JP2003346639A - 高密度で低厚みの放出領域を有する電子銃用酸化物陰極 - Google Patents

高密度で低厚みの放出領域を有する電子銃用酸化物陰極

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JP2003346639A
JP2003346639A JP2003118088A JP2003118088A JP2003346639A JP 2003346639 A JP2003346639 A JP 2003346639A JP 2003118088 A JP2003118088 A JP 2003118088A JP 2003118088 A JP2003118088 A JP 2003118088A JP 2003346639 A JP2003346639 A JP 2003346639A
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Jean-Luc Ricaud
リコー ジャン−リュク
Gerard Proudhon
プルードン ジェラール
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    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J1/00Details of electrodes, of magnetic control means, of screens, or of the mounting or spacing thereof, common to two or more basic types of discharge tubes or lamps
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    • H01J1/13Solid thermionic cathodes
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  • Solid Thermionic Cathode (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 電圧カットオフのドリフトを大幅に制限する
と共に、DCモード及びパルスモードでの良好な最大放
出性能を維持することを可能とすること。 【解決手段】 一若しくはそれ以上のアルカリ土類酸化
物をベースとした多孔質の陰極放出被覆(1)を支持す
る基板(2)を含み、いわゆる放出領域(12)及び非
放出周囲領域(11)を含む電子銃用の酸化物陰極であ
って、本発明によれば、放出領域(12)における前記
被覆の平均密度は、非放出領域(11)における同被覆
の平均密度より大きく、放出領域(12)における前記
被覆の平均厚さは、非放出領域(11)における同被覆
の平均厚さより小さい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特にコンピュータ
ーモニタやテレビジョンスクリーン用の陰極線管用の電
子銃における電子源として広く使用されている、酸化物
をベースとする熱電子陰極に関する。
【0002】
【従来の技術】図1を参照するに、従来の酸化物陰極K
は、 −実質的にアルカリ土類酸化物からなる陰極放出被覆1
と、 −陰極放出被覆がその上に堆積される金属基板2であっ
て、ニッケル及び/又はニッケル合金を実質的にベース
とし、マグネシウムやシリコンのような、アルカリ土類
酸化物を減少するための成分を含む金属基板2と、 −基板を支持する中空管スカート3と、 −スカート3内に配置され、この被覆が電子を放出する
のに十分な温度まで基板2及び陰極放出被覆1を真空下
で加熱するのに適したフィラメント4とを含む。
【0003】陰極放出被覆は、特に、アルカリ土類元素
の炭酸塩をこれらの元素の酸化物に熱を用いて堆積させ
ることによって形成されるので、実質的に多孔質であ
る。堆積前、被覆の厚さは、実質的に53〜95μmの
間であり、堆積後に、50〜90μmの厚さを持つ酸化
物被覆が得られるようにする。
【0004】基板2の厚さは、略70〜150μmであ
る。
【0005】スカート及び基板は、同一の金属片から形
成されてよい。この陰極は、“一体型の”陰極と称され
る。
【0006】かかる陰極は、特に陰極線管用として、電
子銃において使用される。電子銃は、従来的には、 −図1に示すように、電子ビームを形成するのに適した
三極管であって、陰極K、当該電子ビームのベースを形
成する穴52によって貫通された第1の電極G1若しく
はウェーネル、及び、同様にビームの電子の経路のため
の穴によって貫通された第2の電極G2を含む三極管
と、 −三極管から来る電子ビームを合焦させるための手段
(図示せず)であって、この目的に適した一連の電極を
実質的に含む手段とを含む。
【0007】陰極に最も近い電極、若しくはウェーネル
G1は、陰極放出被覆1の外面に平行に延在する平面を
有し、この外面から銃動作時に50〜80μm程度の距
離だけ離間している。
【0008】三極管のウェーネルG1の穴52は、円
形、楕円形、若しくは長方形であってもよい。陰極及び
三極管の電極G1は、陰極放出被覆の中心が当該電極の
穴52の中心と略一致するように、配置される。それ故
に、2つの領域が、陰極放出被覆において区別化され
る。即ち、 −図1の対称軸に両側に破線で示すように、電極G1の
穴52に対面する領域に対応し、それ故に、当該穴を同
一形状を有する中心領域12、及び、 −中央領域を除く全体の陰極放出被覆に対応する周辺外
側領域11である。
【0009】シャドーマスクを備えた従来のカラーテレ
ビジョンの管は、一般的に、主要色、即ち赤、緑、青毎
に1つ、計3つの陰極を含み、各陰極に対して、電子ビ
ーム電流は、時間平均で実質的に0.4〜0.8mA周
辺とされる。最大の輝度に対して、この電流は、典型的
には、5mAまで上昇してよく、この際、陰極の全体の
放出被覆が使用される。例えば0.5mmの直径を持つ
電極G1の円形の穴の場合、陰極の潜在的な放出領域
は、同様に円形であり同一の直径を持つ。
【0010】三極管が動作中にあるとき、陰極の基板2
とウェーネルG1との間に印加される電圧差が、それ故
に、陰極放出を調整する役割をする。三極管は、また、
電子の軌跡に沿って電極G1よりも陰極から離反した電
極G2を含む。三極管が動作中にあるとき、電極G2
は、電子を抽出するための正の一定電場を陰極に作用さ
せるようにバイアスされる一方で、電極G1は、負の調
整可能な電場を作用させるようにバイアスされる。実際
には、中央領域12は、陰極と電極G1間の最も小さい
電圧差に対して得られる電子放出領域の最大範囲に対応
する。この中央の、潜在的に放出可能な領域は、それ故
に、以下、“放出領域”と称し、逆に、周辺領域は、そ
れ故に、“非放出領域”と称する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】陰極放出がゼロに低減
される基板とウェーネルとの間の電圧差は、通常“カッ
トオフ電圧”と称される。
【0012】陰極の全寿命を通して、カットオフ電圧は
浮遊(ドリフト)し、これにより、銃の放出性能が劣化
されるか若しくは高価な補償システムが必要とされるこ
とが知られている。
【0013】陰極の放出性能は、更に“パルスモードで
の最大放出”及び“DCモードでの最大放出”という用
語で表現される。
【0014】パルスモードでの最大放出は、10μs周
辺の短い持続時間の電圧パルスがグリッドG1に印加さ
れている間に達成できる陰極放出被覆の最大表面電流密
度に対応する。50〜90μmの厚さの陰極放出被覆に
対して、パルスモードでの最大放出は、実質的に陰極放
出被覆の厚さに比例し、当該被覆の多孔性(多孔率)に
ほとんど依存しない。
【0015】DCモードでの最大放出は、10sのオー
ダーの長い持続時間の電圧パルスがグリッドG1に印加
されている間に到達できる陰極放出被覆の最大表面電流
密度に対応する。DCモードでの最大放出は、実質的
に、陰極放出被覆のその厚さにわたって測定された導電
性に比例する。この最大DC放出は、それ故に、厚さに
逆比例し、当該被覆の多孔性に比例する。
【0016】陰極の全寿命を通して、陰極放出被覆の多
孔率及び厚さは、焼結作用により低減する。全体とし
て、当該被覆の導電性が減少し、DCモードでの最大放
出の低下が引き起こされる。
【0017】一方、陰極の全寿命を通して、パルスモー
ドでの最大放出は、DCモードでの最大放出よりも劣化
が小さい。
【0018】カット電圧のドリフトは、特にゲートG1
の陰極放出被覆を電子銃から分離する距離の変動に特に
起因して発生する。この距離は、特に多孔質の陰極放出
被覆が焼結により縮むことが原因で変動する。この縮み
が大きくなるほど、被覆の初期厚さが大きくなり、及び
/又は被覆の多孔率が大きくなる。
【0019】要約すると、 −高い多孔率は、DCモードでの最大放出において改善
をもたらすが、カットオフ電圧のドリフトにおいて劣化
を招く。 −大きい厚さは、パルスモードでの最大放出において改
善をもたらすが、DCモ ードでの最大放出及びカットオフ電圧のドリフトにおい
て劣化を招く。
【0020】それ故に、陰極放出被覆の厚さ及び多孔率
の最適な決定に関してジレンマに突き当たる。本発明
は、このジレンマを解決することである。
【0021】
【課題を解決するための手段】この目的のため、本発明
の主題は、一若しくはそれ以上のアルカリ土類酸化物を
ベースとした多孔質の陰極放出被覆を支持する基板を含
み、いわゆる放出領域及び非放出周囲領域を含む電子銃
用の酸化物陰極であって、 −放出領域における前記被覆の平均密度は、非放出領域
における同被覆の平均密度より大きく、 −放出領域における前記被覆の平均厚さは、非放出領域
における同被覆の平均厚さより小さい。
【0022】表現“一若しくはそれ以上のアルカリ土類
酸化物をベースとした多孔質の陰極放出被覆”とは、本
例ではアルカリ土類酸化物をベースとした、陰極放出被
覆からなる被覆を意味する。陰極放出基板を含浸されタ
ングステンをベースとする多孔質の導電性要素は、この
意味に含まれるべきでない。かかる陰極放出要素は、ア
ルカリ土類酸化物をベースとせず、タングステンをベー
スとする。かかる含浸導電性要素は、“含浸陰極”で使
用されるものであり、“酸化物”陰極と称されるものに
関する本発明の分野とは異なる。
【0023】本発明に特有の陰極放出被覆の形態のおか
げで、電圧カットオフのドリフトを大幅に制限すると共
に、DCモード及びパルスモードにおける最大放出性能
の観点から良好な性能を維持することが可能となる。
【0024】また、本発明は、一若しくはそれ以上の次
の特徴を有してよい。即ち、 −放出領域は、厚さが、非放出領域における平均厚さよ
り少なくとも10%小さく、且つ、密度が、非放出領域
における平均密度より少なくとも10%大きい部分を含
む。好ましくは、この部分は、放出領域の中心を含む。
それは、放出領域が円形の場合、当該領域を形成する円
形の中心である。放出領域が如何なる形状であっても、
当該領域を形成する重心である。 −放出領域の外面は、凹状であり、基板と陰極放出被覆
との間の境界面は平面である。好ましくは、前記凹部
は、球形である。陰極の放出表面の球形表面により、当
該陰極から放出される電子の軌跡の収束の領域の長さが
減少され、これにより、当該陰極が組み込まれる電子間
の性能を改善することが可能となる。 −基板と陰極放出被覆との間の境界が、凸状であり、陰
極放出被覆の外面は、略平面である。 −陰極放出被覆の厚さは、全ての点で30μmから90
μmの範囲内である。 −前記放出領域と前記非放出領域との間の前記被覆の平
均密度の差は、0.1g/cm以上である。 −前記放出領域における最大厚さと前記非放出領域にお
ける最小厚さとの差は、20μm以上である。 −基板の厚さは一定である。
【0025】本発明の主題は、また、少なくとも1つの
電子ビームを形成するのに適した電子銃三極管であっ
て、形成すべきビーム毎に1つの陰極Kと、各陰極に対
向する穴によって貫通された第1の電極若しくは“ウェ
ーネル”と、各ビームの電子の経路のために前記ウェー
ネルの各穴に対向する穴によって貫通された第2の電極
とを含み、各陰極が、本発明により構成される。好まし
くは、各陰極において、放出領域は、前記電極の穴に対
向する領域に対応し、前記周囲領域は、前記放出領域以
外の陰極放出被覆の全体に対応する。
【0026】本発明の主題は、また、本発明による陰極
若しくは三極管を電子源として含む電子銃である。
【0027】本発明の主題は、また、本発明による電子
銃を少なくとも含む陰極線管である。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して、非限
定的な例によって与えられる次の説明を読めば、本発明
をより明確に理解できるだろう。
【0029】説明を簡略化し、先行技術と比較した際の
本発明の差異及び効果を際立たせるため、同一の機能を
奏する要素に対しては同一の参照符合が使用される。
【0030】図2は、本発明の第1実施例による酸化物
陰極K’の上側の部位を示す。酸化物陰極K’は、一若
しくはそれ以上のアルカリ土類酸化物ベースの多孔質陰
極放出被覆1を支持する一定厚さEsの金属基板2を含
み、直径Dcの放出中央円形領域12、及び、一定厚さ
Epの同じく円形の非放出周囲領域11を有する。直径
Djのスカート3の上側の部位のみが示されている。周
囲領域11の外側の直径は、スカート3の直径Djに略
対応する。本実施例によれば、放出領域12の外面は、
凹状であり、つまり、当該領域の曲率Rcの半径の中心
は、電子放出と同一側に位置する。本実施例によれば、
基板2と陰極放出被覆1の間の境界は、平面である。従
って、放出領域12における被覆1の厚さは、非放出領
域11における当該被覆の厚さEpよりも小さい。ここ
で、放出領域12の外面の凹部は、非放出周囲領域11
の平面上に結合する球形のキャップの形態を有する。非
放出領域11における厚さEpと放出領域の中心での最
小厚さEcとの間の差は、10μm以上である。例え
ば、Ep−Ec=20μmでDc=0.45mmである
場合、Rc=(225)+(R−20)、凹領域
における曲率の半径は、Rc=1.276mmである。
【0031】本発明によると、放出領域12における陰
極放出被覆の平均密度は、非放出領域11における同被
覆の平均密度より大きい。
【0032】次に、上述の本発明の実施例による陰極を
得るための方法について説明する。
【0033】この陰極を製造するためには、外径Dj=
1.4mmの円形管が使用され、当該管は、一定厚さの
平らな端部壁によって一端が閉塞され、その外面は、陰
極放出被覆に対する基板2として機能することになる。
管の壁は、スカート3を形成する。端部壁の厚さEs
は、例えば100μmである。この端部壁は、本例で
は、2つの被覆を含むバイメタルであり、外側の被覆
は、マグネシウム、シリコン、タングステンのようなア
ルカリ土類酸化物を低減させるための元素がドープされ
たニッケルをベースとする。変形例では、この端部壁
は、ニッケル合金から形成される。
【0034】0.85g/cmの密度及び95μmの
一定厚みを有する、アルカリ土類炭酸塩をベースとする
被覆は、とりわけ知られている態様で、この基板2上に
付与される。アルカリ土類元素の中で、特に、バリウ
ム、ストロンチウム、或いはカルシウムを選択すること
が好ましい。
【0035】凸状のヘッドを備えたパンチを用いて、2
2μm深さの凹状の中空が、堆積された被覆の中心に形
成される。パンチのヘッドの凸部は、本例では、球形で
あり、且つ、その曲率の半径が約Rc=1.276mm
である場合、炭酸塩被覆のパンチされた領域は、円形と
なり、0.45mmの直径Dcを有する。
【0036】後者の処理に対する条件、特にパンチに印
加される圧力は、公知の態様で調整されて、パンチされ
た中央領域における炭酸塩被覆の密度が、パンチされて
いない周囲領域における同被覆の密度よりも大きくなる
ようにする。尚、文献US6351061のライン54
のカラム4からライン6のカラム5までに記載される加
圧条件を防止する必要があり、この場合、パンチの圧力
を制限することによって、パンチの下方の炭酸塩被覆の
密度の変化を避けることが推奨される。
【0037】パンチされた中央領域における炭酸塩被覆
の平均密度は、パンチング中の当該領域の体積の減少に
依存する。 −初期の中央領域の体積:Vci=EpπDc/4=
0.0143mm; −パンチングに関する体積減少:ΔV=π(Ep−E
c)(3Rc−Ep+Ec)/3=0.0016mm
; −最終の中央領域の体積:Vcf=Vci−ΔV=0.
0127mm
【0038】このとき、パンチされた中央領域における
炭酸塩被覆の平均密度は、0.85×(Vcf/Vc
i)=0.96g/mmとなり、即ち11%低減であ
る。これは、当該領域の平均密度であり、絶対密度は、
パンチング中の圧力の分布に従って当該領域内で変化し
やすい。
【0039】パンチされた領域の中央では、炭酸塩被覆
の厚さは、パンチされていない領域における平均厚さよ
りも少なくとも10%小さく、密度は、パンチされてい
ない領域における平均密度よりも少なくとも10%大き
い。これらの調和は、炭酸塩の堆積後に、陰極の動作
中、考慮される。
【0040】効果的には、パンチングは、陰極が内部に
組み込まれる必要がある三極管への搭載後に実行され、
陰極は、当該三極管の電極G1及びG2内の穴は、プレ
ス中にパンチを案内するために利用される。これによ
り、電極の穴に対するパンチされた領域の良好なセンタ
リング(中心合わせ)が保証される。
【0041】例えば、卵形ヘッドを備えたヘッドを用い
た円筒形の凹部のような、凹部の他の形状も、本発明か
ら逸脱することなく、推考されてよい。また、特にウェ
ーネルトG1が長方形の穴を有する場合、ヘッドが軸対
称でないが2つの対象の直交平面を有するパンチを使用
することも可能である。
【0042】このようにして得られた陰極は、自身が電
子管に真空下で組み込まれる従来の電子銃に組み込まれ
る従来の三極管内に、組み込まれる。この陰極は活性化
された後、陰極被覆は、パンチされた領域に対応する中
央放出領域12及びパンチされていない領域に対応する
非放出領域衝突乾燥ユニットを有するアルカリ土類酸化
物をベースとした陰極放出被覆1へと変成される。陰極
の分解は、被覆の寸法に、5%ほどの僅かの収縮を生
む。
【0043】陰極放出被覆1の特性は、このとき、 −非放出領域の一定厚さEp:90μm −放出領域の中空での最大厚さEc:70μm、即ちE
pに対して少なくとも20%の減少 −非放出領域の平均密度Dp:0.85g/mm、そ
して、 −放出領域の平均密度Dc:0.96g/mmであ
る。
【0044】従って、放出領域12における当該被覆の
平均厚さは、非放出領域11における同被覆の平均厚さ
よりも小さく、放出領域12における当該被覆の平均密
度は、非放出領域11における同被覆の平均密度よりも
大きい。
【0045】本発明特有の陰極放出被覆の形態のおかげ
で、電圧カットオフのドリフトが大幅に制限される一
方、依然として、DCモード及びパルスモードでの良好
な最大放出性能が維持される。
【0046】かかる全体としてより良好な性能は、電圧
カットオフのドリフトが、本発明によりより高い密度且
つより小さい厚さの、陰極放出被覆の放出領域の中央部
の特性により依存する一方で、放出性能が、放出領域の
周囲若しくは非放出周囲領域の特性に依存するという、
事実に起因し、この原因は、この周囲に存在する放出領
域のリング部が、全体の放出される電流においてより重
みを有し、近接する非放出領域が、この周囲に陰極放出
バリウムの源を付与することにある。
【0047】更なる効果は、従来の陰極Kによって放出
される電子ビームFを示す図4、及び、凹形状の放出領
域表面を有する本発明による陰極K’によって放出され
る電子ビームF’を示す図5を参照して上述する如く、
放出領域の表面の凹形状、特に球形の凹形状に由来す
る。
【0048】特に三極管のG1及びG2である隣接する
電極に印加される電位により陰極K若しくはK’の放出
領域の表面に対向して生成される等ポテンシャル面の形
状により、この陰極によって放出される電子の軌跡は、
ビームF若しくはF’の軸に沿って長さLc−o若しく
はL’c−oをもって延在する収束領域内で収束する。
この収束領域は、“クロスオーバー”領域とも称され
る。
【0049】図4と比較して、図5を参照するに、特に
球形である、陰極K’の表面の凹形状のおかげで、本発
明による陰極のクロスオーバー領域の長さは、従来のク
ロスオーバー領域の長さよりも小さくなり、これによ
り、スポットのサイズが低減され、また、本発明による
陰極を備えるとき、特に分解能の観点から、陰極線管の
性能が改善される。
【0050】図3は、上述の陰極と同一の方法で参照さ
れる同一の構成要素を含む本発明の第2実施例による酸
化物陰極K”の上側の部分を示す。本実施例によると、
基板2と放出領域11との間の境界は、凸状であり、つ
まり、当該領域の曲率R’cの半径の中心は、電子放出
と反対側に位置する。本実施例によれば、陰極放出被覆
1の外面は、略平面である。従って、放出領域12にお
ける被覆1の平均厚さは、非放出領域11における同被
覆の平均厚さEpより小さい。この場合、2と放出領域
11との間の境界の凸部は、基板2と非放出領域11と
の間の境界の平面に結合する球形のキャップの形態を有
する。非放出領域11における厚さEpと、放出領域の
中心での最小厚さEcとの差は、前述の如く、10μm
以上である。
【0051】本発明によると、放出領域12における陰
極放出被覆の平均密度は、非放出領域11における同被
覆の平均密度より大きい。
【0052】次に、上述の本発明の実施例による陰極を
得るための方法について説明する。
【0053】この陰極を製造するためには、外径Dj=
1.4mmの円形管が使用され、当該管は、放出領域1
2の位置に対応して凸状の中央領域を有する端部壁によ
って一端が閉塞されている。この端部壁の厚さは、例え
ば100μmのオーダーで一定である。になる。この端
部壁は、上述の如く、本例ではバイメタルである。
【0054】0.85g/cmの密度及び90μmの
厚みを有する、アルカリ土類炭酸塩をベースとする一定
厚さの被覆は、とりわけ知られている態様で、凸状の中
央領域を備える端部壁若しくは基板2上に付与される。
この処理の段階では、得られる被覆は、それ故に、基板
2に対応した凸状の中央領域を有する平面でない外面を
有する。
【0055】炭酸塩被覆の中心は、平らなヘッドを備え
るパンチを用いて平らにされ、被覆の残りの部分より小
さな厚みで大きな密度の中央領域を有する炭酸塩被覆が
得られる。
【0056】他の凸形状も、本発明から逸脱することな
く推考されうる。
【0057】このようにして得られた陰極は、従来の三
極管に組み込まれ、従来の電子銃に組み込まれ、電子管
に真空下で組み込まれる。この陰極は活性化された後、
陰極被覆は、平らにされた領域に対応する中央放出領域
12及び平らにされていない領域に対応する非放出領域
衝突乾燥ユニットを有するアルカリ土類酸化物をベース
とした陰極放出被覆1へと変成される。
【0058】従って、放出領域12におけるこの被覆の
平均厚さは、非放出領域11における同被覆の平均厚さ
よりも小さく、放出領域12における当該被覆の平均密
度は、非放出領域11における同被覆の平均密度よりも
大きい。
【0059】上述の如く、電圧カットオフのドリフトを
大幅に制限すると共に、DCモード及びパルスモードで
の良好な最大放出性能を維持することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電子銃用の三極管を示す図である。
【図2】本発明の第1実施例による陰極を示す図であ
る。
【図3】本発明の第2実施例による陰極を示す図であ
る。
【図4】先行技術による陰極によって放出される電子の
軌跡を示す図である。
【図5】本発明による陰極によって放出される電子の軌
跡を示す図である。
【符号の説明】
1 陰極放出被覆 2 基板 3 スカート 11 非放出領域 12 放出領域 K’ 陰極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ジャン−リュク リコー フランス国 21000 ディジョン リュ・ シャルル・デュモン 36 (72)発明者 ジェラール プルードン フランス国 21800 シェビニー・サン・ ソヴール リュ・ニセフォール・ニエプス 7 Fターム(参考) 5C031 DD09

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一若しくはそれ以上のアルカリ土類酸化
    物をベースとした多孔質の陰極放出被覆(1)を支持す
    る基板(2)を含み、いわゆる放出領域(12)及び非
    放出周囲領域(11)を含む電子銃用の酸化物陰極であ
    って、 放出領域(12)における前記被覆の平均密度は、非放
    出領域(11)における同被覆の平均密度より大きく、 放出領域(12)における前記被覆の平均厚さは、非放
    出領域(11)における同被覆の平均厚さより小さい、
    酸化物陰極。
  2. 【請求項2】 放出領域(12)は、厚さが、非放出領
    域(11)における平均厚さより少なくとも10%小さ
    く、且つ、密度が、非放出領域(11)における平均密
    度より少なくとも10%大きい部分を含む、請求項1記
    載の酸化物陰極。
  3. 【請求項3】 放出領域(12)の前記部分は、放出領
    域(12)の中央部を含む、請求項2記載の酸化物陰
    極。
  4. 【請求項4】 放出領域(12)の外面は、凹状であ
    り、基板(2)と陰極放出被覆(1)との間の境界面は
    平面である、請求項1乃至3の何れか1項記載の酸化物
    陰極。
  5. 【請求項5】 前記凹部は、球形である、請求項4記載
    の酸化物陰極。
  6. 【請求項6】 基板(2)と陰極放出被覆(1)との間
    の境界面が、凸状であり、陰極放出被覆(1)の外面
    は、略平面である、請求項1乃至3の何れか1項記載の
    酸化物陰極。
  7. 【請求項7】 前記陰極放出被覆の厚さは、全ての点で
    30μmから90μmの範囲内である、請求項1乃至6
    の何れか1項記載の酸化物陰極。
  8. 【請求項8】 前記放出領域と前記非放出領域との間の
    前記被覆の平均密度の差は、0.1g/cm以上であ
    り、 前記放出領域における最大厚さと前記非放出領域におけ
    る最小厚さとの差は、20μm以上である、請求項7記
    載の酸化物陰極。
  9. 【請求項9】 前記基板(2)の厚さは、一定である、
    請求項1乃至8の何れか1項記載の酸化物陰極。
  10. 【請求項10】 少なくとも1つの電子ビームを形成す
    るのに適した電子銃の三極管であって、形成すべきビー
    ム毎に1つの陰極Kと、各陰極に対向する穴(52)に
    よって貫通された第1の電極若しくは“ウェーネル”
    (G1)と、各ビームの電子の経路のために前記ウェー
    ネル(G1)の各穴に対向する穴によって貫通された第
    2の電極(G2)とを含み、 各陰極は、請求項1乃至9の何れか1項記載の酸化物陰
    極である、三極管。
  11. 【請求項11】 各陰極において、前記放出領域(1
    2)は、前記電極(G1)の穴(52)に対向する領域
    に対応し、前記周囲領域(11)は、前記放出領域(1
    2)以外の全体の陰極放出被覆(1)に対応する、請求
    項10記載の三極管。
  12. 【請求項12】 請求項1乃至9の何れか1項記載の陰
    極、若しくは、請求項10又は11記載の三極管を、電
    子源として含む電子銃。
  13. 【請求項13】 請求項12記載の電子銃を少なくとも
    1つ含む、陰極線管。
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