JPH11254574A - 係合機能を有する積層布帛及びその製造方法 - Google Patents

係合機能を有する積層布帛及びその製造方法

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JPH11254574A
JPH11254574A JP6025098A JP6025098A JPH11254574A JP H11254574 A JPH11254574 A JP H11254574A JP 6025098 A JP6025098 A JP 6025098A JP 6025098 A JP6025098 A JP 6025098A JP H11254574 A JPH11254574 A JP H11254574A
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fabric
laminated
woven
heat
nonwoven fabric
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JP6025098A
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Toshiro Yamaguchi
俊郎 山口
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Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】表皮材としての製造が容易で低コストに作成で
き、繰返しの屈曲作用に対しても充分に耐えることがで
き、また該表皮材を用いて車輌用シートを容易かつクッ
ション性よく製造でき、さらにまたリサイクルも可能で
ある、実用性に優れた表皮材を提供せんとするもの。 【解決手段】片面側にパイルを有する不織布、織物また
は編物からなる布帛(A)とフックに対する係合機能を
有する部材(B)とを結合した積層布帛を製造する方法
において、該部材(B)として1〜3mmの高さのリン
グ状ループを有する糸条をカバーファクターKcが7〜
22とした織物または編物を用い、該部材(B)の一面
側に、低融点または低軟化点を有するポリマーを少なく
とも表面成分とする熱接着性繊維からなる不織布(C)
を積層して2者を固定し、該積層固定物の前記不織布
(C)側を火炎または電熱ヒーターにより直接加熱して
熱接着性繊維不織布(C)を溶融させ、直ちに前記布帛
(A)の裏面側と重ね合わせ常温または低温で加圧し貼
り合わせることを特徴とする製造方法と積層布帛。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は椅子張り地や自動車用内
装材の表皮材として使用する布帛に関するものであり、
安価に製造でき、かつ椅子張りまたは自動車内装用に、
その固有の形状に成形するのに容易になし得、しかもそ
の廃棄時にはリサイクルが容易になし得る布帛とその製
造方法を提供せんとするものである。
【0002】
【従来の技術】車輌用シート張地、事務用椅子張地およ
び車輌用枕カバー等の表皮材として、その裏面に、ルー
プ状物を有する部材、すなわち不織布やループ形状を有
するトリコット地をラミネートまたは縫合し、この裏面
材が、フック面を有する基材本体と係合できるように構
成することは知られている。
【0003】このような従来の加工方法による表皮材を
使用した車輌用シート張地および事務用椅子張地にあっ
ては成形性、使用感とも一応の満足は得られるが、上述
したように別工程によりラミネート加工をする必要があ
るため、工程が繁雑でコスト高につながる。また場合に
よっては表皮材の裏面に不織布またはループ形状を有す
るトリコット地をラミネートする前に、クッション性を
得るため、または縫製時の形態安定性を確保するために
発泡ウレタン樹脂等とをラミネートする必要があり、一
層のコスト高につながる。
【0004】さらにこのような構造物の場合、表皮材が
多種多様の混合体であるため廃棄物処理・再資源化にお
いても分離・分別する際に作業が複雑であり、現状では
シュレッダーダストとして埋め立て処分されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような問
題点を解消せんとするものであり、その目的は、表皮材
としての製造が容易で低コストに作成でき、繰返しの屈
曲作用に対しても充分に耐えることができ、また該表皮
材を用いて車輌用シートを容易かつクッション性よく製
造でき、さらにまたリサイクルも可能である、実用性に
優れた表皮材を提供せんとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本第1の発明は、1〜3
mmの高さのリング状ループを有する糸条からなり、カ
バーファクターKcが7〜22とした織物または編物か
らなる部材(B)の一面側に、熱接着性繊維不織布
(C)と積層し2者絡合一体化しており、該熱接着性繊
維不織布(C)の他面側が、片面側にパイルを有する不
織布、織物または編物からなる布帛(A)の裏面側に熱
接着してなる、フックに対する係合機能を有する積層布
帛である。本第2の発明は、1〜3mmの高さのリング
状ループを有する糸条からなり、カバーファクターKc
が7〜22とした織物または編物からなる部材(B)の
一面側に、非熱接着性繊維不織布(D)と熱接着性繊維
不織布(C)とをその順序で積層し3者絡合一体化して
おり、該熱接着性繊維不織布(C)の他面側が、片面側
にパイルを有する不織布、織物または編物からなる布帛
(A)の裏面側に熱接着してなる、フックに対する係合
機能を有する積層布帛である。本第3の発明は、1〜3
mmの高さのリング状ループを有する糸条からなり、カ
バーファクターKcが7〜22とした織物または編物か
らなる部材(B)の一面側に、熱接着性樹脂粉末(E)
を固定した非熱接着性繊維不織布(D)が、熱接着性樹
脂粉末(E)の非固定側で積層し2者絡合一体化してお
り、該不織布(D)の該熱接着性樹脂粉末(E)の固定
側が、片面側にパイルを有する不織布、織物または編物
からなる布帛(A)の裏面側に熱接着してなる、フック
に対する係合機能を有する積層布帛である。また本第4
の発明は、片面側にパイルを有する不織布、織物または
編物からなる布帛(A)とフックに対する係合機能を有
する部材(B)とを結合した積層布帛を製造する方法に
おいて、該部材(B)として1〜3mmの高さのリング
状ループを有する糸条をカバーファクターKcが7〜2
2とした織物または編物を用い、該部材(B)の一面側
に、低融点または低軟化点を有するポリマーを少なくと
も表面成分とする熱接着性繊維からなる不織布(C)を
積層して2者を固定し、該積層固定物の前記不織布
(C)側を火炎または電熱ヒーターにより直接加熱して
熱接着性繊維不織布(C)を溶融させ、直ちに前記布帛
(A)の裏面側と重ね合わせ常温または低温で加圧し貼
り合わせることを特徴とする、フックに対する係合機能
を有する積層布帛の製造方法である。本第5の発明は、
片面側にパイルを有する不織布、織物または編物からな
る布帛(A)とフックに対する係合機能を有する部材
(B)とを結合した積層布帛を製造する方法において、
該部材(B)として1〜3mmの高さのリング状ループ
を有する糸条をカバーファクターKcが7〜22とした
織物または編物を用い、該部材(B)の一面側に、非熱
接着性繊維からなる不織布(D)と低融点または低軟化
点を有するポリマーを少なくとも表面成分とする熱接着
性繊維からなる不織布(C)とをその順序で積層して3
者を固定し、該積層固定物の前記不織布(C)側を火炎
または電熱ヒーターにより直接加熱し熱接着性繊維不織
布(C)を溶融させ、直ちに前記布帛(A)の裏面側と
重ね合わせ常温または低温で加圧し貼り合わせることを
特徴とする、フックに対する係合機能を有する積層布帛
の製造方法である。さらに本第6の発明は、片面側にパ
イルを有する不織布、織物または編物からなる布帛
(A)とフックに対する係合機能を有する部材(B)と
を結合した積層布帛を製造する方法において、該部材
(B)として1〜3mmの高さのリング状ループを有す
る糸条をカバーファクターKcが7〜22とした織物ま
たは編物を用い、該部材(B)の一面側に、低融点また
は低軟化点からなる熱接着性樹脂粉末(E)を固定した
非熱接着性繊維からなる不織布(D)を該熱接着性樹脂
粉末(E)の非固定側で積層して2者を固定し、該積層
固定物の前記熱接着性樹脂粉末(E)側を火炎または電
熱ヒーターにより直接加熱し熱接着性樹脂粉末(E)を
溶融させ、直ちに前記布帛(A)の裏面側と重ね合わせ
常温または低温で加圧し貼り合わせることを特徴とす
る、フックに対する係合機能を有する積層布帛の製造方
法である。
【0007】図1は、本発明での、フックに対する係合
機能を有する積層布帛の一例断面の概念図であり、布帛
(A)はその図面上面側がシート等最終製品の表面側と
なる表皮シート材であり、その表面側にパイルを有する
布帛である。この布帛は、片面側にパイルを有し、屈
曲、引裂き等に対して十分な強力を有する透湿性に優れ
た繊維素材のものであればよく、不織布であっても、織
物または編物であっても、さらにそれらを組合わせたも
のであってもよく、特に限定されるものではない。
【0008】該布帛(A)を構成する繊維としては、こ
れまでに公知の合成繊維、再生繊維および天然繊維を適
宜使用することができる。特に布帛(A)を不織布で構
成する場合、その形態、強力を強化するために、主体繊
維間を結合するための熱接着性繊維を併用することがで
きる。
【0009】該熱接着性繊維は、用いる主体繊維の融点
または軟化点(以下では、煩雑さを避けるために、両者
を単に融点と略記する場合がある)よりも20℃以上低
いそれを有するポリマーからなる繊維であることが好ま
しい。主体繊維の融点との差が20℃未満となると、そ
の熱接着の際に該熱により主体繊維に悪影響を与えるこ
ととなるからである。
【0010】熱接着性繊維は、上記融点差を有する単一
ポリマーからなる繊維であることは無論のこと、芯成分
に高融点のポリマーを配し、鞘成分に上記融点差を有す
低融点のポリマーを配した芯・鞘型の複合繊維であって
もよい。
【0011】上記熱接着性繊維を混入する場合、その混
入率は主体繊維に対して10〜50重量%であることが
好ましい。熱接着性繊維の混入率が10重量%未満で
は、繊維間を強固に結合することができず、不織布の形
態安定化という目的に対して効果が発揮できず、逆に5
0重量%を超えると該熱接着性繊維による不織布生地が
硬くなるので好ましくない。より好ましくは20〜40
重量%である。
【0012】布帛(A)の片面(表面)に構成するパイ
ルは、該布帛(A)の構造一体物として構成したもので
あっても、または布帛(A)とは別に構成したものであ
ってもよい。前者の場合、該パイルは、布帛(A)を構
成する基体を起毛加工して形成したものであってもよ
い。
【0013】織物または編物からなる部材(B)は、例
えば自動車用クッションのシート本体部(1)に設けら
れたフック(2)に対して係合機能を有する、ループ
(3)を有する側の布帛である。本発明ではこのような
ループ(3)を形成する布帛を、1〜3mmの高さのリ
ング状のループを有する糸条を用い、この糸条をカバー
ファクターKcが7〜22とした織物または編物を用い
るものである。なお、本明細書において、カバーファク
ターKcは次式1で求められるものをいっている。
【0014】
【数1】
【0015】本発明において、このリング状ループを有
する糸条の製法を特定するものではないが、製造が容易
でそのコストも低くできる方法としては、例えば2種の
フィラメント糸条を用い、これを空気絡合ノズルに導
き、その側糸となる一方を芯糸となる他方に対してオー
バーフィード率を高くすることによって製造できる空気
絡合法を好ましく用いることができる。図2は、この空
気絡合法で得られる糸条の一例概念図を示す。
【0016】このリング状ループを有する糸条は、次に
図3で示されるような、カバーファクターKcが7〜2
2とした織物、または図示を省略する編物に構成する。
本明細書ではこれら織物または編物をまとめて、部材
(B)と記載している。すなわち、この部材(B)は、
その表面に、高さが1〜3mmのリング状のループが形
成された目の粗いシート状物となり、これが前記布帛
(A)(表皮シート材)裏面の雌側シートとなるもので
ある。したがってまたこの部材(B)の繊維素材は、特
に規定されるものではないが強力の優れたものであるこ
とが好ましい。
【0017】この部材(B)は、後で述べるように、布
帛(A)と積層され一体化物となるものであり、その一
体化物がシート材として適度なしなやかさを保有させる
ために、また積層一体化に先立つ熱接着性不織布(C)
のニードルパンチによる固定を容易にするために、その
カバーファクターKcが7〜22の範囲の目の粗い織物
または編物に構成しておくことが肝要である。カバーフ
ァクターKcが7未満のものであっては目が粗過ぎルー
プ密度が足りず、かつ熱接着性不織布(C)が部材
(B)の目を通して表面に現れることとなり好ましくな
い。
【0018】部材(B)と布帛(A)との結合は、予め
部材(B)に熱接着性のある材料を固定しておき、これ
を火炎バーナーまたは電熱ヒーター等で直接加熱し熱接
着性成分を溶融させ、ここに該布帛(A)を重ね合わせ
て常温または低温で加圧することによって容易にかつ耐
屈曲強力高く貼り合わせることができる。
【0019】図4はその加工工程を示す一例である。該
図面4において、部材(B)は、その上面側に熱接着性
のある材料4を予め固定した、リング状ループ3を有す
る織編物であり、また布帛(A)は、その下面側がパイ
ル等の表面側、上面側が裏面側であり、それぞれはその
巻き取りロールから引き出され、部材(B)がローラー
5位置に至って火炎バーナー7等で直接加熱され、その
表面の熱接着性材料4が溶融し、別途ローラー6に導か
れた布帛(A)の裏面と重ね合わさり、加圧を受けて積
層布帛となる工程を示している。
【0020】上記加工工程で、部材(B)に積層し固定
して用いることができる熱接着性材料4としては、以下
に説明するように3通りの手段の採用を挙げることがで
きる。
【0021】すなわち、その1.は、低融点を有する熱
接着性ポリマーからなる繊維不織布(C)それ自体を用
い、これを部材(B)と固定して用いる場合であり、ま
たその2.は、高融点の非接着性繊維からなる繊維不織
布(D)と低融点を有する熱接着性ポリマーからなる繊
維不織布(C)との2者を用い、これを部材(B)と固
定して用いる場合であり、さらにその3.は、高融点の
非接着性繊維からなる繊維不織布(D)上に低融点を有
する熱接着性ポリマーからなる樹脂粉末(E)を均一に
分布させて熱固定したものを用い、これを部材(B)と
固定して用いる場合である。いずれの場合も、低融点を
有する熱接着性ポリマーは、部材(B)または繊維不織
布(D)を構成する主体繊維の融点よりも20℃以上低
い融点を有するものであることが好ましい。
【0022】上記その1.で用いる熱接着性不織布
(C)としては、通常のカード法による不織布であって
も、またメルトブローン紡糸法、フラッシュ紡糸法、ス
パンボンド法等の直接製造法で得られる不織布であって
もよい。また部材(B)との融点差を満足すれば、前記
布帛(A)の構成繊維のところで記載した熱接着性繊維
と同一の繊維を用いた熱接着性不織布であってもよい。
またそのポリマー成分は、接着性およびリサイクル性を
考慮すれば、部材(B)および布帛(A)の構成繊維と
同種ポリマー成分であることが好ましい。
【0023】熱接着性不織布(C)は、その目付量が2
0〜50g/m2のものを使用することが好ましい。こ
の使用量が20g/m2未満となると、求める、より強
力な接合が望めなくなり、また逆に50g/m2を超え
るものとなると接合布帛の風合いが固いものとなるので
好ましくない。より好ましくは30〜40g/m2のも
のである。
【0024】この熱接着性不織布(C)は、それを部材
(B)上に載せたままで前記直接加熱を行うことも可能
ではあるが、その加熱溶融時直前でその都度該不織布を
部材(B)上に正確に載せる操作は、その実施上あまり
好ましいものではない。よって、熱接着性不織布(C)
を部材(B)上に載せ、該不織布(C)側から、いわゆ
るニードルパンチ等の打込みを行って、部材(B)上に
熱接着性不織布(C)が固定された基布を予め作成して
おけば、この基布を、布帛(A)と共に加熱処理工程に
スムースに導入し処理することができ、容易な実施を行
うことができる。
【0025】前記、その2.のように、熱接着性不織布
(C)を、直接、部材(B)上に固定することなく、高
融点の非接着性繊維からなる繊維不織布(D)を介して
部材(B)上に固定してもよく、この場合、部材(B)
と熱接着性不織布(C)との間に繊維不織布(D)が介
在するので、目の粗い部材(B)の反対側面に、熱接着
性不織布(C)の熱溶融による溶融樹脂が流れることを
防ぐことができ、また2者結合の場合の硬さ、ゴアゴア
感を生ずることがない。
【0026】前記、その3.のように、上記熱接着性不
織布(C)に代えて熱接着性樹脂(E)を用いることが
できる。この場合、該樹脂粉末(E)は高融点の非接着
性繊維からなる繊維不織布(D)上に均一に分布させ、
熱によりその位置を固定させておけば、上記、その
1.、その2.の場合と同様に取り扱うことができる。
この場合の熱接着性ポリマーは前記熱接着性不織布
(C)で用いるポリマーと同一であってもよく、要する
にその融点等特性が同じようなものであればよい。また
この樹脂粉末(E)の使用量も、20〜50g/m2
範囲であればよい。
【0027】熱接着性材料を固定した部材(B)と布帛
(A)との結合の際、布帛(A)は加熱する必要はな
く、むしろ常温または低温であることにより、重ね合わ
されると同時に、溶融部分が接着しながら冷やされて効
率的に貼り合わすことができる。
【0028】熱接着性不織布(C)の溶融に要する時間
は、火炎の温度やヒーターの加熱容量にもよるが、概ね
数秒程度でよく、貼り合わせに要する時間は、従来の接
着剤を使用した場合に比べ約1/10〜1/20で済
む。
【0029】上記手段の採用により、布帛(A)と部材
(B)との両者の結合が簡略化できき、またこの手段で
得られる両者結合は、繰返しの揉み作用のごとき屈曲作
用を受けても該両者が剥離することのない、強力な接着
結合物となし得る。さらに、該両者の接合は高温高圧を
かけた状態での接合ではなく、常温または低温での加圧
によるものであるので、従来のボンディング加工された
パイル製品に見られるパイル倒れがない、という大きな
利点がある。
【0030】
【実施例】以下に本発明を実施例によってさらに説明す
るが、本発明はこれら実施例に限定されるものではな
い。
【0031】実施例1; 〈加工糸およびその平織物の作成〉ポリエステルフィラ
メントの延伸糸100dr/20fを側糸としてオーバ
ーフィード率70%で空気絡合ノズルに導き、ポリエス
テルフィラメントの延伸糸150dr/48fを芯糸と
してオーバーフィード率10%で空気絡合ノズルに導
き、エア圧4.5kg/cm2で加工し、表面に1〜3
mmのリング状ループが存在する320dr/68fの
加工糸を得た。この加工糸を用い、経および緯糸とする
密度が14本/インチとなる平織物(B)を得た。
【0032】〈熱接着性不織布(C)と平織物(B)へ
の固定〉主体繊維としてポリエステル繊維(融点=26
0℃)15drx51mmの原綿85%、熱接着性繊維
として低融点ポリエステル繊維(融点=110℃)、6
drx51mmを15%混合してウェブ(C)を作成し
つつ、このウェブ(C)の下面に上記平織物(B)を導
き、両者を積層し、その上面(熱接着性不織布側)から
ニードルパンチを行って、該熱接着性ウェブ(C)を平
織物(B)に固定し、該熱接着性ウェブ(C)が上面と
なるようにローラーに巻き取った。
【0033】〈パイル布帛(A)の作成〉スリー(3)
バー・トリコット編機を使用し、フロント糸としてポリ
エステルフィラメント延伸糸150dr/72fを用
い、またミドルおよびバック糸としてポリエステルフィ
ラメント延伸糸75dr/24fを用いて生機を作成し
た。その後、この生機の片面に起毛加工を施し、パイル
高さが3mmのフルカット生地を得、これをローラーに
巻き取った。
【0034】〈積層布帛の作成〉熱接着性ウェブ(C)
を固定した前記平織物(B)をローラーから引き出し、
ガスバーナーの並ぶ加熱域に導き、その熱接着性ウェブ
(C)側をガスバーナーで直接加熱し、該ウェブ(C)
面を溶融状態にすると共に、前記フルカット生地(A)
をローラーから引き出し、この加熱域の該ウェブ(C)
面上に重ね合わせて積層させ、直ちに一対の常温加圧ロ
ーラー間に導入して、フルカット生地(A)の裏面に熱
接着性ウェブ(C)を介して平織物(B)が熱接合した
積層布帛を得た。この加工速度は18m/分であった。
【0035】得られた積層布帛はそのパイル面の状態が
優れ、また熱接合が極めて強力で繰返しの揉み作用を与
えても層剥離なく、さらに上記のようにその製造工程が
単純で低コストで得ることができ、かつ平織物(B)の
裏面側がフックに対するループ側を形成しているので、
カーシート等のクッション本体側に設けたフックに対し
て、本積層布帛を容易かつ安定的に係合でき、カーシー
ト用クッションシート表皮材として、極めて好適なもの
である。
【0036】
【発明の効果】本発明の積層布帛およびその製造方法
は、 1)加工のスピードが飛躍的に向上する、 2)表面のパイル部分が接着時の加熱・加圧により「パ
イル寝」が発生しない、 3)面ファスナー係合によりクッション本体部への取付
け設置が容易、 といった効果が発揮され、この方法による積層布帛は、
自動車用内装材、特にクッションシート表皮材として極
めて優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の積層布帛の一例を示す断面図である。
【図2】空気絡合によって得られるリング状ループを有
するフィラメント糸条の一例であり、その概念図を示
す。
【図3】リング状ループを有するフィラメント糸条を用
いて作成した目の粗い織物の例を示し、この織物が本発
明での、フックに対する係合部材(B)となる。
【図4】本発明の積層布帛の製造工程の一例を示す工程
概略図である。
【符号の説明】
A クッションシートとしてのシート表皮材。 C 熱接着不織布層。 B リング状ループを有する糸条からなる布帛で、その
表面にでた該リング状ループが、フックに対する係合機
能を有する。 1 シート本体部 2 シート本体部に設けられたフック 3 布帛(B)上のリング状ループ 4 熱接着性のある部材 5 ローラー 6 ローラー 7 火炎バーナー

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】1〜3mmの高さのリング状ループを有す
    る糸条からなり、カバーファクターKcが7〜22とし
    た織物または編物からなる部材(B)の一面側に、熱接
    着性繊維不織布(C)と積層し2者絡合一体化してお
    り、該熱接着性繊維不織布(C)の他面側が、片面側に
    パイルを有する不織布、織物または編物からなる布帛
    (A)の裏面側に熱接着してなる、フックに対する係合
    機能を有する積層布帛。
  2. 【請求項2】1〜3mmの高さのリング状ループを有す
    る糸条からなり、カバーファクターKcが7〜22とし
    た織物または編物からなる部材(B)の一面側に、非熱
    接着性繊維不織布(D)と熱接着性繊維不織布(C)と
    をその順序で積層し3者絡合一体化しており、該熱接着
    性繊維不織布(C)の他面側が、片面側にパイルを有す
    る不織布、織物または編物からなる布帛(A)の裏面側
    に熱接着してなる、フックに対する係合機能を有する積
    層布帛。
  3. 【請求項3】1〜3mmの高さのリング状ループを有す
    る糸条からなり、カバーファクターKcが7〜22とし
    た織物または編物からなる部材(B)の一面側に、熱接
    着性樹脂粉末(E)を固定した非熱接着性繊維不織布
    (D)が、熱接着性樹脂粉末(E)の非固定側で積層し
    2者絡合一体化しており、該不織布(D)の該熱接着性
    樹脂粉末(E)の固定側が、片面側にパイルを有する不
    織布、織物または編物からなる布帛(A)の裏面側に熱
    接着してなる、フックに対する係合機能を有する積層布
    帛。
  4. 【請求項4】片面側にパイルを有する不織布、織物また
    は編物からなる布帛(A)とフックに対する係合機能を
    有する部材(B)とを結合した積層布帛を製造する方法
    において、該部材(B)として1〜3mmの高さのリン
    グ状ループを有する糸条をカバーファクターKcが7〜
    22とした織物または編物を用い、該部材(B)の一面
    側に、低融点または低軟化点を有するポリマーを少なく
    とも表面成分とする熱接着性繊維からなる不織布(C)
    を積層して2者を固定し、該積層固定物の前記不織布
    (C)側を火炎または電熱ヒーターにより直接加熱して
    熱接着性繊維不織布(C)を溶融させ、直ちに前記布帛
    (A)の裏面側と重ね合わせ常温または低温で加圧し貼
    り合わせることを特徴とする、フックに対する係合機能
    を有する積層布帛の製造方法。
  5. 【請求項5】片面側にパイルを有する不織布、織物また
    は編物からなる布帛(A)とフックに対する係合機能を
    有する部材(B)とを結合した積層布帛を製造する方法
    において、該部材(B)として1〜3mmの高さのリン
    グ状ループを有する糸条をカバーファクターKcが7〜
    22とした織物または編物を用い、該部材(B)の一面
    側に、非熱接着性繊維からなる不織布(D)と低融点ま
    たは低軟化点を有するポリマーを少なくとも表面成分と
    する熱接着性繊維からなる不織布(C)とをその順序で
    積層して3者を固定し、該積層固定物の前記不織布
    (C)側を火炎または電熱ヒーターにより直接加熱し熱
    接着性繊維不織布(C)を溶融させ、直ちに前記布帛
    (A)の裏面側と重ね合わせ常温または低温で加圧し貼
    り合わせることを特徴とする、フックに対する係合機能
    を有する積層布帛の製造方法。
  6. 【請求項6】片面側にパイルを有する不織布、織物また
    は編物からなる布帛(A)とフックに対する係合機能を
    有する部材(B)とを結合した積層布帛を製造する方法
    において、該部材(B)として1〜3mmの高さのリン
    グ状ループを有する糸条をカバーファクターKcが7〜
    22とした織物または編物を用い、該部材(B)の一面
    側に、低融点または低軟化点からなる熱接着性樹脂粉末
    (E)を固定した非熱接着性繊維からなる不織布(D)
    を該熱接着性樹脂粉末(E)の非固定側で積層して2者
    を固定し、該積層固定物の前記熱接着性樹脂粉末(E)
    側を火炎または電熱ヒーターにより直接加熱し熱接着性
    樹脂粉末(E)を溶融させ、直ちに前記布帛(A)の裏
    面側と重ね合わせ常温または低温で加圧し貼り合わせる
    ことを特徴とする、フックに対する係合機能を有する積
    層布帛の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011241495A (ja) * 2010-05-17 2011-12-01 Teijin Fibers Ltd 複合繊維シートの製造方法および複合繊維シート
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WO2024091097A1 (ko) * 2022-10-28 2024-05-02 케이앤엘팩 주식회사 포장 완충지 제조방법 및 그 제조장치

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