JPH11257351A - 摺動部材及びその製造方法 - Google Patents

摺動部材及びその製造方法

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JPH11257351A
JPH11257351A JP6320298A JP6320298A JPH11257351A JP H11257351 A JPH11257351 A JP H11257351A JP 6320298 A JP6320298 A JP 6320298A JP 6320298 A JP6320298 A JP 6320298A JP H11257351 A JPH11257351 A JP H11257351A
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JP
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cylinder
layer
porous
sliding
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JP6320298A
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Takahiro Kitagawa
貴宏 北川
Akira Kosaka
晃 小阪
Atsushi Funakoshi
淳 船越
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Kubota Corp
Original Assignee
Kubota Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本体部に回転曲面で形成される摺動面6を、
高温等方圧下で焼結した多孔質金属体4からなる多孔体
層3で形成すると共に、多孔体層3を拡散接合して前記
本体部に一体化して低摩擦表面層5を形成してある摺動
部材を、摺接対象部材に摺接して発熱する摺動面の冷却
能力を高く維持しながら、例えば軸受けの等の摺動部品
の生産を効率化して生産数量の増大を容易とする。 【解決手段】 少なくとも一部が前記筒状本体を構成す
る本体用筒体11を配置すると共に、その本体用筒体1
1に対して内側筒体10Aを両筒体11,10A間に隙
間Gを形成しつつ内嵌した状態に配置し、前記隙間G
に、無機質粉粒体7を充填して密閉した後、内側筒体1
0Aを介して等方圧加圧しながら加熱して無機質粉粒体
7を焼結させて、本体用筒体11の内周に一体化した多
孔体層3を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回転曲面で形成さ
れ、摺接対象部材に摺接自在な摺動面を備える摺動部材
及びその製造方法に関し、製造方法について詳しく説明
すれば、筒状本体の内周又は外周に多孔体層を形成する
と共に、その多孔体層の内周面をこれに内嵌自在な軸体
に対する摺動面に、又はその多孔体層の外周面をこれに
外嵌自在な筒状部材に対する摺動面に形成した摺動部材
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば含油軸受として形成された
摺動部材は摺接対象部材として軸体に対して摺動自在に
形成されたもので、図7に示すように、多孔体層3とし
て予め油を含浸させた多孔質金属焼結体4を用意してて
おき、前記多孔質金属焼結体4を補強する裏金2Aを形
成する素材である本体用筒体としての軸受用筒体内に圧
入して加工することで軸受ブッシュ12の形態に形成さ
れるものである。この軸受ブッシュ12は一般的に取り
付け手段を備えた軸受ハウジング20に納めたものが軸
受けとして使用され、前記軸受ブッシュ12に内嵌して
摺動面6に摺接する摺接対象部材8である軸体8Aを回
転自在に支持するものである。前記軸受ハウジング20
は通常鋳鋼で形成してあり、前記軸受ブッシュ12は、
炭素鋼製の軸受用筒体に青銅粒子を焼結して形成した青
銅焼結体4に、その空孔に油を含浸させて形成した含油
メタル4Aを内嵌圧入して形成してある。前記軸受用筒
体は外周部を加工して本体部2である裏金2Aに形成す
るものである。尚、前記軸受ブッシュ12の摺接対象部
材8である軸体8Aに端部から外嵌できない場合のため
に、前記軸受ブッシュ12を軸心に沿って径方向に二分
割したものも用いられる。この場合には、前記含油メタ
ル4Aは前記裏金2Aにロウ付けしてある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の軸受ブッシ
ュとして用いられる摺動部材は、筒状で別体に形成され
た多孔質金属焼結体4を、これを保持する本体部である
筒状本体2Aに密嵌して形成するものであり、その際に
前記多孔質金属焼結体4と前記筒状本体2Aとの間の嵌
合代を調整する等の精密加工を必要とするために、加工
時間を要する精密加工工程を必要とし、前記多孔質金属
焼結体4を同時に複数焼結処理したとしても、前記多孔
質金属焼結体4の外周と前記軸受用筒体で形成した裏金
2Aの内周とを共に嵌合公差に合わせて精密加工を施す
ことが必要になり、この精密機械加工が個別加工である
ために、摺動部材の組み立て時間を短縮することが困難
で、軸受けの量産に際して1個当たり加工時間の短縮を
図るのに障害となるという問題を孕んでいた。また、上
記構成の軸受ブッシュ12においては、含油量の確保の
ために、前記多孔質金属焼結体4としての含油メタル4
Aの厚さを薄くはできず、焼結体の熱伝導度が低いこと
から、前記裏金2Aを冷却しても、前記摺動面6の温度
を低く維持することが困難であるという問題も有してい
る。これは前記摺接対象部材が、摺動部材の外面に形成
される摺動面に摺接するものにあっても同様である。そ
こで、本発明の摺動部材及びその製造方法の目的は、上
記の問題点を解決し、摺接対象部材に摺接して発熱する
摺動面の冷却能力を高く維持しながら、例えば軸受けの
等の摺動部品の生産を効率化して生産数量の増大を容易
とするところにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】〔摺動部材に係る特徴構
成〕上記の目的のための本発明の摺動部材の第1特徴構
成は、請求項1に記載の如く、摺接対象部材に対して摺
動自在な摺動面を、高温等方圧下で焼結した多孔質金属
体からなる多孔体層で形成すると共に、前記多孔体層を
拡散接合して本体部に一体化して低摩擦表面層を形成し
てある点にある。
【0005】〔摺動部材に係る特徴構成の作用効果〕上
記第1特徴構成によれば、摺動部材の生産効率化が容易
となる。つまり、多孔体金属層と本体部とを、予め前記
多孔質金属層を焼結形成する際に一体に拡散接合した摺
動部材を形成してあれば、改めて両者を密嵌一体化する
必要がなく、従って工程時間短縮の困難な精密加工の必
要がないから、製造工程全体の時間短縮が容易となる。
しかも、前記多孔質金属層を高温等方圧下で焼結してあ
るから、均質であり、焼結体強度も十分であるから、例
えば空孔内に潤滑剤を充填することで、摺動特性の極め
て優れた低摩擦表面層を形成できる。従って、前記多孔
金属層を薄くすることができるから、前記低摩擦表面層
を通じての摺動面から前記本体部への放熱に対する熱抵
抗を抑制できて、前記摺動面の温度上昇を抑制できる。
その結果、摺動面の冷却能力を高く維持しながら、摺動
部材の製造時間を短縮できるから、例えば軸受け等の摺
動部品の時間当たり生産数量を増大することも容易にな
る。
【0006】〔摺動部材の製造方法に係る特徴構成〕上
記の目的のための本発明の摺動部材の製造方法の第1特
徴構成は、請求項2に記載の如く、軸体からなる摺接対
象部材に対して摺動面を摺動自在に形成してある摺動部
材であって、少なくとも一部が筒状本体を構成する本体
用筒体を配置すると共に、その本体用筒体に対して内側
筒体を前記両筒体間に隙間を形成しつつ内嵌した状態に
配置し、前記隙間に、無機質粉粒体を充填して密閉した
後、前記内側筒体を介して等方圧加圧しながら加熱して
前記粉末を焼結させて、前記本体用筒体の内周に一体化
し、内周面を内嵌する前記軸体に対する前記摺動面に形
成した多孔体層を形成する点にある。
【0007】上記の目的のための本発明の摺動部材の製
造方法の第2特徴構成は、請求項3に記載の如く、内側
に摺接面を形成してある筒状部材からなる摺接対象部材
に対して摺動面を摺動自在に形成してある摺動部材であ
って、少なくとも一部が筒状本体を構成する本体用筒体
を配置すると共に、その本体用筒体に対して外側筒体を
前記両筒体間に隙間を形成しつつ外嵌した状態に配置
し、前記隙間に、無機質粉粒体を充填して密閉した後、
前記外側筒体を介して等方圧加圧しながら加熱して前記
無機質粉粒体を焼結させて、前記本体用筒体の外周に一
体化した、外周面を外嵌する前記筒状部材に対する前記
摺動面に形成し多孔体層を形成する点にある。
【0008】尚、請求項4に記載の如く、前記摺動部材
の製造方法の第1又は第2特徴構成の何れかにおける多
孔体層に、テトラフルオロエチレンを含浸させて低摩擦
表面層を形成することが(第3特徴構成)好ましい。
【0009】〔摺動部材の製造方法に係る特徴構成の作
用効果〕上記製造方法の第1特徴構成によれば、多孔体
層を形成する際に、同時に筒状本体と一体化した摺動部
材を形成できる。つまり、本体用筒体と内側筒体との間
の隙間に充填した無機質粉粒体に前記内側筒体を介して
等方圧を作用させることで、前記無機質粉粒体は均一に
加圧されながら前記本体用筒体に押し付けられ、その条
件下で加熱されることで前記無機質粉粒体は焼結されな
がら、前記本体用筒体の内周面に押し付けられた前記無
機質粉粒体は、前記内周面に対して粉粒体同士の焼結と
同様に前記本体用筒体に拡散接合される。従って、前記
多孔体層を前記筒状本体に組み付ける独立の工程を必要
としない。しかも、前記多孔体層を焼結形成する際に等
方圧加圧下で加熱しているから、前記多孔体層は均質に
なり、焼結体強度も高められる。また、前記無機質粉粒
体を前記本体用筒体に押し付ける形で焼結するから、形
成する多孔体層を薄くできて、その伝熱抵抗を低く維持
できる。従って、軸体に対して摺動する摺動面の発熱を
前記筒状本体側に拡散でき、前記摺動面の温度上昇を抑
制できる。その結果、摺動部材を軸体に外嵌摺動する摺
動面の温度上昇を抑制できるものとしながら、摺動部材
の製造時間を短縮できるから、軸受け等の軸体に外嵌摺
動する摺動部品の生産効率が高まり、時間当たり生産数
量を増大することが容易になる。
【0010】上記製造方法の第2特徴構成によれば、多
孔体層を形成する際に、同時に筒状本体と一体化した摺
動部材を形成できる。つまり、本体用筒体と外側筒体と
の間の隙間に充填した無機質粉粒体に前記外側筒体を介
して等方圧を作用させることで、前記無機質粉粒体は均
一に加圧されながら前記本体用筒体に押し付けられ、そ
の条件下で加熱されることで前記無機質粉粒体は焼結さ
れながら、前記本体用筒体の外周面に押し付けられた前
記無機質粉粒体は、前記外周面に対して粉粒体同士の焼
結と同様に前記本体用筒体に拡散接合される。従って、
前記多孔体層を前記筒状本体に組み付ける独立の工程を
必要としない。しかも、前記多孔体層を焼結形成する際
に等方圧加圧下で加熱しているから、前記多孔体層は均
質になり、焼結体強度も高められる。また、前記無機質
粉粒体を前記本体用筒体に押し付ける形で焼結するか
ら、形成する多孔体層を薄くできて、その伝熱抵抗を低
く維持できる。従って、筒状部材に対して摺動する摺動
面の発熱を前記筒状本体側に拡散でき、前記摺動面の温
度上昇を抑制できる。その結果、摺動部材を軸体に外嵌
摺動する摺動部品の温度上昇を抑制できるものとしなが
ら、摺動部材の製造時間を短縮できるから、筒状部材に
内嵌摺動する摺動部品の生産効率が高まり、時間当たり
生産数量を増大することが容易になる。
【0011】尚、前記製造方法の第1特徴構成又は第2
特徴構成における多孔体層に予めテトラフルオロエチレ
ン(テフロン)を含浸させておくことで、前記摺動面が
潤滑材としてのテトラフルオロエチレンによる潤滑を可
能とする底摩擦表面層を形成できる(第4特徴構成)。
従って、テトラフルオロエチレンが変質しない範囲内で
あれば高温度でも使用可能な摺動部材を製造できるよう
になる。このようにすれば、無給油摺動部材を、摺動面
の冷却が良好に維持できるものとしながら、生産性よく
製造できるようになる。
【0012】
【発明の実施の形態】上記本発明の摺動部材及びその製
造方法の実施の形態の一例を基に、以下に、図面を参照
しながら説明する。尚、前記従来の技術において説明し
た要素と同じ要素並びに同等の機能を有する要素に関し
ては、先の図7に付したと同一の符号を付し、詳細の説
明の一部は省略する。図1は本発明の摺動部材の一例と
して軸受ブッシュを形成するべく金属粉末を等方加圧焼
結するためのカプセルの構成を示す縦断面図であり、図
2は前記軸受ブッシュの製作工程を示す説明図であり、
図3は製造される軸受部品の一例を示す縦断面図であ
る。
【0013】図2に製造工程を示す摺動部材は、図3に
示すように本体部2である筒状本体2A内面に拡散接合
された金属粒子を焼結した多孔体層3内周に回転曲面と
しての円筒面で形成される摺動面6を備えるものの一例
であって、軸受用筒体11A(本体用筒体11の例)の
内周にその外周面3bが拡散接合されることで一体化し
て多孔質金属体4からなる多孔体層3を形成するもので
ある。前記摺動面6は前記多孔体層3の内周部に形成さ
れる(図2参照)。
【0014】前記多孔体層3は、以下のようにして形成
される。先ず、筒状本体2A(即ち本体部2)を形成可
能な軸受用筒体11A(本体用筒体11の例)をカプセ
ル10の一部として配置し、その軸受用筒体11Aに対
してカプセル10の一部をなす内側筒体10Aを、前記
軸受用筒体11Aとの間に隙間Gを形成しつつ内嵌した
状態に配置する。さらに、これら両筒体11A,10A
の下側に底板10Dを密封状態で取り付ける。通常この
取り付けは溶接によって行われる。そして、前記軸受用
筒体11Aと前記内側筒体10Aとの間の隙間Gに、無
機質粉粒体7として金属粉粒体7Aを充填する。その後
前記両筒体11A,10Aの上側に脱気孔を備える蓋板
10Cを気密に取り付けてカプセル10を形成する(図
2(イ)参照)。そして、前記カプセル10内を不活性
雰囲気にした後前記脱気孔を密閉して等方圧加圧炉F内
に装入し、前記装入したカプセル10に対して、前記等
方圧加圧炉F内で等方圧を作用させながら加熱して焼結
処理を行う(図2(ロ)参照)。ここで、前記カプセル
10内の無機質粉粒体7は、前記内側筒体10Aを介し
て等方圧が作用し、加熱によって焼結され、前記軸受用
筒体11Aの内周に外周面3bが拡散接合されて一体化
した多孔質金属焼結体4からなる前記多孔体層3をを備
えた摺動部材1の素材が形成される(図2(ハ)参
照)。この素材は、筒状本体2Aの外周部を仕上加工し
て、軸受ブッシュ12に形成される。
【0015】具体例を挙げて説明すれば、前記筒状本体
2Aとしてステンレス鋼(例えば、JIS SUS304)
製の裏金2Aを形成可能な、前記裏金2Aより厚肉の鋼
管からなる軸受用筒体11Aを用い、低炭素鋼(例え
ば、JIS STB340)製の内側筒体10Aを前記軸受
用筒体11Aの内側に配置し、両筒体11,10Aの両
端部に軟鋼(例えば、S10C JIS)製の板材(カプセ
ル10の材料)を溶接して蓋をしてカプセル10を形成
する。前記無機質粉粒体7としては、ステンレス鋼(例
えば、SUS316L JIS)をアトマイズ法により粒径
範囲を150〜450μmに調整した金属粒子を用い
る。この金属粒子を前記カプセル10内に充填(図2
(イ)参照)した後、前記カプセル10内を吸引して一
旦真空にし、減圧したアルゴンを封入し、前記蓋に設け
てあった吸引口を閉じる。こうして前記金属粒子を封入
したカプセル10を等方圧加圧炉F内に装入し加圧加熱
する(図2(ロ)参照)。この際複数のカプセル10を
同時に装入することが可能である。炉内圧は例えば約6
8.6MPa(700kgf/cm2 )に維持し、加熱
温度を750℃に維持し、1時間保持する。その後炉外
冷却して、機械加工により焼結処理後のカプセル10の
両端部を切断すると共に、前記内側筒体10Aを切削除
去し、さらに、焼結形成した多孔体層3の内径を所定寸
法に仕上げ、また、前記軸受用筒体11Aの外周を切削
して、前記筒状本体2Aの外形に仕上げる(図2(ハ)
参照)。尚、前記多孔体層3に潤滑材Lとしてテトラフ
ルオロエチレンを含浸させて低摩擦表面層5を形成し、
前記切削仕上げした内面、即ち摺動面6を低摩擦抵抗面
とすることで、オイルレス軸受ブッシュ12を形成する
ことができる。
【0016】上記のようにして多孔体層3を形成するこ
とで、高温等方圧下で焼結した多孔質金属体からなる多
孔体層3は前記本体部2に拡散接合されて一体化し、低
摩擦表面層5の内周面として前記摺動面6が形成される
ことになる。従って、前記低摩擦表面層5は厚さを必要
としないから、前記多孔体層3も薄いものでよく、その
結果、前記多孔体層3の熱伝導度が低いにも拘わらず、
前記摺動面6から前記筒状本体である即ち裏金2Aへの
熱抵抗を低く維持できて、前記摺動面6の温度上昇を抑
制できるようになる。
【0017】次に、本発明の他の実施の形態について説
明する。 〈1〉上記実施の形態に於いては、オイルレス軸受ブッ
シュ12を形成する例を示したが、上記形状の摺動部材
1は、これに限らず、他の用途、他の形態にも適用可能
である。例えば、本体部に取り付けられ、案内桿に沿っ
て前記本体部を前記案内桿の前後に移動させるための摺
動案内部材としても使用可能である。また、図4に示す
ように、外周に摺動面6を有し、円筒状の内面を有する
摺接対象部材である筒状部材8Bに内嵌して摺動する摺
動部材4であってもよく、その摺動面6の接線方向、軸
芯方向の何れの方向にも摺動することが可能で、両方向
に同時に摺動するものであってもよい。その製造方法
は、上記実施の形態で説明した軸受ブッシュと同様であ
り、筒状本体2Aを構成する本体用筒体11を配置し、
その本体用筒体11に対して外側筒体10Bを間に隙間
Gを形成しつつ外嵌した状態に配置し、前記隙間Gに、
無機質粉粒体7(例えば金属粉粒体7A)を充填して密
閉した後、前記外側筒体10Bを介して等方圧加圧しな
がら加熱して前記無機質粉粒体7を焼結させれば、前記
本体用筒体11の外周に一体化した前記多孔体層3を形
成することができるのである。従って、回転支持され、
或いはするのみならず、軸芯方向に案内するものであっ
てもよい。さらに、例えば図6に示すように、摺接面を
凹面に形成してある摺接対象部材8に対して摺動自在な
摺動面6を球面に形成したものであってもよく、揺動支
持する機構に有用である。要するに、本発明に係る摺動
部材は、他の部材に対して摺接する部材として広範囲の
用途に有用なものである。 〈2〉上記実施の形態に於いては、多孔体層に潤滑材L
(テトラフルオロエチレンを例示)を含浸させて無給油
軸受として構成した例を挙げて説明したが、気体軸受け
に構成することも可能である。筒状本体から多孔体層の
気孔を通じて給気すればよい。 〈3〉上記実施の形態に於いては、筒状本体及び無機質
粉粒体の材料をステンレス鋼とし、内側筒体を低炭素鋼
からなる鋼管で形成し、両筒体の両端部を軟鋼薄板で封
止する例を示したが、カプセルに全体を封入してもよ
く、カプセルの材料としては、鋼材に限らず、例えばガ
ラスであってもよい。この点は、上記〈1〉に説明した
本体の外周に摺動面を備える摺動部材を形成する場合に
も同様である。 〈4〉上記実施の形態に於いては、軸受ブッシュを形成
する例を示について説明したが、軸受ハウジングを共に
焼結するようにしてもよい。 〈5〉上記実施の形態に於いては、筒状の軸受ブッシュ
を形成する例について説明示したが、従来多く使用され
ているように、径方向に二分割したものを形成するよう
にしてもよい。
【0018】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に使用するカプセルの一例を示す縦断面
【図2】本発明に係る摺動部材の製造方法の手順説明図
【図3】本発明に係る摺動部材の一例の縦断面図
【図4】本発明に使用するカプセルの他の例を示す縦断
面図
【図5】本発明に係る摺動部材の他の例の縦断面図
【図6】本発明に係る摺動部材の他の例の縦断面図
【図7】従来の摺動部材の一例の縦断面図
【符号の説明】
2 本体部 2A 筒状本体 3 多孔体層 5 低摩擦表面層 6 摺動面 7 無機質粉粒体 8A 軸体 8B 筒状部材 10A 内側筒体 10B 外側筒体 11 本体用筒体 G 隙間

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 本体部(2)に回転曲面で形成される摺
    動面(6)を備える摺動部材であって、 前記摺動面(6)を、高温等方圧下で焼結した多孔質金
    属体からなる多孔体層(3)で形成すると共に、前記多
    孔体層(3)を拡散接合して前記本体部(2)に一体化
    して低摩擦表面層(5)を形成してある摺動部材。
  2. 【請求項2】 筒状本体(2A)の内周に多孔体層
    (3)を形成すると共に、その多孔体層(3)の内周面
    をこれに内嵌自在な軸体(8A)に対する摺動面(6)
    に形成した摺動部材の製造方法であって、 少なくとも一部が前記筒状本体(2A)を構成する本体
    用筒体(11)を配置すると共に、その本体用筒体(1
    1)に対して内側筒体(10A)を前記両筒体(1
    1),(10A)間に隙間(G)を形成しつつ内嵌した
    状態に配置し、前記隙間(G)に、無機質粉粒体(7)
    を充填して密閉した後、前記内側筒体(10A)を介し
    て等方圧加圧しながら加熱して前記無機質粉粒体(7)
    を焼結させて、前記本体用筒体(11)の内周に一体化
    した前記多孔体層(3)を形成する摺動部材の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 筒状本体(2A)の外周に多孔体層
    (3)を形成すると共に、その多孔体層(3)の外周面
    をこれに外嵌自在な筒状部材(8B)に対する摺動面
    (6)に形成した摺動部材の製造方法であって、 少なくとも一部が前記筒状本体(2A)を構成する本体
    用筒体(11)を配置すると共に、その本体用筒体(1
    1)に対して外側筒体(10B)を前記両筒体11,1
    0B間に隙間(G)を形成しつつ外嵌した状態に配置
    し、前記隙間(G)に、無機質粉粒体(7)を充填して
    密閉した後、前記外側筒体(10B)を介して等方圧加
    圧しながら加熱して前記無機質粉粒体(7)を焼結させ
    て、前記本体用筒体(11)の外周に一体化した前記多
    孔体層(3)を形成する摺動部材の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記多孔体層(3)に、テトラフルオロ
    エチレンを含浸させて低摩擦表面層(5)を形成する請
    求項2又は3に記載の摺動部材の製造方法。
JP6320298A 1998-03-13 1998-03-13 摺動部材及びその製造方法 Pending JPH11257351A (ja)

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JP (1) JPH11257351A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100789998B1 (ko) 2006-06-23 2008-01-02 주식회사 에스.오.비 브릿지슈용 판베어링
JP2011058542A (ja) * 2009-09-08 2011-03-24 Ntn Corp 焼結金属軸受、およびこの軸受を備えた流体動圧軸受装置

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