JPH11255648A - 血管新生阻害剤 - Google Patents

血管新生阻害剤

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JPH11255648A
JPH11255648A JP11001628A JP162899A JPH11255648A JP H11255648 A JPH11255648 A JP H11255648A JP 11001628 A JP11001628 A JP 11001628A JP 162899 A JP162899 A JP 162899A JP H11255648 A JPH11255648 A JP H11255648A
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Shiro Mita
四郎 三田
Hidehito Matsuoka
秀仁 松岡
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Abstract

(57)【要約】 【課題】環状ジスルフィド誘導体について新たな薬理作
用を見いだす。 【解決手段】一般式[I] 【化1】 [R1 、R2 およびR3 はHまたはアルキル、mは0ま
たは1、nは1または2]の環状ジスルフィド誘導体の
血管新生に対する影響を検討したところ、鶏漿尿膜の血
管新生対し強い血管新生阻害作用を有すること、ラット
N−エチルカルバミドアデニン誘発網膜血管透過性亢進
モデルに対し強い血管透過性抑制作用を有すること、ま
た、ヒトGlioblastoma細胞からの血管内皮増殖因子の遊
離に対し強い抑制作用を有することを見出した。よっ
て、この環状ジスルフィド誘導体は、血管新生、血管透
過性または血管内皮増殖因子が関与する疾患、特に、糖
尿病性網膜症、黄斑変性症、網膜静脈閉塞症、網膜動脈
閉塞症等の網膜疾患、血管新生緑内障および血管腫等の
腫瘍の治療剤として有用であることが期待される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、環状ジスルフィド
誘導体を有効成分とする血管新生阻害剤、血管透過性抑
制剤または血管内皮増殖因子遊離抑制剤に関するもので
あって、網膜疾患等の眼疾患の治療に有用な薬物を提供
するものである。
【0002】
【従来の技術】血管の恒常性は内皮細胞の有する多様な
機能によって保たれている。血管内皮細胞は、1)血液
中の栄養物などの必要な成分を組織へ輸送する仲介を
し、必要以上に多量の成分が通過することを防ぐ作用、
2)血液を凝固させずに円滑に循環させる作用、3)血
管が離断したときに出血を阻止する作用、および4)血
管の緊張を一定に保つ調節作用を有している。
【0003】血管内皮細胞に産生されたプロテアーゼに
よる基底膜の分解、血管内皮細胞の遊走・増殖、血管内
皮細胞の管腔形成、基底膜の形成と周辺細胞の取り囲み
という段階で血管新生が生じる。血管新生は種々の疾
患、特に糖尿病性網膜症、黄斑変性症、網膜静脈閉塞症
や網膜動脈閉塞症等の網膜疾患、血管新生緑内障または
血管腫などの腫瘍と密接なつながりがある。血管新生は
さまざまな増殖因子やサイトカイン、アラキドン酸代謝
物、モノブチリンなどによって引き起こされると考えら
れている。これらの中でも増殖因子はもっとも重要な血
管新生因子と考えられている(医学のあゆみ,170, 536
-539 (1994) )。
【0004】血管新生を引き起こす増殖因子としては、
繊維芽細胞増殖因子、腫瘍増殖因子、血管内皮増殖因子
(以下「VEGF」と言う)などが知られている。その
中でもVEGFは受容体が血管内皮だけに存在してお
り、血管内皮に選択的に作用することが報告されている
(J. Clin. Invest., 89, 244-253 (1992))。
【0005】網膜血管の内皮細胞は、隣接する細胞と密
着に結合し、血管内の有害物質を網膜内に移行させない
血液網膜柵の構造を有している。しかし、糖尿病など高
血糖状態が持続すると、この血液網膜柵が破綻し、血液
成分が必要以上に血管外に漏出する。この現象を血管透
過性の亢進という。血管透過性が亢進すると網膜に浮
腫、出血、硬性白斑等が生じ、糖尿病性網膜症や黄斑変
性症などの病変が現れる(糖尿病血管合併症の診断と治
療(メディカルレビュー社),17-21(1997))。また、この
血管透過性はVEGFなどの因子により亢進されること
が報告されている(臨床眼科,52(8),1331-1336(199
8))。
【0006】したがって、血管新生や血管透過性そのも
のを阻害または抑制したり、VEGF等の血管新生を引
き起したり、血管透過性を亢進する因子を阻害または抑
制すれば、糖尿病性網膜症等の血管新生や血管透過性が
関与する疾患を治療するのに非常に有用であることが期
待できる。
【0007】一方、本発明の有効成分である環状ジスル
フィド誘導体(一般式[I] )は、特開平2−13827
1号公報に肝疾患治療または慢性関節リウマチなどの自
己免疫性疾患の治療剤として有用な化合物であることが
開示されている。また、特開平4−208271号公報
にはインターフェロン産生促進作用剤として開示されて
いる。しかしながら、これら公報には血管新生阻害効
果、血管透過性抑制効果、血管内皮増殖因子遊離抑制効
果または網膜症の治療効果に関する記載はない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】この医薬として有用な
環状ジスルフィド誘導体について、さらに新たな薬理作
用を見出すことは非常に興味のある課題である。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は環状ジスル
フィド誘導体の新たな薬理作用を見いだすために、血管
新生に対する環状ジスルフィド誘導体の作用、ラットN
−エチルカルバミドアデニン(以下、N−エチルカルバ
ミドアデニンを「NECA」と言う)誘発網膜血管透過
性亢進モデルに対する環状ジスルフィドの作用、および
ヒトGlioblastoma細胞からの血管内皮増殖因子遊離に対
する環状ジスルフィド誘導体の作用について検討を行っ
た。その結果、環状ジスルフィド誘導体が血管新生阻害
作用、血管透過性抑制作用および血管内皮増殖因子遊離
抑制作用を有しており、血管新生、血管透過性または血
管内皮増殖因子が関与する疾患、特に、糖尿病性網膜
症、黄斑変性症、網膜静脈閉塞症、網膜動脈閉塞症等の
網膜疾患、血管新生緑内障および血管腫等の腫瘍の治療
剤として有用であることを見出した。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明は下記一般式[I] で表わさ
れる化合物またはその塩類(以下、本化合物とする)を
有効成分とする血管新生阻害剤、血管透過性抑制剤、血
管内皮増殖因子遊離抑制剤または網膜疾患治療剤を提供
するものである。
【0011】
【化2】 [式中、R1 、R2 およびR3 は同一かまたは異なって
水素原子または低級アルキル基を示す。mは0または1
を示す。nは1または2を示す。]
【0012】上記で規定した基をさらに詳しく説明する
と、低級アルキル基とはメチル、エチル、プロピル、イ
ソプロピル、ヘキシル等の1〜6個の炭素原子を有する
直鎖または分枝のアルキル基を示す。
【0013】特に好ましい化合物の具体例として下記式
[II]で示される(4R)−ヘキサヒドロ−7,7−ジメ
チル−6−オキソ−1,2,5−ジチアゾシン−4−カ
ルボン酸またはその塩類が挙げられる。
【0014】
【化3】
【0015】上記の塩類とは、医薬として許容される塩
類であればよく、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、
カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ金属または
アルカリ土類金属との塩、アンモニウム塩、ジエチルア
ミン塩、トリエタノールアミン塩等の有機アミンとの塩
などが挙げられる。
【0016】本化合物には光学異性体が存在し、また場
合によってはジアステレオ異性体が存在するが、これら
を有効成分とするものも本発明に含まれる。また、本化
合物は溶媒和物、例えば水和物の形態をとっていてもよ
い。
【0017】一般式[I] で表わされる環状ジスルフィド
誘導体の有用性を調べるべく、本化合物の血管新生阻害
作用について検討を行った。詳細については後述の薬理
試験の項で示すが、本化合物は、in vivo(生体内)の
血管新生評価モデルである鶏漿尿膜の血管新生に対して
強い阻害作用を示すことを見出した。さらに、in vivo
のラットNECA誘発網膜血管透過性モデルに対して強
い血管透過性抑制作用を示すことも見出した。また、血
管新生や血管透過性が関与する疾患において血管内皮増
殖因子の遊離が観察されるが、この血管内皮増殖因子の
遊離を抑制することができれば血管内皮細胞増殖因子が
関与する疾患の有効な薬物となり得る。そこで本化合物
についての血管内皮増殖因子の遊離抑制作用についても
検討を行った結果、ヒト・グリオブラストーマ(Gliobl
astoma)細胞からの血管内皮増殖因子の遊離に対し強い
抑制作用を示すことを見出した。これらの結果より、本
化合物は、血管新生、血管透過性または血管内皮増殖因
子が関与する疾患、特に、糖尿病性網膜症、黄斑変性
症、網膜静脈閉塞症、網膜動脈閉塞症等の網膜疾患、血
管新生緑内障および血管腫等の腫瘍の治療剤として有用
であることが期待される。
【0018】本化合物の投与は経口でも非経口でも行う
ことができる。投与剤型としては、錠剤、カプセル剤、
散剤、顆粒剤、経皮吸収剤、注射剤、点眼剤、眼軟膏等
が挙げられ、汎用されている技術を用いて本化合物を製
剤化することができる。
【0019】本化合物の投与量は症状、年齢、剤型等に
よって適宜選択できるが、経口剤であれば通常1日当り
0.1〜5000mg、好ましくは1〜1000mgを
1回または数回に分けて投与すればよい。
【0020】以下に薬理試験の結果を示すが、これは本
発明をよりよく理解するためのものであり、本発明の範
囲を限定するものではない。
【0021】
【実施例】[1.受精卵胚漿尿膜法による血管新生阻害
効果]in vivo における血管新生評価モデルとして鶏漿
尿膜の血管新生に対する薬物の阻害効果を測定する受精
卵胚漿尿膜法がBiochem. Biophys. Res. Commun., 17 4,
1070-1076 (1991) に報告されている。そこで、上記文
献に記載された方法に準じて、環状ジスルフィド誘導体
の血管新生評価モデルに対する効果について検討を行っ
た。
【0022】(投与用ペレットの調製) 1)メチルセルロース4000cP(0.1g)を滅菌
精製水(10ml)に溶解し1%メチルセルロース液と
する。
【0023】2)被験化合物をエタノール/滅菌精製水
(1/1)で溶解し48μmol/mlの溶液を調製す
る。
【0024】3)48μmol/mlの溶液をエタノー
ル/滅菌精製水(1/1)で希釈し24μmol/m
l、12μmol/ml、6μmol/mlおよび3μ
mol/mlの被験化合物溶液を調製する。
【0025】4)各濃度の被験化合物溶液0.20ml
と1%メチルセルロース液0.20mlを混合する。
【0026】5)各濃度の被験化合物混合液10μlを
直径3mmのパラフィンフィルム上で約2時間風乾し、
被験化合物ペレットを得る。
【0027】(実験方法)受精後3日齢の孵化卵(ホワ
イトレグホン)入荷後、直ちに卵殻表面を70%エタノ
ールで洗浄・消毒した。これら孵化卵を空気相を上にし
て6穴の培養プレートに3個づつ立てた後、CO2 イン
キュベーター(37℃、湿度95%、CO2 濃度5%)
内に搬入した。20分放置した後、CO2 インキュベー
ターから孵化卵を取り出した。クリーンベンチ内で孵化
卵の空気相上部の卵殻に約1cm四方の穴をあけた。引
き続き殻膜を卵黄膜から注意深く剥離した。卵殻上の穴
に直径35mmの培養シャーレをかぶせた後、CO2
ンキュベーターに再搬入し1日間培養した。4日齢孵化
卵の胚漿尿膜上(既存血管の少ないところ)にパラフィ
ンフィルム上の被験化合物ペレットをその薬物面が胚漿
尿膜に接着するように投与した。これら孵化卵を再びC
2 インキュベーターに搬入し2日間培養した後、10
%イントラリピッド約2mlを胚漿尿膜内に注入し、実
体顕微鏡(×10)にてペレット周囲の血管形成を観察
した。血管新生が認められない場合を陽性とし、血管新
生阻害率を下記の式により算出した。
【0028】血管新生阻害率(%)=(陽性を示した孵
化卵数)/(試験に供した孵化卵数)×100
【0029】(結果)被験化合物として(4R)−ヘキ
サヒドロ−7,7−ジメチル−6−オキソ−1,2,5
−ジチアゾシン−4−カルボン酸を用いた実験結果を表
1に示す。
【0030】
【表1】
【0031】表1に示したように、本化合物は低投与量
であっても血管新生を顕著に阻害した。
【0032】[2.ラットNECA誘発網膜血管透過性
亢進モデルによる血管透過性抑制効果]in vivoにおける
血管透過性抑制効果を確認するため、まず、Arch.Ophth
almol.,107,1364-1367(1989)に準じ、ラットNECA誘
発網膜血管透過性亢進モデル(以下「モデルラット」と
言う)を作製した。本モデルラットを用いArch.Ophthal
mol.,100,631-634(1982)に報告されている後述の硝子体
フルオロメトリー法(VFP法)に準じ、眼内蛍光色素
濃度を測定し、血液網膜柵の障害度を示す硝子体内漏出
指数を後述の式により算出することで、環状ジスルフィ
ド誘導体の血管透過性抑制効果について検討を行った。
【0033】(被験化合物の調製) 1)メチルセルロース100cP(0.1g)を滅菌精
製水(10ml)に溶解し、1%メチルセルロース液と
する。
【0034】2)被験化合物(3.6g)を1%メチル
セルロース液(60ml)に懸濁し、60mg/mlの
被験化合物溶液を調製する。
【0035】(NECA溶液の調製) 1)NECA(11.5mg)をジメチルアミノスルホ
キシド(180μl)に溶解し、0.2mol/lのN
ECA溶液とする。
【0036】2)0.2mol/lのNECA溶液(5
μl)をリン酸緩衝生理食塩水(1ml)で希釈し、1
μmol/lのNECA溶液とする。
【0037】(実験方法)正常ラットにケタミン/キシ
ラジンの7:1混合溶液(1ml/kg)を筋肉内投与
して麻酔後、ラットの硝子体内に1μmol/lNEC
A溶液(2.5μl)を注入してモデルラットを作製し
た。被験化合物(300mg/5ml/kg)はモデル
ラット作製の4時間前、4時間後および20時間後にそ
れぞれを経口投与した。NECA溶液投与24時間後に
眼内蛍光色素濃度および血漿中色素濃度をVFP法によ
り測定し、血液網膜柵の障害度を硝子体内漏出指数とし
て以下の式により算出した。
【0038】尚、モデルラットのコントロールとして、
被験化合物溶液の代りに1%メチルセルロース液(5m
l/kg)を投与し、その他の操作は上記と同様に行っ
た。
【0039】正常ラットのコントロールとして被験化合
物溶液の代りに1%メチルセルロース液(5ml/k
g)を、NECA溶液の代りに0.1%ジメチルスルホ
キシド/リン酸緩衝生理食塩水(2.5μl)を投与
し、その他の操作は上記と同様に行った。
【0040】硝子体内漏出指数=(硝子体内蛍光色素濃
度−眼内自然蛍光濃度)×1000/血漿中蛍光色素濃
【0041】(硝子体フルオロメトリー法(VFP
法)) 1)ラットにケタミン/キシラジンの7:1混合溶液
(1ml/kg)を筋肉内投与し、ミドリン(Mydrin)
−Pを点眼し散瞳する。
【0042】2)フルオロトロンマスターで眼内自然蛍
光濃度を測定後、1%フルオレセイン溶液(1ml/k
g)を陰茎静脈内投与する。
【0043】3)フルオレセイン溶液投与45分後に血
液を心臓より採血する。
【0044】4)心採血後、直ちにフルオロトロンマス
ターにて眼内蛍光色素濃度を測定し、眼内蛍光色素濃度
−装置内長さ曲線を得る。
【0045】5)上記3)で得た血液を遠心分離し、そ
の上清をリン酸緩衝生理食塩水で51倍希釈し、フルオ
ロトロンマスターにて血漿中蛍光色素濃度を測定する。
【0046】6)上記4)で得た眼内蛍光色素濃度−装
置内長さ曲線の蛍光色素濃度の最大ピーク(網膜位置)
より装置内長さが5mmの位置の蛍光色素濃度を硝子体
内蛍光色素濃度として得る。
【0047】(結果)被験化合物として(4R)-ヘキサ
ヒドロ-7,7-ジメチル-6-オキソ-1,2,5-ジチア
ゾシン-4-カルボン酸を用いた実験結果を以下に示す。
【0048】
【表2】
【0049】表2に示したように、モデルラットに被験
化合物を投与した場合、血管網膜柵の障害度はモデルラ
ット(コントロール)に対して50%まで減少させた。
【0050】[3.ヒトGlioblastoma細胞からの血管内
皮増殖因子遊離抑制効果]血管内皮増殖因子(以下、V
EGFとする)の遊離抑制効果を確認するため、Proc.
Natl. Acad. Sci., 93, 8502-8507 (1996)に報告されて
いる無刺激状態でVEGFを遊離するヒトGlioblastoma
細胞(U87MG cell)とHuman VEGF測定キット
−(IBL)(免疫生物研究所製)を使用し、環状ジス
ルフィド誘導体のVEGFの遊離抑制効果について検討
を行った。
【0051】(ヒトGlioblastoma細胞の調製) 1)10%牛胎児血清とD-MEM・high glucose培地との混
合液(以下、培養液とする)25mlとヒトGlioblasto
ma細胞懸濁液1ml(U87MG ;ATCC製)を75mm2
培養容器に加え一晩培養する。
【0052】2)培養液の上清を捨て、新鮮な培養液2
5mlを加えることにより、培養液の交換を行った。
【0053】3)以後、培養液の交換は5日を超えない
うちに実施する。細胞が増殖し、コンフルエントに近く
なったとき、以下の操作により継代培養を行う。
【0054】4)培養容器から培養液の上清を捨て、上
記細胞をリン酸緩衝生理食塩水10mlで洗浄する。
【0055】5)同容器に室温でトリプシン/エチレン
ジアミン四酢酸溶液5mlを加え、ヒトGlioblastoma
細胞を容器壁面から剥離する。
【0056】6)同容器にさらに培養液10mlを加
え、全体を遠心チューブに移し替える。1000rpm
で5分間遠心分離する。
【0057】7)上清を捨てリン酸緩衝生理食塩水5m
lを加え懸濁する。
【0058】8)再度、1000rpmで5分間遠心分
離し、上清を捨て、培養液5mlを加え懸濁し細胞懸濁
液とする。
【0059】(被験化合物溶液の調製) 1)被験化合物(2.5mg)をエタノール(0.5m
l)に溶解し、エタノールと同容量のリン酸緩衝生理食
塩水(0.5ml)を加え、1.1×10-2Mの溶液と
する。
【0060】2)この溶液(0.5ml)にリン酸緩衝
生理食塩水(0.5ml)を加え、5.5×10-3Mの
溶液とする。
【0061】3)さらにこの溶液に25%エタノール・
リン酸緩衝生理食塩水を加え、5.5×10-5Mの溶液
とする。
【0062】(実験方法)カルチャープレートに培養液
0.5mlおよび細胞懸濁液(1.5×105cells/m
l)0.1mlを入れ1日培養した。各ウェル(well)
の培養液の上清を取り出し、予め95%N2 ・5%CO
2 混合ガスを吹き込み充満させておいた培養液0.5m
lを加えた。
【0063】これに5.5×10-5Mの被験化合物溶液
10μlを加えた。終濃度は1μMとなった。これを9
5%N2 ・5%CO2 混合ガスを充填したフレックスサ
ンプラー内で24時間培養した後、各ウェルの上清を分
取し、Human VEGF測定キット−(IBL)
(免疫生物研究所製)を使用し、上清中のVEGFの濃
度を測定した。
【0064】尚、コントロールとして、被験化合物溶液
の代りに25%エタノール/リン酸緩衝生理食塩水10
μlを加え、その他の操作は上記と同様に行った。
【0065】(結果)被験化合物として(4R)−ヘキ
サヒドロ−7,7−ジメチル−6−オキソ−1,2,5
−ジチアゾシン−4−カルボン酸を用いた実験例におい
ては、血管内皮増殖因子の遊離の量をコントロールに対
して44%まで減少させた。
【0066】
【発明の効果】上記の薬理試験の結果から明らかなよう
に、本化合物は優れた血管新生阻害作用、血管透過性抑
制作用または血管内皮増殖因子遊離抑制作用を有し、血
管新生、血管透過性または血管内皮増殖因子が関与する
疾患、特に、糖尿病性網膜症、黄斑変性症、網膜静脈閉
塞症、網膜動脈閉塞症等の網膜疾患、血管新生緑内障お
よび血管腫等の腫瘍の治療剤として有用であることが期
待される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C07D 285/36 C07D 285/36 285/38 285/38 285/00

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式[I] で表わされる化合物または
    その塩類を有効成分とする血管新生阻害剤。 【化1】 [式中、R1 、R2 およびR3 は同一かまたは異なって
    水素原子または低級アルキル基を示す。mは0または1
    を示す。nは1または2を示す。]
  2. 【請求項2】血管新生が眼内血管新生である請求項1記
    載の阻害剤。
  3. 【請求項3】請求項1記載の一般式[I] で示される化合
    物またはその塩類を有効成分とする血管透過性抑制剤。
  4. 【請求項4】血管透過性が眼内血管透過性である請求項
    3記載の抑制剤。
  5. 【請求項5】請求項1記載の一般式[I] で示される化合
    物またはその塩類を有効成分とする血管内皮増殖因子遊
    離抑制剤。
  6. 【請求項6】血管内皮増殖因子が眼内血管に存在する血
    管内皮増殖因子である請求項5記載の遊離抑制剤。
  7. 【請求項7】請求項1記載の一般式[I] で示される化合
    物またはその塩類を有効成分とする網膜疾患治療剤。
  8. 【請求項8】(4R)-ヘキサヒドロ-7,7-ジメチル-6
    -オキソ-1,2,5-ジチアゾシン-4-カルボン酸また
    はその塩類を有効成分とする請求項記載1の血管新生阻
    害剤、請求項3記載の血管透過性抑制剤、請求項5記載
    の血管内皮増殖因子遊離抑制剤または請求項7記載の網
    膜疾患治療剤。
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