JPH11257129A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents
内燃機関の制御装置Info
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- JPH11257129A JPH11257129A JP6677798A JP6677798A JPH11257129A JP H11257129 A JPH11257129 A JP H11257129A JP 6677798 A JP6677798 A JP 6677798A JP 6677798 A JP6677798 A JP 6677798A JP H11257129 A JPH11257129 A JP H11257129A
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- engine
- fuel
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- Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】目標制御量を求めるために記憶しなければなら
ないデータの量が増大するのを抑制しつつ、本来行われ
るべき燃焼方式と実際の燃焼方式とに食い違いが生じて
も、燃焼状態など内燃機関の運転状態を適正に維持する
ことのできる内燃機関の制御装置を提供する。 【解決手段】エンジン11は運転状態に応じて「成層燃
焼」、「弱成層燃焼」、「均質希薄燃焼」及び「均質燃
焼」の内のいずれかの燃焼方式を実行する。エンジン1
1の燃焼室16内に噴射供給される燃料の目標燃料圧力
は、「成層燃焼」や「弱成層燃焼」時に変化範囲が大き
くなり、「均質希薄燃焼」や「均質燃焼」時には変化範
囲が小さくなる。エンジン11の電子制御ユニットは、
本来行われるべき燃焼方式と実際に行われる燃焼方式と
に食い違いが生じたとき、目標燃料圧力のガードを行っ
て同圧力を実際の燃焼方式に適した範囲内の値にする。
ないデータの量が増大するのを抑制しつつ、本来行われ
るべき燃焼方式と実際の燃焼方式とに食い違いが生じて
も、燃焼状態など内燃機関の運転状態を適正に維持する
ことのできる内燃機関の制御装置を提供する。 【解決手段】エンジン11は運転状態に応じて「成層燃
焼」、「弱成層燃焼」、「均質希薄燃焼」及び「均質燃
焼」の内のいずれかの燃焼方式を実行する。エンジン1
1の燃焼室16内に噴射供給される燃料の目標燃料圧力
は、「成層燃焼」や「弱成層燃焼」時に変化範囲が大き
くなり、「均質希薄燃焼」や「均質燃焼」時には変化範
囲が小さくなる。エンジン11の電子制御ユニットは、
本来行われるべき燃焼方式と実際に行われる燃焼方式と
に食い違いが生じたとき、目標燃料圧力のガードを行っ
て同圧力を実際の燃焼方式に適した範囲内の値にする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃焼方式が切り換
えられる内燃機関の制御装置に関するものである。
えられる内燃機関の制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動車用エンジン等の内燃機関
では、吸気通路を介して燃焼室内に吸入される空気と、
燃料噴射弁から噴射される燃料とを混合して混合気を形
成し、その混合気を燃焼室内で燃焼させることで駆動力
を得ている。また、燃焼後の混合気は、排気として内燃
機関の排気通路を介して外部へ排出される。こうした内
燃機関の吸気通路には、燃焼室に吸入される空気の量を
調整するためのスロットルバルブが設けられている。そ
して、スロットルバルブの開度を調節して燃焼室へ吸入
される空気の量を調整することにより、燃焼室へ充填さ
れる混合ガスの量が変化し、内燃機関の出力が調整され
るようになる。
では、吸気通路を介して燃焼室内に吸入される空気と、
燃料噴射弁から噴射される燃料とを混合して混合気を形
成し、その混合気を燃焼室内で燃焼させることで駆動力
を得ている。また、燃焼後の混合気は、排気として内燃
機関の排気通路を介して外部へ排出される。こうした内
燃機関の吸気通路には、燃焼室に吸入される空気の量を
調整するためのスロットルバルブが設けられている。そ
して、スロットルバルブの開度を調節して燃焼室へ吸入
される空気の量を調整することにより、燃焼室へ充填さ
れる混合ガスの量が変化し、内燃機関の出力が調整され
るようになる。
【0003】ところで、近年は、燃費を向上させること
及び十分な機関出力を得ることの両立を図るために、機
関運転状態に応じて燃焼方式を切り換えるタイプの内燃
機関が提案され、実用されている。こうしたタイプの内
燃機関の一例としては、特開平5−288098号公報
に記載されたものがあげられる。
及び十分な機関出力を得ることの両立を図るために、機
関運転状態に応じて燃焼方式を切り換えるタイプの内燃
機関が提案され、実用されている。こうしたタイプの内
燃機関の一例としては、特開平5−288098号公報
に記載されたものがあげられる。
【0004】同公報に記載された内燃機関は、高出力が
要求される高回転高負荷時には、空気に対して燃料が均
等に混合された均質混合気を燃焼させる「均質燃焼」を
行い、十分な機関出力を得るようにしている。この「均
質燃焼」は、内燃機関の吸気行程にて燃焼室内に噴射供
給された燃料が同燃焼室内の空気と均等に混ぜ合わさ
れ、その空気と燃料とから形成された混合気に点火プラ
グにより点火がなされることによって実行される。
要求される高回転高負荷時には、空気に対して燃料が均
等に混合された均質混合気を燃焼させる「均質燃焼」を
行い、十分な機関出力を得るようにしている。この「均
質燃焼」は、内燃機関の吸気行程にて燃焼室内に噴射供
給された燃料が同燃焼室内の空気と均等に混ぜ合わさ
れ、その空気と燃料とから形成された混合気に点火プラ
グにより点火がなされることによって実行される。
【0005】また、あまり高出力が要求されない低回転
低負荷時には、点火プラグ周りの燃料濃度を高めて着火
性を向上させるとともに、混合気の平均空燃比を理論空
燃比よりも大きくすることで燃費を向上させることが可
能な「成層燃焼」を実行する。この「成層燃焼」は、内
燃機関の圧縮行程にて燃焼室内に噴射供給された燃料が
ピストン頭部の窪みに当たって点火プラグ周りに集めら
れ、その集められた燃料と燃焼室内の空気とからなる混
合気に点火プラグにより点火がなされることによって実
行される。こうした「成層燃焼」では、混合気の平均空
燃比を大きくすべくスロットルバルブを「均質燃焼」の
場合に比べて開き側に制御するため、ポンピングロスが
低減されるようになる。
低負荷時には、点火プラグ周りの燃料濃度を高めて着火
性を向上させるとともに、混合気の平均空燃比を理論空
燃比よりも大きくすることで燃費を向上させることが可
能な「成層燃焼」を実行する。この「成層燃焼」は、内
燃機関の圧縮行程にて燃焼室内に噴射供給された燃料が
ピストン頭部の窪みに当たって点火プラグ周りに集めら
れ、その集められた燃料と燃焼室内の空気とからなる混
合気に点火プラグにより点火がなされることによって実
行される。こうした「成層燃焼」では、混合気の平均空
燃比を大きくすべくスロットルバルブを「均質燃焼」の
場合に比べて開き側に制御するため、ポンピングロスが
低減されるようになる。
【0006】上記のように内燃機関の燃焼方式を、機関
運転状態に応じて「均質燃焼」と「成層燃焼」との間で
切り換えることにより、燃費を向上させることができる
とともに十分な機関出力が得られるようになる。
運転状態に応じて「均質燃焼」と「成層燃焼」との間で
切り換えることにより、燃費を向上させることができる
とともに十分な機関出力が得られるようになる。
【0007】こうした燃焼方式を切り換えるタイプの内
燃機関においては、機関運転状態に基づき本来行うべき
燃焼方式と、実際に行われている燃焼方式とが対応しな
いという事態が生じることがある。こうした事態が生じ
る内燃機関では、いわゆるブレーキ制御やリッチスパイ
ク制御が行われ、それらの制御を実行しているときに上
記燃焼方式の食い違いが生じることとなる。
燃機関においては、機関運転状態に基づき本来行うべき
燃焼方式と、実際に行われている燃焼方式とが対応しな
いという事態が生じることがある。こうした事態が生じ
る内燃機関では、いわゆるブレーキ制御やリッチスパイ
ク制御が行われ、それらの制御を実行しているときに上
記燃焼方式の食い違いが生じることとなる。
【0008】即ち、ブレーキ制御が行われる内燃機関で
は、吸気通路におけるスロットルバルブの下流側の負圧
を利用することでブレーキペダルの踏込操作力を軽減す
るブレーキブースタが設けられる。そして、上記ブレー
キ制御では、ブレーキペダルが踏み込まれたとき、強制
的に「均質燃焼」が行われてスロットルバルブが「成層
燃焼」中よりも閉じ側に制御され、吸気通路内に上記ブ
レーキブースタを駆動するのに十分な負圧が生じること
となる。従って、内燃機関が「成層燃焼」を行うべき機
関運転状態にあるときに上記ブレーキ制御が行われる
と、「均質燃焼」が行われることとなり、上記燃焼方式
の食い違いが生じる。
は、吸気通路におけるスロットルバルブの下流側の負圧
を利用することでブレーキペダルの踏込操作力を軽減す
るブレーキブースタが設けられる。そして、上記ブレー
キ制御では、ブレーキペダルが踏み込まれたとき、強制
的に「均質燃焼」が行われてスロットルバルブが「成層
燃焼」中よりも閉じ側に制御され、吸気通路内に上記ブ
レーキブースタを駆動するのに十分な負圧が生じること
となる。従って、内燃機関が「成層燃焼」を行うべき機
関運転状態にあるときに上記ブレーキ制御が行われる
と、「均質燃焼」が行われることとなり、上記燃焼方式
の食い違いが生じる。
【0009】また、リッチスパイク制御が行われる内燃
機関では、排気中の窒素酸化物(NOx )を浄化するた
めのNOx 吸蔵還元触媒が排気通路中に設けられる。こ
のNOx 吸蔵還元触媒は、例えばNOx の浄化が困難な
「成層燃焼」中には排気中のNOx を一時的に吸着し、
理論空燃比より濃い空燃比での燃焼中には吸着したNO
x を排気中の炭化水素(HC)等によって窒素(N2 )
に還元するものである。そして、リッチスパイク制御で
は、NOx 吸蔵還元触媒に吸着されたNOx が飽和しな
いように、所定のタイミングを見計らって強制的に「均
質燃焼」を実行し、混合気の空燃比を理論空燃比より濃
い空燃比にするようにしている。従って、内燃機関が
「成層燃焼」を行うべき運転状態にあるときに上記リッ
チスパイク制御が行われると、「均質燃焼」が行われる
こととなり、上記燃焼方式の食い違いが生じる。
機関では、排気中の窒素酸化物(NOx )を浄化するた
めのNOx 吸蔵還元触媒が排気通路中に設けられる。こ
のNOx 吸蔵還元触媒は、例えばNOx の浄化が困難な
「成層燃焼」中には排気中のNOx を一時的に吸着し、
理論空燃比より濃い空燃比での燃焼中には吸着したNO
x を排気中の炭化水素(HC)等によって窒素(N2 )
に還元するものである。そして、リッチスパイク制御で
は、NOx 吸蔵還元触媒に吸着されたNOx が飽和しな
いように、所定のタイミングを見計らって強制的に「均
質燃焼」を実行し、混合気の空燃比を理論空燃比より濃
い空燃比にするようにしている。従って、内燃機関が
「成層燃焼」を行うべき運転状態にあるときに上記リッ
チスパイク制御が行われると、「均質燃焼」が行われる
こととなり、上記燃焼方式の食い違いが生じる。
【0010】ところで、燃焼方式を切り換えるタイプの
内燃機関においては、機関運転状態に応じて各種目標制
御量を設定し、同機関の実際の制御量を前記目標制御量
へと調整することで、同機関の運転制御を好適に行うよ
うにしている。このような運転制御のための各種制御量
の内には、「成層燃焼」が行われる機関運転状態のとき
と「均質燃焼」が行われる機関運転状態のときとで異な
る値となるものがある。
内燃機関においては、機関運転状態に応じて各種目標制
御量を設定し、同機関の実際の制御量を前記目標制御量
へと調整することで、同機関の運転制御を好適に行うよ
うにしている。このような運転制御のための各種制御量
の内には、「成層燃焼」が行われる機関運転状態のとき
と「均質燃焼」が行われる機関運転状態のときとで異な
る値となるものがある。
【0011】そして、こうした制御量としては、例えば
燃焼室に噴射供給される燃料の燃料圧力があげられる。
即ち、内燃機関の燃料圧力は、「成層燃焼」が行われて
いるときには点火プラグ周りに燃料濃度の高い混合気を
集める必要があることから、広範囲に亘る調整によって
燃焼室内での噴射燃料の拡散を好適に制御しなければな
らない。これに対し、「均質燃焼」が行われているとき
には、燃焼室内で噴射燃料と空気とを効率よく混ぜ合わ
せればよいだけであるため、噴射燃料の燃料圧力を広範
囲に亘って調整する必要はない。
燃焼室に噴射供給される燃料の燃料圧力があげられる。
即ち、内燃機関の燃料圧力は、「成層燃焼」が行われて
いるときには点火プラグ周りに燃料濃度の高い混合気を
集める必要があることから、広範囲に亘る調整によって
燃焼室内での噴射燃料の拡散を好適に制御しなければな
らない。これに対し、「均質燃焼」が行われているとき
には、燃焼室内で噴射燃料と空気とを効率よく混ぜ合わ
せればよいだけであるため、噴射燃料の燃料圧力を広範
囲に亘って調整する必要はない。
【0012】従って、燃焼方式を切り換えるタイプの内
燃機関では、目標燃料圧力を算出するためのマップとし
て、「成層燃焼」が行われる機関運転状態と「均質燃
焼」が行われる機関運転状態とでそれぞれ最適な目標燃
料圧力が算出されるように設定したマップを記憶してい
る。そして、内燃機関の運転状態に基づき上記マップを
参照して目標燃料圧力を設定し、実際の燃料圧力を同目
標圧力へと調整することで、「成層燃焼」と「均質燃
焼」とのいずれにおいても、各々の燃焼方式に応じた適
正な燃焼状態を維持することができるようになる。
燃機関では、目標燃料圧力を算出するためのマップとし
て、「成層燃焼」が行われる機関運転状態と「均質燃
焼」が行われる機関運転状態とでそれぞれ最適な目標燃
料圧力が算出されるように設定したマップを記憶してい
る。そして、内燃機関の運転状態に基づき上記マップを
参照して目標燃料圧力を設定し、実際の燃料圧力を同目
標圧力へと調整することで、「成層燃焼」と「均質燃
焼」とのいずれにおいても、各々の燃焼方式に応じた適
正な燃焼状態を維持することができるようになる。
【0013】ここで、機関回転数などの機関運転状態変
化に対して、上記マップに基づき算出される目標燃料圧
力がどのように推移するかを図7に示す。なお、図7の
実線は「成層燃焼」時、「均質燃焼」時のそれぞれにお
ける機関回転数変化に対する目標燃料圧力の推移を示す
ものである。この図から明らかなように、上記マップに
基づき算出される目標燃料圧力は、燃料噴射量を一定と
した条件のもとで機関回転数が高くなるほど大きい値に
なる。そして、「成層燃焼」時に算出される目標燃料圧
力が変化する範囲A1は、「均質燃焼」時に算出される
目標燃料圧力が変化する範囲A2よりも広範囲に亘るよ
うになる。
化に対して、上記マップに基づき算出される目標燃料圧
力がどのように推移するかを図7に示す。なお、図7の
実線は「成層燃焼」時、「均質燃焼」時のそれぞれにお
ける機関回転数変化に対する目標燃料圧力の推移を示す
ものである。この図から明らかなように、上記マップに
基づき算出される目標燃料圧力は、燃料噴射量を一定と
した条件のもとで機関回転数が高くなるほど大きい値に
なる。そして、「成層燃焼」時に算出される目標燃料圧
力が変化する範囲A1は、「均質燃焼」時に算出される
目標燃料圧力が変化する範囲A2よりも広範囲に亘るよ
うになる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】このように機関運転状
態に応じて燃料圧力を調整すれば、「成層燃焼」と「均
質燃焼」とのいずれにおいても、各々の燃焼方式に応じ
た適正な燃焼状態を維持することができるようにはな
る。しかし、例えば内燃機関の運転状態が「成層燃焼」
を行うべき領域にあるとき、ブレーキ制御やリッチスパ
イク制御に基づく「均質燃焼」が行われると、上述した
燃焼方式の食い違いが生じることとなる。この場合にお
いて、例えば機関回転数など内燃機関の運転状態が図7
のP1点やP2点で示す状態にあるときには、上記マッ
プに基づき算出される目標燃料圧力が「均質燃焼」に適
したものでなくなる。即ち、上記のように算出された目
標燃料圧力が範囲A2から外れた値になり、内燃機関の
燃焼状態悪化を招くこととなる。
態に応じて燃料圧力を調整すれば、「成層燃焼」と「均
質燃焼」とのいずれにおいても、各々の燃焼方式に応じ
た適正な燃焼状態を維持することができるようにはな
る。しかし、例えば内燃機関の運転状態が「成層燃焼」
を行うべき領域にあるとき、ブレーキ制御やリッチスパ
イク制御に基づく「均質燃焼」が行われると、上述した
燃焼方式の食い違いが生じることとなる。この場合にお
いて、例えば機関回転数など内燃機関の運転状態が図7
のP1点やP2点で示す状態にあるときには、上記マッ
プに基づき算出される目標燃料圧力が「均質燃焼」に適
したものでなくなる。即ち、上記のように算出された目
標燃料圧力が範囲A2から外れた値になり、内燃機関の
燃焼状態悪化を招くこととなる。
【0015】そこで、内燃機関の全運転領域で「成層燃
焼」に適した目標燃料圧力を算出するための「成層燃
焼」用のマップと、内燃機関の全運転領域で「均質燃
焼」に適した目標燃料圧力を算出するためのマップとを
記憶しておくことが考えられる。この場合、それら記憶
されたマップの内から実際の燃焼方式に対応したもの適
宜選択し、その選択したマップを参照して目標燃料圧力
を設定することにより、上述した不具合を解消すること
ができるようになる。
焼」に適した目標燃料圧力を算出するための「成層燃
焼」用のマップと、内燃機関の全運転領域で「均質燃
焼」に適した目標燃料圧力を算出するためのマップとを
記憶しておくことが考えられる。この場合、それら記憶
されたマップの内から実際の燃焼方式に対応したもの適
宜選択し、その選択したマップを参照して目標燃料圧力
を設定することにより、上述した不具合を解消すること
ができるようになる。
【0016】ところが、この場合には、内燃機関の全運
転領域で目標燃料圧力を算出するためのマップが「成層
燃焼」用と「均質燃焼」用とで二つ必要になるため、そ
れらマップを記憶するための記憶容量が増大してしま
う。このような問題は上記燃料圧力に限らず、「成層燃
焼」が行われる機関運転状態のときと「均質燃焼」が行
われる機関運転状態のときとで異なる値となる各種制御
量、例えばEGR量、燃料噴射時期、点火時期及びスロ
ットルバルブ開度等においても概ね共通したものとなっ
ている。
転領域で目標燃料圧力を算出するためのマップが「成層
燃焼」用と「均質燃焼」用とで二つ必要になるため、そ
れらマップを記憶するための記憶容量が増大してしま
う。このような問題は上記燃料圧力に限らず、「成層燃
焼」が行われる機関運転状態のときと「均質燃焼」が行
われる機関運転状態のときとで異なる値となる各種制御
量、例えばEGR量、燃料噴射時期、点火時期及びスロ
ットルバルブ開度等においても概ね共通したものとなっ
ている。
【0017】本発明はこのような実情に鑑みてなされた
ものであって、その目的は、目標制御量を求めるために
記憶しなければならないデータの量が増大するのを抑制
しつつ、本来行われるべき燃焼方式と実際の燃焼方式と
に食い違いが生じても、燃焼状態など内燃機関の運転状
態を適正に維持することのできる内燃機関の制御装置を
提供することにある。
ものであって、その目的は、目標制御量を求めるために
記憶しなければならないデータの量が増大するのを抑制
しつつ、本来行われるべき燃焼方式と実際の燃焼方式と
に食い違いが生じても、燃焼状態など内燃機関の運転状
態を適正に維持することのできる内燃機関の制御装置を
提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の発明では、内燃機関の燃焼方式を決
定するための燃焼モードを機関運転状態に応じて設定
し、その設定された燃焼モードに応じて実際の燃焼方式
を切り換える内燃機関にあって、同機関を運転制御する
ための目標制御量を機関運転状態に応じて設定し、内燃
機関における実際の制御量を前記設定された目標制御量
へと調整する内燃機関の制御装置において、前記目標制
御量を機関運転状態に対応したデータとして記憶する記
憶手段と、前記記憶手段に記憶されたデータに基づき機
関運転状態に応じて目標制御量を設定する目標制御量設
定手段と、内燃機関の実際の燃焼方式が前記燃焼モード
と対応していないとき、前記設定される目標制御量のガ
ード処理を実行するガード手段とを備えた。
め、請求項1記載の発明では、内燃機関の燃焼方式を決
定するための燃焼モードを機関運転状態に応じて設定
し、その設定された燃焼モードに応じて実際の燃焼方式
を切り換える内燃機関にあって、同機関を運転制御する
ための目標制御量を機関運転状態に応じて設定し、内燃
機関における実際の制御量を前記設定された目標制御量
へと調整する内燃機関の制御装置において、前記目標制
御量を機関運転状態に対応したデータとして記憶する記
憶手段と、前記記憶手段に記憶されたデータに基づき機
関運転状態に応じて目標制御量を設定する目標制御量設
定手段と、内燃機関の実際の燃焼方式が前記燃焼モード
と対応していないとき、前記設定される目標制御量のガ
ード処理を実行するガード手段とを備えた。
【0019】ブレーキ制御やリッチスパイク制御等に起
因して燃焼モードと実際の燃焼方式とが対応しなくなる
と、本来行われる燃焼方式ではない別の燃焼方式が実行
されるため、機関運転状態に応じて設定された目標制御
量が実際に行われる燃焼方式に適した範囲から外れるこ
ととなる。しかし、同構成によれば、機関運転状態に応
じて設定された目標制御量のガード処理を行うことで、
そのガード処理後の目標制御量が実際に行われる燃焼方
式に適した範囲内の値となる。従って、目標制御量を求
めるために記憶しなければならないデータの量が増大す
るのを抑制しつつ、本来行われるべき燃焼方式と実際の
燃焼方式とに食い違いが生じても内燃機関の運転状態を
適正に維持することができるようになる。
因して燃焼モードと実際の燃焼方式とが対応しなくなる
と、本来行われる燃焼方式ではない別の燃焼方式が実行
されるため、機関運転状態に応じて設定された目標制御
量が実際に行われる燃焼方式に適した範囲から外れるこ
ととなる。しかし、同構成によれば、機関運転状態に応
じて設定された目標制御量のガード処理を行うことで、
そのガード処理後の目標制御量が実際に行われる燃焼方
式に適した範囲内の値となる。従って、目標制御量を求
めるために記憶しなければならないデータの量が増大す
るのを抑制しつつ、本来行われるべき燃焼方式と実際の
燃焼方式とに食い違いが生じても内燃機関の運転状態を
適正に維持することができるようになる。
【0020】請求項2記載の発明では、請求項1記載の
発明において、前記制御量は、内燃機関の燃焼室に噴射
供給される燃料の燃料圧力とした。同構成によれば、本
来行われる燃焼方式と実際に行われる燃焼方式とに食い
違いが生じたとき、機関運転状態に応じて求められる目
標燃料圧力のガード処理が行われ、そのガード処理後の
目標燃料圧力が実際に行われる燃焼方式に適した範囲内
の値となる。従って、目標燃料圧力を求めるために記憶
しなければならないデータ量が増大するのを抑制しつ
つ、本来行われる燃焼方式と実際の燃焼方式とに食い違
いが生じても内燃機関の燃焼状態を適正に維持すること
ができるようになる。
発明において、前記制御量は、内燃機関の燃焼室に噴射
供給される燃料の燃料圧力とした。同構成によれば、本
来行われる燃焼方式と実際に行われる燃焼方式とに食い
違いが生じたとき、機関運転状態に応じて求められる目
標燃料圧力のガード処理が行われ、そのガード処理後の
目標燃料圧力が実際に行われる燃焼方式に適した範囲内
の値となる。従って、目標燃料圧力を求めるために記憶
しなければならないデータ量が増大するのを抑制しつ
つ、本来行われる燃焼方式と実際の燃焼方式とに食い違
いが生じても内燃機関の燃焼状態を適正に維持すること
ができるようになる。
【0021】請求項3記載の発明では、請求項2記載の
発明において、前記ガード手段は、前記目標制御量設定
手段によって設定される目標燃料圧力を上限ガード及び
下限ガードするものとした。
発明において、前記ガード手段は、前記目標制御量設定
手段によって設定される目標燃料圧力を上限ガード及び
下限ガードするものとした。
【0022】同構成によれば、本来行われる燃焼方式と
実際に行われる燃焼方式とに食い違いが生じたとき、機
関運転状態に応じて求められる目標燃料圧力が上限ガー
ド及び下限ガードされるため、そのガード処理後の目標
燃料圧力が的確に実際の燃焼方式に適した範囲内の値と
なる。
実際に行われる燃焼方式とに食い違いが生じたとき、機
関運転状態に応じて求められる目標燃料圧力が上限ガー
ド及び下限ガードされるため、そのガード処理後の目標
燃料圧力が的確に実際の燃焼方式に適した範囲内の値と
なる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明を直列4気筒の自動
車用ガソリンエンジンに適用した一実施形態を図1〜図
6に従って説明する。
車用ガソリンエンジンに適用した一実施形態を図1〜図
6に従って説明する。
【0024】図1に示すように、エンジン11は、その
シリンダブロック11a内に往復移動可能に設けられた
合計四つのピストン12(図1には一つのみ図示)を備
えている。これらピストン12は、コンロッド13を介
して出力軸であるクランクシャフト14に連結されてい
る。そして、ピストン12の往復移動は、上記コンロッ
ド13によってクランクシャフト14の回転へと変換さ
れるようになっている。
シリンダブロック11a内に往復移動可能に設けられた
合計四つのピストン12(図1には一つのみ図示)を備
えている。これらピストン12は、コンロッド13を介
して出力軸であるクランクシャフト14に連結されてい
る。そして、ピストン12の往復移動は、上記コンロッ
ド13によってクランクシャフト14の回転へと変換さ
れるようになっている。
【0025】クランクシャフト14にはシグナルロータ
14aが取り付けられている。このシグナルロータ14
aの外周部には、複数の突起14bがクランクシャフト
14の軸線を中心とする等角度毎に設けられている。ま
た、シグナルロータ14aの側方には、クランクポジシ
ョンセンサ14cが設けられている。そして、クランク
シャフト14が回転して、シグナルロータ14aの各突
起14bが順次クランクポジションセンサ14cの側方
を通過することにより、同センサ14cからはそれら各
突起14bの通過に対応したパルス状の検出信号が出力
されるようになる。
14aが取り付けられている。このシグナルロータ14
aの外周部には、複数の突起14bがクランクシャフト
14の軸線を中心とする等角度毎に設けられている。ま
た、シグナルロータ14aの側方には、クランクポジシ
ョンセンサ14cが設けられている。そして、クランク
シャフト14が回転して、シグナルロータ14aの各突
起14bが順次クランクポジションセンサ14cの側方
を通過することにより、同センサ14cからはそれら各
突起14bの通過に対応したパルス状の検出信号が出力
されるようになる。
【0026】また、シリンダブロック11aの上端には
シリンダヘッド15が設けられ、シリンダヘッド15と
ピストン12との間には燃焼室16が設けられている。
この燃焼室16には、シリンダヘッド15に設けられた
一対の吸気ポート17a,17bと、同じく一対の排気
ポート18a,18bとが連通している(図1には一方
の吸気ポート17b及び排気ポート18bのみ図示)。
これら吸気及び排気ポート17a,17b,18a,1
8bの平断面形状を図2に示す。
シリンダヘッド15が設けられ、シリンダヘッド15と
ピストン12との間には燃焼室16が設けられている。
この燃焼室16には、シリンダヘッド15に設けられた
一対の吸気ポート17a,17bと、同じく一対の排気
ポート18a,18bとが連通している(図1には一方
の吸気ポート17b及び排気ポート18bのみ図示)。
これら吸気及び排気ポート17a,17b,18a,1
8bの平断面形状を図2に示す。
【0027】同図に示されるように、吸気ポート17a
は湾曲して延びるヘリカルポートとなっており、吸気ポ
ート17bは直線状に延びるストレートポートとなって
いる。そして、吸気ポート(ヘリカルポート)17aを
通過して燃焼室16に空気が吸入されると、その燃焼室
16内に破線矢印で示す方向へスワールが発生するよう
になる。こうした吸気ポート17a,17b及び排気ポ
ート18a,18bには、それぞれ吸気バルブ19及び
排気バルブ20が設けられている。
は湾曲して延びるヘリカルポートとなっており、吸気ポ
ート17bは直線状に延びるストレートポートとなって
いる。そして、吸気ポート(ヘリカルポート)17aを
通過して燃焼室16に空気が吸入されると、その燃焼室
16内に破線矢印で示す方向へスワールが発生するよう
になる。こうした吸気ポート17a,17b及び排気ポ
ート18a,18bには、それぞれ吸気バルブ19及び
排気バルブ20が設けられている。
【0028】一方、図1に示すように、シリンダヘッド
15には、上記吸気バルブ19及び排気バルブ20を開
閉駆動するための吸気カムシャフト21及び排気カムシ
ャフト22が回転可能に支持されている。これら吸気及
び排気カムシャフト21,22は、タイミングベルト及
びギヤ(共に図示せず)等を介してクランクシャフト1
4に連結され、同ベルト及びギヤ等によりクランクシャ
フト14の回転が伝達されるようになる。そして、吸気
カムシャフト21が回転すると、吸気バルブ19が開閉
駆動されて、吸気ポート17a,17bと燃焼室16と
が連通・遮断される。また、排気カムシャフト22が回
転すると、排気バルブ20が開閉駆動されて、排気ポー
ト18a,18bと燃焼室16とが連通・遮断される。
15には、上記吸気バルブ19及び排気バルブ20を開
閉駆動するための吸気カムシャフト21及び排気カムシ
ャフト22が回転可能に支持されている。これら吸気及
び排気カムシャフト21,22は、タイミングベルト及
びギヤ(共に図示せず)等を介してクランクシャフト1
4に連結され、同ベルト及びギヤ等によりクランクシャ
フト14の回転が伝達されるようになる。そして、吸気
カムシャフト21が回転すると、吸気バルブ19が開閉
駆動されて、吸気ポート17a,17bと燃焼室16と
が連通・遮断される。また、排気カムシャフト22が回
転すると、排気バルブ20が開閉駆動されて、排気ポー
ト18a,18bと燃焼室16とが連通・遮断される。
【0029】シリンダヘッド15において、吸気カムシ
ャフト21の側方には、同シャフト21の外周面に設け
られた突起21aを検出して検出信号を出力するカムポ
ジションセンサ21bが設けられている。そして、吸気
カムシャフト21が回転すると、同シャフト21の突起
21aがカムポジションセンサ21bの側方を通過す
る。この状態にあっては、カムポジションセンサ21b
から上記突起21aの通過に対応して所定間隔毎に検出
信号が出力されるようになる。
ャフト21の側方には、同シャフト21の外周面に設け
られた突起21aを検出して検出信号を出力するカムポ
ジションセンサ21bが設けられている。そして、吸気
カムシャフト21が回転すると、同シャフト21の突起
21aがカムポジションセンサ21bの側方を通過す
る。この状態にあっては、カムポジションセンサ21b
から上記突起21aの通過に対応して所定間隔毎に検出
信号が出力されるようになる。
【0030】吸気ポート17a,17b及び排気ポート
18a,18bには、それぞれ吸気管30及び排気管3
1が接続されている。この吸気管30内及び吸気ポート
17a,17b内は吸気通路32となっており、排気管
31内及び排気ポート18a,18b内は排気通路33
となっている。排気通路33の途中には、エンジン11
の排気を浄化するための排気浄化触媒33a,33b
と、排気中の酸素濃度に対応した信号を出力する酸素
(O2 )センサ37とが設けられている。一方、吸気通
路32の上流部分にはスロットルバルブ23が設けられ
ている。このスロットルバルブ23は、スロットル用モ
ータ24の駆動により回動されて開度調節がなされる。
そして、スロットルバルブ23の開度は、スロットルポ
ジションセンサ44によって検出される。
18a,18bには、それぞれ吸気管30及び排気管3
1が接続されている。この吸気管30内及び吸気ポート
17a,17b内は吸気通路32となっており、排気管
31内及び排気ポート18a,18b内は排気通路33
となっている。排気通路33の途中には、エンジン11
の排気を浄化するための排気浄化触媒33a,33b
と、排気中の酸素濃度に対応した信号を出力する酸素
(O2 )センサ37とが設けられている。一方、吸気通
路32の上流部分にはスロットルバルブ23が設けられ
ている。このスロットルバルブ23は、スロットル用モ
ータ24の駆動により回動されて開度調節がなされる。
そして、スロットルバルブ23の開度は、スロットルポ
ジションセンサ44によって検出される。
【0031】また、上記スロットル用モータ24の駆動
は、自動車の室内に設けられたアクセルペダル25の踏
込量に基づき制御される。即ち、自動車の運転者がアク
セルペダル25を踏込操作すると、アクセルペダル25
の踏込量がアクセルポジションセンサ26によって検出
され、同センサ26の検出信号に基づきスロットル用モ
ータ24が駆動制御される。このスロットル用モータ2
4の駆動制御に基づくスロットルバルブ23の開度調節
により、吸気通路32の空気流通面積が変化して燃焼室
16へ吸入される空気の量が調整されるようになる。
は、自動車の室内に設けられたアクセルペダル25の踏
込量に基づき制御される。即ち、自動車の運転者がアク
セルペダル25を踏込操作すると、アクセルペダル25
の踏込量がアクセルポジションセンサ26によって検出
され、同センサ26の検出信号に基づきスロットル用モ
ータ24が駆動制御される。このスロットル用モータ2
4の駆動制御に基づくスロットルバルブ23の開度調節
により、吸気通路32の空気流通面積が変化して燃焼室
16へ吸入される空気の量が調整されるようになる。
【0032】吸気通路32においてスロットルバルブ2
3の下流側に位置する部分には、同通路32内の圧力を
検出するバキュームセンサ36が設けられている。そし
て、バキュームセンサ36は検出した吸気通路32内の
圧力に対応した検出信号を出力する。また、吸気通路3
2においてバキュームセンサ36よりも下流側に位置し
て吸気ポート(ストレートポート)17bに連通する部
分には、スワールコントロールバルブ(SCV)34が
設けられている。SCV34は、スワール用モータ35
の駆動により回動されて開度調節がなされる。そして、
SCV34の開度が小さくなるほど、図2に示される吸
気ポート(ヘリカルポート)17aを通過する空気の量
が多くなり、燃焼室16内に生じるスワールが強くな
る。
3の下流側に位置する部分には、同通路32内の圧力を
検出するバキュームセンサ36が設けられている。そし
て、バキュームセンサ36は検出した吸気通路32内の
圧力に対応した検出信号を出力する。また、吸気通路3
2においてバキュームセンサ36よりも下流側に位置し
て吸気ポート(ストレートポート)17bに連通する部
分には、スワールコントロールバルブ(SCV)34が
設けられている。SCV34は、スワール用モータ35
の駆動により回動されて開度調節がなされる。そして、
SCV34の開度が小さくなるほど、図2に示される吸
気ポート(ヘリカルポート)17aを通過する空気の量
が多くなり、燃焼室16内に生じるスワールが強くな
る。
【0033】更に、吸気通路32におけるスロットルバ
ルブ23よりも下流には、負圧通路49を介してブレー
キブースタ50が接続されている。このブレーキブース
タ50は、自動車のブレーキペダル51を踏込操作する
ときの操作力を軽減するためのものであって、エンジン
11の運転時に吸気通路32内に生じる負圧を利用して
駆動される。
ルブ23よりも下流には、負圧通路49を介してブレー
キブースタ50が接続されている。このブレーキブース
タ50は、自動車のブレーキペダル51を踏込操作する
ときの操作力を軽減するためのものであって、エンジン
11の運転時に吸気通路32内に生じる負圧を利用して
駆動される。
【0034】また、図1に示すように、シリンダヘッド
15には、燃焼室16内に燃料を噴射供給する燃料噴射
弁40と、燃焼室16内に充填される燃料と空気とから
なる混合気に対して点火を行う点火プラグ41とが設け
られている。この点火プラグ41による上記混合気への
点火時期は、点火プラグ41の上方に設けられたイグナ
イタ41aによって調整される。
15には、燃焼室16内に燃料を噴射供給する燃料噴射
弁40と、燃焼室16内に充填される燃料と空気とから
なる混合気に対して点火を行う点火プラグ41とが設け
られている。この点火プラグ41による上記混合気への
点火時期は、点火プラグ41の上方に設けられたイグナ
イタ41aによって調整される。
【0035】一方、燃料噴射弁40は、燃料パイプ45
を介して排気カムシャフト22の上方に設けられたフュ
ーエルポンプ46と接続されている。フューエルポンプ
46は、排気カムシャフト22の回転に基づき駆動さ
れ、自動車の燃料タンク(図示せず)内の燃料を吸引し
て燃料パイプ45へ吐出する。また、フューエルポンプ
46の上端には、同ポンプ46からの吐出燃料の量を調
整するためのソレノイドバルブ47が設けられている。
このソレノイドバルブ47は電磁ソレノイド(図示せ
ず)を備え、同ソレノイドへの印加電圧を制御すること
によって、フューエルポンプ46から吐出される燃料の
量が調整され、ひいては燃料パイプ45内の燃料圧力が
調整されることとなる。この燃料圧力は燃料パイプ45
に設けられた燃圧センサ48によって検出され、同セン
サ48からは上記検出された燃料圧力に対応した検出信
号が出力される。
を介して排気カムシャフト22の上方に設けられたフュ
ーエルポンプ46と接続されている。フューエルポンプ
46は、排気カムシャフト22の回転に基づき駆動さ
れ、自動車の燃料タンク(図示せず)内の燃料を吸引し
て燃料パイプ45へ吐出する。また、フューエルポンプ
46の上端には、同ポンプ46からの吐出燃料の量を調
整するためのソレノイドバルブ47が設けられている。
このソレノイドバルブ47は電磁ソレノイド(図示せ
ず)を備え、同ソレノイドへの印加電圧を制御すること
によって、フューエルポンプ46から吐出される燃料の
量が調整され、ひいては燃料パイプ45内の燃料圧力が
調整されることとなる。この燃料圧力は燃料パイプ45
に設けられた燃圧センサ48によって検出され、同セン
サ48からは上記検出された燃料圧力に対応した検出信
号が出力される。
【0036】そして、燃料噴射弁40から燃焼室16内
へ燃料が噴射されると、同燃料が吸気通路32を介して
燃焼室16に吸入された空気と混ぜ合わされ、燃焼室1
6内で空気と燃料とからなる混合気が形成される。更
に、燃焼室16内の混合気は点火プラグ41によって点
火がなされて燃焼し、燃焼後の混合気は排気として排気
通路33に送り出されて排気浄化触媒33a,33bに
よって浄化される。これら排気浄化触媒33a,33b
の内、触媒33bは窒素酸化物(NOx )を浄化するた
めのNOx 吸蔵還元触媒となっている。従って、触媒3
3bは、NOx の浄化が困難な希薄空燃比での燃焼時に
排気中のNOx を一時的に吸着し、理論空燃比より濃い
空燃比での燃焼時に上記吸着したNOx を排気中の炭化
水素(HC)等によって窒素(N2 )に還元する。
へ燃料が噴射されると、同燃料が吸気通路32を介して
燃焼室16に吸入された空気と混ぜ合わされ、燃焼室1
6内で空気と燃料とからなる混合気が形成される。更
に、燃焼室16内の混合気は点火プラグ41によって点
火がなされて燃焼し、燃焼後の混合気は排気として排気
通路33に送り出されて排気浄化触媒33a,33bに
よって浄化される。これら排気浄化触媒33a,33b
の内、触媒33bは窒素酸化物(NOx )を浄化するた
めのNOx 吸蔵還元触媒となっている。従って、触媒3
3bは、NOx の浄化が困難な希薄空燃比での燃焼時に
排気中のNOx を一時的に吸着し、理論空燃比より濃い
空燃比での燃焼時に上記吸着したNOx を排気中の炭化
水素(HC)等によって窒素(N2 )に還元する。
【0037】一方、吸気通路32のスロットルバルブ2
3よりも下流側は、排気再循環(EGR)通路42を介
して排気通路33と連通している。このEGR通路42
の途中には、ステップモータ43aを備えたEGRバル
ブ43が設けられている。そして、EGRバルブ43
は、ステップモータ43aを駆動制御することで開度調
節が行われる。こうしたEGRバルブ43の開度調節に
より、排気通路33を介して吸気通路32へ再循環する
排気の量が調整されるようになる。そして、エンジン1
1の排気が吸気通路32に再循環されることで、燃焼室
16内の温度が下がって窒素酸化物(NOx )の生成が
抑制され、エミッションの低減が図られる。
3よりも下流側は、排気再循環(EGR)通路42を介
して排気通路33と連通している。このEGR通路42
の途中には、ステップモータ43aを備えたEGRバル
ブ43が設けられている。そして、EGRバルブ43
は、ステップモータ43aを駆動制御することで開度調
節が行われる。こうしたEGRバルブ43の開度調節に
より、排気通路33を介して吸気通路32へ再循環する
排気の量が調整されるようになる。そして、エンジン1
1の排気が吸気通路32に再循環されることで、燃焼室
16内の温度が下がって窒素酸化物(NOx )の生成が
抑制され、エミッションの低減が図られる。
【0038】次に、本実施形態におけるエンジン11の
制御装置の電気的構成を図3に基づいて説明する。この
制御装置は、燃料噴射量制御、燃料噴射時期制御、SC
V開度制御及びEGR制御など、エンジン11の運転状
態を制御するための電子制御ユニット(以下「ECU」
という)92を備えている。このECU92は、ROM
93、CPU94、RAM95及びバックアップRAM
96等を備える論理演算回路として構成されている。
制御装置の電気的構成を図3に基づいて説明する。この
制御装置は、燃料噴射量制御、燃料噴射時期制御、SC
V開度制御及びEGR制御など、エンジン11の運転状
態を制御するための電子制御ユニット(以下「ECU」
という)92を備えている。このECU92は、ROM
93、CPU94、RAM95及びバックアップRAM
96等を備える論理演算回路として構成されている。
【0039】ここで、ROM93は各種制御プログラム
や、それら各種制御プログラムを実行する際に参照され
るマップ等が記憶されたメモリであり、CPU94はR
OM93に記憶された各種制御プログラムやマップに基
づいて演算処理を実行する。また、RAM95はCPU
94での演算結果や各センサから入力されたデータ等を
一時的に記憶するメモリであり、バックアップRAM9
6はエンジン11の停止時に保存すべきデータを記憶す
る不揮発性のメモリである。そして、ROM93、CP
U94、RAM95及びバックアップRAM96は、バ
ス97を介して互いに接続されるとともに、外部入力回
路98及び外部出力回路99と接続されている。
や、それら各種制御プログラムを実行する際に参照され
るマップ等が記憶されたメモリであり、CPU94はR
OM93に記憶された各種制御プログラムやマップに基
づいて演算処理を実行する。また、RAM95はCPU
94での演算結果や各センサから入力されたデータ等を
一時的に記憶するメモリであり、バックアップRAM9
6はエンジン11の停止時に保存すべきデータを記憶す
る不揮発性のメモリである。そして、ROM93、CP
U94、RAM95及びバックアップRAM96は、バ
ス97を介して互いに接続されるとともに、外部入力回
路98及び外部出力回路99と接続されている。
【0040】外部入力回路98には、クランクポジショ
ンセンサ14c、カムポジションセンサ21b、アクセ
ルポジションセンサ26、バキュームセンサ36、酸素
センサ37、スロットルポジションセンサ44及び燃圧
センサ48等が接続されている。一方、外部出力回路9
9には、スロットル用モータ24、スワール用モータ3
5、燃料噴射弁40、EGRバルブ43及びフューエル
ポンプ46等が接続されている。
ンセンサ14c、カムポジションセンサ21b、アクセ
ルポジションセンサ26、バキュームセンサ36、酸素
センサ37、スロットルポジションセンサ44及び燃圧
センサ48等が接続されている。一方、外部出力回路9
9には、スロットル用モータ24、スワール用モータ3
5、燃料噴射弁40、EGRバルブ43及びフューエル
ポンプ46等が接続されている。
【0041】このように構成されたECU92は、クラ
ンクポジションセンサ14cからの検出信号に基づきエ
ンジン回転数NEを求める。更に、アクセルポジション
センサ26又はバキュームセンサ36からの検出信号
と、上記エンジン回転数NEとに基づきエンジン11の
負荷を表す燃料噴射量Qを求める。ECU92は、図4
のマップを参照してエンジン回転数NE及び燃料噴射量
Qからエンジン11の燃焼モードFMODEを設定す
る。このマップは、均質燃焼領域A、均質希薄燃焼領域
B、弱成層燃焼領域C及び成層燃焼領域Dを備えてい
る。
ンクポジションセンサ14cからの検出信号に基づきエ
ンジン回転数NEを求める。更に、アクセルポジション
センサ26又はバキュームセンサ36からの検出信号
と、上記エンジン回転数NEとに基づきエンジン11の
負荷を表す燃料噴射量Qを求める。ECU92は、図4
のマップを参照してエンジン回転数NE及び燃料噴射量
Qからエンジン11の燃焼モードFMODEを設定す
る。このマップは、均質燃焼領域A、均質希薄燃焼領域
B、弱成層燃焼領域C及び成層燃焼領域Dを備えてい
る。
【0042】そして、エンジン回転数NE及び燃料噴射
量Qが領域A〜Dのいずれの領域に位置する状態かによ
り、燃焼モードFMODEが例えば「FMODE=0
(成層燃焼)」、「FMODE=4(弱成層燃焼)」、
「FMODE=8(均質希薄燃焼)」、「FMODE=
12(均質燃焼)」のように設定される。こうして燃焼
モードFMODEが設定されると、ECU92は、その
燃焼モードFMODEに対応した燃焼方式、即ち「成層
燃焼」、「弱成層燃焼」、「均質希薄燃焼」又は「均質
燃焼」を実行する。
量Qが領域A〜Dのいずれの領域に位置する状態かによ
り、燃焼モードFMODEが例えば「FMODE=0
(成層燃焼)」、「FMODE=4(弱成層燃焼)」、
「FMODE=8(均質希薄燃焼)」、「FMODE=
12(均質燃焼)」のように設定される。こうして燃焼
モードFMODEが設定されると、ECU92は、その
燃焼モードFMODEに対応した燃焼方式、即ち「成層
燃焼」、「弱成層燃焼」、「均質希薄燃焼」又は「均質
燃焼」を実行する。
【0043】上記マップから明らかなように、エンジン
11の運転状態が高回転高負荷へと移行するに従い、エ
ンジン11の燃焼方式は「成層燃焼」、「弱成層燃
焼」、「均質希薄燃焼」、「均質燃焼」へと順次変化す
ることとなる。このように燃焼方式を変化させるのは、
高出力が要求される高回転高負荷時には混合気の空燃比
を小さくしてエンジン出力を高め、あまり高出力を必要
としない低回転低負荷時には空燃比を大きくして燃費の
向上を図るためである。
11の運転状態が高回転高負荷へと移行するに従い、エ
ンジン11の燃焼方式は「成層燃焼」、「弱成層燃
焼」、「均質希薄燃焼」、「均質燃焼」へと順次変化す
ることとなる。このように燃焼方式を変化させるのは、
高出力が要求される高回転高負荷時には混合気の空燃比
を小さくしてエンジン出力を高め、あまり高出力を必要
としない低回転低負荷時には空燃比を大きくして燃費の
向上を図るためである。
【0044】「FMODE=12(均質燃焼)」のと
き、ECU92は、バキュームセンサ36からの検出信
号に基づき吸入空気量を算出する。そして、その算出さ
れた吸入空気量とエンジン回転数NEとに基づき燃料噴
射量Qを周知のマップから求める。ECU92は、こう
して求められた燃料噴射量Qに基づき燃料噴射弁40を
駆動制御し、エンジン11の吸気行程中に燃料噴射弁4
0から燃料を噴射させる。また、ECU92は、酸素セ
ンサ37からの検出信号に基づき燃料噴射量Qを補正
し、燃焼室16内における混合気の空燃比を理論空燃比
へとフィードバック制御する。更に、ECU92は、ス
ワール用モータ35を駆動制御することでSCV34を
開度調節し、燃焼室16内の混合気がスワールによって
均質なものとなるようにする。
き、ECU92は、バキュームセンサ36からの検出信
号に基づき吸入空気量を算出する。そして、その算出さ
れた吸入空気量とエンジン回転数NEとに基づき燃料噴
射量Qを周知のマップから求める。ECU92は、こう
して求められた燃料噴射量Qに基づき燃料噴射弁40を
駆動制御し、エンジン11の吸気行程中に燃料噴射弁4
0から燃料を噴射させる。また、ECU92は、酸素セ
ンサ37からの検出信号に基づき燃料噴射量Qを補正
し、燃焼室16内における混合気の空燃比を理論空燃比
へとフィードバック制御する。更に、ECU92は、ス
ワール用モータ35を駆動制御することでSCV34を
開度調節し、燃焼室16内の混合気がスワールによって
均質なものとなるようにする。
【0045】また、「FMODE=8(均質希薄燃
焼)」のとき、ECU92は、アクセルポジションセン
サ26からの検出信号に基づきアクセルペダル25の踏
込量(アクセル踏込量)を求める。そして、求められた
アクセル踏込量とエンジン回転数NEとに基づき燃料噴
射量Qを周知のマップから求める。ECU92は、こう
して求められた燃料噴射量Qに基づき燃料噴射弁40を
駆動制御し、吸気行程中に燃料噴射弁40から燃料を噴
射させて混合気の空燃比を理論空燃比よりも大きい値
(例えば15〜23)にする。更に、ECU92は、ス
ワール用モータ35を駆動制御することでSCV34を
開度調節し、理論空燃比よりも大きい空燃比の混合気を
スワールによって安定して燃焼させる。
焼)」のとき、ECU92は、アクセルポジションセン
サ26からの検出信号に基づきアクセルペダル25の踏
込量(アクセル踏込量)を求める。そして、求められた
アクセル踏込量とエンジン回転数NEとに基づき燃料噴
射量Qを周知のマップから求める。ECU92は、こう
して求められた燃料噴射量Qに基づき燃料噴射弁40を
駆動制御し、吸気行程中に燃料噴射弁40から燃料を噴
射させて混合気の空燃比を理論空燃比よりも大きい値
(例えば15〜23)にする。更に、ECU92は、ス
ワール用モータ35を駆動制御することでSCV34を
開度調節し、理論空燃比よりも大きい空燃比の混合気を
スワールによって安定して燃焼させる。
【0046】また、「FMODE=4(弱成層燃焼)」
のとき、ECU92は、上記と同様にアクセル踏込量及
びエンジン回転数NEとから燃料噴射量Qを求める。E
CU92は、こうして求められた燃料噴射量Qに基づき
燃料噴射弁40を駆動制御して、エンジン11の吸気行
程と圧縮行程とに燃料を噴射させ、混合気の空燃比を
「均質希薄燃焼」時の空燃比よりも大きい値(例えば2
0〜23)となるようにする。
のとき、ECU92は、上記と同様にアクセル踏込量及
びエンジン回転数NEとから燃料噴射量Qを求める。E
CU92は、こうして求められた燃料噴射量Qに基づき
燃料噴射弁40を駆動制御して、エンジン11の吸気行
程と圧縮行程とに燃料を噴射させ、混合気の空燃比を
「均質希薄燃焼」時の空燃比よりも大きい値(例えば2
0〜23)となるようにする。
【0047】こうした「弱成層燃焼」時において、吸気
行程のときに噴射供給された燃料はスワールによって燃
焼室16内の空気に均等に分散され、圧縮行程のときに
噴射供給された燃料はスワール及びピストン12の頭部
に設けられた窪み12a(図1)によって点火プラグ4
1の周りに集められる。ECU92は、スワールの強さ
が上記のような燃料の分散及び集合に適したものとなる
よう、スワール用モータ35を駆動制御してSCV34
の開度調整を行う。上記のように吸気行程と圧縮行程と
の二回に分けて燃料噴射を行うことで、上記「均質希薄
燃焼」と後述する「成層燃焼」との中間の燃焼方式(弱
成層燃焼)で混合気の燃焼が行われ、その「弱成層燃
焼」によって「均質希薄燃焼」と「成層燃焼」との切り
換え時のトルクショックが抑えられる。
行程のときに噴射供給された燃料はスワールによって燃
焼室16内の空気に均等に分散され、圧縮行程のときに
噴射供給された燃料はスワール及びピストン12の頭部
に設けられた窪み12a(図1)によって点火プラグ4
1の周りに集められる。ECU92は、スワールの強さ
が上記のような燃料の分散及び集合に適したものとなる
よう、スワール用モータ35を駆動制御してSCV34
の開度調整を行う。上記のように吸気行程と圧縮行程と
の二回に分けて燃料噴射を行うことで、上記「均質希薄
燃焼」と後述する「成層燃焼」との中間の燃焼方式(弱
成層燃焼)で混合気の燃焼が行われ、その「弱成層燃
焼」によって「均質希薄燃焼」と「成層燃焼」との切り
換え時のトルクショックが抑えられる。
【0048】一方、「FMODE=0(成層燃焼)のと
き、ECU92は、上記と同様にアクセル踏込量及びエ
ンジン回転数NEとから燃料噴射量Qを求める。ECU
92は、こうして求められた燃料噴射量Qに基づき燃料
噴射弁40を駆動制御し、エンジン11の圧縮行程に燃
料を噴射させて混合気の空燃比を「弱成層燃焼」時の空
燃比よりも大きい値(例えば25〜50)となるように
する。また、ECU92は、スワール用モータ35を駆
動制御して燃焼室16内にスワールが生じるよう駆動制
御してSCV34を開度調整し、そのスワールによって
噴射供給された燃料を点火プラグ41の周りに集める。
このように点火プラグ41の周りに燃料を集めることに
よって、燃焼室16内の混合気全体の平均空燃比を「弱
成層燃焼」時より大きくしても、同プラグ41周りの混
合気の燃料濃度が高められて良好な混合気への着火が行
われる。
き、ECU92は、上記と同様にアクセル踏込量及びエ
ンジン回転数NEとから燃料噴射量Qを求める。ECU
92は、こうして求められた燃料噴射量Qに基づき燃料
噴射弁40を駆動制御し、エンジン11の圧縮行程に燃
料を噴射させて混合気の空燃比を「弱成層燃焼」時の空
燃比よりも大きい値(例えば25〜50)となるように
する。また、ECU92は、スワール用モータ35を駆
動制御して燃焼室16内にスワールが生じるよう駆動制
御してSCV34を開度調整し、そのスワールによって
噴射供給された燃料を点火プラグ41の周りに集める。
このように点火プラグ41の周りに燃料を集めることに
よって、燃焼室16内の混合気全体の平均空燃比を「弱
成層燃焼」時より大きくしても、同プラグ41周りの混
合気の燃料濃度が高められて良好な混合気への着火が行
われる。
【0049】ECU92は、上記燃焼モードFMODE
以外にも、実際に行われている燃焼方式に応じて実燃焼
モードRMODEを設定する。この実燃焼モードRMO
DEは、実際に行われている燃焼方式が何であるか判断
するためのものである。そして、実燃焼モードRMOD
Eは、実際に行われている燃焼方式に応じて、例えば
「RMODE=0(成層燃焼)」、「RMODE=4
(弱成層燃焼)」、「RMODE=8(均質希薄燃
焼)」、「RMODE=12(均質燃焼)」のように設
定される。こうして設定された実燃焼モードRMODE
と上記燃焼モードFMODEとは通常は一致することと
なるが、エンジン11の運転条件によっては実燃焼モー
ドRMODEと燃焼モードFMODEとが異なる場合が
ある。こうした事態が生じるエンジン11の運転条件と
しては、例えばブレーキ制御やリッチスパイク制御が実
行されているときがあげられる。
以外にも、実際に行われている燃焼方式に応じて実燃焼
モードRMODEを設定する。この実燃焼モードRMO
DEは、実際に行われている燃焼方式が何であるか判断
するためのものである。そして、実燃焼モードRMOD
Eは、実際に行われている燃焼方式に応じて、例えば
「RMODE=0(成層燃焼)」、「RMODE=4
(弱成層燃焼)」、「RMODE=8(均質希薄燃
焼)」、「RMODE=12(均質燃焼)」のように設
定される。こうして設定された実燃焼モードRMODE
と上記燃焼モードFMODEとは通常は一致することと
なるが、エンジン11の運転条件によっては実燃焼モー
ドRMODEと燃焼モードFMODEとが異なる場合が
ある。こうした事態が生じるエンジン11の運転条件と
しては、例えばブレーキ制御やリッチスパイク制御が実
行されているときがあげられる。
【0050】ここで、上記ブレーキ制御とは、ブレーキ
ペダル51が踏み込まれたとき、強制的に「均質燃焼」
を実行してスロットルバルブ23を「成層燃焼」時等よ
りも閉じ側に制御し、ブレーキブースタ50を駆動する
のに十分な負圧を吸気通路32内に生じさせるためのも
のである。また、リッチスパイク制御とは、NOx 吸蔵
還元触媒である触媒33bに吸着されたNOx が飽和し
ないように、所定のタイミングを見はからって強制的に
「均質燃焼」を実行するためのものである。即ち、この
「均質燃焼」の実行に基づく理論空燃比より濃い空燃比
での燃焼によって、触媒33bに吸着されたNOx が排
気中のHC等でN2 に還元され、触媒33bに吸着され
たNOx の飽和が防止される。
ペダル51が踏み込まれたとき、強制的に「均質燃焼」
を実行してスロットルバルブ23を「成層燃焼」時等よ
りも閉じ側に制御し、ブレーキブースタ50を駆動する
のに十分な負圧を吸気通路32内に生じさせるためのも
のである。また、リッチスパイク制御とは、NOx 吸蔵
還元触媒である触媒33bに吸着されたNOx が飽和し
ないように、所定のタイミングを見はからって強制的に
「均質燃焼」を実行するためのものである。即ち、この
「均質燃焼」の実行に基づく理論空燃比より濃い空燃比
での燃焼によって、触媒33bに吸着されたNOx が排
気中のHC等でN2 に還元され、触媒33bに吸着され
たNOx の飽和が防止される。
【0051】従って、エンジン11の運転状態が例えば
図4の成層燃焼領域Dや弱成層燃焼領域C内に位置する
状態にあるとき、上記ブレーキ制御やリッチスパイク制
御が実行されると、強制的に「均質燃焼」が実行されて
燃焼モードFMODEと実燃焼モードRMODEとが食
い違うこととなる。即ち、燃焼モードFMODEが
「0」又は「4」であっても、実燃焼モードRMODE
は「12」になる。そして、それらモードFMODE,
RMODEの食い違いにより、本来行うべき燃焼方式と
実際に行われる燃焼方式とに食い違いが生じたことがわ
かるようになる。
図4の成層燃焼領域Dや弱成層燃焼領域C内に位置する
状態にあるとき、上記ブレーキ制御やリッチスパイク制
御が実行されると、強制的に「均質燃焼」が実行されて
燃焼モードFMODEと実燃焼モードRMODEとが食
い違うこととなる。即ち、燃焼モードFMODEが
「0」又は「4」であっても、実燃焼モードRMODE
は「12」になる。そして、それらモードFMODE,
RMODEの食い違いにより、本来行うべき燃焼方式と
実際に行われる燃焼方式とに食い違いが生じたことがわ
かるようになる。
【0052】次に、目標燃料圧力Prを算出する手順に
ついて図5を参照して説明する。図5は、目標燃料圧力
Prを算出するための目標燃料圧力算出ルーチンを示す
フローチャートである。この目標燃料圧力算出ルーチン
は、ECU92を通じて例えば所定時間毎の時間割り込
みにて実行される。
ついて図5を参照して説明する。図5は、目標燃料圧力
Prを算出するための目標燃料圧力算出ルーチンを示す
フローチャートである。この目標燃料圧力算出ルーチン
は、ECU92を通じて例えば所定時間毎の時間割り込
みにて実行される。
【0053】目標燃料圧力算出ルーチンにおいてECU
92は、ステップS101の処理として、エンジン回転
数NE及び燃料噴射量Qに基づき目標燃料圧力Prをマ
ップ演算する。こうして目標燃料圧力Prがマップ演算
されると、ECU92は、別のルーチンによって燃圧セ
ンサ48からの信号に基づきフューエルポンプ46のソ
レノイドバルブ47に設けられた電磁ソレノイドに印加
される電圧を制御し、実際の燃料圧力が上記目標燃料圧
力Prと一致するように燃料圧力のフィードバック制御
を実行する。
92は、ステップS101の処理として、エンジン回転
数NE及び燃料噴射量Qに基づき目標燃料圧力Prをマ
ップ演算する。こうして目標燃料圧力Prがマップ演算
されると、ECU92は、別のルーチンによって燃圧セ
ンサ48からの信号に基づきフューエルポンプ46のソ
レノイドバルブ47に設けられた電磁ソレノイドに印加
される電圧を制御し、実際の燃料圧力が上記目標燃料圧
力Prと一致するように燃料圧力のフィードバック制御
を実行する。
【0054】ここで、上記マップ演算される目標燃料圧
力Prの推移傾向を図6に実線で示す。なお、図6の実
線は「成層燃焼(FMODE=0)」又は「弱成層燃焼
(FMODE=4)」のときと、「弱成層燃焼(FMO
DE=8)」又は「均質燃焼(FMODE=12)」の
ときとのそれぞれにおいて、燃料噴射量Qを一定とした
条件下でのエンジン回転数NEの変化に対する目標燃料
圧力Prの推移を示すものである。
力Prの推移傾向を図6に実線で示す。なお、図6の実
線は「成層燃焼(FMODE=0)」又は「弱成層燃焼
(FMODE=4)」のときと、「弱成層燃焼(FMO
DE=8)」又は「均質燃焼(FMODE=12)」の
ときとのそれぞれにおいて、燃料噴射量Qを一定とした
条件下でのエンジン回転数NEの変化に対する目標燃料
圧力Prの推移を示すものである。
【0055】この図から明らかなように、上記マップに
基づき算出される目標燃料圧力Prは、燃料噴射量Qを
一定とした条件のもとでエンジン回転数NEが高くなる
ほど大きくなる。「成層燃焼(FMODE=0)」又は
「弱成層燃焼(FMODE=4)」のときには、算出さ
れる目標燃料圧力Prが範囲A1内で変化する。また、
「均質希薄燃焼(FMODE=8)」又は「均質燃焼
(FMODE=12)」のときには、算出される目標燃
料圧力Prが範囲A2内で変化する。
基づき算出される目標燃料圧力Prは、燃料噴射量Qを
一定とした条件のもとでエンジン回転数NEが高くなる
ほど大きくなる。「成層燃焼(FMODE=0)」又は
「弱成層燃焼(FMODE=4)」のときには、算出さ
れる目標燃料圧力Prが範囲A1内で変化する。また、
「均質希薄燃焼(FMODE=8)」又は「均質燃焼
(FMODE=12)」のときには、算出される目標燃
料圧力Prが範囲A2内で変化する。
【0056】そして、上記範囲A1は上記範囲A2より
も大きくなる。このように燃焼方式毎に目標燃料圧力P
rの変化範囲に違いが生じるのは、・「成層燃焼」及び
「弱成層燃焼」では、燃焼室16内に噴射供給された燃
焼を点火プラグ41周りに集めなければならないため、
燃料圧力の広範囲に亘る調整によって燃焼室16内での
噴射燃料の拡散を好適に制御する必要がある。
も大きくなる。このように燃焼方式毎に目標燃料圧力P
rの変化範囲に違いが生じるのは、・「成層燃焼」及び
「弱成層燃焼」では、燃焼室16内に噴射供給された燃
焼を点火プラグ41周りに集めなければならないため、
燃料圧力の広範囲に亘る調整によって燃焼室16内での
噴射燃料の拡散を好適に制御する必要がある。
【0057】・「均質希薄燃焼」及び「均質燃焼」で
は、燃焼室16内に噴射燃料と空気とを効率よく混ぜ合
わせればよいだけであるため、噴射燃料の燃料圧力を広
範囲に亘って調整する必要がない。等々の理由によるも
のである。
は、燃焼室16内に噴射燃料と空気とを効率よく混ぜ合
わせればよいだけであるため、噴射燃料の燃料圧力を広
範囲に亘って調整する必要がない。等々の理由によるも
のである。
【0058】こうして目標燃料圧力Prが算出された
後、続くステップS102に進む。ECU92は、ステ
ップS102の処理として、燃焼モードFMODEが
「0(成層燃焼)」又は「4(弱成層燃焼)」であるか
否か判断する。そして、ステップS102の処理におい
てNOと判断された場合、ECU92は、この目標燃料
圧力算出ルーチンを一旦終了する。また、ステップS1
02の処理においてYESと判断された場合にはステッ
プS103に進む。ECU92は、ステップS103の
処理として、実燃焼モードRMODEが「12」である
か否か判断する。そして、ステップS103の処理にお
いてNOと判断された場合、ECU92は、この目標燃
料圧力算出ルーチンを一旦終了する。
後、続くステップS102に進む。ECU92は、ステ
ップS102の処理として、燃焼モードFMODEが
「0(成層燃焼)」又は「4(弱成層燃焼)」であるか
否か判断する。そして、ステップS102の処理におい
てNOと判断された場合、ECU92は、この目標燃料
圧力算出ルーチンを一旦終了する。また、ステップS1
02の処理においてYESと判断された場合にはステッ
プS103に進む。ECU92は、ステップS103の
処理として、実燃焼モードRMODEが「12」である
か否か判断する。そして、ステップS103の処理にお
いてNOと判断された場合、ECU92は、この目標燃
料圧力算出ルーチンを一旦終了する。
【0059】通常では、本来行われるべき燃焼方式と実
際に行われている燃焼方式とは一致して「FMODE=
RMODE」となるため、上記ステップS103の処理
でNOと判断され、ECU92がこの目標燃料圧力算出
ルーチンを一旦終了させることとなる。しかし、エンジ
ン11の運転状態が図4の成層燃焼領域Dや弱成層燃焼
領域C内に位置する状態のとき、ブレーキ制御やリッチ
スパイク制御が行われると、「FMODE=RMOD
E」とはならなくなり、上記ステップS103の処理で
YESと判断されるようになる。
際に行われている燃焼方式とは一致して「FMODE=
RMODE」となるため、上記ステップS103の処理
でNOと判断され、ECU92がこの目標燃料圧力算出
ルーチンを一旦終了させることとなる。しかし、エンジ
ン11の運転状態が図4の成層燃焼領域Dや弱成層燃焼
領域C内に位置する状態のとき、ブレーキ制御やリッチ
スパイク制御が行われると、「FMODE=RMOD
E」とはならなくなり、上記ステップS103の処理で
YESと判断されるようになる。
【0060】そして、ステップS103の処理において
YESと判断されてステップS104に進むと、ECU
92は、図6に示す上限ガード値UG及び下限ガード値
DGに基づき、目標燃料圧力Prを上限ガード及び下限
ガードする。その後、ECU92は、この目標燃料圧力
算出ルーチンを一旦終了する。こうしたステップS10
4のガード処理によって、目標燃料圧力Prにおける実
際の変化範囲が、「均質希薄燃焼」及び「均質燃焼」時
の目標燃料圧力Prの変化範囲A2とほぼ同じになる。
YESと判断されてステップS104に進むと、ECU
92は、図6に示す上限ガード値UG及び下限ガード値
DGに基づき、目標燃料圧力Prを上限ガード及び下限
ガードする。その後、ECU92は、この目標燃料圧力
算出ルーチンを一旦終了する。こうしたステップS10
4のガード処理によって、目標燃料圧力Prにおける実
際の変化範囲が、「均質希薄燃焼」及び「均質燃焼」時
の目標燃料圧力Prの変化範囲A2とほぼ同じになる。
【0061】仮に上記ステップS104のガード処理が
実行されないとすると、エンジン11の運転状態が図6
のP1点やP2点に位置する状態にあるとき、上記ブレ
ーキ制御及びリッチスパイク制御による「均質燃焼」が
行われても、マップ演算される目標燃料圧力Prは範囲
A2から外れた状態になる。しかし、本実施形態におけ
る上記ガード処理を行うことで、上記の場合でも目標燃
料圧力Prが上限ガード及び下限ガードされ、P1点や
P2点で示す値から範囲A2内のP3点やP4点で示す
値へと変化する。その結果、「均質燃焼」に適した範囲
A2内に目標燃料圧力Prが位置することとなり、その
目標燃料圧力Prへと実際の燃料圧力をフィードバック
制御することによってエンジン11の燃焼状態が適正に
維持される。
実行されないとすると、エンジン11の運転状態が図6
のP1点やP2点に位置する状態にあるとき、上記ブレ
ーキ制御及びリッチスパイク制御による「均質燃焼」が
行われても、マップ演算される目標燃料圧力Prは範囲
A2から外れた状態になる。しかし、本実施形態におけ
る上記ガード処理を行うことで、上記の場合でも目標燃
料圧力Prが上限ガード及び下限ガードされ、P1点や
P2点で示す値から範囲A2内のP3点やP4点で示す
値へと変化する。その結果、「均質燃焼」に適した範囲
A2内に目標燃料圧力Prが位置することとなり、その
目標燃料圧力Prへと実際の燃料圧力をフィードバック
制御することによってエンジン11の燃焼状態が適正に
維持される。
【0062】以上詳述した処理が行われる本実施形態に
よれば、以下に示す効果が得られるようになる。 (1)ブレーキ制御やリッチスパイク制御が行われる
と、燃焼モードFMODEが「0(成層燃焼)」又は
「4(弱成層燃焼)」であっても、実燃焼モードRMO
DEが「12(均質燃焼)」となる。しかし、燃焼モー
ドFMODEに対応して算出される目標燃料圧力Pr
は、上記のようにモードFMODE,RMODEの食い
違いが生じたとき、ステップS104(図5)の処理で
上限及び下限ガードされることによって、的確に「均質
燃焼」に適した目標燃料圧力Prの範囲A2内の値にな
る。従って、上記のようにモードFMODE,RMOD
Eの食い違いが生じたときでも、エンジン11の燃焼状
態を適正に維持することができる。しかも、従来のよう
にエンジン11の全運転領域に対応したマップを二種類
用いる必要がないため、マップを記憶するためのROM
93の記憶容量が増大することもなくなる。
よれば、以下に示す効果が得られるようになる。 (1)ブレーキ制御やリッチスパイク制御が行われる
と、燃焼モードFMODEが「0(成層燃焼)」又は
「4(弱成層燃焼)」であっても、実燃焼モードRMO
DEが「12(均質燃焼)」となる。しかし、燃焼モー
ドFMODEに対応して算出される目標燃料圧力Pr
は、上記のようにモードFMODE,RMODEの食い
違いが生じたとき、ステップS104(図5)の処理で
上限及び下限ガードされることによって、的確に「均質
燃焼」に適した目標燃料圧力Prの範囲A2内の値にな
る。従って、上記のようにモードFMODE,RMOD
Eの食い違いが生じたときでも、エンジン11の燃焼状
態を適正に維持することができる。しかも、従来のよう
にエンジン11の全運転領域に対応したマップを二種類
用いる必要がないため、マップを記憶するためのROM
93の記憶容量が増大することもなくなる。
【0063】なお、本実施形態は、例えば以下のように
変更することもできる。 ・本実施形態では、燃焼方式毎に異なる値になるエンジ
ン11の運転制御量として燃料圧力を例示したが、こう
した制御量の他の例としては燃料噴射時期、点火時期、
EGR量及びスロットルバルブ開度などがあげられる。
従って、これら各種制御量に対して本発明にかかる制御
を適用してもよい。また、吸気バルブ19や排気バルブ
20の開閉タイミングを可変とするバルブタイミング可
変機構をエンジン11に採用する場合には、それらバル
ブ19,20の開閉タイミングを上記各種制御量として
本発明にかかる制御の制御対象にしてもよい。
変更することもできる。 ・本実施形態では、燃焼方式毎に異なる値になるエンジ
ン11の運転制御量として燃料圧力を例示したが、こう
した制御量の他の例としては燃料噴射時期、点火時期、
EGR量及びスロットルバルブ開度などがあげられる。
従って、これら各種制御量に対して本発明にかかる制御
を適用してもよい。また、吸気バルブ19や排気バルブ
20の開閉タイミングを可変とするバルブタイミング可
変機構をエンジン11に採用する場合には、それらバル
ブ19,20の開閉タイミングを上記各種制御量として
本発明にかかる制御の制御対象にしてもよい。
【0064】・本実施形態では、ステップS104(図
5)の処理で、目標燃料圧力Prに上限ガード及び下限
ガードを行ったが、本発明にかかる制御の制御対象を燃
料圧力以外のものにした場合、或いは制御対象が燃料圧
力であっても機関によっては、その制御対象の制御量に
応じて上限ガード及び下限ガードのいずれか一方のみ行
うようにしてもよい。
5)の処理で、目標燃料圧力Prに上限ガード及び下限
ガードを行ったが、本発明にかかる制御の制御対象を燃
料圧力以外のものにした場合、或いは制御対象が燃料圧
力であっても機関によっては、その制御対象の制御量に
応じて上限ガード及び下限ガードのいずれか一方のみ行
うようにしてもよい。
【0065】・本実施形態では、本来行われる燃焼方式
が「成層燃焼」又は「均質燃焼」で実際に行われる燃焼
方式が「均質燃焼」である場合について例示し、そのよ
うな燃焼方式の食い違いが生じたときに目標燃料圧力P
rのガードを行ったが、本発明はこれに限定されない。
即ち、本発明にかかる制御の制御対象を目標燃料圧力以
外の各種制御量とした場合には、他の燃焼方式の食い違
いの組み合わせについて同燃焼方式の食い違いが生じた
とき、上記制御量のガード処理を実行するようにしても
よい。
が「成層燃焼」又は「均質燃焼」で実際に行われる燃焼
方式が「均質燃焼」である場合について例示し、そのよ
うな燃焼方式の食い違いが生じたときに目標燃料圧力P
rのガードを行ったが、本発明はこれに限定されない。
即ち、本発明にかかる制御の制御対象を目標燃料圧力以
外の各種制御量とした場合には、他の燃焼方式の食い違
いの組み合わせについて同燃焼方式の食い違いが生じた
とき、上記制御量のガード処理を実行するようにしても
よい。
【0066】次に、以上の実施形態から把握することが
できる請求項以外の技術的思想を、その効果とともに以
下に記載する。 (1)内燃機関の燃焼方式を決定するための燃焼モード
を機関運転状態に応じて設定し、その設定された燃焼モ
ードに応じて実際の燃焼方式を切り換える内燃機関にあ
って、同機関を運転制御するための目標制御量を機関運
転状態に応じて設定し、内燃機関における実際の制御量
を前記設定された目標制御量へと調整する内燃機関の制
御方法において、前記目標制御量を機関運転状態に対応
したデータとして記憶し、そのデータに基づき機関運転
状態に応じて目標制御量を設定し、内燃機関の実際の燃
焼方式が前記燃焼モードと対応していないとき、前記設
定される目標制御量のガード処理を実行することを特徴
とする内燃機関の制御方法。
できる請求項以外の技術的思想を、その効果とともに以
下に記載する。 (1)内燃機関の燃焼方式を決定するための燃焼モード
を機関運転状態に応じて設定し、その設定された燃焼モ
ードに応じて実際の燃焼方式を切り換える内燃機関にあ
って、同機関を運転制御するための目標制御量を機関運
転状態に応じて設定し、内燃機関における実際の制御量
を前記設定された目標制御量へと調整する内燃機関の制
御方法において、前記目標制御量を機関運転状態に対応
したデータとして記憶し、そのデータに基づき機関運転
状態に応じて目標制御量を設定し、内燃機関の実際の燃
焼方式が前記燃焼モードと対応していないとき、前記設
定される目標制御量のガード処理を実行することを特徴
とする内燃機関の制御方法。
【0067】ブレーキ制御やリッチスパイク制御等に起
因して燃焼モードと実際の燃焼方式とが対応しなくなる
と、本来行われる燃焼方式ではない別の燃焼方式が実行
されるため、機関運転状態に応じて設定された目標制御
量が実際に行われる燃焼方式に適した範囲から外れるこ
ととなる。しかし、この方法によれば、機関運転状態に
応じて設定された目標制御量のガード処理を行うこと
で、そのガード処理後の目標制御量が実際に行われる燃
焼方式に適した範囲内の値となる。従って、目標制御量
を求めるために記憶しなければならないデータの量が増
大するのを抑制しつつ、本来行われるべき燃焼方式と実
際の燃焼方式とに食い違いが生じても内燃機関の運転状
態を適正に維持することができる。
因して燃焼モードと実際の燃焼方式とが対応しなくなる
と、本来行われる燃焼方式ではない別の燃焼方式が実行
されるため、機関運転状態に応じて設定された目標制御
量が実際に行われる燃焼方式に適した範囲から外れるこ
ととなる。しかし、この方法によれば、機関運転状態に
応じて設定された目標制御量のガード処理を行うこと
で、そのガード処理後の目標制御量が実際に行われる燃
焼方式に適した範囲内の値となる。従って、目標制御量
を求めるために記憶しなければならないデータの量が増
大するのを抑制しつつ、本来行われるべき燃焼方式と実
際の燃焼方式とに食い違いが生じても内燃機関の運転状
態を適正に維持することができる。
【0068】(2)内燃機関の燃焼方式を決定するため
の燃焼モードを機関運転状態に応じて設定し、その設定
された燃焼モードに応じて実際の燃焼方式を切り換える
内燃機関にあって、同機関を運転制御するための目標制
御量を機関運転状態に応じて設定し、内燃機関における
実際の制御量を前記設定された目標制御量へと調整する
内燃機関の制御プログラムが記録されたコンピュータ読
み取り可能な記録媒体において、機関運転状態に応じて
記憶された目標制御量のデータに基づき機関運転状態に
応じて前記目標制御量を設定し、内燃機関の実際の燃焼
方式が前記燃焼モードと対応していないとき、前記設定
される目標制御量のガード処理を実行する内燃機関の制
御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記
録媒体。
の燃焼モードを機関運転状態に応じて設定し、その設定
された燃焼モードに応じて実際の燃焼方式を切り換える
内燃機関にあって、同機関を運転制御するための目標制
御量を機関運転状態に応じて設定し、内燃機関における
実際の制御量を前記設定された目標制御量へと調整する
内燃機関の制御プログラムが記録されたコンピュータ読
み取り可能な記録媒体において、機関運転状態に応じて
記憶された目標制御量のデータに基づき機関運転状態に
応じて前記目標制御量を設定し、内燃機関の実際の燃焼
方式が前記燃焼モードと対応していないとき、前記設定
される目標制御量のガード処理を実行する内燃機関の制
御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記
録媒体。
【0069】ブレーキ制御やリッチスパイク制御等に起
因して燃焼モードと実際の燃焼方式とが対応しなくなる
と、本来行われる燃焼方式ではない別の燃焼方式が実行
されるため、機関運転状態に応じて設定された目標制御
量が実際に行われる燃焼方式に適した範囲から外れるこ
ととなる。しかし、この記録媒体に記録された制御プロ
グラムによれば、機関運転状態に応じて設定された目標
制御量のガード処理を行うことで、そのガード処理後の
目標制御量が実際に行われる燃焼方式に適した範囲内の
値となる。従って、目標制御量を求めるために記憶しな
ければならないデータの量が増大するのを抑制しつつ、
本来行われるべき燃焼方式と実際の燃焼方式とに食い違
いが生じても内燃機関の運転状態を適正に維持すること
ができる。
因して燃焼モードと実際の燃焼方式とが対応しなくなる
と、本来行われる燃焼方式ではない別の燃焼方式が実行
されるため、機関運転状態に応じて設定された目標制御
量が実際に行われる燃焼方式に適した範囲から外れるこ
ととなる。しかし、この記録媒体に記録された制御プロ
グラムによれば、機関運転状態に応じて設定された目標
制御量のガード処理を行うことで、そのガード処理後の
目標制御量が実際に行われる燃焼方式に適した範囲内の
値となる。従って、目標制御量を求めるために記憶しな
ければならないデータの量が増大するのを抑制しつつ、
本来行われるべき燃焼方式と実際の燃焼方式とに食い違
いが生じても内燃機関の運転状態を適正に維持すること
ができる。
【0070】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、機関運転
状態に応じて設定された目標制御量のガード処理を行う
ことで、そのガード処理後の目標制御量が実際に行われ
る燃焼方式に適した範囲内の値となる。従って、目標制
御量を求めるために記憶しなければならないデータの量
が増大するのを抑制しつつ、本来行われるべき燃焼方式
と実際の燃焼方式とに食い違いが生じても内燃機関の運
転状態を適正に維持することができる。
状態に応じて設定された目標制御量のガード処理を行う
ことで、そのガード処理後の目標制御量が実際に行われ
る燃焼方式に適した範囲内の値となる。従って、目標制
御量を求めるために記憶しなければならないデータの量
が増大するのを抑制しつつ、本来行われるべき燃焼方式
と実際の燃焼方式とに食い違いが生じても内燃機関の運
転状態を適正に維持することができる。
【0071】請求項2記載の発明によれば、本来行われ
る燃焼方式と実際に行われる燃焼方式とに食い違いが生
じたとき、機関運転状態に応じて求められる目標燃料圧
力のガード処理が行われ、そのガード処理後の目標燃料
圧力が実際に行われる燃焼方式に適した範囲内の値とな
る。従って、目標燃料圧力を求めるために記憶しなけれ
ばならないデータ量が増大するのを抑制しつつ、本来行
われる燃焼方式と実際の燃焼方式とに食い違いが生じて
も内燃機関の燃焼状態を適正に維持することができるよ
うになる。
る燃焼方式と実際に行われる燃焼方式とに食い違いが生
じたとき、機関運転状態に応じて求められる目標燃料圧
力のガード処理が行われ、そのガード処理後の目標燃料
圧力が実際に行われる燃焼方式に適した範囲内の値とな
る。従って、目標燃料圧力を求めるために記憶しなけれ
ばならないデータ量が増大するのを抑制しつつ、本来行
われる燃焼方式と実際の燃焼方式とに食い違いが生じて
も内燃機関の燃焼状態を適正に維持することができるよ
うになる。
【0072】請求項3記載の発明によれば、本来行われ
る燃焼方式と実際に行われる燃焼方式とに食い違いが生
じたとき、機関運転状態に応じて求められる目標燃料圧
力が上限ガード及び下限ガードされるため、そのガード
処理後の目標燃料圧力を的確に実際の燃焼方式に適した
範囲内の値とすることができる。
る燃焼方式と実際に行われる燃焼方式とに食い違いが生
じたとき、機関運転状態に応じて求められる目標燃料圧
力が上限ガード及び下限ガードされるため、そのガード
処理後の目標燃料圧力を的確に実際の燃焼方式に適した
範囲内の値とすることができる。
【図1】本発明にかかる制御装置が適用されたエンジン
全体を示す断面図。
全体を示す断面図。
【図2】同エンジンにおける吸気及び排気ポートの形状
を示すシリンダヘッドの断面図。
を示すシリンダヘッドの断面図。
【図3】上記制御装置の電気的構成を示すブロック図。
【図4】エンジンの燃焼方式を決定する際に参照される
マップ。
マップ。
【図5】目標燃料圧力算出手順を示すフローチャート。
【図6】エンジンの運転状態が成層燃焼領域や弱成層燃
焼領域並びに均質希薄燃焼領域や均質燃焼領域にあると
きに算出される目標燃料圧力のエンジン回転数変化に対
する推移傾向を示すグラフ。
焼領域並びに均質希薄燃焼領域や均質燃焼領域にあると
きに算出される目標燃料圧力のエンジン回転数変化に対
する推移傾向を示すグラフ。
【図7】エンジンの運転状態が成層燃焼並びに均質燃焼
を行うべき領域にあるときに算出される目標燃料圧力の
機関回転数変化に対する推移傾向を示すグラフ。
を行うべき領域にあるときに算出される目標燃料圧力の
機関回転数変化に対する推移傾向を示すグラフ。
11…エンジン、14a…クランクポジションセンサ、
23…スロットルバルブ、24…スロットル用モータ、
26…アクセルポジションセンサ、40…燃料噴射弁、
41…点火プラグ、41a…イグナイタ、43…EGR
バルブ、44…44…スロットルバルブ、46…フュー
エルポンプ、47…ソレノイドバルブ、48…燃圧セン
サ、92…電子制御ユニット。
23…スロットルバルブ、24…スロットル用モータ、
26…アクセルポジションセンサ、40…燃料噴射弁、
41…点火プラグ、41a…イグナイタ、43…EGR
バルブ、44…44…スロットルバルブ、46…フュー
エルポンプ、47…ソレノイドバルブ、48…燃圧セン
サ、92…電子制御ユニット。
Claims (3)
- 【請求項1】内燃機関の燃焼方式を決定するための燃焼
モードを機関運転状態に応じて設定し、その設定された
燃焼モードに応じて実際の燃焼方式を切り換える内燃機
関にあって、同機関を運転制御するための目標制御量を
機関運転状態に応じて設定し、内燃機関における実際の
制御量を前記設定された目標制御量へと調整する内燃機
関の制御装置において、 前記目標制御量を機関運転状態に対応したデータとして
記憶する記憶手段と、 前記記憶手段に記憶されたデータに基づき機関運転状態
に応じて目標制御量を設定する目標制御量設定手段と、 内燃機関の実際の燃焼方式が前記燃焼モードと対応して
いないとき、前記設定される目標制御量のガード処理を
実行するガード手段と、 を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。 - 【請求項2】前記制御量は、内燃機関の燃焼室に噴射供
給される燃料の燃料圧力である請求項1記載の内燃機関
の制御装置。 - 【請求項3】前記ガード手段は、前記目標制御量設定手
段によって設定される目標燃料圧力を上限ガード及び下
限ガードするものである請求項2記載の内燃機関の制御
装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6677798A JPH11257129A (ja) | 1998-03-17 | 1998-03-17 | 内燃機関の制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6677798A JPH11257129A (ja) | 1998-03-17 | 1998-03-17 | 内燃機関の制御装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11257129A true JPH11257129A (ja) | 1999-09-21 |
Family
ID=13325646
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6677798A Pending JPH11257129A (ja) | 1998-03-17 | 1998-03-17 | 内燃機関の制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11257129A (ja) |
-
1998
- 1998-03-17 JP JP6677798A patent/JPH11257129A/ja active Pending
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