JPH11256162A - 地盤改良用組成物 - Google Patents

地盤改良用組成物

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JPH11256162A
JPH11256162A JP6256898A JP6256898A JPH11256162A JP H11256162 A JPH11256162 A JP H11256162A JP 6256898 A JP6256898 A JP 6256898A JP 6256898 A JP6256898 A JP 6256898A JP H11256162 A JPH11256162 A JP H11256162A
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JP
Japan
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aromatic amine
amine compound
weight
prepolymer
polyoxyalkylene polyol
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Application number
JP6256898A
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English (en)
Inventor
Minoru Miki
実 三木
Kiyonori Takamura
聖徳 高村
Kazuya Yamamoto
一也 山本
Naoki Kobayashi
小林  直樹
Hiromi Teramoto
弘美 寺元
Yasumitsu Kinashi
泰光 木梨
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DAINICHI KASEI KK
MC IND Ltd
MC INDUSTRIES Ltd
Original Assignee
DAINICHI KASEI KK
MC IND Ltd
MC INDUSTRIES Ltd
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Publication date
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  • Excavating Of Shafts Or Tunnels (AREA)
  • Soil Conditioners And Soil-Stabilizing Materials (AREA)
  • Consolidation Of Soil By Introduction Of Solidifying Substances Into Soil (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 寒冷地などで保管してもそのまますぐに使用
でき、かつ、施工時には安定した発泡によって岩盤およ
び地盤を固めることができる、地盤改良用組成物を提供
すること。 【解決手段】 A.ポリイソシアネート(a)と、芳香
族アミン化合物、および前記芳香族アミン化合物と同一
または異種の芳香族アミン化合物を開始剤として用い、
この開始剤にアルキレンオキサイドを付加重合させるこ
とによって得られる芳香族アミン系ポリオキシアルキレ
ンポリオールを含有する活性水素基含有化合物(b)と
を反応させることによって得られる分子末端にイソシア
ネート基を有するプレポリマーを含むイソシアネート成
分、および、B.アルカリケイ酸塩(c)、低分子量ジ
オール(d)および水(e)を含み、水(e)100重
量部に対する低分子量ジオール(d)の割合が5〜35
重量部であるケイ酸塩成分を含有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、地盤改良用組成
物、詳しくは、土木分野における、不安定岩盤や不安定
地盤の固結安定化、または、岩盤および地盤の止水など
に用いる地盤改良用組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】トンネル掘削時における破砕帯を有する
岩盤や不安定軟弱地盤の固結安定化や、漏水、湧き水の
ある岩盤および地盤の止水などは、従来より、岩盤また
は地盤に地盤改良用組成物を施工することにより行なっ
ていた。地盤改良用組成物としては、例えば、分子末端
にイソシアネート基を有するプレポリマーを主成分とす
るイソシアネート成分と、アルカリケイ酸塩水溶液を主
成分とするケイ酸塩成分とを含有する地盤改良用組成物
がよく知られている(特許第2591540号公報、特
開平5−78667号、特開平5−79278号、特開
平6−207174号、特開平7−166530号、特
開平7−207654号、特開平8−3555号、特開
平8−231955号、特開平8−302348号、特
開平9−95673号、特開平9−111114号、特
開平9−132633号、特開平9−132634号、
特開平9−183898号)。
【0003】この種の地盤改良用組成物は、施工時にお
いて、イソシアネート成分とケイ酸塩成分とを混合して
岩盤または地盤に注入し、イソシアネート成分とケイ酸
塩成分とを反応させて、発泡させながら固結させ、これ
によって岩盤および地盤を固めるものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの地盤
改良用組成物は、作業性および発泡安定性において満足
し得るものではない。すなわち、寒冷地などで保管され
る場合には、ケイ酸塩成分のアルカリケイ酸塩水溶液に
含有される水に起因して、ケイ酸塩成分中で液分離また
は凍結が起こるため、そのまますぐに使用することがで
きないという不具合がある。そのため、凝固点降下を期
待して低分子量ジオールなどを添加することも考えられ
るが、低分子量ジオールをアルカリケイ酸塩水溶液に添
加した場合には、地盤改良用組成物の施工時には、添加
された低分子量ジオールがプレポリマーのイソシアネー
ト基と反応するため、その分、アルカリケイ酸塩水溶液
に含まれる水とイソシアネート基との反応が阻害され、
安定した発泡を行なえないおそれを生ずる。
【0005】本発明は、上記した不具合に鑑みなされた
もので、その目的とするところは、寒冷地などで保管し
てもそのまますぐに使用でき、かつ、施工時には安定し
た発泡によって岩盤および地盤を固めることができる、
地盤改良用組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の地盤改良用組成物は、A.ポリイソシアネ
ート(a)と、芳香族アミン化合物、および前記芳香族
アミン化合物と同一または異種の芳香族アミン化合物を
開始剤として用い、この開始剤にアルキレンオキサイド
を付加重合させることによって得られる芳香族アミン系
ポリオキシアルキレンポリオールを含有する活性水素基
含有化合物(b)とを反応させることによって得られる
分子末端にイソシアネート基を有するプレポリマーを含
むイソシアネート成分、および、B.アルカリケイ酸塩
(c)、低分子量ジオール(d)および水(e)を含
み、水(e)100重量部に対する低分子量ジオール
(d)の割合が5〜35重量部であるケイ酸塩成分を含
有することを特徴としている。
【0007】また、活性水素基含有化合物(b)中の芳
香族アミン化合物と芳香族アミン系ポリオキシアルキレ
ンポリオールとの合計の含有量が10重量%以上であっ
て、かつ、芳香族アミン系ポリオキシアルキレンポリオ
ール100重量部に対する芳香族アミン化合物の割合
が、0.1〜1重量部であることが好ましい。また、芳
香族アミン化合物と、芳香族アミン系ポリオキシアルキ
レンポリオールの開始剤として使用される芳香族アミン
化合物とが、同じ種類の芳香族アミン化合物であること
が好ましく、さらに、芳香族アミン化合物がトルエンジ
アミンであることが好ましい。
【0008】また、さらに、C.粘度低下剤と、D.整
泡剤とを含有していることが好ましく、さらに、E.ア
ミン系触媒を含有していることが好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明において用いられる、分子
末端にイソシアネート基を有するプレポリマーを含むイ
ソシアネート成分(A)は、ポリイソシアネート(a)
と、芳香族アミン化合物、および前記芳香族アミン化合
物と同一または異種の芳香族アミン化合物を開始剤とし
て用い、この開始剤にアルキレンオキサイドを付加重合
させることによって得られる芳香族アミン系ポリオキシ
アルキレンポリオールを含有する活性水素基含有化合物
(b)とを反応させることによって得られる。
【0010】ポリイソシアネート(a)としては、発泡
ウレタン樹脂の製造に通常使用される公知のポリイソシ
アネートを用いることができる。このようなポリイソシ
アネートとしては、例えば、2,4−又は2,6−トリ
レンジイソシアネート(TDI)、2,4−又は4,
4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、
フェニレンジイソシアネート(PDI)、ナフタレンジ
イソシアネート(NDI)等の芳香族ポリイソシアネー
ト、例えば、1,3−又は1,4−キシリレンジイソシ
アネート(XDI)等の芳香脂肪族ポリイソシアネー
ト、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート(HD
I)、リジンジイソシアネート等の脂肪族ポリイソシア
ネート、例えば、3−イソシアネートメチル−3,5,
5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(IPD
I)、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシ
アネート)(H12MDI)、1,3−又は1,4−ビス
(イソシアネートメチル)シクロヘキサン(H6 XD
I)等の脂環族ポリイソシアネート、およびこれらポリ
イソシアネートの粗製物、カルボジイミド変性体、ビウ
レット変性体、アロファネート変性体、ウレトンイミン
変性体、オキサドリドン変性体、二量体、三量体、また
は、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(ク
ルードMDI、ポリメリックMDI)等が挙げられ、こ
れらは単独又は2種以上併用してもよい。これらのう
ち、好ましくは、芳香族ポリイソシアネート、さらに好
ましくは、MDIおよびそのカルボジイミド変性体、ポ
リメチレンポリフェニルポリイソシアネート(クルード
MDI、ポリメリックMDI)、TDI等が挙げられ
る。
【0011】また、ポリイソシアネート(a)と反応す
る活性水素基含有化合物(b)は、芳香族アミン化合物
と、芳香族アミン系ポリオキシアルキレンポリオールと
を含有している。芳香族アミン化合物と芳香族アミン系
ポリオキシアルキレンポリオールとの両者を含有してい
ないと、反応時において安定な発泡をしない。芳香族ア
ミン化合物としては、アミノ基が芳香環に置換した化合
物であって、例えば、アニリン、o−,m−又はp−ト
ルイジン、キシレン(モノ)アミン等のモノアミノ置換
ベンゼンおよびその誘導体、例えば、o−,m−又はp
−フェニレンジアミン、2,4−又は2,6−トルエン
ジアミン(トルエンジアミン(とりわけ、2つのアミノ
基がメタ配置のもの:MTD))、2,3−又は3,4
−トルエンジアミン(トルエンジアミン(とりわけ、2
つのアミノ基がオルソ配置のもの:OTD))、キシレ
ンジアミン等のジアミノ置換ベンゼンおよびその誘導
体、例えば、トリアミノベンゼン等のポリアミノ置換ベ
ンゼンおよびその誘導体等が挙げられる。これらは、単
独又は2種以上併用してもよい。
【0012】芳香族アミン系ポリオキシアルキレンポリ
オールとしては、上記した芳香族アミン化合物を開始剤
として用い、この開始剤にアルキレンオキサイドを公知
の方法によって付加重合させたものが挙げられる。開始
剤として使用される芳香族アミンは、上記した芳香族ア
ミン化合物のいずれのものも使用でき、また、配合され
る芳香族アミン化合物と同種または異種のいずれのもの
であってもよいが、配合される芳香族アミン化合物と同
じ種類の芳香族アミン化合物を開始剤として用いること
が好ましく、とりわけ、トルエンジアミン(MTDおよ
びOTDの双方を含む。)を用いることが好ましい。
【0013】また、アルキレンオキサイドとしては、例
えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、
1,2−、1,3−、1,4−および2,3−ブチレン
オキサイド、アミレンオキサイド、グリシジルエーテ
ル、メチルグリシジルエーテル、t−ブチルグリシジル
エーテル、フェニルグリシジルエーテルおよびこれらの
2種以上の併用が挙げられる。これらのうち、好ましく
は、プロピレンオキサイドおよび/またはエチレンオキ
サイドであり、これらを併用する場合には、ブロックま
たはランダムのいずれの付加形式であってもよく、好ま
しくは、ブロックの付加形式が挙げられる。これら芳香
族アミン系ポリオキシアルキレンポリオールは、単独又
は2種以上併用してもよい。
【0014】このような芳香族アミン系ポリオキシアル
キレンポリオールは、官能基数が3.0〜5.0、水酸
基価が200〜500mgKOH/g、エチレンオキサ
イド含有量が50〜100重量%であることが好まし
い。また、活性水素基含有化合物(b)には、上記した
以外の公知のポリオキシアルキレンポリオールが含有さ
れていてもよい。このようなポリオキシアルキレンポリ
オールとしては、例えば、水、アルコール類、アミン
類、アンモニア等の開始剤にアルキレンオキサイドを付
加させたものが挙げられる。開始剤としてのアルコール
類としては、例えば、メタノール、エタノール等の1価
アルコール類、例えば、エチレングリコール、プロピレ
ングリコール等の2価アルコール類、例えば、グリセリ
ン、トリメチロールプロパン等の3価アルコール類、例
えば、ペンタエリスリトール等の4価アルコール類、例
えば、ソルビトール等の6価アルコール類、例えば、シ
ョ糖等の8価アルコール類等の1価または多価のアルコ
ール類が挙げられる。また、開始剤としてのアミン類と
しては、上記した芳香族アミン化合物以外の脂肪族アミ
ン化合物または脂環族アミン化合物、例えば、ジメチル
アミン、ジエチルアミン等の1価アミン類、例えば、メ
チルアミン、エチルアミン等の2価アミン類、例えば、
モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタ
ノールアミン等の3価アミン類、例えば、エチレンジア
ミン等の4価アミン類、例えば、ジエチレントリアミン
等の5価アミン類等の1価または多価のアミン類が挙げ
られる。これら開始剤のうち、好ましくは、1価ないし
6価のアルコール類および1価ないし5価のアミン類が
挙げられる。
【0015】また、アルキレンオキサイドとしては、上
記した芳香族アミン系ポリオキシアルキレンポリオール
に用いられるいずれのアルキレンオキサイドも使用する
ことができ、好ましくは、プロピレンオキサイドおよび
/またはエチレンオキサイドであり、これらを併用する
場合には、ブロックまたはランダムのいずれの付加形式
であってもよく、好ましくは、ブロックの付加形式が挙
げられる。このようなポリオキシアルキレンポリオール
は、単独又は2種以上併用してもよく、官能基数が1.
0〜3.0、水酸基価が30〜300mgKOH/g、
エチレンオキサイド含有量が50〜100重量%である
ことが好ましい。
【0016】このような活性水素基含有化合物(b)中
には、芳香族アミン化合物と芳香族アミン系ポリオキシ
アルキレンポリオールとが、その合計の含有量として1
0%重量以上、さらには、15重量%以上の割合で含有
されていることが好ましい。芳香族アミン化合物と芳香
族アミン系ポリオキシアルキレンポリオールとの合計の
含有量が活性水素基含有化合物(b)中において10重
量%未満である場合には、施工時に全く発泡しないか、
あるいは発泡途中で破泡する場合がある。
【0017】また、芳香族アミン化合物と芳香族アミン
系ポリオキシアルキレンポリオールとの割合は、芳香族
アミン系ポリオキシアルキレンポリオール100重量部
に対して、芳香族アミン化合物が0.1〜1重量部、さ
らには、0.2〜0.8重量部の割合であることが好ま
しい。芳香族アミン化合物が0.1重量部より少ない
と、施工時に安定した発泡が行なえない場合があり、ま
た、1重量部を超えると分子末端にイソシアネート基を
有するプレポリマーの合成を安定して行なえない場合が
ある。
【0018】そして、分子末端にイソシアネート基を有
するプレポリマーを得るには、ポリイソシアネート
(a)と活性水素基含有化合物(b)とを、ポリイソシ
アネート(a)のイソシアネート基が活性水素基含有化
合物(b)の活性水素基に対して過剰となる割合で反応
させる。この反応は、公知の条件下で反応させればよ
く、例えば、活性水素基含有化合物(b)の活性水素基
に対するポリイソシアネート(a)のイソシアネート基
の当量数比(NCO/OH)が、5.0〜50、好まし
くは、10〜30となるような割合で、窒素気流下にお
いて、反応温度約50〜100℃で数時間程度反応させ
る。この反応においては、必要に応じて、有機酸系、ス
ズ系、鉛系及びアミン系等の公知のウレタン化触媒を用
いてもよい。得られた分子末端にイソシアネート基を有
するプレポリマーのイソシアネート基含有率は、15%
〜35%、さらには、20%〜30%の範囲にあること
が好ましい。
【0019】また、本発明のケイ酸塩成分(B)は、ア
ルカリケイ酸塩(c)、低分子量ジオール(d)および
水(e)が配合される。アルカリケイ酸塩(c)として
は、例えば、ケイ酸カリウムやケイ酸ソーダが挙げら
れ、好ましくは、ケイ酸ソーダが挙げられる。ケイ酸ソ
ーダは、Na2 O・X SiO2 (式中、xは0.5〜
4.0を示す。)で表わされ、一般には、水溶液の状態
(Na2 O・X SiO2 ・nH2 O)で市販されてい
る。
【0020】低分子量ジオール(d)としては、例え
ば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチ
レングリコール、ネオペンチルグリコール、ジエチレン
グリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレング
リコール、トリプロピレングリコール等の分子量40〜
250、好ましくは58〜174のジオールが挙げられ
る。これらは単独又は2種以上併用してもよい。これら
のうち、好ましくは、エチレングリコール、プロピレン
グリコールが挙げられる。
【0021】水(e)は、ケイ酸塩成分(B)中に、約
45〜70重量%の割合で含有されることが好ましい。
45重量%未満であると、反応時に安定した発泡を行な
えない場合があり、一方、70重量%を超えると、寒冷
地で保管するときなどには、液分離または凍結を起こす
場合がある。また、上記したように、市販されるアルカ
リケイ酸塩中に水が含まれていれば、あえて配合する必
要はない。ただし、この場合にもケイ酸塩成分(B)中
において、約45〜70重量%の割合で含まれない状態
となるのであれば、上記割合となるように調製すること
が好ましい。
【0022】また、低分子ジオール(d)は、水(e)
100重量部に対して、5〜35重量部の割合で配合さ
れる。5重量部より少ないと、低分子ジオール(d)に
よる凝固点降下は期待できず、寒冷地で保管するときな
どには、液分離または凍結を起こす。また、35重量部
を超えると、低分子量ジオールが、プレポリマーと水と
の反応を阻害して、施工時に安定した発泡を行なえな
い。
【0023】さらに、本発明の地盤改良用組成物には、
粘度低下剤(C)、整泡剤(D)およびアミン系触媒
(E)を含有することが好ましい。粘度低下剤(C)
は、地盤改良用組成物に配合される各成分を、施工時の
状況に合った適当な粘度となるように調整する。このよ
うな粘度低下剤(C)としては、例えば、エチレンカー
ボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネ
ート等のカーボネート類、例えば、エチレングリコール
ジアセテート等の脂肪族カルボン酸エステル類等が挙げ
られる。これらは単独又は2種以上併用してもよい。こ
れらのうち、好ましくは、カーボネート類が挙げられ
る。また、これら粘度低下剤(C)は、イソシアネート
成分(A)に配合しておくことが好ましく、この場合に
は、イソシアネート成分(A)中に、約10〜30重量
%となるような割合で配合することが好ましい。
【0024】整泡剤(D)は、例えば、シロキサンーオ
キシアルキレンブロック共重合体等の、発泡ウレタン樹
脂の製造に通常使用される公知の整泡剤を用いることが
でき、例えば、日本ユニカー社製のL−5340、L−
3601、トーレシリコーン社製のSRX−274C、
SF−2961、SF−2962、信越化学工業(株)
製のF−317、F−305、ゴールドシュミット社製
のデコスターブB−8017等の有機シリコーン系整泡
剤等が挙げられる。これらは単独又は2種以上併用して
もよい。また、これら整泡剤(D)は、イソシアネート
成分(A)に配合しておくことが好ましく、この場合に
は、イソシアネート成分(A)中に、約0.5〜5重量
%、さらには、約1〜3重量%となるような割合で配合
することが好ましい。
【0025】アミン系触媒(E)は、発泡ウレタン樹脂
の製造に通常使用される公知のアミン系触媒を用いるこ
とができ、例えば、N,N−ジメチル−n−ドデシルア
ミン、N,N−ジメチル−n−テトラデシルアミン、
N,N−ジメチル−n−ヘキサデシルアミン、N,N−
ジメチル−n−オクタデシルアミン等の3級アミン類、
例えば、1−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾ
ール、1,2−ジメチルイミダゾール、2−エチル−メ
チルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾ
ール、1−イソブチル−2−メチルイミダゾール等のイ
ミダゾール類等が挙げられる。これらは単独又は2種以
上併用してもよい。また、これらアミン系触媒(E)
は、ケイ酸塩成分(B)に配合しておくことが好まし
く、この場合には、ケイ酸塩成分(B)中に、約0.1
〜10重量%、さらには、約0.3〜2重量%となるよ
うな割合で配合することが好ましい。
【0026】また、本発明の地盤改良用組成物は、公知
の添加剤、例えば、充填剤、界面活性剤、レベリング
剤、難燃剤、老化防止剤、耐熱性付与剤、酸化防止剤、
紫外線吸収剤、揺変付与剤等を、適宜、イソシアネート
成分(A)またはケイ酸塩成分(B)に添加してもよ
い。このようにして得られた本発明の地盤改良用組成物
は、施工時においてイソシアネート成分(A)とケイ酸
塩成分(B)とをイソシアネート成分(A)20重量部
に対してケイ酸塩成分(B)を10〜40重量部、好ま
しくは、20〜30重量部の割合において混合し、反応
および発泡させることによって、地盤を固結安定化させ
る。その用途としては、例えば、トンネル掘削時におけ
る破砕帯を有する岩盤や不安定軟弱地盤の固結安定化、
漏水、湧き水のある岩盤および地盤の止水等に好適に使
用される。また、施工方法は、空隙やクラックの多い軟
質あるいは不安定な地盤、岩盤、破砕帯等の地盤に注入
し固結させる公知の方法であれば、いずれの方法であっ
ても使用できる。例えば、注入式フォアポーリング、A
GF工法、鏡止めボルト、AGP工法、岩盤固結工法な
どが挙げられる。
【0027】そして、本発明の地盤改良用組成物は、寒
冷地などで保管しても液分離または凍結することがなく
良好に保管でき、そのため、施工時においては、そのま
ますぐに使用できるという優れた作業性を有し、しか
も、施工時においては、安定した発泡によって良好に岩
盤および地盤を固めることができるという優れた発泡安
定性を有する。
【0028】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の地盤改良用
組成物は、寒冷地などで保管しても液分離または凍結す
ることがなく良好に保管でき、そのため、施工時におい
ては、そのまますぐに使用できるという優れた作業性を
有し、しかも、施工時においては、安定した発泡によっ
て良好に岩盤および地盤を固めることができるという優
れた発泡安定性を有する。
【0029】
【実施例】以下、実施例および比較例により本発明を具
体的に説明するが、本発明はこれにより限定されるもの
ではない。なお、特に言及しない限り、部数は重量部を
示し、%は重量%を示す。 1)分子末端にイソシアネート基を有するプレポリマー
の合成 プレポリマー(1)の合成 攪拌機、温度計及び還流冷却管を取り付けた四つ口フラ
スコに、ポリイソシアネート(a)としてポリメリック
MDI(武田薬品工業株式会社製、タケネートRL−1
5P)100部、活性水素基含有化合物(b)として、
OTD0.0074部、OTDを開始剤としたポリオキ
シアルキレンポリオール(数平均分子量600、ポリオ
キシエチレン含有量80%)3.7部、および、プロピ
レングリコールを開始剤としたポリオキシアルキレンポ
リオール(数平均分子量1100、ポリオキシエチレン
含有量60%)12.2部を加えた。次いで、80℃に
加熱して3時間攪拌した後、室温まで冷却してプレポリ
マー(1)を得た。このプレポリマー(1)のイソシア
ネート基含有量は、24.7%であった。
【0030】プレポリマー(2)の合成 活性水素基含有化合物(b)として、MTD0.009
6部、MTDを開始剤としたポリオキシアルキレンポリ
オール(数平均分子量600、ポリオキシエチレン含有
量80%)2.4部、プロピレングリコールを開始剤と
したポリオキシアルキレンポリオール(数平均分子量9
00、ポリオキシエチレン含有量60%)13.5部を
用いた以外は、プレポリマー(1)と同様の操作を行な
い、プレポリマー(2)を得た。このプレポリマー
(2)のイソシアネート基含有量は、23.4%であっ
た。
【0031】プレポリマー(3)の合成 活性水素基含有化合物(b)として、OTD0.007
4部、OTDを開始剤としたポリオキシアルキレンポリ
オール(数平均分子量600、ポリオキシエチレン含有
量80%)0.95部、プロピレングリコールを開始剤
としたポリオキシアルキレンポリオール(数平均分子量
750、ポリオキシエチレン含有量60%)14.9部
を用いた以外は、プレポリマー(1)と同様の操作を行
ない、プレポリマー(3)を得た。このプレポリマー
(3)のイソシアネート基含有量は、25.3%であっ
た。
【0032】プレポリマー(4)の合成 活性水素基含有化合物(b)として、OTDを開始剤と
したポリオキシアルキレンポリオール(数平均分子量6
00、ポリオキシエチレン含有量80%)3.7部、プ
ロピレングリコールを開始剤としたポリオキシアルキレ
ンポリオール(数平均分子量1100、ポリオキシエチ
レン含有量60%)12.2部を用いた以外は、プレポ
リマー(1)と同様の操作を行ない、プレポリマー
(4)を得た。このプレポリマー(4)のイソシアネー
ト基含有量は、25.1%であった。
【0033】プレポリマー(5)の合成 活性水素基含有化合物(b)として、OTD0.074
部、OTDを開始剤としたポリオキシアルキレンポリオ
ール(数平均分子量600、ポリオキシエチレン含有量
80%)3.7部、プロピレングリコールを開始剤とし
たポリオキシアルキレンポリオール(数平均分子量75
0、ポリオキシエチレン含有量60%)12.2部を用
いた以外は、プレポリマー(1)と同様の操作を行な
い、プレポリマー(5)の合成を行なったが、合成途中
にゲル化してしまい良好なプレポリマー(5)を得るこ
とができなかった。
【0034】プレポリマー(6)の合成 活性水素基含有化合物(b)として、プロピレングリコ
ールを開始剤としたポリオキシアルキレンポリオール
(数平均分子量1500、ポリオキシエチレン含有量6
0%)15.9部を用いた以外は、プレポリマー(1)
と同様の操作を行ない、プレポリマー(6)を得た。こ
のプレポリマー(6)のイソシアネート基含有量は、2
4.1%であった。
【0035】プレポリマー(7)の合成 活性水素基含有化合物(b)として、モノエタノールア
ミンを開始剤としたポリオキシアルキレンポリオール
(数平均分子量600、ポリオキシエチレン含有量80
%)3.7部、プロピレングリコールを開始剤としたポ
リオキシアルキレンポリオール(数平均分子量110
0、ポリオキシエチレン含有量60%)12.2部を用
いた以外は、プレポリマー(1)と同様の操作を行な
い、プレポリマー(7)を得た。このプレポリマー
(7)のイソシアネート基含有量は、23.6%であっ
た。
【0036】プレポリマー(8)の合成 活性水素基含有化合物(b)として、OTD0.074
部、プロピレングリコールを開始剤としたポリオキシア
ルキレンポリオール(数平均分子量750、ポリオキシ
エチレン含有量60%)21.4部を用いた以外は、プ
レポリマー(1)と同様の操作を行ない、プレポリマー
(7)の合成を行なったが、合成途中にゲル化してしま
い良好なプレポリマー(7)を得ることができなかっ
た。
【0037】プレポリマー(9)の合成 活性水素基含有化合物(b)として、エチレンジアミン
(EDA)0.037部、EDAを開始剤としたポリオ
キシアルキレンポリオール(数平均分子量600、ポリ
オキシエチレン含有量80%)3.7部、プロピレング
リコールを開始剤としたポリオキシアルキレンポリオー
ル(数平均分子量1100、ポリオキシエチレン含有量
60%)12.2部を用いた以外は、プレポリマー
(1)と同様の操作を行ない、プレポリマー(9)を得
た。このプレポリマー(9)のイソシアネート基含有量
は、24.9%であった。
【0038】プレポリマー(10)の合成 活性水素基含有化合物(b)として、EDA0.037
部、OTDを開始剤としたポリオキシアルキレンポリオ
ール(数平均分子量600、ポリオキシエチレン含有量
80%)3.7部、プロピレングリコールを開始剤とし
たポリオキシアルキレンポリオール(数平均分子量11
00、ポリオキシエチレン含有量60%)12.2部を
用いた以外は、プレポリマー(1)と同様の操作を行な
い、プレポリマー(10)を得た。このプレポリマー
(10)のイソシアネート基含有量は、25.1%であ
った。
【0039】プレポリマー(11)の合成 活性水素基含有化合物(b)として、モノエタノールア
ミン0.037部、OTDを開始剤としたポリオキシア
ルキレンポリオール(数平均分子量600、ポリオキシ
エチレン含有量80%)3.7部、プロピレングリコー
ルを開始剤としたポリオキシアルキレンポリオール(数
平均分子量1100、ポリオキシエチレン含有量60
%)12.2部を用いた以外は、プレポリマー(1)と
同様の操作を行ない、プレポリマー(10)を得た。こ
のプレポリマー(10)のイソシアネート基含有量は、
24.7%であった。
【0040】プレポリマー(12)の合成 活性水素基含有化合物(b)として、モノエタノールア
ミン0.037部、モノエタノールアミンを開始剤とし
たポリオキシアルキレンポリオール(数平均分子量60
0、ポリオキシエチレン含有量80%)3.7部、プロ
ピレングリコールを開始剤としたポリオキシアルキレン
ポリオール(数平均分子量1100、ポリオキシエチレ
ン含有量60%)12.2部を用いた以外は、プレポリ
マー(1)と同様の操作を行ない、プレポリマー(1
2)を得た。このプレポリマー(12)のイソシアネー
ト基含有量は、24.9%であった。 2)地盤改良用組成物の調製 表1および表2に示す組成および割合において、実施例
1〜7および比較例1〜13の地盤改良用組成物を調製
した。
【0041】イソシアネート成分(A)は、上記のよう
に合成された各プレポリマー(1)〜(12)に、粘度
低下剤(C)として、プロピレンカーボネート(PC)
またはエチレングリコールジアセテート(ED)を、ま
た、整泡剤(D)として、有機シリコーン系整泡剤(ゴ
ールドシュミット社製デコスターブB−8017)を、
それぞれ表1および表2に示す割合において添加した
後、約15分高速混合することによって調製した。
【0042】また、ケイ酸塩成分(B)は、アルカリケ
イ酸塩(c)として、ケイ酸ソーダ2号(大阪珪酸曹達
株式会社製、水分含有量59%)を、低分子量ジオール
(d)として、エチレングリコール(EG)またはプロ
ピレングリコール(PG)を、アミン触媒(E)とし
て、N,N,N−トリメチルアミノエチルエタノール
(三共エアープロダクツ社製ダブコT)をそれぞれ用
い、表1および表2に示す割合において、まず、低分子
量ジオール(d)、水(e)およびアミン触媒(E)を
混合して10分間攪拌した後、次いでこの混合物にアル
カリケイ酸塩(c)を加えて、さらに、15分間高速混
合することによって調製した。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】3)地盤改良用組成物の評価 低温時おけるケイ酸塩成分(B)の状態 各実施例および各比較例のケイ酸塩成分(B)を試験管
に採取し、この試験管を0℃で24時間放置した後、目
視観察によりその状態を評価した。その結果、凝固しな
い状態のものを○、凝固または濁りを生じたものを×と
して、表1および表2に示した。
【0046】反応時における発泡挙動 各実施例および各比較例のイソシアネート成分(A)お
よびケイ酸塩成分(B)を、注入機のマシンタンクにそ
れぞれ所定量仕込み、表1および表2に示す配合比にお
いて、送液ポンプおよびスタティックミキサーを通し
て、500mLのビーカー内に吐出して発泡させた。得
られた発泡体の外観を目視により観察するとともに、発
泡倍率を測定した。その結果を表1および表2に示し
た。
【0047】なお、発泡時におけるクリームタイム(C
T)(秒)およびライズタイム(RT)(秒)を表1お
よび表2に併記した。表1および表2に示すように、実
施例1〜7においては、ケイ酸塩成分(B)の低温時に
おける状態が良好で、かつ、イソシアネート成分(A)
およびケイ酸塩成分(B)の反応によって発泡体を得る
ことができるが、比較例1〜13においては、ケイ酸塩
成分(B)の低温時における状態が悪いか、あるいは、
イソシアネート成分(A)およびケイ酸塩成分(B)の
反応によって発泡していないことがわかる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C09K 107:00 (72)発明者 山本 一也 兵庫県氷上郡柏原町大新屋字坪田18 エム シー工業株式会社内 (72)発明者 小林 直樹 大阪府門真市末広町8番13号 大日化成株 式会社内 (72)発明者 寺元 弘美 岡山県勝田郡勝央町黒土115−1 大日化 成株式会社岡山工場内 (72)発明者 木梨 泰光 岡山県勝田郡勝央町黒土115−1 大日化 成株式会社岡山工場内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 A.ポリイソシアネート(a)と、 芳香族アミン化合物、および前記芳香族アミン化合物と
    同一または異種の芳香族アミン化合物を開始剤として用
    い、この開始剤にアルキレンオキサイドを付加重合させ
    ることによって得られる芳香族アミン系ポリオキシアル
    キレンポリオールを含有する活性水素基含有化合物
    (b)とを反応させることによって得られる分子末端に
    イソシアネート基を有するプレポリマーを含むイソシア
    ネート成分、および、 B.アルカリケイ酸塩(c)、低分子量ジオール(d)
    および水(e)を含み、水(e)100重量部に対する
    低分子量ジオール(d)の割合が5〜35重量部である
    ケイ酸塩成分、 を含有することを特徴とする、地盤改良用組成物。
  2. 【請求項2】 活性水素基含有化合物(b)中の芳香族
    アミン化合物と芳香族アミン系ポリオキシアルキレンポ
    リオールとの合計の含有量が10重量%以上であって、
    かつ、芳香族アミン系ポリオキシアルキレンポリオール
    100重量部に対する芳香族アミン化合物の割合が、
    0.1〜1重量部である、請求項1に記載の地盤改良用
    組成物。
  3. 【請求項3】 芳香族アミン化合物と、芳香族アミン系
    ポリオキシアルキレンポリオールの開始剤として使用さ
    れる芳香族アミン化合物とが、同じ種類の芳香族アミン
    化合物である、請求項1または2に記載の地盤改良用組
    成物。
  4. 【請求項4】 芳香族アミン化合物がトルエンジアミン
    である、請求項3に記載の地盤改良用組成物。
  5. 【請求項5】 さらに、C.粘度低下剤と、D.整泡剤
    とを含有する、請求項1ないし4のいずれかに記載の地
    盤改良用組成物。
  6. 【請求項6】 さらに、E.アミン系触媒を含有する、
    請求項1ないし5のいずれかに記載の地盤改良用組成
    物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100761712B1 (ko) 2006-08-10 2007-10-04 주식회사 우남케미코 연약지반 고결용 실리케이트레진폼(srf) 약액 조성물
JP2021070755A (ja) * 2019-10-31 2021-05-06 旭有機材株式会社 地盤注入用薬液組成物

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KR100761712B1 (ko) 2006-08-10 2007-10-04 주식회사 우남케미코 연약지반 고결용 실리케이트레진폼(srf) 약액 조성물
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