JPH11258778A - 反射防止マスク - Google Patents

反射防止マスク

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JPH11258778A
JPH11258778A JP10056695A JP5669598A JPH11258778A JP H11258778 A JPH11258778 A JP H11258778A JP 10056695 A JP10056695 A JP 10056695A JP 5669598 A JP5669598 A JP 5669598A JP H11258778 A JPH11258778 A JP H11258778A
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light
mask
reflected
antireflection
structures
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JP10056695A
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English (en)
Inventor
Suigen Kiyou
帥現 姜
Iwao Tokawa
巌 東川
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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  • Preparing Plates And Mask In Photomechanical Process (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】マスク面での反射を完全に防止する。 【解決手段】透光性を有する物質からなるマスク基板1
と、このマスク基板1の一主面側に形成された透光性を
有しない物質からなる遮光体2と、この遮光体2上に複
素屈折率の高い有機又は無機化合物により選択的に形成
された構造物3から構成されており、構造物3の側面の
形状が遮光体2表面に対して垂直をなし、構造物3の高
さは露光波長の(1+2n)/4(nは整数)倍であ
る。さらに、遮光体2の振幅反射率をr2 、構造物3の
振幅反射率をr3 とし、遮光体2上で遮光体2が露出す
る面積率をs2 、構造物3の表面の面積率をs3 とした
場合に、s2 ×r2 =s3 ×r3 を満たすように構造物
3を配置する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は反射防止マスクに関
わり、特に微細パターンをウェハ上に転写する際に露光
領域内で位置による寸法変動を低減するものに関する。
【0002】
【従来の技術】半導体製造工程における光リソグラフィ
は、そのプロセス簡易性、低コスト等の利点により広く
デバイス生産に用いられてきた。光リソグラフィにおい
ては常に技術革新が続けられており、さらなる微細化を
促進するため、フォトマスクの像を縮小してウェハ上に
転写する縮小投影露光装置が用いられている。この縮小
投影露光装置では、半導体素子等の原画が描かれたフォ
トマスクを照明系で照明し、フォトマスク開口部から透
過した光をウェハ面上で結像させ、パターンをウェハに
転写させる。ウェハ面で結像した光の一部分は逆の経路
を経てフォトマスク面に到達する。フォトマスク面に到
達した光は反射し、再び逆の経路を辿りウェハ面に再入
射する。ウェハ面に再入射する光はランダム光となるた
め元々の光学像の劣化を招くことになる。
【0003】従来このような像劣化を防ぐためにフォト
マスク面での反射光を低減する一手法としてフォトマス
ク面でも特に反射率の高い遮光体薄膜表面に反射率の低
い膜を積層した反射防止マスクが用いられている。具体
的には遮光体として金属クロム膜を使用し、反射率低減
のために遮光膜表面の全面に酸化クロム膜を採用してい
る。しかしこの膜構成では露光波長に対して10〜20
%の反射率を有するため完全な反射防止膜たり得ない。
また遮光膜が複数の性質の異なった膜で構成されるた
め、エッチング等による反射防止マスク作製プロセスに
おいてそれぞれの膜に合った処理を施してやる必要があ
るため処理が煩雑となり安定した品質も得難い。
【0004】一方、フォトマスクによってウェハ上に欠
陥のないパターンを転写するための機構として、フォト
マスク上の異物付着を防止するペリクルなどの構造物が
使用されている。ペリクルは露光時の光強度が減少しな
いように、0.5〜2.0μmと薄くもろい膜が使用さ
れるため、ペリクルの貼り付け後は洗浄などの追加プロ
セスが不可能となる。
【0005】また、ペリクル上に付着した異物がウェハ
に結像するのを防止するためフォトマスク面とペリクル
面は数mm程度の間隔が設けられる。従って、ペリクル
貼り付け後のパターン観察は光学的なものに限定され、
しかもワークディスタンスの短い高倍率の対物レンズは
使用できない。このようにペリクル等の構造物を貼り付
けた後ではマスクの使い勝手が大幅に減少する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】以上説明したように従
来のフォトマスクでは、フォトマスク面での反射光を低
減するために反射防止膜を遮光膜表面の全面に積層する
手法があるが、反射率を完全に防止することができず、
またその製造プロセスが複雑で、安定した品質が得難
い。
【0007】本発明は上記課題を解決するためになされ
たもので、その目的とするところは、表面での反射を完
全に防止することにより露光時の光学像の劣化を回避す
る反射防止マスクを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係る反射防止マ
スクは、透光性を有する物質からなるマスク基板と、こ
のマスク基板の一主面側に選択的に形成された透光性を
有しない物質からなる遮光体と、この遮光体上に選択的
に形成された構造物とを具備してなり、前記遮光体で反
射した光と前記構造物で反射した光を互いに相殺させる
ことを特徴とする。
【0009】本発明の望ましい形態を以下に示す。 (1)構造物はマスク基板よりも複素屈折率の高い物質
からなる。 (2)構造物は有機又は無機化合物からなる。 (3)構造物の高さは露光波長の(1+2n)/4倍
(nは整数)である。 (4)遮光体の振幅反射率をr1 、構造物の振幅反射率
をr2 とし、マスク基板上で遮光体が露出する面積率を
1 、構造物が露出する面積率をs2 とした場合に、s
1 ×r1 =s2 ×r2 を満たすように構造物が形成され
てなる。 (5)露光装置の開口数をNA、露光波長をλ、反射防
止マスクの縮小率をmとすると、構造物の配置間隔pを
p<λ/(NA×m)を満たすように構造物を配置す
る。 (6)構造物の側面の形状が純テーパであり、反射防止
マスク表面の垂線と側面の表面のなす角度をθとする
と、sin-1(NA)<π−2θを満たすように構造物
の側面の形状が形成される。 (7)構造物の側面の形状は逆テーパ又は遮光体表面に
対して垂直をなす。 (8)構造物は絶縁体からなり、構造物が互いに電気的
に離散するように配置され、構造物毎にそれぞれ静電荷
が蓄えられてなる。 (9)構造物のうち、隣接する構造物に正負互いに逆の
電荷がそれぞれ蓄えられてなる。
【0010】また、本発明に係る反射防止マスクは、透
光性を有する物質からなるマスク基板と、このマスク基
板の一主面側に選択的に形成された透光性を有しない物
質からなる遮光体と、この遮光体上に前記マスク基板よ
りも複素屈折率の高い物質により形成された複数の錐体
形状の構造物とを具備してなることを特徴とする。
【0011】本発明の望ましい形態を以下に示す。 (1)錐体形状の構造物において、構造物の頂角を2
θ、露光装置の開口数をNAとすると、π/2−θ<2
θ−π/2、sin-1(NA)<π−2θを満たすよう
に錐体形状の側面を形成する。 (2)構造物は絶縁体からなり、構造物が互いに電気的
に離散するように配置され、構造物毎にそれぞれ静電荷
が蓄えられてなる。 (3)構造物のうち、隣接する構造物に正負互いに逆の
電荷がそれぞれ蓄えられてなる。
【0012】また、本発明の請求項1に係る反射防止マ
スクの製造方法を以下に示す。透光性を有するマスク基
板の一主面上に透光性を有しない物質からなる遮光体を
選択的に形成する工程と、前記選択的に形成された遮光
体上に構造物を選択的に形成する工程とを具備し、前記
構造物は、前記遮光体で反射した光と前記構造物で反射
した光が互いに相殺する形状に形成する。
【0013】本発明の望ましい形態を示す。 (1)構造物を選択的に形成する工程は、遮光体の形成
されたマスク基板上にネガレジストを塗布する工程と、
マスク基板の裏側から遮光体をマスクとして露光するこ
とにより、光透過部のネガレジストを感光する工程と、
この感光したネガレジストを現像して光透過部のみにネ
ガレジストを残存させる工程と、この残存したネガレジ
ストをマスクとして遮光体上にマスク基板よりも複素屈
折率の高い構造物を形成する工程と、ネガレジストを除
去する工程と、構造物をパターニングすることにより遮
光体上に構造物を選択的に残存させる工程とからなる。 (2)(1)のネガレジストの露光は、フォーカス面を
ずらして適正露光よりも露光量を増やすことにより遮光
体の内側に回り込むように架橋反応を進行させ、現像に
より遮光体の開口部をオーバーラップする領域にネガレ
ジストを残存させる。
【0014】また、本発明の請求項3に係る反射防止マ
スクの製造方法を以下に示す。透光性を有するマスク基
板上に透光性を有しない遮光体を選択的に形成する工程
と、前記選択的に形成された遮光体上にマスク基板より
も複素屈折率の高い物質により構造物を形成する工程
と、前記構造物の形成された前記マスク基板上にポジレ
ジストを塗布する工程と、前記構造物に限界解像度近傍
のパターンピッチからなるスポット状の複数の遮光部を
有するフォトマスクを用いて露光及び現像を行い複数の
錐体形状のレジストパターンを形成する工程と、この形
成されたレジストパターンをマスクとしてエッチングを
行い前記構造物を複数の錐体に形成する工程とを具備し
てなる。
【0015】本発明の望ましい形態として、ポジレジス
トと構造物のエッチング選択比を調整することにより、
形成すべき構造物の頂角を制御する。 (作用)本発明では、マスク基板の遮光体上に構造物が
選択的に形成される。これにより、遮光体と構造物との
反射光がそれぞれ相殺される。従って、ウェハ面には反
射光は入射されず、ウェハ面に到達するのは反射防止マ
スクを透過した所望のパターン像を形成する光のみとな
る。従って、露光のコントラストが高くなり、全露光領
域で寸法均一性のよいパターン転写が可能となる。ま
た、本発明では、遮光体上に錐体形状に構造物を形成す
る。これにより、構造物表面で反射した反射光はウェハ
面には入射せず、コントラストが高くなる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
の実施形態を説明する。 (第1実施形態)図1は本発明の第1実施形態に係る反
射防止マスクの全体構成を示す横断面図であり、図1
(a)は構造物の側面が垂直形状の反射防止マスク、図
1(b)は構造物の側面が純テーパ形状の反射防止マス
クを示す。
【0017】図1(a)に示すように本実施形態に係る
反射防止マスクは、ガラス基板1上にクロム等からなる
遮光体2が選択的に設けられ、遮光体2上に例えば側面
が垂直形状を有する構造物3が選択的に形成されたもの
である。この構造物3はガラス基板1よりも複素屈折率
の高い有機又は無機化合物からなる。
【0018】このように形成された反射防止マスクの露
光時においては、遮光体2及び構造物3が設けられた面
(以下、主面と称する)と反対側の面(以下、裏面と称
する)に向けて照射された露光光が反射防止マスクを透
過し、主面側に対向するように所定の光学系をおいて配
置された図示しないウェハに転写される。このウェハか
らの光は、反射防止マスク面において遮光体表面で反射
する光4と構造物表面で反射する光5とに分けられる。
【0019】構造物3の高さhは露光波長をλとする
と、 h=λ×(1+2n)/4 (nは整数)…(1) に定められる。例えば露光光源としてKrFエキシマレ
ーザを用いた場合、構造物3の高さhは248×(1+
2n)/4nmとなるように形成される。これにより遮
光体2上で反射する光4と構造物表面で反射する光5と
は180°の位相差を生じる。
【0020】また、露光波長における遮光体2の振幅反
射率をr2 、構造物3の振幅反射率をr3 とし、マスク
基板1上で遮光体2が露出している面積率をs2 、構造
物3表面の面積率をs3 とすると、 s2 ×r2 =s3 ×r3 …(2) を満たすように構造物3を配置する。この条件を満たす
とき、遮光体上で反射する光4と構造物表面で反射する
光5との反射量がそれぞれ等しくなる。以上に示した
(1),(2)式の両者を満たすとき、遮光体上で反射
する光4と構造物表面で反射する光5との反射光がそれ
ぞれ打ち消し合い、結果として0次の反射光の強度が完
全に0となる。
【0021】また、構造物3の配置間隔をp、露光装置
の開口数NA、露光波長をλ、反射防止マスクの縮小率
をmとすると、 p<λ/(NA×m)…(3) を満たすように構造物3を配置する。この条件を満たす
とき、1次以上の構造物3による干渉光が露光装置のひ
とみに入らなくなり、反射防止マスク表面での反射光が
ウェハに到達するのを防ぐことができる。また、2次以
上の干渉光は1次干渉光よりも外側にできるためひとみ
に入らない。
【0022】次に、構造物3の側面の形状が反射防止マ
スク表面に対して垂直でない場合として、純テーパの形
状をなす場合を図1(b)を用いて説明する。図1
(b)において、この構造物3は側面の形状以外は図1
(a)に示す場合と同じである。すなわち、構造物3の
高さhは(1)式の条件を満たし、構造物3の平坦部分
の面積s3 は、(2)式の条件を満たす。この場合、反
射防止マスク表面の垂線と側面のなす角度をθとする
と、 sin-1(NA)<π−2θ…(4) を満たすようにテーパが形成される。この条件を満たす
とき、構造物3の側面で反射した光は露光装置のひとみ
に入らなくなるため、ウェハ面の光学像の劣化を招くこ
とはない。
【0023】さらに、構造物3の側面の形状が逆テーパ
の場合、上記(1),(2)式を満たすように形成され
ていれば、図1(a)に示した場合、すなわち側面が垂
直な場合と同じ効果を奏する。ウェハ面からの光が側面
に入射することはないからである。
【0024】次に、上記実施形態に係る反射防止マスク
の製造方法を図2を用いて説明する。まず、石英等から
なるガラス基板1上に、例えばCr等の金属薄膜からな
る遮光体2を堆積し、電子ビーム露光またはレーザ描画
装置を用いて従来技術と同様の手法にてパターン形成を
行う(図2(a))。
【0025】次いで、ネガレジスト21を500nm以
上の厚い膜厚で塗布する。そして、このネガレジスト2
1を塗布した面と反対側の面からフォトリピータ等の光
源を用いて一括露光を行う。この一括露光の際、フォー
カス面をずらすこと及び適正露光よりも露光量を増やす
ことにより、露光光は遮光体2の幾何学的な影の内側に
回り込んで進行する。すなわち、露光光により遮光体2
が設けられていない開口部ではネガレジストは高分子化
するが、この開口部に加えてその周辺部、すなわち遮光
体2の設けられている領域まで高分子化が進行する。露
光後に現像すると、開口部よりも広い領域にネガレジス
ト21が残存することとなる。そして、現像したレジス
トパターンは開口部及び遮光体2の遮光パターンとの境
界部及び境界から外側1μm程度までを覆うこととなる
(図2(b))。
【0026】このレジストパターンの形成されたガラス
基板1上に構造物3を形成すべく、膜厚が例えば露光波
長の1/4であるような膜を形成する。例えばシリコン
ナイトライドからなる膜を形成するには、スパッタリン
グ法による。スパッタリング法においてはターゲットに
Siを使用し、スパッタガスとして窒素とアルゴンの混
合ガスを用いる。膜を形成した後、上記ネガレジストを
剥離することで遮光体2上に一様な薄膜が形成されるこ
とになる(図2(c))。さらにこの薄膜の形成された
遮光体2表面にポジレジストを塗布し、電子ビームまた
はレーザ描画装置を用いて構造物3のパターンを描画す
る。この際、描画するパターンのサイズ及びピッチは上
記(2),(3)を満たすように決定される。
【0027】例えば遮光体2上にシリコンナイトライド
からなる構造物3を形成し、光源としてKrFエキシマ
レーザ(波長248nm)を用い、開口数0.5、5倍
体マスクで露光を行う場合、クロムの振幅反射率r2
64%,シリコンナイトライドの振幅反射率r3 が46
%になるため0次光の強度を0とするために描画面積率
3 は46/(46+64)で約42%となる。またパ
ターンピッチは反射防止マスク上で2.4μm以下であ
れば1次以上の回折光が露光装置のひとみに入らなくな
る。構造物3のパターン描画では、例えば2.4μmピ
ッチで1.56μmのホールパターンを形成することに
より、2.4×10-6<248×10-9/(0.5×
0.2)より式(3)を満たし、0次光及び1次光がひ
とみに入射するのを抑えることができる。描画装置によ
りレジストパターン形成後、異方性または等方性ガスエ
ッチングを行うことにより構造物3がパターンニングさ
れる(図2(d))。
【0028】上記実施形態に係る反射防止マスクの動作
を説明する。図1(a)において、ガラス基板1の裏面
から照射された露光光は、ガラス基板1のうち、遮光体
2の設けられていない開口部のみを透過してパターン像
を形成し、ガラス基板1の主面側に配置された図示しな
いウェハに転写される。ウェハで結像した透過光の一部
は、ウェハに到達するまでの経路と逆の経路を経てガラ
ス基板1の主面側に到達する。
【0029】このガラス基板1の主面側に到達した光の
うち遮光部でさらに反射する光は、遮光体2表面で反射
した光4と構造物3表面で反射された光5に分けられる
が、構造物の高さ及び占有面積が所定の条件(1),
(2)を満たすように形成されているため、これら反射
光4,5は互いに相殺される。従って、ガラス基板1の
主面側に到達した光がさらに反射されることによりウェ
ハ面の光学像の劣化を招くことはない。
【0030】このように、遮光体2上に構造物3を選択
的に形成し、この構造物3の高さ、構造物3の遮光体2
上において占有する面積、構造物3の配置間隔を所定の
条件を満たすように定めることにより、パターン転写時
に反射防止マスク全体から反射される光が相殺され、ウ
ェハ面に到達することはない。
【0031】また、構造物3の側面が純テーパの場合、
側面の角度を調整することにより、側面において反射し
た光が露光装置のひとみに入射することはない。また、
マスク作製という観点からすれば、従来使用されている
遮光膜が複数の性質の異なる膜で構成されているのに対
し、光を遮光する薄膜は単一かつより薄い膜でよいた
め、高精度かつ高解像度の反射防止マスクを作製するこ
とができる。
【0032】なお、本実施形態ではネガレジストをマス
クとしてシリコンナイトライドからなる構造物3を形成
する場合を示したが、レジスト自体を遮光体2上に選択
的に形成し、このレジスト自体を構造物3とする場合で
あってもよい。
【0033】(第2実施形態)図3は、本発明の第2実
施形態に係る反射防止マスクを示す図であり、図3
(a)はその全体構成を示す横断面図、図3(b)はこ
の反射防止マスクの遮光体付近を拡大した横断面図であ
る。
【0034】図3(a)に示すように、本実施形態に係
る反射防止マスクの基本的な構成は第1実施形態に示し
たものと同じであるが、構造物3の形状が第1実施形態
と異なり、複数の錐体状の構造物が複数形成される。
【0035】錐体状の構造物を形成する場合、ウェハか
らの反射光は構造物側面で反射して露光装置のひとみに
再入射することがなくなる。図3(a)はガラス基板1
上にクロムなどからなる遮光膜パターン2を設け、遮光
体上に錐体状の構造物31を設けたものである。図示し
ないウェハからの光は反射防止マスク表面において構造
物31の側面で反射し、その反射光5が露光装置のひと
みに入らなくなる様子を示した図である。図3(b)で
示すように、このとき構造物31の満たすべき条件は、
反射光がひとみに入らないことである。この条件は構造
物31の頂角2θ,露光装置の開口数をNAとすると、
以下の式で表される。
【0036】π/2−θ<2θ−π/2…(21) sin-1(NA)<π−2θ…(22) 以上の(21),(22)式を満たす場合には、ガラス
基板1の主面側で反射した光は全て露光装置のひとみ以
外の方向に進行する。これらの条件を満たす構造物31
を遮光体2上に形成することにより、ガラス基板1の主
面側での反射光はウェハ面に再入射することがなくな
る。
【0037】次に、上記実施形態に係る反射防止マスク
の製造方法を図4を用いて説明する。なお、構造物31
を成膜するまでの工程は、上記第1実施形態の図2
(a)〜(c)に示す工程と共通するため、省略する。
【0038】図2(c)のように成膜された構造物31
を錐体状にパターニングすべく、例えば遮光体2上にシ
リコンナイトライドを形成し、光源にKrFエキシマレ
ーザ(波長248nm)を用いて開口数0.5、5倍体
マスクで露光を行う。反射光が露光装置のひとみに入射
しない条件は θ<5π/12 となり、θの満たすべき条件はθ<5π/12となる。
この条件を満たすため、構造物31のパターンニングに
はEBR−9等のドライエッチング耐性のないポジレジ
スト41を用い、0.5μm程度の限界解像度近傍のス
ポット状の遮光部を有するフォトマスクを用いてパター
ン描画する。これにより、レジストパターン自体にテー
パを持たせることができる(図4(a))。このように
してできたレジストパターンはθが約1/4π程度の複
数の錐体形状をなす。
【0039】次いで、このレジストパターンをマスクと
してドライエッチングを施す。このドライエッチングの
際、シリコンナイトライドとポジレジスト41とのエッ
チング選択比が約0.8となるため、レジストパターン
のテーパの頂角よりも大きい頂角を有するテーパ状の構
造物31が形成される(図4(b))。すなわち、ポジ
レジスト41のテーパの頂点付近において、ポジレジス
ト41を構造物31が露出するまでエッチングする間
に、テーパの谷付近では、シリコンナイトライドのエッ
チングが進行するが、ポジレジスト41よりもエッチン
グ選択比が低いため、ポジレジスト41の頂点と谷の高
さよりも小さいテーパ形状が構造物3の形状となる。従
って、このポジレジスト41と構造物31のエッチング
選択比を調整することにより、テーパ部分の頂角を種々
変更可能である。
【0040】上記実施形態に係る反射防止マスクの動作
を説明する。図3(a)に示すように、ガラス基板1の
主面側に到達した光は、構造物31で反射する。ここ
で、構造物31の頂角θは、(21)及び(22)を満
たすように形成されているため、構造物で反射した光5
は露光装置のひとみに入射することはない。
【0041】このように、遮光体2上に構造物31を形
成し、この構造物31の表面を所定の角度を保持するよ
うに定めることにより、パターン転写時に露光装置のひ
とみにこの構造物31表面からの反射光が入射すること
なく、ウェハ面の光学像に影響を与えず、光学像の劣化
を防止することができる。
【0042】なお、本実施形態においては遮光体2上に
複数の錐体状の構造物31を形成したが、例えば遮光体
2がラインパターンである場合、このラインに沿った三
角柱を設ける場合等、露光装置のひとみに反射光が入ら
ない条件である構造物の頂角θ<5π/12を満足すれ
ば、本発明を適用可能である。
【0043】(第3実施形態)図5は、本発明の第3実
施形態に係る反射防止マスクの全体構成を示す図であ
る。本実施形態に係る反射防止マスクは、上記第1,2
実施形態に係るものと構成を同じくするが、構造物を帯
電させた点が異なる。以下、第1実施形態で示した構成
を有する反射防止マスクを用いて本実施形態を説明す
る。
【0044】図5に示すように、本実施形態に係る反射
防止マスクは、ガラス基板1上にクロム等からなる遮光
体2を設け、遮光体2上に構造物51を絶縁物を用いか
つ離散的に配置したものである。これら構造物51は絶
縁物であるため、例えば電子ビーム等を照射することに
よって恒久的に静電荷を蓄えさせることができる。
【0045】具体的な製造方法を説明する。まず、構造
物51を例えばシリコンナイトライド等の絶縁体を用い
て形成する点は、上記第1実施形態の図2に示す製造工
程と同様である。その後再び電子描画装置を用いて構造
物51上に電子線を一様に照射する。この時の電子線の
入射エネルギーは100eV〜50000eVの範囲内
で、2次電子収率が1よりも小さいかまたは大きいエネ
ルギーを選択する。照射量は5〜100μC/cm2
範囲で選択する。
【0046】さらに効果的な方法として、構造物51を
絶縁体で離散的に配置する際、隣接する構造物51に正
負逆の電荷を蓄えさせることで経時的な放電を抑制する
ことができる。逆の電荷を蓄積させるためには、2次電
子収率が1よりも低いような入射エネルギーで一方の構
造物51を照射し、他方を収率が1よりも大きいエネル
ギーで照射することで可能となる。2次電子収率が1よ
りも低いところでは構造物51は負に帯電し、1よりも
高いところでは正に帯電する。このように入射エネルギ
ーを変えた電子ビームで交互に構造物51を照射するこ
とで、隣接する構造物51に正負逆の電荷を蓄えさせる
ことができる。
【0047】上記実施形態に係る反射防止マスクの動作
を図5を用いて説明する。なお、ウェハ面への反射光の
入射を防止することに関しては上記第1実施形態と共通
するので説明は省略する。
【0048】空中の浮遊異物52は帯電しているため、
これら浮遊異物52が反射防止マスク表面付近を浮遊す
る際、静電引力により構造物51近傍に付着し,固定さ
れることになる。構造物51は遮光体2上にあるため、
浮遊異物52が付着してもパターンの欠陥となることは
ない。また、図5に示すように隣接する構造物51に対
して正負交互の静電荷が蓄えられていることにより、互
いの静電引力により電荷がより安定して蓄えられる。ま
た、正に帯電した浮遊異物52は負に帯電した構造物5
1に、負に帯電した浮遊異物52は正に帯電した構造物
51に付着するため、正負両方の帯電浮遊異物52を固
定することができる。
【0049】このように、第1,2実施形態に示した構
造物51に静電荷を蓄えさせることで、空中の帯電した
浮遊異物52が反射防止マスク表面に付着する場合、静
電引力により選択的に構造物51近傍に付着させること
ができる。従って、ペリクル等の特別な構造を必要とし
ないため、物理的に容易に破壊されない構造であり、洗
浄等のプロセスの追加、光学的なものに限定されないパ
ターン検査が行える等、マスク自体の使い勝手が大幅に
向上する。
【0050】なお、本実施形態においては第1実施形態
の図1(a)に示す反射防止マスクを用いて説明した
が、例えば第1実施形態の図1(b)に示すテーパ形状
を有するもの、第2実施形態に示したもの等、複数の隣
接する構造物が電気的に離散して配置されているもので
あれば、他の構成を有する反射防止マスクであっても同
様に適用可能であることは勿論である。
【0051】また、上記第1及び第3実施形態におい
て、構造物3を複素屈折率の高い有機または無機化合物
を用いる場合を示したが、遮光体2及び構造物3で反射
した光が互いに相殺されるものであればその材質には限
定されない。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、マ
スク基板に形成された遮光体上に構造物が選択的に形成
され、遮光体で反射した光と構造物で反射した光を互い
に相殺させることにより、ウェハからの光が反射防止マ
スク表面で反射しても露光装置のひとみに入らないた
め、反射光が再びウェハに入射することがない。このよ
うに、反射防止マスクからの反射光がウェハに到達しな
いため、ウェハに転写する光学像の劣化を防ぐことがで
き、全露光領域で均一性及び解像度の高いパターン転写
が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る反射防止マスクの
全体構成を示す横断面図。
【図2】同実施形態に係る反射防止マスクの製造工程を
示す横断面図。
【図3】本発明の第2実施形態に係る反射防止マスクの
全体構成を示す横断面図。
【図4】同実施形態における反射防止マスクの主要な製
造工程を示す横断面図。
【図5】本発明の第3実施形態に係る反射防止マスクの
全体構成を示す横断面図。
【符号の説明】
1 ガラス基板 2 遮光体 3,31,51 構造物 4 遮光体表面で反射された光 5 構造物表面で反射された光 21 ネガレジスト 41 ポジレジスト 52 帯電した浮遊異物

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透光性を有する物質からなるマスク基板
    と、 このマスク基板の一主面側に選択的に形成された透光性
    を有しない物質からなる遮光体と、 この遮光体上に選択的に形成された構造物とを具備して
    なり、前記遮光体で反射した光と前記構造物で反射した
    光を互いに相殺させることを特徴とする反射防止マス
    ク。
  2. 【請求項2】 前記構造物は前記マスク基板よりも複素
    屈折率の高い物質からなり、該構造物の高さは露光波長
    の(1+2n)/4倍(nは整数)であり、前記遮光体
    の振幅反射率をr1 、前記構造物の振幅反射率をr2
    し、前記マスク基板上で遮光体が露出する面積率をs
    1 、前記構造物が露出する面積率をs2とした場合に、
    1 ×r1 =s2 ×r2 を満たすように前記構造物が形
    成されてなることを特徴とする請求項1記載の反射防止
    マスク。
  3. 【請求項3】 透光性を有する物質からなるマスク基板
    と、 このマスク基板の一主面側に選択的に形成された透光性
    を有しない物質からなる遮光体と、 この遮光体上に前記マスク基板よりも複素屈折率の高い
    物質により形成された複数の錐体形状の構造物とを具備
    してなることを特徴とする反射防止マスク。
  4. 【請求項4】 前記構造物は絶縁体からなり、該構造物
    が互いに電気的に離散して配置され、該構造物毎にそれ
    ぞれ静電荷が蓄えられてなることを特徴とする請求項1
    又は3記載の反射防止マスク。
  5. 【請求項5】 前記構造物のうち、隣接する構造物に正
    負互いに逆の電荷がそれぞれ蓄えられてなることを特徴
    とする請求項4記載の反射防止マスク。
JP10056695A 1998-03-09 1998-03-09 反射防止マスク Pending JPH11258778A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012037687A (ja) * 2010-08-06 2012-02-23 Dainippon Printing Co Ltd フォトマスクおよびその製造方法

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JP2012037687A (ja) * 2010-08-06 2012-02-23 Dainippon Printing Co Ltd フォトマスクおよびその製造方法

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