JPH11263203A - 車両のブレーキ制御装置 - Google Patents

車両のブレーキ制御装置

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JPH11263203A
JPH11263203A JP7078798A JP7078798A JPH11263203A JP H11263203 A JPH11263203 A JP H11263203A JP 7078798 A JP7078798 A JP 7078798A JP 7078798 A JP7078798 A JP 7078798A JP H11263203 A JPH11263203 A JP H11263203A
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brake
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scs
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Tetsuya Tatehata
哲也 立畑
Haruki Okazaki
晴樹 岡崎
Toshiaki Tsuyama
俊明 津山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】緊急ブレーキ装置による急激な制動力の増大を
防止する。 【解決手段】ステップS16では、路面の摩擦係数μが
所定値μ0以下であるか否かを判定することにより低μ
路走行中か否かを判定する。ステップS16で摩擦係数
μが所定値μ0以下ならば低μ路走行中なのでステップ
S20に進み緊急ブレーキ制御を抑制する。ステップS
17では、車速Vが所定値V0以上であるか否かを判定
することにより高速走行中か否かを判定する。ステップ
S17で車速Vが所定値V0以上ならば高速走行中なの
でステップS20進み緊急ブレーキ制御を抑制する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両のブレーキ制
御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般の自動車には、ブレーキペダルの踏
み込みにより発生する制動力を補助する倍力装置(ブー
スタ)が搭載されている。ここで、特に初心者等では、
緊急時に十分な踏み込みを行うことができないことがあ
る。そこで、この倍力装置を助勢して更に強い制動力を
得るための緊急ブレーキ装置が提案されている。
【0003】一方、最近の自動車には、走行中の車両の
ヨーレートやステアリング舵角等の車両状態量を検出し
て、コーナリング時や緊急の障害物回避時や路面状況急
変時等に車両の横滑りやスピンを抑制する姿勢制御装置
が搭載されている。
【0004】特開平9−290749号には、ブレーキ
アシスト制御中にスタビリティコントロール制御要求が
生じると、ブレーキアシスト制御を一旦終了するものが
開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、姿勢制
御装置による制御中に緊急ブレーキ装置が作動すると、
急に制動力が増大して走行安定性が損なわれる虞があ
る。
【0006】本発明は、上述の課題に鑑みてなされ、そ
の目的は、制動距離より姿勢制御による走行安定性を高
める点に重点を置いた姿勢制御が可能となり、緊急ブレ
ーキ装置による急激な制動力の増大を防止できる車両の
ブレーキ制御装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決し、目
的を達成するために、本発明の車両のブレーキ制御装置
は、以下の構成を備える。即ち、ブレーキ状態量が所定
量以上の時に車輪への制動力を増大させる制動力助勢手
段と、車両の走行姿勢が目標姿勢から逸脱したときに、
該走行姿勢を目標姿勢に収束させる姿勢制御手段とを備
え、前記姿勢制御手段による制御中に前記ブレーキ状態
量が所定量以上となった場合には、車両の走行状態に応
じて該制動力助勢手段による制御介入を抑制する。
【0008】また、好ましくは、前記姿勢制御手段は車
両のドリフトアウト及びスピンを抑制する制御を実行
し、該スピンの抑制中は該ドリフトアウトの抑制中に比
べて前記制動力助勢手段の制御介入の抑制度合を大きく
する。
【0009】また、好ましくは、路面の摩擦係数が低い
程、或いは高速走行中である程前記抑制度合を小さくす
る。
【0010】また、好ましくは、路面の摩擦係数が低い
程、或いは高速走行中である程前記抑制度合を大きくす
る。
【0011】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施形態について
添付の図面を参照して詳細に説明する。 [ABS制御装置の機械的構成]図1は、本実施形態に
係るABS制御装置の機械的構成を示すブロック図であ
る。
【0012】図1に示すように、本実施形態の車両は、
左右の前輪11、12が従動輪、左右の後輪13、14
が駆動輪とされ、エンジン15の出力トルクが自動変速
機16からプロペラシャフト17、差動装置18及び左
右の駆動軸19、20を介して左右の後輪13、14に
伝達されるようになっている。
【0013】各車輪11〜14には、これら車輪と一体
的に回転するディスク21a〜24aと、制動圧の供給
を受けてディスク21a〜24aの回転を制動するキャ
リパ21b〜24bとを備えたブレーキ装置21〜24
が設けられている。
【0014】ブレーキ装置21〜24を作動せしめるた
めのブレーキ制御システムは、運転者によるブレーキペ
ダル26の踏込力を増大させるメインブースタ27とサ
ブブースタ47と、これらブースタ27、47により増
大された踏力圧に応じて制動圧を発生させるマスタシリ
ンダ28とを有する。マスタシリンダ28から延設され
た前輪用制動圧供給ライン29は左前輪用制動圧供給ラ
イン29aと右前輪用制動圧供給ライン29bとに分岐
され、各ブレーキ装置21、22のキャリパ21a、2
2bに接続されている。左前輪用制動圧供給ライン29
aには、電磁式開閉弁30aと電磁式リリーフ弁30b
とからなる第1バルブユニット30が設けられ、右前輪
用制動圧供給ライン29bには、電磁式開閉弁31aと
電磁式リリーフ弁31bとからなる第2バルブユニット
31が設けられている。
【0015】マスタシリンダ28から延設された後輪用
制動圧供給ライン32には、電磁式開閉弁33aと電磁
式リリーフ弁33bとからなる第3バルブユニット30
が設けられている。そして、この後輪用制動圧供給ライ
ン32は、第3バルブユニット33の下流側で左後輪用
制動圧供給ライン32aと右後輪用制動圧供給ライン3
2bとに分岐し、各ブレーキ装置23、24のキャリパ
23a、24bに接続されている。
【0016】本実施形態では、第1バルブユニット30
の作動により左前輪11のブレーキ装置21の制動圧を
調節する第1チャンネルと、第2バルブユニット31の
作動により右前輪12のブレーキ装置22の制動圧を調
節する第2チャンネルと、第3バルブユニット33の作
動により左右の後輪13、14のブレーキ装置23、2
4の制動圧を調節する第3チャンネルとを備え、これら
各チャンネルは互いに独立して制御されるようになって
いる。そして、第1〜第3バルブユニット30、31、
33が制動圧を調節する。
【0017】第1〜第3チャンネルを制御するコントロ
ール34は、ブレーキペダル26が踏まれているか否
か、ブレーキペダルの踏込量及び踏込速度を検出するブ
レーキセンサ35からのブレーキ状態信号と、各車輪1
1〜14の回転速度を検出する車輪速センサ37〜40
からの車輪速信号と、舵角センサ41からの舵角信号
(転舵量、転舵速度)とを入力され、ABS制御を各チ
ャンネル毎に並行して行うようになっている。
【0018】コントロールユニット34は、各車輪11
〜14の車輪速に基づいて、所定のABS制御開始閾値
に従って第1〜第3バルブユニット30、31、33に
より各車輪11〜14の制動圧を増減制御し、このAB
S制御開始閾値を補正或いは補正を禁止し、第1〜第3
バルブユニット30、31、33の開閉弁30a、31
a、33aとリリーフ弁30b、31b、33bとをデ
ューティ制御によって開閉制御するようになっている。
尚、リリーフ弁30b、31b、33bから排出された
ブレーキ液は、不図示のドレンラインを介してマスタシ
リンダ28のリザーバタンク28aに戻される。 [緊急ブレーキ制御装置の機械的構成]以下では説明の
便宜上、通常時の倍力装置(メインブースタ)によるブ
レーキ制御を「倍力制御」と呼び、緊急時の倍力装置に
対する助勢制御を「緊急ブレーキ制御」と呼ぶことにす
る。
【0019】図2は、本発明に係る実施形態の車両の緊
急ブレーキ制御装置の機械的構成を示すブロック図であ
る。
【0020】図2に示すように、本実施形態の車両の緊
急ブレーキ制御装置は、直列に連結されたメインブース
タ27とサブブースタ47を備える。これらメインブー
スタ27とサブブースタ47は、ブレーキペダル26と
マスタシリンダ28との間に設けられている。
【0021】メインブースタ27は、シェル内にリター
ンスプリングによって図中左方向に付勢されたダイヤフ
ラム27aを備え、このダイヤフラム27aによって仕
切られたダイヤフラム室27bには、エンジンの吸気マ
ニホールド内のバキューム圧又はバキュームポンプから
のバキューム圧がチェックバルブ59を介して供給され
るようになっている。
【0022】同様に、サブブースタ47は、シェル内に
リターンスプリングによって図中左方向に付勢されたダ
イヤフラム47aを備え、このダイヤフラム47aによ
って仕切られたダイヤフラム室47bにはエアチャンバ
57が接続されている。
【0023】エアチャンバ57には、チェックバルブ5
9及びバキュームバルブ55を介してバキューム圧が供
給されると共に、大気圧が大気圧バルブ49を介して供
給されるようになっている。これらバキュームバルブ5
5と大気圧バルブ49はデューティソレノイドバルブか
らなり、各バルブ49、55の開度はコントロールユニ
ット34によりデューティ制御される。後述するが、コ
ントロールユニット34は、各バルブの開度を制御する
ことでサブブースタ47によるメインブースタへのブー
スト倍率を変更する。コントロールユニット34は、一
般的な中央演算処理装置(CPU)、制御プログラム等
を格納するROM、車速やブレーキ踏み込み量等を格納
するRAM、計時タイマ等からなる。
【0024】ブレーキペダル26とマスタシリンダ28
とは、メインブースタ27とサブブースタ47に設けら
れた各ダイヤフラム27a、47aの中心部を貫通して
伸びるロッド28aにより連結されており、このロッド
28aには両ダイヤフラム27a、47aの中心部が係
合されている。
【0025】従って、両ダイヤフラム室27b、47b
が負圧になると、各ダイヤフラム室27b、47bの中
心部が各リターンスプリングの付勢力に抗して図中右方
向に変位され、この変位によりブレーキペダル26の踏
力圧に加えて緊急ブレーキ圧がロッド28aに付加され
る。
【0026】ブレーキペダルの踏力圧は、メインブース
タ27のブースト圧とサブブースタ47の緊急ブレーキ
圧とが相乗されてマスタシリンダ28のピストンに印加
され、かつサブブースタ47による緊急ブレーキ圧を可
変にすることによって、全体としてのブースト圧が変更
される。
【0027】マスタシリンダ28から延設された前輪用
制動圧供給ライン29は左前輪用制動圧供給ライン29
aと右前輪用制動圧供給ライン29bとに分岐され、各
ブレーキ装置21、22のキャリパ21b、22bに接
続されている。
【0028】マスタシリンダ28から延設された後輪用
制動圧供給ライン32は左後輪用制動圧供給ライン32
aと右後輪用制動圧供給ライン32bとに分岐され、各
ブレーキ装置23、24のキャリパ23b、24bに接
続されている。
【0029】その他、図1のABS制御装置と共通な構
成には同一番号を付して説明を省略する。
【0030】コントロールユニット34には、ブレーキ
センサ35からのブレーキ状態信号、エアチャンバ57
内の圧力を検出する圧力センサ58からのチャンバ圧信
号、車速を検出する車速センサ71からの車速信号及び
アクセルペダル73の踏込量を検出するアクセルストロ
ークセンサ74からのアクセル踏込量信号とが入力され
る。また、コントロールユニット34からは、バキュー
ムバルブ55と大気圧バルブ49に対してデューティソ
レノイドを制御するためのバキューム圧制御信号と大気
圧制御信号が出力される。
【0031】尚、ブレーキセンサとしては、ストローク
センサ以外に、ペダル踏力圧センサ等を適用してもよ
い。
【0032】コントロールユニット34は、ブレーキペ
ダルのブレーキ状態信号に基づいてブレーキペダルの踏
込量及び踏込速度を算出する。そして、これらペダル踏
込量、ペダル踏込速度が、所定の閾値より大きくなると
サブブースタ47におけるブースト倍率(緊急ブレーキ
圧)を決定し、このブースト倍率を得るためにエアチャ
ンバ57内の目標圧力値を設定し、この目標圧力値から
バキュームバルブ55と大気圧バルブ49に出力するバ
キューム圧制御信号と大気圧制御信号のデューティ比を
算出し、エアチャンバ57内の圧力値が目標圧力値に近
づくようにバキュームバルブ55と大気圧バルブ49を
デューティ制御する。このデューティ制御は、バキュー
ム圧及び大気圧を用いて目標圧力値に近づけるフィード
バック制御の形態を採る。
【0033】また、本実施形態の空気圧式アクチュエー
タを用いた装置以外に、油圧式アクチュエータを用いた
構成にすることもできる。この場合には、バキュームバ
ルブ、大気圧バルブ、サブブースタ及びエアチャンバの
代わりに緊急ブレーキ用油圧バルブをマスタシリンダの
下流に介在させればよい。 [緊急ブレーキ制御装置の制御手順]次に、本実施形態
の緊急ブレーキ制御装置による制御手順について説明す
る。
【0034】図3は、本実施形態に係る緊急ブレーキ制
御装置の制御手順を示すフローチャートである。
【0035】図3に示すように、処理が開始されると、
ステップS2では、コントロールユニット34は、ブレ
ーキセンサ35からブレーキ状態信号を取り込む。ステ
ップS4では、ブレーキ状態信号から運転者によるブレ
ーキペダル26の踏込量と踏込速度とを演算する。ステ
ップS6では、フラグFBAがリセットされているか否か
判定する。このフラグFBAは緊急ブレーキ制御中か否か
を表わし、FBAがセットされていると(FBA=1)緊急
ブレーキ制御状態、FBAがリセットされていると(FBA
=0)緊急ブレーキ非制御状態を表わす。ステップS6
でフラグFBAがリセットならばステップS8に進み、緊
急ブレーキ制御開始条件が成立したか否かを判定する。
この緊急ブレーキ制御開始条件は、ブレーキペダル26
の踏込量と踏込速度が予め決められた閾値以上となった
か否かにより判定する。ステップS8で緊急ブレーキ制
御開始条件が成立したならば、ステップS10でフラグ
FBAをセットし、ステップS12では、フラグFSCSが
セットされているか否かを判定する。このフラグFSCS
は後述する姿勢制御中か否かを表わし、FSCSがセット
されていると(FSCS=1)姿勢制御状態、FSCSがリセ
ットされていると(FSCS=0)姿勢制御状態でないこ
とを表わす。ステップS12でフラグFSCSがセットさ
れているならばステップS14に進み、リセットならば
ステップS26に進む。
【0036】ステップS14では、車両がスピン状態か
否かを判定する。車両がスピン状態ならばステップS2
6に進み、スピン状態でないならば、ドリフトアウト状
態或いは正常な走行姿勢なのでステップS16に進む。
このスピン状態の判定は、後述するSCS制御における
推定横滑り角βcontと実ヨーレートψactにより実行す
る。
【0037】ステップS16では、路面の摩擦係数μが
所定値μ0以下であるか否かを判定することにより低μ
路走行中か否かを判定する。ステップS16で摩擦係数
μが所定値μ0以下ならば低μ路走行中なのでステップ
S20に進み緊急ブレーキ制御を抑制する。また、所定
値μ0を超えるならばステップS17に進む。
【0038】ステップS17では、車速Vが所定値V0
以上であるか否かを判定することにより高速走行中か否
かを判定する。ステップS17で車速Vが所定値V0以
上ならば高速走行中なのでステップS20進み緊急ブレ
ーキ制御を抑制する。また、所定値V0を下回るならば
ステップS26に進む。
【0039】ステップS6でフラグFBAがセットされて
いるならば、ステップS18に進み、緊急ブレーキ制御
終了条件が成立したか否かを判定する。この緊急ブレー
キ制御終了条件は、ブレーキペダル26の踏込量と踏込
速度が予め決められた閾値以下となったか否かにより判
定する。ステップS18で緊急ブレーキ制御終了条件が
成立したならば、ステップS20、S22で大気圧バル
ブとバキュームバルブを閉じ、ステップS24でフラグ
FBAをリセットする。
【0040】また、ステップS12でフラグFSCSがリ
セットされ、或いはステップS14で車両がスピン状態
ならば、ステップS26、28で大気圧バルブとバキュ
ームバルブの開度を所定のブースト倍率になるよう設定
する。
【0041】上述の制御において、SCS制御によるス
ピン抑制中はドリフトアウトの抑制中に比べて緊急ブレ
ーキ制御装置による制御介入の抑制度合を大きくするよ
うに、緊急ブレーキ制御開始条件を補正してもよい。
【0042】また、路面の摩擦係数μが低い程、或いは
高速走行中である程、緊急ブレーキ制御装置による制御
介入の抑制度合を小さくするように緊急ブレーキ制御開
始条件を補正すれば、制動距離を短縮することができ
る。
【0043】また、路面の摩擦係数が低い程、或いは高
速走行中である程、緊急ブレーキ装置による制御介入の
抑制度合を大きくするように緊急ブレーキ制御開始条件
を補正すれば、逆に走行安定性が向上する。 [SCS制御装置の機械的構成]図4は、本実施形態に
係る姿勢制御装置の機械的構成を示すブロック図であ
る。
【0044】図4に示すように、本実施形態の車両の姿
勢制御装置は、例えば、車両の走行状態がコーナリング
時や緊急の障害物回避時や路面状況急変時等において、
走行中の車両の横滑りやスピンを抑制するために前後・
左右の各車輪への制動力を制御するものである。各車輪
には、油圧ディスクブレーキ等のFR(右前輪)ブレー
キ22、FL(左前輪)ブレーキ21、RR(右後輪)
ブレーキ24、RL(左後輪)ブレーキ23が設けられ
ている。これらFR、FL、RR、RLブレーキは、加
圧/減圧バルブ131a〜134aを介して液圧制御ユ
ニット30に夫々接続されている。加圧/減圧バルブ3
1a〜34aは、液圧制御ユニット130の制御により
液圧ポンプ136で所定圧に加圧されたブレーキ液をF
R、FL、RR、RLブレーキ21〜24の各ホイール
シリンダ(不図示)に導入すると共に、各ホイールシリ
ンダからブレーキ液をリリースすることで、各ブレーキ
21〜24のホイールシリンダへのブレーキ液を加圧又
は減圧して各車輪に対する制動力を各車輪毎にコントロ
ールしている。加圧/減圧バルブ131a〜134aは
液圧ポンプ136とカットバルブ139に接続されてい
る。液圧ポンプ136は、マスタシリンダ28及びカッ
トバルブ139に接続されている。マスタシリンダ28
はブレーキペダル26の踏力圧PBに応じて1次液圧を発
生させる。この1次液圧は、液圧ポンプ136に導入さ
れ、液圧ポンプ136で2次液圧に加圧されて加圧/減
圧バルブ131a〜134aに導入される。カットバル
ブ139はブレーキペダル26の踏力圧に応じて液圧ポ
ンプ136で加圧された2次液圧をリリースする。液圧
制御ユニット130は、ブレーキ踏力圧センサ35から
入力されるブレーキ踏力圧PBに応じてFR、FL、R
R、RLブレーキへのブレーキ液圧をコントロールす
る。また、液圧制御ユニット130は、コントロールユ
ニット34に電気的に接続され、コントロールユニット
34からの制動制御信号に応じてFR、FL、RR、R
Lブレーキ21〜24へのブレーキ液圧を加圧/減圧バ
ルブ131a〜134aを介して配分制御して各車輪へ
の制動力を制御する。
【0045】コントロールユニット34は、本実施形態
の姿勢制御装置として前後・左右の各車輪への制動制御
を司ると共に、従来周知のABS(アンチロックブレー
キシステム)制御やトラクションコントロールシステム
制御(以下、トラクション制御)をも司る演算処理装置
である。コントロールユニット34には、FR車輪速セ
ンサ38、FL車輪速センサ37、RR車輪速センサ4
0、RL車輪速センサ39、車速センサ71、ステアリ
ング舵角センサ116、ヨーレートセンサ117、横方
向加速度センサ118、前後方向加速度センサ119、
ブレーキ踏力圧センサ35、EGI・ECU120、ト
ラクション制御オフスイッチ140が接続されている。
【0046】SCS制御は、乗員のステアリング等によ
る旋回操作時に、車両のヨーレートや横滑り角等が予め
決められた量を超えると、車両のスリップを抑制制御す
る。FR車輪速センサ38は右前輪の車輪速度の検出信
号v1をコントロールユニット34に出力する。FL車輪
速センサ37は左前輪の車輪速度の検出信号v2をコント
ロールユニット34に出力する。RR車輪速センサ40
は右後輪の車輪速度の検出信号v3をコントロールユニッ
ト34に出力する。RL車輪速センサ39は左後輪の車
輪速度の検出信号v4をコントロールユニット34に出力
する。車速センサ71は車両の走行速度の検出信号Vを
コントロールユニット34に出力する。ステアリング舵
角センサ116はステアリング回転角の検出信号θHを
コントロールユニット34に出力する。ヨーレートセン
サ117は車体に実際に発生するヨーレートの検出信号
ψをコントロールユニット34に出力する。横方向加速
度センサ118は車体に実際に発生する横方向加速度の
検出信号Yをコントロールユニット34に出力する。前
後方向加速度センサ119は車体に実際に発生する前後
方向加速度の検出信号Zをコントロールユニット34に
出力する。ブレーキ踏力圧センサ35は加圧ユニット1
36に設けられ、ブレーキペダル26の踏力圧の検出信
号PBをコントロールユニット34に出力する。トラクシ
ョン制御オフスイッチ140は、後述するが車輪のスピ
ン制御(トラクション制御)を強制的に停止するスイッ
チであり、このスイッチ操作信号Sをコントロールユニ
ット34に出力する。EGI(ELECTRONIC GASOLINE IN
JECTION)ECU120は、エンジン121、AT(AUT
OMATIC TRANSMISSION)122、スロットルバルブ12
3に接続され、エンジン121の出力制御やAT122
の変速制御、スロットルバルブ123の開閉制御を司っ
ている。 [姿勢制御手順]本実施形態の姿勢制御(SCS制御)
は、各車輪を制動制御することで車体に旋回モーメント
と減速力を加えて前輪或いは後輪の横滑りを抑制するも
のである。例えば、車両が旋回走行中に後輪が横滑りし
そうな時(スピン)には主に前外輪にブレーキを付加し
外向きモーメントを加えて旋回内側への巻き込み挙動を
抑制する。また、前輪が横滑りして旋回外側に横滑りし
そうな時(ドリフトアウト)には各車輪に適量のブレー
キを付加し内向きモーメントを加えると共に、エンジン
出力を抑制し減速力を付加することにより旋回半径の増
大を抑制する。
【0047】姿勢制御の詳細については後述するが、概
説すると、コントロールユニット34は、上述した車速
センサ71、ヨーレートセンサ117、横方向加速度セ
ンサ118の検出信号V、ψ、Yから車両に発生している
実際の横滑り角(以下、実横滑り角という)βact及び
実際のヨーレート(以下、実ヨーレートという)ψact
を演算すると共に、実横滑り角βactからSCS制御に
実際に利用される推定横滑り角βcontの演算において参
照される参照値βrefを演算する。また、コントロール
ユニット34は、ステアリング舵角センサ等の検出信号
から車両の目標とすべき姿勢として目標横滑り角βTR及
び目標ヨーレートψTRを演算し、推定横滑り角βcontと
目標横滑り角βTRの差或いは実ヨーレートψactと目標
ヨーレートψTRの差が所定閾値β0、ψ0を越えた時に姿
勢制御を開始し、推定実横滑り角βcont或いは実ヨーレ
ートψactが目標横滑り角βTR或いは目標ヨーレートψT
Rに収束するよう制御する。
【0048】図5は、本実施形態の姿勢制御を実行する
ための全体的動作を示すフローチャートである。
【0049】図5に示すように、先ず、運転者によりイ
グニッションスイッチがオンされてエンジンが始動され
ると、ステップS32でコントロールユニット34、E
GI・ECU120が初期設定され、前回の処理で記憶
しているセンサ検出信号や演算値等をクリアする。ステ
ップS33では、コントロールユニット34は自己のC
PUや液圧制御ユニット130等或いは各センサ等が正
常に動作しているか否かのフェイル判定を行ない、ステ
ップS33でコントロールユニット34やセンサに故障
が発生している場合(ステップS33でYes)、その
異常箇所に対応する制御を中止して、ステップS2にリ
ターンして上述の処理を繰り返し実行する。ステップS
33でコントロールユニット34やセンサが正常に動作
している場合(ステップS33でNo)、ステップS3
4に進む。ステップS34ではコントロールユニット3
4は上述のFR車輪速センサ38の検出信号v1、FL車
輪速センサ37の検出信号v2、RR車輪速センサ40の
検出信号v3、RL車輪速センサ39の検出信号v4、車速
センサ71の検出信号V、ステアリング舵角センサ11
6の検出信号θH、ヨーレートセンサ117の検出信号
ψ、横方向加速度センサ118の検出信号Y、前後方向
加速度センサ119の検出信号Z、ブレーキ踏力圧セン
サ35の検出信号PB、トラクション制御オフスイッチ1
40のスイッチ操作信号Sを入力する。ステップS36
では上述の各検出信号に基づく車両状態量を演算する。
ステップS37では車両状態量に基づいて車輪速補正処
理を実行する。ステップS38ではABS制御に必要な
ABS制御目標値や制御出力値等を演算し、ステップS
40ではトラクション制御に必要なトラクション制御目
標値や制御出力値等を演算する。ステップS42では、
ステップS36で演算された車両状態量からSCS制御
に必要となるSCS制御目標値や制御出力値を演算す
る。
【0050】ステップS44はステップS38〜S42
で演算された各制御出力値の制御出力調停処理を実行す
る。この制御出力調停処理では、SCS制御出力値、A
BS制御出力値、トラクション制御出力値を夫々比較
し、最も大きな値に対応した制御に移行させる。また、
後述するが、SCS制御出力値とABS制御出力値との
調停処理は、運転者のブレーキ踏力圧PBの大きさに応じ
て実行される。即ち、ステップS44においてABS制
御出力値が最も大きな値の場合にはABS制御出力値に
基づいてABS制御が実行され(ステップS46)、S
CS制御出力値が最も大きな値の場合にはSCS制御出
力値に基づいてSCS制御が実行され(ステップS4
8)、トラクション制御出力値が最も大きな値の場合に
はトラクション制御出力値に基づいてトラクション制御
が実行される(ステップS50)。その後、ステップS
52では、後述する乗員による運転操作や車両の走行状
態を表わすデータの記憶処理を実行する。 [SCS演算処理の説明]次に、図5のステップS42
に示すSCS制御演算処理の詳細について説明する。
尚、ステップS38、40のABS制御演算処理及びト
ラクション制御演算処理については周知であるので説明
を省略する。
【0051】図6は、図5のSCS制御演算処理を実行
するためのフローチャートである。
【0052】図6に示すように、処理が開始されると、
ステップS60ではFR車輪速v1、FL車輪速v2、RR
車輪速v3、RL車輪速v4、車速V、ステアリング舵角
θ、実ヨーレートψact、実横方向加速度Yactを入力す
る。ステップS62では車両に発生する垂直荷重を演算
する。この垂直荷重は車速V、横方向加速度Yから周知の
数学的手法により推定演算される。ステップS63では
車両に実際に発生する実横滑り角βactを演算する。実
横滑り角βactは、実横滑り角βactの変化速度Δβact
を積分することにより演算される。また、Δβactは、
下記の式1により算出される。 Δβact=−ψact+Yact/V…(1) 次に、ステップS64では、SCS制御に実際に利用さ
れる推定横滑り角βcontの演算において参照される参照
値βrefを演算する。この参照値βrefは、車両諸元と、
車両状態量(車速V、ヨーレートψact、実横方向加速度
Yact、実横滑り角βactの変化速度Δβact、ヨーレー
トψactの変化量(微分値)Δψact)、ブレーキにより
生じるヨーモーメントの推定値D1、ブレーキにより生じ
る横方向の力の低下量の推定値D2に基づいて2自由度モ
デルを流用して演算される。この参照値βrefは、要す
るに、検出された車両状態量及びブレーキ操作力に基づ
いて推定される横滑り角を演算している。その後、ステ
ップS65では、SCS制御に実際に利用される推定横
滑り角βcontを演算する。この推定横滑り角βcontは、
下記の式2、式3から導かれる微分方程式を解くことに
より算出される。即ち、 Δβcont=Δβact+e+Cf・(βref−βcont)…(2) Δe=Cf・(Δβref−Δβact−e)…(3) 但し、e:ヨーレートセンサと横方向加速度センサのオ
フセット修正値 Cf:カットオフ周波数 また、カットオフ周波数Cfは推定横滑り角βcontを参
照値βrefの信頼性に応じてこの参照値βrefに収束する
ように補正して、推定横滑り角βcontに発生する積分誤
差をリセットする際の補正速度の変更ファクタとなり、
参照値βrefの信頼性が低い程小さくなるように補正さ
れる係数である。また、参照値βrefの信頼性が低くな
るのは前輪のコーナリングパワーCpf或いは後輪のコー
ナリングパワーCprに変化が生じた時である。
【0053】ステップS66では各車輪の車輪スリップ
率及び車輪スリップ角を演算する。車輪スリップ率及び
車輪スリップ角は、各車輪の車輪速v1〜v4、車速V、推
定横滑り角βcont、前輪ステアリング舵角θHから周知
の数学的手法により推定演算される。ステップS68で
は各車輪への負荷率を演算する。車輪負荷率は、ステッ
プS36で演算された車輪スリップ率及び車輪スリップ
角とステップS62で演算された垂直荷重から周知の数
学的手法により推定演算される。ステップS70では走
行中の路面の摩擦係数μを演算する。路面の摩擦係数μ
は、実横方向加速度YactとステップS68で演算された
車輪負荷率から周知の数学的手法により推定演算され
る。次に、ステップS72では実ヨーレートψact及び
推定横滑り角βcontを収束させるべく目標値となる目標
ヨーレートψTR、目標横滑り角βTRを演算する。目標ヨ
ーレートψTRは、車速V、ステップS70で演算された
路面の摩擦係数μ、前輪ステアリング舵角θHから周知
の数学的手法により推定演算される。また、目標横滑り
角βTRは、下記の式4、式5から導かれる式6の微分方
程式を解くことにより算出される。即ち、 βx=1/(1+A・V↑2)・{1−(M・Lf・V↑2)/(2L・Lr・ Cpr)}・Lr・θH/L…(4) A=M・(Cpr・Lr−Cpf・Lf)/2L↑2・Cpr・Cpf…(5) ΔβTR=C・(βx−βTR)…(6) 但し、V:車速 θH:前輪ステアリング舵角 M:車体質量 I:慣性モーメント L:ホイルベース Lf:前輪から車体重心までの距離 Lr:後輪から車体重心までの距離 Cpf:前輪のコーナリングパワー Cpr:後輪のコーナリングパワー C:位相遅れに相当する値 尚、上記式中の「↑」は乗数を表わす。例えば「L↑
2」はLの2乗を意味し、以下の説明でも同様である。
【0054】次に、図7に示すステップS74では、目
標横滑り角βTRから推定横滑り角βcontを減算した値の
絶対値がSCS制御開始閾値β0以上か否かを判定する
(|βTR−βcont|≧β0?)。ステップS74で目標横
滑り角βTRから推定横滑り角βcontを減算した値の絶対
値がSCS制御開始閾値β0以上の場合(ステップS7
4でYes)、ステップS76に進んでSCS制御目標
値を目標横滑り角βTRに設定する。一方、ステップS7
4で目標横滑り角βTRから推定横滑り角βcontを減算し
た値の絶対値がSCS制御開始閾値β0を超えない場合
(ステップS74でNo)、ステップS82に進んで、
目標ヨーレートψTRから実ヨーレートψactを減算した
値の絶対値がSCS制御開始閾値ψ0以上か否かを判定
する(|ψTR−ψact|≧ψ0?)。ステップS82で目
標ヨーレートψTRから実ヨーレートψactを減算した値
の絶対値がSCS制御開始閾値ψ0以上の場合(ステッ
プS82でYes)、ステップS84に進んでSCS制
御目標値を目標ヨーレートψTRに設定する。一方、ステ
ップS82で目標ヨーレートψTRから実ヨーレートψac
tを減算した値の絶対値がSCS制御開始閾値ψ0を超え
ない場合(ステップS82でNo)、ステップS60に
リターンして上述の処理を繰り返し実行する。
【0055】次に、ステップS80では、SCS制御に
実際に利用されるSCS制御量βamtを演算する。ま
た、ステップS86では、SCS制御に実際に利用され
るSCS制御量ψamtを演算する。
【0056】図8に示すステップS88では、運転者に
よりブレーキ操作されたか否か判定する。ステップS8
8でブレーキ操作されたならばステップS89でフラグ
FBAがセットされているか否か判定する。ステップS8
9でフラグFBAがセットされ、緊急ブレーキ制御中であ
れば、後述するようにステップS90でSCS制御量β
amtを補正する。また、ステップS89でフラグFBAが
リセットされ、緊急ブレーキ非制御中ならばステップS
92に進む。
【0057】ステップS92では、SCS制御フラグF
SCSがセットされているか否かを判定する。SCS制御
フラグFSCSはセットされているとSCS制御実行中で
あることを表わす。ステップS92でSCS制御フラグ
FSCSがにセットされているならば、ステップS94に
進んでABS制御フラグFABSがセットされているか否
かを判定する。ABS制御フラグFABSがセットされて
いるとABS制御実行中であることを表わす。一方、ス
テップS92でSCS制御フラグFSCSがセットされて
いないならばステップS96に進んでABS制御実行中
か否かを判定する。ステップS96でABS制御実行中
ならば、後述するステップS110に進む。一方、ステ
ップS96でABS制御実行中でないならばステップS
98に進む。ステップS98では、トラクション制御実
行中か否かを判定する。ステップS98でトラクション
制御実行中ならばステップS100に進みトラクション
制御における制動制御を中止して(即ち、エンジンによ
るトルクダウン制御のみ実行可能とする)ステップS1
02に進む。一方、ステップS98でトラクション制御
実行中でないならばステップS102に進む。
【0058】ステップS102では、SCS制御の対象
となる車輪を選択演算し、その選択車輪に配分すべき目
標スリップ率を演算し、その目標スリップ率に応じたS
CS制御量βamt又はψamtを演算する。その後、ステッ
プS104では必要なトルクダウン量に応じたエンジン
制御量を演算する。そして、ステップS106でSCS
制御を実行して、ステップS108でSCS制御フラグ
FSCSをセットした後、上述したステップS32にリタ
ーンして上述の処理を繰り返し実行する。
【0059】ステップS94でABS制御フラグFABS
がセットされているならば、図9に示すステップS11
0に進む。ステップS110では、ABS制御量をSC
S制御量βamt又はψamtに基づいて補正する。その後、
ステップS112では、ABS制御が終了したか否かを
判定する。ステップS112でABS制御が終了してい
ないならばステップS114でSCS制御フラグFSCS
をセットすると共に、ステップS116でABS制御フ
ラグFABSをセットして上述のステップS60にリター
ンする。一方、ステップS112でABS制御が終了し
たならばステップS118でSCS制御フラグFSCSを
リセットすると共に、ステップS120でABS制御フ
ラグFABSをリセットして上述のステップS60にリタ
ーンする。
【0060】更に、ステップS94でABS制御フラグ
FABSがセットされていないならば、図10に示すステ
ップS122に進む。ステップS122では、ブレーキ
踏力圧PBが所定閾値P0以上あるか否かを判定する(PB≧
P0?)。ステップS122でブレーキ踏力圧PBが所定閾
値P0以上あるならばステップS124に進んでSCS制
御を中止して、ステップS126でABS制御に切り換
える。そして、ステップS128でABS制御フラグF
ABSをセットして上述のステップS60にリターンす
る。一方、ステップS122でブレーキ踏力圧PBが所定
閾値P0を超えないならばステップS130に進む。ステ
ップS130では、SCS制御が終了したか否かを判定
する。ステップS130でSCS制御が終了していない
ならば、上述したステップS102に進んでその後の処
理を実行する。一方、ステップS130でSCS制御が
終了したならば、ステップS132でSCS制御フラグ
FSCSをリセットすると共に、ステップS134でAB
S制御フラグFABSをリセットして上述のステップS6
0にリターンする。
【0061】尚、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲
で上記実施形態を修正又は変形したものに適用可能であ
る。
【0062】
【発明の効果】以上説明のように、請求項1の発明によ
れば、姿勢制御手段による制御中に前記ブレーキ状態量
が所定量以上となった場合には、車両の走行状態に応じ
て該制動力助勢手段による制御介入を抑制することによ
り、姿勢制御中に急に制動力が増大して、走行安定性が
損なわれるのを防止できる。
【0063】また、請求項2の発明によれば、姿勢制御
手段において、スピンの抑制中は該ドリフトアウトの抑
制中に比べて制動力助勢手段の制御介入の抑制度合を大
きくすることにより、スピン抑制中での急制動による走
行不安定性の増大を抑制できる。
【0064】また、請求項3の発明によれば、路面の摩
擦係数が低い程、或いは高速走行中である程抑制度合を
小さくすることにより、制動距離を短縮することができ
る。
【0065】また、請求項4の発明によれば、路面の摩
擦係数が低い程、或いは高速走行中である程抑制度合を
大きくすることにより、走行安定性を向上できる。
【0066】
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係るABS制御装置の機械的構成
を示すブロック図である。
【図2】本発明に係る実施形態の車両の緊急ブレーキ制
御装置の機械的構成を示すブロック図である。
【図3】本実施形態に係る緊急ブレーキ制御装置の制御
手順を示すフローチャートである。
【図4】本実施形態に係るSCS制御装置の機械的構成
を示すブロック図である。
【図5】本実施形態に係るSCS制御装置の制御手順を
示すフローチャートである。
【図6】本実施形態に係るSCS制御装置の制御手順を
示すフローチャートである。
【図7】本実施形態に係るSCS制御装置の制御手順を
示すフローチャートである。
【図8】本実施形態に係るSCS制御装置の制御手順を
示すフローチャートである。
【図9】本実施形態に係るSCS制御装置の制御手順を
示すフローチャートである。
【図10】本実施形態に係るSCS制御装置の制御手順
を示すフローチャートである。
【符号の説明】 21〜24…ブレーキ装置 30…第1バルブユニット 31…第2バルブユニット 33…第3バルブユニット 34…コントロールユニット 10…SCS・ECU 71…車速センサ 116…ステアリング舵角センサ 117…ヨーレートセンサ 118…横方向加速度センサ 119…前後方向加速度センサ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブレーキ状態量が所定量以上の時に車輪
    への制動力を増大させる制動力助勢手段と、 車両の走行姿勢が目標姿勢から逸脱したときに、該走行
    姿勢を目標姿勢に収束させる姿勢制御手段とを備え、 前記姿勢制御手段による制御中に前記ブレーキ状態量が
    所定量以上となった場合には、車両の走行状態に応じて
    該制動力助勢手段による制御介入を抑制することを特徴
    とする車両のブレーキ制御装置。
  2. 【請求項2】 前記姿勢制御手段は車両のドリフトアウ
    ト及びスピンを抑制する制御を実行し、該スピンの抑制
    中は該ドリフトアウトの抑制中に比べて前記制動力助勢
    手段の制御介入の抑制度合を大きくすることを特徴とす
    る請求項1に記載の車両のブレーキ制御装置。
  3. 【請求項3】 路面の摩擦係数が低い程、或いは高速走
    行中である程前記抑制度合を小さくすることを特徴とす
    る請求項1に記載の車両のブレーキ制御装置。
  4. 【請求項4】 路面の摩擦係数が低い程、或いは高速走
    行中である程前記抑制度合を大きくすることを特徴とす
    る請求項1に記載の車両のブレーキ制御装置。
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