングした後(図3(d))、ITO
からなる透光性導電膜25を厚さ数千Åで蒸着する(図
3(e))。
【0039】そして、本発明のパターニング方法を用い
て、透光性導電膜25を非晶質半導体膜24に対して選
択的にエッチングする(図3(f))。直径0.01m
mのノズルから、HF:1に対してHNO3 :1〜3の
割合で混合した液体を透光性導電膜25の所望の領域に
噴射してパターニングを行う。ノズル先端と被加工部と
の間隔は5mmとし、液体の噴射角度は透光性導電膜2
5に対して垂直とする。その後、パターニング表面周辺
部に純水を厚さ1〜3mm,流速2〜5m/秒で流し
て、パターニング領域以外がエッチングされることを防
止する。
【0040】最後に、エッチングされた透光性導電膜2
5の下方部分の非晶質半導体膜24を、レーザビーム照
射により除去する(図3(g))。以上のような処理に
よって、隣合う一方の光電変換素子の裏面電極膜23と
他方の光電変換素子の透光性導電膜25とが電気的に接
続され、多数の光電変換素子の集積化を実現できる。
【0041】以下、このような逆タイプの非晶質シリコ
ン太陽電池における本発明のパターニング方法の種々の
条件について考察する。
【0042】液体の噴射圧力に対する下地への影響を調
べた結果を表5に示す。尚、測定は、SUS基板上に膜
厚約3000ÅのSiO2 膜,膜厚約3000ÅのAg
及び膜厚約2000Åの非晶質シリコン膜をこの順に形
成し、この非晶質シリコン膜の所定部に、KOH:1,
2 O:1,プロパノール:5の割合で混合した液体を
垂直に噴射し、この時のAgの表面粗さを測定すること
で行った。液体の噴射圧力が400kg/cm2 までで
ある場合には、金属基板の表面粗さは変化せず、450
kg/cm2 以上になると、表面粗さが増して下地への
影響が無視できなくなる。よって、噴射圧力は400k
g/cm2 以下とする。
【0043】
【表5】
【0044】また、噴射圧力を400kg/cm2 以下
の範囲で変化させた場合におけるパターニング結果を表
6に示す。非晶質半導体膜24の厚さは、2000Åで
一定とし、液体はHNO3 :1,H2 O:1の混合液を
使用した。尚、歩留りの数値の求め方は、実施の形態1
と同様である。
【0045】
【表6】
【0046】噴射する液体のpHを変化させた場合にお
けるパターニング結果を表7に示す。非晶質半導体膜2
4の厚さは、2000Åで一定とし、液体は鉱酸:2,
FeCl3 :1の混合液を使用した。噴射圧力は、表6
の結果が最も良好であった300kg/cm2 とした。
また、その液体のpHを変化させた場合におけるITO
(透光性導電膜25)とa−Si(非晶質半導体膜2
4)とのエッチング速度の変化を表8に示す。透光性導
電膜25の厚さは1000Å、非晶質半導体膜24の厚
さは4000Åでそれぞれ一定とし、液体は鉱酸:2,
FeCl3 :1の混合液を使用した。
【0047】
【表7】
【0048】
【表8】
【0049】表6,表7の結果から、限られたpHの酸
性溶液の噴射加工によって、従来のレーザビーム照射に
よるパターニング(線幅約40〜60μm)と同程度の
線幅にて太陽電池を製造し、従来よりも歩留りを10〜
40%も向上させたことが分かる。
【0050】また、表7の結果から、液体のpHを2.
0〜6.1の範囲内で変化させてパターニングを行った
場合、pHが2.5〜5.0のときに従来例より歩留り
が向上し、pHが3.0,3.5において最も歩留りが
良く40%も向上したことが分かる。尚、噴射する液体
としてpH=7.0の純水を使用した場合には、IT
O,a−Siの選択的なエッチング加工を行えず、集積
化ができなかったので、太陽電池特性も得られなかっ
た。
【0051】更に、表8の結果から、pH1.5〜6.
1の範囲内の液体に対するITO,a−Siのエッチン
グ速度を比較した場合、pHが2.0以下または6.1
以上ではITOのエッチング速度がa−Siのエッチン
グ速度の10倍未満であることが分かる。そして、表
7,表8の結果から、従来例に比べて歩留りを同等また
は向上させる(表7の歩留りが1.0以上であり、その
ときのpHは2.5〜6.0)ためには、a−Siのエ
ッチング速度に対するITOのエッチング速度の比を1
0以上とする必要があることが分かる。
【0052】尚、液体の噴射角度については、実施の形
態1と同様に、加工面に対する水平角度30〜90度の
範囲内でパターニングを行ったが、エッチング幅,エッ
チング速度,歩留りに差異は見られなかった。
【0053】以上のような結果に鑑みて、パターニング
対象の第2の膜(ITOの透光性導電膜25)に対する
エッチング速度がその下地層である第1の膜(a−Si
の非晶質半導体膜24)に対するエッチング速度が10
倍以上となるような、pHが2.5〜6.0の範囲内で
ある液体を使用し、噴射圧力を300kg/cm2 程度
とすると、最も効率良く第2の膜(ITOの透光性導電
膜25)のパターニングを行えることになる。
【0054】尚、上述した実施の形態1では、裏面電極
膜14(Ag)のパターニングについてのみ、本発明の
パターニング方法を用いたが、非晶質半導体膜13(a
−Si),透光性導電膜12(SnO2 )のパターニン
グの際にも、本発明のパターニング方法を用いても良
い。同様に、上述した実施の形態2では、透光性導電膜
25(ITO)の非晶質半導体膜24(a−Si)に対
する選択的エッチングについてのみ、本発明のパターニ
ング方法を用いたが、非晶質半導体膜24(a−Si)
の裏面電極膜23(Ag)に対する選択的エッチング,
裏面電極膜23(Ag)のパターニングの際にも、本発
明のパターニング方法を用いても良い。
【0055】ところで、本発明のパターニング方法は、
上述の例以外に種々の種類の薄膜のパターニングにも適
用できる。下記表9に、上述した実施の形態の例の場合
も含めて、異なった材料からなる2つの薄膜の積層体の
一方の薄膜を、本発明の方法を用いてパターニングする
場合に使用する噴射液体の例を示す。尚、表9にあって
は、左側に示した物質からなる薄膜がエッチング除去さ
れてパターニングされる。この場合にあっても、下地体
となる第1の膜のエッチング速度に対する、パターニン
グすべき第2の膜のエッチング速度の比が10以上にな
るようにpHを調整した液体を用いることで、第1の膜
に対する影響を抑制でき、良好なパターニングが可能と
なる。
【0056】
【表9】
【0057】
【発明の効果】以上のように本発明の膜パターニング方
法では、膜の除去対象の領域に高圧の液体を噴射して膜
のパターニングを行うので、レーザビームの照射による
パターニングで見られるような加工残し,飛散物の再付
着は起こらず、パターニングを精度良く簡易に行える。
また、このようなパターニング方法を用いて半導体素子
を製造する場合には、歩留りの向上を図れる。特に、薄
膜太陽電池の透光性導電膜,光電変換膜,裏面電極膜の
パターニングにこのようなパターニング方法を採用する
ことにより、光電変換素子間の分離を精度良く行え、薄
膜太陽電池を歩留り良く安価に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の膜パターニング方法の実施状態を示す
模式図である。
【図2】順タイプの非晶質シリコン太陽電池の作製工程
を示す模式的断面図である。
【図3】逆タイプの非晶質シリコン太陽電池の作製工程
を示す模式的断面図である。
【符号の説明】 1 第1の膜 2 第2の膜 3 積層体 4 ノズル 5 液体 11 ガラス基板 12,25 透光性導電膜 13,24 非晶質半導体膜 14,23 裏面電極膜 21 SUS金属基板 22 絶縁膜

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下地体に被着された膜の一部を除去して
    パターニングする方法において、加圧した液体を前記膜
    の除去対象の領域に噴射することを特徴とする膜パター
    ニング方法。
  2. 【請求項2】 第1の膜に積層された前記第1の膜とは
    異なる材料からなる第2の膜の一部を除去して前記第2
    の膜をパターニングする方法において、加圧した液体を
    前記第2の膜の除去対象の領域に噴射することとし、前
    記第1の膜のエッチング速度に対する前記第2の膜のエ
    ッチング速度の比が10以上になるように前記液体のp
    Hを調整することを特徴とする膜パターニング方法。
  3. 【請求項3】 パターニングされた薄膜を有する半導体
    素子を製造する方法において、請求項1または2記載の
    膜パターニング方法を用いて前記パターニングされた薄
    膜を形成する工程を有することを特徴とする半導体素子
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 絶縁性を有する透光性基板上に、パター
    ニングされた透光性導電膜,光電変換膜及び裏面電極膜
    を積層した薄膜太陽電池において、前記透光性導電膜,
    光電変換膜及び裏面電極膜の少なくとも1つの膜が、請
    求項1または2記載の膜パターニング方法を用いてパタ
    ーニングされたことを特徴とする薄膜太陽電池。
  5. 【請求項5】 絶縁性表面を有する基板上に、パターニ
    ングされた裏面電極膜,光電変換膜及び透光性導電膜を
    積層した薄膜太陽電池において、前記裏面電極膜,光電
    変換膜及び透光性導電膜の少なくとも1つの膜が、請求
    項1または2記載の膜パターニング方法を用いてパター
    ニングされたことを特徴とする薄膜太陽電池。
  6. 【請求項6】 絶縁性を有する透光性基板上に、パター
    ニングされた透光性導電膜,光電変換膜及び裏面電極膜
    を積層した薄膜太陽電池を製造する方法において、前記
    透光性導電膜,光電変換膜及び裏面電極膜の少なくとも
    1つの膜の除去対象の領域に加圧した液体を噴射して、
    その膜をパターニングすることを特徴とする薄膜太陽電
    池の製造方法。
  7. 【請求項7】 絶縁性表面を有する基板上に、パターニ
    ングされた裏面電極膜,光電変換膜及び透光性導電膜を
    積層した薄膜太陽電池を製造する方法において、前記裏
    面電極膜,光電変換膜及び透光性導電膜の少なくとも1
    つの膜の除去対象の領域に加圧した液体を噴射して、そ
    の膜をパターニングすることを特徴とする薄膜太陽電池
    の製造方法。
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