JPH11258799A - ネガ型感光性組成物 - Google Patents

ネガ型感光性組成物

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JPH11258799A
JPH11258799A JP10061389A JP6138998A JPH11258799A JP H11258799 A JPH11258799 A JP H11258799A JP 10061389 A JP10061389 A JP 10061389A JP 6138998 A JP6138998 A JP 6138998A JP H11258799 A JPH11258799 A JP H11258799A
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JP
Japan
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group
photosensitive composition
substituent
groups
printing plate
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JP10061389A
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English (en)
Inventor
Masakazu Takada
昌和 高田
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高い近赤外線感度を有し、保存性に優れたネガ
型平版印刷版用の版材を提供する。 【解決手段】少なくとも、アルカリ性現像液に可溶性の
ポリマーと、近赤外線吸収染料と、潜在性ブレンステッ
ド酸と、少なくとも2個以上のメチロール化アミノ基を
置換基として持つ1,3,5−トリアジン系化合物とを
含有する記録層を有する感光性組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は近赤外線領域に高感
度を有する感光性組成物に関するものであり、特にコン
ピューター等のデジタル信号から近赤外線レーザーを用
いて直接製版できる、ダイレクト製版可能なネガ型平版
印刷版として利用できるネガ型感光性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ネガ型印刷版は、通常、支持体上に感光
性塗膜を塗布した形態を有しており、その感光性塗膜を
適切な輻射線で露光後現像剤で処理する際に、輻射線被
露光塗膜の現像剤への溶解性が、輻射線未露光部の溶解
性よりも低下する事によって画像形成、製版されるタイ
プの印刷版である。製版後残っている画像領域(輻射線
被露光部)は、インク受容性もしくは疎水性であり、塗
膜が溶出除去された領域(輻射線未露光部)は、親水性
の支持体あるいは感光性塗膜と支持体の中間に親水性層
を設けることによって水受容性もしくは親水性である。
ネガ型平版PS版の分野では、このような機能を持つ感
光性塗膜として、ジアゾ樹脂を種々の樹脂と組み合わせ
て用いる技術が、例えば米国特許第2,063,631
号明細書、同第2,714,066号明細書、同第3,
030,208号明細書、同第3,050,502号明
細書、同第3,277,074号明細書、同第2,06
3,631号明細書等に記載されている。また、光照射
によって架橋する樹脂を利用した技術が、例えば特公昭
46−26521号公報、特公昭48−2042号公報
等に記載されており、光重合型感光性樹脂を利用した技
術が、例えば米国特許第3,895,949号明細書、
同第4,304,923号明細書、特開平3−2994
8号公報、特開平3−110945号公報、特開平4−
70833号公報、特開平4−107560号公報、特
開平4−16104号公報等に記載されている。しか
し、これらの文献に記載の輻射線は紫外線であって、そ
の文献記載の塗膜は近赤外線領域の輻射線に対する感光
性を有していない事は自明の事実である。
【0003】一方、近年のレーザーの発展はめざまし
く、特に波長760nmから1200nmの赤外線を放
射する高出力かつ小型の半導体レーザーあるいは固体レ
ーザーが容易に入手できるようになった。これらのレー
ザーを記録光源として用いる事により、コンピューター
等のデジタルデータからの高解像度直接製版が可能とな
るため、レーザーによるヒートモード製版材料の研究開
発が活発になってきた。例えば、特許第2577718
号公報には、フェノール樹脂、熱分解性のオニウム塩、
および近赤外線吸収染料を組み合わせた技術が開示され
ており、また、特開平7−20629号公報、同9−1
38500号公報、同9−185160号公報、同9−
211863号公報等には、フェノール樹脂、潜伏性ブ
レンステッド酸、および近赤外線吸収染料を組み合わせ
た技術が開示されている。これらの文献に記載の材料の
種類、分子量、配合比を適切にコントロールする事によ
り、ポジ型あるいはネガ型の赤外線感応性印刷版を得る
ことができる。しかし、高い赤外線感応性を有し、且
つ、優れた経時保存安定性と高い耐刷性を兼ね備えた赤
外線感応性印刷版は未だ開発されていないのが実状であ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、近赤
外線を放射する半導体レーザーを用いて記録する事によ
り、コンピューター等のデジタルデータから直接製版可
能であり、さらに保存時の安定性に優れ、且つ、印刷時
の耐刷性が良好な平版印刷用版材に利用できるネガ型感
光性組成物を提供する事にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の課題は、少なくと
も、アルカリ性現像液に可溶性のポリマーと、近赤外線
吸収剤と、潜在性ブレンステッド酸と、少なくとも2個
以上のメチロール化アミノ基あるいはメトキシメチルア
ミノ基を置換基として有する1,3,5−トリアジン系
化合物とを含有するネガ型感光性組成物を用いる事によ
り達成された。
【0006】少なくとも2個以上のメチロール化アミノ
基あるいはメトキシメチルアミノ基を置換基として有す
る1,3,5−トリアジン系化合物としては、メチロー
ル化メラミン化合物、メトキシメチルメラミン化合物、
あるいは、下記一般式[I]と一般式[II]で示される
繰り返し単位から構成されるポリマーが好ましい。ま
た、これらを二種以上組み合わせて用いる事も可能であ
る。
【0007】
【化4】
【0008】一般式[I]において、X1はヒドロキシ
基、無置換のアミノ基、ヒドリキシメチルアミノ基、あ
るいは置換基を有しても良いアルコキシ基であり、R1
は水素原子あるいはアルキル基である。
【0009】
【化5】
【0010】近赤外線吸収剤としては、下記一般式[II
I]で示される化合物が好ましい。また、これらを二種
以上組み合わせて用いる事も可能である。
【0011】
【化6】
【0012】一般式[III]において、R2は水素原子、
ハロゲン原子、あるいはジフェニルアミノ基を表し、R
3、R4はアルキル基、アルコキシアルキル基、アシルオ
キシアルキル基、あるいはスルホアルキル基を表し、R
5、R6は水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基、ある
いはフェニル基を表し、フェニル基の場合には染料骨格
のフェニル基と縮合してナフタレン環を形成しても良
い。Z1は染料骨格の炭素原子上の置換基であって、染
料骨格の炭素原子と連結してシクロヘキセン環あるいは
シクロペンテン環を形成する二価の炭化水素残基、ある
いは独立した2個の水素原子、あるいは独立した2個の
アルキル基である。X2、X3は硫黄原子、置換基を有し
てもよいメチレン基、あるいは無置換のビニレン基であ
って、メチレン基の置換基は、炭素数6以下の二つのア
ルキル基、あるいは炭素数6以下のスピロ環を形成する
炭化水素残基である。Y-は染料の対アニオンを表す
が、R3、R4が、共にスルホアルキル基の場合は、染料
自体が中性分子となるため、不要である。
【0013】
【発明の実施の形態】次に、本発明の感光性組成物に用
いられる、メチロール化メラミン化合物あるいはメトキ
シメチルメラミン化合物の具体例を以下に示すが、これ
らに限定されるものではない。
【0014】
【化7】
【0015】これらのメチロール化メラミン化合物は、
ジャーナル オブ オーガニックケミストリ第61巻4
120ページ(1996年)等の記載に準じて容易に合
成できる。
【0016】次に、本発明の感光性組成物に用いられ
る、一般式[I]と一般式[II]で示される繰り返し単
位から構成されるポリマーの具体例を以下に示すが、こ
れらに限定されるものではない。
【0017】
【化8】
【0018】
【化9】
【0019】ポリマー中での一般式[I]で示される繰
り返し単位と、一般式[II]で示される繰り返し単位の
量比は、[II]のモル量/[I]のモル量として、1/
99〜50/50であり、好ましくは5/95〜40/
60である。
【0020】次に、本発明の感光性組成物に用いられ
る、一般式[III]で示される近赤外線吸収剤の具体例
を以下に示すが、これらに限定されるものではない。
【0021】
【化10】
【0022】
【化11】
【0023】
【化12】
【0024】本発明のネガ型感光性組成物に用いられ
る、潜在性ブレンステッド酸としては、イオン性の化合
物と非イオン性の化合物が挙げられる。イオン性の化合
物としては、オニウム塩、その中でも特に、ヨードニウ
ム塩、スルホニウム塩、ホスホニウム塩、セレノニウム
塩、ジアゾニウム塩、アルソニウム塩等が挙げられる。
特に有用なオニウム塩の具体例としては、ジフェニルヨ
ードニウムヘキサフルオロホスフェート、ジフェニルヨ
ードニウムテトラフルオロボレート、トリフェニルスル
ホニウムヘキサフルオロボレート、トリフェニルスルホ
ニウムテトラフルオロボレート、フェニルメチル−o−
シアノベンジルスルホニウムトリフルオロメタンスルホ
ネート、2−メトキシ−(4−フェニルアミノ)−フェ
ニルジアゾニウムヘキサフルオロホスフェート等が挙げ
られる。
【0025】非イオン性の化合物としては、スルホン酸
エステル類、ジスルホン類、トリクロロメチル置換トリ
アジン類等が挙げられる。それらの具体例を以下に示す
が、これらに限定されるものではない。
【0026】
【化13】
【0027】
【化14】
【0028】本発明のネガ型感光性組成物に用いられ
る、アルカリ性現像液に可溶性のポリマーとしては、フ
ェノール樹脂が好ましく、より具体的にはノボラック樹
脂、レゾール樹脂、またはポリビニルフェノール樹脂が
好ましい。
【0029】ノボラック樹脂としては、フェノール、ク
レゾール、レゾルシノール、ピロガロール、ビスフェノ
ールA、t−ブチルフェノール、1−ナフトール等の、
ヒドロキシ基を置換基として有する芳香族炭化水素類の
少なくとも一種を酸性触媒下、ホルムアルデヒド、パラ
ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒ
ド等のアルデヒド類、あるいは、アセトン、メチルエチ
ルケトン等のケトン類と重縮合させた物が挙げられる。
ノボラック樹脂の分子量に関しては、ゲルパーミネーシ
ョンクロマトグラフィー(GPC)測定によるポリスチ
レン換算重量平均分子量(Mw)が、1000〜150
00の物が好ましく、さらにその中でも1500〜10
000の物が特に好ましい。
【0030】レゾール樹脂としては、フェノール、クレ
ゾール、レゾルシノール、ピロガロール、ビスフェノー
ルA、t−ブチルフェノール、1−ナフトール等の、ヒ
ドロキシ基を置換基として有する芳香族炭化水素類の少
なくとも一種を塩基性触媒下、ホルムアルデヒド、パラ
ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒ
ド等のアルデヒド類と重縮合させた物が挙げられる。レ
ゾール樹脂の分子量に関しては、GPC測定によるMw
が、1000〜5000の物が好ましく、さらにその中
でも1500〜3000の物が特に好ましい。また、レ
ゾール樹脂の形状としては、室温下で固体の物が記録材
料の経時保存安定性を保持するために好ましい。
【0031】ポリビニルフェノール樹脂としては、o−
ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン、2−
(m−ヒドロキシフェニル)プロピレンなどのヒドロキ
シスチレン類の単独または2種類以上の共重合体が挙げ
られる。また、t−ブトキシカルボニル基、ピラニル
基、フラニル基などでポリビニルフェノール類の一部の
ヒドロキシ基を保護した樹脂でも良い。ポリビニルフェ
ノール樹脂のMwは、好ましくは1000〜10000
0、中でも特に好ましくは1500〜50000の物が
用いられる。
【0032】上記の樹脂のうち、中でもノボラック樹脂
が記録材料の経時保存安定性と、生じる画像の機械的強
度を保持するために特に好ましい。
【0033】本発明の感光性組成物における、少なくと
も2個以上のメチロール化アミノ基を置換基として有す
る1,3,5−トリアジン系化合物とアルカリ性現像液
に可溶性のポリマーの両者を合わせた使用割合は、材料
の全固形分に対して通常30重量%から95重量%であ
り、好ましくは40重量%から80%重量である。
【0034】少なくとも2個以上のメチロール化アミノ
基を置換基として有する1,3,5−トリアジン系化合
物とアルカリ性現像液に可溶性のポリマーとの使用割合
は、(トリアジン系化合物重量/アルカリ性現像液に可
溶性のポリマー)の重量比率として、0.1/10〜1
0/10であり、好ましくは1/10〜5/10であ
る。
【0035】本発明の感光性組成物において、少なくと
も2個以上のメチロール化アミノ基を置換基として有す
る1,3,5−トリアジン系化合物は、近赤外線露光時
に発生する熱によって潜在性ブレンステッド酸から発生
するブレンステッド酸の触媒作用により、アルカリ性現
像液に可溶なポリマーの架橋剤として機能する。レゾー
ル樹脂が、ノボラック樹脂あるいはポリビニルフェノー
ル樹脂の架橋剤として同様に機能することが知られてい
るが、本発明のトリアジン化合物は、架橋速度と保存安
定性の面からレゾール樹脂より優れている。
【0036】本発明の感光性組成物における、潜在性ブ
レンステッド酸の使用割合は、材料の全固形分に対して
通常0.1重量%から40重量%であり、好ましくは1
重量%から20%重量である。
【0037】近赤外線吸収剤については、一般式[II
I]で示される化合物と併せて、波長700nmから1
200nmに吸収極大を有する市販の染料または顔料を
使用する事ができる。具体的には、アゾ染料、金属錯塩
アゾ染料、ナフトキノン染料、アントラキノン染料、フ
タロシアニン染料、スクワリリウム染料、キノンイミン
染料、金属チオラート錯体、チオピリリウム塩、不溶性
アゾ顔料、キレートアゾ顔料、フタロシアニン系顔料、
ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、カーボンブラック等
が挙げられる。
【0038】本発明の感光性組成物中には、現像処理に
対する安定性を高めるために、ソルビタントリステアレ
ート、ソルビタンモノパルミテート、ステアリン酸モノ
グリセリド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテ
ル等の非イオン性界面活性剤を添加する事ができる。こ
れらの界面活性剤の感光性組成物中に占める割合は、
0.05から15重量%が好ましく、その中でも0.1
から5重量%が特に好ましい。
【0039】本発明の感光性組成物中は、構成成分を適
当な溶剤に溶かし、適切な支持体上に塗布する事によっ
て製造できる。ここで使用する溶剤としては、メタノー
ル、エタノール、n−プロパノール、1−メトキシ−2
−プロパノール等のアルコール類、THF、1,4−ジ
オキサン、1,2−ジメトキシエタン、エチレングリコ
ールモノメチルエーテル等のエーテル類、アセトン、メ
チルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソブチ
ルケトン等のケトン類、トルエン、キシレン等の芳香族
炭化水素類、酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸イソブチル
等のエステル類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,
N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等の
アミド類、ジメチルスルホキシド、水等を挙げる事がで
きるが、これらに限定されるものではない。これらの溶
媒は単独あるいは混合して使用される。塗液の固形分濃
度は、好ましくは1〜50重量%である。また、塗布乾
燥後に得られる支持体上の塗布量は、0.5〜5.0g
/m2が好ましい。塗布方法としては、バーコーター塗
布、スピナー塗布、スプレー塗布、カーテン塗布、ディ
ップ塗布、エアーナイフ塗布、ブレード塗布、ロール塗
布等を挙げる事ができる。
【0040】本発明に使用される支持体としては、紙、
ポリエチレン等のプラスチックがラミネートされた紙、
アルミニウム、亜鉛、銅等の金属、ポリエチレンテレフ
タレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリカーボネ
ート、酢酸セルロース等のプラスチックフィルム、金属
が蒸着されたブラスチック等が挙げられる。本発明の支
持体として好ましい物は、ポリエステルフィルム、ある
いはアルミニウム版であり、その中でもアルミニウム版
は寸法安定性が良く、比較的安価であるので時に好まし
い。アルミニウム版の厚みは、0.1mm〜1mmが好
ましく、その中でも0.2〜0.4mmが特に好まし
い。
【0041】アルミニウム版は、印刷版の分野で公知の
技術により、脱脂処理、粗面化処理、陽極酸化処理を施
した物を用いる事が好ましい。陽極酸化処理を施したア
ルミニウム表面は必要に応じてケイ酸ナトリウム、フッ
化ジルコン酸カリウム、ポリビニルスルホン酸等を用い
て親水化処理を施しても良い。
【0042】本発明の感光性組成物は、必要に応じて支
持体上に下塗層を設ける事ができる。下塗層成分として
は、例えば、カルボキシメチルセルロース、デキストリ
ン、アラビアガム、2−アミノエチルホスホン酸、フェ
ニルホスホン酸、フェニルホスフィン酸、アルキルホス
フィン酸、グリシン、β−アラニン、トリエタノールア
ミンの塩酸塩等が挙げられるが、これらのうちの複数の
物を適宜混合して用いても良い。下塗層の塗布量は2m
g〜200mg/m2が好ましい。
【0043】本発明の感光性組成物を用いて平版印刷用
版材を作製する事ができる。この版材は、波長700〜
900nmの近赤外線を放射する半導体レーザーによっ
て画像露光される。本発明においては、レーザー露光の
後直ちに現像処理を行っても良いが、レーザー露光工程
と現像工程の間に加熱処理を行うことが好ましい。加熱
処理の温度は、80℃〜150℃の範囲で10秒間〜5
分間行うことが好ましい。この加熱処理により、レーザ
ー露光に必要なレーザーエネルギーを減少させることが
できる。
【0044】レーザー露光後、版材はアルカリ性現像液
で現像処理される。現像液としては、従来より知られて
いるアルカリ水溶液が使用できる。例えば、ケイ酸ナト
リウム、ケイ酸カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸カ
リウム、リン酸アンモニウム、リン酸一水素ナトリウ
ム、リン酸一水素カリウム、リン酸一水素アンモニウ
ム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸アンモニウ
ム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素
アンモニウム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、ホ
ウ酸アンモニウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、アンモニア、水酸化リチウム、などの無機アルカリ
塩が挙げられる。また、メチルアミン、ジメチルアミ
ン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミ
ン、トリエチルアミン、n−ブチルアミン、モノエタノ
ールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミ
ン、エチレンジアミン等の有機アルカリ剤を用いられ
る。これらのアルカリ剤は単独もしくは2種以上を組み
合わせて用いる事ができる。これらのアルカリ剤の中で
特に好ましいものは、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウ
ム等のアルカリ金属のケイ酸塩の水溶液である。
【0045】また、現像液には現像速度のコントロール
や現像カスの分散や印刷版画像部のインキ親和性を高め
る目的で、必要に応じて種々の界面活性剤や有機溶剤を
添加できる。また、現像液に必要に応じて、ハイドロキ
ノン、レゾルシン、カテコール等の有機還元剤、亜硫酸
ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム等の無機還元剤、消
泡剤、硬水軟化用キレート剤等を添加する事ができる。
【0046】現像液で処理された感光性組成物は、水洗
水、界面活性剤を含むリンス液、アラビアガムやデンプ
ン誘導体を含む不感脂化液で後処理される。本発明の感
光性組成物を印刷版として使用する場合、これらの処理
を種々組み合わせて処理した後、オフセット印刷機等に
かけられ、多数枚の印刷に用いられる。
【0047】
【実施例】以下で、実施例により、さらに詳細に本発明
の効果を説明するが、本発明はこれにより限定されるも
のではない。なお、実施例中の「部」および「%」はそ
れぞれ「重量部」および「重量%」を示す。
【0048】(アルミニウム版の作製)厚さ0.30m
mのアルミニウム版(材質1050)を、5%の水酸化
ナトリウム水溶液中での脱脂処理(40℃で10秒
間)、0.5モル/リットルの濃度の塩酸水溶液中での
電解エッチング(25℃、電流密度40A/dm2で3
0秒間)、5%水酸化ナトリウム水溶液中でのデスマッ
ト処理(30℃で10秒間)、次いで20%硫酸水溶液
中での陽極酸化処理(20℃、電流密度5A/dm
1分間)を行って平版印刷版用支持体のアルミニウム版
を作製した。
【0049】合成例(例示化合物B−1の合成) 2,4−ジアミノ−6−ビニルトリアジン25部と37
%ホルムアルデヒド水溶液32部、1N水酸化ナトリウ
ム水溶液5部、THF300部からなる懸濁液を2時間
加熱還流する事により、2,4−ジ(ヒドロキシメチル
アミノ)−6−ビニルトリアジンの均一溶液を合成し
た。この均一溶液にアクリルアミド30部とTHF50
0部を加えて窒素ガスを吹き込みながら50℃で30分
間加熱撹拌した。さらに、2,2′−アゾビス(イソブ
チロニトリル)2部を加えて50℃で2時間加熱撹拌を
続けた。室温に冷却後、析晶物を濾取、THF500
部、アセトン350部で洗浄して乾燥して、例示化合物
B−1の結晶58部を得た。GPC測定によるMwは、
30000であり、熱分解温度は、90℃であった。
【0050】これ以外のポリマーについても、同様の合
成条件で容易に合成が可能である。
【0051】実施例1 下記の処方1に基づいた感光液をアルミニウム版上にワ
イヤーバーで塗布し、40℃で20分間乾燥させ、膜厚
4.1g/mの近赤外線感光性平版印刷版を得た。こ
れを回転ドラムに取り付け、830nmの半導体レーザ
ー(出力500mW)をレンズで20μmのビーム径に
絞って走査露光を行った。露光済み印刷版を、現像液M
X1710(イーストマンコダック社製;サーマルプリ
ンティングプレート用)を用いて25℃、30秒間現像
処理した。得られた画線が20μm巾を与えるドラム回
転スピードから感度をエネルギー値として求めて初期感
度とした。一方、同一処方により作製した試料を温度6
0℃のオーブン中に6日間放置して加速劣化させた後、
同様の方法により求めたエネルギー値を劣化後感度とし
た。次いで次式に従って感度保持率を求めた。 感度保持率=(1/劣化後感度)÷(1/初期感度) 結果を表2に示す。
【0052】
【表1】
【0053】
【表2】
【0054】このようにして得られた平版印刷版を、オ
フセット印刷機(リョウビ(株)製3200MCD)に
装着し、15万枚まで印刷を行ったところ、非画像部汚
れのない印刷画質に優れた印刷物が得られた。
【0055】実施例2〜6 実施例1の処方1に従って、少なくとも2個以上のメチ
ロール化アミノ基を置換基として有する1,3,5−ト
リアジン系化合物化合物、近赤外線吸収染料[III]、
潜在性ブレンステッド酸を種々変化させて近赤外線感光
性平版印刷版を作製した。実施例1と同様の試験の結果
を表3に示す。また、このようにして得られた平版印刷
版を、オフセット印刷機(リョウビ(株)製3200M
CD)に装着し、15万枚まで印刷を行ったところ、い
ずれも非画像部汚れのない印刷画質に優れた印刷物が得
られた。
【0056】
【表3】
【0057】実施例7 印刷版用アルミニウム版に下記処方2で示される下塗液
をワイヤーバーを用いて塗布し、80℃で30秒間乾燥
した。塗布量は10mg/m2であった。次に、下記処
方3で示される感光液をワイヤーバーで塗布し、40℃
で20分間乾燥させ、膜厚4.1g/m2の近赤外線感
光性平版印刷版を得た。これを回転ドラムに取り付け、
830nmの半導体レーザー(出力500mW)をレン
ズで20μmのビーム径に絞って走査露光を行った。露
光済み印刷版を、現像液MX1710(イーストマンコ
ダック社製;サーマルプリンティングプレート用)を用
いて25℃、30秒間現像処理した。得られた画線が2
0μm巾を与えるドラム回転スピードから感度をエネル
ギー値として求めて初期感度とした。一方、同一処方に
より作製した試料を温度60℃のオーブン中に6日間放
置して加速劣化させた後、同様の方法により求めたエネ
ルギー値を劣化後感度とした。次いで次式に従って感度
保持率を求めた。 感度保持率=(1/劣化後感度)÷(1/初期感度) 結果を表6に示す。
【0058】
【表4】
【0059】
【表5】
【0060】
【表6】
【0061】このようにして得られた平版印刷版を、オ
フセット印刷機(リョウビ(株)製3200MCD)に
装着し、15万枚まで印刷を行ったところ、非画像部汚
れのない印刷画質に優れた印刷物が得られた。
【0062】比較例1 印刷版用アルミニウム版に、下記処方4で示される感光
液をワイヤーバーで塗布し、40℃で20分間乾燥さ
せ、膜厚4.1g/m2の近赤外線感光性平版印刷版を
得た。これを回転ドラムに取り付け、830nmの半導
体レーザー(出力500mW)をレンズで20μmのビ
ーム径に絞って走査露光を行った。露光済み印刷版を、
現像液MX1710(イーストマンコダック社製;サー
マルプリンティングプレート用)を用いて25℃、30
秒間現像処理した。得られた画線が20μm巾を与える
ドラム回転スピードから感度をエネルギー値として求め
て初期感度とした。一方、同一処方により作製した試料
を温度60℃のオーブン中に6日間放置して加速劣化さ
せた後、同様の方法により求めたエネルギー値を劣化後
感度とした。実施例1〜7に比べて初期感度も低く、オ
ーブン中で6日間加熱放置する事による劣化感度の低下
も大きい。結果を表8に示す。
【0063】
【表7】
【0064】
【表8】
【0065】比較例2 印刷版用アルミニウム版に、下記処方5で示される感光
液をワイヤーバーで塗布し、40℃で20分間乾燥さ
せ、膜厚4.1g/m2の近赤外線感光性平版印刷版を
得た。これを回転ドラムに取り付け、830nmの半導
体レーザー(出力500mW)をレンズで20μmのビ
ーム径に絞って走査露光を行った。露光済み印刷版を、
現像液MX1710(イーストマンコダック社製;サー
マルプリンティングプレート用)を用いて25℃、30
秒間現像処理した。その結果、画像は全く得られなかっ
た。
【0066】
【表9】
【0067】
【化15】
【0068】
【発明の効果】少なくとも、アルカリ性現像液に可溶性
のポリマーと、近赤外線吸収剤と、潜在性ブレンステッ
ド酸と、少なくとも2個以上のメチロール化アミノ基あ
るいはメトキシメチルアミノ基を置換基として持つ1,
3,5−トリアジン系化合物とを含有する記録層を有す
る感光性組成物を用いる事により、高い近赤外線感度を
有し、保存性に優れたネガ型平版印刷版用の版材を提供
できる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に少なくとも、アルカリ性現像
    液に可溶性のポリマーと、近赤外線吸収剤と、潜在性ブ
    レンステッド酸と、少なくとも2個以上のメチロール化
    アミノ基あるいはメトキシメチルアミノ基を置換基とし
    て有する1,3,5−トリアジン系化合物とを含有する
    ネガ型感光性組成物。
  2. 【請求項2】 少なくとも2個以上のメチロール化アミ
    ノ基を置換基として有する1,3,5−トリアジン系化
    合物が、下記一般式[I]と一般式[II]で示される繰
    り返し単位から構成されるポリマーである事を特徴とす
    る請求項1記載のネガ型感光性組成物。 【化1】 (一般式[I]において、X1はヒドロキシ基、無置換
    のアミノ基、ヒドロキシメチルアミノ基、あるいは置換
    基を有しても良いアルコキシ基であり、R1は水素原子
    あるいはアルキル基である。) 【化2】
  3. 【請求項3】 近赤外線吸収剤が、下記一般式[III]
    で示される化合物である事を特徴とする請求項1〜2記
    載のネガ型感光性組成物。 【化3】 (一般式[III]において、R2は水素原子、ハロゲン原
    子、あるいはジフェニルアミノ基を表し、R3、R4はア
    ルキル基、アルコキシアルキル基、アシルオキシアルキ
    ル基、あるいはスルホアルキル基を表し、R5、R6は水
    素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基、あるいはフェニ
    ル基を表し、フェニル基の場合には染料骨格のフェニル
    基と縮合してナフタレン環を形成しても良い。Z1は染
    料骨格の炭素原子上の置換基であって、染料骨格の炭素
    原子と連結してシクロヘキセン環あるいはシクロペンテ
    ン環を形成する二価の炭化水素残基、あるいは独立した
    2個の水素原子、あるいは独立した2個のアルキル基で
    ある。X2、X3は硫黄原子、置換基を有してもよいメチ
    レン基、あるいは無置換のビニレン基であって、メチレ
    ン基の置換基は、炭素数6以下の二つのアルキル基、あ
    るいは炭素数6以下のスピロ環を形成する炭化水素残基
    である。Y-は染料の対アニオンを表すが、R3、R4
    が、共にスルホアルキル基の場合は、染料自体が中性分
    子となるため、不要である。)
  4. 【請求項4】 アルカリ性現像液に可溶性のポリマー
    が、ノボラック樹脂であることを特徴とする請求項1〜
    3記載のネガ型感光性組成物。
JP10061389A 1998-03-12 1998-03-12 ネガ型感光性組成物 Pending JPH11258799A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015108847A (ja) * 2015-02-13 2015-06-11 富士フイルム株式会社 感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物、及びレジスト膜

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