JPH112571A - 温度測定方法及び低消費電流で作動する温度測定装置 - Google Patents

温度測定方法及び低消費電流で作動する温度測定装置

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JPH112571A
JPH112571A JP8359843A JP35984396A JPH112571A JP H112571 A JPH112571 A JP H112571A JP 8359843 A JP8359843 A JP 8359843A JP 35984396 A JP35984396 A JP 35984396A JP H112571 A JPH112571 A JP H112571A
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temperature
counter
frequency
signal
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JP8359843A
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Tsuneo Yamauchi
常生 山内
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TECHNO TOGO KK
Original Assignee
TECHNO TOGO KK
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Publication date
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    • G01KMEASURING TEMPERATURE; MEASURING QUANTITY OF HEAT; THERMALLY-SENSITIVE ELEMENTS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • G01K7/00Measuring temperature based on the use of electric or magnetic elements directly sensitive to heat ; Power supply therefor, e.g. using thermoelectric elements
    • G01K7/32Measuring temperature based on the use of electric or magnetic elements directly sensitive to heat ; Power supply therefor, e.g. using thermoelectric elements using change of resonant frequency of a crystal

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 温度による発振周波数変化の割合が異なる2
つの振動子を用い,両者の周波数変化に基づき,高精度
の温度測定をする温度測定法及び小型・軽量で消費電流
の少ない温度測定装置を提供する. 【解決手段】 発振周波数の温度係数が比較的大きな振
動子を有する発振回路と発振周波数の温度係数が比較的
小さな振動子を有する発振回路を設け,一方の振動子に
よる発振周波数を分周してラッチ信号を作成し,そのラ
ッチ信号で他方の振動子による発振周波数の計数用カウ
ンターの値をラッチし,ラッチした値より演算で温度を
求める.

Description

【発明の詳細な説明】
【発明の属する技術分野】この発明は,温度によって発
振周波数が変化する水晶振動子を利用する温度測定方法
及び温度測定装置に関わり,特に低消費電流で作動する
高精度の温度測定装置に関わる.
【従来の技術】図1は,温度によって発振周波数が変化
する水晶振動子を利用する温度測定法の例である.感温
部50において温度センサーとしての水晶振動子,言い
替えれば水晶温度センサー10を発振回路11で発振さ
せ,その出力周波数信号を演算装置60に送る.60の
内部では,基準水晶振動子20とその発振回路21で基
準周波数信号を作成し,カウンター22で分周し基準に
なる時間幅のゲート信号23を作成する.50からの水
晶温度センサーによる周波数信号をゲート回路26に入
力し,基準になる時間幅の23で制御しつつカウンター
27に入力する.感温部の温度が変わると10の発振周
波数が変わるため,基準になる時間幅の間に26を介し
て27に入力される基準周波数信号のカウント値が変わ
る.このカウント値の違いより演算によって温度を求め
る.けれども,20周辺の温度が変わると基準周波数信
号の出力周波数が変化し,それを分周して得た23の間
隔が変わる.27のカウント値は23の間隔が変わる場
合も変化する.このため,感温部で温度変化が生じたの
か,20の発振周波数が変化したのか区別できない.し
たがって,感温部における温度を求めるには.恒温槽を
使用したり温度補償型水晶発振器を使用して,基準周波
数信号の出力周波数を安定させ23の時間幅を一定にす
る必要がある.このため,温度測定装置の消費電流が多
くなり,電池では装置を長時間作動させることができな
い.
【発明が解決しようとする課題】この発明の目的は,温
度によって発振周波数が変化する水晶振動子とあまり変
化しない水晶振動子を用い,両者の発振周波数信号よ
り,演算によって温度を求める温度測定法の提供,及
び,その測定法による低消費電流で作動する高精度の温
度測定装置を提供することである.
【課題を解決するための手段】温度によって発振周波数
が大きく変化する水晶振動子を有する発振回路と,発振
周波数があまり変化しない水晶振動子を有する発振回路
を設け,前者をカウンターで分周して作成したラッチ信
号により,後者の計数回路のカウンターの値をラッチ
し,ラッチしたカウント値に基づいて演算により温度を
求める.
【発明の実施の形態】実施例を図10に示す.温度によ
って発振周波数が変化する水晶温度センサー110とそ
の発振回路111,及び,温度によって発振周波数があ
まり変化しない基準水晶振動子120とその発振回路1
21を接近して設置して感温部100を形成する.前者
の出力信号をカウンター112で分周しつつ,後者の出
力信号をカウンター122で分周する.分周して得た1
12のビット信号をゲート回路113に入力してリセッ
ト信号114を作成する.この114で112をリセッ
トするとともに同じ信号をラッチ信号115として利用
し,カウンター122の値をラッチする.ラッチされた
122の値をシフトレジスター130を介して演算装置
200に伝送する.図10において,温度が変化すれば
110の出力周波数が変化し分周周期が変化する.その
結果,114の発生する間隔が変化する.114の発生
する間隔が変化すれば,基準水晶振動子120を計数し
ているカウンター122に入力されるカウント値が変化
する.一方,温度の変化に対応して120の周波数も変
化しその影響で122のカウント値が変化する.つま
り,温度の変化があれば,114の間隔が変わるし12
0の周波数も変化し,ラッチされた122のカウント値
に差が生じる.このカント値の違いから温度を求める.
理解を簡単にするため,以下では数式にしたがって説明
をする.図10において,感温部の温度がt℃の時の1
10の分周によるラッチ信号の と, t℃の時のカウント値は T・f (1) さくなるため,(3)式ではゼロとみなした.この発明
の感温部は,110と120を比較的近くに配置した構
成である.そして,一方の周波数計数用カウンターで作
成したラッチ信号で他の周波数計数用 かじめ感温部周囲の温度と(3)式によるカウント値と
の関係を求めておけば,測定したカウント値から演算で
温度を求めることができる.図15と16に図10で示
した実施例により測定した室温の変化を示す.図には,
比較のために東京電波機器株式会社のクオーツ温度計
(DMT−600)による観測結果も,位置をずらせて
プロットしてある.この実施例では,セイコウエプソン
株式会社の水晶温度センサー(HTS−206)を温度
センサーとして使用し,同じセイコウエプソン株式会社
の(SPG8640AN)で基準周波数信号を作成し
た.実施例による結果は,DMT−600の結果とよく
一致しており,基準周波数信号を安定させなくても精度
よく温度を測定できることが分かる.DMT−600の
感温部の消費電流は約30mWであるが,図示した実施
例では,感温部を0.6mWで作動させた.図20は演
算装置200の例で,マイクロプロセッサ210,ロム
211,メモリー212,D/A変換器213で構成さ
れる.図10で示した感温部100のシフトレジスター
130から送られてきた値を210で読み取りあらかじ
めカウント値と温度との関係を記憶させた211を参照
して温度を求め,213でアナログ信号214に変換し
たり,212に保存する.また,デジタル値として表示
する.図30の実施例は,水晶温度センサー110と発
振回路111と,カウンター112,及び,基準水晶振
動子120と発振回路121と,カウンター122,な
らびに,ゲート回路113とシフトレジスター130で
構成される感温部300である.120による発振周波
数を分周して得た122のビット信号を113に入力
し,リセット信号114を作成する.この114で12
2をリセットとするとともに,同じ信号をラッチ信号1
15として使用し,110による発振周波数をカウント
している112のカウント値をラッチする.このラッチ
した値を130を介して図20で示す演算装置200に
送り温度を求める.図40の実施例は,感温部400が
水晶温度センサー110と発振回路111,基準水晶振
動子120と発振回路121で構成されている.この実
施例では,演算部450は400にある111や121
の出力を計数するカウンター112と`122,ゲート
回路113の他,マイクロプロセッサ210,ロム21
1,メモリー212,D/A変換器213で構成され
る.図10や図30で示したと同様に112のビット信
号によりリセット信号114とラッチ信号115を作成
する.この構成の装置の場合,計数回路が演算装置45
0にあるため感温部400を小型にできる.112や1
22の計数回路を省き210に内蔵されたカウンターで
直接111や121の周波数信号を読み取ってもよい.
図50は多点で同時観測ができるように,感温部500
を小型にした他の実施例である.各々の感温部は水晶温
度センサー110,発振回路111,カウンター11
2,及び,ゲート回路113で構成されている.各々の
感温部500では,110の周波数信号を分周して11
2にリセット信号114を加えるとともに,同じ信号を
ラッチ信号115として図55で示す演算装置550に
送る.図55で示した550には基準水晶振動子120
とその発振回路121と,多数のカウンター122があ
る.また,550には図20で示したと同様にマイクロ
プロセッサ210,ロム211,メモリー212,D/
A変換器213がある.550では,図50で示した感
温部500から送られてくるラッチ信号115で121
の周波数信号をカウントしている各々のカウンター12
2のカウント値をラッチする.ラッチされたカウント値
を用いて211を介して演算により各々の点の温度を求
め,測定結果を213で出力したり212に保存する.
550ではカウンターを設けず図40で示した実施例の
ようにカウンターを内蔵したマイクロプロセッサで感温
部の周波数信号を読み取ってもよい.図50と図55の
実施例は.多点で温度の同時観測をする場合に1ケ所の
基準水晶振動子を使用する方法で,多点の温度差を求め
る用途に向いている.測定しようとする複数の点の温度
が相互にあまり違わない状態の雰囲気にあれば,同じ基
準水晶振動子による周波数信号を演算に用いても温度差
の算出ができる.基準水晶振動子のある演算部内の温度
を図10で示した方法で測定し,基準の温度として利用
すれば,各々の感温部500による温度の精度が向上す
る.本発明による実施例では,水晶温度センサーだけで
なく基準水晶振動子の温度による発振周波数の変化も温
度の情報に利用している.このため,恒温槽で基準水晶
振動子の発振周波数信号を安定化させる必要はなく,演
算部の消費電流を少なくできる.また,温度の情報はラ
ッチ信号が発生するゲート時間内にカウンターに入力さ
れるカウント値に反映されている.したがって,演算で
温度を求める際に,ラッチしたカウンターの上位の値で
概略の温度を求め下位の値で詳しい温度を求めたり,水
晶温度センサーや基準水晶振動子の有する固有の温度係
数や非直線性の補正を,ロムに記憶した変換値を用いて
行うと便利である.前述した実施例では,感温部のセン
サーとして温度によって発振周波数が変化する水晶温度
センサーを用いたが,温度によって発振周波数が変化す
る振動子や電子回路なら,感温部に使用できる.また,
基準水晶振動子を用いる実施例を示したが,発振周波数
が安定している水晶発振器や電子回路を用いても効果は
同じである.水晶温度センサーと基準水晶振動子を同じ
容器に入れたり,計数部分を含めて感温部全体をIC化
すれば,測定精度が向上する.また,感度や非直線性の
補正を行うための換算値をロムにし,感温部とともにI
C化し,温度に換算した演算結果を伝送すると便利であ
る.
【発明の効果】発明した温度測定法における温度変化の
情報は,ラッチされたカウント値に反映されている.感
温部におけるラッチ信号の発生する間隔を長くすれば周
波数信号によるラッチしたカウント値が大きくなるた
め,温度の測定精度がよくなり,簡単に0.001℃や
0.0001℃の温度測定が行える.この場合,カウン
ターの上位の値を使用して温度の概略値を求め,下位の
値を使用して正確な温度を決めると便利である.発明し
た方法で得られた温度変化の情報はデジタル値になって
いる.したがって,他の信号と同時に伝送する場合でも
クロストークの影響を受けにくく簡単に遠方へ伝送でき
るし,使用する発振回路の周波数を低くすれば消費電流
を少なくできる.感温部の消費電流が少なければ,被測
定物への影響を与えることなく温度の測定ができる効果
がある.さらに,この発明によれば,感温部の回路を小
型・軽量にでき,種々の計測器に組み込み易いし,回路
全体をIC化することも容易である.
【図面の簡単な説明】
【図 1】 従来の方法による温度測定方法.
【図10】 本発明による感温部の実施例.
【図15】 実施例により測定した温度変化.
【図16】 実施例により測定した詳細な温度変化.
【図20】 本発明による演算装置の実施例.
【図30】 本発明による他の感温部実施例.
【図40】 本発明による感温部を小型にした実施例.
【図50】 本発明による感温部を小型にした他の実施
例.
【図55】 本発明による演算装置の他の実施例.
【符号の説明】
10 … 水晶温度センサー, 11 … 発振回路,
20 … 基準水晶振動子, 21 … 発振回路,
22 … カウンター,23 … ゲート信号, 26
… ゲート回路, 27 … カウンター,50 …
感温部, 60 … 演算装置,100 … 感温
部,110 … 水晶温度センサー, 111 … 発
振回路,112 … カウンター, 113 … ゲー
ト回路,114 … リセット信号, 115 … ラ
ッチ信号,120 … 基準水晶振動子, 121 …
発振回路,122 … カウンター, 130 …
シフトレジスター,200 … 演算装置,210 …
マイクロプロセッサ, 211 … ロム,212
… メモリー, 213 … D/A変換器,214
… アナログ信号,300 … 感温部, 400 …
感温部, 500 … 感温部,450 … 演算装
置, 550 … 演算装置.
【手続補正書】
【提出日】平成9年6月13日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来の方法による温度測定方法.
【図2】 本発明による感温部の実施例.
【図3】 実施例により測定した温度変化.
【図4】 実施例により測定した詳細な温度変化.
【図5】 本発明による演算装置の実施例.
【図6】 本発明による他の感温部実施例.
【図7】 本発明による感温部を小型にした実施例.
【図8】 本発明による感温部を小型にした他の実施
例.
【図9】 本発明による演算装置の他の実施例.
【符号の説明】 10・・・水晶温度センサー,11・・・発振回路 20・・・基準水晶振動子,21・・・発振回路,22
・・・カウンター,23・・・ゲート信号,26・・・
ゲート回路,27・・・カウンター,50・・・感温
部,60・・・演算装置,100・・・感温部,110
・・・水晶温度センサー,111・・・発振回路 112・・・カウンター,113・・・ゲート回路,1
14・・・リセット信号,115・・・ラッチ信号,1
20・・・基準水晶振動子,121・・・発振回路,1
22・・・カウンター,130・・・シフトレジスタ
ー,200・・・演算装置,210・・・マイクロプロ
セッサ,211・・・ロム 212・・・メモリー,213・・・D/A変換器,2
14・・・アナログ信号,300・・・感温部,400
・・・感温部,500・・・感温部,450・・・演算
装置,550・・・演算装置,
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図9】
【図6】
【図7】
【図8】
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の詳細な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は,温度によって発
振周波数が変化する水晶振動子を利用する温度測定方法
及び温度測定装置に関わり,特に低消費電流で作動する
高精度の温度測定装置に関わる.
【0002】
【従来の技術】図1は,温度によって発振周波数が変化
する水晶振動子を利用する温度測方法の例である.感温
部50のおいて温度センサーとしての水晶振動子,言い
替えれば水晶温度センサー10を発振回路11で発振さ
せ,その出力周波数信号を演算装置60に送る.60の
内部では,基準水晶振動子20とその発振回路21で基
準周波数信号を作成し,カウンター22で分周し基準に
なる時間幅のゲート信号23を作成する.50からの水
晶温度センサーによる周波数信号をゲート回路26に入
力し,基準になる時間幅の23で制御しつつカウンター
27に入力する.
【0003】感温部の温度が変わると10の発振周波数
が変わるため,基準になる時間幅の間に26を介して2
7に入力される基準周波数信号のカウント値が変わる.
このカウント値の違いより演算によって温度を求める.
けれども,20周辺の温度が変わると基準周波数信号の
出力周波数が変化し,それを分周して得た23の間隔が
変わる.
【0004】したがって,感温部における温度を求める
には,恒温槽を使用したり温度補償型水晶発振器を使用
して,基準周波数信号の出力周波数を安定させ23の時
間幅を一定にする必要がある.このため,温度測定装置
の消費電流が多くなり,電池では装置を長時間作動させ
ることができない.
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この発明の目的は,温
度によって発振周波数が変化する水晶振動子とあまり変
化しない水晶振動子を用い,両者の発振周波数信号よ
り,演算によって温度を求める温度測定法の提供,及
び,その測定法による低消費電流で作動する高精度の温
度測定装置を提供することである.
【0006】
【課題を解決するための手段】温度によって発振周波数
が大きく変化する水晶振動子を有する発振回路と,発振
周波数があまり変化しない水晶振動子を有する発振回路
を設け,前者をカウンターで分周して作成したラッチ信
号により,後者の計数回路のカウンターの値をラッチ
し,ラッチしたカウント値に基づいて演算により温度を
求める.
【0007】
【発明の実施の形態】実施例を図2に示す.温度によっ
て発振周波数が変化する水晶温度センサー110とその
発振回路111,及び,温度によって発振周波数があま
り変化しない基準水晶振動子120とその発振回路12
1を接近して設置して感温部100を形成する.前者の
出力信号をカウンター112で分周しつつ,後者の出力
信号をカウンター122で分周する.分周して得た11
2のビット信号をゲート回路113に入力してリセット
信号114を作成する.この114で112をリセット
するとともに同じ信号をラッチ信号115として利用
し,カウンター122の値をラッチする.ラッチされた
122の値をシフトレジスター130を介して演算装置
200に伝送する.図2において,温度が変化すれば1
10の出力周波数が変化し分周周期が変化する.その結
果,114の発生する間隔が変化する.114の発生す
る間隔が変化すれば,基準水晶振動子120を計数して
いるカウンター122に入力されるカウント値が変化す
る.一方,温度の変化に対応して120の周波数も変化
しその影響で122のカウント値が変化する.つまり,
温度の変化があれば,114の間隔が変わるし120の
周波数も変化し,ラッチされた122のカウント値に差
が生じる.このカウント値の違いから温度を求める.理
解を簡単にするため,以下では数式にしたがって説明を
する.
【0008】図2において,感温部の温度がt°Cの時
の110の分周によるラッチ信号の発生する間隔をTと
し,温度がt+Δtになった時のラッチ信号の発生する
間隔をT+ΔTとする.また,120の出力周波数がf
からf+Δfになったとすると, t°Cの時のカウント値は T・f (1) t+Δt°Cの時のカウント値は (T+ΔT)・(f+Δf) (2) のようになり,温度がΔt゜C変化したことによるカウ
ント値の変化は, (T+ΔT)・(f+Δf)−T・f=ΔT・f+T・Δf (3) となる.この発明で考えている温度範囲ではΔTやΔf
はTやfに比較して小さく,ΔT・Δfの値はΔT・f
やT・Δfの値と比較すると無視できる程度に小さくな
るため,(3)式ではゼロとみなした.この発明の感温
部は,110と120を比較的近くに配置した構成であ
る.そして,一方の周波数計数用カウンターで作成した
ラッチ信号で他の周波数計数用カウンターのカウント値
をラッチする.このため,(3)式右辺の第1項ΔT・
fと,第2項T・Δfはともに感温部の温度変化を反映
する.したがって,あらかじめ感温部周囲の温度と
(3)式によるカウント値との関係を求めておけば,測
定したカウント値から演算で温度を求めることができ
る.
【0009】図3と図4に図2で示した実施例により測
定した室温の変化を示す.図には,比較のために東京電
波機器株式会社のクオーツ温度計(DMT−600)に
よる観測結果も,位置をずらせてプロットしてある.こ
の実施例では,セイコウエプソン株式会社の水晶温度セ
ンサー(HTS−206)を温度センサーとして使用
し,同じセイコウエプソン株式会社の(SPG8640
AN)で基準周波数信号を作成した.実施例による結果
は,DMT−600の結果とよく一致しており,基準周
波数信号を安定させなくても精度よく温度を測定できる
ことが分かる.DMT−600の感温部の消費電流は約
30mWであるが,図示した実施例では,感温部を0.
6mWで作動させた.
【0010】図5は演算装置200の例で,マイクロプ
ロセッサ210,ロム211,メモリー212,D/A
変換器213で構成される.図2で示した感温部100
のシフトレジスター130から送られてきた値を210
で読み取りあらかじめカウント値と温度との関係を記憶
させた211を参照して温度を求め,213でアナログ
信号214に変換したり,212に保存する.また,デ
ジタル値として表示する.
【0011】図6の実施例は,水晶温度センサー110
と発振回路111と,カウンター112,及び,基準水
晶振動子120と発振回路121と,カウンター12
2,ならびに,ゲート回路113とシフトレジスター1
30で構成される感温部300である.120による発
振周波数を分周して得た122のビット信号を113に
入力し,リセット信号114を作成する.この114で
122をリセットとするとともに,同じ信号をラッチ信
号115として使用し,110による発振周波数をカウ
ントしている112のカウント値をラッチする.このラ
ッチした値を130を介して図5で示す演算装置200
に送り温度を求める.
【0012】図7の実施例は,感温部400が水晶温度
センサー110と発振回路111,基準水晶振動子12
0と発振回路121で構成されている.この実施例で
は,演算部450は400にある111や121の出力
を計数するカウンター112と122,ゲート回路11
3の他,マイクロプロセッサ210,ロム211,メモ
リー212,D/A変換器213で構成される.図2や
図6で示したと同様に112のビット信号によりレセッ
ト信号114とラッチ信号115を作成する.この構成
の装置の場合,計数回路が演算装置450にあるため感
温部400を小型にできる.112や122の計数回路
を省き210に内蔵されたカウンターで直接111や1
12の周波数信号を読み取ってもよい.
【0013】図8は多点で同時観測ができるように,感
温部500を小型にした他の実施例である.各々の感温
部は水晶温度センサー110,発振回路111,カウン
ター112,及び,ゲート回路113で構成されてい
る.各々の感温部500では,110の周波数信号を分
周して112にリセット信号114を加えるとともに,
同じ信号をラッチ信号115として図9で示す演算装置
550に送る.図9で示した550には基準水晶振動子
120とその発振回路121と,多数のカウンター12
2がある.また,550には図5で示したと同様にマイ
クロプロセッサ210,ロム211,メモリー212,
D/A変換器213がある.550では,図8で示した
感温部500から送られてくるラッチ信号115で12
1の周波数信号をカウントしている各々のカウンター1
22のカウント値をラッチする.ラッチされたカウント
値を用いて211を介して演算により各々の点の温度を
求め,測定結果を213で出力したり212に保存す
る.550ではカウンターを設けず図7で示した実施例
のようにカウンターを内蔵したマイクロプロセッサで感
温部の周波数信号を読み取ってもよい.
【0014】図8と図9の実施例は,多点で温度の同時
観測をする場合に1ケ所の基準水晶振動子を使用する方
法で,多点の温度差を求める用途に向いている.測定し
ようとする複数の点の温度が相互にあまり違わない状態
の雰囲気にあれば,同じ基準水晶振動子による周波数信
号を演算に用いても温度差の算出ができる.基準水晶振
動子のある演算部内の温度を図2で示した方法で測定
し,基準の温度として利用すれば,各々の感温部500
による温度の精度が向上する.
【0015】本発明による実施例では,水晶温度センサ
ーだけでなく基準水晶振動子の温度による発振周波数の
変化も温度の情報に利用している.このため,恒温槽で
基準水晶振動子の発振周波数信号を安定化させる必要は
なく,演算部の消費電流を少なくできる.また,温度の
情報はラッチ信号が発生するゲート時間内にカウンター
に入力されるカウント値に反映されている.したがっ
て,演算で温度を求める際に,ラッチしたカウンターに
上位の値で概略の温度を求め下位の値で詳しい温度を求
めたり,水晶温度センサーや基準水晶振動子の有する固
有の温度係数や非直線性の補正を,ロムに記憶した変換
値を用いて行うと便利である.
【0016】前述した実施例では,感温部のセンサーと
して温度によって発振周波数が変化する水晶温度センサ
ーを用いたが,温度によって発振周波数が変化する振動
子や電子回路なら,感温部に使用できる.また,基準水
晶振動子を用いる実施例を示したが,発振周波数が安定
している水晶発振器や電子回路を用いても効果は同じで
ある.水晶温度センサーと基準水晶振動子を同じ容器に
入れたり,計数部分を含めて感温部全体をIC化すれ
ば,測定精度が向上する.また,感度や非直線性の補正
を行うための換算値をロムにし,感温部とともにIC化
し,温度に換算した演算結果を伝送すると便利である.
【0017】
【発明の効果】発明した温度測定法における温度変化の
情報は,ラッチされたカウント値に反映されている.感
温部におけるラッチ信号の発生する間隔を長くすれば周
波数信号によるラッチしたカウント値が大きくなるた
め,温度の測定精度がよくなり,簡単に0.001°C
や0.0001°Cの温度測定が行える.この場合,カ
ウンターの上位の値を使用して温度の概略値を求め,下
位の値を使用して正確な温度を決めると便利である.
【0018】発明した方法で得られた温度変化の情報は
デジタル値になっている.したがって,他の信号と同時
に伝送する場合でもクロストークの影響を受けにくく簡
単に遠方へ伝送できるし,使用する発振回路の周波数を
低くすれば消費電流を少なくできる.感温部の消費電流
が少なければ,被測定物への影響を与えることなく温度
の測定ができる効果がある.さらに,この発明によれ
ば,感温部の回路を小型・軽量にでき,種々の計測器に
組み込み易いし,回路全体をIC化することも容易であ
る.

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 温度によって発振周波数が変化する水晶
    振動子を有する発振回路とその周波数信号を分周するカ
    ウンター回路と,温度による発振周波数の変化が小さい
    水晶振動子を有する発振回路とその周波数信号を分周す
    るカウンター回路を備え,前者の分周回路で作成したラ
    ッチ信号で後者の分周回路のカウンターの値をラッチ
    し,ラッチしたカウント値を利用して演算により温度を
    求めることを特徴とする温度測定法.
  2. 【請求項2】 請求項1記載の後者の分周回路で作成し
    たラッチ信号により請求項1記載の前者の分周回路のカ
    ウンターの値をラッチし,ラッチしたカウント値を利用
    して演算により温度を求めることを特徴とする温度測定
    法.
  3. 【請求項3】 請求項1記載,請求項2記載の少なくと
    も1つの方法を用いたことを特徴とする低消費電流で作
    動する温度測定装置.
JP8359843A 1996-07-17 1996-12-25 温度測定方法及び低消費電流で作動する温度測定装置 Pending JPH112571A (ja)

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