JPH11255742A - 光学活性ヒドロキシラクタム化合物の製造方法 - Google Patents
光学活性ヒドロキシラクタム化合物の製造方法Info
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- JPH11255742A JPH11255742A JP6330098A JP6330098A JPH11255742A JP H11255742 A JPH11255742 A JP H11255742A JP 6330098 A JP6330098 A JP 6330098A JP 6330098 A JP6330098 A JP 6330098A JP H11255742 A JPH11255742 A JP H11255742A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 光学活性ヒドロキシラクタム化合物の製造方
法を提供すること。 【解決手段】 一般式(1) (式中R1,R2はアセトキシ、一緒になってブチリレ
ン、1,4-オキサ-ブチリレンを示し、Bzはアルキ
ル、アルコキシ、ハロゲンで置換されていてもよいベン
ジルを示す。)で示されるメソイミド化合物を一般式
(2) (式中、R5、R6およびR7は、水素、アルキル、フェ
ニル、よいベンジルを示す。R8、R9は、水素、アルキ
ル、アルコキシを示す。)で示される光学活性アミノア
ルコール類とボラン類から得られる光学活性アミノアル
コールボラン錯体で不斉還元する一般式(3) で示される光学活性ヒドロキシラクタム化合物の製造方
法。
法を提供すること。 【解決手段】 一般式(1) (式中R1,R2はアセトキシ、一緒になってブチリレ
ン、1,4-オキサ-ブチリレンを示し、Bzはアルキ
ル、アルコキシ、ハロゲンで置換されていてもよいベン
ジルを示す。)で示されるメソイミド化合物を一般式
(2) (式中、R5、R6およびR7は、水素、アルキル、フェ
ニル、よいベンジルを示す。R8、R9は、水素、アルキ
ル、アルコキシを示す。)で示される光学活性アミノア
ルコール類とボラン類から得られる光学活性アミノアル
コールボラン錯体で不斉還元する一般式(3) で示される光学活性ヒドロキシラクタム化合物の製造方
法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学活性ヒドロキ
シラクタム化合物の製造方法に関する。
シラクタム化合物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】医薬
品の分野において、有用な中間体となる化合物を効率よ
く、且つ、立体規則性を保持した製造方法が望まれてい
た。
品の分野において、有用な中間体となる化合物を効率よ
く、且つ、立体規則性を保持した製造方法が望まれてい
た。
【0003】
【課題を解決するための手段】このような状況下に本発
明者らは 医薬品の分野において、有用な中間体となる
化合物の製造方法を見いだすべく鋭意検討を重ねた結
果、入手容易な不斉源であるL−トレオニンを原料とし
て得られる不斉触媒を用いた、メソイミド化合物の立体
選択的還元により、有用な医薬中間体となりうる光学活
性ヒドロキシラクタム化合物の有利な製造方法を見出
し、本発明を完成した。
明者らは 医薬品の分野において、有用な中間体となる
化合物の製造方法を見いだすべく鋭意検討を重ねた結
果、入手容易な不斉源であるL−トレオニンを原料とし
て得られる不斉触媒を用いた、メソイミド化合物の立体
選択的還元により、有用な医薬中間体となりうる光学活
性ヒドロキシラクタム化合物の有利な製造方法を見出
し、本発明を完成した。
【0004】すなわち本発明は、一般式(1) (式中R1,R2はアセトキシ基、もしくは、R1とR2は
一緒になってブチリレンまたは1,4-オキサ-ブチリレ
ンを示し、Bzは低級アルキル基、低級アルコキシ基も
しくはハロゲン原子で置換されていてもよいベンジル基
を示す。)で示されるメソイミド化合物を一般式(2) (式中、R5、R6およびR7は、それぞれ独立に、水素
原子、低級アルキル基、低級アルキルで置換されていて
もよいフェニル基または低級アルキルで置換されていて
もよいベンジル基を示すが、同時にすべて水素原子であ
ることはない。R 8、R9は、それぞれ独立に、水素原
子、低級アルキル基または低級アルコキシ基を示し、*
は不斉炭素を示す。)で示される光学活性アミノアルコ
ール類とボラン類から得られる光学活性アミノアルコー
ルボラン錯体で不斉還元することを特徴とする一般式
(3) (式中、R1、R2、Bzおよび*は前記と同じ意味を表
わし、R3は、水素原子または低級アルキル基を示
す。)で示される光学活性ヒドロキシラクタム化合物の
製造方法を提供するものである。
一緒になってブチリレンまたは1,4-オキサ-ブチリレ
ンを示し、Bzは低級アルキル基、低級アルコキシ基も
しくはハロゲン原子で置換されていてもよいベンジル基
を示す。)で示されるメソイミド化合物を一般式(2) (式中、R5、R6およびR7は、それぞれ独立に、水素
原子、低級アルキル基、低級アルキルで置換されていて
もよいフェニル基または低級アルキルで置換されていて
もよいベンジル基を示すが、同時にすべて水素原子であ
ることはない。R 8、R9は、それぞれ独立に、水素原
子、低級アルキル基または低級アルコキシ基を示し、*
は不斉炭素を示す。)で示される光学活性アミノアルコ
ール類とボラン類から得られる光学活性アミノアルコー
ルボラン錯体で不斉還元することを特徴とする一般式
(3) (式中、R1、R2、Bzおよび*は前記と同じ意味を表
わし、R3は、水素原子または低級アルキル基を示
す。)で示される光学活性ヒドロキシラクタム化合物の
製造方法を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明において、原料として用いられる不斉源は
入手容易なL−トレオニンを原料として容易に合成する
ことができる。M.Shimizu,M.Kamei,T.Fujisawa,Tetrahe
dronLett.,36,8607(1995);M.Shimizu,K.Tukamoto,T.Fuj
isawa,TetrahedronLett.,38,5193(1997).]。
する。本発明において、原料として用いられる不斉源は
入手容易なL−トレオニンを原料として容易に合成する
ことができる。M.Shimizu,M.Kamei,T.Fujisawa,Tetrahe
dronLett.,36,8607(1995);M.Shimizu,K.Tukamoto,T.Fuj
isawa,TetrahedronLett.,38,5193(1997).]。
【0006】本発明で原料として用いるメソイミド化合
物(1)は、還元生成物である光学活性ヒドロキシラク
タム化合物(3)に対応するものであり、その代表化合
物としては、例えば、cis-2-ベンジル-オクタヒドロイ
ソインドール-1,3-ジオン、 cis-1-ベンジル-3,4-ジア
セトキシピロリジン-2,5-ジオン、 cis-4-ベンジル-10-
オキサ-4-アザトリシクロ[5.2.1.0]デカン-3,5-ジオ
ン、 cis-2-ベンジル-テトラヒドロシクロペンタ[C]ピ
ロール-1,3-ジオン、 cis-3-ベンジル-3-アザビシクロ
[3.2.0]ヘプタン-1,3-ジオン、 cis-3-ベンジル-3-アザ
ビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2,4-ジオン、 cis-3-ベンジ
ル-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-2,4-ジオン、等が
挙げられる。かかるメソイミド化合物(1)は、公知の
方法[R.Romagzoli,E.C.Roos,H.Hiemstra,M.J.Moolenar,
W.N.Speckamp,B.Kaptein,andH.E.Schoemaker,Tetrahedr
onLett.,35,1087(1994)]で製造し得る。
物(1)は、還元生成物である光学活性ヒドロキシラク
タム化合物(3)に対応するものであり、その代表化合
物としては、例えば、cis-2-ベンジル-オクタヒドロイ
ソインドール-1,3-ジオン、 cis-1-ベンジル-3,4-ジア
セトキシピロリジン-2,5-ジオン、 cis-4-ベンジル-10-
オキサ-4-アザトリシクロ[5.2.1.0]デカン-3,5-ジオ
ン、 cis-2-ベンジル-テトラヒドロシクロペンタ[C]ピ
ロール-1,3-ジオン、 cis-3-ベンジル-3-アザビシクロ
[3.2.0]ヘプタン-1,3-ジオン、 cis-3-ベンジル-3-アザ
ビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2,4-ジオン、 cis-3-ベンジ
ル-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-2,4-ジオン、等が
挙げられる。かかるメソイミド化合物(1)は、公知の
方法[R.Romagzoli,E.C.Roos,H.Hiemstra,M.J.Moolenar,
W.N.Speckamp,B.Kaptein,andH.E.Schoemaker,Tetrahedr
onLett.,35,1087(1994)]で製造し得る。
【0007】本発明においては、メソイミド化合物
(1)を不斉還元するにあたり、光学活性アミノアルコ
ール類(2)から得られる光学活性アミノアルコールボ
ラン錯体が用いられる。かかる光学活性アミノアルコー
ル類(2)における置換基R5、R6、R7としては、そ
れぞれ例えば水素原子、メチル、エチル、プロピル、ブ
チル等の低級アルキル基、メチル、エチル、プロピル、
ブチル等の低級アルキルで置換されていてもよいフェニ
ル基;メチル、エチル、プロピル、ブチル等の低級アル
キルで置換されていてもよいベンジル基等が挙げられ、
同時にすべて水素原子であることはない。置換基R8、
R9としては、それぞれ例えば水素原子、メチル、エチ
ル、プロピル、ブチル等の低級アルキル基、メトキシ、
エトキシ、プロポキシ、ブトキシ等の低級アルコキシ基
等が挙げられる。
(1)を不斉還元するにあたり、光学活性アミノアルコ
ール類(2)から得られる光学活性アミノアルコールボ
ラン錯体が用いられる。かかる光学活性アミノアルコー
ル類(2)における置換基R5、R6、R7としては、そ
れぞれ例えば水素原子、メチル、エチル、プロピル、ブ
チル等の低級アルキル基、メチル、エチル、プロピル、
ブチル等の低級アルキルで置換されていてもよいフェニ
ル基;メチル、エチル、プロピル、ブチル等の低級アル
キルで置換されていてもよいベンジル基等が挙げられ、
同時にすべて水素原子であることはない。置換基R8、
R9としては、それぞれ例えば水素原子、メチル、エチ
ル、プロピル、ブチル等の低級アルキル基、メトキシ、
エトキシ、プロポキシ、ブトキシ等の低級アルコキシ基
等が挙げられる。
【0008】光学活性アミノアルコール類(2)の代表
化合物としては、例えば光学活性な2-アミノ-3- トリメ
チルシロキシ-1,1- ジフェニルブタノ−ル、2-アミノ-3
-(t- ブチルジメチルシロキシ)-1,1-ジフェニルブタノ
−ル、2-アミノ-3-(t- ブチルジエチルシロキシ)-1,1-
ジフェニルブタノ−ル、2-アミノ-3-(t- ブチルジ-i-
プロピルシロキシ)-1,1-ジフェニルブタノ−ル、2-ア
ミノ-3-(t- ブチルジフェニルシロキシ)-1,1-ジフェニ
ルブタノ−ル、2-アミノ-3- トリメチルシロキシ-1,1-
ジトリルブタノ−ル、2-アミノ-3-(t- ブチルジメチル
シロキシ)-1,1- ビス(メトキシフェニル) ブタノ−ル
等が挙げられる。
化合物としては、例えば光学活性な2-アミノ-3- トリメ
チルシロキシ-1,1- ジフェニルブタノ−ル、2-アミノ-3
-(t- ブチルジメチルシロキシ)-1,1-ジフェニルブタノ
−ル、2-アミノ-3-(t- ブチルジエチルシロキシ)-1,1-
ジフェニルブタノ−ル、2-アミノ-3-(t- ブチルジ-i-
プロピルシロキシ)-1,1-ジフェニルブタノ−ル、2-ア
ミノ-3-(t- ブチルジフェニルシロキシ)-1,1-ジフェニ
ルブタノ−ル、2-アミノ-3- トリメチルシロキシ-1,1-
ジトリルブタノ−ル、2-アミノ-3-(t- ブチルジメチル
シロキシ)-1,1- ビス(メトキシフェニル) ブタノ−ル
等が挙げられる。
【0009】これらの光学活性アミノアルコール類
(2)は、光学活性トレオニンを出発原料として容易に
製造することができる。[M.Shimizu,M.Kamei,T.Fujisaw
a,TetrahedronLett.,36,8607(1995)]。例えば、光学活
性トレオニンにベンジルオキシカルボニルハライドを作
用させて、アミノ基を保護した後、ジアゾメタンを作用
させてカルボン酸をエステル化し、次いでt-ブチルシリ
ルハライド類を作用させてヒドロキシ基にt-ブチルシリ
ル基を導入し、次いでフェニルマグネシウムハライドを
作用させてエステル基をジフェニル化し、しかる後にア
ミノ基の脱保護することにより、良好な収率で光学活性
アミノアルコール類(2)を製造することができる。
(2)は、光学活性トレオニンを出発原料として容易に
製造することができる。[M.Shimizu,M.Kamei,T.Fujisaw
a,TetrahedronLett.,36,8607(1995)]。例えば、光学活
性トレオニンにベンジルオキシカルボニルハライドを作
用させて、アミノ基を保護した後、ジアゾメタンを作用
させてカルボン酸をエステル化し、次いでt-ブチルシリ
ルハライド類を作用させてヒドロキシ基にt-ブチルシリ
ル基を導入し、次いでフェニルマグネシウムハライドを
作用させてエステル基をジフェニル化し、しかる後にア
ミノ基の脱保護することにより、良好な収率で光学活性
アミノアルコール類(2)を製造することができる。
【0010】また本発明における光学活性アミノアルコ
ールボラン錯体を得るために用いられるボラン類として
は、例えばジボラン、テトラボラン、ヘキサボラン、テ
トラヒドロフランボラン錯体、ジメチルスルフィドボラ
ン錯体、ジオキサンボラン錯体、チオキサンボラン錯体
等が挙げられる。該ボラン類は、光学活性アミノアルコ
ール類(2)に対しては、メソイミド化合物(1)に対
する光学活性アミノアルコール類(2)の使用量にもよ
るが、ホウ素換算で通常1 〜20モル倍程度、好ましくは
2 〜15 モル倍程度である。
ールボラン錯体を得るために用いられるボラン類として
は、例えばジボラン、テトラボラン、ヘキサボラン、テ
トラヒドロフランボラン錯体、ジメチルスルフィドボラ
ン錯体、ジオキサンボラン錯体、チオキサンボラン錯体
等が挙げられる。該ボラン類は、光学活性アミノアルコ
ール類(2)に対しては、メソイミド化合物(1)に対
する光学活性アミノアルコール類(2)の使用量にもよ
るが、ホウ素換算で通常1 〜20モル倍程度、好ましくは
2 〜15 モル倍程度である。
【0011】光学活性アミノアルコール類(2)とボラ
ン類から光学活性アミノアルコールボラン錯体を得るに
あたっては、通常、溶媒が用いられる。かかる溶媒とし
ては,例えばテトラヒドロフラン、1,3-ジオキサン、1,
4-ジオキサン、1,3-ジオキソラン、チオキサン、エチレ
ングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコール
ジメチルエーテル、メチル-t- ブチルエーテル等のエー
テル類、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼ
ン等の芳香族類、1,2-メトキシエタン、ヘキサン、ヘプ
タン、シクロヘキサン等の炭化水素類、メチレンクロリ
ド、エチレンクロリド、四塩化炭素等のハロゲン化炭化
水素類、これらの混合物などが挙げられる。溶媒は、光
学活性アミノアルコール類(2)に対して、通常0.5 〜
20重量倍程度使用される。
ン類から光学活性アミノアルコールボラン錯体を得るに
あたっては、通常、溶媒が用いられる。かかる溶媒とし
ては,例えばテトラヒドロフラン、1,3-ジオキサン、1,
4-ジオキサン、1,3-ジオキソラン、チオキサン、エチレ
ングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコール
ジメチルエーテル、メチル-t- ブチルエーテル等のエー
テル類、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼ
ン等の芳香族類、1,2-メトキシエタン、ヘキサン、ヘプ
タン、シクロヘキサン等の炭化水素類、メチレンクロリ
ド、エチレンクロリド、四塩化炭素等のハロゲン化炭化
水素類、これらの混合物などが挙げられる。溶媒は、光
学活性アミノアルコール類(2)に対して、通常0.5 〜
20重量倍程度使用される。
【0012】光学活性アミノアルコールボラン錯体を得
る際の具体的な方法としては、例えば、溶媒及び光学活
性アミノアルコール類(2)の混合物にボラン類を加え
る方法等を挙げることができる。この際、反応温度は通
常−20 〜100 ℃、好ましくは0 〜80℃である。かくし
て得られる光学活性アミノアルコールボラン錯体は、単
離して用いることもできるが、通常はそのまま用いられ
る。
る際の具体的な方法としては、例えば、溶媒及び光学活
性アミノアルコール類(2)の混合物にボラン類を加え
る方法等を挙げることができる。この際、反応温度は通
常−20 〜100 ℃、好ましくは0 〜80℃である。かくし
て得られる光学活性アミノアルコールボラン錯体は、単
離して用いることもできるが、通常はそのまま用いられ
る。
【0013】かかる光学活性アミノアルコールボラン錯
体を用いてメソイミド化合物(1)を不斉還元するにあ
たり、光学活性アミノアルコールボラン錯体は、メソイ
ミド化合物(1)に対し、光学活性アミノアルコール類
(2)換算で、通常0.01〜3モル程度、好ましくは0.05
〜2 モル程度使用される。
体を用いてメソイミド化合物(1)を不斉還元するにあ
たり、光学活性アミノアルコールボラン錯体は、メソイ
ミド化合物(1)に対し、光学活性アミノアルコール類
(2)換算で、通常0.01〜3モル程度、好ましくは0.05
〜2 モル程度使用される。
【0014】かかる不斉還元反応の際に用いる溶媒とし
ては、光学活性アミノアルコールボラン錯体を得る工程
で示したものと同様の溶媒が挙げられる。溶媒を使用す
る場合、その量はメソイミド化合物(1)に対して通常
0.5 〜30重量倍程度である。不斉還元反応の温度は、通
常-20 〜100 ℃、好ましくは0〜80℃である。また、該
不斉還元反応は、通常、アルゴン、窒素等の不活性気体
の存在下に実施される。
ては、光学活性アミノアルコールボラン錯体を得る工程
で示したものと同様の溶媒が挙げられる。溶媒を使用す
る場合、その量はメソイミド化合物(1)に対して通常
0.5 〜30重量倍程度である。不斉還元反応の温度は、通
常-20 〜100 ℃、好ましくは0〜80℃である。また、該
不斉還元反応は、通常、アルゴン、窒素等の不活性気体
の存在下に実施される。
【0015】かくして光学活性ヒドロキシラクタム化合
物(3)が生成するが、これを単離するにあたっては、
例えば、反応マスに塩酸等の鉱酸やリン酸緩衝液などの
水溶液を加えて光学活性アミノアルコールボラン錯体を
分解した後、水に難溶の有機溶媒を加えて粗生成物を抽
出し、次いで分液した有機相から溶媒を留去することに
より、容易に単離することができる。単離した光学活性
なヒドロキシラクタム化合物(3)は、必要に応じて再
結晶や各種クロマトグラフィー等の精製手段に付すこと
により更に精製することもできる。また、反応に供した
光学活性アミノアルコール類(2)は、上記の方法等に
より光学活性なヒドロキシラクタム化合物(3)を単離
した後の反応マスから分離、回収し、再利用することが
できる。
物(3)が生成するが、これを単離するにあたっては、
例えば、反応マスに塩酸等の鉱酸やリン酸緩衝液などの
水溶液を加えて光学活性アミノアルコールボラン錯体を
分解した後、水に難溶の有機溶媒を加えて粗生成物を抽
出し、次いで分液した有機相から溶媒を留去することに
より、容易に単離することができる。単離した光学活性
なヒドロキシラクタム化合物(3)は、必要に応じて再
結晶や各種クロマトグラフィー等の精製手段に付すこと
により更に精製することもできる。また、反応に供した
光学活性アミノアルコール類(2)は、上記の方法等に
より光学活性なヒドロキシラクタム化合物(3)を単離
した後の反応マスから分離、回収し、再利用することが
できる。
【0016】本発明において得られる光学活性なヒドロ
キシラクタム化合物(3)は、出発原料として用いたメ
ソイミド化合物(1)に対応するものであり、代表化合
物としては、例えば、 2-ベンジル-3-ヒドロキシ-オク
タヒドロイソインドール-1-オン、 1-ベンジル-3,4-ジ
アセトキシ-5-ヒドロキシピロリジン-2-オン、 4-ベン
ジル-5-ヒドロキシ-10-オキサ-4-アザトリシクロ[5.2.
1.0]デカン-3-オン、 2-ベンジル-3-ヒドロキシ-ヘキサ
ヒドロシクロペンタ[C]ピロール-1-オン、 3-ベンジル-
4-ヒドロキシ-3-アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン-2-オ
ン、 3-ベンジル-4-ヒドロキシ-3-アザビシクロ[3.1.0]
ヘキサン-2-オン、 3-ベンジル-4-ヒドロキシ-3-アザビ
シクロ[3.2.1]オクタン-2-オン等の光学活性体が挙げら
れる。
キシラクタム化合物(3)は、出発原料として用いたメ
ソイミド化合物(1)に対応するものであり、代表化合
物としては、例えば、 2-ベンジル-3-ヒドロキシ-オク
タヒドロイソインドール-1-オン、 1-ベンジル-3,4-ジ
アセトキシ-5-ヒドロキシピロリジン-2-オン、 4-ベン
ジル-5-ヒドロキシ-10-オキサ-4-アザトリシクロ[5.2.
1.0]デカン-3-オン、 2-ベンジル-3-ヒドロキシ-ヘキサ
ヒドロシクロペンタ[C]ピロール-1-オン、 3-ベンジル-
4-ヒドロキシ-3-アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン-2-オ
ン、 3-ベンジル-4-ヒドロキシ-3-アザビシクロ[3.1.0]
ヘキサン-2-オン、 3-ベンジル-4-ヒドロキシ-3-アザビ
シクロ[3.2.1]オクタン-2-オン等の光学活性体が挙げら
れる。
【0017】
【発明の効果】本発明によれば、3-位に置換シリルオキ
シ基を有する特定の光学活性アミノアルコール類とボラ
ン類から得られる光学活性アミノアルコールボラン錯体
で、対応するメソイミド化合物を不斉還元することによ
り、光学純度の高い光学活性なヒドロキシラクタム化合
物が、煩雑な操作もなく製造し得る。
シ基を有する特定の光学活性アミノアルコール類とボラ
ン類から得られる光学活性アミノアルコールボラン錯体
で、対応するメソイミド化合物を不斉還元することによ
り、光学純度の高い光学活性なヒドロキシラクタム化合
物が、煩雑な操作もなく製造し得る。
【0018】
【実施例】以下実施例を挙げて本発明をより詳細に説明
するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではな
い。
するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではな
い。
【0019】(実施例1)アルゴン雰囲気下(2S,3
R)−2−アミノ−3−(t-ブチルジメチルシロキシ)
−1,1−ジフェニルブタノール(47.5mg、1.
125mmol)のTHF(0.75ml)溶液にBH
3・THF(1.0Min THF、0.125ml、
0.125mmol)を加え、40℃で1時間攪拌し
た。混合溶液を0℃に冷却し、cis−1−ベンジル−
3,4−ジアセトキシピロリジン−2,5−ジオン(6
4.7mg、0.25mmol)のTHF(0.75m
l溶液を加え、さらに、 BH3・THF(1.0M in
THF、0.375ml、0.375mmol)を加
え、室温で16時間攪拌した。2N−HClを加え反応
を停止後、塩化メチレンで抽出した。抽出液を無水硫酸
ナトリウムで乾燥し、濃縮して粗生成物を101mg得
た。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩化メチレ
ン:アセトン=9:1)で精製し、白色結晶の(3S,
4R,5R)−および(3S,4R,5S)−1−ベン
ジル−3,4−ジアセトキシー5β−ヒドロキシピロリ
ジン−2−オン(27.3mg、収率42%)を得た。
R)−2−アミノ−3−(t-ブチルジメチルシロキシ)
−1,1−ジフェニルブタノール(47.5mg、1.
125mmol)のTHF(0.75ml)溶液にBH
3・THF(1.0Min THF、0.125ml、
0.125mmol)を加え、40℃で1時間攪拌し
た。混合溶液を0℃に冷却し、cis−1−ベンジル−
3,4−ジアセトキシピロリジン−2,5−ジオン(6
4.7mg、0.25mmol)のTHF(0.75m
l溶液を加え、さらに、 BH3・THF(1.0M in
THF、0.375ml、0.375mmol)を加
え、室温で16時間攪拌した。2N−HClを加え反応
を停止後、塩化メチレンで抽出した。抽出液を無水硫酸
ナトリウムで乾燥し、濃縮して粗生成物を101mg得
た。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩化メチレ
ン:アセトン=9:1)で精製し、白色結晶の(3S,
4R,5R)−および(3S,4R,5S)−1−ベン
ジル−3,4−ジアセトキシー5β−ヒドロキシピロリ
ジン−2−オン(27.3mg、収率42%)を得た。
【0020】(実施例2)アルゴン雰囲気下(3S,4
R,5R)−および(3S,4R,5S)−1−ベンジ
ル−3,4−ジアセトキシー5β−ヒドロキシピロリジ
ン−2−オン(27.3mg、0.105mmol)、
無水酢酸(0.048ml、0.52mmol)とDM
AP(2.0mg、0.016mmol)のピリジン
(0.5ml)溶液を加え、室温で41時間攪拌した。
混合溶液を減圧下濃縮し、得られた反応混合物に飽和塩
化アンモニウム水溶液を加え、塩化メチレンで抽出し
た。抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮して粗
生成物を33mgを得た。シリカゲルカラムクロマトグ
ラフィー(塩化メチレン:アセトン=9.5:0.5)
で精製し、無色液体の(3S,4R,5R)−1−ベン
ジル−3,4,5β−トリアセトキシピロリジン−2−
オン(19mg、収率66%)を得た。
R,5R)−および(3S,4R,5S)−1−ベンジ
ル−3,4−ジアセトキシー5β−ヒドロキシピロリジ
ン−2−オン(27.3mg、0.105mmol)、
無水酢酸(0.048ml、0.52mmol)とDM
AP(2.0mg、0.016mmol)のピリジン
(0.5ml)溶液を加え、室温で41時間攪拌した。
混合溶液を減圧下濃縮し、得られた反応混合物に飽和塩
化アンモニウム水溶液を加え、塩化メチレンで抽出し
た。抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮して粗
生成物を33mgを得た。シリカゲルカラムクロマトグ
ラフィー(塩化メチレン:アセトン=9.5:0.5)
で精製し、無色液体の(3S,4R,5R)−1−ベン
ジル−3,4,5β−トリアセトキシピロリジン−2−
オン(19mg、収率66%)を得た。
Claims (2)
- 【請求項1】一般式(1) (式中R1,R2はアセトキシ基、もしくは、R1とR2は
一緒になってブチリレンまたは1,4-オキサ-ブチリレ
ンを示し、Bzは低級アルキル基、低級アルコキシ基も
しくはハロゲン原子で置換されていてもよいベンジル基
を示す。)で示されるメソイミド化合物を一般式(2) (式中、R5、R6およびR7は、それぞれ独立に、水素
原子、低級アルキル基、低級アルキルで置換されていて
もよいフェニル基または低級アルキルで置換されていて
もよいベンジル基を示すが、同時にすべて水素原子であ
ることはない。R 8、R9は、それぞれ独立に、水素原
子、低級アルキル基または低級アルコキシ基を示し、*
は不斉炭素を示す。)で示される光学活性アミノアルコ
ール類とボラン類から得られる光学活性アミノアルコー
ルボラン錯体で不斉還元することを特徴とする一般式
(3) (式中、R1、R2、Bzおよび*は前記と同じ意味を表
わし、R3は、水素原子または低級アルキル基を示
す。)で示される光学活性ヒドロキシラクタム化合物の
製造方法。 - 【請求項2】ボラン錯体が、テトラヒドロフランボラン
錯体である請求項1記載の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6330098A JPH11255742A (ja) | 1998-03-13 | 1998-03-13 | 光学活性ヒドロキシラクタム化合物の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6330098A JPH11255742A (ja) | 1998-03-13 | 1998-03-13 | 光学活性ヒドロキシラクタム化合物の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11255742A true JPH11255742A (ja) | 1999-09-21 |
Family
ID=13225333
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6330098A Pending JPH11255742A (ja) | 1998-03-13 | 1998-03-13 | 光学活性ヒドロキシラクタム化合物の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11255742A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007126464A (ja) * | 2000-08-02 | 2007-05-24 | Univ Michigan State | ピロリジン類の製造方法及び中間体化合物 |
-
1998
- 1998-03-13 JP JP6330098A patent/JPH11255742A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007126464A (ja) * | 2000-08-02 | 2007-05-24 | Univ Michigan State | ピロリジン類の製造方法及び中間体化合物 |
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