JPH1126010A - 陰極エンベロープ方式鉛蓄電池およびその製造方法 - Google Patents

陰極エンベロープ方式鉛蓄電池およびその製造方法

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JPH1126010A
JPH1126010A JP9172372A JP17237297A JPH1126010A JP H1126010 A JPH1126010 A JP H1126010A JP 9172372 A JP9172372 A JP 9172372A JP 17237297 A JP17237297 A JP 17237297A JP H1126010 A JPH1126010 A JP H1126010A
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Akio Tanaka
昭雄 田中
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 陰極極を袋状のセパレーター内に収容した場
合に、電解液の拡散が速く、鉛蓄電池の充電により生成
される濃硫酸がセパレーター内に停滞する弊害のない陰
極エンベロープ方式鉛蓄電池を提供する。 【解決手段】 陰極板を袋状のセパレーターによりエン
ベロープしてなる陰極エンベロープ方式鉛蓄電池におい
て、前記袋状のセパレータが、上端部と、側端部の一部
または数ヵ所とが開放されてなることを特徴とする陰極
エンベロープ方式鉛蓄電池。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、二酸化鉛を陽極活
物質、海綿状鉛を陰極活物質とした極板を用い、希硫酸
を電解液とする鉛蓄電池において、特に陰極板を袋状の
セパレーターによりエンベロープしてなる陰極エンベロ
ープ方式鉛蓄電池およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、鉛蓄電池の製造方法では、陽極板
と陰極板のショートを防ぐと共に電解液の流通を妨げず
電池反応を円滑に行なうために、両極板間に耐酸性、耐
酸化性の多孔質のセパレーターを介して組み立ててい
る。こうした鉛蓄電池では、充放電を繰り返すと陽極活
物質が次第に微細化して格子より脱落し、蓄電池電槽の
底部に堆積し、対立する陰極板の下部と短絡して寿命と
なる。したがって、この脱落ショートを防止することが
鉛蓄電池寿命延長の一つの解決手段といえる。
【0003】上記解決手段の一つとして、最近では、多
孔質のセパレーターに柔軟性で超音波や熱シールが可能
な微孔性のポリエチレンセパレーターを用いて陽極板ま
たは陰極板をエンベロープする方法が開発され、世界各
国で採用されている。このエンベロープ方法には、2通
りの方法がある。1つは、陽極板をエンベロープするも
のであり、もう1つは、陰極板をエンベロープするもの
とがある。
【0004】このうち、陽極板をエンベロープした例と
して、図2は、従来のエンベロープ方式鉛蓄電池の一実
施態様として、陽極板を袋状のセパレーターによりエン
ベロープした様子を表した図面であって、図2Aに、そ
の正面図(一部欠裁図面)を、図2Bにその左側面図
を、それぞれ示す。図2に示すように、極板ラグ21を
もつ陽極板22は、柔軟性で融着が可能で、耐酸化性が
非常に良いとされているポリエチレン製等の多孔質のセ
パレータ材料を用いて形成された、上端部側が開放さ
れ、両側端部に融着部分23を持つてなる袋状のセパレ
ーター24の内部に収納され、該陽極板22の陽極活物
質部分が完全にエンベロープされている。そして、極板
ラグ21の上部のみが、該セパレータ24上端部より外
部に出るように形成されてなるである。こうした陽極板
22を袋状のセパレーター24によりエンベロープする
方法としては、上記ポリエチレン製等の多孔質のセパレ
ーター材料を二つ折りして、その両側端部の上部から下
部に至る全体を熱等により融着することで融着部分23
を形成して袋状のセパレータ24を作り、陽極板22を
該袋状のセパレータ24内に上端開口部より挿入する方
法などが用いられている。
【0005】このように、陽極板をエンベロープするこ
とにより、脱落した陽極活物質が袋状のセパレータより
外部に漏れ出ることを防止し、陰極板と短絡しないよう
にする、いわゆる陽極エンベロープ方式が試みられてい
る。
【0006】しかしながら、上記ポリエチレン製等の多
孔質のセパレーター材料であっても陽極活物質の酸化力
には耐えられず、袋状のセパレータの底部に堆積する陽
極活物質により浸蝕され、ついには酸化腐食されて孔が
あき、漏出した陽極活物質と陰極板底部とが短絡し短寿
命となる。
【0007】上記陽極エンベロープ方式における課題の
解決手段として、陰極板をエンベロープする、いわゆる
陰極エンベロープ方式がある。これは、上記ポリエチレ
ン製等の多孔質のセパレーター材料のような有機物を酸
化することのない陰極板を、該ポリエチレン製等の多孔
質のセパレーター材料を用いて作った袋状のセパレータ
ーによりエンベロープして、たとえ陽極活物質が脱落し
て蓄電池電槽底部に堆積しても陰極板と接触することを
阻止し、両極板のショートを防止する方式であり、すで
に、一部の鉛蓄電池には採用されている。
【0008】しかしながら、上記陰極エンベロープ方式
の場合には、鉛蓄電池の陰極極をポリエチレン製等の多
孔質のセパレーター材料のように非常に微細な孔径を有
する材料で作った袋状のセパレーター内に収容した場合
には、電解液の拡散が非常に遅く、鉛蓄電池の充電によ
り生成される濃硫酸がセパレーター内に停滞する弊害が
指摘されている。
【0009】すなわち、陽極板は放電により水を生成す
るため、陽極板をエンベロープする陽極エンベロープ方
式の場合には、充電により濃硫酸は袋状のセパレーター
内に停滞している生成水により直ちに希釈されること、
および陽極活物質である二酸化鉛は硫酸との反応が緩慢
であるため、大きな影響を受けることはない。
【0010】一方、陰極板をエンベロープする陰極エン
ベロープ方式の場合は、陰極板は放電により水を生成し
ないために希釈されることがなく、生成した硫酸は袋状
のセパレーター内で次第に濃度が上昇し濃硫酸となるた
め、陰極活物質である純鉛は化学的に濃硫酸と容易に反
応して、不可逆性の硫酸鉛を生じて不活性化し、活物質
として作用しなくなってしまう。
【0011】このような化学反応は、温度が高いほど反
応速度が早く、高温使用条件では蓄電池が早期に寿命が
尽きることとなり問題となっている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】よって、本発明の目的
は、前述したように陰極板をエンベロープする場合の問
題点を解決してなる陰極エンベロープ方式鉛蓄電池およ
びその製造方法を提供するものである。
【0013】また、本発明の目的は、陰極極を袋状のセ
パレーター内に収容した場合に、電解液の拡散が速く、
鉛蓄電池の充電により生成される濃硫酸がセパレーター
内に停滞する弊害のない陰極エンベロープ方式鉛蓄電池
およびその製造方法を提供するものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
陰極板をエンベロープする場合の問題点を解決すべく鋭
意検討した結果、本発明を完成するに至ったものであ
る。
【0015】すなわち、本発明の目的は、下記(1)〜
(6)により達成される。
【0016】(1) 陰極板を袋状のセパレーターによ
りエンベロープしてなる陰極エンベロープ方式鉛蓄電池
において、前記袋状のセパレータが、電解液が該セパレ
ータ内に停滞せず速やかに拡散できる形態であることを
特徴とする陰極エンベロープ方式鉛蓄電池。
【0017】(2) 陰極板を袋状のセパレーターによ
りエンベロープしてなる陰極エンベロープ方式鉛蓄電池
において、前記袋状のセパレータが、上端部と、側端部
の一部または数ヵ所とが開放されてなることを特徴とす
る陰極エンベロープ方式鉛蓄電池。
【0018】(3) 前記袋状のセパレータ両側端部に
おいて、蓄電池電槽底部に脱落して堆積する陽極活物質
が接触する下端部位には、開放された部分を持たないこ
とを特徴とする上記(1)または(2)に記載の陰極エ
ンベロープ方式鉛蓄電池。
【0019】(4) 陰極板を袋状のセパレーターによ
りエンベロープしてなる陰極エンベロープ方式鉛蓄電池
の製造方法において、前記陰極板を、上端部と、側端部
の一部または数ヵ所とが開放されてなる袋状のセパレー
ター内に挿入してエンベロープすることを特徴とする陰
極エンベロープ方式鉛蓄電池の製造方法。
【0020】(5) 陰極板を袋状のセパレーターによ
りエンベロープしてなる陰極エンベロープ方式鉛蓄電池
の製造方法において、セパレータ材料を二つ折りにし、
前記陰極板を、極板ラグ側とは反対側を該セパレータ材
料の折り目側にして挟み、該陰極板を挟んで対向する該
セパレータ材料の側端部同士の一部または数ヵ所を接着
して袋状のセパレーターを形成し、該陰極板を該袋状の
セパレーターでエンベロープすることを特徴とする陰極
エンベロープ方式鉛蓄電池の製造方法。
【0021】(6) 前記袋状のセパレータ両側端部に
おいて、蓄電池電槽底部に脱落して堆積する陽極活物質
が接触する下端部位には、開放された部分を持たないこ
とを特徴とする上記(4)または(5)に記載の陰極エ
ンベロープ方式鉛蓄電池の製造方法。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るエンベロープ
方式鉛蓄電池の実施の形態を図面を参照しながら説明す
る。
【0023】図1は、本発明に係るエンベロープ方式鉛
蓄電池の一実施態様として、陰極板を袋状のセパレータ
ーによりエンベロープした様子を表した図面であって、
図1Aにその正面図(一部欠裁図面)を、図1Bにその
左側面図を、それぞれ示す。図1に示すように、極板ラ
グ11をもつ陰極板12が、柔軟性で融着が可能で耐酸
化性に優れたポリエチレン製等の多孔質のセパレータ材
料を用いて作られた袋状のセパレーター14の内部に収
納され、該陰極板12の陰極活物質部分が完全にエンベ
ロープされている。そして、上記袋状のセパレーター1
4の上端部と、両側端部の3ヵ所とが開放されている。
さらに該両側端部の開放された部分は、電池電槽底部に
脱落して堆積する陽極活物質が接触し得る下端部位にこ
ないように設けられている。また、極板ラグ11の上部
が、該セパレータ14上端部より外部に出た構造となっ
ている。
【0024】図1に示すごとき構成とすることにより、
袋状のセパレータの側端部の開放された部分を介して、
電解液が自由に循環・拡散できる。かくすることによ
り、鉛蓄電池が充電により陰極板近傍に生成した硫酸
は、容易に循環・拡散し濃硫酸化することがない。した
がって陰極活物質は高温使用条件でも不活性化せず、エ
ンベロープ方式の鉛蓄電池の長寿命化が可能となる。
【0025】なお、本発明に係るエンベロープ方式鉛蓄
電池では、上記陰極板を袋状のセパレーターによりエン
ベロープした構造体を用いて組み立てられていることに
その特徴を有するものであり、鉛蓄電池の他のの構成要
件に関しては、特に制限されるものではなく、従来既知
の構成部材等を適当に組み合わせて用いることができ
る。したがって、例えば、構成部材の1つであるセパレ
ータに、上述のように陰極板をエンベロープする、側端
部部分シール方式の袋状のセパレーターを採用するほか
に、さらにガラスマットなどを併用してもよく、こうし
た構成を有する鉛蓄電池も本発明の技術的範囲に属する
ことは言うまでもない。
【0026】以下、本発明の主要構成部である上記陰極
板を袋状のセパレーターによりエンベロープした構造体
につき説明する。
【0027】本発明に用いることのできる多孔質のセパ
レータ材料としては、耐酸化性に優れ陰極活物質に対し
て安定であれば特に制限されるものではないが、好まし
くは、柔軟性を有し作業性、加工性、成形性等に優れ、
また接着性、特に融着による接着性を有し加工性に優れ
他ものが好ましく、例えば、ポリエチレン等の原料を用
いて成形加工した多孔質のセパレータ材料が挙げられ
る。
【0028】また、本発明の袋状のセパレーターは、上
端部と、電解液が自由に循環・拡散できるように少なく
とも側端部の一部または数カ所とが開放されていればよ
いが、好ましくは、該両側端部の開放された部分は、充
放電サイクルを繰り返した場合であっても、決して電池
電槽底部に脱落して堆積した陽極活物質が接触しセパレ
ータ内部に侵入し得るおそれのある下端部には来ない位
置に設けられていることが望ましい。また、袋状のセパ
レーターの両側端部の開放部分とシール部分(非開放
部)との間隔は特に制限されるものでないが、図1Aに
示すように、電解液が自由に循環・拡散できるように可
能な限り開放部分を多く設け、シール部分は該シール部
分は少なく抑えることが望ましく、該シール部分は袋状
の状態を保持し得るに必要最低限の強度を持たせること
ができればよい。また、両者をバランス良く適当な間隔
をあけて設けることが好ましい。
【0029】次に、本発明に係るエンベロープ方式鉛蓄
電池の製造方法の一実施態様として、図1に示す陰極板
を袋状のセパレーターによりエンベロープした構造体を
製造する方法につき説明する。
【0030】陰極板を袋状のセパレーターによりエンベ
ロープした構造体を製造する方法としては、例えば、上
記ポリエチレン製等の多孔質のセパレーター材料を二つ
折りして、図1Aに示すように、その両側端部の4カ所
を超音波、熱またはメカニカルシールのいずれかの方法
により融着することで融着部分13を形成して、上端部
と、側端部の3ヵ所とが開放されてなる袋状のセパレー
タ14を作り、陽極板22を該袋状のセパレータ14内
に上端開口部より挿入して陰極板12をエンベロープし
た構造体を製造する方法が例示できる。
【0031】さらに、上記ポリエチレン製等の多孔質の
セパレータ材料を二つ折りにし、陰極板12を、極板ラ
グ11側とは反対側(下部側)を該セパレータ材料の折
り目側にして該材料の中央に挟み込み、該陰極板12を
挟んで対向する該セパレータ材料の両側端部の全体を融
着することなく部分的にシールすべく、図1Aに示す4
ヵ所を超音波、熱またはメカニカルシールのいずれかの
方法で融着することで融着部分13を形成して、上端部
と、側端部の3ヵ所とが開放されてなる袋状のセパレー
ター14を形成すると同時に、該陰極板12を該袋状の
セパレーター14内に収容し、陰極板12をエンベロー
プした構造体を製造する方法も例示できる。
【0032】後者においては、ロール状のポリエチレン
製等の多孔質のセパレーター材料をライン上に巻戻しな
がら、連続的に該セパレーター材料を二つ折りにした内
側に陰極板12を挟み込み、超音波、熱またはメカニカ
ルシール方法で、図1に示すごとく、両側端部を部分的
に融着することで融着部分13を形成して、上端部と、
側端部の3ヵ所とが開放されてなる袋状のセパレーター
14を形成すると同時に、該陰極板12を該袋状のセパ
レーター14内に収容し、陰極板12をエンベロープし
た構造体を製造する方法なども例示できる。このように
本発明の製造方法は、これらに限定されるものではな
い。
【0033】なお、本発明に係るエンベロープ方式鉛蓄
電池の製造方法では、上述の如くして組み立てられた陰
極板を袋状のセパレーターによりエンベロープした構造
体を用いて電池全体を組み立てることにその特徴を有す
るものであり、上記構造体を組み立てる方法以外の鉛蓄
電池の他の製造工程に関しては、特に制限されるもので
はなく、従来既知の構成部材や製造設備等を適当に用い
て、従来既知の方法、手段を利用して製造することがで
きる。
【0034】以下、本発明の主要構成部である上記陰極
板を袋状のセパレーターによりエンベロープした構造体
を製造する方法につき説明する。
【0035】袋状のセパレータを作る場合に、上述した
ようにセパレータ材料を二つ折りにして用いる以外に
も、2枚のセパレータ材料を用いて、各底端部側の全体
および両側端部の少なくとも1部をシールするなどして
袋状物を形成してもよし、ロールに巻かれたセパレータ
材料を裁断すると同時に各端部のシール部分を接着して
もよいし、一体成形技術により直接袋状物を形成し、そ
の後必用に応じて開放部を設けてもよい等、袋状物の製
法に関する従来既知の製造技術を利用して形成すること
ができる。
【0036】また、袋状のセパレータを作る場合に、側
端部の少なくとも1部に開放された部分を設ける場合、
上述の如く、開放部以外を融着してシール部分を形成し
てもよいし、これとは逆に、全体をまず接着した後に、
切り欠きなどを入れて当該部分を切り放して開放部を設
けてもよい。
【0037】さらに、袋状のセパレータを作る場合に、
上記セパレータ材料をシールする場合には、超音波、熱
またはメカニカルシールのいずれかの方法で融着しても
よいほか、他の接着方法、例えば、電解液等に対し耐薬
品性を有する様な接着剤で貼り合わせてもよいし、セパ
レータ材料と同じ材質の糸状物や帯状物で縫合してもよ
いなど、従来既知の接着技術を利用してシールすること
ができる。
【0038】また、陰極板を袋状のセパレーターにより
エンベロープした構造体を製造する手順(工程)も、上
述したように、セパレータ材料から袋状のセパレータを
作る過程で陰極板を挟み込んでおいてもよいし、セパレ
ータ材料から袋状のセパレータを作った後に、陰極板を
セパレータに挿入してもよい。製造過程で活物質の脱落
を起こさないようにする観点からは、後者の方法が好ま
しいが、作業性の機械化(自動化)を図る観点からは前
者が好ましい。
【0039】
【実施例】以下、本発明に関し、実施例を挙げてより詳
細に説明する。
【0040】実施例1 二酸化鉛を陽極活物質、海綿状鉛を陰極活物質とした極
板を用い、図1を用いて説明してなる、陰極板を袋状の
セパレータによりエンベロープした構造体の製造方法を
用いて該構造体を形成し、希硫酸を電解液とする、JI
Sに規定する36B20Rタイプの寿命試験用鉛蓄電池
(本発明品)を形成した。
【0041】本発明品の試験用鉛蓄電池を用いて、JI
Sによる寿命試験を行なった。得られた結果を、表1に
示す。なお、本来JISの寿命試験は周辺温度40℃で
行なうものであるが、この試験では、高温使用条件を加
味した65℃のものも同時に比較試験した。
【0042】比較例1 二酸化鉛を陽極活物質、海綿状鉛を陰極活物質とした極
板を用い、図2を用いて説明してなる、陽極板を袋状の
セパレータによりエンベロープした構造体の製造方法を
用いて該構造体を形成し、希硫酸を電解液とする、JI
Sに規定する36B20Rタイプの寿命試験用鉛蓄電池
(陽極シール方式の従来品)を形成した。
【0043】陽極シール方式の従来品の試験用鉛蓄電池
を用いて、JISによる寿命試験を行なった。得られた
結果を、表1に示す。なお、本来JISの寿命試験は周
辺温度40℃で行なうものであるが、この試験では、高
温使用条件を加味した65℃のものも同時に比較試験し
た。
【0044】比較例2 二酸化鉛を陽極活物質、海綿状鉛を陰極活物質とした極
板を用い、図2を用いて説明したと同様にして、陰極板
を袋状のセパレータによりエンベロープした構造体の製
造方法を用いて該構造体を形成し、希硫酸を電解液とす
る、JISに規定する36B20Rタイプの寿命試験用
鉛蓄電池(陰極シール方式の従来品)を形成した。
【0045】陰極シール方式の従来品の試験用鉛蓄電池
を用いて、JISによる寿命試験を行なった。得られた
結果を、表1に示す。なお、本来JISの寿命試験は周
辺温度40℃で行なうものであるが、この試験では、高
温使用条件を加味した65℃のものも同時に比較試験し
た。
【0046】
【表1】
【0047】上記表1に示すごとく、本発明の陰極板を
袋状のセパレータによりエンベロープした構造体を用い
た鉛蓄電池の寿命は、40℃、65℃のいずれの試験に
おいても優れた寿命回数であり、特に65℃の高温試験
においては、はるかに優れた結果を示し、本発明品の陰
極板を、上端部と、両側端部の一部(3ヵ所)とが開放
されてなる袋状のセパレータによりエンベロープした構
造体を用いた鉛蓄電池が長寿命とする効果の大きいこと
を示している。
【0048】
【発明の効果】本発明の陰極板を袋状のセパレータによ
りエンベロープしてなる陰極エンベロープ方式鉛蓄電池
では、前記袋状のセパレータの上端部と、側端部の一部
または数ヵ所とを開放されていることにより、該開放さ
れた部分より電解液が自由に循環・拡散できるため、鉛
蓄電池が充電により陰極板近傍に生成した硫酸は容易に
循環拡散し濃硫酸化することがなく、したがって陰極活
物質は高温使用条件でも不活性化せず、エンベロープ方
式の鉛蓄電池の長寿命化が可能となる。よって、従来
の、陽極板または陰極板を、両側端部の全体が融着等に
よりシールされている袋状のセパレータによりエンベロ
ープされてなる陽極エンベロープ、または陰極エンベロ
ープ極板を採用して組み立てられた鉛蓄電池に比べて、
はるかに長寿命となり、特に高温条件で使用する鉛蓄電
池ではその効果が顕著である。
【0049】また、本発明の陰極板を袋状のセパレータ
によりエンベロープしてなる陰極エンベロープ方式鉛蓄
電池の製造方法では、前記陰極板を、上端部と、側端部
の一部または数ヵ所とが開放されてなる袋状のセパレー
ター内に挿入してエンベロープするにせよ、あるいはセ
パレータ材料を二つ折りにし、前記陰極板を、極板ラグ
側とは反対側を該セパレータ材料の折り目側にして挟
み、該陰極板を挟んで対向する該セパレータ材料の側端
部同士の一部または数ヵ所を接着して袋状のセパレータ
ーを形成し、該陰極板を該袋状のセパレーターでエンベ
ロープするにせよ、陰極板をエンベロープする製造過程
において、従来の製造工程を変えることなく、上記融着
(シール)工程における融着装置の融着を行う位置設定
を変更するなどにより、本発明の製造方法に対応するこ
とができるため、その一部改良が簡単にでき、容易に達
成可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るエンベロープ方式鉛蓄電池の一
実施態様として、陰極板を袋状のセパレーターによりエ
ンベロープした様子を表した図面であって、図1Aにそ
の正面図(一部欠裁図面)を、図1Bにその左側面図
を、それぞれ示す。
【図2】 従来のエンベロープ方式鉛蓄電池の一実施態
様として、陽極板を袋状のセパレーターによりエンベロ
ープした様子を表した図面であって、図2Aに、その正
面図(一部欠裁図面)を、図2Bにその左側面図を、そ
れぞれ示す。
【符号の説明】
11、21…極板のラグ、12、22…エンベロープさ
れた陽極板または陰極板、13、23…超音波、熱また
はメカニカルに融着した融着部分、14、24…袋状の
セパレータ。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 陰極板を袋状のセパレーターによりエン
    ベロープしてなる陰極エンベロープ方式鉛蓄電池におい
    て、 前記袋状のセパレータが、電解液が該セパレータ内に停
    滞せず速やかに拡散できる形態であることを特徴とする
    陰極エンベロープ方式鉛蓄電池。
  2. 【請求項2】 陰極板を袋状のセパレーターによりエン
    ベロープしてなる陰極エンベロープ方式鉛蓄電池におい
    て、 前記袋状のセパレータが、上端部と、側端部の一部また
    は数ヵ所とが開放されてなることを特徴とする陰極エン
    ベロープ方式鉛蓄電池。
  3. 【請求項3】 前記袋状のセパレータ両側端部におい
    て、蓄電池電槽底部に脱落して堆積する陽極活物質が接
    触する下端部位には、開放された部分を持たないことを
    特徴とする請求項1または2に記載の陰極エンベロープ
    方式鉛蓄電池。
  4. 【請求項4】 陰極板を袋状のセパレーターによりエン
    ベロープしてなる陰極エンベロープ方式鉛蓄電池の製造
    方法において、 前記陰極板を、上端部と、側端部の一部または数ヵ所と
    が開放されてなる袋状のセパレーター内に挿入してエン
    ベロープすることを特徴とする陰極エンベロープ方式鉛
    蓄電池の製造方法。
  5. 【請求項5】 陰極板を袋状のセパレーターによりエン
    ベロープしてなる陰極エンベロープ方式鉛蓄電池の製造
    方法において、 セパレータ材料を二つ折りにし、前記陰極板を、極板ラ
    グ側とは反対側を該セパレータ材料の折り目側にして挟
    み、 該陰極板を挟んで対向する該セパレータ材料の側端部同
    士の一部または数ヵ所を接着して袋状のセパレーターを
    形成し、 該陰極板を該袋状のセパレーターでエンベロープするこ
    とを特徴とする陰極エンベロープ方式鉛蓄電池の製造方
    法。
  6. 【請求項6】 前記袋状のセパレータ両側端部におい
    て、蓄電池電槽底部に脱落して堆積する陽極活物質が接
    触する下端部位には、開放された部分を持たないことを
    特徴とする請求項4または5に記載の陰極エンベロープ
    方式鉛蓄電池の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR20010038135A (ko) * 1999-10-22 2001-05-15 김순택 원통형 이차 전지
JP2003272594A (ja) * 2002-03-13 2003-09-26 Kawasaki Heavy Ind Ltd 袋状セパレータを用いた電池並びに電池用袋状セパレータ及びその製造方法
CN113644381A (zh) * 2015-08-13 2021-11-12 达拉米克有限责任公司 改进的平板电池隔板、改进的电池和相关方法

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