JPH11263055A - テ―プカセット - Google Patents

テ―プカセット

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JPH11263055A
JPH11263055A JP1631799A JP1631799A JPH11263055A JP H11263055 A JPH11263055 A JP H11263055A JP 1631799 A JP1631799 A JP 1631799A JP 1631799 A JP1631799 A JP 1631799A JP H11263055 A JPH11263055 A JP H11263055A
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cassette
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tape cassette
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晃志郎 山口
Atsushi Sugimoto
淳 杉本
Takashi Horiuchi
誉史 堀内
Yutaka Sugiyama
豊 杉山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本体側の検出手段として機械式の検出スイッ
チを用いても、印字ヘッドと被印字テープとの適正な位
置関係が損なわれることが少なく、被印字テープの印字
位置がずれて印字品質が悪化することのないテープカセ
ットを提供する。 【解決手段】 カセットケース2,3内の被印字テープ
17を引き出して文字等を印字した後外方へ排出するテ
ープカセット1において、被印字テープ17に文字等が
印字される位置から最も離れた位置に、本体側に設けら
れた機械式検出スイッチ81のスイッチ端子81Aを押
下し、または押下しないことにより、装着されたテープ
カセット1の種類を特定し得るカセット検出部16を設
ける。これにより、テープカセット1のカセット検出部
16から最も離れた位置で、テープ印字装置本体側に設
けられた印字ヘッドにより被印字テープ17に文字等が
印字される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、少なくとも被印字
テープを巻回したテープスプールがカセットケース内に
配置され、テープ印字装置に使用されて被印字テープ上
に文字等を印字した文字付テープを作成するテープカセ
ットに関し、特に、テープ印字装置本体側に設けられた
スイッチの作用により装着されたテープカセットの種類
を特定し得るテープカセットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば特開平4−13375
6号公報に開示されるように、テープ印字装置本体に設
けられた検出手段が、テープ印字装置本体に装着された
テープカセットの種類に対応して形成された被検出部に
応じてテープカセットの種類を検出するようにしたもの
が知られている。これは、本体側の検出手段として、常
には上方に付勢され、押下されると下方へ沈み込むスイ
ッチ端子を有する複数の検出スイッチを用い、カセット
側の被検出部として、その底板の一部に、テープカセッ
トを装着したときに本体側の検出スイッチと同一の位置
に来るように、テープカセットの種類に対応するパター
ンで貫通孔及び未貫通部を形成したものである。そし
て、装着されたテープカセットの貫通孔及び未貫通部
が、本体側の複数の検出スイッチの内、いずれの検出ス
イッチのスイッチ端子を押下したか、または押下しなか
ったかを検出することにより、装着されたテープカセッ
トの種類を特定するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
先行技術では、本体側の検出手段として、常には上方に
付勢され、押下されると下方へ沈み込むスイッチ端子を
有する複数の検出スイッチを用いているために、テープ
カセットの未貫通部によって押下されたスイッチ端子の
反発力により、その部分でテープカセットが上方に持ち
上げられ、テープカセットの適正な装着状態が損なわれ
るという問題があった。すなわち、テープカセットの被
検出部が上方に持ち上げられると、テープ印字装置本体
側に設けられた印字ヘッドにより被印字テープに文字等
が印字される部分も上方に持ち上げられてしまい、印字
ヘッドと被印字テープとの適正な位置関係が損なわれ、
被印字テープの印字位置がずれて印字品質が悪化するの
である。
【0004】また、上記のテープ印字装置においては、
テープカセットが本体側のカセット装着部の適正な位置
に装着されなければ、検出スイッチを正確に作動させる
ことはできないが、カセット装着部の適正な位置を選ん
でテープカセットを装着する作業は煩雑であるという問
題があった。
【0005】また、上記のテープ印字装置においては、
テープカセットを本体側に固定する部材として、テープ
印字装置本体に設けられたテープ送りローラ駆動軸やリ
ボン巻取スプール駆動軸しか設けられておらず、カセッ
トがテープ印字装置本体に装着された状態でも、装着さ
れたカセットの固定状態が不十分となり、検出スイッチ
の誤作動を生じ、装着されたテープカセットの種類を正
確に特定できないという問題があった。特に、テープカ
セットの種類が多くなると、検出スイッチのスイッチ端
子の数が多くなり、スイッチ端子の感覚が密になるの
で、誤検出が多くなる。
【0006】本発明は、上記の問題点を解決するために
なされたものであり、本体側の検出手段として機械式の
検出スイッチを用いても、印字ヘッドと被印字テープと
の適正な位置関係が損なわれることが少なく、被印字テ
ープの印字位置がずれて印字品質が悪化することがない
とともに、検出スイッチの誤作動を防止することのでき
るテープカセットを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1に記載された発明は、カセットケース内
に、少なくとも被印字テープを巻回したテープスプール
を配置し、該テープスプールから前記被印字テープを所
定の搬送経路に沿って引き出して、テープ印字装置本体
側に設けられた印字ヘッドにより前記被印字テープに文
字等を印字した後、該被印字テープを前記カセットケー
スの外方へ排出するテープカセットであって、該テープ
カセットの表面であって前記被印字テープに文字等が印
字される位置から最も離れた位置に、前記テープ印字装
置本体側に設けられた少なくとも1つの機械式検出スイ
ッチのスイッチ端子を押下し、または押下しないことに
より、前記テープ印字装置本体に装着された前記テープ
カセットの種類を特定し得るカセット検出部を設けてい
る。
【0008】このように構成することにより、テープカ
セットのカセット検出部から最も離れた位置で、テープ
印字装置本体側に設けられた印字ヘッドにより被印字テ
ープに文字等が印字されることになるので、カセット検
出部が本体側の検出スイッチのスイッチ端子の反発力に
より上方に持ち上げられても、印字位置においてはその
影響を最小限に抑えることができ、印字ヘッドと被印字
テープとの適正な位置関係が損なわれて被印字テープの
印字位置がずれてしまうことを防止することができる。
【0009】また、請求項2に記載された発明は、請求
項1に記載されたテープカセットであって、前記印字ヘ
ッドが搭載されるヘッドホルダに対応する形状を有し、
かつ、前記テープカセットが前記テープ印字装置本体に
装着されたときに前記ヘッドホルダが挿嵌されるヘッド
装着部を備えている。
【0010】このように構成することにより、テープカ
セットをテープ印字装置本体側のカセット装着部に装着
する際、テープカセットのヘッド装着部に本体側のヘッ
ドホルダが挿嵌されて、テープカセットはカセット装着
部に対して常に一定の関係を保持しつつ装着されること
になる。
【0011】また、請求項3に記載された発明は、請求
項2に記載されたテープカセットであって、前記カセッ
ト検出部は、略直方体状に形成された前記テープカセッ
トの一の隅角部の近傍に設けられるとともに、前記ヘッ
ド装着部は、前記カセット検出部の近傍の隅角部の対角
線上にある他の隅角部の近傍に設けられている。
【0012】このように構成することにより、略直方体
状に形成されたテープカセットにおいて、テープカセッ
トのカセット検出部とヘッド装着部とが最も離れて位置
されることとなるので、カセット検出部が本体側の検出
スイッチのスイッチ端子の反発力により上方に持ち上げ
られても、ヘッド装着部においてはその影響を最小限に
抑えることができ、印字ヘッドと被印字テープとの適正
な位置関係が損なわれて被印字テープの印字位置がずれ
てしまうことを防止することができる。
【0013】また、請求項4に記載された発明は、請求
項1ないし請求項3のいずれかに記載されたテープカセ
ットであって、前記カセット検出部の近傍には、前記テ
ープ印字装置本体側に設けられた少なくとも一つの位置
決め部材と係合することにより、前記テープ印字装置本
体に装着された前記テープカセットを位置決めする位置
決め部が設けられている。
【0014】このように構成することにより、テープカ
セットにおいて、その位置決め部が設けられる地点とカ
セット検出部が設けられる地点との距離が短くなり、カ
セット検出部の位置と本体側の機械式検出スイッチの位
置とが対応される際の誤差が少なくなり、機械式検出ス
イッチによる検出の精度を向上することができる。
【0015】
【実施例】以下、本発明をテープ印字装置に使用される
テープカセットについて具体化した実施例に基づいて図
面を参照しつつ詳細に説明する。先ず、テープカセット
1の概略構成について図1に基づき説明する。図1はテ
ープカセット1の斜視図であり、テープカセット1は上
ケース2と下ケース3とを有する。
【0016】テープカセット1には、後述するフィルム
テープ17を巻回したテープスプール18を回動可能に
支持する支持孔4、後述するサーマルヘッドHによりフ
ィルムテープ17上に文字等を印字する際にリボンスプ
ール20からインクリボン19を引き出すとともに巻取
るリボン巻取スプール21を支持する支持孔5、後述す
る両面粘着テープ22の離形紙を外側に向けて巻回した
テープスプール23を回動可能に支持する支持孔7が形
成されている。
【0017】尚、図1中には、上ケース2に形成された
各支持孔4、5、7のみしか図示されていないが、下ケ
ース3についても同様に上ケース2の各支持孔に対向し
て支持孔4、5、7が形成されている。
【0018】また、テープカセット1の前側(図1中下
側)には、テープスプール18から引き出されたフィル
ムテープ17、及び、リボンスプール20から引き出さ
れたインクリボン19を案内し、開口8Aから送出する
本発明のガイド部を構成するアーム部8(詳細な構成に
ついては後述する)が設けられており、かかるアーム部
8の後方にはテープ印字装置のサーマルヘッドH(後述
する)が装着されるヘッド装着部9が設けられている。
なお、後述する図2に示されるように、ヘッド装着部9
は、後述するカセット検出部16の近傍の隅角部の対角
線上にある隅角部の近傍に設けられることとなる。更
に、ヘッド装着部9においてアーム部8と対向する壁部
9Aにはテープカセット1の後方に向かって入り込んだ
第1嵌合部10が形成され、また、ヘッド装着部9の左
側側壁には第1嵌合部10と直交する方向(壁部9Aに
沿った方向)に入り込んだ第2嵌合部11が形成されて
いる。これらの各第1嵌合部10、第2嵌合部11は、
後述するように、サーマルヘッドHを支持するヘッドホ
ルダ44に形成された2つの各突起部45、46に嵌合
されて、ヘッド装着部9に対するサーマルヘッドHの装
着を各インクリボン19、フィルムテープ17に干渉す
ることなく確実に行うためのものである。
【0019】更に、各インクリボン19、フィルムテー
プ17の走行方向に関しヘッド装着部9の下流側におい
て、テープ送りローラ12が支持孔13に回動可能に支
持されており、かかるテープ送りローラ12は、それに
対向する側からテープ送りローラ12に圧接される圧接
ローラ49(図15参照)との協働により、テープスプ
ール18からフィルムテープ17、及び、テープスプー
ル23から両面粘着テープ22を引き出すとともに、サ
ーマルヘッドHによりインクリボン19を介して文字等
が印字されたフィルムテープ17と両面粘着テープ22
とを、相互に接着するものである。また、テープ送りロ
ーラ12の近傍位置には上下一対の規制部材14、15
が設けられており、これらの各規制部材14、15は、
サーマルヘッドHの下流側にて文字等が印字されたフィ
ルムテープ17を幅方向に規制案内するものであり、フ
ィルムテープ17と両面粘着テープ22との間に位置ず
れを生じることなく適正に接着するためのものである。
尚、テープ送りローラ12及び各規制部材14、15の
詳細な構成については後述する。
【0020】また、図1及び後述する図2に示されるよ
うに、テープカセット1の右後縁の隅角部の近傍であっ
て、被印字テープに文字等が印字される位置から最も離
れた位置には、カセット検出部16が形成されている。
カセット検出部16には、テープカセット1の種類(例
えば、各フィルムテープ17の幅、インクリボン19に
塗布されたインクの色等によりテープカセット1の種類
が特定される)を検出するため所定のパターンをもって
複数個のスイッチ孔16Aが穿設されている。スイッチ
孔16Aの形成パターンは、各テープカセット1の種類
に従って異なるパターンとされており、各スイッチ孔1
6Aは、テープ印字装置側に配設された複数個の検出ス
イッチ81(図21、図23参照)のオン・オフの組合
せに基づいて検出されるものである。かかる構成につい
ては後述する。
【0021】尚、前記テープカセット1は、カセット装
着部X(図13、図20等参照)が上面に設けられたテ
ープ印字装置、及び、カセット装着部Xが下面に設けら
れたテープ印字装置のいずれに対しても装着することが
可能なものであり、カセット装着部Xが上面に設けられ
たテープ印字装置に対しては、下ケース3側からカセッ
ト装着部Xに装着され(フロントローディング方式と称
する)、また、カセット装着部Xが下面に設けられたテ
ープ印字装置に対しては、上ケース2側からカセット装
着部Xに装着される(以下、ボトムローディング方式と
称する)。このように、フロントローディング方式、ボ
トムローディング方式のいずれの方式にも適合させるた
め、本実施例に係るテープカセット1は以下にて説明す
るような各種の特徴的構成を備えており、これらの各特
徴的構成については順次説明することとする。
【0022】次に、テープカセット1の内部構成につい
て図2乃至17に基づき説明する。先ず、図2を参照し
てテープカセット1における内部構成の概略を説明す
る。図2は上ケース2を取り外して示す下ケース3の平
面図であり、下ケース3内の後部(図2中上部)におい
て透明なフィルムテープ17を巻回したテープスプール
18が前記支持孔4を介して回動可能に配置されてい
る。また、下ケース3の前部(図2中下部)には、イン
クリボン19を巻回したリボンスプール20が回動可能
に配置され、更に、リボンスプール20からインクリボ
ン19を引き出すとともに、文字等の印字にて消費され
たインクリボン19を巻き取るリボン巻取スプール21
が、テープスプール18とリボンスプール20との間で
前記支持孔5を介して回動可能に配置されている。
【0023】フィルムテープ17は、前記したようにテ
ープ送りローラ12と圧接ローラ49(テープ印字装置
側に設けられている)との協働により、テープスプール
18から引き出され、アーム部8の開口8Aからヘッド
装着部9の前側(図2中下側)を通過した後、両面粘着
テープ22と接着されてテープ排出部24からテープカ
セット1の外方へ排出される。また、インクリボン19
は、リボン巻取スプール21を介してリボンスプール2
0から引き出され、アーム部8の開口8Aからヘッド装
着部9の前側(図2中下側)を通過した後、各規制部材
14、15の内方に形成された案内部25の案内孔25
Aを通ってリボン巻取スプール21の周囲に巻き取られ
る。尚、リボン巻取スプール21の下部にはクラッチバ
ネ26が取り付けられており、このクラッチバネ26は
リボン巻取スプール21が逆転して巻き取ったインクリ
ボン17が緩んでしまうことを防止するものである。
【0024】ここに、インクリボン19のリボン幅は、
図1に示すように、フィルムテープ17のテープ幅より
も広く構成されている。これは前記各規制部材14、1
5よりも上流側にてフィルムテープ17とインクリボン
19とを確実に分離し、各規制部材14、15の下流側
においては、フィルムテープ17の走行に伴ってインク
リボン19が引き出されないようにするためである。即
ち、各規制部材14、15間に設定された幅(高さ)W
は、フィルムテープ17のテープ幅と同一の幅とされて
おり、従って、インクリボン19のリボン幅よりも小さ
く設定されていることとなる。これにより、インクリボ
ン19がフィルムテープ17に従ってアーム部8の開口
8Aから案内部25の案内孔25Aを介して走行案内さ
れる際、各規制部材14、15間の幅Wがインクリボン
19のリボン幅よりも小さいことから、各規制部14、
15間への進入が阻止されることとなり、この結果、イ
ンクリボン19がフィルムテープ17に貼り付いてフィ
ルムテープ17と共に走行しようとしても、インクリボ
ン19が各規制部材14、15の下流側まで走行するこ
とが確実に防止され得る。従って、各規制部材14、1
5の下流側ではインクリボン19がフィルムテープ17
の走行に伴って必要以上に引き出されることが全くなく
なるものである。
【0025】これにより、インクリボン19に多少の緩
みが発生した場合においても、フィルムテープ17を引
き出すことに起因して、フィルムテープ17に貼り付い
たインクリボン19が必要以上に引き出されて両面粘着
テープ22に接着することにより、インクリボン19が
テープカセット1内でジャミングしてテープカセット1
が使用不能となることが確実に防止され得るものであ
る。
【0026】また、インクリボン19のリボン幅をフィ
ルムテープ17のテープ幅よりも大きくすることによ
り、インクリボン19のリボン幅は、当然にフィルムテ
ープ17への文字等の印字幅よりも大きくなり、これに
よりフィルムテープ17の印字幅を最大限に使用して文
字等が連続して印字された場合にも、インクリボン19
は印字幅の両側で未使用部分が残存することからインク
リボン19が切断されてしまうことが防止可能となるも
のである。尚、フィルムテープ17のテープ幅と両面粘
着テープ22のテープ幅とは、これらが相互に接着され
て文字付テープが作成される関係上、同一のテープ幅と
されている。
【0027】ここで、前記各フィルムテープ17及びイ
ンクリボン19の終端部をそれぞれテープスプール1
8、リボンスプール20に取り付ける方法について図3
及び図4に基づき説明する。図3はフィルムテープ1
7、インクリボン19の終端部をテープスプール18、
リボンスプール20に取り付ける方法を模式的に示す分
解斜視図、図4はフィルムテープ17、インクリボン1
9の終端をテープスプール18、リボンスプール20に
取り付けた状態を記す平面図である。
【0028】これらの各図において、フィルムテープ1
7、インクリボン19の終端17A、19Aは、テープ
スプール18、リボンスプール20の周囲に渡ってルー
プ状に巻回接着した粘着テープ27の両端部27A、2
7B間で接着固定することにより、テープスプール1
8、リボンスプール20に取り付けられている。
【0029】このようにしてフィルムテープ17、イン
クリボン19がテープスプール18、リボンスプール2
0に取り付けられた場合において、フィルムテープ1
7、インクリボン19に対して引っ張り力が作用した時
における力関係について図4に基づき説明する。このと
き、テープスプール18、リボンスプール20は、矢印
A方向に回転されるものとする。
【0030】かかる状態において、フィルムテープ1
7、インクリボン19に矢印Bに引っ張り力が加えられ
ると、その引っ張り力は粘着テープ27をテープスプー
ル18、リボンスプール20から外す力として作用し、
具体的には、両面粘着テープ27のスプール18、20
との接着面全体のせん断抵抗に打ち勝つ力、引っ張り力
の矢印C、矢印D方向に作用する分力を介して粘着テー
プ27の両端部27A、27Bをフィルムテープ17、
インクリボン19の終端17A、19Aから剥そうとす
る力、又は、粘着テープ27をスプール18、20から
剥そうとする力として作用する。
【0031】このとき、粘着テープ27は、テープスプ
ール18、リボンスプール20に対してその周囲に渡っ
てループ状に接着されており、従って、フィルムテープ
17、インクリボン19の終端17A、19Aは、粘着
テープ27をテープスプール18、リボンスプール20
から剥そうとする力に十分対抗可能な程度に、粘着テー
プ27を介してテープスプール18、リボンスプール2
0に強固に固定されることとなり、これよりスプール1
8、20から容易に剥がれることを確実に防止すること
が可能となる。
【0032】また、フィルムテープ17、インクリボン
19は、図5乃至図8に示すような方法により、テープ
スプール18、リボンスプール20に取り付けられても
よい。図5は、粘着テープ27の一方の端部27Bを長
く構成して、その端部27Bにフィルムテープ17、イ
ンクリボン19の終端17A、19Aを接着する取付方
法を示す。図6は、粘着テープ27を2枚で構成し、テ
ープスプール18、20に巻回接着する際に、各粘着テ
ープ27の一部を相互にオーバーラップさせるととも
に、各粘着テープ27の端部27A間にフィルムテープ
17、インクリボン19の終端17A、19Aを固定す
る方法を示す。また、図7は、基本的に図6の固定方法
と同じであり、各粘着テープ27の一部はオーバーラッ
プさせない固定方法を示す。図8は、テープスプール1
8、リボンスプール20を巻回する部分には粘着剤が存
在せず、各端部27Aのみ粘着剤が存在する粘着テープ
27を使用して固定する方法を示すものである。
【0033】いずれの固定方法を使用した場合において
も、フィルムテープ17、インクリボン19の終端17
A、19Aを粘着テープ27を介してテープスプール1
8、リボンスプール20に強固に固定することが可能と
なる。
【0034】次に、リボン巻取スプール21の構成につ
いて図9に基づき説明する。図9はリボン巻取スプール
21の断面図であり、リボン巻取スプール21は上ケー
ス2の支持孔5と下ケース3の支持孔5との間で回動可
能に支持されている。かかるリボン巻取スプール21の
内壁においてその上下方向のほぼ中央位置L(破線Lに
て示す)には、複数の係合リブ30が設けられており、
各係合リブ30は中央位置Lに関して上下対称形に形成
されている。
【0035】そして、後述するように、テープカセット
1をテープ印字装置のカセット装着部Xにセットした場
合、カセット装着部Xに配設されたリボン巻取軸65が
リボン巻取スプール21内に挿入されることとなり、か
かるリボン巻取軸65のリボン巻取スプール21内への
挿入時、リボン巻取軸65の周囲に形成された複数のカ
ム部材66が各係合リブ30に係合される。このとき、
各係合リブ30は中央位置Lに関して上下対称形に形成
されていることから、フロントローディング及びボトム
ローディングのいずれの場合においても、リボン巻取軸
65のカム部材66は各係合リブ30に適正に係合され
得る。
【0036】また、リボン巻取スプール21はフロント
ローディング及びボトムローディングのいずれの場合に
も同一の方向に回転され(図20、図22参照)、且
つ、各係合リブ30はその回転方向に合致するような形
状に形成されていることから、テープカセット1の各上
ケース2、下ケース3に対するリボン巻取スプール21
の装着方向を上下逆転すると、リボン巻取スプール21
は正常に回転動作を行うことができなくなる。これを防
止するため、上ケース2における支持孔5の直径を下ケ
ース3における支持孔5の直径よりも大きく設定すると
ともに、リボン巻取スプール21の上端部21Aの外周
径をその下端部21Bの外周径よりも大きく設定し、上
端部21Aを上ケース2の支持孔5に、下端部21Bを
下ケース3の支持孔5に嵌合する構成としている。かか
る構成を採用することにより、リボン巻取スプール21
は、常時図9に示す位置関係を保持してテープカセット
1に装着されることとなり、これによりリボン巻取スプ
ール21のテープカセット1に対する誤装着は確実に防
止し得るものである。
【0037】続いて、前記アーム部8において、フィル
ムテープ17、インクリボン19を案内する構成につい
て図10に基づき説明する。図10はアーム部8の構成
を示す分解斜視図であり、下ケース3のアーム部8は、
外壁8Bとその外壁8Bよりも高くインクリボン19の
リボン幅とほぼ同一の高さを有する内壁8Cとから構成
されている。また、外壁8Bと内壁8Cとの間には、内
壁8Cと同一の高さを有する分離壁31が立設されてい
る。かかる分離壁31の両側下端には一対の案内規制片
32、32が形成されている。更に、下ケース3のアー
ム部8において分離壁31の上流側(図10中右側)位
置には、下端に案内規制片33が形成されたガイドピン
34が設けられている。また、上ケース2にてアーム部
8を構成する部分には、前記分離壁31の両側下端に設
けられた各案内規制片32に対応して一対の案内規制片
35が形成されている。
【0038】そして、上ケース2と下ケース3とを接合
してテープカセット1を構成した場合、アーム部8内に
は、外壁8B、分離壁31、及び、ガイドピン34によ
りフィルムテープ17の走行をガイドするフィルムテー
プ走行経路と内壁8Cと分離壁31とによりインクリボ
ン19の走行をガイドするリボン走行経路とが形成され
ることとなる。このとき、フィルムテープ17は、その
下端が案内規制片33にて規制されつつガイドピン34
で方向変換されるとともに、分離壁31の下端における
各案内規制片32と上ケース2の各案内規制片35との
協働によりテープ幅方向に案内規制されることにより、
アーム部8内で外壁8Bと分離壁31との間で走行案内
される。また、インクリボン19は、そのリボン幅とほ
ぼ同一の高さを有する内壁8Cと分離壁31とによりガ
イドされつつ、アーム部8内で内壁8Cと分離壁31と
の間で走行案内されるものである。尚、この時、インク
リボン19は上ケース2の下面と下ケース3の上面とに
よりその幅方向に規制を受ける。
【0039】ここに、前記したように、フィルムテープ
17のテープ幅とインクリボン19のリボン幅とは相互
に異なるが(インクリボン19のリボン幅はフィルムテ
ープ17のテープ幅よりも大きい)、各フィルムテープ
走行経路とリボン走行経路は、アーム部8内で分離壁3
1を介して相互に分離した異なる経路が形成されること
となり、従って、各フィルテープ17及びインクリボン
19は、それぞれのテープ幅、リボン幅が異なるにも拘
らず、各走行経路内で独立して確実に走行案内され得
る。また、インクリボン19は、下ケース3のアーム部
8に設けた内壁8Cと分離壁31とにより走行案内され
るので、インクリボン19は下ケース3のみにセットす
ればよいことから、上ケース2との間でインクリボン1
9に皺が発生したり、また、上ケース2と下ケース3と
を組み付ける際にインクリボン19が各ケース2、3間
に噛み込まれることはない。更に、インクリボン19の
リボン幅を考慮して下ケース3の外壁8Bよりも高く形
成される内壁8C、分離壁31については、下ケース3
における必要な部分のみを高く形成すればよく、他の部
分については外壁8Bの高さや上ケース2の壁高さとの
バランスを考慮して形成することが可能であり、従っ
て、内壁8Cや分離壁31の高さに合わせて下ケース全
体の高さを大きくする必要はない。これにより、下ケー
ス3は特に成形上の困難が発生することなく容易に成形
され得るものである。
【0040】ここで、図2に戻ってテープカセット1の
内部構成の説明を続けると、下ケース3の左側位置に
は、離形紙付の粘着テープ22が、その離形紙側を外側
にして巻回されたテープスプール23が前記支持孔7を
介して回動可能に支持されている。両面粘着テープ22
は、前記したように、テープ送りローラ12とテープ印
字装置に設けられた圧接ローラ49との協働により、テ
ープスプール23から引き出されるとともに、サーマル
ヘッドHを介して文字等が印字されたフィルムテープ1
7の文字印字面に貼着され、この後テープ排出部24か
らテープカセット1の外方へ排出される。
【0041】次に、テープスプール23の構成について
図11乃至図13に基づき説明する。先ず、図11、図
12を参照してテープカセット1がテープ印字装置に装
着される前における状態について説明する。ここに、図
11はテープカセット1の下ケース3を下側に配置した
状態のテープスプール23を示す断面図、図12は下ケ
ース3を上側に配置した状態のテープスプール23の断
面図である。
【0042】先ず、図11において、上ケース2におけ
る支持孔7の周囲には、その中心部から放射状に複数個
の係止リブ36が形成されており、また、下ケース3に
おける支持孔7の周囲には、各係止リブ36と同様、そ
の中心部から放射状に複数個の係止リブ37が形成され
ている。また、テープスプール23は二重壁構造を有
し、内側の内壁23Aには上下方向に沿って4つの摺動
溝38が形成されている。即ち、各4つの摺動溝38
は、内壁23Aにて90度間隔をもって垂直方向に形成
されている。
【0043】更に、テープスプール23内には、前記各
摺動溝38に摺動可能に嵌合する4つの摺動突起39が
形成されテープスプール23内を上下方向に摺動する円
筒状のコマ部材40が挿嵌されている。各摺動突起39
は、テープカセット1の配置状態に従って、下ケース3
の係止リブ37、又は、上ケース2の係止リブ36に係
止可能である。例えば、図11に示すように、下ケース
3が下側になるようにテープカセット1が配置されてい
る場合には、コマ部材40の各摺動突起39は、下ケー
ス3の係止リブ37に係止され、図12に示すように、
上ケース2が下側になるようにテープカセット1が反転
配置された場合には、コマ部材40の各摺動突起39は
上ケース2の係止リブ36に係止される。また、コマ部
材40の各摺動突起39が上ケース2における係止リブ
36、下ケース3における係止リブ37のいずれにも係
止されていない場合には、コマ部材40は、その各摺動
突起39がテープスプール23の摺動溝38に嵌合され
ていることから、テープスプール23とともに同期して
回転される。
【0044】前記のような構成において、コマ部材40
の各摺動突起39は、図11に示す状態では下ケース3
の係止リブ37に係止されるとともに、テープスプール
23の摺動溝38にも嵌合されており、これによりテー
プスプール23は、その回転がロックされた状態に保持
される。同様にして、図12に示す状態では、コマ部材
40の各摺動突起39は、上ケース2の係止リブ37に
係止されるとともに、テープスプール23の摺動溝38
にも嵌合されることとなり、これによりテープスプール
23は、その回転がロックされた状態に保持される。
【0045】従って、テープカセット1が図11及び図
12のいずれの状態に配置された場合においても、テー
プスプール23はその回転がロックされることとなり、
これにより粘着テープ22が不用意にテープカセット1
の外方に引き出されたり、また、テープカセット1の内
部に引っ込んだりすることを確実に防止することが可能
となる。
【0046】更に、テープカセット1がテープ印字装置
のカセット装着部Xに装着される状態について図13に
基づき説明する。図13はテープカセット1をカセット
装着部Xに装着した場合におけるコマ部材40の状態を
示す断面図である。図13において、テープ印字装置の
カセット装着部Xには、テープカセット1の支持孔7に
対応してボス41が立設されており、かかるボス41は
テープカセット1の装着時に支持孔7内に挿入される。
【0047】テープカセット1をテープ印字装置のカセ
ット装着部Xに装着すると、テープカセット1の支持孔
7内にボス41が挿入され、これに伴ってコマ部材40
がテープスプール23内で上方に押し上げられる。これ
により、コマ部材40の摺動突起39と下ケース3の係
止リブ37との係止が解除され、テープスプール23は
コマ部材40と共に回転可能な状態になる。従って、両
面粘着テープ22はテープ送りローラ12等を介してテ
ープスプール23から引き出され得、通常のテープ作成
動作が可能となるものである。尚、図13では、テープ
カセット1は下ケース3を下側にしてカセット装着部X
に装着されているが、テープカセット1を上下反転して
上ケース2が下側となるようにテープカセット1をカセ
ット装着部Xに装着する場合においては、テープ印字装
置に設けられカセット装着部Xを開閉する蓋上に形成さ
れたボス(図示せず)を介してコマ部材40はテープス
プール23内で上方に押し上げられるから、コマ部材4
0の摺動突起39と上ケース2の係止リブ36との係止
が解除され、この結果、テープスプール23はコマ部材
40と共に回転可能に状態になる。従って、かかる場合
においても図13に示す場合と同様に、両面粘着テープ
22はテープ送りローラ12等を介してテープスプール
23から引き出され得、通常のテープ作成動作が可能と
なるものである。
【0048】このように、両面粘着テープ22を巻回し
たテープスプール23は、テープカセット1をテープ印
字装置のカセット装着部Xに装着していない時には、コ
マ部材40の摺動突起39が上ケース2の係止リブ36
又は上ケース3の係止リブ37、及び、テープスプール
23の摺動溝38の双方に係止、嵌合されているので、
テープスプール23の回転がロックされて両面粘着テー
プ22が不用意にテープカセット1から引き出された
り、また、テープカセット1の内部に引っ込んだりする
ことを確実に防止することができる。また、テープカセ
ット1をテープ印字装置のカセット装着部Xに装着した
場合には、装着部Xに立設されたボス41を介してコマ
部材40の摺動突起39と上ケース2の係止リブ36又
は上ケース3の係止リブ37との係止が解除されるの
で、テープスプール23に回転負荷がかけられることな
く、テープスプール23を自在に回転させてテープ作成
動作を行うことができるものである。
【0049】次に、前記テープ送りローラ12の構成に
ついて図14に基づき説明する。図14はテープ送りロ
ーラ12を示す説明図であり、図14(A)はテープ送
りローラ12の断面図、図14(B)はテープ送りロー
ラ12の平面図である。
【0050】これらの各図において、テープ送りローラ
12は、プラスチック材料から円筒状に形成された円筒
部42と円筒部42の内壁から中心に向かって放射状に
形成された複数の駆動リブ43とから構成されている。
ここに、各駆動リブ43は、円筒部42の上下方向の中
央位置(図14(A)中破線Mにて示す)に関して上下
対称形となるように、中心位置Mの両側でそれぞれ複数
個が形成されている。また、各駆動リブ43には、テー
プ印字装置のカセット装着部Xに配設されたテープ駆動
カム70(後述する)のカム部材69が係合され、テー
プ送りローラ12はテープ駆動カム70の回動に従って
そのカム部材69と各駆動リブ43との協働により回転
される。これにより、テープ送りローラ12は、圧接ロ
ーラ49との協働作用により、両面粘着テープ22をフ
ィルムテープ17に接着するとともに、各テープ22、
17をテープ排出部24からテープカセット1の外方へ
送る送り動作を行うものである。また、各駆動リブ43
は、中央位置Mの両側で上下対称に設けられていること
から、テープ送りローラ12の下方からテープ駆動カム
70が挿入されるフロントローディングの場合、及び、
テープ送りローラ12の上方からテープ駆動カム70が
挿入されるボトムローディングの場合のいずれにおいて
も、テープ駆動カム70のカム部材69は各駆動リブ4
3に係合され得るものである。
【0051】続いて、サーマルヘッドHのヘッドホルダ
とヘッド装着部9との関係、及び、テープ送りローラ1
2とその上流側近傍における各規制部材14、15との
関係について図15乃至図17に基づき説明する。先
ず、サーマルヘッドHのヘッドホルダとヘッド装着部9
との関係について図15を参照して説明する。
【0052】図15はテープカセット1をテープ印字装
置のカセット装着部Xに装着した場合におけるサーマル
ヘッドHのヘッドホルダとヘッド装着部9との関係を拡
大して示す説明図であり、テープカセット1に設けられ
たヘッド装着部9において、前記したように(図1、図
2参照)、ヘッド装着部9の壁部9Aには第1嵌合部1
0(図15中上側に入り込んでいる)が形成され、ま
た、ヘッド装着部9の左側側壁には第1嵌合部10と直
交する方向に入り込んだ第2嵌合部11が形成されてい
る。また、サーマルヘッドHは、カセット装着部Xに固
設されたヘッドホルダ44に搭載されており、かかるヘ
ッドホルダ44には第1嵌合部10に挿嵌される第1突
起部45及び第2嵌合部11に挿嵌される第2突起部4
6が設けられている。
【0053】かかる構成において、テープカセット1を
カセット装着部Xに装着する場合には、先ず、テープカ
セット1におけるヘッド装着部9の第1嵌合部10をヘ
ッドホルダ44の第1突起部45に位置決めするととも
に、ヘッド装着部9の第2嵌合部11をヘッドホルダ4
4の第2突起部46に位置決めし、この後、テープカセ
ット1を上方からカセット装着部Xに装着する。かかる
テープカセット1の装着時、テープカセット1は、第1
嵌合部10と第1突起部45とによりカセット装着部X
の左右方向(図15中左右方向)における位置決めが行
われ、また、第2嵌合部11と第2突起部46とにより
カセット装着部Xの前後方向(図15中上下方向)にお
ける位置決めが行われる。このように、テープカセット
1は、各第1嵌合部10と第1突起部45、及び、第2
嵌合部11と第2突起部46を介して、カセット装着部
Xの前後、左右方向に位置決めが行われた後でなければ
適正にカセット装着部Xに装着することができないこと
から、カセット装着部Xに対して常に一定の関係を保持
しつつテープカセット1を装着することが可能となる。
従って、ヘッド装着部9にて露出されたフィルムテープ
17、インクリボン19がサーマルヘッドHやヘッドホ
ルダ44に接触されることなく、テープカセット1を確
実、且つ、容易に、カセット装着部Xに装着することが
可能となるものである。
【0054】尚、図15中、テープ印字装置のカセット
装着部Xには、テープカセット1に対向して支持軸47
の回りに回動可能に支持されたローラホルダ48が配設
されており、このローラホルダ48には、サーマルヘッ
ドHによりフィルムテープ17上にインクリボン19を
介して文字等の印字を行う際に、テープ送りローラ12
に圧接されてテープ送りローラ12と協働してテープ送
り動作を行う圧接ローラ49、及び、サーマルヘッドH
に圧接されるプラテンローラ50が回動可能に支持され
ている。
【0055】次に、テープ送りローラ12とその上流側
近傍における各規制部材14、15との関係について図
16、図17を参照して説明する。ここに、図16はテ
ープ送りローラ12の近傍位置における構成を示す分解
斜視図、図17はテープ送りローラ12部分の側断面図
である。
【0056】これらの各図において、上ケース2に形成
されたテープ送りローラ12の支持孔13の近傍位置に
は規制部材14が形成され、また、下ケース3に形成さ
れたテープ送りローラ12の支持孔13の近傍位置に
は、規制壁51が立設され、この規制壁51の下部には
規制部材15が形成されている。各上ケース2と下ケー
ス3とを接合してテープカセット1を組み立てた際に、
上側規制部材14の下端と下側規制部材15の上端との
間の幅W(図1参照)は、前記のように、フィルムテー
プ17のテープ幅と同一に設定されており、また、テー
プ送りローラ12におけるテープ送り幅は、各規制部材
14、15間の幅Wと同一の幅に設定されている。ま
た、規制壁51の隣接して案内壁25が立設され、規制
壁51と案内壁25との間には案内溝25Aが設けられ
ている。
【0057】前記構成において、サーマルヘッドHによ
りインクリボン19を介してフィルムテープ17上に文
字等が印字された後、印字にて消費されたインクリボン
19はリボンスプール21に巻き取られるとともに、フ
ィルムテープ17はテープ送りローラ12と圧接ローラ
49とにより排出方向に送られる。このとき、インクリ
ボン19は、前記したように、フィルムテープ17のテ
ープ幅よりも大きいテープ幅を有し、従って、各規制部
材14、15間には送出されることなく、規制壁51と
案内壁25との間の案内溝25Aを介してリボンスプー
ル21に巻き取られる。一方、フィルムテープ17は、
そのテープ幅が各規制部材14、15間の幅Wに等し
く、そのテープ幅方向を各規制部材14、15にて規制
案内されつつテープ送りローラ12まで送られる。ま
た、同時に、両面粘着テープ22は、そのテープ幅と等
しいテープ送りローラ12のテープ送り幅Wに合致され
つつフィルムテープ17まで送られる。これにより、相
互に等しいテープ幅を有するフィルムテープ17と両面
粘着テープ22とは、テープ送りローラ12と圧接ロー
ラ49との協働により、両テープ間に位置ずれを生じる
ことなく適正に接着され得るものである。
【0058】続いて、更にテープカセット1をテープ印
字装置に対してフロントローディング及びボトムローデ
ィングのいずれの場合でも使用可能とする特徴的構成に
ついて説明する。尚、前記においては、フロントローデ
ィング及びボトムローディングのいずれの場合にも使用
可能とすべく、リボン巻取スプール2における各係合リ
ブ30を上下対称に形成する構成(図9参照)、及び、
テープ送りローラ12の各駆動リブ43を上下対称に形
成する構成(図14参照)について説明したが、本実施
例に係るテープカセット1は、これらの各構成に加え
て、更に以下のような特徴的構成を有する。即ち、図1
8はテープカセット1の側面図であり、テープカセット
1は相互に高さの異なる2つの上ケース2と上ケース3
(上ケース3の方が下ケース2よりも高い)とから構成
されるが、テープカセット1には、テープカセット1の
高さ(幅)方向における中心線Nに関して、上下方向に
対称に形成され高さTを有する共通部52が設けられて
いる。かかる共通部52の高さTは、フィルムテープ1
7等のテープ幅に拘らず同一寸法に設定されている。従
って、かかる共通部52の両面位置は、テープカセット
1の上方向及び下方向のいずれの方向からでも中心線N
を基準として同一の位置に存在することとなり、これよ
りテープカセット1は共通部52を利用してフロントロ
ーディング及びボトムローディングのいずれの場合にお
いても使用することが可能となるものである。また、共
通部52の上下両面を利用して高さ方向の位置決めが行
われ得、また、テープ印字装置のカセット装着部Xを開
閉するための蓋に設けられる押え部材を共通部52に当
接するようにすれば、蓋がテープ印字装置の上側、下側
のいずれの側に配設される場合でも蓋の設計を容易に行
うことが可能となる。
【0059】また、テープカセット1には、図19
(A)の平面図、図19(B)の裏面図に示すように、
テープカセット1をカセット装着部Xに装着した際に、
カセット装着部Xから立設された2つの位置決めピン7
2、73(後述する)が挿嵌されるピン孔53、54
が、テープカセット1の両面から上下対称となるように
設けられている。特に、ピン孔54は、カセット検出部
16の近傍に設けられている。これにより、テープカセ
ット1は、フロントローディング及びボトムローディン
グのいずれの場合においても、各位置決めピン72、7
3と各ピン孔53、54とを介して、カセット装着部X
内で適正に位置決めされ得るものである。
【0060】続いて、前記のように構成されたテープカ
セット1をテープ印字装置のカセット装着部Xに対して
フロントローディングを行う場合について図20、図2
1、図24に基づき説明する。ここに、図20はテープ
カセット1をテープ印字装置のカセット装着部Xにフロ
ントローディングする状態を示す説明図、図21はテー
プカセット1をフロントローディングした場合のカセッ
ト検出部16と検出スイッチとの関係を示す説明図、図
24はフロントローディングの場合とボトムローディン
グの場合を模式的に示す説明図である。
【0061】先ず、図20を参照してテープ印字装置P
のカセット装着部Xの構成について説明する。カセット
装着部Xにおいて、その前側にはヘッドホルダ44が固
設されており、このヘッドホルダ44にはサーマルヘッ
ドHが搭載される。また、カセット装着部Xの外側(図
20中右側)には駆動モータ60が配設されており、か
かる駆動モータ60の駆動軸の下端には駆動ギヤ61が
固着されている。駆動ギヤ61は、カセット装着部Xに
設けられた開口62を介して、カセット装着部Xの底面
に回動可能に支持されたギヤ63に噛合され、また、ギ
ヤ63は更にギヤ64に噛合されている。かかるギヤ6
4の上面には、前記リボン巻取スプール21の回転駆動
を行うリボン巻取軸65が立設されており、そのリボン
巻取軸65の周囲にはリボン巻取スプール21の内壁に
形成された係合リブ30(図9参照)に係合するカム部
材66が設けられている。
【0062】また、ギヤ64にはギヤ67が噛合され、
更にギヤ67にはギヤ68が噛合されている。そして、
ギヤ68には、前記テープ送りローラ12の駆動リブ4
3(図14参照)に係合するカム部材69を有するテー
プ駆動カム70が立設されたギヤ71が噛合されてい
る。
【0063】図20、図24(中央図、下側図)に示す
状態からテープカセット1をカセット装着部Xに装着し
た場合、前記テープ駆動系において、駆動モータ60が
反時計方向に回転駆動されると、駆動ギヤ61、ギヤ6
3、ギヤ64を介して、リボン巻取軸65が反時計方向
に回転駆動され、この結果、リボン巻取軸65のカム部
材66、係合リブ30との協働により、リボン巻取スプ
ール21は矢印E方向に回転駆動されてインクリボン1
9の巻取動作を行う。更に、ギヤ64の回転は、ギヤ6
7、ギヤ68、ギヤ71を介してテープ駆動カム70に
伝達され、これによりテープ駆動カム70のカム部材6
9、テープ送りローラ12の駆動リブ43を介して、テ
ープ送りローラ12は時計方向に回転駆動されて圧接ロ
ーラ49との協働によりフィルムテープ17、両面粘着
テープ22を接着しつつテープ排出部24からテープカ
セット1の外方に排出するものである。
【0064】また、カセット装着部Xにおいてギヤ67
とギヤ68との間には、ボス(図13参照)41が配設
されている。かかるボス41は、前記したように、テー
プカセット1をカセット装着部Xに装着した際に、テー
プスプール23内のコマ部材40を上方に押し上げ、コ
マ部材40の摺動突起39と下ケース3の係止リブ37
との係止を解除するものである。これにより、テープス
プール23は回転フリーの状態となってコマ部材40と
共に回転可能になるものである。
【0065】更に、カセット装着部Xの周辺において、
2つの位置決めピン72、73が設けられており、これ
らの各位置決めピン72、73は、前記したピン孔5
3、54(図19(A)、(B)参照)に挿嵌されて、
テープカセット1をカセット装着部X内で適正に位置決
めするものである。
【0066】次に、テープカセット1をフロントローデ
ィングした場合のカセット検出部16と検出スイッチと
の関係について図21に基づき説明する。図21におい
て、カセット装着部Xの後方位置にはスイッチ支持部材
80が配設されており、かかるスイッチ支持部材80に
は上向きに4つの検出スイッチ81が並設されている。
各検出スイッチ81はスイッチ端子81Aを有し、各検
出スイッチ81は、各スイッチ端81Aがテープカセッ
ト1のスイッチ検出部16に所定のパターンで穿設され
たスイッチ孔16Aに入り込んだ状態ではオフ状態を保
持し、一方、スイッチ孔16Aが存在しない部分ではス
イッチ端子81Aが押下されることからオン状態とな
る。このような各検出スイッチ81のオン・オフの組合
せに基づいてテープカセット1の種類が検出されるもの
である。
【0067】前記のようにカセット装着部Xにテープカ
セット1を装着した場合、図21の例では、4つの各検
出スイッチ81の内、中間の2つのスイッチ81を除い
て、両側の2つのスイッチ81がオンとなっており、従
って、オン・オフのパターンは、左側より「オン・オフ
・オフ・オン」となることら、かかる組合せに基づいて
テープカセット1の種類が検出される。
【0068】次に、テープカセット1をテープ印字装置
のカセット装着部Xに対してボトムローディングを行う
場合について図22、図23、図24に基づき説明す
る。ここに、図22はテープカセット1をテープ印字装
置のカセット装着部Xにボトムローディングする状態を
示す説明図、図23はテープカセット1をボトムローデ
ィングした場合のカセット検出部16と検出スイッチと
の関係を示す説明図である。
【0069】尚、ボトムローディングタイプのテープ印
字装置Pでは、カセット装着部Xは、前記図20の場合
とは異なって上側に設けられており、又、かかるカセッ
ト装着部Xには、前記図20にて説明したと同一のテー
プ駆動系、ヘッドホルダ44が下向きに配設されてい
る。これらの各テープ駆動系、ヘッドホルダ44等につ
いて同一の構成を有するので、ここでは説明を省略す
る。
【0070】図22、図24(上側図、中央図)に示す
ように、ボトムローディングの場合には、テープカセッ
ト1は上向きにカセット装着部Xに装着される。このと
き、本実施例に係るテープカセット1では、前記したよ
うに、リボン巻取スプール21内で各係合リブ30は上
下対称に形成されている(図9参照)とともに、テープ
送りローラ12内で各駆動リブ43が上下対称に形成さ
れており(図14参照)、更に、テープカセット1の高
さ方向に沿って上下対称に共通部52が設けられている
(図18参照)。従って、図22、図24に示す状態か
らテープカセット1を上向きにカセット装着部Xに対し
てボトムローディングすると、テープカセット1は、カ
セット装着部Xに対して、前記フロントローディングの
場合と同様、の関係(テープカセット1における各部材
とカセット装着部Xにおけるテープ駆動系との関係)を
もって装着されるものである。尚、かかるボトムローデ
ィングの場合、前記テープスプール23内に配置された
コマ部材40は、テープ印字装置Pに設けられカセット
装着部Xを開閉する蓋に形成されたボスを介して上方に
移動され、これによりテープスプール23はコマ部材4
0と共に回転フリーの状態とされる。
【0071】次に、テープカセット1をボトムローディ
ングした場合のカセット検出部16と検出スイッチとの
関係について図23に基づき説明する。図23におい
て、カセット装着部Xの後方位置にはスイッチ支持部材
80が配設されており、かかるスイッチ支持部材80は
テープカセット1の上方に配置されている。スイッチ支
持部材80には下向きに4つの検出スイッチ81が並設
されている。各検出スイッチ81はスイッチ端子81A
を有し、各検出スイッチ81は、各スイッチ端81Aが
テープカセット1のスイッチ検出部16に所定のパター
ンで穿設されたスイッチ孔16Aに入り込んだ状態では
オフ状態を保持し、一方、スイッチ孔16Aが存在いな
い部分ではスイッチ端子81Aが押下されることからオ
ン状態となる。このような各検出スイッチ81のオン・
オフの組合せに基づいてテープカセット1の種類が検出
されるものである。
【0072】前記のようにカセット装着部Xにテープカ
セット1を装着した場合、図23の例では、4つの各検
出スイッチ81の内、中間の2つのスイッチ81を除い
て、両側の2つのスイッチ81がオンとなっており、従
って、オン・オフのパターンは、左側より「オン・オフ
・オフ・オン」となることら、かかる組合せに基づいて
テープカセット1の種類が検出される。
【0073】以上詳細に説明した通り本実施例に係るテ
ープカセット1では、インクリボン19のリボン幅がフ
ィルムテープ17のテープ幅よりも広く構成され、ま
た、テープローラ12の近傍位置にて一対の規制部材1
4、15が設けられるとともに各規制部材14、15間
の幅Wをフィルムテープ17のテープ幅とほぼ同一の幅
に設定されているので、サーマルヘッドHによる文字等
の印字後に各規制部材14、15を介してフィルムテー
プ17とインクリボン19とが確実に分離され、これに
よりインクリボン19が各規制部材14、15の下流側
まで走行することを確実に防止することができる。ま
た、各規制部材14、15の下流側ではインクリボン1
9がフィルムテープ17の走行に伴って必要以上に引き
出されることが全くなくなるものである。
【0074】これにより、インクリボン19に多少の緩
みが発生した場合においても、フィルムテープ17を引
き出すことに起因して、フィルムテープ17に貼り付い
たインクリボン19が必要以上に引き出されて両面粘着
テープ22に接着することにより、インクリボン19が
テープカセット1内でジャミングしてテープカセット1
が使用不能となることを確実に防止することができる。
【0075】また、インクリボン19のリボン幅をフィ
ルムテープ17のテープ幅よりも大きくすることによ
り、インクリボン19のリボン幅は、当然にフィルムテ
ープ17への文字等の印字幅よりも大きくなり、これに
よりフィルムテープ17の印字幅を最大限に使用して文
字等が連続して印字された場合にも、インクリボン19
は印字幅の両側で未使用部分が残存することからインク
リボン19が切断されてしまうことを防止することがで
きるものである。
【0076】更に、フィルムテープ17、インクリボン
19をそれぞれテープスプール18、リボンスプール2
0に対して取り付けるについて、フィルムテープ17の
終端17A、インクリボン19の終端19Aは、テープ
スプール18、リボンスプール20に対してその周囲に
渡ってループ状に接着され粘着テープ27の各両端部2
7A間で接着されており、従って、フィルムテープ1
7、インクリボン19の終端17A、19Aは、粘着テ
ープ27をテープスプール18、リボンスプール20か
ら剥そうとする力に十分対抗可能な程度に、粘着テープ
27を介してテープスプール18、リボンスプール20
に強固に固定されることとなり、これよりフィルムテー
プ17、インクリボン19がスプール18、20から容
易に剥がれてしまうことを確実に防止することができ
る。
【0077】また、本実施例のテープカセット1では、
アーム部8に分離壁31を形成することにより、フィル
ムテープ17を外壁8Bと分離壁31との間で走行案内
するとともに、インクリボン19をそのリボン幅とほぼ
同一の高さを有する内壁8Cと分離壁31との間で走行
案内するように構成したので、各フィルテープ17及び
インクリボン19を、それぞれのテープ幅、リボン幅が
異なるにも拘らず、各走行経路内で独立して確実に走行
案内することができる。また、インクリボン19は、下
ケース3のアーム部8に設けた内壁8Cと分離壁31と
により走行案内されるので、インクリボン19は下ケー
ス3のみにセットすればよいことから、上ケース2との
間でインクリボン19に皺が発生したり、また、上ケー
ス2と下ケース3とを組み付ける際にインクリボン19
が各ケース2、3間に噛み込まれることを防止すること
ができる。更に、インクリボン19のリボン幅を考慮し
て下ケース3の外壁8Bよりも高く形成される内壁8
C、分離壁31については、下ケース3における必要な
部分のみを高く形成すればよく、他の部分については外
壁8Bの高さや上ケース2の壁高さとのバランスを考慮
して形成することが可能であり、従って、内壁8Cや分
離壁31の高さに合わせて下ケース全体の高さを大きく
する必要はない。これにより、下ケース3は特に成形上
の困難が発生することなく容易に成形することができ
る。
【0078】更に、両面粘着テープ22を巻回したテー
プスプール23の内壁23Aに4つの摺動溝38を形成
するとともに、各摺動溝38に嵌合する摺動突起39を
有するコマ部材40をテープスプール23内で摺動可能
に配置し、テープカセット1が保管されている状態にお
いてコマ部材40の各摺動突起39を上ケースの支持孔
7の周囲に形成された各係止リブ36又は下ケース3の
支持孔7の周囲に形成された各係リブ37に係止するこ
とにより、テープスプール23の回転をロック状態に保
持するように構成したので、粘着テープ22が不用意に
テープカセット1の外方に引き出されたり、また、テー
プカセット1の内部に引っ込んだりすることを確実に防
止することができる。
【0079】また、サーマルヘッドHを搭載するヘッド
ホルダ44とヘッド装着部9との関係において、ヘッド
装着部9の壁部9Aに第1嵌合部10、ヘッド装着部9
の側壁に第1嵌合部10と直交する方向に入り込んだ第
2嵌合部11を形成するとともに、ヘッドホルダ44に
は第1嵌合部10に挿嵌される第1突起部45、第2嵌
合部11に挿嵌される第2突起部46を設けることによ
り、テープカセット1をカセット装着部Xに装着する
際、テープカセット1はカセット装着部Xに対して常に
一定の関係を保持しつつ装着されることとなり、これに
よりヘッド装着部9にて露出されたフィルムテープ1
7、インクリボン19がサーマルヘッドHやヘッドホル
ダ44に接触されることなく、テープカセット1を確
実、且つ、容易に、カセット装着部Xに装着することが
できる。
【0080】更に、リボン巻取スプール21の内壁に複
数の係合リブ30を上下対称形に形成するとともに、テ
ープ送りローラ12の円筒部42の内壁から放射状に複
数の駆動リブ43を上下対称形に形成したので、テープ
カセット1をテープ印字装置Pのカセット装着部Xに対
してフロントローディングする場合及びボトムローディ
ングする場合のいずれにおいても、リボン巻取軸65の
カム部材66及びテープ駆動カム70のカム部材71の
双方に対して係合することができる。
【0081】また、テープ送りローラ12のテープ送り
幅Wを前記各規制部材14、15間の幅と同一に、且
つ、フィルムテープ17のテープ幅と同一に設定したの
で、フィルムテープ17のテープ幅よりも大きいリボン
幅を有するインクリボン19は各規制部材14、15を
介してフィルムテープ17と分離され、また、フィルム
テープ17は各規制部材14、15間を規制案内され、
これにより相互に等しいテープ幅を有するフィルムテー
プ17と両面粘着テープ22とをテープ送りローラ12
のテープ送り幅Wに合致させつつ、テープ送りローラ1
7と圧接ローラ49との協働により両テープ間に位置ず
れを生じることなく適正に接着することができる。
【0082】尚、本発明は前記実施例に限定されるもの
ではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改
良、変形が可能であることは勿論である。
【0083】
【発明の効果】以上説明した通り本発明は、テープカセ
ットのカセット検出部から最も離れた位置で、テープ印
字装置本体側に設けられた印字ヘッドにより被印字テー
プに文字等が印字されることになるので、カセット検出
部が本体側の検出スイッチのスイッチ端子の反発力によ
り上方に持ち上げられても、印字位置においてはその影
響を最小限に抑えることができ、印字ヘッドと被印字テ
ープとの適正な位置関係が損なわれて被印字テープの印
字位置がずれてしまい、印字品質が悪化することを防止
することができる。
【0084】また、本発明は、テープカセットをテープ
印字装置本体側のカセット装着部に装着する際、テープ
カセットのヘッド装着部に本体側のヘッドホルダが挿嵌
されて、テープカセットはカセット装着部に対して常に
一定の関係を保持しつつ装着されることになるので、ヘ
ッド装着部にて露出されたフィルムテープ、インクリボ
ンがサーマルヘッドやヘッドホルダに接触されることな
く、テープカセットを確実、且つ、容易にカセット装着
部に装着することができる。
【0085】また、本発明は、略直方体状に形成された
テープカセットにおいて、テープカセットのカセット検
出部とヘッド装着部とが最も離れて位置されることとな
るので、カセット検出部が本体側の検出スイッチのスイ
ッチ端子の反発力により上方に持ち上げられても、ヘッ
ド装着部においてはその影響を最小限に抑えることがで
き、印字ヘッドと被印字テープとの適正な位置関係が損
なわれて被印字テープの印字位置がずれてしまい、印字
品質が悪化することを防止することができる。
【0086】また、本発明は、テープカセットにおい
て、その位置決め部が設けられる地点とカセット検出部
が設けられる地点との距離が短くなり、カセット検出部
の位置と本体側の機械式検出スイッチの位置とが対応さ
れる際の誤差が少なくなり、機械式検出スイッチによる
検出の精度を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】テープカセットの斜視図である。
【図2】上ケースを取り外して示す下ケースの平面図で
ある。
【図3】フィルムテープ、インクリボンの終端部をそれ
ぞれテープスプール、リボンスプールに取り付ける方法
を模式的に示す分解斜視図である。
【図4】フィルムテープ、インクリボンの終端をテープ
スプール、リボンスプールに取り付けた状態を示す平面
図である。
【図5】フィルムテープ、インクリボンの終端部をそれ
ぞれテープスプール、リボンスプールに取り付ける別の
方法を模式的に示す分解斜視図である。
【図6】フィルムテープ、インクリボンの終端部をそれ
ぞれテープスプール、リボンスプールに取り付ける更に
別の方法を模式的に示す分解斜視図である。
【図7】フィルムテープ、インクリボンの終端部をそれ
ぞれテープスプール、リボンスプールに取り付ける更に
別の方法を模式的に示す分解斜視図である。
【図8】フィルムテープ、インクリボンの終端部をそれ
ぞれテープスプール、リボンスプールに取り付ける更に
別の方法を模式的に示す分解斜視図である。
【図9】リボン巻取スプールの断面図である。
【図10】アーム部の構成を示す分解斜視図である。
【図11】テープカセットの下ケースを下側に配置した
状態のテープスプールを示す断面図である。
【図12】下ケースを上側に配置した状態のテープスプ
ールの断面図である。
【図13】テープカセットをカセット装着部に装着した
場合におけるコマ部材の状態を示す断面図である。
【図14】テープ送りローラを示す説明図であり、図1
4(A)はテープ送りローラの断面図、図14(B)は
テープ送りローラの平面図である。
【図15】テープカセットをテープ印字装置のカセット
装着部に装着した場合におけるサーマルヘッドのヘッド
ホルダとヘッド装着部との関係を拡大して示す説明図で
ある。
【図16】テープ送りローラの近傍位置における構成を
示す分解斜視図である。
【図17】テープ送りローラ部分の側断面図である。
【図18】テープカセットの側面図である。
【図19】テープカセットを示し、図19(A)はテー
プカセットの平面図、図19(B)はテープカセットの
裏面1である。
【図20】テープカセットをテープ印字装置のカセット
装着部にフロントローディングする状態を示す説明図で
ある。
【図21】テープカセットをフロントローディングした
場合のカセット検出部と検出スイッチとの関係を示す説
明図である。
【図22】テープカセットをテープ印字装置のカセット
装着部にボトムローディングする状態を示す説明図であ
る。
【図23】テープカセットをボトムローディングした場
合のカセット検出部と検出スイッチとの関係を示す説明
図である。
【図24】フロントローディングの場合とボトムローデ
ィングの場合を模式的に示す説明図である。
【符号の説明】
1 テープカセット 2 上ケース 3 下ケース 8 アーム部 8A 開口 8B 外壁 8C 内壁 17 フィルムテープ 18 テープスプール 19 インクリボン 20 リボンスプール 31 分離壁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 杉山 豊 名古屋市瑞穂区苗代町15番1号 ブラザー 工業株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カセットケース内に、少なくとも被印字
    テープを巻回したテープスプールを配置し、該テープス
    プールから前記被印字テープを所定の搬送経路に沿って
    引き出して、テープ印字装置本体側に設けられた印字ヘ
    ッドにより前記被印字テープに文字等を印字した後、該
    被印字テープを前記カセットケースの外方へ排出するテ
    ープカセットにおいて、 該テープカセットの表面であって前記被印字テープに文
    字等が印字される位置から最も離れた位置に、前記テー
    プ印字装置本体側に設けられた少なくとも1つの機械式
    検出スイッチのスイッチ端子を押下し、または押下しな
    いことにより、前記テープ印字装置本体に装着された前
    記テープカセットの種類を特定し得るカセット検出部を
    設けたことを特徴とするテープカセット。
  2. 【請求項2】 前記テープカセットは、前記印字ヘッド
    が搭載されるヘッドホルダに対応する形状を有し、か
    つ、前記テープカセットが前記テープ印字装置本体に装
    着されたときに前記ヘッドホルダが挿嵌されるヘッド装
    着部を備えていることを特徴とする請求項1に記載のテ
    ープカセット。
  3. 【請求項3】 前記カセット検出部は、略直方体状に形
    成された前記テープカセットの一の隅角部の近傍に設け
    られるとともに、前記ヘッド装着部は、前記カセット検
    出部の近傍の隅角部の対角線上にある他の隅角部の近傍
    に設けられていることを特徴とする請求項2に記載のテ
    ープカセット。
  4. 【請求項4】 前記カセット検出部の近傍には、前記テ
    ープ印字装置本体側に設けられた少なくとも一つの位置
    決め部材と係合することにより、前記テープ印字装置本
    体に装着された前記テープカセットを位置決めする位置
    決め部が設けられていることを特徴とする請求項1ない
    し請求項3のいずれかに記載のテープカセット。
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