JPH11253136A - 魚肉混練物の低温高圧処理法 - Google Patents

魚肉混練物の低温高圧処理法

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JPH11253136A
JPH11253136A JP10076512A JP7651298A JPH11253136A JP H11253136 A JPH11253136 A JP H11253136A JP 10076512 A JP10076512 A JP 10076512A JP 7651298 A JP7651298 A JP 7651298A JP H11253136 A JPH11253136 A JP H11253136A
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JP
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pressure
fish meat
kneaded
temperature
frozen
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JP10076512A
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English (en)
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Osamu Tanaka
修 田中
Izumi Senshiki
いづみ 千色
Hiroshi Oshima
浩 大島
Miyo Matsuhashi
ミヨ 松橋
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HOKUREI KK
Original Assignee
HOKUREI KK
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  • Fish Paste Products (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 魚肉混練物の高圧処理法において、従来法に
比べ、製造コストを低減させる処理法と風味・食感のよ
い魚肉高圧処理製品の製法を提供する。 【解決手段】 魚肉混練物の冷凍品を凍結状態を維持し
たまま低温下で高圧処理する魚肉混練物の低温高圧処理
法。好ましくは、高圧冷凍殺菌装置の処理室内に包材で
被包した魚肉混練物の冷凍品を入れ、昇圧媒体として-1
℃から-24 ℃の温度範囲に冷却した不凍液を処理室内に
充満させ、1500kg/cm2から2500kg/cm2の高圧を所定時間
作用させる魚肉混練物の低温高圧処理法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、魚肉混練物の低温
高圧処理法に関する。さらに詳しくは、魚肉混練物の冷
凍品を凍結状態を維持したまま低温下で高圧処理する魚
肉混練物の低温高圧処理法に関する。
【0002】
【従来の技術】魚肉切り身ないし魚肉すり身に3000kg/c
m2から10000kg/cm2(すなわち3000気圧から10000 気圧)
の高圧を作用させて処理するいわゆる「魚肉の超高圧処
理法」は、熱をかけることなく魚肉切り身ないし魚肉す
り身(以下、特に区別する必要のない場合は両者をまと
めて「魚肉すり身」と称する。)を殺菌することができ
る上に、魚肉蛋白質の高圧による変性を利用して魚肉製
品を得ることができる手段なので、近時注目され多くの
研究がなされている。その中で、魚肉の高圧処理技術に
関する発明も多くなされていて、特公平6-104046、特開
平2-069162、同2-117367、同2-177875、同2-245163、同
3-0303640 、同3-039070、同3-277253、同4-051873、同
6-181719等の特許出願が見られる。
【0003】しかしながら、これら従来の魚肉の高圧処
理法は、通常3000kg/cm2から5000kg/cm2、なかには 100
00kg/cm2前後の高圧を作用させるため、その高圧処理装
置も処理室の耐圧壁を強化する必要があり、そのため製
作費の高い大型の装置を使用することになるが、その割
りには処理室の容量が小さい装置となるため生産性が悪
く、いきおい、従来の魚肉の高圧処理法はコスト高にな
らざるを得ない。そのために、高圧による魚肉の処理法
は、未だ実用化に至っていない。
【0004】また、これら従来の高圧処理法では、原料
魚肉を常温のまま又は加熱した上で高圧処理に付するの
がほとんどである。原料魚肉として冷凍品を使用する場
合でも一旦解凍しているし、なかには冷凍魚肉の精肉を
常温下ですり潰した後高圧処理に付している事例もあ
る。本発明は、これら従来の技術と基本的に異なるもの
で、魚肉混練物の冷凍品を冷凍状態を維持したまま低温
下で高圧処理する方法である。尚、特開平4-169148号公
報には、魚介類を瞬時凍結させた後ただちに瞬間高圧滅
菌し(250PA〜300PA)、続いて真空凍結乾燥する乾燥魚介
類の製法が開示されているが、この方法は、乾燥品を得
ようとして高圧滅菌後に真空凍結乾燥に付している点で
本発明とは課題と構成を異にするものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記の事情に鑑み、本
発明者は、魚肉混練物の高圧処理法における製造コスト
を低減させることを第一の課題として研究し、凍結(冷
凍)状の魚肉混練物を使用すると比較的低い圧力(1500
kg/cm2から2500kg/cm2) でも効率よく殺菌できることを
確認し、この知見に基づいてさらに研究を続け、本発明
を完成するに至った。また、本発明は、魚肉混練物を高
圧処理する場合において、おいしい製品を作るための処
理法を提供することを第二の課題とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明のうち請求項1に記載の発明は、魚肉混練物
の冷凍品を凍結状態を維持したまま低温下で高圧処理す
る魚肉混練物の低温高圧処理法である。また、請求項2
に記載の発明は、魚肉混練物を合成樹脂製の包材により
被包して脱気して包材の内面に密着させ密封し凍結して
魚肉混練物の冷凍品となし、これを凍結状態を維持した
まま低温下で高圧処理する魚肉混練物の低温高圧処理法
である。さらに、請求項3に記載の発明は、請求項1又
は2に記載の発明において、1500kg/cm2から2500kg/cm2
の高圧範囲で処理する魚肉混練物の低温高圧処理法であ
る。さらに、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載
の発明において、−1℃から−24℃の温度範囲で処理す
る魚肉混練物の低温高圧処理法である。さらに、請求項
5に記載の発明は、高圧冷凍殺菌装置の処理室内に包材
で被包した魚肉混練物の冷凍品を入れ、昇圧媒体として
−1℃から−24℃の温度範囲に冷却した不凍液を処理室
内に充満させ、1500kg/cm2から2500kg/cm2の高圧を所定
時間作用させる魚肉混練物の低温高圧処理法である。さ
らに請求項6に記載の発明は、請求項1から5のいずれ
かに記載の発明において、魚肉としてサケ類の精肉を使
用する魚肉混練物の低温高圧処理法である。
【0007】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
おいて使用する原料魚肉は、特に制限はなく、例えばス
ケソウダラ、マタラ、カレイ、ホッケ、サケ等の日常な
じみの多獲魚を使用できる。なかでもシロサケ、トラウ
トサーモン、マス等のサケ類の精肉を使用すると、他の
魚肉に比べて、独特の風味と食感を有する製品を得るこ
とができる。しかもサケ類は、原料として安定的に入手
できるので、本発明の低温高圧処理法を活用するのに特
に適している。これらの原料魚肉は、できるだけ鮮度の
よいものを使用し、またその混練物はできるだけ急速に
凍結させて魚肉混練物の冷凍品として、その凍結状態を
維持したまま低温下で高圧を作用させる。
【0008】本発明において魚肉混練物とは、魚肉の精
肉部位を塊状にカットしたブロック肉やそぎ身ないしす
り身、またミンチ肉、ペースト肉に製したもの、及びこ
れらを適宜混ぜたものまで広く含む。したがって、本発
明の魚肉混練物は、魚肉の練り具合やブロック状の肉片
の有無は問題としない。しかしながら、完全なすり身な
いしペースト肉よりもそぎ身やミンチ肉或いはブロック
肉のような、ブロック状の魚肉片が混じっている状態の
混練物の方が、品質の点で好ましいものが得られる。特
に大小のブロック肉を多く用いた場合には、圧力のかか
り方がブロックごとに微妙に変るためか、舌ざわりが不
均一となり、テクスチャー的に好ましい製品が得られ
る。この魚肉混練物は、適宜の塩分と香辛料を添加し混
練して適当な大きさ・形状に成形したものを使用すると
よい。また、その冷凍品とは、魚肉混練物を製した後凍
結したもの及び必要に応じて冷凍保存しているものをい
う。
【0009】本発明では、魚肉混練物は、適宜の包材で
包むか又はその包材で作った袋に充填してから冷凍し凍
結状態のままで高圧処理に付する。本発明で使用する包
材としては、高圧処理用に適した可塑性のある合成樹脂
製のものが好ましく、例えば、ポリ塩化ビニリデン、ポ
リスチレン、無延伸ポリプロピレン、ナイロン、ポリエ
ステル、ナイロン/ポリエチレン、ナイロン/エチレン
酢酸ビニル共重合体ケン化物/ポリエチレン、ポリプロ
ピレン/エチレン酢酸ビニル共重合体ケン化物/ポリエ
チレン等の公知のものを使用できる。本発明では、魚肉
混練物の冷凍品を高圧処理する時は、包材中に均一に充
填した上で十分に脱気し魚肉混練物を包材の内面に密着
させた上で密封することが肝要である。この事前処理を
施しておかないと、高圧をかけた時に包材が破裂するお
それがある。包材としては、対圧性や気密性の点から、
特に、ナイロン/ポリエチレン/リニアローデンシテポ
リエチレン製やポリプロピレン/ポリエチレン製のもの
を使用するのが好ましい。
【0010】魚肉混練物に作用させる高圧の範囲は、魚
肉混練物が凍結状態となっており、しかも低温下で加圧
するので、高圧といっても従来よりも低い圧力、すなわ
ち1500から2500kg/cm2の範囲、好ましくは1750から2000
kg/cm2程度で処理してさしつかえない。また高圧処理時
間は、魚種によっても異なるが、通常5分から30分以
内、好ましくは20分程度とするのがよい。本発明におけ
る高圧処理は、魚肉混練物の凍結状態を維持したまま低
温下で処理する必要がある。低温下というのは、魚肉混
練物の冷凍品の凍結状態を維持できる程度の低温で、と
いう意味である。したがって、処理温度は特に規定され
ないが、−1℃から−24℃の温度範囲で行なうのが好ま
しく、さらに好ましくは−15℃から−20℃程度の低温下
で行なうとよい。具体的には、例えば、本出願人が株式
会社日本製鋼所と共同で開発した「高圧冷凍殺菌装置」
(例えば、処理室口径 200mm、高さ1000mm、処理量 30
l、冷却温度−30℃まで、圧力3000kg/cm2まで作用可能)
や神戸製鋼所製の「食品高圧処理装置」 (試験例1参
照)等の装置を使用して処理するのがよい。すなわち、
高圧処理装置として、この種の装置を使用する場合に
は、圧力容器である処理室内に、包材で被包し脱気して
包材の内面に魚肉混練物を密着させた上で密封した魚肉
混練物の被包冷凍品を入れて、−1℃から−24℃の間の
適当な温度に冷却した不凍液を昇圧媒体として処理室内
に充満させ、付属の高圧発生装置と冷却装置を駆動させ
て低温下で高圧状態を作り出し、所定時間高圧を作用さ
せて処理する。不凍液としてはプロピレングリコール
(以下PGという。)や多価アルコールを使用するとよ
い。
【0011】魚肉混練物の冷凍品を凍結状態を維持した
まま低温下で高圧処理することにより、魚肉の蛋白質は
変化しゲル化する。大腸菌、サルモネラ菌、ブドウ状球
菌等は死滅し、耐圧性細菌以外の一般生菌も殺菌され
る。したがって、本発明の低温高圧処理法によって得ら
れる製品は、解凍した後でも冷蔵下で2ヵ月程度の保存
性が付与されることになる。また、本発明の低温高圧処
理法によって得られる製品は、魚肉の筋肉蛋白質がおた
がいに癒着して、プリプリした弾力性の強い食感と風味
を有する状態となる。特にサケ類の精肉を使用すると生
ハム様の美味な製品を得ることができる。
【0012】以下、試験例を示す。
【試験例1】冷凍品と常温品の高圧下における殺菌効果
の比較 当日漁獲した新鮮なカラフトマスの精肉をミンチ状にし
て、大腸菌(E.Coli)を 104程度になるようにスタータ
ーとして添加した。これを 10g宛秤取し、急速凍結させ
たものを試料、常温のものを対照として、試料は−18℃
に保持して凍結状態を維持したまま、対照は常温(+15
℃) 下に維持して、両者それぞれに、1000、1500、175
0、2000、2500、3000、5000、7000kg/cm2の高圧を、5
分刻みで20分まで作用させ、その後、食品衛生法に準じ
て、大腸菌群数を測定した。尚、高圧処理装置は、神戸
製鋼所製の「食品高圧処理装置」 (ピストン直圧式、処
理室口径60mm、高さ 200mm、処理量 570ml、冷却温度−
20℃ (〜+80℃) 、圧力7000kg/cm2まで作用可能) を使
用した。また、昇圧媒体は、試料については−18℃に冷
却したPGを使用し、対照については+15℃のPGを使
用した。その結果は、表1と表2に示すとおりである。
【0013】
【表1】
【0014】
【表2】
【0015】表1・表2から判るとおり、対照(常温
品)については2000kg/cm2で10分加圧しても菌数は 104
台に留まり、全く殺菌効果は見られない。これに対し
て、試料(冷凍品)の方は1500kg/cm2の15分加圧で 10
台まで落ち、1750kg/cm2の10分加圧、2000kg/cm2の5分
加圧で大腸菌は死滅した。この結果から、魚肉の冷凍品
を凍結状態を維持したまま低温下で高圧処理する場合と
魚肉の常温品を常温下で高圧処理する場合とでははるか
に殺菌効果が異なり、低温下では、比較的低圧で効率よ
く殺菌することが可能であることが判明した。
【0016】
【試験例2】サケのすり身に食塩2%、生マスの内蔵か
ら採取しEC培地で24時間培養した大腸菌群 (約104)を
添加し、スタッファでポリビニリデン製の袋に充填し真
空脱気して−18℃にて急速凍結した。この冷凍品 (品温
−18℃) を試験例1で使用した食品高圧処理装置に入れ
て、昇圧媒体として−20℃に冷却したPGを使用し、処
理時間を一定にして高圧を作用させたところ、表3の結
果を得た。
【0017】
【表3】
【0018】表3から判るとおり、魚肉混練物の冷凍品
を低温下で高圧処理する場合、2000kg/cm2の20分加圧で
十分に殺菌効果のあることが判明した。
【0019】
【試験例3】冷凍した秋サケのフィレーを血合い部分を
除いてはだき、食塩2%、スモークフレーバー 0.3%、
コショウ0.17%を混和し、サケ肉混練物を製した。この
混練物をスタッファによりポリプロピレン/ポリエチレ
ン製の袋に各100g宛充填し、それぞれ真空脱気して袋の
内側に混練物を十分に密着させ、密封した。この被包サ
ケ肉混練物を、(1) 常温 (+15℃) で充填したものと、
(2) 充填後−18℃で急速凍結したものとの2種類を製し
た。それぞれの被包サケ肉混練物を試験例1で使用した
食品高圧処理装置の処理室に入れて、昇圧媒体として
(1)の常温品には+15℃の、(2) の凍結品には−15℃の
PGを使用して、それぞれ、2000kg/cm2の高圧を20分間
作用させた。この各処理品を熟練した10人のパネラーに
よって、5点法(1点:悪〜5点:良)により、色
調、テスクチャー、結着度、商品性の各項目につ
いて官能試験を行ない、レオメーターを用いて押し込
み強度、しなやかさの各項目について試験を行なっ
て、表4に示す結果を得た。
【0020】
【表4】 常温処理品と凍結低温処理品の比較試験 (1) 常温品(+15℃) (2) 凍結品(-18℃) 圧媒温度 +15℃ −15℃ 試験項目 色 調 4.2 3.8 テクスチャー 1.8 4.8 結着度 2.0 4.3 商品性 1.7 4.8 押し込み強度(G) ※ 86.0 166.0 しなやかさ(mm) ※ 10.0 8.7 水分活性(Aw:25.3℃) 96.2 94.5 ※試料を1cm3 大にカットし、球型プランジャーにてとを測定した。
【0021】表4から判るとおり、(2) の凍結低温処理
品の方が、結着度、テクスチャー、商品性、押し込み強
度の値が高いという結果が得られた。これにより、凍結
低温処理品の方が常温処理品に比べて、歯ごたえのあ
る、おいしい製品が得られることが判った。
【0022】
【試験例4】冷凍した秋サケのフィレーを血合い部分を
除いてはだき、食塩 2.2%、スモークフレーバー 0.3%
を混和し、サケ肉混練物を製した。この混練物をスタッ
ファによりポリプロピレン/ポリエチレン製の袋に各10
0g宛充填し、それぞれ真空脱気して袋の内側に混練物を
十分に密着させ密封した後、−18℃で急速凍結した。こ
の密封品を試験例1で使用した食品高圧処理装置の処理
室に入れて、昇圧媒体として−20℃のPGを使用して、
加圧時間は20分間とし、この間に圧力を変えながら、
色調、テクスチャー、結着度、商品性の各項目に
ついて、試験例3と同じパネラー、同じ方法により官能
試験を行なって、表5に示す結果を得た。
【0023】
【表5】 圧 力 色 調 テクス 結着度 商品性 (kg/cm2) チャー 500 5.0 1.3 1.3 0 1000 5.0 1.8 2.0 3.5 1500 4.2 4.2 4.1 4.3 2000 3.9 4.8 4.3 4.8 2500 3.7 4.8 4.3 4.6 3000 3.5 4.8 4.6 3.3 5000 3.1 4.6 4.6 3.0 7000 2.9 4.6 4.6 3.0
【0024】表5から判るように、1000kg/cm2の20分加
圧ではテクスチャー及び結着度共に低く、高圧変性があ
まりみられなく、3000kg/cm2の20分加圧では高圧変性に
よる色調の変化が大きく現れた。1500kg/cm2〜2500kg/c
m2の範囲が、プリプリした食感が得られ、その商品性も
高く評価された。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、実施例をもって本発明をさ
らに説明する。
【実施例1】シロサケのそぎ身肉1kgに、食塩 20g、コ
ショウ1.7g、スモークフレーバー3gを加え、全体をミキ
サーにかけて約2分間混練した後ほぼ均等の大きさの魚
肉混練物10個に分取し成型した。このシロサケ混練物を
1個宛ポリ塩化ビニリデン製の袋に充填し脱気して混練
物の全体を袋の内面に密着させた後ヒートシーラーによ
って密封した。この被包シロサケ混練物を、本出願人と
株式会社日本製鋼所とで共同開発した「高圧冷凍殺菌装
置」の処理室に各1個宛入れ、昇圧媒体として−5℃の
PGを充たして、2000kg/cm2の高圧を20分間作用させ
た。処理後袋に付着したPGを洗浄して除去した。その
結果、生ハム様の風味を有し、きわめて弾力性のある製
品が得られた。この製品は解凍して+2〜3℃で2ヵ月
間保存させたが、10個とも品質に少しの異常も見られな
かった。
【0026】
【実施例2】シロサケのブロック肉(血合い入り、1cm3
カット) 1kgに、食塩 20g、コショウ1.7g、スモークフ
レーバー3gを加え、全体をミキサーにかけて約2分間混
練した後ほぼ均等の大きさの魚肉混練物10個に分取し成
型した。このシロサケ混練物を1個宛ポリ塩化ビニリデ
ン製の袋に充填し脱気して混練物の全体を袋の内面に密
着させた後ヒートシーラーによって密封した。この被包
シロサケ混練物を、実施例1で使用した「高圧冷凍殺菌
装置」の処理室に各1個宛入れ、昇圧媒体として−5℃
のPGを充たして、2000kg/cm2の高圧を20分間作用させ
た。処理後袋に付着したPGを洗浄して除去した。その
結果、生ハム様の風味を有し、きわめて弾力性があるの
に加えて、血合い独特のうま味、さらにはブロックカッ
トされたことによりテクスチャーが増し、きわめて食感
のよい、おいしい製品が得られた。この製品は解凍して
+2〜3℃で2ヵ月間保存させたが、10個とも品質に少
しの異常も見られなかった。
【0027】
【発明の効果】本発明に係る魚肉の低温高圧処理法は、
魚肉混練物の冷凍品を凍結状態を維持したまま低温下で
高圧処理することにしたので、従来の、常温以上での魚
肉の高圧処理法に比べて、高圧といっても1500から2500
kg/cm2程度という比較的低い圧力で処理することができ
る。したがって、高圧処理装置の処理室の耐圧壁の厚み
を従来装置の3分の1から5分の1程度に薄くすること
ができ、それだけ高圧処理装置の製作費が低減され、安
価で設置できる。したがって、生産コストが大幅に低減
し、実用化の経済効果が大きい。また低温下での処理で
あるため、上記の圧力程度でも、一部耐圧性細菌を除い
て、サルモネラ菌、ブドウ状球菌、大腸菌、一般生菌等
も殺菌させることができ、解凍後チルド状態で流通させ
ることができる等保存性に富む製品が得られる。さら
に、本発明に係る魚肉の高圧処理法によると、従来法に
比べて蛋白質の変性を抑えた製品を得ることができ、生
の風味を生かし、プリプリと弾力性があり既存の食品と
異なる食感と風味を有する製品が得られる。特にサケ肉
については、他の魚肉に比べ、生ハム様の製品が得られ
る等多くのすぐれた点が認められる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松橋 ミヨ 北海道網走市北9条東1丁目32番地 ほく れい株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 魚肉混練物の冷凍品を凍結状態を維持し
    たまま低温下で高圧処理する魚肉混練物の低温高圧処理
    法。
  2. 【請求項2】 魚肉混練物を合成樹脂製の包材により被
    包し脱気して包材の内面に密着させ密封し凍結して魚肉
    混練物の冷凍品となし、これを凍結状態を維持したまま
    低温下で高圧処理する魚肉混練物の低温高圧処理法。
  3. 【請求項3】 1500kg/cm2から2500kg/cm2の高圧範囲で
    処理する請求項1又は2に記載の魚肉混練物の低温高圧
    処理法。
  4. 【請求項4】 −1℃から−24℃の温度範囲で処理する
    請求項3に記載の魚肉混練物の低温高圧処理法。
  5. 【請求項5】 高圧冷凍殺菌装置の処理室内に包材で被
    包した魚肉混練物の冷凍品を入れ、昇圧媒体として−1
    ℃から−24℃の温度範囲に冷却した不凍液を処理室内に
    充満させ、1500kg/cm2から2500kg/cm2の高圧を所定時間
    作用させる魚肉混練物の低温高圧処理法。
  6. 【請求項6】 魚肉としてサケ類の精肉を使用する請求
    項1から5のいずれかに記載の魚肉混練物の低温高圧処
    理法。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6440484B1 (en) * 1999-02-22 2002-08-27 Hokurei Co., Ltd. Low-temperature and high-pressure processing method for fish meat and/or kneaded fish meat products
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