JPH11254518A - ポリプロピレン系樹脂発泡シートの成形方法 - Google Patents

ポリプロピレン系樹脂発泡シートの成形方法

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JPH11254518A
JPH11254518A JP10054790A JP5479098A JPH11254518A JP H11254518 A JPH11254518 A JP H11254518A JP 10054790 A JP10054790 A JP 10054790A JP 5479098 A JP5479098 A JP 5479098A JP H11254518 A JPH11254518 A JP H11254518A
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JP
Japan
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sheet
molding
polypropylene resin
temperature
mold
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JP10054790A
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English (en)
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Mitsuhiko Anami
光彦 阿南
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Sekisui Kasei Co Ltd
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Sekisui Plastics Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ポリプロピレン系樹脂発泡シートの成形方法に
おいて、熱による変形を無くし、断熱・緩衝性能に優れ
た成形品を実現するための成形方法を提供する。 【解決手段】金型9,10を40℃〜100℃に設定す
る。シート3の表面温度を160℃〜200℃に設定
し、金型9,10により成形する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリプロピレン系
樹脂発泡シートを成形金型により成形することにより所
望の成形品を得る成形方法の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】従来で
は、ポリプロピレン系樹脂発泡シートを原反として連続
した成形作業をする場合に、特に成形温度を制御するこ
とによって成形作業の効率を上げていた。
【0003】詳しく説明すると、成形前のシートの予備
加熱温度が低すぎると成形を良好に行うことができな
い。一方、予備加熱温度を高く設定すると、生産ライン
において予備加熱に要する時間が長くなって成形サイク
ルが低下すると共に、シートが軟化しすぎて金型の直前
で垂れ下がってしまうという現象(ドローダウン)が起
こり、成形を良好に行うことができない。これらの問題
を避けるためにシートの予備加熱温度を制御し、シート
が固相状態に近い状態で成形することにより、シートの
ドローダウンの問題を解消すると共に、成形サイクルを
上げて効率的に成形品の製造を行うようにしていた(特
開平6−218805号公報参照)。
【0004】ところで、かかる方法では、シートが固相
状態に近い状態で成形されることから、成形時にシート
が引き延ばされてシート内部に応力が生じ、成形品とし
て完成した状態で残留応力として残ってしまう。このこ
と自体は、成形品の品質や性能に著しい悪影響を及ぼす
ものではないが、さらなる品質向上という観点から次の
ような改良点が挙げられる。
【0005】 成形品をレトルト食品用の容器として
使用する場合、これを電子レンジ等で加熱した際、上記
残留応力が弛緩して容器に変形が生じるおそれがある。
この変形は、内容物を変質させる等の不都合はないが、
外観上みばえの悪いものとなってしまう。
【0006】 成形品は、ポリプロピレン系樹脂発泡
シートを用いたものであるから、内部に気泡構造が形成
されているが、この気泡は、シートが固相状態に近い状
態で成形されることから引き延ばされた状態となる。こ
のことは、成形品の断熱性能や緩衝性能に著しい悪影響
を与えるものではないが、良好な気泡構造を実現するこ
とにより、さらなる性能向上につながる。
【0007】そこで、この発明の目的は、熱による変形
を確実に抑え、断熱性,緩衝性に優れた成形品を成形す
ることができるポリプロピレン系樹脂発泡シートの成形
方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の目的を達成する
ため、請求項1に係るポリプロピレン系樹脂発泡シート
の成形方法は、ポリプロピレン系樹脂発泡シートを予備
加熱した後、成形金型により所望の成形品を得るポリプ
ロピレン系樹脂発泡シートの成形方法において、上記成
形金型の温度を予め40℃〜100℃に設定しておき、
上記予備加熱によってポリプロピレン系樹脂発泡シート
の表面温度を160℃〜200℃に設定した後に、上記
成形金型により成形することを特徴とするものである。
【0009】この構成によれば、ポリプロピレン系樹脂
発泡シートの表面温度を160℃〜200℃に設定する
ことにより、シートを溶融状態に近い状態で成形するこ
とができる。しかも、かかる温度範囲では、シートが完
全に溶融状態となっていないから、成形時のドローダウ
ン現象を避けることもできる。加えて、成形金型を40
℃〜100℃に設定しておくから、成形時に成形金型に
熱を奪われてシートが急冷されるということがない。す
なわち、成形金型は、通常、熱伝導率の高い金属により
構成されるから、成形時に成形金型の温度を低く設定し
ておくとシートが急冷されてしまうのであるが、予め成
形金型を40℃〜100℃に温めておくことにより、こ
れを避けることができる。
【0010】また、本発明の目的を達成するため、請求
項2に係るポリプロピレン系樹脂発泡シートの成形方法
は、請求項1記載のポリプロピレン系樹脂発泡シートの
成形方法において、上記成形金型による成形時に、熱伝
導率が0.5kcal/mh℃以下の介在部材を成形金
型とポリプロピレン系樹脂発泡シートとの間に介在させ
ることを特徴とするものである。
【0011】この構成によれば、請求項1に係る発明と
同様の作用を奏する。加えて、本請求項に係る発明で
は、成形時に熱伝導率が0.5kcal/mh℃以下の
介在部材を介在させるから、予備加熱されたシートが成
形時に急冷されるのを一層効果的に防止することができ
る。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。図1は、本発明の実施の形態に係るポリプ
ロピレン系樹脂発泡シートの成形方法を実施するための
成形装置を模式的に示す図である。
【0013】図1を参照して、この成形装置1は、最終
的な成形品(たとえば、レトルト食品用容器)2を製造
するためのものであって、原材料となるポリプロピレン
系樹脂発泡シート(以下、単に「シート」という。)3
を予め加熱するためのオーブン4と、予備加熱されたシ
ート3を成形するためのプレス機5,6と、成形された
シート7を裁断して製品としての成形品2に仕上げる裁
断機8とを有している。
【0014】シート3は、長尺のもので予めロール状に
巻回されており、これを原反という。そして、原反から
シート3が順次繰り出され、成形装置1に供給されるよ
うになっている。なお、本実施の形態では、ポリプロピ
レン系樹脂発泡シートを原反として用いたが、これに他
の樹脂フィルム等を積層したものでも良い。
【0015】プレス機5は、いわゆる雄型の金型9を備
えており、プレス機6は、金型9と係合する雌型の金型
10を備えている。両プレス機5,6には、金型駆動装
置としてのシリンダ11がそれぞれ備えられており、こ
のシリンダ11の伸縮により両金型9,10の型締め/
型開きが行われるようになっている。
【0016】また、これら両金型9,10が型締めされ
た状態では、両金型9,10間にキャビティが形成さ
れ、シート3は、このキャビティにならっていわゆるマ
ッチモールド成形されるようになっている。さらに、金
型10には、真空吸引機13が接続されており、これに
より、真空成形を行い良好なマッチモールド成形が可能
になっている。
【0017】一方、上記オーブン4には、ヒータ12が
備えられており、これにより、オーブン4内の温度を制
御できるようになっている。つまり、ヒータ12の発熱
量を調節することにより、シート3の予備加熱温度(本
実施の形態ではシート3の表面温度)を所望の温度に設
定できるようになっている。
【0018】このような成形装置1により、シート3
は、次のような工程で成形される。すなわち、原反から
繰り出されたシート3は、まず、オーブン4内に供給さ
れ、予め所定温度に温められる。これは、プレス機5,
6での成形を良好に行うため、シート3を軟化させるも
のである。そして、予備加熱されたシート3は、続いて
プレス機5,6の間に送られ、このプレス機5,6によ
り成形される。その後、裁断機8によって、成形された
シート7が裁断され、最終製品としての成形品2が得ら
れる。
【0019】本実施の形態の特徴とするところは、上記
予備加熱する工程において、シート3の表面温度を16
0℃〜200℃に設定する点、およびプレス機5,6の
金型9,10を予め40℃〜100℃に設定しておく点
にある。
【0020】なお、ポリプロピレン系樹脂発泡シート
は、内部に気泡が存在することから、予備加熱によって
表面温度と内部温度との間に温度差が生じるが、実験的
には、表面温度を200℃まで上げた場合でも成形に支
障はない。ポリプロピレン系樹脂としては、ポリプロピ
レン単独重合体,エチレン−プロピレンブロック重合
体,エチレン−プロピレンランダム重合体等が挙げられ
る。また、金型9,10を温める手段としては、図1に
は図示していないが、金型9,10に公知のヒータ等を
設置することができる。さらに、図1には図示していな
いが、たとえばオーブン4の出口付近に非接触式の放射
温度計を設置することにより、シート3の表面温度を管
理することができる。
【0021】図2は、金型9,10が型開きされた状態
を示す模式図であり、図3は、型締めされた状態を示す
模式図である。
【0022】これらの図を参照して、本実施の形態によ
れば、金型9,10間に送られたシート3は(図2参
照)、両金型9,10により成形されるのであるが(図
3参照)、このとき、シート3の表面温度を160℃〜
200℃に設定しているから、シート3を溶融状態に近
い状態にして成形することができる。
【0023】これにより、型締め時にシート3が引っ張
られて一時的に応力が生じても、シート3が溶融状態に
近い状態に軟化しているので、その後この応力が弛緩す
る。つまり、成形後のシート7(成形品2)に残留応力
が生じるのを極力なくすことができる。また、型締め時
にシート3が引っ張られて一時的に内部の気泡が引き延
ばされた状態となっても、その後、気泡が球形に近い良
好な状態にもどることができる。
【0024】また、金型9,10を40℃〜100℃に
設定しているから、成形時にシート3が金型9,10に
よって急冷されることを防止することができる。すなわ
ち、金型9,10は、通常、熱伝導率の高いアルミニウ
ム(熱伝導率が3.18kcal/mh℃)により構成
されるから、成形時に金型9,10の温度が低ければ、
シート3が金型9,10に熱を奪われて急冷されてしま
うが、本実施の形態では、予め金型9,10を40℃〜
100℃に温めているので、シート3が急冷されること
がない。つまり、本実施の形態では、成形の際中にシー
ト3が冷却されて内部が急に固相状態となることを防止
することができる。
【0025】従って、上述のように、型締め時にシート
3が引っ張られて一時的に応力が生じても、これを十分
に弛緩させることができ、成形後のシート7に残留応力
が生じるのを一層なくすことができると共に、一時的に
引き延ばされた内部の気泡を球形に近い良好な状態に確
実にもどすことができる。
【0026】加えて、シート3の表面温度を160℃〜
200℃の範囲に設定しているから、シート3が完全に
溶融状態となっておらず、これにより、成形時のシート
3のドローダウン現象を避けることもできる。
【0027】なお、実験的に、金型9,10を40℃未
満に設定すると、成形時にシート3が金型9,10によ
って急冷されてしまい、上述のような良好な成形ができ
ず、また、100℃より高く設定すると、成形後にシー
ト3が冷却されずに良好な離型ができなくなるという不
都合が生じ易くなる。また、シート3の表面温度が17
0℃〜190℃の範囲である場合に最も良好な成形作業
ができることから、シート3の表面温度をかかる温度範
囲に設定するのが好ましい。
【0028】以上のように、本実施の形態によれば、成
形品2をレトルト食品用の容器として使用し、これを電
子レンジ等で加熱した場合であっても、従来のように残
留応力が弛緩することによって容器が変形してしまうと
いう不都合をなくすことができる。
【0029】また、シート3の急冷を防止して成形する
ことができるので、成形時にシート3が無理に引き延ば
されて内部の気泡構造が破損を受けるということがな
い。これにより、成形品2の断熱性能や緩衝性能が損な
われることがなく、従来のものにくらべて品質,性能を
一層向上させることができるという利点がある。
【0030】加えて、シート3を溶融状態に近い状態で
成形するから、キャビティ内の隙間寸法をシート3の厚
み寸法の40パーセント〜100パーセントの範囲で任
意に設定した場合であっても、きわめて高精度に成形品
の仕上寸法を実現することができる。
【0031】次に、本実施の形態の変形例について説明
する。上記実施の形態では、金型9,10をすべて金属
で構成したが、本変形例では、雄型の金型9の凸部20
を合成樹脂で形成する。本変形例では、合成樹脂とし
て、フィラー入りのウレタン系合成樹脂を採用してい
る。この合成樹脂は、耐熱性に優れ、かつ熱伝導率が
0.12kcal/mh℃であり、アルミニウム等の金
属材料にくらべて熱伝導性の低い材料である。
【0032】本変形例では、金型9の凸部20に熱伝導
性の低い材料を使用することによって、金型9との間に
熱伝導性の低い部材を介在させた状態でシート3を成形
することになる。これにより、予備加熱されたシート3
が成形の際中に急冷されるのを一層効果的に防止するこ
とができる。その結果、成形時にシート3が引っ張られ
ても、成形後のシート7に残留応力が生じるのを一層な
くすことができると共に、シート3内部の気泡構造の破
損を一層効果的になくすことができるという利点があ
る。
【0033】なお、本変形例では、凸部20に使用する
合成樹脂として熱伝導率が0.12kcal/mh℃で
あるフィラー入りのウレタン系合成樹脂を採用したが、
熱伝導率が0.5kcal/mh℃以下のものであれば
シート3の急冷を避けることができるので、他の材料で
も良い。加えて、熱伝導率が0.5kcal/mh℃以
下のものであれば熱伝導率が低いものほど好ましいが、
現状では、一般的に入手できる最も熱伝導率の低い材料
としては、0.08kcal/mh℃のものである。こ
のような熱伝導率を有する材料としては、たとえばグラ
スファイバ等が挙げられる。
【0034】また、本変形例では、雄型の金型9側に合
成樹脂を使用したが、雌型の金型10側に合成樹脂を使
用することもできる。要するに、シート3の成形の際
に、熱伝導性の低い材料を介在させれば良い。
【0035】以下に、本発明の実施の形態に係る成形方
法により成形した成形品について、加熱変形の程度等を
従来の成形方法で成形したものと比較し、これについて
考察を行う。比較データは、図5に示し、本発明の実施
の形態に係る成形方法により成形した成形品は実施例1
〜3に、従来の成形方法で成形した成形品は比較例とし
て示す。
【0036】(1) 供試原反,供試成形品 供試原反は、ポリプロピレン系樹脂発泡シートであり、
厚さが1.5mm,密度0.2g/cm3 である。ま
た、供試成形品としては、ポリプロピレン系樹脂発泡シ
ートを用いて成形したレトルト食品用容器である。供試
成形品の設計形状,設計寸法は図4に示す通りであり、
抜き寸Wが114×114mm,容器内径が100m
m,深さが40mm(全高Hが42mm),側壁肉厚寸
法、すなわち金型のキャビティのクリアランスが1.0
mmである。
【0037】(2) 実験条件 共通条件 成形装置としては、図1に示すものを使用し、金型によ
るマッチモールド真空成形を行う。
【0038】 比較例 予備加熱は、オーブンにより、180℃雰囲気中で30
秒間加熱する。金型温度は、30℃に設定する。
【0039】 実施例1 予備加熱は、オーブンにより、180℃雰囲気中で45
秒間加熱する。金型温度は、40℃に設定する。
【0040】 実施例2 予備加熱は、オーブンにより、180℃雰囲気中で45
秒間加熱する。金型温度は、60℃に設定する。
【0041】 実施例3 予備加熱は、オーブンにより、180℃雰囲気中で45
秒間加熱する。金型温度は、60℃に設定する。金型と
ポリプロピレン系樹脂発泡シートとの間に、熱伝導率が
0.12kcal/mh℃であるフィラー入りのウレタ
ン系合成樹脂を介在させた状態で成形する。
【0042】(3) 検査項目 加熱変形 各供試成形品を温度が135℃の雰囲気中に20分間放
置し、常温雰囲気中で自然冷却する。このとき、図4に
おいてW(114×114)の寸法を基準として加熱変
形(収縮率)を計測する。加熱変形は、(加熱前寸法−
加熱後寸法)×加熱前寸法×100(%)として定義す
る。
【0043】 加圧加熱処理による表面状態の変化 各供試成形品を温度が125℃,圧力が0.25MPa
の過熱蒸気雰囲気中に30分間放置した後の各供試成形
品の表面状態を観察する。図5では、表面状態が全く変
化しない場合は〇印,部分的に表面荒れが発生した場合
は△印,全体的に表面荒れが発生した場合は×印を記し
ている。
【0044】 気泡構造 各供試成形品を切断し、その断面に現れる気泡の形状を
観察する。
【0045】 容器側壁厚み 各供試成形品を切断し、その断面の厚み寸法を計測す
る。
【0046】 成形時のシート温度 金型により成形する直前のポリプロピレン系樹脂発泡シ
ートの表面温度を計測する。
【0047】(3) 結果と考察 以上の条件の下に成形を行い、供試成形品の加熱変形の
程度等の結果を図5に示す。図5から明らかなように、
予備加熱を十分に行わない場合(比較例)には、容器厚
み寸法は、設計寸法が1.0mmであるにもかかわらず
仕上寸法が1.3mmと厚くなっている。これに対し
て、実施例では、1.0〜1.1mmであり、きわめて
精度の高い仕上寸法となっている。
【0048】気泡構造については、比較例では、気泡が
引き延ばされた伸張型であるが、実施例2,実施例3で
は、良好な気泡構造となっている。また、実施例1で
は、気泡が伸張型と球形型とが混在しているが、比較例
では伸張型のみであるのに比べて明らかに改善されてい
る。
【0049】加熱変形の程度については、比較例が1.
21%であるのに対して実施例2,実施例3では、0.
65%,0.61%であり、加熱変形に関して著しい改
善がなされている。また、実施例1では、加熱変形が
0.94%であるが、比較例に比べて明らかに改善され
ている。
【0050】表面状態の変化については、比較例が全体
的に表面荒れが目立つのに対して、実施例2,実施例3
では、表面状態が全く変化しておらず、表面荒れに関し
て著しい改善がなされている。また、実施例1では、部
分的に表面荒れが発生しているものの、比較例に比べて
明らかに改善されている。
【0051】
【発明の効果】請求項1に係る発明によれば、ポリプロ
ピレン系樹脂発泡シートを成形時の急冷を防止して溶融
状態に近い状態で成形することができるから、成形後の
成形品に残留応力が生じるのを極力なくすことができ
る。これにより、成形品をレトルト食品用の容器として
使用し、これを電子レンジ等で加熱した場合であって
も、上記残留応力の弛緩による容器の変形を極力抑える
ことができ、実用上、熱による変形をなくすことができ
るという効果がある。
【0052】また、ポリプロピレン系樹脂発泡シートの
急冷を防止して成形することができるので、成形時にポ
リプロピレン系樹脂発泡シートが無理に引き延ばされる
ことがなく、内部の気泡構造が破損を受けることがな
い。これにより、成形品の断熱性能や緩衝性能が損なわ
れることがなく、従来のものにくらべて品質,性能を一
層向上させることができるという効果もある。
【0053】請求項2に係る発明によれば、請求項1に
係る発明と同様の効果を奏する。加えて、本請求項に係
る発明では、成形時にポリプロピレン系樹脂発泡シート
の冷却を極力抑えることができるから、内部の気泡構造
の破損を一層抑えることができ、その結果、従来の成形
品にくらべて品質,性能をなお一層向上させることがで
きるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るポリプロピレン系樹
脂発泡シートの成形方法を実施するための成形装置を模
式的に示す図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る成形装置の金型が型
開きされた状態を示す模式図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る成形装置の金型が肩
締めされた状態を示す模式図である。
【図4】比較試験の供試成形品の形状を示す図であり、
(a) 図は平面図,(b) 図は正面図である。
【図5】比較試験の結果を示す図である。
【符号の説明】
1 装置 2 成形品 3 シート 4 オーブン 5,6 プレス機

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリプロピレン系樹脂発泡シートを予備加
    熱した後、成形金型により所望の成形品を得るポリプロ
    ピレン系樹脂発泡シートの成形方法において、 上記成形金型の温度を予め40℃〜100℃に設定して
    おき、上記予備加熱によってポリプロピレン系樹脂発泡
    シートの表面温度を160℃〜200℃に設定した後
    に、上記金型により成形することを特徴とするポリプロ
    ピレン系樹脂発泡シートの成形方法。
  2. 【請求項2】請求項1記載のポリプロピレン系樹脂発泡
    シートの成形方法において、 上記成形金型による成形時に、熱伝導率が0.5kca
    l/mh℃以下の介在部材を成形金型とポリプロピレン
    系樹脂発泡シートとの間に介在させることを特徴とする
    ポリプロピレン系樹脂発泡シートの成形方法。
JP10054790A 1998-03-06 1998-03-06 ポリプロピレン系樹脂発泡シートの成形方法 Pending JPH11254518A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020186016A (ja) * 2019-05-10 2020-11-19 王子ホールディングス株式会社 容器
KR102400152B1 (ko) * 2021-02-25 2022-05-18 박장원 완충체가 내장된 제품의 제조방법

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