JPH11262987A - 金属ラミネート用白色フィルム - Google Patents

金属ラミネート用白色フィルム

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JPH11262987A
JPH11262987A JP6648098A JP6648098A JPH11262987A JP H11262987 A JPH11262987 A JP H11262987A JP 6648098 A JP6648098 A JP 6648098A JP 6648098 A JP6648098 A JP 6648098A JP H11262987 A JPH11262987 A JP H11262987A
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JP
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film
titanium oxide
less
weight
polyester
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JP6648098A
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Minoru Kishida
稔 岸田
Norikazu Matsui
規和 松井
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Unitika Ltd
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Unitika Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた熱ラミネート性(熱接着性)、成形性
及び強度を有し、隠蔽性、白度に優れ、フィルム中のボ
イド率が少なく、製缶時の絞りしごき加工性に優れた、
金属缶の外面被覆に好適に用いられる金属板ラミネート
用白色フィルムを提供する。 【解決手段】 エチレンテレフタレート単位95〜75
モル%とエチレンイソフタレート単位5〜25モル%と
からなるポリエステルに、酸化チタンを20〜50重量
%配合した組成物からなるフィルムであって、前記フィ
ルムが、酸化チタン含有量が20〜60重量%の中間層
と、酸化チタン含有量が20重量%以下の両外層からな
り、フィルム中のボイド率が7%以下である金属ラミネ
ート用白色フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、優れた熱ラミネー
ト性、成形性及び引張強伸度を有し、隠蔽性、白度に優
れ、フィルム中のボイド率が小さいためフィルムの生産
安定性に優れると共に、金属板への熱ラミネート後の厚
み変化が少なく、また、製缶時の絞りしごき加工性にも
優れた金属ラミネート用白色フィルムに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】食品、飲料用の包装には、スチール缶、
アルミ缶等の金属缶が大量に使用されており、これらの
金属缶は、耐食性、印刷性等を付与するために、従来、
熱硬化性樹脂を主成分とする溶剤型塗料を塗布して用い
られてきた。しかし、このような塗料の塗布は、生産性
が悪いと共に、環境汚染等の問題があり、近時、二軸延
伸されたプラスチックフィルムあるいはこれをベースと
し、ヒートシール可能なフィルムをラミネートした積層
フィルムを用いてフィルムラミネート缶が広く用いられ
るようになってきた。
【0003】プラスチックフィルムで被覆した金属缶
は、鋼板、アルミ板等の金属板(メッキ等の表面処理を
施したものを含む)にプラスチックフィルムをラミネー
トし、ラミネート金属板を成形加工して製造される。こ
のような用途に用いられるプラスチックフィルムには、
金属板とのラミネート性がよいこと、缶の成形性に
優れていること、つまり、缶の成形時にフィルムの剥
離、亀裂、クラック、ピンホール等の発生がないこと、
缶内容物の風味を損ねることがないこと(缶の内面に
用いられる場合)、レトルト処理をしたときにウォー
タースポットや白粉が発生しないこと(ウォータースポ
ットとは、ラミネート時に溶融して非晶化したフィルム
がレトルト処理時に水滴が付着して結晶化して白色化す
る現象をいい、商品の美観を損なう。また、白粉とは、
オリゴマー等の低分子量物がフィルム表面に析出したも
のをいい、ラミネートフィルムが缶内面に用いられる場
合には、缶内容物の風味を損ね、缶外面に用いられる場
合には、缶の美麗性を損なう。)などの数々の特性が同
時に要求される。
【0004】缶外面用フィルムとしては、酸化チタンを
充填したポリエチレンテレフタレートもしくはその共重
合体の二軸延伸フィルムが、物理的、機械的、化学的特
性に優れ、かつ、製造コストが低く、コストパフォーマ
ンスに優れた素材として用いられている。しかし、熱ラ
ミネート性、機械強度、隠蔽性、白度といった点に改良
すべき課題があり、特に、缶外面に美しい印刷を行う場
合には、白度のさらに高いものが要求される。また、缶
の加工変化率が大きい場合には、最終的に出来上がる缶
の表面白度を維持するためにも、白度の高いフィルムが
要求されてきている。
【0005】このような白色フィルムとしては、ポリエ
ステル樹脂に高濃度の酸化チタンを配合したものが用い
られている。しかし、従来の白色フィルムでは白度や隠
蔽性が不充分であり、チタン量をさらに増大させること
が望まれている。しかし、チタン量の増大によって、フ
ィルム表面が硬くなり、また製缶用治具が磨耗するとい
った問題や、削れた金属や酸化チタンがフィルム表面に
付着して、印刷時に印刷ぬけが発生したり、鋼板との熱
ラミネート性が悪くなったりするという問題がクローズ
アップされている。また、酸化チタンを高充填した白色
フィルムはフィルム内部に多くのボイドを有しているた
め、これを金属板に熱ラミネートした後の厚み変化率が
大きくなり、フィルムの白度に部分的な斑が生じるとい
う問題や、フィルムの生産安定性において問題があっ
た。
【0006】金属ラミネート用白色フィルムとしては、
例えば、共重合ポリエステルに酸化チタンを混合したも
のや(特開平5−170942)、共重合ポリエステル
にルチル型酸化チタンを混合したもの(特開平5−33
9391)が開示されている。また、顔料濃度の異なる
2種類の共重合ポリエステルを積層させた積層ポリエス
テルフィルムが開示されている(特開平6−3998
0、特開平7−52351)。
【0007】上記のように、ポリエステル樹脂に酸化チ
タンを充填した単層又は複層の白色フィルムが種々提案
されているが、上記のすべての要求性能を満足するフィ
ルムはなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、優れた熱接
着性(熱ラミネート性)、製缶時の絞りしごき加工性に
優れ、また、フィルム中のボイド率が低いためフィルム
の生産性に優れ、フィルムを鋼板に熱ラミネート後の厚
み変化が低く、隠蔽性、白度に優れた金属板ラミネート
用白色フィルムを提供しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、このよう
な課題を解決するために鋭意検討の結果、エチレンテレ
フタレート単位95〜75モル%とエチレンイソフタレ
ート単位5〜25モル%とからなるポリエステルに、酸
化チタンを20〜50重量%配合した組成物からなるフ
ィルムであって、前記フィルムが、酸化チタン含有量が
20〜60重量%の中間層と、酸化チタン含有量が20
重量%以下の両外層とからなり、フィルム中のボイド率
が7%以下である白色フィルムを用いることにより、上
記の課題が解決できることを見出し本発明に到達した。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。
【0011】本発明におけるポリエステルは、エチレン
テレフタレート単位95〜75モル%、好ましくは90
〜85モル%とエチレンイソフタレート単位5〜25モ
ル%、好ましくは10〜15モル%である。エチレンイ
ソフタレート単位が5モル%未満では、金属板への熱ラ
ミネート適性に欠け、また、25モル%より多いと、製
缶工程後のヒートセット時や印刷焼き付け時の耐熱性に
問題が生じるうえに、材料の結晶性がなくなって、樹脂
ペレットの充分な乾燥が困難となり製膜工程上のトラブ
ルが生じたり、フィルムが非晶性になり、フィルムの強
度や耐熱性が不足したり、フィルムがラミネートされた
金属板が製缶工程で熱ロールに巻き付いたりする。
【0012】また、本発明におけるポリエステルの構成
成分として、ジエチレンテレ(イソ)フタレート単位を
1〜5モル%、好ましくは、2〜4モル%含有させるこ
とにより、エチレンイソフタレート単位による非晶性付
与効果とエチレンテレフタレート単位の結晶性とのバラ
ンスを調整することができ、フィルムと金属との熱ラミ
ネート性、缶への加工性、耐熱性及び強度が得られる。
【0013】また、本発明におけるポリエステルは、極
限粘度が0.5以上、好ましくは0.6〜1.2である
ことが望ましい。極限粘度が0.5未満の場合、フィル
ム製造時の操業性が悪化し、また得られるフィルムの強
度が不足する。しかし、極限粘度が1.2よりも大きい
場合には生産コストが上昇し好ましくない。
【0014】本発明で用いられるポリエステルは、結晶
性の場合には、融点が200〜240℃、非晶性の場合
にはガラス転移点が50〜90℃のものが好ましい。こ
れらの範囲を外れると、耐熱性が低下したり、熱ラミネ
ート性が低下したりして、好ましくない。
【0015】また、本発明におけるポリエステル中のオ
リゴマー(環状3量体を中心とする線状又は環状の1〜
9量体)の含有量は0.1〜2.0重量%の範囲が好ま
しい。オリゴマーの含有量が2.0重量%より多いと白
粉の発生の原因となる。また、ポリエステル中のアセト
アルデヒド含有量は缶内容物の風味を保持するため、5
0ppm 以下が好ましい。
【0016】本発明において用いられるポリエステル
は、その特性を損なわない範囲(通常5モル%以下)
で、イソフタル酸及びジエチレングリコール以外の、別
の成分をさらに共重合したものであってもよい。このよ
うな共重合成分の具体例としては、フタル酸、2,6−
ナフタレンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフ
タル酸、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン
酸、アゼライン酸、ドデカン二酸、ダイマー酸、無水マ
レイン酸、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸、シト
ラコン酸、メサコン酸、シクロヘキサンジカルボン酸等
のジカルボン酸、4−ヒドロキシ安息香酸、ε−カプロ
ラクトンや乳酸などのオキシカルボン酸があげられる。
また、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオ
ール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオ
ール、シクロヘキサンジメタノール、トリエチレングリ
コール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリ
コール、ポリテトラメチレングリコール、ビスフェノー
ルAやビスフェノールSのエチレンオキシド付加体等の
グリコール等があげられる。さらに、トリメリット酸、
トリメシン酸、ピロメリット酸、トリメチロールプロパ
ン、グリセリン、ペンタエリスリトール等の3官能化合
物等を少量用いてもよい。
【0017】本発明のフィルムにおける酸化チタンの含
有量は、全フィルム中の平均濃度として20〜50重量
%、好ましくは25〜45重量%、最適には25〜40
重量%である。酸化チタンの含有量が20重量%未満で
あると、フィルムの白度及び隠蔽性が不足する。50重
量%を超えると、得られるフィルムの強度が低下した
り、フィルム製造時の延伸切断が多発する。
【0018】本発明のフィルムにおける中間層の酸化チ
タンの含有量は、20〜60重量%、好ましくは40〜
60重量%である。酸化チタンの配合量が20重量%未
満であるとフィルムの白度、隠蔽性が不足する。酸化チ
タンの配合量が高い程フィルムの白度、隠蔽性は優れる
が、60重量%を超えるとフィルムの強度が低下し、ラ
ミネート後のフィルムの成形性に問題が生じる。
【0019】本発明のフィルムにおける両外層の酸化チ
タンの含有量は、20重量%以下、好ましくは10重量
%以下、最適には5重量%以下である。この配合量が2
0重量%を超えると、金属板へのラミネート時、もしく
はフィルムがラミネートされた金属板の製缶時に、治具
の磨耗が発生して、製造プロセスに多大な悪影響を与え
たり、磨耗した金属や酸化チタンが缶加工時にフィルム
表面に付着して印刷性に問題が発生したりすることがあ
る。
【0020】本発明において用いられる酸化チタンは、
ルチル型、もしくは、アナターゼ型の酸化チタンが用い
られ、単独で用いてもよいし、混合して使用してもよ
い。酸化チタンの平均粒径は0.1〜0.5μm 、好ま
しくは0.2〜0.5μmがよい。0.5μm よりも大
きいと、酸化チタンの単位重量あたりの全表面積が少な
くなり、フィルムの隠蔽性や白度が不足する場合があ
る。また得られるフィルムの表面に凹凸ができて、光沢
度が低くなったり印刷適性に劣ったりする。0.1μm
未満の場合は、平均粒径が可視光線の波長よりも小さく
なって、可視光線がフィルムを通過するおそれがあり、
フィルムの隠蔽性や白度が不足する場合がある。
【0021】また、本発明において用いられる酸化チタ
ンは、アルミナ、シリカ、酸化ジルコニウム、チタニ
ア、酸化錫、酸化アンチモン、酸化亜鉛等の無機処理、
あるいは、ペンタトリエリット等のポリオール系有機処
理、アルキルクロロシラン系等のシリコーン系有機処理
等の表面処理を施したものが好適である。
【0022】ポリエステルに酸化チタンを含有させる方
法としては、ポリエステル重合時にスラリーあるいは
粉体の形態で添加する方法、溶融押出シート化する際
にポリエステルペレットとともにスラリーあるいは粉体
の形態で溶融混合する方法、ポリエステルペレットと
高濃度の酸化チタンを溶融混合したマスターバッチを製
造し、マスターバッチとポリエステルペレットを混合し
溶融押出する方法等があげられる。
【0023】本発明におけるフィルムは、フィルム中の
ボイド率が7%以下、さらに好ましくは4%以下である
ことが必要である。フィルム中のボイド率が7%より大
きいと、製缶工程において、フィルムを金属板に熱ラミ
ネートする際にボイドが潰れ、その部分のフィルムの熱
ラミネート後の厚みが薄くなり、缶表面の白度斑が大き
くなり、商品価値が低下する。また、ボイド率が7%よ
り大きいと、フィルムの生産工程において、延伸切断が
発生して生産性が低下する。
【0024】缶を成形する工程におけるフィルムの剥離
や、缶の各種性能の低下を防止するためには、フィルム
と金属板の接着力を300gf/25mm以上にすることが
好ましく、接着力が300gf/25mmより低い場合には
接着不良が生じることがある。
【0025】フィルムと金属板を熱ラミネートする方法
としては、たとえば、高温に加熱した金属ロールと耐熱
性のゴムロール(たとえばシリコンゴムロール)の間
を、フィルムと金属板を重ね合わせて通過させ加熱加圧
接着する方法を用いることができる。金属ロールの温度
としては、通常、(ポリエステルの融点マイナス50)
℃以上、融点以下の温度が適切であり、また、加圧され
る圧力(線圧)は通常5〜100kg/cm である。
【0026】本発明において、フィルムと熱ラミネート
する金属板は、ブリキ、ティンフリースチール(TF
S)、アルミニウム等が挙げられ、必要に応じて、リン
酸塩、クロム酸、電解クロム酸等の化成処理、錫、亜
鉛、ニッケル等の金属メッキを施されているものでもよ
い。
【0027】本発明のフィルムは、次の(1)〜(6)
の特性を満足することが好ましい。 (1)引張強度が10 kgf/mm2以上、さらに好ましくは
13 kgf/mm2以上。 (2)引張伸度が70%以上。 (3)150℃、30分におけるフィルムの縦方向(M
D)及び横方向(TD)の熱収縮率が6.0%以下、さ
らに好ましくは0.5〜5.0%。 (4)光学密度が0.4以上、好ましくは0.4〜0.
7。 (5)白度が81.0以上、さらに好ましくは85.0
以上。 (6)入射角度60°における光沢度が35%以下。
【0028】引張強度が10 kgf/mm2未満、あるいは、
引張伸度が70%未満であると、実用上の強度が不十分
になる傾向がある。熱収縮率が6%より大きいと、金属
板との接着性が悪くなりやすい。光学密度が0.4未満
であると、隠蔽性が不十分になりやすい。白度が81.
0未満であると、実用上白度不足となりやすい。角度6
0°における光沢度が35%よりも高いと、製缶時の絞
りしごき加工時のフィルムの滑り性が低下して、缶の生
産性が低下する。下限を規定した特性値はその値が大き
い程、また上限を規定した特性値はその値が小さい程、
望ましい。しかし、過剰品質とすると、コスト高となる
ばかりか、かえってフィルム製造時の操業性が悪化する
ので、上記の範囲程度とするのが好適である。
【0029】本発明のフィルムを形成するためのポリエ
ステルは、常法によって製造することができる。例えば
イソフタル酸成分とジエチレングリコールとが共重合さ
れたポリエチレンテレフタレート系共重合体は、次のよ
うにして製造することができる。まず、ビス(β−ヒド
ロキシエチル)テレフタレート及び/又はその低重合体
の存在するエステル化槽に、テレフタル酸とエチレング
リコールとのスラリーを連続的に供給し、250℃程度
の温度で8時間程度反応させ、エステル化反応率が95
%付近のエステル化物を連続的に得る。これを重合缶に
移送し、必要量のイソフタル酸又はそのエチレングリコ
ールエステルとジエチレングリコールとを添加する。そ
して、三酸化アンチモン、二酸化ゲルマニウム等の触媒
の存在下、1.3hPa以下の減圧下で280℃程度の
温度で重縮合反応を行う。
【0030】このようにして得られるポリエステルは、
オリゴマーやアセトアルデヒドを比較的多量に含有して
いるので、これらの量を減少させるため、減圧もしくは
不活性ガス流通下、温度200〜240℃で固相重合
し、さらに必要に応じて水蒸気又は熱水で処理した後、
製膜工程に供することが好ましい。
【0031】本発明のフィルムは、各層を構成する2種
のポリエステル組成物を220〜280℃で溶融し、フ
ィードブロック法により重ね合わせてダイスより押し出
す方法、マルチマニホールドダイス中で重ね合わせて押
し出す方法、及び前記方法を組み合わせた方法等を用い
てシート状に押し出し、室温以下に温度調節した冷却ド
ラム上に密着させて冷却し、得られた未延伸シートをテ
ンターで縦及び横方向に二軸延伸する方法によって製造
することができる。二軸延伸方法としては、同時二軸延
伸法、逐次二軸延伸法等のテンター式二軸延伸方法、及
びインフレーション法を用いることができる。本発明に
おいては、同時二軸延伸方法を用いることにより、金属
板への熱ラミネート後の厚み変化率が低いフィルムを得
ることができ、さらには、高濃度の酸化チタンを含有す
る場合でも延伸時の延伸応力が低いため、フィルム内部
のボイドの発生が抑制されるため切断頻度が低く、白色
フィルムの生産安定性の点から最も好適である。
【0032】次に、本発明のフィルムをテンター式同時
二軸延伸法により製造する方法について説明するが、こ
れに限定されるものではない。酸化チタンを配合したポ
リエステル組成物を押出機に供給し、温度220〜28
0℃で未延伸シートを押し出し、得られた未延伸シート
を室温以下に温度調節した冷却ドラム上に密着させて冷
却し、必要に応じてMDに1〜1.2倍程度の予備延伸
を行い、その後テンターにより、温度85〜120℃で
MD及びTDにそれぞれ2〜4倍程度の延伸倍率となる
ように二軸延伸し、さらに、TDの弛緩率を1〜7%と
して、80〜220℃で1〜10秒間熱処理を施すこと
が好ましい。延伸温度が85℃未満の場合、延伸時の応
力が高くなり、フィルム中にボイドが発生し易くなり、
また、延伸切断頻度が高くなり、さらには、フィルムの
光沢度が高くなって好ましくない。延伸温度が120℃
を超えると、引張強伸度が低下して好ましくない。本発
明において規定される特性を有するフィルムを製造する
ためには、用いるポリエステル及び酸化チタンの特性や
その配合量を調節し、またフィルムの製造条件を適宜調
整すること、特に延伸温度を調整することが望ましい。
【0033】延伸後の熱処理は、フィルムの熱収縮率を
小さくするための工程であり、熱処理は、熱風を吹き付
ける方法、赤外線を照射する方法、マイクロ波を照射す
る方法等の方法を用いることができるが、均一に精度良
く加熱できることから熱風を吹き付ける方法が最適であ
る。
【0034】フィルムの厚みは、金属缶体として使用す
る際の絞り、シゴキ加工での成形性を確保するには、9
〜25μmとするのが適当であり、好ましくは10〜1
7μmである。
【0035】フィルム製造時や製缶時の工程通過性をよ
くするため、シリカ、アルミナ、カオリン等の無機滑剤
を必要量添加して製膜し、フィルム表面にスリップ性を
付与することが望ましい。さらに、フィルムの印刷加工
性を向上させるため、例えば、帯電防止剤等を含有させ
ることもできる。
【0036】また、本発明のフィルムには、金属とのラ
ミネート性をより向上させるために、フィルム製造中の
インラインコーティング、もしくはフィルム製造後のポ
ストコーティングにより、接着層等任意のコーティング
層を形成させてもよい。
【0037】次に、実施例によって本発明を具体的に説
明する。実施例及び比較例におけるフィルムの特性値の
測定法は、次の通りである。
【0038】A.極限粘度 フェノール/四塩化エタンの等重量混合溶媒を用いて、
濃度0.5g /dl、温度20℃で測定した溶液粘度か
ら求めた。 B.引張強伸度 ASTM D882に規定される測定方法に準じて、幅
10mm、長さ10cmの試料(n=5枚)で測定した。な
お、データはMDとTDの平均値で示した。 C.熱収縮率 幅10mm、長さ10cmの試料を、約0.4g の荷重で1
50℃雰囲気下に30分間放置し、放置前後の寸法変化
を測定し、原長に対する放置後の長さの百分率で求め
た。なおデータは、MD方向3枚とTD方向3枚の各平
均値と、MD及びTDの平均値で示した。 D.白度 黒色押さえ板でフィルムを固定し、日本電色工業社製S
Z−Σ80 COLORMEASURING SYSTEM を用いて、JIS L 1
015 7.11 のC法(ハンターの方法)により測定した。 E.接着力(熱ラミネート性) 220℃に加熱した金属ロールと、シリコンゴムロール
との間に、試料フィルムと厚みが0.17mmのティンフ
リースチール板(TFS)とを重ね合わせて供給し、速
度20m/min 、線圧10kgf/cmで加熱接着した。これを
水冷した後、島津製作所社製オートグラフを用い、25
mm幅の試験片で剥離速度10mm/minの条件で180°剥
離テストを行い、剥離強力を測定した。剥離強力あるい
はフィルムの破断強力が300gf/25mm以上の場合を
合格(○印で表示)、300gf/25mm未満の場合を不
合格(×印で表示)とした。 F.ボイド率 実施例及び比較例で用いた各原料ポリエステルを用いて
二軸延伸フィルム(酸化チタンを含有しないもの)を製
造し、密度勾配管法により0.001g/cm3 単位まで正
確に読みとり、ポリエステルフィルムの密度dB を求め
た。同様にして、実施例及び比較例で用いた酸化チタン
の密度dT を求めた。dT は4.27であった。dB
びdT の値を用いて、次式より、酸化チタンをWα(重
量%)配合したポリエステル樹脂組成物を用いて製造し
た二軸延伸白色フィルムの理論密度d(g/cm2 )を求め
た。 d=100÷〔(Wα/dT )+(100−Wα)/d
B 〕 次に、実施例及び比較例で得られたフィルムの密度dA
を、上記と同様の密度勾配管法により求め、次式よりボ
イド率を算出した。 ボイド率(%)=〔(d−dA )/d〕×100 なお、フィルムの密度の測定に際しては測定点数5点の
平均値を用いた。 G.厚み変化率 フィルムを厚み0.17mmのTFSに熱ラミネートする
前、及び熱ラミネート後のフィルムの断面を走査電子顕
微鏡で観察し、厚みを測定し、次の式から算出した。 厚み変化率(%)=〔(Ta −Tb )/Ta 〕×100 Ta :熱ラミネート前のフィルム厚さ(μm) Tb :熱ラミネート後のフィルム厚さ(μm) H.熱ラミネート適性 フィルムをTFSに熱ラミネートした時の状況を評価し
た。熱ラミネート性が良好なものを○、熱ラミネート性
が不良なものを×とした。 I.光学密度 Macbeth社製透過濃度計TD932で測定した。 J.光沢度 JIS−K−7105に規定された試料面に対し、入射
角60゜の鏡面光沢度から求めた。 K.製缶時滑り性(製缶性) 220℃に加熱した板厚0.25mmのティンフリース
チールにフィルムを貼り合わせ、急冷した後、絞り成型
機で成形比2.0で成形した2ピース缶を毎分120缶
得る加工に際し、滑り性良好(○)、滑り性不良(×)
とした。
【0039】実施例1〜7及び比較例1〜7 表1に示したポリエステル樹脂組成物Aを、押出機1よ
り温度265℃でTダイからシート状に溶融押出し、同
様にポリエステル樹脂組成物Bを押出機2より温度26
5℃で溶融押出した。溶融した2種の樹脂をマルチマニ
ホールドダイス中で重ね合わせて表1に示した構成のA
/B/Aの3層構造とし、Tダイからシート状に押出、
表面温度18℃の冷却ドラムに密着させて、冷却し、厚
さ130μmの未延伸シートを得た。得られた未延伸シ
ートを表1に示した延伸条件により、テンター式同時二
軸延伸機で縦方向3.2倍、横方向3.2倍に二軸延伸
した後、横方向の弛緩率を5%として、温度155℃で
4秒間の熱処理を施した後、冷却して捲き取り、厚さ1
3μmの白色フィルムを得た。得られたフィルムの特性
を表1に示した。なお、表1において、IPAはイソフ
タル酸、DEGはジエチレングリコール成分量を表す。
【0040】
【表1】
【0041】本発明によれば、優れた熱ラミネート性
(熱接着性)、成形性及び強度を有し、隠蔽性、白度に
優れ、フィルム中のボイド率が少なく、製缶時の絞りし
ごき加工性に優れた、金属缶の外面被覆に好適に用いら
れる金属板ラミネート用白色フィルムが提供される。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // B29L 7:00

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレンテレフタレート単位95〜75
    モル%とエチレンイソフタレート単位5〜25モル%と
    からなるポリエステルに、酸化チタンを20〜50重量
    %配合した組成物からなるフィルムであって、前記フィ
    ルムが、酸化チタン含有量が20〜60重量%の中間層
    と、酸化チタン含有量が20重量%以下の両外層とから
    なり、フィルム中のボイド率が7%以下である金属ラミ
    ネート用白色フィルム。
  2. 【請求項2】 フィルム中のボイド率が4%以下である
    請求項1記載の金属ラミネート用白色フィルム。
  3. 【請求項3】 次の(1)〜(6)の特性を有する請求
    項1〜2のいずれかに記載の金属ラミネート用白色フィ
    ルム。 (1)引張強度10 kgf/mm2以上。 (2)引張伸度70%以上。 (3)150℃、30分間の熱処理によるフィルムの縦
    方向(MD)及び横方向(TD)の熱収縮率が6.0%
    以下。 (4)光学密度0.4以上。 (5)白度81.0以上。 (6)入射角度60°における光沢度が35%以下。
  4. 【請求項4】 同時二軸延伸方法により製造された請求
    項1〜3のいずれかに記載の金属ラミネート用白色フィ
    ルム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010280124A (ja) * 2009-06-04 2010-12-16 Teijin Dupont Films Japan Ltd 同時二軸延伸フィルムの製造方法
KR20170126851A (ko) 2015-02-27 2017-11-20 도레이 카부시키가이샤 적층 폴리에스테르 필름
JPWO2017159582A1 (ja) * 2016-03-18 2019-01-24 東洋紡株式会社 ポリエステル系フィルム、積層体及び包装体

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