JPH11255821A - 錫でカップリングされたゴム状ポリマ―の製造方法 - Google Patents

錫でカップリングされたゴム状ポリマ―の製造方法

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JPH11255821A
JPH11255821A JP11013010A JP1301099A JPH11255821A JP H11255821 A JPH11255821 A JP H11255821A JP 11013010 A JP11013010 A JP 11013010A JP 1301099 A JP1301099 A JP 1301099A JP H11255821 A JPH11255821 A JP H11255821A
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    • C08C19/00Chemical modification of rubber
    • C08C19/30Addition of a reagent which reacts with a hetero atom or a group containing hetero atoms of the macromolecule
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ゴムを不整にカップリングすることによって
タイヤゴムの性質を大きく改善する。 【解決手段】 (1)第1反応器内で、少なくとも1種の
ジエンモノマーをアニオン性開始剤を利用して連続的に
重合して、リビングポリブタジエンゴム鎖を含むポリマ
ーセメントを生成させること;(2)第1反応器内で製造
されたポリマーセメントを連続的に第2反応器内に供給
すること;(3)ハロゲン化錫を第2反応器内のポリマー
セメントに攪拌条件下で供給し、内部に均質に分散した
ハロゲン化錫を有するポリマーセメントを生成させるこ
と;(4)該ポリマーセメントをプラグフロー反応器内に
連続的に供給して、不整に錫でカップリングされたゴム
状ポリマーのポリマーセメントを生成させること;並び
に(5)プラグフロー反応器から不整に錫でカップリン
グされたゴム状ポリマーのポリマーセメントを連続的に
回収することを含む、不整の、錫でカップリングされた
ゴム状ポリマーの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
〔発明の詳細な説明〕本発明は、錫でカップリングされ
たゴム状ポリマーの製造方法に関する。
【0001】
【従来の技術】錫でカップリングされたポリマーは、タ
イヤトレッドゴム内に使用されるとき、改善されたトレ
ッド耐磨耗性及び減じられた転がり抵抗のような望まし
い性質を与えることが既知である。そのような錫でカッ
プリングされたゴム状ポリマーは典型的にゴム状ポリマ
ーを錫カップリング剤と、ゴム状ポリマーを合成する際
に製造される重合の最後または最後付近でカップリング
させることによって製造される。カップリング工程にお
いて、リビングポリマー鎖の端が錫カップリング剤と反
応してこれによってポリマーをカップリングする。例え
ば、4以下のリビング鎖の端部は4塩化錫のような4ハ
ロゲン化錫と反応でき、これにより複数のポリマー鎖を
一緒にカップリングする。
【0002】錫カップリング剤のカップリング効率は、
カップリングのために役立つリビング鎖端部の量及びも
し使用するのであれば重合において使用する極性変性剤
の量とタイプ等の多くの因子に依存する。例えば、錫カ
ップリング剤は一般に極性変性剤の存在下におけるよう
に有効ではない。到達されるカップリングの量はもちろ
ん使用する錫カップリング剤の量に高度に依存する。
【0003】各4ハロゲン化錫は4までのリビングポリ
マー鎖端部と反応できる。しかし、完全な理論量は達成
するのが困難であるので、ハロゲン化錫のいくつかはし
ばしば4つ未満のリビングポリマー鎖端部と反応する。
例えば、もし理論量より多い量のハロゲン化錫カップリ
ング剤が使用されると、そのときは4対1の基準でハロ
ゲン化錫と完全に反応するのには不十分な量のリビング
ポリマー鎖端が存在する。一方、もし理論量未満のハロ
ゲン化錫カップリング剤が添加されると、そのときは過
剰のリビングポリマー鎖端部が存在し、リビングポリマ
ー鎖端部のいくつかがカップリングしない。
【0004】慣用の錫カップリング剤は、本質的に対称
であるカップリングされたポリマー上のポリマーの形成
を生じる。換言すれば、カップリングされたポリマーア
ームの全ては本質的に同じ鎖長さのものである。そのよ
うな慣用の錫でカップリングされたポリマー内の全ての
ポリマーアームは従って本質的に同じ分子量を有する。
これは、低い多分散度を有する慣用の錫でカップリング
されたポリマーを生成する。例えば、重量平均分子量の
数平均分子量に対する比が約1.01〜約1.1の範囲
内である慣用の錫でカップリングされたポリマー。
【0005】1997年2月14日に出願された米国仮
特許出願60/037,929号は、より低いヒステリ
シスのようなタイヤゴムのための大きく改善された性質
が不整にゴムをカップリングすることによって達成でき
ることを開示する。例えば、そのような不整にカップリ
ングされたポリマーは、他のタイヤ特性を犠牲にするこ
となく大きく改善された転がり抵抗を有するタイヤを造
るために利用できる。これらの改善された性質は、部分
的にカーボンブラックとのより良好な相互作用及び相溶
性による。不整の錫カップリング剤は通常ゴム状ポリマ
ーの冷フロー特性を改善することにも通ずる。錫カップ
リングは一般に、より良好な加工性及び他の有益な性質
にも通ずる。
【0006】タイヤトレッドコンパウンドの性能特性を
改善するために使用できる不整の錫でカップリングされ
たゴム状ポリマーは共有結合されたポリジエンアームを
有する錫原子を含む。錫原子に結合した少なくとも1つ
のポリジエンアームは約40000未満の数平均分子量
を有する低い数分子量アームである。不整の錫でカップ
リングされたゴム状ポリマーが錫原子に結合した少なく
とも1つの高分子量ポリジエンアームを有することも重
要である。この高分子量アームは少なくとも80000
の数平均分子量を有する。また、本発明の不整の錫でカ
ップリングされたゴム状ポリマーの重量平均分子量の数
平均分子量に対する比率は約2〜約2.5の範囲内であ
る。
【0007】米国仮特許出願60/037,929号は
さらに、(1)少なくとも1種のジエンモノマーを少な
くとも90%の転化率にアニオン性開始剤を利用して連
続的に重合してリビングポリジエンゴム鎖を含むポリマ
ーセメントを生成させること、ここでリビングポリジエ
ンゴム鎖のいくつかが、約40000未満の数平均分子
量を有する低分子量ポリジエンゴム鎖であり、リビング
ポリジエンゴム鎖のいくつかが約80000より大きい
数平均分子量を有する高分子量ポリジエンゴム鎖であ
り;そして(2)別の反応容器内でハロゲン化錫をポリ
マーセメントに連続的に加えて不整に錫でカップリング
されたゴム状ポリマーを生成させること、ここで前記不
整の錫でカップリングされたゴム状ポリマーが約2〜約
2.5の範囲内の多分散性を有する、を含む、不整の、
錫でカップリングされたゴム状ポリマーの製造方法を開
示する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】米国仮特許出願60/
037,929号によると、不整の、錫でカップリング
されたゴム状ポリマーの安定性は、第3キレート化アミ
ンを、錫カップリングされたゴム状ポリマーがカップリ
ングされるときに続いてそれに加えることによって改善
できる。N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジ
アミン(TMEDA)が、そのような不整の、錫でカッ
プリングされたゴム状ポリマーの安定化における利用に
好ましい第3キレート化アミンの代表的な例である。し
かし、そのような不整の、錫でカップリングされたゴム
状ポリマーの安定性をさらに改善する必要性がある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の方法を利用する
ことによって、不整の、錫でカップリングされたゴム状
ポリマーの安定性は大きく改善できる。本発明は、さら
に詳細には、改善された安定性を有する不整の錫でカッ
プリングされたゴム状ポリマーの製造方法であって、
(1)第1反応器内で、少なくとも1種のジエンモノマ
ーを少なくとも約90%の転化率へアニオン性開始剤を
利用して連続的に重合して、リビングポリジエンゴム鎖
を含むポリマーセメントを生成させること;(2)第1
反応器内で製造されたポリマーセメントを連続的に第2
反応器内に供給すること;(3)ハロゲン化錫を第2反
応器内のポリマーセメントに攪拌条件下で供給し、内部
に均質に分散したハロゲン化錫を有するポリマーセメン
トを生成させること、ここで第2反応器内の滞留時間が
約15分〜約4時間の範囲内であり;(4)内部に均質
に分散したハロゲン化錫を有するポリマーセメントを約
15分〜約1時間の滞留時間を有するプラグフロー反応
器内に連続的に供給して、不整に錫で結合したゴム状ポ
リマーのポリマーセメントを生成させること;並びに
(5)プラグフロー反応器から不整に錫で結合したゴム
状ポリマーのポリマーセメントを連続的に回収すること
を含む、前記の方法を開示する。
【0010】実際に、アニオン性重合によって製造され
るいずれのタイプのゴム状ポリマーも本発明に従い不整
に錫でカップリングできる。不整にカップリングできる
ゴム状ポリマーは典型的には、開始剤として有機リチウ
ム化合物を利用した溶液重合技術を利用して合成され
る。従って、これらのゴム状ポリマーは通常「リビン
グ」リチウム鎖端部を含む。
【0011】リビングゴム状ポリマーを合成する際に使
用される重合は通常は、1種またはそれ以上の芳香族、
パラフィン性またはシクロパラフィン化合物であること
ができる炭化水素溶媒内で実施される。これらの溶媒
は、1分子あたり通常4〜10の炭素原子を分子あたり
含みそして重合の条件下で液体である。適切な有機溶媒
のいくつかの代表的な例はペンタン、イソオクタン、シ
クロヘキサン、メチルシクロヘキサン、イソヘキサン、
n−ヘプタン、n−オクタン、n−ヘキサン、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ジエチルベ
ンゼン、イソブチルベンゼン、石油エーテル、ケロセ
ン、石油スピリット、石油ナフサ等を単独または混合物
で含む。
【0012】溶液重合においては通常、重合媒質中に5
〜30重量%のモノマーがある。そのような重合媒質は
もちろん有機溶媒及びモノマーを含む。ほとんどの場
合、重合媒質が10〜25重量%のモノマーを含むこと
が好ましい。重合媒質が15〜20重量%のモノマーを
含むことが一般にさらに好ましい。
【0013】本発明に従う、不整にカップリングされた
ゴム状ポリマーは、共役ジオレフィンモノマーのホモ重
合によって、または共役ジオレフィンモノマーとビニル
芳香族モノマーとの共重合によって製造できる。もちろ
ん、共役ジオレフィンモノマーの混合物を1種以上のエ
チレン性不飽和モノマー(例えばビニル芳香族モノマ
ー)と重合することによって不整に錫でカップリングで
きるリビングゴム状ポリマーをつくることも可能であ
る。本発明に従って不整に錫でカップリングできるゴム
状ポリマーの合成において利用できる共役ジオレフィン
モノマーは一般に4〜12の炭素原子を含む。4〜8の
炭素原子を含むものが商業的目的のために一般に好まし
い。同様の理由から、1,3−ブタジエン及びイソプレ
ンが最も普通に利用される共役ジオレフィンモノマーで
ある。利用できるいくつかの追加の共役ジオレフィンモ
ノマーは、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、ピ
ペリレン、3−ブチル−1,3−オクタジエン、2−フ
ェニル−1,3−ブタジエン等を、単独または混合物と
して含む。
【0014】本発明に従って不整に錫でカップリングで
きるゴム状ポリマーへと合成できるエチレン性不飽和モ
ノマーいくつかの代表的な例は、メチルアクリレート、
エチルアクリレート、ブチルアクリレート、メチルメタ
クリレート等のようなアルキルアクリレート;1以上の
末端CH2=CH−基を有するビニリデンモノマー;ス
チレン、α−メチルスチレン、ブロモスチレン、クロロ
スチレン、フルオロスチレン等のビニル芳香族;エチレ
ン、プロピレン、1−ブテン等のα−オレフィン;臭化
ビニル、クロロエタン(塩化ビニル)、フッ化ビニル、
ヨウ化ビニル、1,2−ジブロモエタン、1,1−ジク
ロロエタン(塩化ビニリデン)1,2−ジクロロエタン
等のハロゲン化ビニル;酢酸ビニルのようなビニルエス
テル;アクリロニトリル及びメタクリロニトリルのよう
なα,β−オレフィン性不飽和ニトリル;アクリルアミ
ド,N−メチルアクリルアミドのようなα,β−オレフ
ィン性不飽和アミドを含む。
【0015】1種以上のジエンモノマーと1種以上の他
のエチレン性不飽和モノマーとのコポリマーであるゴム
状ポリマーは通常、約50重量%〜約99重量%の共役
ジオレフィンモノマー及び約1重量%〜約50重量%の
他のエチレン性不飽和モノマーを共役ジオレフィンモノ
マーに加えて含む。例えば、5〜95重量%の共役ジオ
レフィンモノマーと5〜50重量%のビニル芳香族モノ
マーを含む共役ジオレフィンモノマーとビニル芳香族モ
ノマーのコポリマー(例えばスチレン−ブタジエンゴ
ム)が多くの用途に有用である。
【0016】ビニル芳香族モノマーは多分、通常ポリジ
エンに組み込まれるエチレン性不飽和モノマーの最も重
要な群である。そのようなビニル芳香族モノマーはもち
ろん利用される共役ジオレフィンモノマーと共重合され
るように選択される。一般に有機リチウム開始剤で重合
すると知られている全てのビニル芳香族モノマーが使用
できる。そのようなビニル芳香族モノマーは典型的に8
〜20の炭素原子を含む。通常、ビニル芳香族モノマー
は8〜14炭素原子を含む。最も広く使用されるビニル
芳香族モノマーはスチレンである。利用できるビニル芳
香族モノマーのいくつかの例は、スチレン、1−ビニル
ナフタレン、2−ビニルナフタレン、α−メチルスチレ
ン、4−フェニルスチレン、3−メチルスチレン等を含
む。
【0017】本発明に従い、不整に錫でカップリングで
きるゴム状ポリマーのいくつかの代表的な例は、ポリブ
タジエン、ポリイソプレン、スチレン−ブタジエンゴム
(SBR)、α−メチルスチレン−ブタジエンゴム、α
メチルスチレン−イソプレンゴム、スチレン−イソプレ
ン−ブタジエンゴム(SIBR),スチレンーイソプレ
ンゴム(SIR)、イソプレン−ブタジエンゴム(IB
R)、αメチルスチレン−イソプレン−ブタジエンゴム
及びα−メチルスチレン−スチレン−イソプレン−ブタ
ジエンゴムを含む。
【0018】ゴム状ポリマーをつくる際に使用する重合
は、有機リチウム開始剤のようなアニオン性開始剤をモ
ノマーを含む有機重合媒質に加えることによって開始さ
れる。重合はモノマー、開始剤及び溶媒を連続的に第1
重合反応器に加え、合成されたポリマーを連続的に回収
することによって実施される。この重合は、リビングポ
リジエンゴム鎖の生成を生じる。この重合工程は単一の
反応器内または複数の反応系において実施できる。
【0019】本発明に従って、不整に錫でカップリング
できるゴム状ポリマーを合成する際に使用できる有機リ
チウム開始剤は、ここで記述されたモノマーを重合する
ために既知の単官能価及び多官能価のタイプのものを含
む。多官能価有機リチウム開始剤は特定の有機リチウム
化合物であるか、または必ずしも特定の化合物ではな
く、むしろ調節できる官能価の再現可能な組成物を示
す、多官能価のものであることができる。
【0020】利用される有機リチウム開始剤の量は、重
合されるモノマー及び合成されるポリマーについて望ま
れる分子量によって変化する。しかし、一般に、0.0
1〜1phm(モノマー100重量部あたりの部数)の
有機リチウム開始剤が利用される。ほとんどの場合、
0.01〜0.1phmの有機リチウム開始剤が利用さ
れ、0.025〜0.07phmの有機リチウム開始剤
を利用することが好ましい。
【0021】開始剤の選択は、ポリマーについて望まれ
る分岐の程度及び弾性度、供給原料の性質等によって支
配される。共役ジエンの原料として使用される供給原料
に関しては、低濃度のジエン流れが少なくとも供給原料
の一部であるときは、例えば多官能価の開始剤のタイプ
のものが一般に好ましい。これは精製されていない低濃
度のジエン流れ中に存在するいくつかの成分が炭素−リ
チウム結合と反応して開始剤の活性を不活性化する傾向
かあり得、そのためそのような影響を克服するために開
始剤中に十分な量のリチウム官能価が必要だからであ
る。
【0022】使用できる多官能価開始剤は、有機モノリ
チウム化合物をマルチビニルホスフィンまたはマルチビ
ニルシランと反応させることによって製造されるものを
含み、そのような反応は好ましくは炭化水素または炭化
水素と極性有機化合物の混合物のような不活性希釈剤中
で実施される。マルチビニルシランまたはマルチビニル
ホスフィンと有機モノリチウム化合物との間の反応は沈
殿を生じ、これは望まれるのであれば、主成分の反応の
後に共役ジエンまたはモノビニル芳香族化合物のような
可溶化モノマーを加えることによって可溶化できる。代
わりに、反応は少量の可溶化モノマーの存在下で実施で
きる。有機モノリチウム化合物とマルチビニルシランま
たはマルチビニルホスフィンとの相対量は好ましくは、
使用されるマルチビニルシランまたはマルチビニルホス
フィン中に存在するビニル基の1モルあたり、0.33
〜4モルの有機モノリチウム化合物の範囲であるべきで
ある。そのような多官能価開始剤は通常、特定の個々の
化合物としてよりも化合物の混合物として使用される。
【0023】例示の有機モノリチウム化合物は、エチル
リチウム、イソプロピルリチウム、n−ブチルリチウ
ム、第2−ブチルリチウム、第3−オクチルリチウム、
n−エイコシルリチウム、フェニルリチウム、2−ナフ
チルリチウム、4−ブチルフェニルリチウム、4−トリ
ルリチウム、4−フェニルブチルリチウム、シクロヘキ
シルリチウム等を含む。
【0024】例示のマルチビニルシラン化合物は、テト
ラビニルシラン、メチルトリビニルシラン、ジエチルビ
ニルシラン、ジ−n−ドデシルジビニルシラン、シクロ
ヘキシルトリビニルシラン、フェニルトリビニルシラ
ン、ベンジルトリビニルシラン、(3−エチルシクロヘ
キシル)(3−n−ブチルフェニル)ジビニルシラン等
を含む。
【0025】例示のマルチビニルホスフィン化合物は、
トリビニルホスフィン、メチルジビニルホスフィン、ド
デシルジビニルホスフィン、フェニルジビニルホスフィ
ン、シクロオクチルジビニルホスフィン等を含む。
【0026】他の多官能価重合開始剤は、有機モノリチ
ウム開始剤を、さらにマルチビニル芳香族化合物、及び
共役ジエンまたはモノビニル芳香族化合物またはその両
方と共に利用することによって製造できる。これらの成
分は最初に、通常、希釈剤としての炭化水素または炭化
水素と極性有機化合物の混合物の存在下に、装填され
る。代わりに、多官能価重合開始剤が2工程法におい
て、有機モノリチウム化合物を共役ジエンまたはモノビ
ニル芳香族化合物添加剤と反応させ、そして次にマルチ
ビニル芳香族化合物を加えることによって製造できる。
【0027】記述した共役ジエンまたはモノビニル芳香
族化合物のいずれも使用できる。使用される共役ジエン
またはモノビニル芳香族化合物添加剤の比は、有機リチ
ウム化合物1モルあたり約2〜15モルの重合可能な化
合物の範囲であるべきである。使用するマルチビニル芳
香族化合物の量は好ましくは、有機モノリチウム化合物
1モルあたり約0.05〜2モルの範囲であるべきであ
る。
【0028】例示のマルチビニル芳香族化合物は、1,
2−ジビニルベンゼン、1,3−ジビニルベンゼン、
1,4−ジビニルベンゼン、1,2,4−トリビニルベ
ンゼン、1,3−ジビニルナフタレン、1,8−ジビニ
ルナフタレン、1,3,5−トリビニルナフタレン、
2,4−ジビニルビフェニル、3,5,4’−トリビニ
ルビフェニル、m−ジイソプロペニルベンゼン、p−ジ
イソプロペニルベンゼン、1,3−ジビニル−4,5,
8−トリブチルナフタレン等を含む。分子あたり18ま
での炭素原子を含むジビニル芳香族炭化水素が好まし
く、特にオルト、メタ、パラ異性体のいずれかのジビニ
ルベンゼン、及び商業的なジビニルベンゼン(これは3
種の異性体の混合物である)及びエチルスチレンのよう
な他の化合物のかなり満足なものである。
【0029】第2または第3有機モノリチウム化合物を
1,3−ブタジエンと、1,3−ブタジエン1モルあた
り約2〜4モルの有機モノリチウム化合物の比で、添加
極性物質の非存在下で、接触させることによって製造さ
れるもののような他のタイプの多官能価開始剤が使用で
きる。この場合、接触は好ましくは不活性炭化水素希釈
剤中で実施されるが、もし望まれるのであれば希釈剤無
しの接触が使用できる。
【0030】代わりに、もし望まれるのであれば特定の
有機リチウム化合物が開始剤として本発明に従うポリマ
ーの製造において使用できる。これらは、R(Li)x
(式中、Rは1〜20の炭素原子を含むヒドロカルビル
基、そしてxは1〜4の整数である)によって示される
ことができる。例示の有機リチウム化合物は、メチルリ
チウム、イソプロピルリチウム、n−ブチルリチウム、
第2ブチルリチウム、第3オクチルリチウム、n−デシ
ルリチウム、フェニルリチウム、1−ナフチルリチウ
ム、4−ブチルフェニルリチウム、p−トリルリチウ
ム、4−フェニルブチルリチウム、シクロヘキシルリチ
ウム、4−ブチルシクロヘキシルリチウム、4−シクロ
ヘキシルブチルリチウム、ジリチオメタン、1,4−ジ
リチオブタン、1,10−ジリチオデカン、1,20−
ジリチオエイコサン、1,4−ジリチオシクロヘキサ
ン、1,4−ジリチオ−2−ブタン、1,8−ジリチオ
−3−デセン、1,2−ジリチオ−1,8−ジフェニル
オクタン、1,4−ジリチオベンゼン、1,4−ジリチ
オナフタレン、9,10−ジリチオアントラセン、1,
2−ジリチオ−1,2−ジフェニルエタン、1,3,5
−トリリチオペンタン、1,5,15−トリリチオエイ
コサン、1,3,5−トリリチオシクロヘキサン、1,
3,5,8−テトラリチオデカン、1,5,10,20
−テトラリチオエイコサン、1,2,4,6−テトラリ
チオシクロヘキサン、4,4’−ジリチオビフェニル等
である。
【0031】利用する重合温度は約−20℃〜約180
℃の広い範囲にわたって変化できる。ほとんどの場合、
約30℃〜約125℃の範囲内の温度が利用される。重
合温度が約60℃〜約85℃の範囲内であるのが好まし
い。使用する圧力は通常重合反応の条件下で実質的に液
相を維持するのに十分である。
【0032】第1反応器内の重合は、例えばモノマーの
実質的に完全な重合を許容するのに十分な時間攪拌する
ような攪拌条件下に実施される。換言すれば、重合は通
常高い転化率が達成されるまで実施される。例えば、単
一重合反応器または複数の反応器内で達成されるモノマ
ー転化率は典型的には約90%よりも大きい。第1反応
器内で達成されるモノマー転化率が少なくとも約95%
に達するのが典型的に好ましく、98%を超える転化率
が最も好ましい。
【0033】第1反応器内または一連の攪拌重合反応器
群内の重合はリビングポリジエン鎖を含むポリマーセメ
ントの形成を生じる。このゴム状ポリマーのポリマーセ
メントは次に第2反応器内に供給される。ハロゲン化錫
も連続的に第2反応器内に供給される。
【0034】重合は第2反応器における錫カップリング
剤の連続的な添加によって停止される。錫カップリング
剤は炭化水素溶液において、例えばシクロヘキサン中
で.分散及び反応のための適切な混合下に重合混合物に
加えられる。第2反応器内の滞留時間は約15分〜約4
時間の範囲内である。第2反応器内の滞留時間が約30
分〜約2時間の範囲内であるのが通常好ましい。第2反
応器内の滞留時間が約45分〜約90分の範囲内である
のが通常最も好ましい。
【0035】錫カップリング剤は通常、4塩化錫、4臭
化錫、4フッ化錫または4ヨウ化錫のような4ハロゲン
化錫である。しかし、3ハロゲン化錫も所望によって使
用できる。3ハロゲン化錫が利用される場合には、最大
3つのアームを有する、カップリングされたポリマーが
生成する。より高いレベルの分岐を誘導するために、4
ハロゲン化錫が通常好ましい。一般に、4塩化錫が最も
好ましい。
【0036】広く言って、そして例示的に、ゴムポリマ
ー100gにつき約0.01〜4.5ミリ当量の範囲の
錫カップリング剤が使用される。望まれるムーニー粘度
を得るために、ポリマー100gにつき約0.01〜約
1.5ミリ当量の範囲の錫カップリング剤が使用される
ことが好ましい。より大きい量は、末端で反応性の基ま
たは不十分なカップリングを含むポリマーの生成を生じ
る。リチウム1当量あたりの錫カップリング剤1当量が
最大分岐のために最適の量であると考えられる。例え
ば、もし4ハロゲン化錫がカップリング剤として使用さ
れると、リビングリチウム端部4モルあたり、1モルの
4ハロゲン化錫が利用される。3ハロゲン化錫がカップ
リング剤として使用される場合には、リビングリチウム
端部の3モルあたり1モルの3ハロゲン化錫が最適に使
用される。錫カップリング剤は炭化水素中において(例
えばシクロヘキサン中)反応器内の重合混合物に分散及
び反応のための適切な混合下に加え得る。
【0037】内部に均質に分散したハロゲン化錫を含む
ポリマーセメントは、望まれる滞留時間の後、連続的に
第2反応器から回収される。それは次に連続的に、約1
5分〜約1時間の滞留時間を有するプラグフロー反応器
に供給され、不整に錫でカップリングされたゴム状ポリ
マーのポリマーセメントが生成する。プラグフロー反応
器は好ましくは約20〜約45分の範囲内の滞留時間を
有し、そして最も好ましくは約25〜35分の範囲内の
滞留時間を有する。
【0038】プラグフロー反応器は、反応器を通るフロ
ーまたは流体が順序正しく、それに先立つかまたはそれ
より後のいかなる他の流体要素によって追い越されるか
または混合される流体要素を本質的にもたないことを特
徴とする。実際、プラグフロー反応器内の流体の横方向
への混合があり得る。しかし、フロー路に沿って本質的
には混合拡散があってはならない。プラグフローのため
の必要で十分な条件は、反応器内の滞留時間がそれを通
る全ての流体要素について同じであるということであ
る。プラグフロー反応器はときどきスラグフロー反応
器、ピストンフロー反応器、理想管状反応器または非混
合フロー反応器としても既知であることに注意すべきで
ある。
【0039】不整に、錫でカップリングされたゴム状ポ
リマーのポリマーセメントはもちろん、連続的にプラグ
フロー反応器から回収される。次に、重合停止剤及び抗
酸化剤が典型的にポリマーセメントに加えられる。第3
キレート化アルキル1,2−エチレンジアミンが所望に
よりポリマーセメントに加えられて、不整に、錫でカッ
プリングされたゴム状ポリマーをさらに安定化する。使
用できる第2キレート化アミンは通常、構造式
【0040】
【化1】
【0041】(nは1〜約6の整数を示し、Aは1〜約
6の炭素原子を含むアルキレン基を示し、そしてR1
2、R3及びR4は同じかまたは異なり、そして1〜6
の炭素原子を含むアルキル基を示す)のキレート化アル
キルジアミンである。アルキレン基Aは式
【0042】
【化2】
【0043】(式中、mは1〜約6の整数である)であ
る。アルキレン基は典型的には1〜4の炭素原子を含み
(mは1〜4)、そして好ましくは2の炭素原子を有す
る。ほとんどの場合、nは1〜約3の整数であり、nが
1であるのが好ましい。R1、R2、R3及びR4が1〜3
の炭素原子を含むアルキル基を示すのが好ましい。ほと
んどの場合、R1、R2、R3及びR4はメチル基を示す。
【0044】カップリング反応の完結後に残る全ての残
存錫カップリング剤を錯化するために十分な量のキレー
ト化アミンが加えられるべきである。ほとんどの場合、
約0.01phr(乾燥ゴム100重量部あたりの部
数)〜約2phrのキレート用アルキル1,2−エチレ
ンジアミンがポリマーセメントに加えられてゴム状ポリ
マーを安定化する。典型的には、約0.05phr〜約
1phrのキレート用アルキル1,2−エチレンジアミ
ンが加えられる。さらに典型的には、約0.1phr〜
約0.6phrのキレート化アルキル1,2−エチレン
ジアミンがポリマーに加えられて、ゴム状ポリマーを安
定化する。
【0045】不整の、錫でカップリングされたゴム状ポ
リマーは有機溶媒から慣用の技術を使用して回収でき
る。例えば、不整に、錫でカップリングされたゴム状ポ
リマーは有機溶媒及び残部から、デカンテーション、濾
過、遠心分離等によって回収できる。不整に、錫でカッ
プリングされたゴム状ポリマーを有機溶媒から約1〜約
4の炭素原子を含む低級アルコールのポリマー溶液への
添加によって沈殿させるのがしばしば望ましい。ポリマ
ーセメントからのゴムの沈殿のために適切な低級アルコ
ールは、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコ
ール、n−プロピルアルコール、及び第3ブチルアルコ
ールを含む。不整に、錫でカップリングされたゴム状ポ
リマーをポリマーセメントから沈殿させるための低級ア
ルコールの利用は、全ての残存リビングポリマーをリチ
ウム端部を不活性化することによって「殺す」。不整
に、錫でカップリングされたゴム状ポリマーを溶液から
回収した後、不整に、錫でカップリングされたゴム状ポ
リマー内の揮発性有機化合物のレベルを減じるために水
蒸気ストリッピングが使用できる。
【0046】本発明の不整に、錫でカップリングされた
ゴム状ポリマーは共有結合した少なくとも3つのポリジ
エンアームを有する錫原子を含む。錫原子に結合した少
なくとも1つのポリジエンアームは約40000未満の
数平均分子量を有し、錫原子に結合した少なくとも1つ
のポリジエンアームは少なくとも約80000の数平均
分子量を有する。また不整に、錫でカップリングされた
ゴム状ポリマー重量平均分子量の数平均分子量に対する
比は約2〜約2.5の範囲内である。
【0047】本発明の、不整に、錫でカップリングされ
たゴム状ポリマーは構造式
【0048】
【化3】
【0049】(式中R1、R2、R3及びR4は同じかまた
は異なり、そしてアルキル基及びポリジエンアーム(ポ
リジエンゴム鎖)より成る群から選択されるが、R1
2、R 3及びR4より成る群から選択される少なくとも
3つの員子はポリジエンアームであることを条件とし、
そしてR1、R2、R3及びR4より成る群から選択される
少なくとも1つの員子は約40000未満の数平均分子
量を有する低分子量ポリジエンアームであることを条件
とし、R1、R2、R3及びR4より成る群から選択される
少なくとも1つの員子は約80000より大きい数平均
分子量を有する高分子量ポリジエンアームであることを
条件とし、そして不整に、錫でカップリングされたゴム
状ポリマーの重量平均分子量の数平均分子量に対する比
は約2〜約2.5の範囲内であることを条件とする)の
ものである。R1、R2、R3及びR4は、ハロゲン化錫が
重合開始剤として使用されるアルキルリチウム化合物と
直接反応することが可能であるので、アルキル基であり
得ることに注意すべきである。
【0050】ほとんどの場合、4つのポリジエンアーム
は不整に、錫でカップリングされたゴム状ポリマー内の
錫原子に供給結合する。そのような場合、R1、R2、R
3及びR4は、全てポリジエンアームである。不整に、錫
でカップリングされたゴム状ポリマーはしばしば中程度
の分子量のポリジエンアーム、並びに低分子量アーム及
び高分子量アームを含む。そのような中程度の分子量の
アームは約45000〜75000の範囲内の分子量を
有する。低分子量ポリジエンアームが約30000未満
の分子量を有するのが好ましく、約25000未満の分
子量を有することが最も好ましい。高分子量ポリジエン
アームが約90000より大きい分子量を有することが
通常好ましく、高分子量アームが約100000より大
きい分子量を有することが最も好ましい。
【0051】錫でカップリングされたIBRによる、線
状IBRと比較した利点は以下の実施例によって示され
る。これらの利点は、 (1)加工性、特に押出適性/押出物の品質における改
善 (2)錫でカップリングされたIBRでのカーボンブラ
ックの改善された分散によるトレッド耐磨耗性の改善及
び転がり抵抗の減少 を含む。良好なカーボンブラックの分散は炭素粒子が加
硫物内のカーボンブラックのネットワークを形成するの
を防ぎ、カーボンブラックの凝集から生じるヒステリシ
スを減じる。このことはパイン(Payne)効果とし
て既知である。パイン効果が高い程、カーボンブラック
の分散が良好である。パイン効果は次のように測定でき
る。
【0052】
【数1】
【0053】本発明は次の実施例によって示され、これ
らは単に例示の目的であって、本発明の範囲を限定する
ものともそれが実施できる方法であるとみなされるべき
ではない。
【0054】
【実施例】比較実施例1 本比較実施例において、カップリングされたイソプレン
−ブタジエンゴム(IBR)を、1ガロン(3.8リッ
トル)バッチの反応器内で70℃で製造した。使用した
手順において、イソプレンと1,3−ブタジエンのヘキ
サン中の10:90の比率の混合物19.0重量%を含
む2000gのシリカ/分子篩/アルミニウム乾燥プレ
ミックスを1ガロン(3.8リットル)の反応器内に装
填した。プレミックス中の不純物の量を決定した後、
4.0mLのn−ブチルリチウムのヘキサン中の1.0
M溶液を反応器に加えた。目標Mn(数平均分子量)は
100000であった。重合を70℃で3時間進行させ
た。残存モノマーの分析は、モノマーが全て消費された
ことを示した。次に、4塩化錫のヘキサン中の1M溶液
1.0mLを反応器に加え、そしてカップリング反応を
同じ温度で30分実施した。このとき、1.5phr
(ゴム100重量部あたりの部数)の4−t−ブチルカ
テコール及び0.5phrのTMEDAを反応器に加え
て、重合を停止し、そしてポリマーを安定化した。
【0055】ヘキサン溶媒を蒸発させた後、得られたS
IBRを真空オーブン内で50℃で乾燥した。カップリ
ングされたIBRは−95℃のガラス転移温度(Tg)
を有すると決定された。これはさらに、7%の1,2−
ポリブタジエン単位、87%の1,4−ポリブタジエン
単位、1%の3,4−ポリイソプレン単位及び9%の
1,4−ポリイソプレン単位を含む微細構造を有すると
決定された。製造した、カップリングされたIBRのム
ーニー粘度(ML−4)は99であると決定された。比較実施例2〜4 イソプレンの1,3−ブタジエンに対する比を10:9
0から15:85、20:80及び30:70に変更し
たことを除き、比較実施例1に記述した手順をこれらの
比較実施例において利用した。これらの錫でカップリン
グしたIBRのガラス転移温度、ムーニー粘度(ML−
4)及び微細構造を表1に列挙した。30/70のIB
R(比較実施例4)は、386000のMn(数平均分
子量)及び430000のMw(重量平均分子量)を有
すると決定された。また、比較実施例4の前駆物質(す
なわちカップリング前のベースポリマー)は99000
のMn及び112000のMwを有すると決定された。
【0056】
【表1】
【0057】比較実施例5〜8 これらの比較実施例において、線状のIBRを1ガロン
の反応器内で製造した。カップリング剤(4塩化錫)を
これらの試験で用いなかったこと及び目標Mnが300
000から100000へ変更されたことを除き、実施
例1に記述した手順を利用した。イソプレンの1,3−
ブタジエンに対する比は、10:90、15:85、2
0:80及び30:70であった。これらの線状IBR
のガラス転移温度、ムーニー粘度(ML−4)、Mn
(数平均分子量)、Mw(重量平均分子量)及び微細構
造を表2に列挙した。
【0058】
【表2】
【0059】比較実施例9 この試験において製造した錫でカップリングされたIB
Rは、3つの反応器(各10ガロン)の連続系において
90℃で合成された。ヘキサン中のイソプレン及び1,
3−ブタジエンを含む混合物を第1反応器に連続的に6
5.6g/分の速度で装填した。このプレミックスモノ
マー溶液は、30:70の比のイソプレン対1,3ブタ
ジエンを含み、そして14%の全モノマー濃度を有し
た。0.128Mのn−ブチルリチウム溶液を第1反応
器に0.4g/分の速度で加えることによって重合を開
始した。モノマーのほとんどは第2反応器の終わりに用
い尽くされ、そして得られたリビング端部を含む重合媒
質を連続的に第3反応器に押し込み、ここではカップリ
ング剤、4塩化錫(ヘキサン中の0.025M溶液)が
0.34g/分の速度で加えられた。全ての3つの反応
器についての滞留時間は、第2反応器内での完全なモノ
マー転化及び第3反応器内での完全なカップリングを達
成するために1.5時間に設定された。重合媒質を次に
連続的に、TMEDA及び抗酸化剤を含む保持タンクに
連続的に押し上げた。生じたポリマーセメントを次に水
蒸気ストリッピング処理し、そして回収したIBRを6
0℃でオーブン内で乾燥した。ポリマーは−85℃のガ
ラス転移温度を有し、そして90のムーニーML−4粘
度を有すると決定された。これはさらに、8%の1,2
−ポリブタジエン単位、60%の1,4−ポリブタジエ
ン単位、29%の1,4−ポリイソプレン単位及び3%
の3,4−ポリイソプレン単位を含む微細構造を有する
と決定された。このポリマーは185000のMn(数
平均分子量)及び276000のMw(重量平均分子
量)を有すると決定された。また、このポリマーの前駆
物質(すなわちカップリング前のベースポリマー)は8
8000のMn及び151000のMwを有すると決定
された。
【0060】4つの線状前駆ポリマーの対称カップリン
グを示す比較実施例4(一つのバッチで製造カップリン
グされた)と異なり、連続法によって製造されたこの実
施例のポリマーは、上に示したGPC分子データに基づ
く不整カップリングを有した。比較実施例10〜12 比較実施例4、8及び9において製造したイソプレン−
ブタジエンゴムを次に、標準のタイヤトレッド試験配合
を利用して配合した。タイヤトレッド試験配合を、試験
するゴム100部を、50部のカーボンブラック、5部
の加工油、2部のステアリン酸、3部の酸化亜鉛、1部
のミクロクリスタリンワックス、0.5部のパラフィン
ワックス、1部の混合アリール−p−フェニレンジアミ
ン抗酸化剤、2部のN−(1,3−ジメチルブチル)−
N’−フェニル−p−フェニレンジエン及び1.4部の
硫黄と混合することによって調製した。配合されたタイ
ヤトレッド配合物の物理的特性を表3に報告する。
【0061】
【表3】
【0062】実施例10〜11及び比較実施例12〜1
この一連の試験において、リビングイソプレン−ブタジ
エンゴムセメントを、第1反応器内で連続的に合成し
た。予備混合モノマー溶液は30:70のイソプレン対
1,3−ブタジエン比を有し、そして14%の全モノマ
ー濃度を有した。重合をn−ブチルリチウムの連続添加
によって開始し、そして約90℃で実行した。
【0063】リビングポリマーセメント及び4塩化錫を
連続的に第2反応器に供給した。第2反応器は攪拌を与
え、そして約1時間の平均滞留時間を有した。第2反応
器内で製造された、不整に錫でカップリングされたゴム
状ポリマーを直接回収し、重合停止剤、抗酸化剤及び2
0%モル過剰のTMADA(ブチルリチウム1モルあた
り1.2モルのTMEDA)をそれに加えた。いくつか
の場合、不整に錫でカップリングされたゴム状ポリマー
のポリマーセメントを、重合停止剤、抗酸化剤及びTM
EDAを加える前に、約30分の滞留時間を有するプラ
グフロー反応器(PFR)を通過させた。ポリマー試料
を次にポリマーセメントから回収し、そして安定性を決
定するために評価した。
【0064】表4は、150°F(66℃)のオーブン
内で種々の時間老化させた後に経験されたムーニーML
(1+4)粘度における損失を示す。これらの試験のそ
れぞれにおいて使用した、4塩化錫のブチルリチウムに
対するモル比を表4に報告する。追加の対称として、カ
ップリングされていない線状のイソプレン−ブタジエン
ゴムも評価した。
【0065】
【表4】
【0066】表4からわかるように、ライン中のプラグ
フロー反応器で製造された不整に錫でカップリングされ
たポリマーは、それを使用せずに製造したゴム状試料よ
りもはるかに良好な安定性を有した。例えば、ライン内
のPFRで製造したゴム試料は、150°F(66℃)
22日後で、PFRを使用せずに製造したゴムについて
の14.1及び12.2の損失に比較してわずかに3.
8及び3.6のムーニーML(1+4)粘度の損失を示
したに過ぎない。ライン中のPFRで製造したゴムが、
錫でカップリングされていない線状対称よりも良好な安
定性を示すことにも注意すべきである(比較実施例12
参照)。実施例11の錫でカップリングされたゴム試料
の製造の際にTMEDAが加えられなかったことにも注
意すべきである。
【0067】この一連の試験は、第2反応器後で重合停
止剤が添加される前の連続ラインへのPFRの挿入が、
製造されたゴムの安定性を大きく改善することを示す。
またライン中にPFRを含めることは、満足な安定性を
達成するために、TMEDAのような第3キレート化
1,2−エチレンジアミンの添加の必要性をなくすこと
を示す。
【0068】本発明における変更が、ここに与えれた記
述に沿って可能である。ある代表的な態様と詳細を本発
明を例示するために示してきたが、本技術における当業
者には、本発明の範囲から逸脱することなくそのなかで
種々の変負う及び修正がなされ得ることは明らかであ
る。従って、特許請求の範囲によって定義される発明の
意図される全範囲内である、特別の態様内で変更がなさ
れ得ることが理解されるべきである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 590002976 1144 East Market Stre et,Akron,Ohio 44316− 0001,U.S.A. (72)発明者 エドワード・リー・ジョンソン アメリカ合衆国オハイオ州44333,アクロ ン,イラ・ロード 3083

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 改善された安定性を有する、不整の、錫
    でカップリングされたゴム状ポリマーの製造方法であっ
    て、(1)第1反応器内で、少なくとも1種のジエンモ
    ノマーを少なくとも約90%の転化率へアニオン性開始
    剤を利用して連続的に重合して、リビングポリジエンゴ
    ム鎖を含むポリマーセメントを生成させること;(2)
    第1反応器内で製造されたポリマーセメントを連続的に
    第2反応器内に供給すること;(3)ハロゲン化錫を第
    2反応器内のポリマーセメントに攪拌条件下で供給し、
    内部に均質に分散したハロゲン化錫を有するポリマーセ
    メントを生成させること、ここで第2反応器内の滞留時
    間が約15分〜約4時間の範囲内であり;(4)内部に
    均質に分散したハロゲン化錫を有するポリマーセメント
    を約15分〜約1時間の滞留時間を有するプラグフロー
    反応器内に連続的に供給して、不整に錫でカップリング
    されたゴム状ポリマーのポリマーセメントを生成させる
    こと;並びに(5)プラグフロー反応器から不整に錫で
    カップリングされたゴム状ポリマーのポリマーセメント
    を連続的に回収することを含む、前記の方法。
  2. 【請求項2】 不整に錫でカップリングされたゴム状ポ
    リマーのポリマーセメントに、それがプラグフロー反応
    器から回収された後に、重合停止剤及び抗酸化剤が連続
    的に加えられ;ここで前記の不整に錫でカップリングさ
    れたゴム状ポリマーが約2〜約2.5の範囲内の多分散
    性を有し;そしてリビングポリジエンゴム鎖のいくつか
    が約40000未満の数平均分子量を有する低分子量ポ
    リジエンゴム鎖であり、そしてリビングポリジエンゴム
    鎖のいくつかが約80000より大きい数平均分子量を
    有する高分子量ポリジエンゴム鎖である、請求項1に記
    載の方法。
  3. 【請求項3】 アニオン性開始剤、モノマー及び有機溶
    媒が連続的に第1反応器内に供給され;アニオン性開始
    剤が有機リチウム化合物であり;ハロゲン化錫が4ハロ
    ゲン化錫であり;前記方法が約30℃〜約125℃の範
    囲内の温度で実施され;第2反応器内の滞留時間が約3
    0分〜約2時間の範囲内であり;そしてプラグフロー反
    応器における滞留時間が約20分〜45分の範囲内であ
    る、請求項2に記載の方法。
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