JPH11260313A - ショートアーク放電管用陰極 - Google Patents

ショートアーク放電管用陰極

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JPH11260313A
JPH11260313A JP10073412A JP7341298A JPH11260313A JP H11260313 A JPH11260313 A JP H11260313A JP 10073412 A JP10073412 A JP 10073412A JP 7341298 A JP7341298 A JP 7341298A JP H11260313 A JPH11260313 A JP H11260313A
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JP
Japan
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cathode
impregnated
tip
discharge tube
cap
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Application number
JP10073412A
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English (en)
Inventor
Manabu Arai
学 新井
Hiroyuki Miyamoto
洋之 宮本
Fumio Takamura
文雄 高村
Takashi Sato
高 佐藤
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New Japan Radio Co Ltd
Original Assignee
New Japan Radio Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 含浸型陰極の輝度を向上させ、これをショー
トアーク放電管に採用可能にすることで、長寿命化した
ショートアーク放電管を提供する。 【解決手段】 少なくともバリウムを含む酸化物が含浸
され先端鋭利に形成された含浸型陰極1と、その表面を
覆うキャップ3とを具備し、ガラス管内に陽極と対向し
て封入されるショートアーク放電管用陰極であって、キ
ャップ3は含浸型陰極1よりも仕事関数が高く、かつ耐
熱性が高い金属、炭化物、窒化物またはそれらの混合物
から形成し、少なくとも含浸型陰極1の先端に対応する
部分に陰極輝点と略同一の大きさとなる透孔3aを設
け、透孔3aから含浸型陰極1の先端を突出させる構成
とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高輝度動作させる
ショートアーク放電管用陰極に関し、特に長寿命化した
ものに関する。
【0002】
【従来技術】アーク放電では、放電を維持するように陰
極先端から10-5〜10-7mの範囲で管電圧の陰極降下
が生じるために、陰極表面に強電界が掛かり、電子の放
出が起きていると考えられている。また、同時に、電子
放出により電離したイオンが陰極に衝突し陰極の温度を
上昇させ、熱電子放出を容易にしているとも考えられて
いる。このとき、陰極輝点の電流密度は極めて高くなっ
ている。このような動作に適している陰極には、仕事関
数が低く、融点の高い材料が適している。
【0003】含浸型陰極は、800℃以上になると含浸
させた酸化バリウム(BaO)から遊離したバリウム
(Ba)が含浸型陰極表面に拡散し、そこでタングステ
ン(W)と電気二重双極子を形成して、例えば1.63
eV程度の低仕事関数を示す。このため、タングステン
の融点約3000℃に比べてかなり低い温度の約120
0℃近辺で高電流密度を得ることができる。
【0004】しかし、これよりも温度が高くなりすぎて
しまうと、表面に拡散してきたバリウムの蒸発が早ま
り、陰極の寿命が短くなってしまう。また、蒸発したバ
リウムが放電管のガラス管内壁を汚してしまい、著しい
輝度の低下を起こしてしまい、放電管の寿命を短くして
しまう。
【0005】そこで、含浸型陰極を放電管に応用する際
には、陰極の先端角を変えて、最適な動作温度を求め、
バリウムの供給速度と蒸発速度が平衡を保つような形状
にし、高輝度、長寿命を実現するよう工夫がなされてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら現在、放
電管にはさらなる高輝度化、長寿命化が望まれている。
放電管の輝度を高くするためには、輝点の大きさを変え
ずに電流密度を高くしなければならない。電流密度を高
くする方法として、陰極先端を鋭くして電界の集中を容
易にし、かつ陰極輝点の面積を制限する方法が考えられ
るが、含浸型陰極で最適な角度以上に先端を鋭角にした
場合には、陰極の温度が上がりすぎてしまうことと、仕
事関数が低いためにかえって陰極輝点が先端より下方ま
で拡大してしまうため輝度の低下を招いてしまう。これ
に対し、ショートアーク放電管用陰極として、含浸型陰
極よりも仕事関数の高いトリウムタングステン(Th−
W)を使用することも一般に行われているが、先端の溶
解によるアーク揺らぎなどで含浸型陰極よりも寿命が短
くなってしまう。
【0007】上記問題を解決するため、本発明は、含浸
型陰極の輝度を向上させ、これをショートアーク放電管
に採用可能にすることで、長寿命化したショートアーク
放電管を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明のショートアーク放電管用陰極は、少なくと
もバリウムを含む酸化物が含浸され先端鋭利に形成され
た含浸型陰極と、該含浸型陰極表面を覆うキャップとを
具備し、ガラス管内に陽極と対向して封入されるショー
トアーク放電管用陰極であって、前記キャップは前記含
浸型陰極よりも仕事関数が高くかつ耐熱性が高い金属、
炭化物、窒化物またはそれらの混合物からなり、少なく
とも前記含浸型陰極の先端に対応する部分に陰極輝点と
略同一の大きさとなる透孔が設けられ、該透孔から前記
含浸型陰極の先端が突出していることを特徴とする。
【0009】なお、少なくとも前記含浸型陰極先端近傍
において、前記含浸型陰極表面と前記キャップとの間に
間隙を形成した構成としてもよい。
【0010】この際、前記キャップの前記含浸型陰極と
の接触部近傍に前記間隙に連通する透孔を形成する構成
として好適である。
【0011】また、前記含浸型陰極の少なくとも前記陰
極輝点の範囲となる部分を除く部分にスリットを入れた
ことを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を図面
に沿って説明する。図1は本発明に係る陰極の実施の形
態を示す断面図であり、本図において1は含浸型陰極、
2はモリブデン製のリード、3はキャップを示す。
【0013】含浸型陰極1はポーラスタングステン(例
えば空孔率15%に仕上げたタングステン焼結体)に例
えば(4BaO、CaO、Al23)等の少なくともバ
リウム酸化物を含む電子放出材料を含浸させたものであ
る。リード2は、例えばロウ材を用いて含浸型陰極1に
ロウ付け固着される。
【0014】キャップ3は、含浸型陰極1よりも仕事関
数が大きく、高融点の材料からなり、含浸型陰極1の先
端に対応する部分に透孔3aが設けられている。これは
例えばタンタルの粉末を静水圧プレス及び焼結によって
含浸型陰極の外形に沿った形状に成形し、この先端にレ
ーザー加工によって透孔3aを空けて得ることができ
る。このキャップ3を図に示すように含浸型陰極1に被
せ、ロウ付けもしくはレーザー溶接により固定する。こ
のとき、キャップ3の透孔3aから含浸型陰極1の先端
を突出させる。
【0015】このような構成なので、陰極輝点がキャッ
プ3の透孔3aで露出する含浸型陰極1の表面積の範囲
に制限されるため、輝点の拡がりを抑制できる。また、
キャップ3によって陰極の過度の熱放散が抑えられ、陰
極全体の温度が適温(1200℃)に維持されるため、
陰極先端へのバリウム供給が容易になり、熱暴走による
局所的破壊を防ぐことができる。この時、必要な輝度に
応じてキャップ3の穴の直径は0.2〜0.5mmまで
変更することができる。
【0016】また、図2に示すように、含浸型陰極1の
先端近傍において、含浸型陰極1表面とキャップ3との
間に間隙を形成してもよい。但し、この間隙を形成する
ことによって含浸型陰極1先端への電界集中を妨げては
ならない。
【0017】ここで、図2のようにキャップ3先端を平
坦にし、そこへ透孔3aを形成するのならば、キャップ
3と含浸型陰極1表面の間隙は、次式で示される距離D
の範囲内にすることによって、含浸型陰極1の先端が透
孔3aから突出し、含浸型陰極1先端への電界集中を妨
げない。従って、次式Dの取り得る値の中で輝度が最適
になるものを採用し、キャップ3を固定すればよい。
【0018】
【数1】
【0019】例えば、含浸型陰極1の先端角θを80
°、陰極輝点の半径rを0.15mmと仮定した場合に
は、透孔3aの半径を0.15mmとし、陰極表面とキ
ャップ内側までの距離Dを0<D≦0.12mmの範囲
で適宜選択することができる。
【0020】なお、含浸型陰極1からキャップ3にバリ
ウムが付着した場合にも、キャップ3は含浸型陰極1先
端よりも温度が低く、しかも仕事関数が高いので、そこ
からの電子放出による陰極輝点の増大は起こらないの
で、輝度は低下しない。
【0021】また、含浸型陰極1表面とキャップ3との
間に間隙を形成した場合には、図3に示すようにキャッ
プ3の含浸型陰極1との接触部近傍に間隙に連通する透
孔3bを設ければ、その間隙に含浸型陰極1の付け根か
ら先端に向けてガラス管内に封入した雰囲気ガスが対流
する。即ち、この対流によって陰極輝点の周辺へ低い温
度のガスが送り込まれ、これによって輝点を絞ることが
できる。
【0022】また、キャップ3と含浸型陰極1表面とを
離間させる手段として、含浸型陰極1の形状を図4に示
すように先端と付け根で角度が異なる形に加工してもよ
い。
【0023】また、陰極の製造工程において、図5に示
すように、含浸型陰極1の先端を中心にした陰極輝点の
拡がり範囲を除く部分に、レーザ加工や放電加工によっ
てスリット1aを設け、陰極の熱容量を減少させて動作
時の陰極温度を最適温度に維持するようにし、バリウム
の供給を容易にするよう調整することができる。本工程
を追加することによって、スリット1aの深さや幅で簡
単に熱容量の調整を行うことができ、出力の異なる複数
のショートアーク放電管に同じ陰極を使用することがで
きる。なお、スリットの形成場所は、実験等で適宜選択
されるべきであるが、少なくとも陰極輝点となる範囲は
除く。
【0024】以上に述べたキャップはタンタルに限った
ものではなく、仕事関数が含浸型陰極の仕事関数よりも
大きい金属、炭化物、窒化物、あるいはそれらの混合物
である耐熱材料で構成してもよい。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように、陰極輝点を除く含
浸型陰極表面をこれよりも仕事関数が高く耐熱性のある
キャップで覆うことにより、陰極輝点の範囲の拡がりを
制御することが可能になり、高輝度・長寿命のショート
アーク放電管用陰極を提供することができる。
【0026】特に少なくとも含浸型陰極先端近傍におい
て、含浸型陰極表面とキャップとの間に間隙を形成する
ことによって、含浸型陰極の熱容量を下げ、先端温度を
適度に上昇させ、輝度を上げることが可能である。
【0027】また、その間隙に連通する透孔をキャップ
の含浸型陰極との接触部近傍に形成することで、含浸型
陰極の付け根から先端に向けて間隙内に雰囲気ガスを対
流させ、陰極輝点周辺へ低い温度のガスを送り込むこと
で輝点を絞ることができる。
【0028】また、含浸型陰極を覆った金属は、高温に
なった含浸型陰極表面から蒸発する余分なバリウムを遮
蔽する働きもし、バリウムが放電管のガラス管内壁に付
着して輝度の低下を招くことを防ぐ。
【0029】さらに、含浸型陰極の少なくとも前記陰極
輝点の範囲となる部分を除く部分にスリットを入れる構
成にすることによって、スリットの深さや幅で簡単に熱
容量の調整を行うことができ、出力の異なる複数のショ
ートアーク放電管に同じ陰極を使用することができる。
従って、陰極に汎用性を持たせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す断面図である。
【図2】本発明の他の実施の形態を示す断面図である。
【図3】本発明の更に他の実施の形態を示す断面図であ
る。
【図4】本発明の更に他の実施の形態を示す断面図であ
る。
【図5】本発明の更に他の実施の形態を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
1:陰極 1a:スリット 2:リード 3:キャップ 3a:透孔 3b:透孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 高 埼玉県上福岡市福岡二丁目1番1号 新日 本無線株式会社川越製作所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくともバリウム酸化物を含む電子放
    出材料が含浸され先端鋭利に形成された含浸型陰極と、
    該含浸型陰極表面を覆うキャップとを具備し、ガラス管
    内に陽極と対向して封入されるショートアーク放電管用
    陰極であって、前記キャップは前記含浸型陰極よりも仕
    事関数が高くかつ耐熱性が高い金属、炭化物、窒化物ま
    たはそれらの混合物からなり、少なくとも前記含浸型陰
    極の先端に対応する部分に陰極輝点と略同一の大きさと
    なる透孔が設けられ、該透孔から前記含浸型陰極の先端
    が突出していることを特徴とするショートアーク放電管
    用陰極。
  2. 【請求項2】 少なくとも前記含浸型陰極先端近傍にお
    いて、前記含浸型陰極表面と前記キャップとの間に間隙
    が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のシ
    ョートアーク放電管用陰極。
  3. 【請求項3】 前記キャップの前記含浸型陰極との接触
    部近傍に前記間隙に連通する透孔が形成されていること
    を特徴とする請求項2に記載のショートアーク放電管用
    陰極。
  4. 【請求項4】 前記含浸型陰極の少なくとも前記陰極輝
    点の範囲となる部分を除く部分にスリットを入れたこと
    を特徴とする請求項1乃至3に記載のショートアーク放
    電管用陰極。
JP10073412A 1998-03-06 1998-03-06 ショートアーク放電管用陰極 Pending JPH11260313A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003022780A (ja) * 2001-07-09 2003-01-24 New Japan Radio Co Ltd 放電ランプ用陰極
JP2005285679A (ja) * 2004-03-30 2005-10-13 Toshio Goto アーク放電陰極、アーク放電電極及びアーク放電光源

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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