JPH11258806A - ポジ型感光性組成物 - Google Patents

ポジ型感光性組成物

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JPH11258806A
JPH11258806A JP10061479A JP6147998A JPH11258806A JP H11258806 A JPH11258806 A JP H11258806A JP 10061479 A JP10061479 A JP 10061479A JP 6147998 A JP6147998 A JP 6147998A JP H11258806 A JPH11258806 A JP H11258806A
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JP
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acid
alkyl group
photosensitive composition
positive photosensitive
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JP10061479A
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English (en)
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Yasumasa Kawabe
保雅 河辺
Kenichiro Sato
健一郎 佐藤
Toshiaki Aoso
利明 青合
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Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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  • Phenolic Resins Or Amino Resins (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Materials For Photolithography (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポジ型感光性組成物において、深紫外線、特
にArFエキシマレーザー光に対して高い感度を有し、
解像力、レジストプロファイルが優れるとともに、十分
なドライエッチング耐性を備え、かつクラックの発生や
基板からの剥離が起こらないレジストパターンを形成す
ることが可能で、且つ標準現像液(2.38%TMAH
水溶液)適性を備えること。 【解決手段】 活性光線または放射線の照射により酸を
発生する化合物及び特定の構造の2価の多環型の脂環式
単位を重合体の主鎖に有する樹脂を含有するポジ型感光
性組成物

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、IC等の半導体製
造工程、液晶、サーマルヘッド等の回路基板の製造、さ
らにその他のフォトファブリケーション工程に使用され
るポジ型感光性組成物に関するものである。更に詳しく
は遠紫外線、X線、電子線等の短波長の光エネルギー線
を用いる半導体素子の微細加工に好適に用いられるポジ
型感光性組成物に関するものであり、特にArFエキシ
マレーザを用いる半導体素子の微細加工に好適に用いら
れるポジ型感光性組成物である。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体集積回路は高集積化が進
み、LSIやVLSIが実用化されるとともに集積回路
の最小パターン幅はサブハーフミクロンの領域に至り、
さらに微細化が進んでいる。そのため、微細パターン形
成のためのフォトリソグラフィ技術に対する要求がます
ます厳しくなっている。パターンの微細化を図る手段の
一つとして、レジストのパターン形成の際に使用される
露光光の短波長化が知られている。例えば64Mビット
までの集積度のDRAMの製造には、現在まで、高圧水
銀灯のi線(365nm)が光源として使用されてきた。25
6MビットDRAMの量産プロセスには、i線に変わり
KrFエキシマレーザー(248nm)が露光光源として実用
化され、更に1Gビット以上の集積度を持つDRAMの
製造を目的として、より短波長の光源が検討されてい
る。そのような短波長の光源としては、ArFエキシマ
レーザー(193nm)、F2 エキシマレーザー(15
7nm)、X線、電子線の利用が有効であると考えられ
ている(上野巧ら、「短波長フォトレジスト材料−UL
SIに向けた微細加工−」、ぶんしん出版、1988年)。
【0003】特にArFエキシマレーザーが次世代の露
光技術として位置づけられ、ArFエキシマレーザ露光
用の高感度、高解像力、且つドライエッチング耐性に優
れたレジストの開発が望まれている。従来のi線及びK
rFエキシマレーザー露光用のレジスト材料としては、
高いドライエッチ耐性を得るために、芳香族ポリマーを
含有するレジストが広く用いられており、例えばノボラ
ック樹脂系レジストあるいはポリビニルフェノール系の
化学増幅型レジストが知られている。しかしながら、ド
ライエッチング耐性を付与する目的で導入された芳香環
はArFエキシマレーザー光の波長域でほとんど光を通
さないために、レジスト膜の底部にまで露光することが
困難であり、従来のレジストでは断面形状の良好なパタ
ーンが得られなかった。
【0004】レジストの透明性の問題点の解決策の一つ
として芳香環を全く含まない脂肪族ポリマー、例えばポ
リメチルメタクリレートを用いればよいことが知られて
いる(J.Vac.Sci. Technol.,B9,3357(1991))。しかしな
がら、このようなポリマーは、十分なドライエッチング
耐性が望めないことから実用できない。このようにAr
Fエキシマレーザー露光用のレジスト材料の開発に当た
っては、透明性の向上と高いドライエッチング耐性を両
立させることが最大の課題とされている。そこで、芳香
環の代わりに脂環式炭化水素基を含有するレジストが芳
香族基と同様の耐ドライエッチング耐性を示し、且つ1
93nmの吸収が小さいことがProc. SPIE, 1672,66(1
992)で報告され、近年同ポリマーの利用が精力的に研究
されるようになった。
【0005】元来、脂環式炭化水素基を含有するポリマ
ーをレジストに応用する試みは古くからなされ、例えば
特開昭60-195542号、特開平1-217453号、特開平2-59751
号ではノルボルネン系のポリマーが開示されており、特
開平2-146045号には環状脂肪族炭化水素骨格と無水マレ
イン酸単位を有するアルカリ可溶性樹脂が種々開示され
ている。さらに、特開平5-80515号ではノルボルネンと
酸分解基で保護されたアクリル酸系エステルの共重合体
が開示され、特開平4-39665号、特開平5-265212号、特
開平5-80515、特開平7-234511号では側鎖にアダマンタ
ン骨格を有する共重合体が開示され、特開平7-252324
号、特開平9-221526号では、有橋環式炭化水素基を有す
る炭素数7〜12の脂肪族環式炭化水素基がポリマーの
側鎖に連結した化合物、例えば、トリシクロ[5,2,1,02.
6]デカンジメチレン基、トリシクロ[5,2,1,02.6]デカン
ジイル基、ノルボルナンジイル基、ノルボルナンジメチ
ル基、アダマンタンジイル基、が開示され、特開平7-19
9467号にはトリシクロデカニル基、ジシクロペンテニル
基、ジシクロペンテニルオキシエチル基、ノルボニル
基、シクロヘキシル基がポリマーの側鎖に連結した化合
物が開示されている。
【0006】さらに特開平9-325498号にはシクロヘキサ
ン及びイソボルニル骨格を主鎖に有する重合体が開示さ
れ、さらに特開平9-230595号、特開平9-244247号、特開
平10-10739号、WO97-33198、EP794458、EP789278号には
ジシクロオレフィン等の各種環状オレフィン類が主鎖に
導入された重合体が開示され、特開平8-82925号、同9
−230597号にはテルペノイド骨格の内、メンチル
基またはメンチル誘導体基を有する化合物が好ましいこ
とが開示されている。しかしながら、脂環式炭化水素部
位導入の弊害として系が極めて疎水的になるために従
来、レジストの現像液として幅広く用いられてきたテト
ラメチルアンモニウムヒドロキシド(以下TMAH)水
溶液での現像が困難となったり、現像中に基板からレジ
ストが剥がれてしまうなどの現象が見られる。
【0007】このようなレジストの疎水化に対応するた
め、現像液にイソプロピルアルコールなどの有機溶剤を
混ぜるなどの検討がなされ一応の成果が見られるもの
の、レジスト膜の膨潤の懸念やプロセスが煩雑になるな
ど必ずしも問題が解決されたとは言えない。レジスト自
体の改良というアプローチでは親水性基の導入により疎
水的な脂環式炭化水素部位を補うという施策も数多くな
されている。一般的にはアクリル酸やメタクリル酸とい
うカルボン酸部位を有する単量体を脂環式炭化水素基を
有する単量体と共重合させるという対応を取ってきた
が、カルボン酸の導入とともに基板密着性が向上する方
向にはあるものの、ドライエッチング耐性が劣化し、さ
らにレジストの膜べりが顕著になったりするなどの問題
が多く、上記課題の解決には至っていない。更に、特開
平7-234511号にはHEMAやアクリロニトリルの様なカ
ルボン酸基の代わりに水酸基やシアノ基を分子内に有す
る単量体を脂環式炭化水素基を有する単量体と共重合さ
せることにより現像性解決を目指したが全く不十分であ
った。
【0008】また最近ではJ.Photopolym.Sci.,Tech.,Vo
l.9,509(1996)やJ.Photopolym.Sci., Tech.,Vol.10,545
(1997)に記載されているようにメバロニックラクトン等
のラクトン構造に着目した基板密着性改善が検討されて
いる。しかし、現像性確保のためプロセスの煩雑化とな
るオーバーコート層を必要とするなど現像性が不十分で
あり、さらに基板密着性の面でも不十分である。また、
特開平8-289626号では分子内にカルボン酸基と脂環式炭
化水素部位を同時に有する単量体の検討がなされてお
り、ドライエッチング耐性と現像性、基板密着性の改良
が図られたが極端に現像液溶解性が高いことに由来した
基板密着性と標準現像液適性の欠落などの課題にぶつか
っている。
【0009】J.Photopolym.Sci.,Tech.,Vol.10,561(199
7)に記載されているようなアルコール性水酸基を有する
脂環式炭化水素単量体を共重合させることによる改良が
図られているもののまだ満足のいくレベルには達してい
ない。ノルボルネンポリマー主鎖に基板密着性付与の観
点から水酸基を導入した報告(J. Photopolym.Sci.,Tec
h.,Vol.10,529(1997),J.Photopolym.Sci.,Tech.,Vol.1
0,521(1997))がなされたが、現像性、基板密着性とも満
足のいく結果は得られなかった。このように、ArFエ
キシマレーザー光の深紫外線に対して高い透明性を有す
るとともに、高いドライエッチング耐性を備え、アルカ
リ現像液に対して均一に溶解し、且つ基板との密着性に
優れた感光性組成物は未だ得られていなかった。
【0010】
【本発明が解決しょうとする課題】本発明の目的は、か
かる問題点を鑑みてなされたものであり、深紫外線、特
にArFエキシマレーザー光に対して高い感度を有し、
解像力、レジストプロファイルが優れるとともに、十分
なドライエッチング耐性を備え、かつクラックの発生や
基板からの剥離が起こらないレジストパターンを形成す
ることが可能で、且つ標準現像液(2.38%TMAH
水溶液)適性を備えたポジ型感光性組成物を提供するも
のである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、ポジ型化
学増幅系レジスト組成物の構成材料を鋭意検討した結
果、特定の構造を構造単位として含む重合体を含有する
樹脂と光酸発生剤の組み合わせによって目的が達成され
ることを知り本発明に至った。即ち、本発明は下記構成
によって達成される。(1) (A)活性光線または放
射線の照射により酸を発生する化合物、及び(B)下記
一般式(I)または一般式(II)で表される多環型の脂
環式単位を有する樹脂を含有することを特徴とするポジ
型感光性組成物。
【0012】
【化3】
【0013】(上記式におけるXは、酸素原子、硫黄原
子、−NH−、−NHSO2 −、−NH−SO2 −NH
−から選ばれる2価の結合基を表す。R1 は、水素原
子、アルキル基、置換アルキル基、環状アルキル基、置
換環状アルキル基、酸の作用により分解する基または−
Y−R2 を表す。Yは、単結合、アルキレン基、置換ア
ルキレン基、エーテル基、カルボニル基、エステル基、
アミド基、スルホンアミド基から選択される単独あるい
は2つ以上の基の組み合わた2価の基を表す。R2 は−
COOH、−COOR3 、水酸基、アルキル基、置換ア
ルキル基、アルコキシ基、置換アルコキシ基または、
【0014】
【化4】
【0015】を表す。R19〜R26は、各々独立に水素原
子、アルキル基又は置換アルキル基を表し、a、bは、
1又は2を表す。R3 はアルキル基、置換アルキル基、
環状アルキル基、置換環状アルキル基を表す。)
【0016】(2) 前記(B)の樹脂が、酸の作用に
より分解してアルカリ現像液中での溶解性を増大させる
基を有することを特徴とする前記(1)に記載のポジ型
感光性組成物。 (3) 酸の作用により分解しうる基を有し、アルカリ
溶解性が酸の作用により増大する、分子量が1000以
下の低分子酸分解性溶解阻止化合物を含むことを特徴と
する前記(1)に記載のポジ型感光性組成物。 (4) 露光光源として、220nm以下の波長の遠紫
外光を使用することを特徴とする前記(1)〜(3)の
いづれかに記載のポジ型感光性組成物。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明に使用する化合物に
ついて詳細に説明する。まず、本発明の(B)の樹脂に
ついて説明する。本発明はロジンに含まれる特定の樹脂
酸の重合体を基本単位として含有することを特徴とす
る。ロジンはマツ科植物に多量に含まれる不揮発成分で
あり、特異な化学構造を持ち、石油化学製品で代替しが
たい物理的性質を有し、安価かつ多量に供給し得る再生
可能な植物資源として、塗料、接着剤などの分野で使用
されている。ロジンの中には、脂肪酸、脱炭酸樹脂酸、
及び樹脂酸2量体と無水物などが含まれる。樹脂酸には
アビエチン酸(下記〔式−III 〕)、ネオアビエチン酸
(下記〔式−IV〕 )、バルストリン酸(下記〔式−
V〕)の他に、デヒドロアビエチン酸、イソピマル酸、
ビマル酸、サンダラコピマル酸、レボピマル酸などが含
まれる。
【0018】
【化5】
【0019】これらの樹脂酸の中で、アビエチン酸を原
料とした、上記一般式(I)又は一般式(II)で表され
る2価の多環型の脂環式単位を有する重合体が、本発明
の課題を解決するのに有効であることを見いだし本発明
を完成させるに至った。但し、本発明はアビエチン酸が
主体であれば良く、その他のアビエチン類の混合物を用
いても良い。
【0020】ロジン類の重合は古くから研究され、例え
ばUSP2107336号にはルイス酸またはブレンステッド酸の
存在下で重合することが報告されているし、USP2580876
号にはスチレンとの重合体が報告されている。また、US
2311781号にはロジン−ホルムアルデヒド−無水マレイ
ン酸重合体が報告されている。また、J.Paint Tech.,Ma
y 1969にはロジンと無水マレン酸共重合体が報告されて
いる。さらにアビエチン酸と無水マレイン酸の重合体
や、ネオアビエチン酸と無水マレイン酸の重合体も報告
されている(特開平1-318025)。このように特定の樹脂
酸の重合もこれまで行われ知られている。
【0021】また、ロジンとメタクリル酸誘導体もしく
はアクリル酸誘導体とスチレン誘導体を重合させレジス
トパターンの加筆修正液としての応用も報告されている
(特開昭64-563)。
【0022】本発明は、特定の樹脂酸、すなわちアビエ
チン酸誘導体をホルムアルデヒドで重縮合した基本構造
単位(即ち、一般式(I)又は一般式(II)で示される
部分構造)として含む樹脂と、活性光線または放射線の
照射により酸を発生する化合物とを組み合わせた組成物
は、驚くべきことに上記本発明の課題がすべて克服でき
ることを見いだしたものであり、他の樹脂酸や脂環式化
合物の重合体もしくは共重合体では到底達成できなかっ
たものである。即ち、この一般式(I)又は一般式(I
I)で示される基本構造単位を含む樹脂を含む組成物
が、なぜ特異的にArFエキシマレーザー光に対して高
い感度を有し、解像力、レジストプロファイルが優れ、
極めて高いドライエッチング耐性を備え、かつクラック
の発生や基板からの剥離がまったく起こらないのかは十
分にわかっておらず、ピマル酸やネオアビエチン酸のポ
リマーではなぜか達成できなかった。
【0023】本発明におけるアビエチン類誘導体とホル
ムアルデヒドで重縮合した基本構造単位(一般式(I)
または一般式(II)で示される)を含む樹脂についてさ
らに詳細に説明する。上記一般式(I)、一般式(II)
において、R1 における酸の作用により分解する基(酸
分解性基ともいう)としては例えば、t−ブチル基、t
−アミル基などの3級アルキル基、イソボロニル基、1-
エトキシエチル基、1-ブトキシエチル基、1-イソブトキ
シエチル基、1-シクロヘキシロキシエチル基等の1-アル
コキシエチル基、1-メトキシメチル基、1-エトキシメチ
ル基等のアルコキシメチル基、テトラヒドロピラニル
基、テトラヒドロフラニル基等を挙げることができる。
【0024】R1 、R2 、R3 、R19〜R26におけるア
ルキル基としては、炭素数1〜10個の直鎖状あるいは
分岐状アルキル基が好ましく、より好ましくはメチル
基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル
基、イソブチル基、sec-ブチル基、t-ブチル基である。
【0025】R1 、R4 における環状アルキル基として
は、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキ
シル基、アダマンチル基、2−メチル−2−アダマンチ
ル基、ノルボニル基、ボロニル基、イソボロニル基、ト
リシクロデカニル基、ジシクロペンテニル基、ノボルナ
ンエポキシ基、メンチル基、イソメンチル基、ネオメン
チル基、ネオメンチル基、テトラシクロドデカニル基等
を挙げることができる。
【0026】R2 におけるアルコキシ基としては、メト
キシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等の炭
素数1〜4個のものを挙げることができる。
【0027】上記アルキル基、環状アルキル基、アルコ
キシ基における更なる置換基としては、水酸基、ハロゲ
ン原子、カルボキシル基、アルコキシ基、アシル基、シ
アノ基、アシルオキシ基等を挙げることができる。アル
コキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキ
シ基、ブトキシ基等の炭素数1〜4個のものを挙げるこ
とができ、アシル基としてはホルミル基、アセチル基等
を挙げることができ、アシルオキシ基としてはアセトキ
シ基を挙げることができる。
【0028】Yにおけるアルキレン基、置換アルキレン
基としては、下記で示される基を挙げることができる。 −〔C(Ra)(Rb)〕n− 式中、Ra、Rbは、水素原子、アルキル基、置換アル
キル基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基を表し、
両者は同一または異なっていてもよく、アルキル基とし
てはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル
基、ブチル基等の低級アルキル基が好ましく、更に好ま
しくは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピ
ル基からなる群から選択された置換基を表す。置換アル
キル基の置換基としては水酸基、ハロゲン原子、アルコ
キシ基を挙げることができる。アルコキシ基としてはメ
トキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等の
炭素数1〜4個のものを挙げることができる。nは1〜
10の整数を表す。
【0029】元来、アビエチン酸とホルマリンの反応に
よるポリマー生成に関してはこれまで数多くの報告があ
る。例えば、Angew.Makromol.Chem.213,169-179(1993)
によれば、アビエチン酸はホルマリンと反応して下記
〔式−VII 〕の縮重合体を形成することが知られてい
る。
【0030】
【化6】
【0031】本発明の樹脂は、下記〔式−VI〕で表され
る単量体、もしくはネオアビエチン酸などの他のアビエ
チン類を必要により混合し、ホルマリンと重縮合する
か、必要ならポリマー反応することにより容易に得られ
る。即ち、下記〔式−VI〕で表されるアビエチン誘導体
とホルマリンとをN2 ガス雰囲気中、酸触媒の存在下、
200℃以下、好ましくは180℃以下の温度で反応さ
せることにより得られる。反応終了後、未反応のモノマ
ーや不溶成分を除去する目的で減圧蒸留、精製を行うの
が好ましい。また〔式−VI〕とホルマリンの比率は1:
1〜1:2の範囲が好ましい。ホルマリンの比率が1:
2を越えると副生成物が増える傾向にあるので好ましく
ない。
【0032】
【化7】
【0033】(〔式−VI〕におけるX、R1 は前記一般
式(I)、一般式(II)におけるX、R1 の定義と同一
である。)
【0034】この様にして得られた本発明の樹脂は、屈
折率検知器をつけたゲル浸透クロマトグラフィで、保持
時間を分子量既知のポリスチレンと比較して測定され、
重量平均分子量が求められる。本発明で用いられる重合
体もしくは共重合体は、重量平均分子量が1500〜100000
の範囲にあることが好ましく、さらに好ましくは2000〜
70000の範囲、特に好ましくは3000〜50000の範囲であ
る。分子量が1500未満では耐ドライエッチング耐性、耐
熱性、基板との密着性が不十分であり、分子量が100000
を越えるとレジスト感度が低下するため好ましくない。
また、分散度(Mw/Mn)は好ましくは1.0〜6.
0、より好ましくは1.0〜4.0であり、小さいほど
耐熱性、画像性能(レジストプロファイル、デフォーカ
スラチチュード等)が良好となる。
【0035】本発明における樹脂中、一般式(I)又は
一般式(II)で表される繰り返し単位の含有量は、全単
量体の繰り返し単位中10モル%以上であり、好ましく
は20モル%以上、さらに好ましくは30モル%以上で
ある。また、本発明における樹脂中、酸分解性基を含有
する場合、酸分解性基を含有する繰り返し単位の含有量
は、全単量体の繰り返し単位中10〜90モル%であ
り、好ましくは15〜85モル%、更に好ましくは20
〜80モル%である。
【0036】本発明の樹脂の性能を向上させる目的で、
同樹脂の220nm以下の波長の光における透明性及び
耐ドライエッチング性を著しく損なわない範囲で、更に
他のモノマーを共縮合させても良い。使用することので
きる共縮合モノマーとしては以下に示すものが挙げられ
る。例えば、フェノール類、ナフトール類などの共縮重
合可能である化合物であればいづれも用いることができ
る。これらの共縮重合性モノマーの含有量としては、全
繰り返し単位として50モル%以下が好ましく、より好
ましくは30モル%以下である。使用する共縮重合モノ
マーは、本発明の基本の繰り返し単位に酸分解性基を含
まない場合は、共重合モノマーに酸分解性基を含むこと
が好ましい。
【0037】以下、本発明の樹脂を構成する繰り返し単
位の例(a-1)〜(a-11)を以下に示すが、本発明の内容
が決してこれらに限られるものではない。
【0038】
【化8】
【0039】
【化9】
【0040】
【化10】
【0041】本発明において、上記(B)の樹脂の感光
性組成物(溶媒は除く)中の添加量としては、全固形分
に対し50〜99.7重量%、好ましくは70〜99重量%であ
る。本発明においては、上記本発明における樹脂以外
に、必要により他のポリマーを併用することもできる。
本発明の組成物において、他のポリマーの好ましい使量
の範囲は、本発明における樹脂100重量部あたり、7
0重量部以下、特に好ましくは50重量部以下の割合で
混合できる。
【0042】また、本発明の(B)の樹脂において酸分
解性基を含む場合には、アルカリ溶解性が酸の作用によ
り増大する分子量が1000以下の低分子酸分解性溶解阻止
化合物を含んでも含まなくてもよいが、酸分解性基を含
まない場合には、該低分子酸分解性溶解阻止化合物を含
むことが好ましい。即ち、未露光部と露光部でのアルカ
リに対する溶解速度比を高め、高い解像力を得るために
は、酸の作用によりアルカリ溶解性が増大する化合物の
添加は有効である。
【0043】次に、本発明のポジ型感光性組成物におけ
る(A)の活性光線または放射線の照射により分解して
酸を発生する化合物(光酸発生剤ともいう)について説
明する。本発明で使用される光酸発生剤の例としては、
光カチオン重合の光開始剤、光ラジカル重合の光開始
剤、色素類の光消色剤、光変色剤、あるいは紫外線、遠
紫外線、KrFエキシマレーザー光、ArFエキシマレ
ーザー光、電子線、X線、分子線またはイオンビームに
より酸を発生するマイクロフォトレジストで公知の光酸
発生剤およびそれらの混合物を適宜に選択して使用する
ことができる。
【0044】これらのうち本発明において使用されるの
に好ましいものは、220nm以下の範囲の波長の光で
酸を発生する光酸発生剤であることが好ましく、なお、
本発明における(B)の樹脂との混合物が有機溶剤に十
分溶解するものであればいかなる光酸発生剤でもよい。
また、単独、もしくは2種以上を混合して用いたり、適
当な増感剤と組み合わせて用いてもよい。
【0045】使用可能な光酸発生剤の例としては、例え
ばJ.Org.Chem.Vol.43,N0.15,3055(1978)に記載のトリフ
ェニルスルホニウム塩誘導体及び特願平9-279071号に記
載の他のオニウム塩(スルホニウム塩、ヨードニウム
塩、ホスホニウム塩、ジアゾニウム塩、アンモニウム
塩)も用いることができる。オニウム塩の具体例として
は、ジフェニルヨードニウムトリフレート、ジフェニル
ヨードニウムピレンスルホネート、ジフェニルヨードニ
ウムドデシルベンゼンスルホネート、トリフェニルスル
ホニウムトリフレート、トリフェニルスルホニウムヘキ
サフルオロアンチモネート、ジフェニルヨードニウムヘ
キサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウ
ムナフタレンスルホネート、トリフェニルスルホニウム
カンファースルホニウム、(4−メトキシフェニル)フェ
ニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ビ
ス(t−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタ
ンスルホネート等を挙げることができる。
【0046】また、特開平3-103854号、特開平3-103856
号、特開平4-1210960号で表されるジアゾジスルホン類
やジアゾケトスルホン類、特開昭64-18143号、特開平2-
245756号に記載のイミノスルホネート類、特開平2-7127
0号に記載のジスルホン類も好適に用いることができ
る。更に、USP3849137号、特開昭63-26653号、特開昭62
-692 63号、特開昭63-146038号、特開昭63-163452号、
特開昭62-153853号、特開昭63-146029号等に記載の光に
より酸を発生する基をポリマーの主鎖もしくは側鎖に導
入した化合物も用いることができるし、特開平7-25846
号、特開平7-28237号、特開平7-92675号、特開平8-2712
0号記載の2-オキソシクロヘキシル基を有する脂肪族ア
ルキルスルホニウム塩類、及びN-ヒドロキシスクシンイ
ミドスルホネート類、さらにはJ.Photopolym.Sci.,Tec
h.,Vol.7,No.3,423(1994)に記載のスルホニウム塩など
も好適に用いることができ、単独でもしくは2種以上の
組み合わせで用いられる。
【0047】これらの光酸発生剤の組成物中の添加量
は、感光性組成物の全重量(塗布溶媒を除く)を基準と
して、通常0.001〜40重量%の範囲で用いられ、
好ましくは0.01〜20重量%、更に好ましくは0.
1〜5重量%の範囲で使用される。酸発生剤の添加量が
0.001重量%より少ないと感度が低くなり、また、添加量
が40重量%より多いとレジストの光吸収が高くなりす
ぎプロファイルの劣化やプロセス(特にベーク)マージ
ンが狭くなり好ましくない。
【0048】本発明で使用される酸分解性基を有し、ア
ルカリ溶解性が酸の作用により増大する、分子量が10
00以下の低分子の酸分解性溶解阻止化合物としては、
220nm以下の透過性や耐ドライエッチング性、耐熱
性を低下させない化合物が好ましい。例えば,Proc.SPI
E, 2724, 355(1996)や特開平8-15865号、US5310619
号、US5372912号に記載されているような酸分解性基を
含有するコール酸誘導体、デヒドロコール酸誘導体、デ
オキシコール酸誘導体、リトコール酸誘導体、ウルソコ
ール酸誘導体や酸分解性基を有する上記アビエチン酸誘
導体のような脂環族化合物等を好ましく用いることがで
きる。また、特開平6-51519号記載の低分子酸分解性溶
解阻止化合物も220nmの透過性を悪化させないレベ
ルの添加範囲で用いることもできるし、1,2-ナフトキノ
ンジアジト化合物も使用できる。本発明において、上記
低分子酸分解性溶解阻止化合物を使用する場合、その添
加量は感光性組成物の全重量(塗布溶媒を除く)を基準
として、通常1〜50重量%の範囲で用いられ、好まし
くは3〜40重量%、更に好ましくは5〜30重量%の
範囲で使用される。
【0049】本発明のポジ型感光性組成物には必要に応
じて、有機塩基性化合物、および現像液に対する溶解性
を促進させる化合物を含有することができる。本発明で
用いることのできる好ましい有機塩基性化合物として
は、フェノールよりも塩基性が強い化合物が挙げられ、
中でも含窒素塩基性化合物が好ましい。有機塩基性化合
物はおもに酸補足剤やレジストの経時安定性、密着性質
の向上という目的で添加される。例えば、特開昭63-149
640号、特開平5-249662号、特開平6-242605号、特開平6
-242606号、特開平6-266100号、特開平7-120929号、特
開平9-274312号、特表平7-508840号記載の塩基性化合物
が挙げられ、気化したり昇華したりしないものが好適に
用いられる。これらの中で1,5−ジアザビシクロ
〔4.3.0〕−5−ノネン(DBN)、1,8−ジア
ザビシクロ〔5.4.0〕−7−ウンデセン(DB
U)、1,4−ジアザビシクロ〔2.2.2〕オクタン
(DABCO)、4-ジメチルアミノピリジン、1-ナフチ
ルアミン、N-メチルホルムアミド、ピペリジン、ヘキサ
メチレンテトラミン、イミダゾール類が特に好適に用い
られる。
【0050】また、特開平6-242606号、特開平6-242605
号、特開平8-110635号等に記載の塩基性のアンモニウム
塩やスルホニウム塩、またはベタインなどの内部塩も用
いることができる。これらのなかでピリジニウムp-トル
エンスルホナート、2,4,6-トリメチルピリジニウムp-ト
ルエンスルホナート、テトラメチルアンモニウムp-トル
エンスルホナート、テトラブチルアンモニウムラクテー
ト等が特に好適に用いられる。これらの含窒素塩基性化
合物は、単独であるいは2種以上の組み合わせで用いら
れる。含窒素塩基性化合物の使用量は、感光性組成物
(溶媒を除く)100重量部に対し、通常、0.001
〜10重量部、好ましくは0.01〜5重量部である。
0.001重量部未満では上記含窒素塩基性化合物の添
加効果が得られない。一方、10重量部を越えると感度
の低下や非露光部の現像性が著しく悪化する傾向があ
る。
【0051】本発明で使用できる現像液に対する溶解促
進性化合物の例としては、例えば特開平3-206458号記載
のフェノール性水酸基を2個以上含有する化合物、1-ナ
フトールなどのナフトール類または、特開平3-179355
号、特開平5-181279号、特開平9-6001号、特開平9-2743
18号、US5374500号、DE4214363号記載のカルボキシル基
を1個以上有する化合物、カルボン酸無水物、特願平9-
279071号記載のスルホンアミド化合物やスルホニルイミ
ド化合物などの分子量1000以下の低分子化合物等を挙げ
ることができる。
【0052】これらの内、220nmの透過性を悪化さ
せない溶解促進性化合物が好ましく、例えばステロイド
類、ノルステロイド類、テルペノイド類が好ましく、特
にアダマンタンカルボン酸、コール酸、ノルコラン酸、
アビエチン酸、アガテンジカルボン酸が好ましい。上記
現像液に対する溶解促進性化合物の組成物中の添加量と
しては、組成物100重量部(固形分)に対して30重
量部以下が好ましく、より好ましくは20重量部以下で
ある。
【0053】本発明のポジ型感光性組成物には必要に応
じてさらにハレーション防止剤、可塑剤、界面活性剤、
光増感剤、接着助剤、架橋剤、光塩基発生剤等を含有す
ることができる。好適なハレーション防止剤としては、
照射する放射線を効率よく吸収する化合物が好ましく、
フルオレン、9−フルオレノン、ベンゾフェノンのよう
な置換ベンゼン類、アントラセン、アントラセン−9−
メタノール、アントラセン−9−カルボキシエチル、フ
ェナントレン、ペリレン、アジレンのような多環式芳香
族化合物などが挙げられ、これらの内、多環式芳香族化
合物が特に好ましい。これらのハレーション防止剤は基
板からの反射光を低減し、レジスト膜内の多重反射の影
響を少なくさせることで、定在波改良の効果を発現す
る。
【0054】露光による酸発生率を向上させる為、下記
に挙げるような光増感剤を添加することができる。好適
な光増感剤としては、具体的にはベンゾフェノン、p-p'
テトラメチルジアミノベンゾフェノン、2-クロロチオキ
サントン、アントロン、9-エトキシアントラセン、ピレ
ン、フェノチアジン、ベンジル、ベンゾフラビン、アセ
トフェノン、フェナントレン、ベンゾキノン、アントラ
キノン、1,2-ナフトキノン等であるがこれらに限定され
るものではない。これらの光増感剤は前記ハレーション
防止剤としても使用可能である。
【0055】本発明の感光性組成物は塗布性を改良した
り、現像性を改良する目的で下記界面活性剤を添加する
ことができる。このような界面活性剤の例としては、例
えばポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシ
エチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオク
チルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェ
ニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、
ポリエチレングリコールジステアレート、ポリオキシエ
チレンソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノラ
ウレート等のノニオン系界面活性剤、エフトップEF301
、EF303 (新秋田化成(株)製)、フロラードFC430
、FC431 (住友スリーエム(株)製)、メガファックF
171、F173(大日本インキ(株)製)、サーフロンS-382
、SC101 、SC102 、SC103 、SC104 、SC105 、SC106
(旭硝子(株)製)等のフッソ系界面活性剤、ポリシロ
キサンポリマーKP-341(信越化学工業(株)製)等を挙
げることができる。これらの界面活性剤の配合量は、本
発明の組成物中の固形分100重量部当たり、通常2重
量部以下、好ましくは1重量部以下の割合で添加され
る。これらの界面活性剤は単独で使用しても良いし、ま
た、いくつかの組み合わせで添加することもできる。本
発明のポジ型感光性組成物には必要に応じてさらに可塑
剤、接着助剤、架橋剤、光塩基発生剤、消泡剤等を含有
することができる。
【0056】本発明の感光性組成物は、上記各成分を溶
解する溶媒に溶解した後、通常例えば孔径0.05μm
〜0.2μm程度のフィルターで濾過することによって
溶液として調整される。ここで使用される溶媒として
は、例えばエチレングリコールモノエチルエーテルアセ
テート、シクロヘキサノン、2-ヘプタノン、プロピレン
グリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコール
モノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコール
モノメチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコ
ールモノエチルエーテルアセテート、3-メトキシプロピ
オン酸メチル、3-エトキシプロピオン酸エチル、β−メ
トキシイソ酪酸メチル、酪酸エチル、酪酸プロピル、メ
チルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸イソアミル、
乳酸エチル、トルエン、キシレン、酢酸シクロヘキシ
ル、ジアセトンアルコール、N-メチルピロリドン、N,N-
ジメチルホルムアミド、γ−ブチロラクトン、N,N-ジメ
チルアセトアミドなどが挙げられる。これらの溶媒は単
独もしくは混合して用いられる。溶媒の選択は、前記組
成物に対する溶解性や基板への塗布性、保存安定性等に
影響するため重要である。また、溶媒に含まれる水分
も、これらの性能に影響するため、少ない方が好まし
い。さらに本発明の感光性樹脂組成物は、メタル等の金
属不純物やクロルイオンなどの不純物成分を100pp
b以下に低減しておくことが好ましい。これらの不純物
が存在すると、半導体デバイスを製造する上で動作不
良、欠陥、収率低下を招いたりするので好ましくない。
【0057】上記感光性組成物を基板上にスピナー、コ
ーター等の適当な塗布方法により塗布後、プリベーク
(露光前加熱)し、所定のマスクを通して220nm以
下の波長の露光光で露光し、PEB(露光後ベーク)を
行い現像することにより良好なレジストパターンを得る
ことができる。ここで用いられる基板としては半導体装
置、その他の製造装置において通常用いられる基板であ
ればよく、例えばシリコン基板、ガラス基板、非磁性セ
ラミックス基板などが挙げられる。また、これらの基板
上にさらに必要に応じて追加の層、例えばシリコン酸化
物層、配線用金属層、層間絶縁膜、磁性膜、反射防止膜
層などが存在してもよく、また各種の配線、回路などが
作り込まれていても良い。さらにまた、これらの基板は
レジスト膜の密着性を高めるために、常法に従って疎水
化処理されていても良い。適当な疎水化処理剤として
は、例えば1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシ
ラザン(HMDS)などが挙げられる。
【0058】基板上に塗布されるレジスト膜厚は、約
0.1μm〜10μmの範囲が好ましく、ArF露光の
場合は、0.1μm〜1.5μm厚が推奨される。基板
上に塗布されたレジスト膜は、約60℃〜160℃の温
度で約30〜300秒間プリベークするのが好ましい。
プリベークの温度が低く、時間が短かければレジスト膜
中の残留溶剤が相対的に多くなり、密着性が劣化するな
どの弊害を生じるので好ましくない。また、逆にプリベ
ークの温度が高く、時間が長ければ、感光性組成物のバ
インダー、光酸発生剤などの構成成分が分解するなどの
弊害が生じるので好ましくない。
【0059】プリベーク後のレジスト膜を露光する装置
としては市販の紫外線露光装置、X線露光装置、電子ビ
ーム露光装置、KrFエキシマ露光装置、ArFエキシ
マ露光装置、F2 エキシマ露光装置等が用いられ、特に
本発明ではArFエキシマレーザーを露光光源とする装
置が好ましい。露光後ベークは酸を触媒とする保護基の
脱離を生じさせる目的や定在波を消失させる目的、光酸
発生剤などを膜中に拡散させる目的等で行われる。この
露光後ベークは先のプリベークと同様にして行うことが
できる。例えば、ベーキング温度は約60〜160℃、
好ましくは約90〜150℃である。
【0060】本発明の感光性組成物の現像液としては、
水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、
ケイ酸ナトリウム、アンモニア水等の無機アルカリ類、
エチルアミン、n-プロピルアミン等の第一アミン類、ジ
エチルアミン、ジ-n-ブチルアミン等の第2アミン類、
トリエチルアミン、メチルジエチルアミン等の第3アミ
ン類、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミ
ン等のアルコールアミン類、水酸化テトラメチルアンモ
ニウム(TMAH)、水酸化テトラエチルアンモニウム(TEA
H)、トリメチルヒドロキシメチルアンモニウムヒドロキ
シド、トリエチルヒドロキシメチルアンモニウムヒドロ
キシド、トリメチルヒドロキシエチルアンモニウムヒド
ロキシド等の第4級アンモニウム塩、ピロール、ピペリ
ジン、1,8-ジアザビシクロ-[5,4,0]-7-ウンデセン、1,5
-ジアザビシクロ-[4,3,0]-5-ノナン等の環状アミン類等
のアルカリ水溶液を使用することができる。
【0061】更に、上記アルカリ性水溶液にアルコール
類やケトン類などの親水性の有機溶剤やノニオン系や陰
イオン性界面活性剤および陽イオン性界面活性剤や消泡
剤等を適当量添加しても使用することができる。これら
の添加剤は、レジストの性能を向上させる目的以外にも
基板との密着性を高めたり、現像液の使用量を低減させ
たり、現像時の気泡に起因する欠陥を低減させる目的等
でアルカリ性水溶液に添加されることができる。
【0062】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
するが、本発明がこれにより限定されるものではない。 (合成例1)〔一般式−VII 〕の重合体の合成 還流冷却器をつけた4つ口フラスコに アビエチン酸 153g、 トルエン 38g、 ホルムアルデヒド 31.6g を仕込んた。その後N2 ガスを流しながら60℃でp-ト
ルエンスルホン酸1.9gを徐々に添加し、95℃まで昇
温させた。3時間リフラックスさせた後、130℃に昇
温し水を除去し、150℃でさらに3時間反応させた。
2 バブリングと精製により未反応のホルムアルデヒド
と溶剤、アビエチン酸を除去した。得られた樹脂をアセ
トンに溶解し、0.1μmのフィルターで濾過した減圧
下70℃で48時間乾燥した。樹脂の分別精製を行うため
に、この樹脂を80g取り、75℃のシクロヘキサン40
0gに分散させ2時間撹拌し室温に冷却し、0.1μmの
フィルターで濾過した。得られた樹脂〔一般式−VII 〕
の重合体(重合体A)のゲルパーミエーションクロマト
グラフィによる分子量は4580、分散度は2.7であ
った。
【0063】(合成例2)酸分解性低分子化合物aの合
成 コール酸122.7g(0.3モル)とチオニルクロラ
イド120mlの混合物を1時間還流した。過剰のチオ
ニルクロリドを除去し、得られた固体をテトラヒドロフ
ラン150mlに溶かし、カリウム−t−ブシトキシド
40g(0.35モル)を徐々に加え、反応混合物を6
時間還流し、冷却し次いで水中に注いだ。得られた固体
を濾過して集め、水で洗い減圧下で乾燥した。この精製
物をn-ヘキサンで再結晶し70%の収率で、コール酸−
t−ブチル(下記式−VIII)を得た。
【0064】
【化11】
【0065】 〔実施例1〕(光学濃度の測定) 合成例1で得られた重合体A 1.5g、 合成例2で得られたコール酸−t−ブチル 0.5g、 トリフェニルスルホニウムのトリフレート塩 0.1gを プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 5.0g に溶解し、0.1μmのテフロンフィルターにより濾過
した。スピンコーターにて石英基板上に均一に塗布し、
100℃で90秒間ホットプレート上で加熱乾燥を行い、
1.00μmのレジスト膜を形成させた。得られた膜の
光学吸収を紫外線分光光度計にて測定したところ、19
3nmの光学濃度は0.41であった。本発明の樹脂を
用いたレジストの光学濃度測定値は比較例1のポリ(ヒ
ドロキシスチレン)(重量平均分子量8000)の値よ
り小さく、193nm光に対し十分な透過性を有するこ
とが判った。 〔比較例1〕実施例1の重合体Aをポリ(ヒドロキシス
チレン)に置き換えた他は、実施例1と同様にしてレジ
スト膜を形成した。得られた膜の光学吸収を紫外線分光
光度計にて測定したところ、193nmの光学濃度は
1.50以上であった。
【0066】 〔実施例2〕(耐ドライエッチング性の測定) 合成例1で得られた重合体A 1.5g、 合成例2で得られたコール酸−t−ブチル 0.5g、 トリフェニルスルホニウムのトリフレート塩 0.1gを プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 6.0g に溶解し、0.1μmのテフロンフィルターにより濾過
した。スピンコーターにてシリコン基板上に均一に塗布
し、100℃で90秒間ホットプレート上で加熱乾燥を行
い、0.70μmのレジスト膜を形成させた。得られた
膜をULVAC製リアクティブイオンエッチング装置(C
SE-1110)を用いて、CF4 /O2 (8/2)のガスに対
するエッチング速度を測定したところ、エッチング速度
は790Å/min.であった。本発明の樹脂を用いたレジ
ストのエッチング速度は比較例2のポリ(メチルメタク
リレート)(重量平均分子量12000)の値より十分
小さく十分な耐ドライエッチング性を有することが判
る。
【0067】〔比較例2〕実施例2の重合体Aをポリ
(メチルメタクリレート)に置き換えた他は、実施例2
と同様にしてレジスト膜を形成し、エッチング速度を測
定した。エッチング速度は1250Å/min.であった。
【0068】 〔実施例3〕(画像評価) 合成例1で得られた重合体A 1.5g、 合成例2で得られたコール酸−t−ブチル 0.5g、 トリフェニルスルホニウムのトリフレート塩 0.1gを プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 6.5g に溶解し、0.1μmのテフロンフィルターにより濾過
した。スピンコーターにてヘキサメチルジシラザン処理
を施したシリコン基板上に均一に塗布し120℃で90秒
間ホットプレート上で加熱乾燥を行い、0.50μmの
レジスト膜を形成させた。このレジスト膜に対し、マス
クを通してArFエキシマレーザー光で露光し、露光後
直ぐに110℃で90秒間ホットプレート上で加熱した。
更に2.38%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシ
ド水溶液で23℃で60秒間現像し、30秒間純水にてリンス
した後乾燥した。
【0069】ここで得られたパターンを走査型電子顕微
鏡にて観察したところ、0.30μmのマスクパターン
を再現する露光量は35mJ/cm2 であり、限界解像
力(0.30μmのマスクパターンを再現する露光量で
の限界解像力)は0.25μmであり、矩形なプロファ
イルが形成されおり、パターンの密着性も問題なかっ
た。また、標準現像液である2.38%のテトラメチル
アンモニウムヒドロキシド水溶液で良好に現像すること
ができた。
【0070】
【発明の効果】以上示したことから明らかな様に、本発
明の樹脂を用いたポジ型感光性組成物は、特に220n
m以下の遠紫外光に対し高い透過性を有し、且つ耐ドラ
イエッチング性が良好である。特にArFエキシマレー
ザー光を露光光源とする場合、高感度、高解像力、且つ
良好なパターンプロファイルを示し、基板との密着性に
も優れる。このため半導体素子製造に必要な微細パター
ンの形成に有効に用いることが可能である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)活性光線または放射線の照射によ
    り酸を発生する化合物、及び(B)下記一般式(I)ま
    たは一般式(II)で表される多環型の脂環式単位を有す
    る樹脂を含有することを特徴とするポジ型感光性組成
    物。 【化1】 (上記式におけるXは、酸素原子、硫黄原子、−NH
    −、−NHSO2 −、−NH−SO2 −NH−から選ば
    れる2価の結合基を表す。R1 は、水素原子、アルキル
    基、置換アルキル基、環状アルキル基、置換環状アルキ
    ル基、酸の作用により分解する基または−Y−R2 を表
    す。Yは、単結合、アルキレン基、置換アルキレン基、
    エーテル基、カルボニル基、エステル基、アミド基、ス
    ルホンアミド基から選択される単独あるいは2つ以上の
    基の組み合わた2価の基を表す。R2 は−COOH、−
    COOR3 、水酸基、アルキル基、置換アルキル基、ア
    ルコキシ基、置換アルコキシ基または、 【化2】 を表す。R19〜R26は、各々独立に水素原子、アルキル
    基又は置換アルキル基を表し、a、bは、1又は2を表
    す。R3 はアルキル基、置換アルキル基、環状アルキル
    基、置換環状アルキル基を表す。)
  2. 【請求項2】 前記(B)の樹脂が、酸の作用により分
    解してアルカリ現像液中での溶解性を増大させる基を有
    することを特徴とする請求項1に記載のポジ型感光性組
    成物。
  3. 【請求項3】 酸の作用により分解しうる基を有し、ア
    ルカリ溶解性が酸の作用により増大する、分子量が10
    00以下の低分子酸分解性溶解阻止化合物を含むことを
    特徴とする請求項1に記載のポジ型感光性組成物。
  4. 【請求項4】 露光光源として、220nm以下の波長
    の遠紫外光を使用することを特徴とする請求項1〜3の
    いづれかに記載のポジ型感光性組成物。
JP10061479A 1998-03-12 1998-03-12 ポジ型感光性組成物 Pending JPH11258806A (ja)

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JP10061479A JPH11258806A (ja) 1998-03-12 1998-03-12 ポジ型感光性組成物

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JP10061479A JPH11258806A (ja) 1998-03-12 1998-03-12 ポジ型感光性組成物

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019163286A1 (ja) * 2018-02-23 2019-08-29 富士フイルム株式会社 ポジ型平版印刷版原版、及び、平版印刷版の作製方法

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WO2019163286A1 (ja) * 2018-02-23 2019-08-29 富士フイルム株式会社 ポジ型平版印刷版原版、及び、平版印刷版の作製方法

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