JPH1125311A - 金額設定付きコインセレクタ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明はコインセレクタに金額設定の機能を付
加して自動販売機あるいはゲーム機などの装置を直接に
作動できるようにしたコインセレクタの提供を目的に開
発されたものである。言い換えると本発明の目的はコイ
ンセレクタに所望の金額を設定できる機能を付加して設
定金額に達すると装置を作動するための信号を出力でき
るようにした簡便なコインセレクタを提供することにあ
る。 【解決手段】本発明は少なくとも、投入される真正コイ
ンのデータを記憶するための手段と、投入されたコイン
を検出して当該投入コインのデータを得るための手段
と、所望の金額を設定するための手段と、前記投入コイ
ンのデータと前記真正コインのデータとを比較するため
の手段と、この比較手段によって前記投入コインが真正
コインであると判断されると当該投入真正コインの金額
と其れまでの受入金額とを合計するための手段と、この
合計金額と前記設定金額とが等しい場合にのみ信号を出
力するための手段と、を備えていることを特徴とした金
額設定付きコインセレクタである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は通貨であるコインを
電子的に選別するコインセレクタに関する。とくに本発
明は有料のゲーム装置あるいは自動販売機などに取り付
けて使用するのに好適な電子式のコインセレクタに関す
る。さらに具体的には本発明はコインセレクタに投入さ
れたコインの金額を計算して所望の設定金額に達すると
装置動作のための信号を出力するようにした金額設定機
能付きのコインセレクタに関する。

【０００２】

【従来の技術】これまでにコインセレクタとしては種々
のものが開発されて来ている。たとえば本件出願人によ
る特願平８−２５５４８０号の明細書には電子式のコイ
ンセレクタが開示されている。これら従来のコインセレ
クタはコインを正確に選別する機能のみが重視されてお
り他の機能を備えていなかった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】本発明はコインセレク
タに金額設定の機能を付加して自動販売機あるいはゲー
ム機などの装置を直接に作動できるようにしたコインセ
レクタの提供を目的に開発されたものである。言い換え
ると本発明の目的はコインセレクタに所望の金額を設定
できる機能を付加して設定金額に達すると装置を作動す
るための信号を出力できるようにした簡便なコインセレ
クタを提供することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は少なくとも、投
入される真正コインのデータを記憶するための手段と、
投入されたコインを検出して当該投入コインのデータを
得るための手段と、所望の金額を設定するための手段
と、前記投入コインのデータと前記真正コインのデータ
とを比較するための手段と、この比較手段によって前記
投入コインが真正コインであると判断されると当該投入
真正コインの金額と其れまでの受入金額とを合計するた
めの手段と、この合計金額と前記設定金額とが等しい場
合にのみ信号を出力するための手段と、を備えているこ
とを特徴とした金額設定付きコインセレクタである。

【０００５】また本発明は、前記金額設定手段が前記セ
レクタに配設されていることを特徴とした金額設定付き
コインセレクタである。加えて本発明は、前記金額設定
手段がコードスイッチであることを特徴とした金額設定
付きコインセレクタである。

【０００６】

【発明の実施の形態】以下に本発明を其の実施について
添付の図面を参照して説明する。図１は本発明による一
実施例のコインセレクタを正面側から見た概略の斜視図
である。図２は図１のコインセレクタを背面側から見た
概略の斜視図である。図３は上記のコインセレクタに組
み込まれている電子回路のブロック図である。図４は図
３の動作を説明するためのフローチャートである。

【０００７】図１はコインドロップ式のセレクタ２０の
斜視図であり此のセレクタ２０は縦形の箱形状であって
頂部に投入されるコインの入口１１が形成されている。
セレクタ２０の底部にはコインをゲーム機（図示を省
略）内部に収納するための出口１２ならびにゲーム機の
外に戻してキャンセルするための返却口１３が形成され
ている。図１の上方に示されるやや大きな台形の１４は
ドアであり此のドア１４は図１の右サイドで枢軸１５さ
れスプリング（図示省略）によって通常は閉じられてい
る。

【０００８】図１の下方に示される大略台形の１６はカ
バーであってセレクタ２０に取り外し自在に固着されて
いる。図２の中央に示される大きな正方形の１７はカバ
ー板であってセレクタ２０に取り外し自在に固着されて
いる。図２の上方には横向きＪ形になる樹脂製のレバー
１８がほぼ中央部で枢軸１９され短い端部の接触によっ
て位置が保持されている。

【０００９】詳細を省略したが此のレバー１８が下に押
されるとドア１４が開かれてセレクタ２０内部のコイン
などが返却口１３に戻される。なお図２の下方に示され
る３７、３８は後記されるように金額を設定するための
一組の設定器である。ここでコインがセレクタ２０に投
入されたときの動作を概略的に説明する。まず入口１１
から投入されたコインはセレクタ２０内部に形成された
Ｃ形の通路（図示略）を自然落下する。

【００１０】この自然落下するコインはセレクタ２０の
上方部内に設置されている３対のコイル２１、２２、２
３（図３を参照）によって検出される。そして後記され
る図３に示されるブロック回路図によって投入されたコ
インが正貨か偽貨かが判断される。コインが真正と判断
された場合にはセレクタ２０内部の下方部にあるソレノ
イド２４（図３を参照）がオン動作される。ソレノイド
２４がオン動作されると通路のゲート（図示略）が開か
れて真正コインはセレクタ２０の底面に形成された出口
１２を通って下方に落下する。

【００１１】出口から落下した真正コインはゲーム機内
に設置されている真正コインの金庫（図示略）内に収納
される。なお此のとき出口１２の近くのセレクタ２０内
に配設された正貨コインのセンサ２５（図３を参照）か
らは検出信号Ｓが出力される。この検出信号Ｓによって
後記されるようにソレノイド２４がオフ動作されて通路
のゲートが閉じられることになる。

【００１２】投入されたコインが偽貨と判断された場合
はソレノイド２４は動作されないため通路はゲートによ
って閉鎖されたままである。したがって偽物コインは返
却口１３を介在してゲーム機の外部に戻されキャンセル
されることになる。またセレクタ２０内部で動かない偽
貨はレバー１８を操作しドア１４を枢軸１５中心に回動
して開くと落下し返却口１３を通してキャンセルされる
ことになる。

【００１３】図３はセレクタ２０に内蔵されている電子
回路のブロック図である。検出コイル２１は投入された
コインの材質を検出するためのもので比較的に低い周波
数の発振回路２６に接続されている。検出コイル２２は
コインの厚さを検出するためのもので比較的に高い周波
数の発振回路２７に接続されている。検出コイル２３は
コインの直径を検出するためのもので比較的に高い周波
数の発振回路２８に接続されている。

【００１４】検出コイル２１〜２２の信号はそれぞれ検
波手段を含む整流回路３１、３２、３３によって整流さ
れる。図３中央の３４はアナログからデジタルへの変換
回路（Ａ／Ｄ）である。この変換回路３４は整流回路３
１〜３３からの各アナログ信号をそれぞれ入力してサン
プリングしデジタルに変換して出力する。３５は信号処
理ユニット（ＣＰＵ）であり変換回路３５からの各デジ
タル信号をそれぞれ入力して信号処理をする。

【００１５】３６は記憶手段であって投入されるコイン
に関する種々の硬貨データ４１などを記憶する。図３の
右サイドのＭＳはモードを選択するためのスイッチであ
る。このスイッチＭＳは記憶手段３６に硬貨データ４１
を記憶するためのモードか或いはセレクタ２０を動作す
るためのモードかを選択するためのものである。スイッ
チ５００Ｓは５００円コインの硬貨データ４１を設定し
記憶するときに使用される。

【００１６】同様にスイッチ１００Ｓは１００円コイン
の硬貨データ４１を設定し記憶するためのものである。
またスイッチ５０Ｓは５０円コインの硬貨データ４１を
設定し記憶する。スイッチ１０Ｓは１０円コインの硬貨
データ４１を設定し記憶するためのものである。図３下
方の左サイドに示される３７ならびに３８はそれぞれ金
額を設定をするための設定器であり具体的にはコードス
イッチである。

【００１７】たとえば第１の設定器３７は１００円単位
で０円〜９００円の金額の設定を行うためのものであ
る。また第２の設定器３８は１０円単位で０円〜９０円
の金額の設定を行うためのものである。したがって設定
器３７が目盛り０で０円に設定され設定器３８が目盛り
７で７０円に設定されると合計７０円の金額設定の信号
が信号処理ユニット３５に出力されることになる。

【００１８】なお此等の設定器３７、３８は図２のセレ
クタ２０に配設されているがセレクタ２０を設置するゲ
ーム機（図示略）に配設しても良いことは勿論である。
図３の右下に示されるスイッチＲＳはリセット用のもの
で硬貨データ４１を書き換えるときなどに使用される。

【実施例】図４は図３の動作を説明するためのフロー図
である。セレクタ２０の電源スイッチ（図示を省略）が
オンされると動作がスタートされる（ステップ５１）。

【００１９】動作がスタートされるとセレクタ２０は自
動的に初期設定が行われる（ステップ５２）。この初期
設定では具体的にはゲートのソレノイド２４が正常に動
作するか否かセンサ２５が正常に動作するか否かなどの
チェックが行なわれる。つぎに例えばセレクタ２０を５
０円硬貨使用可能に設定する場合を記載する。この場合
は予めモード変更スイッチＭＳがデータ作成モードに選
択されると共に５０円硬貨の金種設定スイッチ５０Ｓが
選択されている。

【００２０】したがって初期設定のステップ５２が終了
するとモード確認のステップ５３によってデータ作成モ
ードが選択される。この状態で５０円硬貨が入口１１に
投入されると（ステップ５４）図３のブロック回路図に
よってデータが得られることになる。言い換えると投入
された５０円硬貨がカウントされる（ステップ５５）と
共に各５０円硬貨のサンプリングされたデータが得られ
ることになる（ステップ５６）。

【００２１】このようにして所望枚数ｎの５０円硬貨が
入口１１に連続的に投入されて所定枚数Ｎに達すると
（ステップ５７）データが統計的に処理されて５０円の
硬貨データ４１（図３を参照）が作成されることになる
（ステップ５８）。そして信号処理ユニット３５によっ
て統計的に処理された硬貨データ４１は記憶手段３６に
記憶される（ステップ５９）。さらに当該セレクタ２０
を１０円硬貨も使用可能に設定する場合には前述と同様
にモード変更スイッチＭＳをデータ作成モードに選択す
ると共に１０円硬貨用の金種設定スイッチ１０Ｓを選択
する。

【００２２】そして上述と同様にして得られた１０円コ
インの硬貨データ４１を記憶手段３６にストアしてお
く。なお硬貨データ４１が作成されて記憶手段３６に記
憶されると述べたが予め記憶手段３６に硬貨データ４１
を記憶しておいても良いことは勿論である。また本実施
例の場合、５０円コインならびに１０円コインの硬貨デ
ータ４１のみを記憶したため他の１００円コインならび
に５００円コインはキャンセルされることになる。

【００２３】以上のような準備の後このセレクタ２０は
モード変更スイッチＭＳの選別機モードが選択されて使
用される。すなわち前述の状態において図１のようにコ
インが入口１１に投入されると（ステップ６１）図３の
ブロック回路図によって投入されたコインのデータがサ
ンプリングで得られる（ステップ６２）。投入されたコ
インのサンプリングデータは記憶手段３６に記憶された
硬貨データ４１と比較される（ステップ６３）。

【００２４】たとえばコインのサンプリングデータが５
０円の硬貨データ４１と合致するとコインは真正と判断
される（ステップ６４）。この投入コインが５０円正貨
と判断されると投入金額が５０円と記憶され是までに投
入されて受け入れられたコインの受入金額、この場合は
０円が加えられる（ステップ６５）。投入金額と受入金
額との合計すなわち５０円＋０円＝５０円が設定金額た
とえば７０円よりも小であると（ステップ６６）正貨を
受入れるためのゲートのソレノイド２４がオンされる
（ステップ６７）。

【００２５】かくして真正コインが出口１２のセンサ２
５を通過すると（ステップ６８）正貨受れ入れゲートの
ソレノイド２４がオフにされる（ステップ６９）。また
ステップ６６で述べたように投入金額と受入金額との合
計すなわち５０円＋０円＝５０円が設定金額７０円より
も小であるから次のコインの受け入れに備えられる（ス
テップ７０、５３、６１）。

【００２６】つぎに投入されたコインが１０円の場合、
ステップ６５において投入金額が１０円と記憶されると
共に是までの受入金額である５０円が加えられる。投入
金額と受入金額との合計すなわち１０円＋５０円＝６０
円が設定金額７０円よりも小であるため（ステップ６
６）上述と同様に正貨を受入れるためのソレノイド２４
がオンされる（ステップ６７）。かくして前述と同様に
して投入金額と受入金額との合計１０円＋５０円＝６０
円が設定金額７０円よりも小であるから次のコインの受
け入れに備えられる（ステップ７０、５３、６１）。

【００２７】さらに投入されたコインが１０円の場合、
同様にステップ６５において投入金額が１０円と記憶さ
れ其れまでの受入金額である６０円が加えられる。投入
金額と受入金額との合計すなわち１０円＋６０円＝７０
円が設定金額７０円と等しいため（ステップ６６）同様
に正貨を受入れるためのソレノイド２４がオンされる
（ステップ６７）。この場合、投入金額と受入金額との
合計１０円＋６０円＝７０円が設定金額７０円と等しい
から（ステップ７０）図３の信号処理ユニット３５から
信号ＯＰＳが出力される（ステップ７１）。

【００２８】なお此の信号ＯＰＳの出力によって例えば
当該セレクタ２０を装置したゲーム機（図示を省略）は
ゲーム可能な状態にすることが出来る。最初に投入され
たコインが５０円であって二番目のコインが５０円であ
る場合は、ステップ６５において投入金額が５０円と記
憶され其れまでの受入金額である５０円が加えられるこ
とになる投入金額と受入金額との合計すなわち５０円＋
５０円＝１００円が設定金額７０円よりも大である（ス
テップ６６）。

【００２９】この場合は合計金額１００円から投入金額
の５０円コインがキャンセルされて受入金額５０円が保
留され（ステップ７２）次のコインの受け入れに備えら
れることになる（ステップ５３、６１）。言い換えると
上述の実施例において一組の設定器３７，３８によって
金額が７０円と設定された場合、投入されるコインは１
０円硬貨のみが７枚か或いは５０円硬貨１枚と１０円硬
貨２枚の組み合わせのみによって動作信号ＯＰＳが出力
されることになる。

【００３０】その他の場合は投入されたコインが返却口
１２を通して投入者に戻されることになる。なお本実施
例の場合、設定器３７，３８による設定金額が７０円の
ため５０円ならびに１０円コインの硬貨データ４１のみ
を記憶したが設定金額が１００円を越す場合には例えば
１００円コインの硬貨データ４１を追加する必要がある
ことになる。

【００３１】

【発明の効果】以上のようになる本発明はコインセレク
タに簡単な構成を付加することによって所望の金額を設
定することが出来ると共に自動販売機あるいはゲーム機
を直接に動作することが出来るという大きな効果が得ら
れることになる。

【００３２】言い換えると本発明が使用される場合コイ
ンセレクタのみでゲーム機あるいは自動販売機を動作で
きるため自動販売機などの内部に複雑な返金機構などを
設置する必要が無くなると共に設定器によって所望の金
額を設定できるため値上げ値下げに簡単に対応できると
いう実用的上の利点に大きいものがある。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は本発明による一実施例を示す正面からの
斜視図である。

【図２】図２は図１の実施例を背面から見た斜視図であ
る。

【図３】図３は図１に組み込まれている電子回路のブロ
ック図である。

【図４】図４は図３の動作を説明するためのフローチャ
ートである。

【符号の説明】

真正コインデータの記憶手段・・・４１：硬貨データ、
３６：記憶手段、投入コインのデータ獲得手段・・・２
１〜２３：検出コイル、２６〜２８：発振回路、３１〜
３３：整流回路、３４：変換回路、３５：信号処理ユニ
ット、所望金額の設定手段・・・３７、３８：設定器、
データの比較手段・・・３５：信号処理ユニット、投入
金額と受入金額の合計手段・・・３５：信号処理ユニッ
ト、信号の出力手段・・・ＯＰＳ：出力信号、３５：信
号処理ユニット。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 少なくとも、投入される真正コインのデ
   ータを記憶するための手段と、投入されたコインを検出
   して当該投入コインのデータを得るための手段と、所望
   の金額を設定するための手段と、前記投入コインのデー
   タと前記真正コインのデータとを比較するための手段
   と、この比較手段によって前記投入コインが真正コイン
   であると判断されると当該投入真正コインの金額と其れ
   までの受入金額とを合計するための手段と、この合計金
   額と前記設定金額とが等しい場合にのみ信号を出力する
   ための手段と、を備えていることを特徴とした金額設定
   付きコインセレクタ。
2. 【請求項２】 請求項１の記載において、前記金額設定
   手段が前記セレクタに配設されていることを特徴とした
   金額設定付きコインセレクタ。
3. 【請求項３】 請求項１あるいは請求項２の記載におい
   て、前記金額設定手段がコードスイッチであることを特
   徴とした金額設定付きコインセレクタ。