JPH1060134A - 金属ラミネート用白色ポリエステルフィルムとその製造法 - Google Patents

金属ラミネート用白色ポリエステルフィルムとその製造法

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JPH1060134A
JPH1060134A JP21705896A JP21705896A JPH1060134A JP H1060134 A JPH1060134 A JP H1060134A JP 21705896 A JP21705896 A JP 21705896A JP 21705896 A JP21705896 A JP 21705896A JP H1060134 A JPH1060134 A JP H1060134A
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哲夫 松本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた熱ラミネート性、強度を有し、隠蔽
性、白度に優れた金属ラミネート用白色ポリエステルフ
ィルムを提供する。 【解決手段】 エチレンテレフタレートを主たる繰り返
し単位とする、極限粘度が 0.5以上のポリエステル10〜
55重量%と、ブチレンテレフタレートを主たる繰り返し
単位とする、極限粘度が 0.6以上のポリエステル90〜45
重量%とからなるポリエステル樹脂組成物に、粒径 0.1
〜 0.5μm の酸化チタンを20重量%以上配合した二軸延
伸フィルムであって、引張強度 15kgf/mm2以上、160 ℃
における熱収縮率 5.0%以下、光学密度 0.3以上、光沢
度10以上、白度81.0以上、接着力 300gf以上の特性を
有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、優れた熱ラミネー
ト性、成形性及び引張強度を有し、隠蔽性、白度に優れ
た金属缶の外面被覆に好適に用いられる金属ラミネート
用白色ポリエステルフィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】食品、飲料用の包装には、スチール缶、
アルミ缶等の金属缶が大量に使用されている。これらの
金属缶は、耐食性、印刷性等を付与するために、従来、
熱硬化性樹脂を主成分とする溶剤型塗料を塗布して用い
られてきた。しかし、このような塗料の塗布は、生産性
が悪いと共に、環境汚染等の問題があり、近時、二軸延
伸されたプラスチックフィルムあるいはこれをベースと
し、ヒートシール可能なフィルムをラミネートした積層
フィルムを用いて金属ラミネートすることが多くなって
きた。
【0003】プラスチックフィルムで被覆した金属缶
は、鋼板、アルミ板等の金属板 (メッキ等の表面処理を
施したものを含む) にプラスチックフィルムをラミネー
トし、ラミネート金属板を成形加工して製造される。そ
して、ここで用いるプラスチックフィルムには、金属
板とのラミネート性がよい、成形性に優れている、
成形時にフィルムの剥離、亀裂、クラック、ピンホール
の発生がない、缶内容物の風味を損ねることがない、
レトルト処理をしたときにウォータースポットや白粉
が発生しない、隠蔽性、白度に優れている、といった
数々の特性が同時に要求される。
【0004】そこで、特に、缶外面用フィルムとして、
プラスチックフィルムの中でも、酸化チタンを高濃度で
充填したポリエチレンテレフタレートもしくはその共重
合体の二軸延伸フィルムが、物理的、化学的特性に優
れ、かつ、製造コストが低く、コストパフォーマンスに
優れた素材として用いられているが、熱ラミネート性、
強度、隠蔽性、白度といった点に問題があった。
【0005】このような問題を解決するものとして、例
えば、特定の顔料濃度のポリエステルフィルム(特開昭
62− 21428号公報、特開平5−170942号公報、同5−33
9391号公報)、特定粘度のポリエステルフィルム(特開
平6−271686号公報)、特定の結晶配向度を有するポリ
エステルフィルム(特開平6− 49234号公報)、複層ポ
リエステルフィルム(特開平7− 52351号公報)等が提
案されている。しかし、これらのフィルムによっても、
前記のような多岐多様に亘る要求特性をすべて満足する
ことはできなかった。
【0006】また、金属ラミネート用ポリエステルフィ
ルムとして、ポリブチレンテレフタレート(PBT)と
ポリエチレンテレフタレート(PET)とからなるポリ
エステル樹脂組成物からなるもの(特開平5−331301号
公報)が知られている。しかしながら、このようなポリ
エステルに酸化チタンを配合して、隠蔽性や白度を満足
させるに足る量の酸化チタンを添加すると、フィルムの
機械的強度が低下したり、フィルムの金属缶への熱接着
性が低下するという問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、優れた熱ラ
ミネート性(熱接着性)、成形性及び強度を有し、隠蔽
性、白度に優れた金属缶の被覆に好適に用いられる安価
な金属ラミネート用白色ポリエステルフィルムを提供し
ようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、この課題
を解決するために鋭意検討の結果、特定の配合比のPB
TとPETとからなるポリエステルに特定の酸化チタン
を特定量配合した組成物を適切な条件で製膜することに
よりこの目的が達成されることを見出し、本発明を完成
した。
【0009】すなわち、本発明の要旨は、次のとおりで
ある。 1.エチレンテレフタレートを主たる繰り返し単位とす
る、極限粘度が 0.5以上のポリエステル(1)10〜55重
量%と、ブチレンテレフタレートを主たる繰り返し単位
とする、極限粘度が 0.6以上のポリエステル(2)90〜
45重量%とからなるポリエステル樹脂組成物に、粒径
0.1〜 0.5μm の酸化チタンを20〜40重量%以上配合し
た二軸延伸フィルムであって、次の(1) 〜(6) の特性を
有することを特徴とする金属ラミネート用白色ポリエス
テルフィルム。 (1) 引張強度 15kgf/mm2以上 (2) 160 ℃における熱収縮率 5.0%以下 (3) 光学密度 0.3以上 (4) 光沢度10以上 (5) 白度81.0以上 (6) 接着力 300gf以上 2.同時二軸延伸方法により製造された上記第1項記載
の金属ラミネート用白色ポリエステルフィルム。 3.上記第1項又は第2項記載のポリエステルフィルム
を製造するに際し、エチレンテレフタレートを主たる繰
り返し単位とする、極限粘度が 0.5以上のポリエステル
(1)に粒径 0.1〜 0.5μm の酸化チタンが0〜10重量
%配合された組成物Aと、ブチレンテレフタレートを主
たる繰り返し単位とする、極限粘度が 0.6以上のポリエ
ステル(2)に粒径 0.1〜 0.5μm の酸化チタンが20重
量%以上配合された組成物Bとを押出機に供給し、シー
ト状に押し出し、縦及び横方向に二軸延伸することを特
徴とする金属ラミネート用白色ポリエステルフィルムの
製造法。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。
【0011】本発明に用いられるエチレンテレフタレー
トを主たる繰り返し単位とする、極限粘度が 0.5以上の
ポリエステル(1)の性状は、次の通りである。極限粘
度が 0.5以上のものであることが必要であり、極限粘度
がこれより小さいものでは強度が不足する。しかし、極
限粘度があまり大きいものでは、過剰品質となるばかり
か、かえってフィルム製造時の操業性を悪化させ、しか
も熱ラミネート性を低下させるので、好ましくない。特
に好ましいものは、極限粘度が 0.6〜1.2 のポリエステ
ルである。
【0012】ポリエステル(1)は、オリゴマー(環状
3量体を中心とする線状又は環状の1〜9量体)の含有
量が 0.1〜2重量%で、アセトアルデヒドの含有量が5
〜50ppm の範囲のものが好ましく、これらの範囲を外れ
ると白粉の原因となったり、味覚に悪影響したり、生産
コストが過大となったりして好ましくない。
【0013】ポリエステル(1)の工業的生産ではジエ
チレングリコール成分が必然的に副生するが、その含有
量が全グリコール成分の1〜3.5 モル%となるように制
御することが望ましく、この範囲を外れると耐熱性が悪
化したり、生産コストが過大となったりして、好ましく
ない。
【0014】本発明に用いられるブチレンテレフタレー
トを主たる繰り返し単位とするポリエステル(2)の性
状は次の通りである。極限粘度が 0.6以上のものである
ことが必要であり、極限粘度がこれより小さいものでは
強度が不足する。しかし、極限粘度があまり大きいもの
では、過剰品質となるばかりか、かえってフィルム製造
時の操業性を悪化させ、しかも熱ラミネート性を低下さ
せるので、好ましくない。特に好ましいものは、極限粘
度が 0.7〜2.0 のポリエステルである。
【0015】さらに、融点は 160〜225 ℃であり、この
範囲で、金属に対する接着性の要求されるレベルに合わ
せて共重合成分の種類や共重合割合を適宜選択すること
ができる。線状、環状のオリゴマーの含有量は、0.1 〜
2.0 重量%の範囲にあることが好ましい。これらの範囲
を外れると白粉の原因となったり、生産コストが過大と
なったりして、好ましくない。
【0016】また、ポリエステル(1)及び(2)に
は、その特性を損なわない範囲(通常10モル%以下)で
他の成分をさらに共重合してもよい。共重合成分の具体
例としては、イソフタル酸、フタル酸、 2,6−ナフタレ
ンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、
シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカ
ン二酸、ダイマー酸、無水マレイン酸、マレイン酸、フ
マール酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、シ
クロヘキサンジカルボン酸等のジカルボン酸、4−ヒド
ロキシ安息香酸、ε−カプロラクトン、乳酸等のヒドロ
キシカルボン酸、 1,3−プロパンジオール、エチレング
リコール(ポリエステル(2)に対して)、 1,4−ブタ
ンジオール(ポリエステル(1)に対して)、ネオペン
チルグリコール、 1,6−ヘキサンジオール、シクロヘキ
サンジメタノール、ビスフェノールAやビスフェノール
Sのエチレンオキシド付加体等のジオールがあげられ
る。トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、
トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリ
トール等の3官能以上の化合物を少量併用してもよい。
【0017】本発明におけるポリエステル(1)は、常
法によって製造することができる。例えばPETは、次
のようにして製造することができる。
【0018】まず、ビス(β−ヒドロキシエチル) テレ
フタレート及び/又はその低重合体の存在するエステル
化槽に、テレフタル酸とエチレングリコールのスラリー
を連続的に供給し、 250℃程度の温度で8時間程度反応
させ、エステル化反応率が95%付近のエステル化物を連
続的に得る。これを重合缶に移送し、三酸化アンチモ
ン、二酸化ゲルマニウム等の触媒の存在下、1.3hPa以下
の減圧下に 280℃程度の温度で重縮合反応を行う。
【0019】このようにして得られるポリエステルは、
オリゴマーやアセトアルデヒドを比較的多量に含有して
いるので、これらの量を減少させるため、減圧もしくは
不活性ガス流通下、 200〜240 ℃の温度(ポリエステル
の融点を超えない温度)で固相重合し、さらに必要に応
じて水蒸気又は熱水で処理した後、製膜工程に供するこ
とが望ましい。
【0020】また、本発明におけるポリエステル(2)
も、常法によって製造することができる。たとえば、P
BTを製法する場合、まず、ジメチルテレフタレートと
1,4 −ブタンジオールをエステル交換反応槽に仕込み、
230 ℃程度の温度で5時間程度反応させ、エステル交換
反応率が95%付近のエステル交換物を得る。これを重合
缶に移送し、触媒の存在下、1.3hPa以下の減圧下に250
℃程度の温度で所望の粘度まで溶融重合し、ポリマーを
得る。PBTの重合触媒としては、テトラブチルチタネ
ートなどの金属化合物をはじめとする公知の任意の化合
物が用いられる。PETと同様に、オリゴマーの量を減
少させることが好ましく、得られたポリエステルを減圧
もしくは不活性雰囲気下、140 ℃程度以下の温度で熱処
理して製膜工程に供する。これをより効果的に実施する
には、やはり減圧、もしくは不活性雰囲気下、160 〜20
0 ℃の温度で熱処理(固相重合)するのがより好適であ
る。
【0021】本発明において用いられる酸化チタンは、
必要に応じて公知の任意の表面処理を施して用いること
ができる。酸化チタンは、粒径 0.5μm以下、好ましく
は 0.1〜0.5 μmのものであることが必要であり、これ
よりも粒径が大きいものでは、ポリエステルへの分散性
が悪くなり、得られるフィルムの表面に凹凸ができて光
沢度が低くなり、好ましくない。
【0022】酸化チタンの配合量は、20〜40重量%、好
ましくは25〜35重量%、最適には25〜33重量%である。
この配合量が20重量%未満であるとフィルムの隠蔽性及
び白度が不足し、40重量%を超えるとフィルムの強度が
低下して、好ましくない。
【0023】酸化チタンをフィルムに含有させる方法と
しては、公知の任意の方法を採用することができるが、
特に次のような方法を採用すると、各種の特性の優れた
フィルムを操業性良く製造することができる。
【0024】すなわち、極限粘度が 0.5以上のポリエス
テル(1)に酸化チタンが0〜10重量%配合された組成
物Aと、極限粘度が 0.6以上のポリエステル(2)に酸
化チタンが20重量%以上配合された組成物Bとを押出機
に供給し、シート状に押し出し、二軸延伸する方法であ
る。この際、ポリエステル(1)とポリエステル(2)
との割合は、ポリエステル(1)が10〜55重量%に対
し、ポリエステル(2)が90〜45重量%となるようにす
る。
【0025】組成物Bにおける酸化チタンの配合量は、
20重量%以上、好ましくは25〜70重量%とすることが望
ましく、この量が25重量%未満であると組成物Aの割合
を小さくすることが必要になり、フィルムの強度が低下
し、あまり多くするとポリエステルへの分散性が悪くな
ったり、組成物Bのチップの形状が悪化して、押出機で
の食い込み不良が発生したりして、好ましくない。
【0026】組成物Aにおける酸化チタンの配合量は、
0〜10重量%、好ましくは0〜5重量%とすることが望
ましく、この量が10重量%を超えると、フィルムの強度
が低下する。
【0027】本発明のフィルムは、次の (1)〜(6) の特
性を満足することが必要である。 (1) 引張強度 15kgf/mm2以上、好ましくは18〜25kgf/mm
2 (2) 160 ℃における熱収縮率 5.0%以下、好ましくは
4.0%以下 (3) 光学密度 0.3以上、好ましくは 0.4〜0.7 (4) 光沢度10以上、好ましくは20〜30 (5) 白度81.0以上、好ましくは85.0〜95.0 (6) 接着力 300gf以上
【0028】引張強度が 15kgf/mm2未満であると、実用
上強度不足であり、熱収縮率が5%より大きいと、印刷
特性が悪く、光学密度が 0.3未満であると、隠蔽性が不
十分であり、光沢度が10未満であると、フィルムの外観
が不良となり、白度が81.0未満であると、実用上白度不
足であり、接着力が 300gf未満であると、金属とのラ
ミネート性が悪い。下限を規定した特性値は大きい程、
上限を規定した特性値は小さい程望ましいわけである
が、過剰品質とすると、コスト高となるばかりか、かえ
ってフィルム製造時の操業性が悪化するので、上記好ま
しい範囲として示した程度とするのが適当である。な
お、伸度は、通常80〜160 %(機械方向:MDとそれに
直角の方向:TDの平均値)の範囲にあればよい。
【0029】本発明のフィルムは、不活性粒子が配合さ
れたポリエステル組成物を溶融押出機に供給し、 220〜
280 ℃の温度でシート状に押し出し、室温以下に温度調
節した冷却ドラム上に密着させて冷却し、得られた未延
伸シートを二軸延伸する方法によって製造することがで
きる。二軸延伸方法としては、同時二軸延伸法、逐次二
軸延伸法等のテンター式二軸延伸法、及びインフレーシ
ョン法を用いることができる。本発明においては、同時
二軸延伸法を用いることにより、高濃度の酸化チタン含
有量の二軸延伸フィルムを安定して生産することができ
るので、最も好適である。
【0030】この際、得られるフィルムが上記の特性を
満足するように、製膜条件を選定することが必要であ
り、たとえば同時二軸延伸法を用いる場合、必要に応じ
てMDに1〜1.2 倍程度の予備延伸をした後、テンター
により50〜150 ℃の温度で、MD及びTDの延伸倍率が
それぞれ2〜4倍程度となるように同時二軸延伸した
後、TDの弛緩率を数%として、80〜200 ℃で数秒間熱
処理を施し、室温まで徐冷する。
【0031】なお、延伸後の熱処理は、フィルムの熱収
縮率を小さくするために必要な工程であり、熱処理は、
熱風を吹き付ける方法、赤外線を照射する方法、マイク
ロ波を照射する方法等公知の方法で行うことができる
が、均一に精度良く加熱できることから熱風を吹き付け
る方法が最適である。
【0032】フィルムの厚みは、絞り、しごき加工での
成形性を確保するには、9〜25μmとするのが適当であ
り、好ましくは12〜17μmとする。
【0033】フィルム製造時や製缶時の工程通過性をよ
くするため、シリカ、アルミナ、カオリン等の無機滑剤
を予めマスターバッチとし、これを必要量添加して製膜
してフィルム表面にスリップ性を付与することが望まし
い。さらに、フィルムの外観や印刷性を向上させるた
め、例えば、シリコーン化合物等を含有させることもで
きる。
【0034】本発明のフィルムは、単層フィルムのまま
で金属ラミネートに用いることもできるが、必要に応じ
て、PET、PBT及びこれらを主体とするポリエステ
ル等からなるフィルムとの積層フィルムとして用いるこ
ともできる。
【0035】積層フィルムとする場合、本発明の単層フ
ィルムと他のフィルムとを別工程で積層してもよいが、
本発明のフィルムの製膜時に他のフィルムを同時に押し
出して積層してもよい。
【0036】また、本発明のフィルムには、金属とのラ
ミネート性をより向上させたり、強度をさらに高めたり
するために、フィルム製造中のインラインコーティング
もしくはフィルム製造後のポストコーティングにより、
接着層等任意のコーティング層を形成させてもよい。
【0037】本発明のフィルムは、金属とラミネートし
て用いられるが、金属が鋼板の場合、クロム酸処理、リ
ン酸処理、電解クロム酸処理、クロメート処理等の化成
処理やニッケル、スズ、亜鉛、アルミ、砲金、真鍮、そ
の他の各種メッキ処理を施したものが好ましく用いられ
る。
【0038】本発明におけるフィルムの特性値の測定法
は、次のとおりである。 極限粘度 フェノールと四塩化エタンとの等重量混合物を溶媒と
し、20℃で測定する。 引張強度 ASTM D882 に準じて、幅10mm、長さ10cmの試料で測定す
る。なお、データはMDとTDの平均値で示す。 熱収縮率 幅10mm、長さ10cmの試料を 160℃の雰囲気下に15分間放
置し、放置前後の寸法変化を測定し、原長に対する百分
率を求める。なお、データはMDとTDの平均値で示
す。 光学密度 厚み13μmのフィルムについて、Macbeth 社製透過濃度
計TD 932を使用し、透過ノズル径を3mmとし、入射光量
0 と透過光量Iを求め、透過濃度Dを次式で算出し、
これを光学密度とする。 D=−log(I0 /I) 光沢度 ASTM D523 により測定する。 白度 JIS L 1015 7.11 白色度のC法(ハンターの方法)によ
り測定する。 接着力 (熱ラミネート性) 240℃に加熱した金属ロールとシリコーンゴムロールと
の間に、試料フィルムとティンフリースチール板とを重
ね合わせて挿入し、線圧10kgf/cmで加熱接着し、水冷し
た後、島津製作所製オートグラフを用い、25mm幅の試験
片で剥離速度10mm/分の条件で 180°剥離テストを行
い、剥離強力を測定する。そして、剥離強力が 300gf
以上の場合を合格 (○) 、剥離強力が 300gf未満の場
合を不合格(×)とする。
【0039】次に、実施例によって本発明を具体的に説
明する。
【0040】実施例1 PET(ユニチカ社製,NEH-2030, 極限粘度0.66)とP
BT(三菱エンジニアリングプラスチックス社製,NOVA
DUR-5009AS, 極限粘度0.93)に酸化チタンを30重量%配
合した組成物(組成物A及び組成物B)とを32/68(重
量比)の割合で混合した組成物を押出機により、温度28
0 ℃でTダイを用いて溶融押し出しし、表面温度18℃に
温調した冷却ドラム上に密着させて急冷し、厚み 150μ
m の未延伸シートを得た。得られたシートをテンター式
同時二軸延伸機のクリップに把持させ、80℃の温度で、
延伸倍率を縦3.0 倍、横3.3 倍として同時二軸延伸装置
で延伸した後、横方向の弛弛率を5%として、180 ℃で
4秒間の熱処理を施した後、フィルムを冷却して巻取機
で巻き取り、厚み15μm の金属ラミネート用白色フィル
ムを得た。次いで、得られ原反ロールをスリットし、各
種フィルム性能を評価した結果、表1に示したように、
金属ラミネート用白色フィルムとして良好な適性を有し
ていた。
【0041】実施例2〜6 ポリエステル(1)とポリエステル(2)の極限粘度、
組成物Aと組成物Bのチタン含有量及びA/Bの配合重
量比を表1に示したように変更した以外は実施例1と同
様にして、厚み15μm の金属ラミネート用白色フィルム
を得た。得られたフィルムの測定結果を表1に示した。
【0042】実施例7〜8 実施例7では、ポリエステル(1)としてエチレンイソ
フタレート単位を5モル%共重合したコポリエステル、
実施例8では、ポリエステル(2)としてエチレンイソ
フタレート単位を8モル%共重合したコポリエステルを
用いた以外は実施例1と同様にして、厚み15μm の金属
ラミネート用白色フィルムを得た。得られたフィルムの
測定結果を表1に示した。
【0043】比較例1〜6 ポリエステル(1)とポリエステル(2)の極限粘度、
組成物Aと組成物Bのチタン含有量及びA/Bの配合重
量比を表1に示したように変更した以外は実施例1と同
様にして、厚み15μm の金属ラミネート用白色フィルム
を得た。得られたフィルムの測定結果を表1に示した。
【0044】
【表1】
【0045】
【発明の効果】本発明によれば、優れた熱ラミネート性
(熱接着性)、成形性及び強度を有し、隠蔽性、白度に
優れた金属缶の被覆に好適に用いられる安価な金属ラミ
ネート用白色ポリエステルフィルムが提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08K 3/22 KJR C08K 3/22 KJR C08L 67/02 LPD C08L 67/02 LPD // B29K 67:00 105:16 B29L 7:00

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレンテレフタレートを主たる繰り返
    し単位とする、極限粘度が 0.5以上のポリエステル
    (1)10〜55重量%と、ブチレンテレフタレートを主た
    る繰り返し単位とする、極限粘度が 0.6以上のポリエス
    テル(2)90〜45重量%とからなるポリエステル樹脂組
    成物に、粒径 0.1〜 0.5μm の酸化チタンを20〜40重量
    %以上配合した二軸延伸フィルムであって、次の(1) 〜
    (6) の特性を有することを特徴とする金属ラミネート用
    白色ポリエステルフィルム。 (1) 引張強度 15kgf/mm2以上 (2) 160 ℃における熱収縮率 5.0%以下 (3) 光学密度 0.3以上 (4) 光沢度10以上 (5) 白度81.0以上 (6) 接着力 300gf以上
  2. 【請求項2】 同時二軸延伸方法により製造された請求
    項1記載の金属ラミネート用白色ポリエステルフィル
    ム。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載のポリエステルフィ
    ルムを製造するに際し、エチレンテレフタレートを主た
    る繰り返し単位とする、極限粘度が 0.5以上のポリエス
    テル(1)に粒径 0.1〜 0.5μm の酸化チタンが0〜10
    重量%配合された組成物Aと、ブチレンテレフタレート
    を主たる繰り返し単位とする、極限粘度が 0.6以上のポ
    リエステル(2)に粒径 0.1〜 0.5μm の酸化チタンが
    20重量%以上配合された組成物Bとを押出機に供給し、
    シート状に押し出し、縦及び横方向に二軸延伸すること
    を特徴とする金属ラミネート用白色ポリエステルフィル
    ムの製造法。
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