JP3727420B2 - 金属ラミネート用白色ポリエステルフィルムとその製造法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、優れた熱ラミネート性、成形性及び引張強度を有し、隠蔽性、白度に優れた金属缶の外面被覆に好適に用いられる金属ラミネート用白色ポリエステルフィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
食品、飲料用の包装には、スチール缶、アルミ缶等の金属缶が大量に使用されている。これらの金属缶は、耐食性、印刷性等を付与するために、従来、熱硬化性樹脂を主成分とする溶剤型塗料を塗布して用いられてきた。
しかし、このような塗料の塗布は、生産性が悪いと共に、環境汚染等の問題があり、近時、二軸延伸されたプラスチックフィルムあるいはこれをベースとし、ヒートシール可能なフィルムをラミネートした積層フィルムを用いて金属ラミネートすることが多くなってきた。
【0003】
プラスチックフィルムで被覆した金属缶は、鋼板、アルミ板等の金属板 (メッキ等の表面処理を施したものを含む) にプラスチックフィルムをラミネートし、ラミネート金属板を成形加工して製造される。そして、ここで用いるプラスチックフィルムには、▲1▼金属板とのラミネート性がよい、▲2▼成形性に優れている、▲3▼成形時にフィルムの剥離、亀裂、クラック、ピンホールの発生がない、▲4▼缶内容物の風味を損ねることがない、▲5▼レトルト処理をしたときにウォータースポットや白粉が発生しない、▲6▼隠蔽性、白度に優れている、といった数々の特性が同時に要求される。
【0004】
そこで、特に、缶外面用フィルムとして、プラスチックフィルムの中でも、酸化チタンを高濃度で充填したポリエチレンテレフタレートもしくはその共重合体の二軸延伸フィルムが、物理的、化学的特性に優れ、かつ、製造コストが低く、コストパフォーマンスに優れた素材として用いられているが、熱ラミネート性、強度、隠蔽性、白度といった点に問題があった。
【0005】
このような問題を解決するものとして、例えば、特定の顔料濃度のポリエステルフィルム(特開昭62− 21428号公報、特開平5−170942号公報、同5−339391号公報)、特定粘度のポリエステルフィルム(特開平6−271686号公報)、特定の結晶配向度を有するポリエステルフィルム(特開平6− 49234号公報)、複層ポリエステルフィルム(特開平7− 52351号公報)等が提案されている。
しかし、これらのフィルムによっても、前記のような多岐多様に亘る要求特性をすべて満足することはできなかった。
【0006】
また、金属ラミネート用ポリエステルフィルムとして、ポリブチレンテレフタレート(PBT)とポリエチレンテレフタレート(PET)とからなるポリエステル樹脂組成物からなるもの(特開平5−331301号公報)が知られている。しかしながら、このようなポリエステルに酸化チタンを配合して、隠蔽性や白度を満足させるに足る量の酸化チタンを添加すると、フィルムの機械的強度が低下したり、フィルムの金属缶への熱接着性が低下するという問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、優れた熱ラミネート性(熱接着性)、成形性及び強度を有し、隠蔽性、白度に優れた金属缶の被覆に好適に用いられる安価な金属ラミネート用白色ポリエステルフィルムを提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、この課題を解決するために鋭意検討の結果、特定の配合比のPBTとPETとからなるポリエステルに特定の酸化チタンを特定量配合した組成物を適切な条件で製膜することによりこの目的が達成されることを見出し、本発明を完成した。
【0009】
すなわち、本発明の要旨は、次ぎのとおりである。
1.エチレンテレフタレートを繰り返し単位とし、共重合成分の含有率が 10 モル%以下であり、極限粘度が0.5以上であり、粒径 0.1 〜 0.5 μ m の酸化チタンが0〜 10 重量%配合されたポリエステル(1)10〜55重量%と、ブチレンテレフタレートを繰り返し単位とし、共重合成分の含有率が 10 %以下であり、極限粘度が0.6以上であり、粒径 0.1 〜 0.5 μ m の酸化チタンが 20 重量%以上配合されたポリエステル(2)90〜45重量%とからなり、粒径0.1〜0.5μmの酸化チタンを20〜40重量%配合した二軸延伸フィルムであって、次の(1)〜(6)の特性を有することを特徴とする金属ラミネート用白色ポリエステルフィルム。
(1)引張強度15kgf/mm2以上
(2)160℃における熱収縮率5.0%以下
(3)光学密度0.3以上
(4)光沢度10以上
(5)白度81.0以上
(6)接着力300gf以上
2.同時二軸延伸方法により製造された上記第1項記載の金属ラミネート用白色ポリエステルフィルム。
3.上記第1項又は第2項記載のポリエステルフィルムを製造するに際し、エチレンテレフタレートを繰り返し単位とし、共重合成分の含有率が 10 モル%以下である極限粘度が0.5以上のポリエステル(1)に粒径0.1〜0.5μmの酸化チタンが0〜10重量%配合された組成物Aと、ブチレンテレフタレートを繰り返し単位とし、共重合成分の含有率が 10 モル%以下である極限粘度が0.6以上のポリエステル(2)に粒径0.1〜0.5μmの酸化チタンが20重量%以上配合された組成物Bとを押出機に供給し、シート状に押し出し、縦及び横方向に二軸延伸することを特徴とする金属ラミネート用白色ポリエステルフィルムの製造法。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0011】
本発明に用いられるエチレンテレフタレートを主たる繰り返し単位とする、極限粘度が 0.5以上のポリエステル(1)の性状は、次の通りである。
極限粘度が 0.5以上のものであることが必要であり、極限粘度がこれより小さいものでは強度が不足する。しかし、極限粘度があまり大きいものでは、過剰品質となるばかりか、かえってフィルム製造時の操業性を悪化させ、しかも熱ラミネート性を低下させるので、好ましくない。特に好ましいものは、極限粘度が 0.6〜1.2 のポリエステルである。
【0012】
ポリエステル(1)は、オリゴマー(環状3量体を中心とする線状又は環状の1〜9量体)の含有量が 0.1〜2重量%で、アセトアルデヒドの含有量が5〜50ppm の範囲のものが好ましく、これらの範囲を外れると白粉の原因となったり、味覚に悪影響したり、生産コストが過大となったりして好ましくない。
【0013】
ポリエステル(1)の工業的生産ではジエチレングリコール成分が必然的に副生するが、その含有量が全グリコール成分の1〜3.5 モル%となるように制御することが望ましく、この範囲を外れると耐熱性が悪化したり、生産コストが過大となったりして、好ましくない。
【0014】
本発明に用いられるブチレンテレフタレートを主たる繰り返し単位とするポリエステル(2)の性状は次の通りである。
極限粘度が 0.6以上のものであることが必要であり、極限粘度がこれより小さいものでは強度が不足する。しかし、極限粘度があまり大きいものでは、過剰品質となるばかりか、かえってフィルム製造時の操業性を悪化させ、しかも熱ラミネート性を低下させるので、好ましくない。特に好ましいものは、極限粘度が 0.7〜2.0 のポリエステルである。
【0015】
さらに、融点は 160〜225 ℃であり、この範囲で、金属に対する接着性の要求されるレベルに合わせて共重合成分の種類や共重合割合を適宜選択することができる。
線状、環状のオリゴマーの含有量は、0.1 〜2.0 重量%の範囲にあることが好ましい。これらの範囲を外れると白粉の原因となったり、生産コストが過大となったりして、好ましくない。
【0016】
また、ポリエステル(1)及び(2)には、その特性を損なわない範囲(通常10モル%以下)で他の成分をさらに共重合してもよい。
共重合成分の具体例としては、イソフタル酸、フタル酸、 2,6−ナフタレンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、ダイマー酸、無水マレイン酸、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、シクロヘキサンジカルボン酸等のジカルボン酸、4−ヒドロキシ安息香酸、ε−カプロラクトン、乳酸等のヒドロキシカルボン酸、 1,3−プロパンジオール、エチレングリコール(ポリエステル(2)に対して)、 1,4−ブタンジオール(ポリエステル(1)に対して)、ネオペンチルグリコール、 1,6−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールAやビスフェノールSのエチレンオキシド付加体等のジオールがあげられる。トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール等の3官能以上の化合物を少量併用してもよい。
【0017】
本発明におけるポリエステル(1)は、常法によって製造することができる。例えばPETは、次のようにして製造することができる。
【0018】
まず、ビス(β−ヒドロキシエチル) テレフタレート及び/又はその低重合体の存在するエステル化槽に、テレフタル酸とエチレングリコールのスラリーを連続的に供給し、 250℃程度の温度で8時間程度反応させ、エステル化反応率が95%付近のエステル化物を連続的に得る。これを重合缶に移送し、三酸化アンチモン、二酸化ゲルマニウム等の触媒の存在下、1.3hPa以下の減圧下に 280℃程度の温度で重縮合反応を行う。
【0019】
このようにして得られるポリエステルは、オリゴマーやアセトアルデヒドを比較的多量に含有しているので、これらの量を減少させるため、減圧もしくは不活性ガス流通下、 200〜240 ℃の温度(ポリエステルの融点を超えない温度)で固相重合し、さらに必要に応じて水蒸気又は熱水で処理した後、製膜工程に供することが望ましい。
【0020】
また、本発明におけるポリエステル(2)も、常法によって製造することができる。
たとえば、PBTを製法する場合、まず、ジメチルテレフタレートと1,4 −ブタンジオールをエステル交換反応槽に仕込み、230 ℃程度の温度で5時間程度反応させ、エステル交換反応率が95%付近のエステル交換物を得る。これを重合缶に移送し、触媒の存在下、1.3hPa以下の減圧下に250 ℃程度の温度で所望の粘度まで溶融重合し、ポリマーを得る。
PBTの重合触媒としては、テトラブチルチタネートなどの金属化合物をはじめとする公知の任意の化合物が用いられる。
PETと同様に、オリゴマーの量を減少させることが好ましく、得られたポリエステルを減圧もしくは不活性雰囲気下、140 ℃程度以下の温度で熱処理して製膜工程に供する。これをより効果的に実施するには、やはり減圧、もしくは不活性雰囲気下、160 〜200 ℃の温度で熱処理(固相重合)するのがより好適である。
【0021】
本発明において用いられる酸化チタンは、必要に応じて公知の任意の表面処理を施して用いることができる。
酸化チタンは、粒径 0.5μm以下、好ましくは 0.1〜0.5 μmのものであることが必要であり、これよりも粒径が大きいものでは、ポリエステルへの分散性が悪くなり、得られるフィルムの表面に凹凸ができて光沢度が低くなり、好ましくない。
【0022】
酸化チタンの配合量は、20〜40重量%、好ましくは25〜35重量%、最適には25〜33重量%である。この配合量が20重量%未満であるとフィルムの隠蔽性及び白度が不足し、40重量%を超えるとフィルムの強度が低下して、好ましくない。
【0023】
酸化チタンをフィルムに含有させる方法としては、公知の任意の方法を採用することができるが、特に次のような方法を採用すると、各種の特性の優れたフィルムを操業性良く製造することができる。
【0024】
すなわち、極限粘度が 0.5以上のポリエステル(1)に酸化チタンが0〜10重量%配合された組成物Aと、極限粘度が 0.6以上のポリエステル(2)に酸化チタンが20重量%以上配合された組成物Bとを押出機に供給し、シート状に押し出し、二軸延伸する方法である。
この際、ポリエステル(1)とポリエステル(2)との割合は、ポリエステル(1)が10〜55重量%に対し、ポリエステル(2)が90〜45重量%となるようにする。
【0025】
組成物Bにおける酸化チタンの配合量は、20重量%以上、好ましくは25〜70重量%とすることが望ましく、この量が25重量%未満であると組成物Aの割合を小さくすることが必要になり、フィルムの強度が低下し、あまり多くするとポリエステルへの分散性が悪くなったり、組成物Bのチップの形状が悪化して、押出機での食い込み不良が発生したりして、好ましくない。
【0026】
組成物Aにおける酸化チタンの配合量は、0〜10重量%、好ましくは0〜5重量%とすることが望ましく、この量が10重量%を超えると、フィルムの強度が低下する。
【0027】
本発明のフィルムは、次の (1)〜(6) の特性を満足することが必要である。
(1) 引張強度 15kgf/mm2以上、好ましくは18〜25kgf/mm2
(2) 160 ℃における熱収縮率 5.0%以下、好ましくは 4.0%以下
(3) 光学密度 0.3以上、好ましくは 0.4〜0.7
(4) 光沢度10以上、好ましくは20〜30
(5) 白度81.0以上、好ましくは85.0〜95.0
(6) 接着力 300gf以上
【0028】
引張強度が 15kgf/mm2未満であると、実用上強度不足であり、熱収縮率が5%より大きいと、印刷特性が悪く、光学密度が 0.3未満であると、隠蔽性が不十分であり、光沢度が10未満であると、フィルムの外観が不良となり、白度が81.0未満であると、実用上白度不足であり、接着力が 300gf未満であると、金属とのラミネート性が悪い。
下限を規定した特性値は大きい程、上限を規定した特性値は小さい程望ましいわけであるが、過剰品質とすると、コスト高となるばかりか、かえってフィルム製造時の操業性が悪化するので、上記好ましい範囲として示した程度とするのが適当である。
なお、伸度は、通常80〜160 %(機械方向:MDとそれに直角の方向:TDの平均値)の範囲にあればよい。
【0029】
本発明のフィルムは、不活性粒子が配合されたポリエステル組成物を溶融押出機に供給し、 220〜280 ℃の温度でシート状に押し出し、室温以下に温度調節した冷却ドラム上に密着させて冷却し、得られた未延伸シートを二軸延伸する方法によって製造することができる。
二軸延伸方法としては、同時二軸延伸法、逐次二軸延伸法等のテンター式二軸延伸法、及びインフレーション法を用いることができる。
本発明においては、同時二軸延伸法を用いることにより、高濃度の酸化チタン含有量の二軸延伸フィルムを安定して生産することができるので、最も好適である。
【0030】
この際、得られるフィルムが上記の特性を満足するように、製膜条件を選定することが必要であり、たとえば同時二軸延伸法を用いる場合、必要に応じてMDに1〜1.2 倍程度の予備延伸をした後、テンターにより50〜150 ℃の温度で、MD及びTDの延伸倍率がそれぞれ2〜4倍程度となるように同時二軸延伸した後、TDの弛緩率を数%として、80〜200 ℃で数秒間熱処理を施し、室温まで徐冷する。
【0031】
なお、延伸後の熱処理は、フィルムの熱収縮率を小さくするために必要な工程であり、熱処理は、熱風を吹き付ける方法、赤外線を照射する方法、マイクロ波を照射する方法等公知の方法で行うことができるが、均一に精度良く加熱できることから熱風を吹き付ける方法が最適である。
【0032】
フィルムの厚みは、絞り、しごき加工での成形性を確保するには、9〜25μmとするのが適当であり、好ましくは12〜17μmとする。
【0033】
フィルム製造時や製缶時の工程通過性をよくするため、シリカ、アルミナ、カオリン等の無機滑剤を予めマスターバッチとし、これを必要量添加して製膜してフィルム表面にスリップ性を付与することが望ましい。さらに、フィルムの外観や印刷性を向上させるため、例えば、シリコーン化合物等を含有させることもできる。
【0034】
本発明のフィルムは、単層フィルムのままで金属ラミネートに用いることもできるが、必要に応じて、PET、PBT及びこれらを主体とするポリエステル等からなるフィルムとの積層フィルムとして用いることもできる。
【0035】
積層フィルムとする場合、本発明の単層フィルムと他のフィルムとを別工程で積層してもよいが、本発明のフィルムの製膜時に他のフィルムを同時に押し出して積層してもよい。
【0036】
また、本発明のフィルムには、金属とのラミネート性をより向上させたり、強度をさらに高めたりするために、フィルム製造中のインラインコーティングもしくはフィルム製造後のポストコーティングにより、接着層等任意のコーティング層を形成させてもよい。
【0037】
本発明のフィルムは、金属とラミネートして用いられるが、金属が鋼板の場合、クロム酸処理、リン酸処理、電解クロム酸処理、クロメート処理等の化成処理やニッケル、スズ、亜鉛、アルミ、砲金、真鍮、その他の各種メッキ処理を施したものが好ましく用いられる。
【0038】
本発明におけるフィルムの特性値の測定法は、次のとおりである。
▲1▼極限粘度
フェノールと四塩化エタンとの等重量混合物を溶媒とし、20℃で測定する。
▲2▼引張強度
ASTM D882 に準じて、幅10mm、長さ10cmの試料で測定する。なお、データはMDとTDの平均値で示す。
▲3▼熱収縮率
幅10mm、長さ10cmの試料を 160℃の雰囲気下に15分間放置し、放置前後の寸法変化を測定し、原長に対する百分率を求める。なお、データはMDとTDの平均値で示す。
▲4▼光学密度
厚み13μmのフィルムについて、Macbeth 社製透過濃度計TD 932を使用し、透過ノズル径を3mmとし、入射光量I0 と透過光量Iを求め、透過濃度Dを次式で算出し、これを光学密度とする。
D=−log(I0 /I)
▲5▼光沢度
ASTM D523 により測定する。
▲6▼白度
JIS L 1015 7.11 白色度のC法(ハンターの方法)により測定する。
▲7▼接着力 (熱ラミネート性)
240℃に加熱した金属ロールとシリコーンゴムロールとの間に、試料フィルムとティンフリースチール板とを重ね合わせて挿入し、線圧10kgf/cmで加熱接着し、水冷した後、島津製作所製オートグラフを用い、25mm幅の試験片で剥離速度10mm/分の条件で 180°剥離テストを行い、剥離強力を測定する。そして、剥離強力が 300gf以上の場合を合格 (○) 、剥離強力が 300gf未満の場合を不合格(×)とする。
【0039】
次に、実施例によって本発明を具体的に説明する。
【0040】
実施例1
PET(ユニチカ社製,NEH-2030, 極限粘度0.66)とPBT(三菱エンジニアリングプラスチックス社製,NOVADUR-5009AS, 極限粘度0.93)に酸化チタンを30重量%配合した組成物(組成物A及び組成物B)とを32/68(重量比)の割合で混合した組成物を押出機により、温度280 ℃でTダイを用いて溶融押し出しし、表面温度18℃に温調した冷却ドラム上に密着させて急冷し、厚み 150μm の未延伸シートを得た。
得られたシートをテンター式同時二軸延伸機のクリップに把持させ、80℃の温度で、延伸倍率を縦3.0 倍、横3.3 倍として同時二軸延伸装置で延伸した後、横方向の弛弛率を5%として、180 ℃で4秒間の熱処理を施した後、フィルムを冷却して巻取機で巻き取り、厚み15μm の金属ラミネート用白色フィルムを得た。
次いで、得られ原反ロールをスリットし、各種フィルム性能を評価した結果、表1に示したように、金属ラミネート用白色フィルムとして良好な適性を有していた。
【0041】
実施例2〜6
ポリエステル(1)とポリエステル(2)の極限粘度、組成物Aと組成物Bのチタン含有量及びA/Bの配合重量比を表1に示したように変更した以外は実施例1と同様にして、厚み15μm の金属ラミネート用白色フィルムを得た。
得られたフィルムの測定結果を表1に示した。
【0042】
実施例7〜8
実施例7では、ポリエステル(1)としてエチレンイソフタレート単位を5モル%共重合したコポリエステル、実施例8では、ポリエステル(2)としてエチレンイソフタレート単位を8モル%共重合したコポリエステルを用いた以外は実施例1と同様にして、厚み15μm の金属ラミネート用白色フィルムを得た。
得られたフィルムの測定結果を表1に示した。
【0043】
比較例1〜6
ポリエステル(1)とポリエステル(2)の極限粘度、組成物Aと組成物Bのチタン含有量及びA/Bの配合重量比を表1に示したように変更した以外は実施例1と同様にして、厚み15μm の金属ラミネート用白色フィルムを得た。
得られたフィルムの測定結果を表1に示した。
【0044】
【表1】
【0045】
【発明の効果】
本発明によれば、優れた熱ラミネート性(熱接着性)、成形性及び強度を有し、隠蔽性、白度に優れた金属缶の被覆に好適に用いられる安価な金属ラミネート用白色ポリエステルフィルムが提供される。
Claims (3)
- エチレンテレフタレートを繰り返し単位とし、共重合成分の含有率が 10 モル%以下であり、極限粘度が0.5以上であり、粒径 0.1 〜 0.5 μ m の酸化チタンが0〜 10 重量%配合されたポリエステル(1)10〜55重量%と、ブチレンテレフタレートを繰り返し単位とし、共重合成分の含有率が 10 %以下であり、極限粘度が0.6以上であり、粒径 0.1 〜 0.5 μ m の酸化チタンが 20 重量%以上配合されたポリエステル(2)90〜45重量%とからなり、粒径0.1〜0.5μmの酸化チタンを20〜40重量%配合した二軸延伸フィルムであって、次の(1)〜(6)の特性を有することを特徴とする金属ラミネート用白色ポリエステルフィルム。
(1)引張強度15kgf/mm2以上
(2)160℃における熱収縮率5.0%以下
(3)光学密度0.3以上
(4)光沢度10以上
(5)白度81.0以上
(6)接着力300gf以上 - 同時二軸延伸方法により製造された請求項1記載の金属ラミネート用白色ポリエステルフィルム。
- 請求項1又は2記載のポリエステルフィルムを製造するに際し、エチレンテレフタレートを繰り返し単位とし、共重合成分の含有率が 10 モル%以下である極限粘度が0.5以上のポリエステル(1)に粒径0.1〜0.5μmの酸化チタンが0〜10重量%配合された組成物Aと、ブチレンテレフタレートを繰り返し単位とし、共重合成分の含有率が 10 モル%以下である極限粘度が0.6以上のポリエステル(2)に粒径0.1〜0.5μmの酸化チタンが20重量%以上配合された組成物Bとを押出機に供給し、シート状に押し出し、縦及び横方向に二軸延伸することを特徴とする金属ラミネート用白色ポリエステルフィルムの製造法。
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