JPH11253733A - 焼却炉ガスの2段階湿式無害化処理方法 - Google Patents

焼却炉ガスの2段階湿式無害化処理方法

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JPH11253733A
JPH11253733A JP37123198A JP37123198A JPH11253733A JP H11253733 A JPH11253733 A JP H11253733A JP 37123198 A JP37123198 A JP 37123198A JP 37123198 A JP37123198 A JP 37123198A JP H11253733 A JPH11253733 A JP H11253733A
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gas
exhaust gas
fly ash
dioxins
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JP37123198A
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English (en)
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Mamoru Iwasaki
守 岩▲崎▼
Masaru Takeda
大 武田
Kazushige Kawamura
和茂 川村
Minoru Uchida
内田  稔
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Chiyoda Corp
Chiyoda Chemical Engineering and Construction Co Ltd
Original Assignee
Chiyoda Corp
Chiyoda Chemical Engineering and Construction Co Ltd
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    • Y02W30/20Waste processing or separation

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  • Treating Waste Gases (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ダイオキシン類含有飛灰を含む焼却炉排ガス
の湿式無害化処理法において、その処理温度が水の沸点
よりも低く、ダイオキシン類の無害化コストの安価な方
法を提供する。 【解決手段】 焼却炉から発生したダイオキシン類含有
飛灰を含む焼却炉排ガスの湿式無害化処理方法であっ
て、該排ガスを第1処理液と気液接触させる第1気液接
触工程、該第1気液接触工程で得られた処理排ガスを第
2処理液と気液接触させる第2気液接触工程及び該第1
気液接触工程で該第1処理液に捕捉された飛灰及び該第
2気液接触工程で該第2処理液に捕捉された飛灰を、別
々に又は合一の状態で、溶解状態の反応触媒を含む塩酸
酸性水溶液と接触させて、該飛灰に含まれるダイオキシ
ン類を分解するダイオキシン類分解反応工程からなるこ
とを特徴とする焼却炉排ガスの湿式無害化処理方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は焼却炉排ガスの湿式
無害化処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】2,3,7,8−テトラクロロジベンゾ
−p−ジオキシン(2,3,7,8−TCDD)に代表
されるダイオキシン類は、人体に対して強い有害作用を
示すことから、その環境への排出は強く規制されてい
る。我国の厚生省は、1997年1月に「ごみ処理に係
るダイオキシン類発生防止等ガイドライン」を発表し、
新設の全連炉から排出される排ガス中のダイオキシン類
の濃度を、0.1ng−TEQ/Nm3以下とするよう
に指導している。また、環境庁は、1997年12月の
大気汚染防止法の改正に伴って、ダイオキシン類を指定
有害物質とし、一般廃棄物のみならず、産業廃棄物の焼
却において発生するダイオキシン類についても排ガス中
の濃度規制値を設けることになった。ダイオキシン類の
無害化処理法については、従来各種の方法が提案されて
いる。このような方法としては、焼却法、溶融法、熱分
解法、光分解法、オゾン分解法、過酸化水素による酸化
分解法、水熱分解法及びアルカリ分解法等が挙げられ
る。しかしながら、これらの従来法は、いずれも、その
実施に大きな困難を伴ったり、経済性の点で未だ不満足
である等の問題を含むものである。特開平10−146
574号公報によれば、焼却炉排ガス中のダイオキシン
類を含む飛灰に濃硫酸等の酸化性酸を加えてスラリー状
となし、このスラリーを100℃以上の温度に加熱して
ダイオキシン類を分解する方法が提案されている。この
方法では、比較的効率よくダイオキシン類の無害化を実
施することができるものの、その処理温度が水の沸点
(大気圧下、以下同じ)以上の温度である100℃以
上、好ましくは200℃以上でしかも水を蒸発させなが
ら処理を行うことから、エネルギーの消費割合が大きい
上に、装置コストが高い等の問題を含む。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ダイオキシ
ン類含有飛灰を含む焼却炉排ガスの湿式無害化処理法に
おいて、その処理温度が水の沸点よりも低く、ダイオキ
シン類の無害化コストの安価な方法を提供することをそ
の課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、意外にも、ダイオ
キシン類は、100℃より低い温度において、反応触媒
を溶解状態で含む塩酸酸性水溶液と接触させることによ
って無害化し得ることを見出し、本発明を完成するに至
った。即ち、本発明によれば、焼却炉から発生したダイ
オキシン類含有飛灰を含む焼却炉排ガスの湿式無害化処
理方法であって、該排ガスを第1処理液と気液接触させ
る第1気液接触工程、該第1気液接触工程で得られた処
理排ガスを第2処理液と気液接触させる第2気液接触工
程及び該第1気液接触工程で該第1処理液に捕捉された
飛灰及び該第2気液接触工程で該第2処理液に捕捉され
た飛灰を、別々に又は合一の状態で、溶解状態の反応触
媒を含む塩酸酸性水溶液と接触させて、該飛灰に含まれ
るダイオキシン類を分解するダイオキシン類分解反応工
程からなることを特徴とする焼却炉排ガスの湿式無害化
処理方法が提供される。
【0005】
【発明の実施の形態】本明細書で言うダイオキシン類と
は、2,3,7,8−テトラクロロジベンゾ−p−ジオ
キシン(2,3,7,8−TCDD)及びその類縁化合
物を指し、ジベンゾ−p−ジオキシン核に1〜8個の塩
素原子が置換したポリクロロジベンゾ−p−ジオキシン
類(PCDDs)及びジベンゾフラン核に1〜8個の塩
素原子が置換したポリクロロジベンゾフラン類(PCD
Fs)等を包含する。
【0006】ダイオキシン類は、前記のように種々の塩
素化合物を包含するが、その具体的種類により、各種ダ
イオキシン類の有害性の程度はそれぞれ異なるため、各
種ダイオキシン類の混合物全体としての有害性を評価す
るには異なるダイオキシン類の有害性を区別して評価す
る尺度が必要になる。このため、各種ダイオキシン類の
短期間での毒性評価結果に基づき、各種ダイオキシン類
の量をそれと同程度の毒性を有する2,3,7,8−T
CDDの量に換算する係数(毒性当量係数(TEF))
が求められており、各種ダイオキシン類のそれぞれの実
際の量にこの毒性当量係数を乗じた値を加え合わせたも
のが毒性等価換算値(TEQ)と呼ばれて、ダイオキシ
ン類の排出量や濃度を表すのに用いられている。
【0007】本発明によるダイオキシン類の無害化は、
ダイオキシン類に反応触媒を溶解状態で含む塩酸酸性水
溶液(以下、単に水溶液とも言う)を接触させることを
特徴とする。この場合、その接触温度は、水の沸点(1
00℃)より低い温度であり、好ましくは80℃以下の
温度である。その下限温度は、30℃程度である。本発
明で反応処理剤として用いる前記水溶液において、その
Cl-イオン濃度は、水溶液1リットル当り、10ミリ
モル以上、好ましくは100ミリモル以上であり、その
上限値は3000ミリモル程度である。そのpHは、7
以下、好ましくは6以下であり、その下限値は、通常、
2程度である。この水溶液は、他の無機酸、例えば硫酸
を含むことができるが、この場合、水溶液中のCl-
オンとSO4 2-イオンとのモル比[Cl-]/[S
4 2-]は、5以上、好ましくは20以上に調節するの
がよい。この場合、その上限値は特に制約されない。ダ
イオキシン類と水溶液との接触方法としては、ダイオキ
シン類を含有する飛灰を水溶液中で撹拌する方法や、飛
灰に水溶液をスプレーさせて接触させる方法、充填塔や
棚段塔で接触させる方法等が挙げられる。なお、本明細
書で言う塩酸酸性水溶液とは、塩素イオンを含有する酸
性水溶液を意味し、酸性を維持するための酸は、塩酸、
硫酸、硝酸等が挙げられるが、塩酸の使用が好ましい。
また、ダイオキシン類の分解とは、ダイオキシン類が非
ダイオキシン化することを意味する。
【0008】本発明で用いる塩酸酸性水溶液は、ダイオ
キシン類の分解を促進させる反応触媒を含有する。本発
明者らの研究により、100℃より低い温度において、
前記水溶液をダイオキシン類に接触させることによりダ
イオキシン類を無害化し得ることが明らかにされたが、
反応触媒を含有しない水溶液を用いる場合には、ダイオ
キシン類を無害化するのに相当の長時間を要することに
なるため、その反応触媒を水溶液に含有させることは、
工業的又は商業的観点からは非常に重要になる。このよ
うな反応触媒としては、金属イオンが用いられるが、こ
の場合の金属は、低次価数と高次価数をとり得る金属で
あれば、遷移金属でもそれ以外の金属でもよい。このよ
うな金属には、鉄、マンガン、銅、ニッケル、コバル
ト、モリブデン、クロム、バナジウム、タングステン、
銀、スズ等が包含される。金属イオンは1種又は2種以
上の混合物であることができる。金属イオンには、通常
の金属イオンの他、錯イオンも包含される。本発明者ら
の研究によれば、銅イオン又は鉄イオンが好ましい。水
溶液中に含有させる触媒金属イオンの量は、特に制約さ
れないが、銅イオンの場合、金属換算量で、20〜1
0,000mg/リットル、好ましくは100〜5,0
00mg/リットル程度である。10,000mg/リ
ットルを超えても、その添加効果の増加は期待できな
い。また、他の金属イオンの場合も、その量は、銅イオ
ンの場合と同程度である。本発明で用いる反応触媒は、
一般には、塩化物、酸化物、炭酸塩、硫酸塩等の金属酸
化物又は金属塩の形で供給される。本発明で用いるダイ
オキシン類を無害化させる反応処理剤としての塩酸酸性
水溶液は、これらの金属酸化物や金属塩を溶解状態で含
むが、この場合、その反応触媒は未溶解分を含むことが
できる。この未溶解分は、通常、溶解状態へ移行する過
程にある。このような溶解状態へ移行する過程にある未
溶解分を含む反応触媒も、有効に作用する。本発明で用
いる反応触媒としては、飛灰や炉灰等の焼却灰中に含ま
れている金属成分を利用することができる。焼却灰には
前記した如き反応触媒として作用する金属が含まれてい
る場合が多い。このような焼却灰中に含まれている金属
成分を反応触媒として利用するには、焼却灰を塩酸水溶
液中に加えて攪拌すればよい。このような焼却灰中の金
属成分は金属イオンとしてその塩酸水溶液中に溶出され
る。そして、このような金属イオンを溶解状態で含有す
る塩酸酸性水溶液は、本発明におけるダイオキシン類に
対する反応処理剤として用いることができる。本明細書
において言う反応触媒は、自らの価数を変化させなが
ら、ダイオキシン類を無害化させる作用を有するものも
包含するものである。従って、反応触媒として用いる前
記金属イオンは、同じ価数のものである必要はなく、低
次価数金属イオンと高次価数金属イオンの混合物である
ことができ、例えば、一価銅イオンと二価銅イオンとの
混合物等であることができる。また、反応中にその金属
イオンの価数が増加又は減少するものであってもよい。
本発明で用いる好ましい反応処理剤は、例えば、塩化第
1銅と塩化第2銅を包含する塩酸酸性水溶液からなるも
のである。
【0009】本発明で反応処理剤として用いる水溶液に
は、水溶液とダイオキシン類との接触を促進させるよう
な物質(接触促進剤)を含有させることができる。この
接触促進剤には、界面活性剤やアルコール類が包含され
る。この場合の界面活性剤の種類は、特に制約されず、
陰イオン系、陽イオン系、非イオン系及び両性の界面活
性剤が使用可能である。界面活性剤の添加量は0.00
5〜1重量%、好ましくは0.01〜0.5重量%であ
る。アルコール類としては、低級アルコールが好ましく
用いられ、その具体例としては、メタノール、エタノー
ル、プロパノール等が挙げられる。その添加量は、0.
5〜10重量%、好ましくは1〜10重量%である。ま
た、本発明においては、水溶液とダイオキシン類との接
触を促進させるために、その水溶液に超音波を照射する
ことが好ましい。超音波としては、エマルジョン調製用
等に一般的に採用されている超音波が用いられる。さら
に、本発明によれば、必要に応じ、その水溶液には、酸
素又は酸素含有気体を接触させてその水溶液中の溶存酸
素濃度を高めることもできる。溶存酸素の存在は、反応
触媒の活性発現を促進させ、ダイオキシン類の分解を効
果的に促進させる。この場合の水溶液と酸素又は酸素含
有ガスとの接触方法としては、水溶液中に酸素又は酸素
含有ガスを吹込む方法や、水溶液の微細液滴に酸素又は
酸素含有ガスを接触させる方法、充填塔において水溶液
と酸素又は酸素含有ガスとを向流接触させる方法等が挙
げられる。酸素含有ガスとしては、空気や酸素富化空気
等が挙げられる。
【0010】次に、本発明を図面を参照して説明する。
図1において、1は第1気液接触工程、2は第2気液接
触工程、3はダイオキシン類分解反応工程、4は固液分
離工程、5は排水処理工程、6は飛灰処理工程を示す。
図1に示すフローシートに従って焼却炉排ガスを無害化
処理するには、焼却炉排ガスをライン11から第1気液
接触工程1に導入し、第1処理液と接触させて、排ガス
中に含まれる酸性ガス及び飛灰を第1処理液に捕捉さ
せ、排ガス中から分離する。第1処理工程1で用いる第
1処理液は、主に、排ガス中に含まれる塩化水素(HC
l)及び飛灰を液中に捕捉させるためのものである。こ
の第1処理液としては、工業用水や酸性水溶液、ダイオ
キシン類分解反応触媒を含有する塩酸酸性水溶液等が用
いられる。酸性水溶液や反応触媒を含む塩酸酸性水溶液
を用いる場合、そのpHを2〜4の範囲に調節するのが
よい。第1処理液としてこのようなpHが2〜4の酸性
水溶液を用いるときには、その処理液に排ガス中のHC
lを効果的に吸収させ、排ガスから除去することができ
る。
【0011】焼却炉排ガスを前記第1処理液と接触させ
る場合、その第1処理液の温度及び使用量は、その排ガ
スの温度及び量に依存するが、一般的には、気液接触処
理時の処理液の温度が100℃より低い温度、好ましく
は80℃以下であるような温度及び使用量である。排ガ
スの温度が100℃以上の場合、例えば110〜300
℃の場合には、第1処理液は、排ガスの冷却用液として
の機能を持つことが必要になり、温度の低い比較的多量
の処理液を用いたり、スプレーノズルを多数配置するな
ど排ガスとの気液接触を良くすることが必要になる。こ
の第1処理液を用いる気液接触工程においては、排ガス
中の飛灰の30〜95%、好ましくは80〜95%が処
理液中に捕捉分離される。このような飛灰の分離におい
ては、粒径の大きい飛灰が優先的に第1処理液に捕捉さ
れる。また、排ガス中のHClはそのほとんどが第1処
理液に吸収される。
【0012】第1気液接触工程1を実施する装置は、排
ガス中の飛灰を処理液中に捕捉分離させ得る構造のもの
であればよい。このような装置としては、液スプレーノ
ズルを有し、そのスプレーノズルから噴出される微細液
滴粒子とガスとを接触させる構造の装置や、ガス吹き込
みノズルを有し、液中にガスを噴出させる構造の装置等
が用いられる。
【0013】前記第1気液接触工程1で第1処理液との
接触処理を受けた処理排ガスは、これをライン12を通
って第2気液接触工程2へ導入し、ここで排ガス中に残
存する酸性ガス及び飛灰が除去される。第2気液接触工
程は、主に、排ガス中に残存するSO2及び飛灰を排ガ
スから分離するためのものである。これを実施するため
の第1の方法としては、排ガスを第2処理液と接触させ
て排ガス中に残存するSO2及び飛灰を除去する。同時
に、第2気液接触工程で排ガスを第2気液接触工程入口
排ガスより低い温度に冷却して排ガス中の水分を凝縮さ
せ、水分の凝縮ミストと共に、排ガス中の残留飛灰を第
2気液接触工程の上部に設置したミスト分離器により除
去する。この場合には、第1気液接触工程を通り抜けて
排ガス中に残留する飛灰微粒子を核として水分ミストが
発生するため、微粒子の重量や粒径が大きくなり、ミス
ト分離器で捕捉しやすくなる。ミスト分離器としては、
衝突により除去するデミスターや湿式電気集塵機などが
使用できるが、湿式電気集塵機が好ましい。この湿式電
気集塵機の洗浄液としては、工業用水や第2処理液を用
いることができ、湿式電気集塵機を通過する排ガスと同
じ温度またはそれより低い温度で用いることが望まし
い。第2気液接触工程で排ガスを第2気液接触工程入口
排ガスより低い温度に冷却する方法としては、第2処理
液を第2気液接触工程入口排ガスより低い温度に冷却し
て排ガスと接触させる直接冷却方法や、第2気液接触工
程に熱交換器を配置して排ガスを間接冷却する方法等が
使用できる。この場合の第2処理液は排ガスからの凝縮
水をそのまま用いることもできるし、酸性水溶液やダイ
オキシン類分解反応用の反応触媒を含有する塩酸酸性水
溶液等が使用できる。第2処理液はpHを4〜6の範囲
に調節することが好ましく、これにより排ガス中に残存
するSO2を排ガス中から効果的に除去することができ
る。また、第2処理液との接触でも、排ガス中に残存す
る飛灰は除去され、上記した水分ミストによる除去と併
せ、飛灰はほぼ完全に除去される。この第2気液接触工
程2における排ガスの冷却温度は、第2気液接触工程入
口排ガス温度より低い温度で水分が凝縮する温度であれ
ばよく、通常は第2気液接触工程入口排ガス温度より5
〜40℃程度、好ましくは5〜30℃程度低い温度が使
用される。
【0014】この第2気液接触工程2を実施する装置と
しては、気体と液体を接触させるための通常使用される
装置、例えばスプレー塔、充填塔等が使用できる。上記
した熱交換器による間接冷却を行う場合には、スプレー
塔、充填塔等の塔内の適当な場所に熱交換器を配置すれ
ば良い。また、湿式電気集塵機は塔内の上部に設置する
か、あるいは塔外に配置しても良い。
【0015】第2の方法としては、第2気液接触工程に
活性炭を充填した充填塔を用い、排ガス中のSO2と残
留飛灰に加え、ガス状のダイオキシン類をも吸着除去さ
せる。更に、反応触媒を溶解状態で含有した塩酸酸性水
溶液からなる第2処理液を活性炭充填層に接触させるこ
とで、活性炭に吸着されたダイオキシン類を分解する。
また、排ガス中に残存するSO2は活性炭に吸着された
後、その触媒酸化作用で硫酸に変換されて除去される。
生成した硫酸は排ガス中の水分を吸収して希硫酸とな
り、活性炭内部より溢流して活性炭充填層を流下する。
更に第2処理液との接触で、排ガス中に残存する飛灰も
除去される。この場合の第2気液接触工程2における接
触温度は、第2気液接触工程入口排ガス温度そのままで
よく、通常、30〜80℃、好ましくは50〜70℃で
ある。第2気液接触工程2での第2処理液のpHは、S
2が活性炭による吸着と触媒酸化作用で除去されるた
め高いpHである必要はなく、活性炭に吸着されたダイ
オキシン類の分解に有効なpH2〜6の範囲に調節する
のが好ましい。使用する活性炭としては、粒状、ハニカ
ム状等で、排ガスの圧力損失の小さい形状のものが好ま
しい。粒状の活性炭としては平均粒径2mm以上が好ま
しく、ガス処理用や水処理用に通常用いられる活性炭が
使用できる。これらの活性炭は疎水化処理をしたものが
好ましく、加熱処理や弗化処理、あるいはポリプロピレ
ン、塩化ビニル樹脂、テフロン等の疎水性粒子の担持な
どが使用できる。疎水性粒子の担持量としては1〜15
%、好ましくは3〜10%が良い。また、ハニカム状活
性炭としては、活性炭粉末とテフロンディスパージョン
等の疎水性粒子の分散剤を混合してハニカム状に成形し
たものなどが使用できる。疎水性粒子の含有量としては
3〜20%、好ましくは5〜15%が良い。このような
活性炭を用いるときには、ダイオキシン類はその疎水性
表面に効果的に吸着され、さらに反応触媒を含有する塩
酸酸性水溶液と接触することで、排ガス中からの除去及
び分解無害化が達成される。
【0016】第2気液接触工程で得られる処理排ガス
は、ライン13を通って排出され、必要に応じ、白煙防
止等の処理を施して大気へ放出される。第2気液接触工
程で排ガスを冷却する方法の場合には、処理排ガス中の
水分濃度が低下しているため、白煙防止のため通常実施
される排ガスの加熱処理に要する熱負荷が軽減できる。
【0017】第2気液接触工程2から排出される第2処
理液(第2処理排液)は、これをライン23を通して第
1気液接触工程1へ循環し、第1処理液の少なくとも一
部として用いるのが好ましい。また、その循環液の一部
又は循環液中の固形分を直接分解反応工程3に導入する
こともできる。
【0018】前記第1気液接触工程1で得られる第1処
理液(第1処理排液)に捕捉された飛灰及び前記第2気
液接触工程2で得られる第2処理液(第2処理排液)に
捕捉された飛灰は、別々に又は合一状態で、ダイオキシ
ン類分解反応工程3において、反応触媒を溶解状態で含
む塩酸酸性水溶液(処理剤)を接触させる。このための
方法としては、それら飛灰を含む処理液を処理剤中に添
加し、所定時間撹拌する方法の他、第1処理液及び第2
処理液のうち、少なくともその第1処理液としては、反
応触媒を含む塩酸酸性水溶液を用いて気液接触処理を行
い、気液接触処理後の飛灰を含む処理液を、分解反応工
程3で用いる反応容器内において所定時間撹拌する方法
等を挙げることができる。少なくとも第1処理液として
用いるこの反応触媒を含む塩酸酸性水溶液において、そ
の反応触媒としての金属イオンは、外部から添加するこ
とができる他、飛灰をその塩酸酸性水溶液に接触させた
ときに飛灰から溶出する金属イオンを利用することがで
き、また、塩酸酸性水溶液の形成に必要な塩化水素(H
Cl)は外部から添加することができる他、排ガス中に
含まれる塩化水素を用いることができる。排ガスが塩化
水素を含むとともに、触媒金属含有飛灰を含むときに
は、反応触媒を含む塩酸酸性水溶液は、第1気液接触工
程において、その排ガスを工業用水と接触させることに
より調製することができる。
【0019】前記ダイオキシン類分解反応工程3におい
ては、その飛灰に付着するダイオキシン類の分解率が、
通常、60%以上、好ましくは80%以上、より好まし
くは90%以上となるように操作する。分解反応工程3
で用いる分解反応容器としては、通常の撹拌型反応容器
を用いることができる。また、この分解反応工程は、1
段階の処理工程で実施し得る他、直列多段の処理工程で
実施することができる。分解反応工程3で得られた分解
処理液は、これを固液分離工程4で液中に含まれる飛灰
を分離し、得られた飛灰をライン16を通って飛灰処理
工程6に導入して処理する。
【0020】固液分離工程4においては、処理液中の飛
灰が分離されるが、このための装置としては、濾過装置
や、遠心分離装置等が用いられる。この固液分離工程4
で得られる固体状(ケーク状)の分離飛灰は、飛灰処理
工程6で乾燥処理される。このようにして得られる乾燥
飛灰は、ライン18を通して抜出され、安定化飛灰とし
て回収される。
【0021】固液分離工程4で得られる分離液(排水)
は、これをライン17を通して抜出し、必要に応じ、排
水処理工程5で所要の処理を施した後放流される。ま
た、固液分離工程4で分離された分離液の一部は、ライ
ン19を通って前記第1気液接触工程1及び/又は第2
気液接触工程2に循環され、第1処理液及び/又は第2
処理液の少なくとも一部として使用される。これによっ
て第1処理液中に蓄積した反応触媒を第2気液接触工程
で使用することができる。また、必要に応じ第2処理液
にも反応触媒を添加することができる。なお、第2気液
分離工程2に関連して示したライン22は、第2処理液
の一部を第2気液接触工程に付設された湿式集塵装置に
供給するラインを示す。
【0022】前記のようにして焼却炉排ガスを無害化処
理する場合、第1気液接触工程1で得られた飛灰を含む
処理液は、濃縮工程でその処理液中の飛灰濃度を高めた
後、分解反応工程3へ導入することもできる。この場合
の濃縮工程で用いる濃縮装置としては、シックナーや、
サイクロン等が用いられる。この濃縮工程では、飛灰を
高濃度、通常、1〜20重量%、好ましくは4〜20重
量%で含むスラリー液と、飛灰濃度が0.5重量%以
下、好ましくは実質的にゼロ%の希薄液が得られるが、
そのスラリー液は、前記したように分解反応工程3へ導
入され、その希薄液は、前記第1気液接触工程1及び/
又は第2気液接触工程2に送り、第1処理液及び/又は
第2処理液の一部として用いる。
【0023】本発明の具体的実施態様の1つの例につい
て、図2を参照して説明する。図2において、31は焼
却炉、32は廃熱ボイラ、33は第1気液接触装置、3
4は第2気液接触装置、35は湿式電気集塵装置、36
はダイオキシン類分解反応装置、37は固液分離装置を
示す。図2に示すフローシートに従って焼却炉排ガスを
無害化処理するには、焼却炉31で生じたダイオキシン
類含有飛灰を含む焼却炉排ガスは、これをライン41を
通って廃熱ボイラー32に導入し、ここでその熱量を回
収した後、ライン42を通って第1気液接触装置33に
導入する。第1気液接触装置33に導入された排ガス
は、ライン45を通って塔内にスプレーされている第1
処理液の微細液滴粒子と接触して急冷されると同時に、
排ガス中の飛灰の一部及びHClの大部分はその第1処
理液に捕捉され、排ガス中から分離される。排ガスは、
この第1気液接触処理により、その温度を45〜75
℃、好ましくは50〜70℃に低下される。この冷却さ
れかつその飛灰の一部及びHClの大部分が除去された
処理排ガスは、これをライン43を介し、第2気液接触
装置34に導入し、ここで第2処理液と接触させる。こ
の気液接触により、排ガス中に含まれている残存飛灰及
びSO2はその第2処理液に捕捉され、排ガス中から除
去される。
【0024】図2に示した第1気液接触装置33は、塔
内上部に液スプレーノズルを有し、塔内底部に貯留され
ている第1処理液をライン45を介してそのスプレーノ
ズルからスプレーさせてガスと接触させる構造のもので
あるが、必ずしもこのような装置に限られるものではな
く、例えば、液を収容させたタンク内の液中にガス吹き
込みノズルを介してガスを噴出させて気液接触を行うよ
うな構造のものであることができる。また、図2に示し
た第2気液接触装置34は、内部に充填層を形成した構
造のもので、その充填層Fの上方に液スプレーノズル5
7を有するものである。充填層の充填材としてはテラレ
ット等の公知のものが使用できる。そして、この装置の
充填層Fのさらに上方には、湿式電気集塵装置35が付
設されている。この場合の湿式電気集塵装置35は、必
ずしもその充填層Fの上方に配設する必要はなく、第2
気液接触装置34から独立させて配設することができ
る。
【0025】第1気液接触装置33においては、その第
1処理液として、反応触媒を含む塩酸酸性水溶液がその
装置内底部に貯留され、この水溶液がポンプ及びライン
45を通って装置内上部からスプレーされ、装置内に
は、その水溶液の微細液滴粒子が充満されている。廃熱
ボイラー32及びライン42を通って導入された焼却炉
排ガス(その温度は、通常、150〜300℃程度であ
る)は、この水溶液の微細液滴粒子と接触し、そのガス
中に含まれる飛灰及びHClの大部分はその液滴粒子に
捕捉され、排ガス中から分離される。飛灰等を捕捉した
液滴粒子は装置内を下降し、装置底部の貯留液に合一化
される。この第1気液接触処理においては、第1気液接
触装置に用いる第1処理液のpHを2〜4の範囲に調節
することにより、排ガス中に含まれるHClをその処理
液に効率よく捕捉分離することができる。前記のように
して排ガスの第1気液接触処理を行うことにより、排ガ
ス中に含まれる飛灰の30〜95%、好ましくは80〜
95%が第1処理液に捕捉除去される。また、排ガス中
に含まれるHClの90%以上、好ましくは95%以上
が第1処理液に捕捉除去される。前記第2気液接触装置
34に対しては、固液分離装置37で得られる排水の一
部を第2処理液としてライン51を通って循環させる。
この循環液は、装置34の下部に導入され、その装置底
部の貯留液と合一化される。この装置底部の貯留液は、
ライン52、ポンプを通って冷却器55に導入され、こ
こで、30〜50℃程度の温度に低下された後、その一
部は、ライン56を通り、液スプレーノズル57からス
プレーされ、その残部はライン58を通って液スプレー
ノズル59からスプレーされる。
【0026】第2気液接触工程34においては、充填層
F内を第2処理液が上方から下方に向けて流下し、その
間に下方から上昇する排ガスと接触する。この接触によ
り、排ガス中の残存飛灰及びSO2はその流下処理液に
捕捉され、その飛灰を捕捉した処理液は、充填層Fから
装置底部の貯留液に下降し、合一化される。第2気液接
触装置34の充填層Fの上方空間には、冷却された第2
処理液がスプレーされ、その空間温度は、ライン43を
通って装置34内に導入される排ガスの温度よりも低め
られていることから、その空間より下方に存在する排ガ
ス中の水分は凝縮ミスト化される。このとき、排ガス中
の水分は残留する飛灰微粒子を核として水分ミストが発
生するため、重量や粒径の大きい捕捉しやすいミストが
生成する。第2気液接触装置34を通過した前記凝縮ミ
ストを含む排ガスは、湿式電気集塵装置35に導入さ
れ、ここで水分凝縮ミスト及び飛灰を含む水分凝縮ミス
トが除去される。除去されたミストは、その上方のスプ
レーノズル59からのスプレーにより形成された装置内
を下降する冷却された第2処理液(ミスト除去用処理
液)により電極表面から洗い流され、下部の充填層を通
過して、第2気液接触装置2底部の貯留液に下降し、合
一化される。湿式電気集塵装置35を通過した排ガス
は、ライン44を通って、必要に応じて白煙防止のため
の処理等を施した後、大気へ放出される。前記第2処理
液は、そのpHを4〜6に調節するのが好ましく、これ
により排ガス中に含まれるSO2を効率よく捕捉除去す
ることができる。
【0027】第2気液接触装置34の底部の貯留液の一
部は、ライン52、ポンプ及びライン53を通って第1
気液接触装置33に循環され、第1処理液として使用さ
れる。
【0028】第1気液接触装置33で得られる装置底部
に貯留された飛灰を含む第1処理液の一部は、ライン4
6を通ってダイオキシン類分解反応装置36に導入さ
れ、ここで所定時間撹拌保持され、飛灰に付着するダイ
オキシン類が分解除去される。このダイオキシン類分解
反応装置36で得られた処理液は、ライン47及びポン
プを通って固液分離装置37に導入され、ここで液中の
飛灰が分離され、その分離飛灰はライン48を通って排
出される。一方、分離水(排水)はライン49、ポンプ
を通り、その一部はライン51及びライン61を通って
第1気液接触装置33及び/又は第2気液接触装置34
に循環され、その残部はライン70を通り、必要に応
じ、適宜の排水処理を施して放流される。補給用の処理
液は、必要に応じライン60からライン51に導入され
る。
【0029】本発明の具体的実施態様の他の例につい
て、図3を参照して説明する。図3において、31は焼
却炉、32は廃熱ボイラ、33は第1気液接触装置、3
4は第2気液接触装置、36はダイオキシン類分解反応
装置、37は固液分離装置を示す。図3に示すフローシ
ートに従って焼却炉排ガスを無害化処理するには、焼却
炉31で生じたダイオキシン類含有飛灰を含む焼却炉排
ガスは、これをライン41を通って廃熱ボイラー32に
導入し、ここでその熱量を回収した後、ライン42を通
って第1気液接触装置33に導入する。第1気液接触装
置33に導入された排ガスは、ライン45を通って塔内
にスプレーされている第1処理液の微細液滴粒子と接触
して急冷されると同時に、排ガス中の飛灰の一部及びH
Clの大部分はその第1処理液に捕捉され、排ガス中か
ら分離される。排ガスは、この第1気液接触処理によ
り、その温度は45〜75℃、好ましくは50〜70℃
に低下される。この冷却されかつその飛灰の一部及びH
Clの大部分が除去された排ガスは、これをライン43
を介し、第2気液接触装置34に導入し、ここで第2処
理液と接触させる。この気液接触により、排ガス中に含
まれている残存飛灰及びSO2はその第2処理液に捕捉
され、排ガス中から除去される。
【0030】図3に示した第1気液接触装置33は、塔
内上部に液スプレーノズルを有し、塔内底部に貯留され
ている第1処理液をライン45を介してそのスプレーノ
ズルからスプレーさせてガスと接触させる構造のもので
あるが、必ずしもこのような装置に限られるものではな
く、例えば、液を収容させたタンク内の液中にガス吹き
込みノズルを介してガスを噴出させて気液接触を行うよ
うな構造のものであることができる。また、図3に示し
た第2気液接触装置34は、内部に活性炭層Fを形成し
た構造のもので、その活性炭層Fの上方に液スプレーノ
ズル57を有するものである。
【0031】第1気液接触装置33においては、その第
1処理液として、反応触媒を含む塩酸酸性水溶液がその
装置内底部に貯留され、この水溶液がポンプ及びライン
45を通って装置内上部からスプレーされ、装置内に
は、その水溶液の微細液滴粒子が充満されている。廃熱
ボイラー32及びライン42を通って導入された焼却炉
排ガス(その温度は、通常、150〜300℃程度であ
る)は、この水溶液の微細液滴粒子と接触し、そのガス
中に含まれる飛灰及びHClの大部分はその液滴粒子に
捕捉され、排ガス中から分離される。飛灰等を捕捉した
液滴粒子は装置内を下降し、装置底部の貯留液に合一化
される。この第1気液接触処理においては、第1気液接
触装置に用いる第1処理液のpHを2〜4の範囲に調節
することにより、排ガス中に含まれる塩化水素をその処
理液に効率よく捕捉分離することができる。前記のよう
にして排ガスの第1気液接触処理を行うことにより、排
ガス中に含まれる飛灰の30〜95%、好ましくは80
〜95%が第1処理液に捕捉除去される。また排ガス中
に含まれるHClの90%以上、好ましくは95%以上
が第1処理液に捕捉除去される。前記第2気液接触装置
34に対しては、固液分離装置37で得られる排水の一
部を第2処理液としてライン51を通って循環させる。
この循環液は、装置34の下部に導入され、その装置底
部の貯留液と合一化される。この装置底部の貯留液は、
ライン52、ポンプ及びライン54を通って液スプレー
ノズル57からスプレーされる。
【0032】第2気液接触工程34においては、活性炭
層F内を第2処理液が上方から下方に向けて流下し、そ
の間に上方から下降する排ガスと接触する。この接触に
より、排ガス中の残存飛灰はその流下処理液に捕捉さ
れ、その飛灰を捕捉した処理液は、活性炭層Fから装置
底部の貯留液に下降し、合一化される。一方、排ガス中
のSO2は活性炭に吸着された後、その触媒酸化作用で
硫酸に変換されて除去される。生成した硫酸は排ガス中
の水分を吸収して希硫酸となり、活性炭内部より溢流し
て活性炭層を流下し、装置底部の貯留液に合一化され
る。第2気液接触装置34を通過した排ガスは、ライン
44を通って、必要に応じてさらに処理を施した後、大
気へ放出される。前記第2処理液は、反応触媒を溶解状
態で含有した塩酸酸性水溶液で、そのpHは2〜6に調
節するのが好ましく、これにより活性炭に吸着されたダ
イオキシン類を効率よく分解させることができる。
【0033】第2気液接触装置34の底部の貯留液の一
部は、ライン52、ポンプ及びライン53を通って第1
気液接触装置33に循環され、第1処理液として使用さ
れる。
【0034】第1気液接触装置33で得られる装置底部
に貯留された飛灰を含む第1処理液の一部は、ライン4
5及びライン46を通ってダイオキシン類分解反応装置
36に導入され、ここで所定時間撹拌保持され、飛灰に
付着するダイオキシン類が分解除去される。このダイオ
キシン類分解反応装置36で得られた処理液は、ライン
47及びポンプを通って固液分離装置37に導入され、
ここで液中の飛灰が分離され、その分離飛灰はライン4
8を通って排出される。一方、分離水(排水)はライン
49、ポンプを通り、その一部はライン51を通って第
2気液接触装置34に循環され、その残部はライン70
を通り、必要に応じ、適宜の排水処理を施して放流され
る。 補給用の処理液は、必要に応じ、ライン60から
ライン51に導入される。
【0035】本発明の具体的実施態様のさらに他の例に
ついて、図4を参照して説明する。図4において、31
は焼却炉、32は廃熱ボイラ、33は第1気液接触装
置、34は第2気液接触装置、36はダイオキシン類分
解反応装置、37は固液分離装置、67はシックナーを
示す。図4に示すフローシートに従って焼却炉排ガスを
無害化処理するには、焼却炉31で生じたダイオキシン
類含有飛灰を含む焼却炉排ガスは、これをライン41を
通って廃熱ボイラー32に導入し、ここでその熱量を回
収した後、ライン42を通って第1気液接触装置33に
導入する。第1気液接触装置33に導入された排ガス
は、ライン45を通って塔内にスプレーされている第1
処理液の微細液滴粒子と接触して急冷されると同時に、
排ガス中の飛灰の一部及びHClの大部分はその第1処
理液に捕捉され、排ガス中から分離される。排ガスは、
この第1気液接触処理により、その温度は45〜75
℃、好ましくは50〜70℃に低下される。この冷却さ
れかつその飛灰の一部及びHClの大部分が除去された
排ガスは、これをライン43を介し、第2気液接触装置
34に導入し、ここで第2処理液と接触させる。この気
液接触により、排ガス中に含まれている残存飛灰及びS
2はその第2処理液に捕捉され、排ガス中から除去さ
れる。
【0036】図4に示した第1気液接触装置33は、塔
内上部に液スプレーノズルを有し、塔内底部に貯留され
ている第1処理液をライン45を介してそのスプレーノ
ズルからスプレーさせてガスと接触させる構造のもので
あるが、必ずしもこのような装置に限られるものではな
く、例えば、液を収容させたタンク内の液中にガス吹き
込みノズルを介してガスを噴出させて気液接触を行うよ
うな構造のものであることができる。また、図4に示し
た第2気液接触装置34は、内部に活性炭層Fを形成し
た構造のもので、その活性炭層Fの上方に液スプレーノ
ズル57を有するものである。
【0037】第1気液接触装置33においては、その第
1処理液として、反応触媒を含む塩酸酸性水溶液がその
装置内底部に貯留され、この水溶液がポンプ及びライン
45を通って装置内上部からスプレーされ、装置内に
は、その水溶液の微細液滴粒子が充満されている。廃熱
ボイラー32及びライン42を通って導入された焼却炉
排ガス(その温度は、通常、150〜300℃程度であ
る)は、この水溶液の微細液滴粒子と接触し、そのガス
中に含まれる飛灰及びHClの大部分はその液滴粒子に
捕捉され、排ガス中から分離される。飛灰等を捕捉した
液滴粒子は装置内を下降し、装置底部の貯留液に合一化
される。この第1気液接触処理においては、第1気液接
触装置に用いる第1処理液のpHを2〜4の範囲に調節
することにより、排ガス中に含まれる塩化水素をその処
理液に効率よく捕捉分離することができる。前記のよう
にして排ガスの第1気液接触処理を行うことにより、排
ガス中に含まれる飛灰の30〜95%、好ましくは80
〜95%が第1処理液に捕捉除去される。また排ガス中
に含まれるHClの90%以上、好ましくは95%以上
が第1処理液に捕捉除去される。前記第2気液接触装置
34に対しては、シックナー61で得られる飛灰希薄水
溶液を貯槽63、ライン64、及びライン66を介して
第2処理液として循環させる。この循環液は、装置34
の下部に導入され、その装置底部の貯留液と合一化され
る。この装置底部の貯留液は、ライン52、ポンプ及び
ライン54を通って液スプレーノズル57からスプレー
される。
【0038】第2気液接触工程34においては、活性炭
層F内を第2処理液が上方から下方に向けて流下し、そ
の間に上方から下降する排ガスと接触する。この接触に
より、排ガス中の残存飛灰はその流下処理液に捕捉さ
れ、その飛灰を捕捉した処理液は、活性炭層Fから装置
底部の貯留液に下降し、合一化される。一方、排ガス中
のSO2は活性炭に吸着された後、その触媒酸化作用で
硫酸に変換されて除去される。生成した硫酸は排ガス中
の水分を吸収して希硫酸となり、活性炭内部より溢流し
て活性炭層を流下し、装置底部の貯留液に合一化され
る。第2気液接触装置34を通過した排ガスは、ライン
44を通って、必要に応じてさらに処理を施した後、大
気へ放出される。前記第2処理液は、反応触媒を溶解状
態で含有した塩酸酸性水溶液で、そのpHは2〜6に調
節するのが好ましく、これにより活性炭に吸着されたダ
イオキシン類を効率よく分解させることができる。
【0039】第2気液接触装置34の底部の貯留液の一
部は、ライン52、ポンプ及びライン53を通って第1
気液接触装置33に循環され、第1処理液として使用さ
れる。
【0040】第1気液接触装置33で得られる装置底部
に貯留された飛灰を含む第1処理液の一部は、ライン4
5及びライン46を通って濃縮装置(シックナー)61
に導入する。
【0041】シックナー61は、第1気液接触装置33
で得られた飛灰を含む水溶液中の飛灰濃度を高める濃縮
装置として作用するものである。即ち、このシックナー
61では、水溶液中の飛灰はその重力により沈降し、そ
の表面部の水溶液中の飛灰濃度は低められ、一方、底部
の水溶液中の飛灰濃度は高められる。この飛灰濃度の上
昇した水溶液(飛灰濃縮液)は、これをライン67及び
ポンプを介し、ダイオキシン類分解反応装置36に導入
する。一方、シックナーの表面部の飛灰濃度の小さい飛
灰希薄水溶液は、これを貯槽63、ポンプ及びライン6
4を通りさらにライン66を通って第2処理液として第
2気液接触装置34に循環する。また、ライン64を通
る飛灰希薄水溶液は、その一部をライン65を通って第
1気液接触装置33に導入することもできる。このシッ
クナー61による飛灰濃縮率は、2〜60倍、好ましく
は3〜50倍である。また、シックナー61から排出さ
れる飛灰濃縮液中の飛灰濃度は、1重量%以上が好まし
い。その上限値は、特に制約されないが、通常、30重
量%程度である。一方、シックナー61から排出される
飛灰濃度の低められた希薄飛灰水溶液中の飛灰濃度は、
0.5重量%以下、好ましくは0.1重量%以下であ
る。
【0042】前記のように飛灰含有水溶液をシックナー
61で濃縮するとともに、その飛灰濃縮液をダイオキシ
ン類分解反応装置36に導入することにより、その反応
装置36を小型化し、装置効率を高めることができる。
その反応装置36でダイオキシン類を分解無害化する場
合、その分解率を高めるには、その装置36での飛灰の
滞留時間(反応時間)をできるだけ長くとる必要がある
が、その場合、飛灰含有水溶液中の飛灰濃度が低いと、
その長められた滞留時間に対応してその装置容積を増加
させることが必要になる。本発明の場合には、その反応
装置36へ導入される飛灰含有水溶液は、その飛灰濃度
が高く保持されていることから、その反応装置における
容積当りの飛灰量が多くなり、その分装置を小型化する
ことができる。また、シックナー36で得られる飛灰濃
度の低められた飛灰希薄水溶液は前記第1気液接触装置
33で用いる冷却用液として及び前記第2気液接触装置
34で用いる処理液として好適のものである。即ち、こ
の飛灰希薄水溶液は、飛灰濃度が低い上に、その飛灰の
粒径も極めて微細であることから、ポンプや、配管、ノ
ズルを流通させるときに、それらの摩擦や閉塞トラブル
を生じるようなことはなく、通常の工業用水とほぼ同様
に取扱うことが可能なものである。
【0043】ダイオキシン類分解反応装置36において
は、飛灰に含まれるダイオキシン類が分解除去される。
このダイオキシン類分解反応装置36で得られた処理液
は、ポンプ、ライン47を通って固液分離装置37に導
入され、ここで液中の飛灰が分離され、その分離飛灰は
ライン48を通って排出される。一方、分離水(排水)
はライン49を通り、必要に応じ、適宜の排水処理を施
して放流される。補給用の工業用水は、必要に応じ、ラ
イン68から第1気液接触装置へ導入される。また、補
給用の処理液は、必要に応じ、ライン60から第2気液
接触装置34へ導入される。
【0044】
【実施例】次に本発明を参考例及び実施例によりさらに
詳細に説明する。
【0045】参考例1 焼却炉排ガス中から分離回収した下記性状の飛灰中に含
まれるダイオキシン類の無害化処理を以下のようにして
行った。 (飛灰の性状) (i)炭素質物質の含有量 :0.1重量% (ii)銅含有量 :0.35重量% (iii)ダイオキシン類含有量:3.6ng−TEQ/g (実験方法)前記飛灰400gを、2リットルの純水中
に加え、加熱撹拌しながら塩酸を添加して65℃、pH
3.5を48時間維持した。この時の水溶液中のCl濃
度は1900ミリモル/リットルで、〔Cl〕/〔SO
4〕は113で、Cu濃度は500mg/リットルであ
った。48時間撹拌後、スラリーを吸引ろ過して処理後
の飛灰中に含まれるダイオキシン類を分析した。ダイオ
キシン類分解率を以下の式により算出した。その結果、
92%の分解率が得られた。
【数1】 R=(a0−a×c)/a00×100 (1) R :ダイオキシン類分解率(%) a0:未処理飛灰重量(g(Dry)) a :処理飛灰重量(g(Dry)) c0:未処理飛灰中のDXN濃度(ng−TEQ/g) c :処理飛灰中のDXN濃度(ng−TEQ/g)
【0046】参考例2 参考例1において、pH調整を硫酸で行った以外は同様
にして実験を行った。この時のCl/SO4モル比は1
9であった。この場合のダイオキシン類分解率は61%
であった。
【0047】参考例3 参考例1において、反応時間を変化させた以外は同様に
して実験を行った。その結果、反応時間20時間で65
%の分解率が得られ、反応時間48時間で92%の分解
率が得られた。
【0048】参考例4 焼却炉排ガス中から分離回収した下記性状の飛灰中に含
まれるダイオキシン類の無害化処理を以下のようにして
行なった。 (飛灰の性状) (i)炭素質物質の含有量 :3.0重量% (ii)銅含有量 :0.17重量% (iii)ダイオキシン類含有量:17.4ng−TEQ/
g (実験方法)前記飛灰400gを、純水に接触促進剤と
してメタノールを10wt%添加した4リットルの溶液
中に加え、加熱撹拌しながら塩酸を添加して65℃、p
H3.5を48時間維持した。この時の水溶液中のCl
濃度は480ミリモル/リットルで、〔Cl〕/〔SO
4〕モル比は29で、Cu濃度は100mg/リットル
であった。48時間撹拌後、スラリーを吸引ろ過して処
理後の飛灰中に含まれるダイオキシン類を分析し、ダイ
オキシン類分解率を算出した。その結果、70%の分解
率が得られた。
【0049】参考例5 参考例4において、水溶液に超音波を照射した以外は同
様にして実験を行った。この場合には83%の分解率が
得られた。なお、前記超音波としては、久保田商事社製
の超音波処理装置UP−50Hから発生する超音波を用
いた。
【0050】参考例6 参考例4において、接触促進剤としてメタノールの代り
にスルホサクシネート型アニオン界面活性剤8g及び特
殊エーテル系非イオン界面活性剤4gを添加した以外は
同様にして実験を行った。この場合には67%の分解率
が得られた。
【0051】参考例7 図4に示す実験装置を用い、以下の操作及び条件に従っ
て飛灰中に含まれるダイオキシン類の分解実験を行っ
た。 (処理操作及び条件) 1.図4に示すフラスコにFe、Mn、Mo、Cu、Z
n、Cr及びVをそれぞれ100mg/L含む(塩化物
として溶解)純水2.0Lを入れ、これに少量の塩酸を
加えて加熱撹拌し、pH3.5及び65℃の条件を維持
した。 2.次いで、これに参考例1で示した飛灰400gを投
入し、塩酸を加えてpH3.5を維持しながら、50N
L/時で空気流通下、65℃で48時間撹拌を続けた。 3.48時間の撹拌後、スラリーを吸引濾過して処理液
と処理飛灰を得た。4.原飛灰、処理液、処理飛灰及び
排出ガス中のダイオキシン類を分析した。
【0052】(処理結果) (1)飛灰の上記湿式処理前後の重量変化は表1の通り
であり、処理前の400gが処理後には150g(処理
前の37.5%)に減少した。これはNaCl等の溶解
性塩類が溶解したためであると思われる。
【0053】
【表1】
【0054】(2)上記湿式処理前後の飛灰中のダイオ
キシン類の濃度は表2に示す通りであり、処理後の飛灰
中の濃度は全体的に処理前の飛灰中の濃度に比べてかな
り低くなった。なお、表2及び表3中の略語は次の意味
を有する。 T4CDDs:テトラクロロジベンゾパラジオキシン P5CDDs:ペンタクロロジベンゾパラジオキシン H6CDDs:ヘキサクロロジベンゾパラジオキシン H7CDDs:ヘプタクロロジベンゾパラジオキシン O8CDD:オクタクロロジベンゾパラジオキシン Total PCDDs:全ポリクロロジベンゾパラジ
オキシン T4CDFs:テトラクロロジベンゾフラン P5CDFs:ペンタクロロジベンゾフラン H6CDFs:ヘキサクロロジベンゾフラン H7CDFs:ヘプタクロロジベンゾフラン O8CDFs:オクタクロロジベンゾフラン Total PCDFs:全ポリクロロジベンゾフラン Total 全ダイオキシン類
【0055】
【表2】
【0056】(3)表3にダイオキシン類の除去率(分
解率)を示す。除去率は処理後の飛灰重量が元の重量の
37.5%になっていることを考慮して、前記数式1で
算出した。なお、排出ガス及び処理液中のダイオキシン
類は、物質収支上、無視しうる程度であったことから、
除去率は飛灰中のダイオキシン類濃度の分析値のみから
算出した。
【0057】
【表3】
【0058】実施例1 図4に示したフローシートに従い、焼却炉排ガスの無害
化処理について示す。第2気液接触装置内には石炭系の
活性炭粉末にテフロンディスパージョンをテフロン含有
量10wt%となるよう混合して形成した活性炭ハニカ
ムの充填層を配置した。この場合の主要操作条件を図4
との関連で示す。なお、本実施例のデータは個々の小規
模実験で得られた結果をベースとしている。 (1)ライン42 ・温度:250℃ ・ガス量:15,000Nm3/h(ドライベース) ・ガス中の塩酸濃度:580ppm ・ガス中のSO2濃度:100ppm ・ガス中の飛灰量:19,000g/h ・ガス中の飛灰濃度:1.27g/Nm3 ・飛灰中のダイオキシン類濃度:1.0ng−TEQ/
g ・ガス中の全ダイオキシン類濃度:1.33ng−TE
Q/Nm3 (2)第1気液接触装置33 ・冷却温度:70℃ (3)ライン43 ・温度:70℃ ・ガス中の塩酸濃度:10ppm ・ガス中のSO2濃度:80ppm ・ガス中の飛灰量:1,900g/h (4)ライン44 ・温度:70℃ ・ガス中の塩酸濃度:0ppm ・ガス中のSO2濃度:7ppm ・ガス中の飛灰量:200g/h ・ガス中の全ダイオキシン類濃度:0.023ng−T
EQ/Nm3 ・ガス中の全ダイオキシン類除去率:98.3% (5)ライン54 ・第2処理液温度:70℃ (6)ライン46 ・温度:70℃ ・飛灰濃度:0.5wt% (7)ライン62 ・温度:70℃ ・飛灰濃度:0.1wt% (8)ライン67 ・温度:70℃ ・抜出し液の性状 Clイオン濃度:99,000ppm−w(重量基準の
濃度) Cuイオン濃度:330ppm−w Cl/SO2モル比:250 pH:3.5 ・飛灰濃度:4wt% ・飛灰中のダイオキシン類濃度:1.8ng−TEQ/
g (9)ダイオキシン類分解反応槽36 ・温度:70℃ ・処理液の性状 Clイオン濃度:99,000ppm−w Cuイオン濃度:330ppm−w Cl/SO2モル比:250 pH:3.5 ・飛灰濃度:4wt% ・滞留時間:48時間 (10)ライン47 ・温度:70℃ ・飛灰濃度:4wt% ・飛灰中のダイオキシン類濃度:0.14ng−TEQ
/g (11)ライン48 ・飛灰量:8.0kg/h ・飛灰中のダイオキシン類濃度:0.14ng−TEQ
/g ・飛灰中のダイオキシン類分解率:94% (12)ライン49 ・排水中のダイオキシン類濃度:0.001ng−TE
Q/kg ・除去された全ダイオキシン類の分解率:94%
【0059】
【発明の効果】本発明によれば、焼却炉排ガス中に含ま
れる飛灰中のダイオキシン類を低コストでかつ高効率で
分解無害化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】飛灰を含む焼却炉排ガスを本発明により処理す
る場合のフローシートの一例を示す。
【図2】本発明の具体的実施態様の1つの例についての
フローシートを示す。
【図3】本発明の具体的実施態様の他の例についてのフ
ローシートを示す。
【図4】本発明の具体的実施態様のさらに他の例につい
てのフローシートを示す。
【図5】ダイオキシン類の分解実験に用いた実験装置を
示す。
【符号の説明】
1 第1気液接触工程 2 第2気液接触工程 3 ダイオキシン類分解反応工程 4 固液分離工程 5 排水処理工程 6 飛灰処理工程 31 焼却炉 32 廃熱ボイラ 33 第1気液接触装置 34 第2気液接触装置 35 湿式電気集塵装置 36 ダイオキシン類分解反応装置 37 固液分離装置 61 シックナー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B09B 3/00 B09B 3/00 304L (72)発明者 川村 和茂 神奈川県横浜市鶴見区鶴見中央二丁目12番 1号 千代田化工建設株式会社内 (72)発明者 内田 稔 神奈川県横浜市鶴見区鶴見中央二丁目12番 1号 千代田化工建設株式会社内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 焼却炉から発生したダイオキシン類含有
    飛灰を含む焼却炉排ガスの湿式無害化処理方法であっ
    て、該排ガスを第1処理液と気液接触させる第1気液接
    触工程、該第1気液接触工程で得られた処理排ガスを第
    2処理液と気液接触させる第2気液接触工程及び該第1
    気液接触工程で該第1処理液に捕捉された飛灰及び該第
    2気液接触工程で該第2処理液に捕捉された飛灰を、別
    々に又は合一の状態で、溶解状態の反応触媒を含む塩酸
    酸性水溶液と接触させて、該飛灰に含まれるダイオキシ
    ン類を分解させるダイオキシン類分解反応工程からなる
    ことを特徴とする焼却炉排ガスの湿式無害化処理方法。
  2. 【請求項2】 該第2気液接触工程で得られた処理排ガ
    スを、ミスト分離工程へ送り、該排ガス中に含まれる飛
    灰及びミストを除去する請求項1の方法。
  3. 【請求項3】 該第2気液接触工程を通過する排ガス
    を、該第2気液接触工程入口排ガスより低い温度に冷却
    した後、該第2気液接触工程で得られた該排ガスを該ミ
    スト分離工程へ送り、該排ガス中に含まれる飛灰及びミ
    ストを除去する請求項1又は2の方法。
  4. 【請求項4】 該第1処理液のpHが2〜4の範囲にあ
    り、該第2処理液のpHが4〜6の範囲にある請求項1
    〜3のいずれかの方法。
  5. 【請求項5】 該第2気液接触工程を、活性炭の存在下
    で行う請求項1又は2の方法。
  6. 【請求項6】 該第1処理液のpHが2〜4の範囲にあ
    り、該第2処理液のpHが2〜6の範囲にある請求項
    1、2又は5の方法。
  7. 【請求項7】 該第1処理液及び該第2処理液が、いず
    れも反応触媒を含有する塩酸酸性水溶液である請求項1
    〜6のいずれかの方法。
  8. 【請求項8】 該第1気液接触工程で得られた飛灰を含
    む処理液を、飛灰濃縮工程へ送り、該処理液中の飛灰濃
    度を高めた後、該ダイオキシン類分解反応工程へ導入す
    る請求項1〜7のいずれかの方法。
  9. 【請求項9】 該ダイオキシン類分解反応工程で得られ
    た飛灰含有処理液を、固液分離工程へ送り、該処理液に
    含まれる飛灰を分離した後、得られた分離液の一部を該
    第2気液接触工程で用いる第2処理液の少なくとも一部
    として用いる請求項1〜8のいずれかの方法。
  10. 【請求項10】 該ダイオキシン類分解反応工程におけ
    るダイオキシン類の分解が少なくとも60%である請求
    項1〜9のいずれかの方法。
  11. 【請求項11】 該反応触媒が低次価数と高次価数をと
    り得る金属イオンからなる請求項1〜10のいずれかの
    方法。
  12. 【請求項12】 該反応触媒が未溶解分を含み、該未溶
    解分が溶解状態へ移行する過程にある請求項1〜11の
    いずれかの方法。
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