JPH11250387A - 信号伝送装置及び信号伝送方法 - Google Patents

信号伝送装置及び信号伝送方法

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JPH11250387A
JPH11250387A JP4795698A JP4795698A JPH11250387A JP H11250387 A JPH11250387 A JP H11250387A JP 4795698 A JP4795698 A JP 4795698A JP 4795698 A JP4795698 A JP 4795698A JP H11250387 A JPH11250387 A JP H11250387A
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signal
detection
output
operation mode
pulse
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JP4795698A
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Masaru Hoshino
優 星野
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Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 並列的に出力される信号であって、その信号
の値が時間的に変化する信号を、ノイズの影響を防止し
て確実に伝送するできると共に、検出系の信号状態を的
確にモニターすることのできる信号伝送装置を提供す
る。 【解決手段】 測定ロール等の回転側に設けられた複数
のロードセル7の出力信号を、当該出力信号のピーク位
置で出力されるトリガーパルスに同期させてサンプルホ
ールドし、シリアルデータ化してキャリア周波数340
MHz、伝送レート4Mbpsで回転側から制御盤15
へ伝送する。また、制御盤15側から回転側へはトリガ
ーパルスをキャリア周波数490MHz、伝送レート4
Mbpsで伝送する。更に、制御盤15に動作モードを
切り換えるためのセレクタ操作部28を備え、動作モー
ドを運転モードと調整モードに切り換え可能に構成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、並列に出力される
信号を伝送する信号伝送装置及び信号伝送方法の技術分
野に関するものである。
【0002】
【従来の技術】並列に出力される信号を伝送する装置
は、例えば、冷間圧延工程における形状制御のための形
状測定装置に用いられる。この冷間圧延工程とは、熱間
圧延工場にて製造される熱延コイルの表面を酸洗した後
に、優れた寸法精度、きれいで平滑な表面、及び優れた
平坦度等を有する冷延鋼板を製造するために行われる圧
延工程であり、この冷延鋼板は、自動車、電機、家具、
事務用品、車両、建築等に用いられている。
【0003】図12に冷間圧延工程に用いられる圧延機
の一例を示す。図12に示す圧延機は、一対のワーキン
グロール50,51の上下に、バックアップロール5
2,53を備えた4重式圧延機である。この圧延機で
は、一対のワーキングロール50,51にてストリップ
54を挟持圧接しながら該ストリップ54を所定の張力
で矢印方向に巻き取ることにより、所定の寸法の冷延鋼
板を得ることができる。
【0004】しかしながら、冷間圧延後のストリップ5
4の平坦度は、原板の断面形状及びワーキングロール5
0,51の隙間の形状すなわちロールクラウンと圧延反
力の状態に依存する。
【0005】従って、目的の平坦度を得るためには、圧
延後のストリップ54の平坦度を正確に認識し、適切な
制御手段を設ける必要がある。そこで、従来は、図12
に示すように、圧延機よりもストリップ54の巻き取り
方向下流側に測定ロール55を設け、ストリップ54の
引っ張り方向を該測定ロール55に押し当てるように下
方向に変更した構成が採られている。この測定ロール5
5の表面部には、複数個のロードセルが該ロールの軸方
向に亘って一列に設けられており、これらのロードセル
に対する押圧力を検出することにより、ストリップ54
の平坦度の測定が行われる。測定は、ロードセルの出力
信号をスリップリング56により伝送し、信号処理回路
57で当該出力信号を処理した後、形状指示計58に表
示させることにより行われる。そして、この表示結果に
基づいて、ワーキングロール50,51またはバックア
ップロール52,53を曲げたり、あるいは各ロールを
内圧で膨張させたり、もしくは各ロールを軸方向へシフ
トさせることにより、所望の平坦度を維持するようにな
っている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
方式では、スリップリング56の回転側及び静止側の双
方に、複数のロードセルの出力信号に対する信号の個数
分のケーブルが必要となり、ケーブルの配置等の処理が
困難になる。また、精度の高い形状制御を行うには、ロ
ードセルの出力信号を精度良く伝送する必要があるが、
圧延工程においては大型の駆動モータが使用されノイズ
が発生し易い環境であった。しかも、各信号毎にケーブ
ルを設けているため、各ケーブルごとにノイズの影響を
受け、多くの信号に誤りが生じる場合がある。
【0007】また、信号の伝送部には、スリップリング
を使用しているため、スリップリング自体の接触抵抗が
信号に影響を与え、しかもこの接触抵抗の値が磨耗や片
減りにより経時的に変化するために、正確な信号の伝送
ができないという問題があった。
【0008】特に、ロードセルの出力信号のような、測
定ロール55の回転と共に信号の値が変化する信号であ
って、そのピーク値を読み取ることが必要な信号の場合
には、ノイズの混入による誤検出を確実に防止する必要
がある。
【0009】また、ピーク値を正確に読み取るために
は、ノイズの除去だけでなく、その信号のサンプリング
タイミングを適切に設定することが重要であるが、サン
プリングを行う回路の故障あるいはドリフト等により、
サンプリングが設定通りに行われていない場合もあっ
た。
【0010】そこで、本発明は、前記問題点を解決し、
並列的に出力される信号であって、その信号の値が時間
的に変化する信号を、ノイズの影響を防止して確実に伝
送することのできる信号伝送装置及び信号伝送方法を提
供することを課題としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の信号伝
送装置は、前記課題を解決するために、情報の検出側と
制御側との間で非接触により信号の伝送を行う信号伝送
装置であって、前記検出側には、運転モード又は調整モ
ードを示す動作モード信号、あるいはトリガー信号を制
御側から受け取る検出側受取手段と、複数の信号経路か
ら並列的に出力され周期的に変化する検出信号を前記ト
リガー信号に基づきサンプルホールドするサンプルホー
ルド手段と、サンプルした値をパルス信号化するパルス
信号化手段と、検出信号の少なくとも何れか一つをデジ
タル化するデジタル化手段と、パルス信号又はデジタル
化検出信号の何れかを直列伝送する直列伝送手段と、運
転モード時にパルス信号を、又は調整モード時にデジタ
ル化検出信号を伝送対象として選択する伝送対象選択手
段と、検出信号の変化周期に同期して変化する基準信号
の生成手段とを備え、前記制御側には、前記直列伝送手
段から直列データを受け取る制御側受取手段と、トリガ
ー信号又は動作モード信号を伝送する信号伝送手段と、
パルス信号についての直列データの多数値を算出する多
数決手段と、該多数値に基づいて前記パルス信号を再生
するパルス信号再生手段と、該パルス信号に基づき検出
信号のピーク値を出力するピーク値出力手段と、検出信
号についての直列データのアナログ化による検出信号の
再生手段と、動作モード信号の内容を運転モード又は調
整モードの何れかに切り換えるモード信号切換手段と、
前記基準信号を監視する監視手段と、再生された検出信
号及び監視される基準信号に基づきトリガー信号の発生
タイミングを調整する調整手段とを備えることを特徴と
する。
【0012】請求項1に記載の信号伝送装置によれば、
制御側のモード信号切換手段により、動作モード信号の
内容を運転モードに切り換え、この動作モード信号を信
号伝送手段により制御側から検出側へ伝送すると、検出
側においては、検出側受取手段によりこの動作モード信
号が受け取られる。そして、伝送対象選択手段により、
この動作モード信号に基づいて、検出側から制御側への
伝送対象としてパルス信号が選択される。一方、複数の
信号経路から並列的に出力される複数の検出信号が、サ
ンプルホールド手段によりサンプルされ、ホールドされ
ると、これらの検出信号は、パルス信号化手段によりパ
ルス信号化される。そして、上述のように伝送対象とし
てパルス信号が選択されているので、これらのパルス信
号が直列伝送手段により直列データとして制御側に伝送
される。
【0013】制御側においては、制御側受け取り手段に
よりこのパルス信号についての直列データを受け取り、
多数決手段によりこのパルス信号についての多数値を算
出する。そして、パルス信号再生手段は、この多数値に
基づいて前記パルス信号を再生する。従って、低い誤り
率で、複数の信号経路から出力されたパルス信号が再生
されることになる。また、このようにして再生されたパ
ルス信号に基づいて、ピーク値出力手段により検出信号
のピーク値が出力される。このピーク値は上述のように
低い誤り率で再生されるパルス信号に基づいて出力され
るので、周期的に変化する検出信号であっても、そのピ
ーク値を適切に得ることができる。
【0014】しかし、何らかの原因で、前記トリガー信
号の出力タイミングに誤差が生じた場合には、前記ピー
ク値は不適正なタイミングで検出されることになる。そ
こで、本発明においては、まず、モード信号切換手段に
より、動作モード信号の内容を調整モードに切り換え、
信号伝送手段により制御側から検出側へこの動作モード
信号を伝送する。この動作モード信号が検出側にて受取
られると、伝送対象選択手段は、検出側から制御側への
伝送対象としてデジタル化検出信号を選択し、デジタル
化手段により何れかの検出信号をデジタル化して、検出
信号をデジタル化する。そして、このデジタル化された
検出信号を直列伝送手段により検出側から制御側へと伝
送し、制御側においては、このようにして伝送されるデ
ジタル化された検出信号をアナログ化し、再生手段によ
り検出信号として再生する。また、制御側の監視手段
は、検出側に備えた基準信号の生成手段に基づいて、基
準信号を監視する。このように、制御側においては、検
出信号及び基準信号をモニターすることができ、調整手
段により、この検出信号及び基準信号に基づいて、トリ
ガー信号の発生タイミングを調整する。従って、上述の
ように、何らかの原因でトリガー信号の発生タイミング
に誤差が生じた場合でも、適切にその誤差を無くすこと
ができ、調整したトリガー信号に基づいて、適切なタイ
ミングで検出信号のサンプルとホールドが行われる。
【0015】以上のように本発明によれば、並列的に出
力される複数の信号のピーク値を、極めて適切に検出状
況を把握しつつ、正確に伝送することができる。
【0016】請求項2に記載の信号伝送装置は、前記課
題解決するために、請求項1に記載の信号伝送装置にお
いて、前記検出側には、前記検出信号の出力源として回
転体の表層部に備えられ、押圧力に応じて電気信号を出
力する複数の検出手段と、前記基準信号の生成手段とし
て前記回転体に取り付けられ、前記回転体の回転量を電
気信号に変換して出力する手段とを備えることを特徴と
する。
【0017】請求項2に記載の信号伝送装置によれば、
前記検出側にて、前記検出信号の出力源として回転体の
表層部に備えられた複数の検出手段が、回転体の回転に
伴って回転すると、回転体に被測定体が当接していた場
合には、前記検出手段と前記被測定体とが当接する位置
においては、検出手段に対して押圧力が加わり、その押
圧力に応じて電気信号が出力される。そして、このよう
な電気信号として出力される検出信号は、デジタル化手
段によりデジタル化されて直列伝送手段により、検出側
から制御側に伝送される。制御側においては、検出信号
の再生手段によりこの検出信号を再生する。一方、前記
回転体が回転すると、前記回転体に取り付けられた前記
基準信号の生成手段からは、前記回転体の回転量が電気
信号に変換されて出力される。従って、この生成手段の
信号を基準信号として監視手段により監視している制御
側においては、前記基準信号により前記回転体の回転量
の情報と、前記検出信号の波形とが、ほぼ同時に得られ
ることになり、この基準信号を基準とするトリガー信号
の発生タイミングを適切に検出信号のピーク位置に調整
することができる。従って、何らかの原因でトリガー信
号の発生タイミングに誤差が生じた場合でも、常に適切
な検出信号のピーク値を得ることができる。
【0018】請求項3に記載の信号伝送装置は、前記課
題を解決するために、請求項3に記載の信号伝送装置に
おいて、前記検出手段は、前記回転体の軸方向に沿って
並設されており、前記デジタル化手段は、前記軸方向の
両端部に位置する検出手段から出力される検出信号をデ
ジタル化することを特徴とする。
【0019】請求項3に記載の信号伝送装置によれば、
前記デジタル化手段は、前記回転体の軸方向に沿って並
設された検出手段のうち、前記回転体の軸方向の両端部
に位置する検出手段から出力される検出信号をデジタル
化する。従って、前記回転体に当接する被測定体が平板
状の部材の場合には、前記両端部の検出手段からの出力
信号はほぼ等しい値となるから、これらの検出手段の出
力信号の差が所定値以上の場合には、回転体に偏心が存
在することを検知することができる。
【0020】請求項4に記載の信号伝送方法は、前記課
題を解決するために、情報の検出側と制御側との間で非
接触により信号の伝送を行う信号伝送方法であって、前
記検出側にて、運転モード又は調整モードを示す動作モ
ード信号、あるいはトリガー信号を制御側から受け取る
検出側受取工程と、複数の信号経路から並列的に出力さ
れ周期的に変化する検出信号を前記トリガー信号に基づ
きサンプルホールドするサンプルホールド工程と、サン
プルした値をパルス信号化するパルス信号化工程と、検
出信号の少なくとも何れか一つをデジタル化するデジタ
ル化工程と、パルス信号又はデジタル化検出信号の何れ
かを直列伝送する直列伝送工程と、運転モード時にパル
ス信号を、又は調整モード時にデジタル化検出信号を伝
送対象として選択する伝送対象選択工程と、検出信号の
変化周期に同期して変化する基準信号の生成工程とを備
え、前記制御側にて、前記直列伝送工程により伝送され
る直列データを受け取る制御側受取工程と、トリガー信
号又は動作モード信号を伝送する信号伝送工程と、パル
ス信号についての直列データの多数値を算出する多数決
工程と、該多数値に基づいて前記パルス信号を再生する
パルス信号再生工程と、該パルス信号に基づき検出信号
のピーク値を出力するピーク値出力工程と、検出信号に
ついての直列データのアナログ化による検出信号の再生
工程と、動作モード信号の内容を運転モード又は調整モ
ードの何れかに切り換えるモード信号切換工程と、前記
基準信号を監視する監視工程と、再生された検出信号及
び監視される基準信号に基づきトリガー信号の発生タイ
ミングを調整する調整工程とを備えることを特徴とす
る。
【0021】請求項4に記載の信号伝送方法によれば、
制御側において、動作モード信号の内容を運転モードに
切り換え、この動作モード信号を制御側から検出側へ伝
送すると、検出側においてこの動作モード信号が受け取
られる。そして、この動作モード信号に基づいて、検出
側から制御側への伝送対象としてパルス信号が選択され
る。一方、複数の信号経路から並列的に出力される複数
の検出信号が、サンプルされ、ホールドされると、これ
らの検出信号は、パルス信号化される。そして、上述の
ように伝送対象としてパルス信号が選択されているの
で、これらのパルス信号が直列データとして制御側に伝
送される。
【0022】制御側においては、このパルス信号につい
ての直列データを受け取り、このパルス信号についての
多数値を算出する。そして、この多数値に基づいて前記
パルス信号を再生する。従って、低い誤り率で、複数の
信号経路から出力されたパルス信号が再生されることに
なる。また、このようにして再生されたパルス信号に基
づいて、検出信号のピーク値が出力される。このピーク
値は上述のように低い誤り率で再生されるパルス信号に
基づいて出力されるので、周期的に変化する検出信号で
あっても、そのピーク値を適切に得ることができる。
【0023】しかし、何らかの原因で、前記トリガー信
号の出力タイミングに誤差が生じた場合には、前記ピー
ク値は不適正なタイミングで検出されることになる。そ
こで、本発明においては、まず、動作モード信号の内容
を調整モードに切り換え、制御側から検出側へこの動作
モード信号を伝送する。この動作モード信号が検出側に
て受取られると、検出側から制御側への伝送対象として
デジタル化検出信号が選択され、何れかの検出信号がデ
ジタル化される。そして、このデジタル化された検出信
号が検出側から制御側へと伝送され、制御側において
は、このようにして伝送されるデジタル化された検出信
号がアナログ化され、再生される。また、制御側におい
ては、検出側にて生成される基準信号が監視される。こ
のように、制御側においては、検出信号及び基準信号を
モニターすることができ、この検出信号及び基準信号に
基づいて、トリガー信号の発生タイミングの調整が可能
である。従って、上述のように、何らかの原因でトリガ
ー信号の発生タイミングに誤差が生じた場合でも、適切
にその誤差を無くすことができ、調整したトリガー信号
に基づいて、適切なタイミングで検出信号のサンプルと
ホールドが行われる。
【0024】以上のように本発明によれば、並列的に出
力される複数の信号のピーク値を、極めて適切に検出状
況を把握しつつ、正確に伝送することができる。
【0025】請求項5に記載の信号伝送方法は、前記課
題を解決するために、請求項4に記載の信号伝送方法に
おいて、前記検出側にて、前記検出信号の出力源として
回転体の表層部に備えた検出手段により押圧力に応じて
電気信号を出力させる工程と、前記回転体に取り付けた
手段により、前記回転体の回転量を電気信号に変換して
出力させることにより前記基準信号を生成する工程とを
備えることを特徴とする。
【0026】請求項5に記載の信号伝送方法によれば、
前記検出側にて、前記検出信号の出力源として回転体の
表層部に備えられた複数の検出手段が、回転体の回転に
伴って回転すると、回転体に被測定体が当接していた場
合には、前記検出手段と前記被測定体とが当接する位置
においては、検出手段に対して押圧力が加わり、その押
圧力に応じて電気信号が出力される。そして、このよう
な電気信号として出力される検出信号は、デジタル化さ
れて、検出側から制御側に伝送される。制御側において
はこの検出信号を再生する。一方、前記回転体が回転す
ると、前記回転体の回転量が電気信号に変換されて出力
される。従って、この信号を基準信号として監視してい
る制御側においては、前記基準信号により前記回転体の
回転量の情報と、前記検出信号の波形とが、ほぼ同時に
得られることになり、この基準信号を基準とするトリガ
ー信号の発生タイミングを適切に検出信号のピーク位置
に調整することができる。従って、何らかの原因でトリ
ガー信号の発生タイミングに誤差が生じた場合でも、常
に適切な検出信号のピーク値を得ることができる。
【0027】請求項6に記載の信号伝送方法は、前記課
題を解決するために、請求項5に記載の信号伝送方法に
おいて、前記回転体の軸方向に沿って並設した前記検出
手段のうち、前記軸方向の両端部に位置する検出手段か
ら出力される検出信号をデジタル化する工程を備えるこ
とを特徴とする。
【0028】請求項6に記載の信号伝送方法によれば、
前記回転体の軸方向に沿って並設された検出手段のう
ち、前記回転体の軸方向の両端部に位置する検出手段か
ら出力される検出信号がデジタル化される。従って、前
記回転体に当接する被測定体が平板状の部材の場合に
は、前記両端部の検出手段からの出力信号はほぼ等しい
値となるから、これらの検出手段の出力信号の差が所定
値以上の場合には、回転体に偏心が存在することを検知
することができる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面に基づいて説明する。
【0030】図1は本実施形態における信号伝送装置を
用いた冷間圧延機の形状制御システムの概略構成を示す
ブロック図である。
【0031】図1に示す圧延機は、互いに所定の間隙を
有するように設けられた一対のワーキングロール1,2
を備えており、該ワーキングロール1,2の間隙に、S
PCC等の冷延鋼板のストリップ5を通過させることに
より、ストリップ5を所望の形状に圧延する。
【0032】前記ワーキングロール1,2の上下には、
バックアップロール3,4が夫々備えられている。バッ
クアップロール3,4は、ワーキングロール1,2へ向
かう半径方向及び、バックアップロール3,4の軸方向
に移動自在に設けられており、ストリップ5に対するワ
ーキングロール1,2の押圧力の調整、あるいはワーキ
ングロール1,2のクラウン形状による押圧力の偏りの
補正等を行う。
【0033】以上のような4つのロールにより構成され
る本実施形態の4重式圧延機では、一対のワーキングロ
ール1,2にてストリップ5を挟持圧接しながら該スト
リップ5を所定の張力で矢印A方向に巻き取ることによ
り、所定の形状の冷延鋼板を得ることができる。
【0034】しかしながら、冷間圧延後のストリップ5
の平坦度は、原板の断面形状及びワーキングロール1,
2の隙間の形状すなわちロールクラウンと圧延反力の状
態に依存するため、本実施形態においては、4重式圧延
機よりもストリップ5の巻き取り方向下流側に測定ロー
ル6を設けている。なお、測定ロール6の回転数は標準
で1500rpm、最大で1800rpmに設定されて
いる。
【0035】測定ロール6の表面部には、図2に示すよ
うに32個のロードセル7が該ロールの軸方向に亘って
一列に設けられており、これらのロードセル7に対する
押圧力を検出することにより、ストリップ5の平坦度の
測定が行われる。
【0036】そして、図1に示すように、ワーキングロ
ール1,2の間隙を通過したストリップ5は、測定ロー
ル6に押し当てられるようにその引っ張り方向を矢印B
方向に変更される。
【0037】また、測定ロール6の回転軸6aには、図
1に示すように、回転側伝送ユニット10が取り付けて
られており、さらに該回転側伝送ユニット10には、信
号伝送用ロータリージョイント11が取り付けられてい
る。また、回転側伝送ユニット10と測定ロール6との
間の回転軸6aには、基準信号の生成手段としてのエン
コーダ17が取り付けてられている。
【0038】回転側伝送ユニット10の内部には、図3
に示すように、ロードセル7の出力信号を増幅するアン
プ20と、増幅した信号を後述するように変換する信号
変換ユニット21と、電源22が備えられている。ま
た、回転側伝送ユニット10と信号伝送用ロータリージ
ョイント11は、メカロック23により連結されてい
る。
【0039】信号伝送用ロータリージョイント11は、
図4に示すように、回転部11aと固定部11bとから
構成されており、回転部11aと固定部11bは、ベア
リング11c、11d、11eにより連結され、回転部
11aが固定部11bに対して回転自在に設けられてい
る。
【0040】回転部11aには、信号の送受信部24が
備えられており、コネクタ部11f及び図3に示すケー
ブル25を介して前記回転側伝送ユニット10の信号変
換ユニット21と電気的に接続されている。
【0041】そして、回転部11aと固定部11bの対
向部には、アンテナハウジング部11g、11hが夫々
設けられており、アンテナハウジング部11g、11h
の内部には図示しないアンテナエレメント部材が夫々収
納されている。回転部11aのアンテナハウジング部1
1gに収納されたアンテナエレメント部材は、前記送受
信部24と電気的に接続されており、送受信部24から
出力された信号がアンテナハウジング部11gに収納さ
れたアンテナエレメント部材を介して送信され、固定部
11bのアンテナハウジング部11gに収納されたアン
テナエレメント部材を介して、固定部11b側のコネク
タ部11i及び図1に示すケーブル12により中継部1
3へ伝送され、中継部13の送受信部にて受信される。
そして、この受信された信号は光ケーブル14を介して
制御盤15に伝送され、制御盤15にて処理される。一
方、制御盤15における操作入力に基づき中継部13の
送受信部から出力される信号は、固定部11bのアンテ
ナハウジング部11gに収納されたアンテナエレメント
部材を介して送信され、回転部11aのアンテナハウジ
ング部材11gに収納されたアンテナエレメント部材を
介して送受信部24により受信される。受信された信号
は回転側伝送ユニット10の信号変換ユニット21にて
処理されることになる。
【0042】このように、本実施形態によれば、非接触
の信号伝送が可能となっているため、スリップリングの
ような摩耗による信号劣化がなく、長期に亘って良好に
信号を伝送することができる。
【0043】なお、図1または図3に示すエンコーダ1
7の詳細については後述する。
【0044】次に、以上のような伝送媒体を用いて行わ
れる本実施形態における信号の伝送方式について詳しく
説明する。
【0045】図5は、本実施形態における信号変換ユニ
ット21及び送受信部の構成を示すブロック図である。
検出手段としてのロードセル7は、上述したように測定
ロール6の長手方向の一列に32個設けられており、測
定ロール6の回転に伴ってストリップ5と当接すること
により、32個のロードセル7が夫々独立に信号を出力
する。従って、この出力信号を処理する回路は、夫々の
ロードセル7に対応して32個分設けられている。
【0046】まず、夫々のロードセル7は、アンプ部2
0に備えられた32個のアンプに夫々接続され、ロード
セル7から出力される信号は、夫々のアンプにより、図
6(A)に示すように、0V〜10Vの範囲で変動する
信号に増幅される。ロードセル7は、図2に示すよう
に、測定ロール6の円周上においてほぼ直線に近似でき
る程に短い幅を有して該円周上の一箇所に設けられてい
るため、ストリップ5と測定ロール6とが当接する期間
のみにその出力信号の測定が可能であり、測定ロール6
の回転中の全期間において連続測定できるものではな
い。
【0047】従って、測定後にロードセル7の出力信号
を処理するためには、所定期間に亘ってその出力状態を
維持する必要がある。そこで、本実施形態においては、
図5に示すように、アンプ部20の後にサンプルホール
ド手段としてのサンプルホールド回路部30を備え、該
サンプルホールド回路部30に備えられた32個のサン
プルホールド回路により、夫々のアンプの出力信号を所
定のタイミングでサンプルし、かつ、ホールドするよう
に構成した。
【0048】また、ロードセル7の出力信号は、ストリ
ップ5の測定ロール6に対する荷重値であるから、サン
プルするタイミングとしては、当該出力信号がピークと
なるタイミングが好ましい。
【0049】そこで、本実施形態では、図6(B)に示
すように、ロードセル7の出力信号がピークになるタイ
ミングで、トリガーパルスをサンプルホールド回路部3
0に出力し、サンプルホールド回路部30においてこの
トリガーパルスの立ち下がりでロードセル7の出力信号
をサンプルするように構成した。
【0050】そして、詳しくは後述するが、本実施形態
においてはこのトリガーパルスの出力タイミングの調整
が可能であり、適切なタイミングでトリガーパルスを出
力させることにより、サンプルホールド回路部30で
は、各ロードセル7の出力信号のピーク値がサンプルさ
れ、図6(C)に示すようにサンプリング間隔に等しい
期間、ピーク値を維持する出力信号が出力される。そし
て、ピークホールド回路部30には、ロードセル7の個
数と等しい32個分のピークホールド回路及びラッチ回
路が備えられているため、32個分の出力信号が同時に
得られることになる。
【0051】しかし、これらの信号は、上述したように
0V〜10Vのレンジを有するアナログ信号であるた
め、信号伝送の耐ノイズ性を高めるためには、デジタル
信号への変換が必要となる。
【0052】そこで、本実施形態においては、ピークホ
ールド回路部30にパルス信号化手段としての電圧−周
波数変換部(以下、V/F変換部とする)31を接続
し、該V/F変換部31にてピークホールド回路部30
の出力信号をパルス信号に変換するように構成した。
【0053】本実施形態のV/F変換部31には、オペ
アンプで構成されたV−Fコンバーターが備えられてお
り、周波数Fと電圧Vの関係は次式で表される。
【0054】
【数1】 従って、ピーク電圧が10Vの時にはパルス信号の周波
数は4kHz、1Vの時には1kHz、0.1Vの時に
は250Hz、0.01Vの時には62.5Hzとな
る。つまり、本実施形態においては、V/F変換部31
から、図6(D)に示すようなパルス信号がロードセル
7の32個分出力され、耐ノイズ性の高い信号伝送を可
能としている。
【0055】しかしながら、本実施形態の伝送媒体は、
上述したようにアンテナエレメント部材を用いた非接触
通信路であるから、これらの並列的に出力されるパルス
信号あるいはデジタルデータをシリアル信号に変換する
必要がある。
【0056】そこで、本実施形態では、V/F変換部3
1にパラレル−シリアル変換回路(以下、P/S変換回
路とする)32を接続することにより、当該P/S変換
回路32において、前記並列的に出力されるパルス信号
を所定のタイミングで同時にサンプリングし、シリアル
信号に変換している。
【0057】しかしながら、特にロードセル7の出力
は、消費あるいは供給される電流量が大きく、大型のモ
ーター等が使用される圧延工程において得られるもので
あるため、極めてノイズが発生し易く、単にシリアル信
号に変換しただけでは、ノイズによる情報の変動や欠落
を防ぐことができず、正確な検出、及び精度の良い形状
制御を行うことができなくなる。
【0058】そこで、本実施形態においては、多数決処
理を行うことにより、この問題を解決している。ここ
で、本実施形態の多数決処理について説明する。例え
ば、本実施形態において、従来の単なるパラレル−シリ
アル変換を用いた場合には、図7(A)に示すように、
32個のロードセル7の夫々のピーク値に対応するパル
ス信号をサンプリング対象信号として、各サンプリング
タイミングで32個のデータをサンプリングし、夫々3
2ビットのシリアルデータとして伝送を行うことにな
る。
【0059】しかしながら、このような構成では、例え
ば図7(A)に示すように、32番目の信号のタイミン
グt2においてノイズが発生した場合には、本来ローレ
ベルのデータとしてサンプリングすべきところを、ハイ
レベルのデータとして誤ってサンプリングしてしまうこ
とになる。
【0060】これに対し、多数決処理を行う場合には、
図7(B)に示すように、各サンプリング回において従
来よりも細かい周期で複数回のサンプリングを行いシリ
アルデータに変換して信号の伝送を行う。例えば、各サ
ンプリング回路において3回のサンプリングを行う場合
には、タイミングt11,t12,t13の夫々におい
て32ビットのずつのデータをサンプリングし、1回目
のサンプリングにおいて図7(C)に示すように96ビ
ットのデータをシリアル伝送する。そして、受信側で
は、データの番号毎に各タイミングt11,t12,t
13のデータを抽出し、これらの抽出したデータに基づ
いて多数決を行う。例えば、図7(B)のパルス信号が
1番目のロードセル7に対応する信号であったとする
と、各タイミングt11,t12,t13における1番
のデータ(D1(t11),D1(t12),D1(t
13))について多数決処理を行う。図7(B)の例で
は、各タイミングのデータは全てローレベルであるか
ら、多数決をとると1回目のサンプリングにおける1番
のデータはローレベルであると判定される。また、図7
(B)に示すように、タイミングt22でノイズが発生
したとすると、各タイミングt21,t22,t23に
おける1番のデータ(D1(t21),D1(t2
2),D1(t23))の値は、(0,1,0)とな
る。しかし、多数決をとると、「0」の方が多いので、
2回目のサンプリングにおける1番のデータの値は
「0」であると判定されることになる。
【0061】このように、本実施形態においては、多数
決処理を行っているので、データのサンプリング時にお
いてノイズが発生したとしても、このノイズの影響を無
くすことができ、正確な信号の検出と、精度の良い形状
制御が可能となっている。また、この多数決処理を用い
ることにより、データのサンプリング時だけでなく、信
号の伝送経路で発生したノイズも効果的に除去すること
ができる。つまり、上述のようにしてサンプリングさ
れ、変換されたシリアルデータは、図7(C)に示すよ
うなデータ構造で伝送されるため、例えばタイミングt
Aでノイズが発生したとしても、影響を受けるデータは
3回サンプリングした内の一つのデータでしかない。そ
して、ノイズの影響を受けたデータが一つである場合に
は、上述のように多数決処理によりデータの補間が可能
であり、データの値を誤って読み取ることがない。
【0062】本実施形態では、このような多数決処理を
実現するために、P/S変換回路32に上述したような
サンプリングを行う回路と、複数回データのシフトを行
うように構成されたシフトレジスタとを備えている。
【0063】そして、このサンプリングを行う回路によ
り、32ビットづつ3回のサンプリングを図6(E)に
示すように周期Tで行い、シフトレジスタにより随時シ
リアルデータ化しながら送信回路24Aに出力する。従
って、P/S変換回路32からは96ビットのシリアル
データ化されたサンプリングデータが出力されることに
なるが、本実施形態においては、P/S変換回路32に
より、このサンプリングデータの出力の前後にシリアル
データ化されたスタートデータとエンドデータを出力す
るように構成されている。
【0064】一方、送信回路24Aは、周波数変調方式
を用いた送信回路であり、P/S変換回路から出力され
るスタートデータ、サンプリングデータ、及びエンドデ
ータを図6(F)に示すように340MHzのキャリア
周波数により送信する。従って、送信回路24Aから送
信されるデータは、図11(A)に示すような構造とな
る。つまり、図11(A)に示すように、送信データ
は、8ビット〜16ビットで構成されるスタートデータ
及びエンドデータの間に、96ビットのサンプルホール
ドデータが挟まれた構造となっている。なお、伝送レー
トは、スタートデータ及びエンドデータが8Mbps
で、サンプルホールドデータが4Mbpsに設定されて
いる。従って、1回の送信における総ビット数は112
ビット〜128ビットになり、所要時間は約30μse
cになる。
【0065】このようにして送信されたデータは、上述
したアンテナエレメント部材から構成されるアンテナ部
35を介して伝送され、中継部13に設けられた送受信
部36の制御側受取手段としての受信回路36Aによっ
て受信される。この受信回路36Aは、上述した周波数
変調方式を用いた送信回路24Aに対応するもので、キ
ャリア周波数は340MHzに設定されている。伝送レ
ートは、8Mbpsに設定されており、スタートデー
タ、サンプルホールドデータ、及びエンドデータの順に
受信する。エンドデータの受信後は、次のスタートデー
タの受信を待機する状態になる。
【0066】中継部13は、ロータリージョイント11
から比較的近い位置に設置されており、ロータリージョ
イント11とはRF信号用の1本の同軸ケーブル12に
より接続されている。このような中継部13を設けるの
は、信号のモニターあるいは設定等を行う制御盤15
が、測定ロール6が設けられた位置から100m程度離
れているためである。つまり、100mも離れた場所に
受信部を設ける構成をとると、信号が減衰し、あるいは
ノイズの影響を受け易くなるため、このような問題の発
生を防止するために、中継部13を設け、中継部13か
ら制御盤15への信号の伝送は、光ケーブル14を介し
て光信号により行う構成とした。
【0067】そのため、中継部13には、電気−光信号
変換回路(E/O変換回路)37が設けられており、同
様に制御盤15にも光信号−電気変換回路(O/E変換
回路)38が設けられている。従って、中継部13の送
受信部36にて受信された電気信号は、E/O変換回路
37において光信号に変換され、光ケーブル14を介し
て制御盤15に伝送される。そして、この光信号は、制
御盤15のO/E変換回路38において電気信号に変換
され、シリアル−パラレル変換回路(S/P変換回路)
39に出力される。
【0068】S/P変換回路39は、上述のようにして
伝送されてきたシリアルデータをパラレルデータに変換
する回路と、上述した多数決処理を行うための多数決回
路とを備えている。
【0069】図8に多数決手段としての多数決回路47
の一例を示す。本実施形態においては、32個のロード
セル7に対応した信号が伝送されてくるため、32個の
多数決回路47がS/P変換回路39に備えられてい
る。
【0070】多数決回路47は、例えば図8に示すよう
に、AND回路とOR回路とから構成されており、真理
値表は図9に示すようになる。つまり、入力データA,
B,Cの内、2つ以上が「1」の値である場合に、出力
Qが「1」となる回路である。
【0071】従って、送信元のデータが「1」であった
とすると、3回のサンプリングのいずれにおいてもノイ
ズの発生がなく、3回共に「1」として受信された場合
には、多数決回路47に入力されるデータは全て「1」
となるので、多数決回路47の出力は「1」となる。ま
た、3回のサンプリング時あるいは送信中にノイズが発
生し、いずれかの1つのデータが「0」として受信され
たとすると、多数決回路47の入力は、「110」、
「101」、「011」となるが、「1」として受信さ
れた回数の方が多いため、多数決回路47の出力は
「1」となる。しかし、ノイズにより、2つのデータが
「0」として受信されたとすると、多数決回路47の入
力は、「100」、「010」、「001」となり、
「0」として受信された回数の方が多いため、多数決回
路47の出力は「0」となる。
【0072】従って、3回のサンプリングに基づくデー
タの内、いずれか1つのデータが正しく受信されなかっ
たとしても、本実施形態のように多数決回路を用いるこ
とにより、正しい値として認識することができる。
【0073】本実施形態のように、32ビットのデータ
を3回繰り返して96ビットのデータをシリアル送信す
る際に、特定のビットの送信タイミングと一致するよう
に繰り返してノイズが発生することは極めて稀であると
考えられる。従って、本実施形態によれば、極めて高い
精度でデータの伝送が可能である。
【0074】このようにして、多数決回路47により、
各サンプリング回路におけるデータの値が決定され、例
えば図7(B)に示す例では、多数決処理の結果が、タ
イミングt11,t21,t31のデータとして認識さ
れる。そして、このようなデータがロードセル7の32
個分出力され、32個分のパラレルデータとして出力さ
れる。
【0075】具体的には、受信された96ビット分のデ
ータがS/P変換回路39に伝達されると、S/P変換
回路39の内部において図6(G)に示すようなラッチ
信号が出力され、32ビット分の多数決処理が行われて
32個分のパラレルデータがラッチされる。従って、S
/P変換回路39の出力信号は、図6(H)に示すよう
なパルス信号となり、図6(D)に示すパルス信号が再
現されることになる。
【0076】本実施形態においては、このようにS/P
変換回路39内に多数決回路47を備え、受け取ったシ
リアルデータの多数決処理を行ってパラレルデータ化す
るように構成されているので、耐ノイズ性の高い精度の
良いデータ伝送が行われることになる。
【0077】次に、このようにして精度良く読み取られ
たデータは、周波数−電圧変換部(F/V変換部)40
において、電圧値に変換される。上述したように、S/
P変換回路39からの出力信号は、図6(H)に示すよ
うなパルス信号であり、このパルス信号は、ロードセル
7の出力信号のピーク位置にてサンプルしたデータに基
づいて生成されたものである。従って、F/V変換部4
0に、位相比較器と、回転側のV/F変換部31におけ
るV/F変換回路に対応するF/V変換回路とを備える
ことにより、前記S/P変換回路39からの出力信号と
位相の等しい信号を出力するように、F/V変換部40
のF/V変換回路に対する電圧値の供給を行えば、位相
が等しくなった時の電圧値は、図6(I)に示すよう
に、ロードセル7の出力信号のピーク位置にてサンプル
したデータに等しくなる。このようにして、回転側のロ
ードセル7の出力信号のピーク位置にてサンプルしたデ
ータが、静止側に正確に伝送されることになる。
【0078】このデータは、ローパスフィルター部41
を介して制御部43に入力され、精度の良い形状制御に
供されることになる。
【0079】以上が、本実施形態におけるロードセル7
の出力信号の伝送の流れであり、この伝送を実現するた
めの構成である。本実施形態によれば、回転側から出力
される並列信号を、ノイズの影響を防ぎつつ正確に静止
側に伝送することができ、精度の良い形状制御を実現す
ることができる。
【0080】しかしながら、このような構成をとった場
合であっても、ロードセル7自体の配置位置のずれ、あ
るいはサンプルホールド回路部30に入力するトリガー
パルスのタイミング、さらには断線もくしは回路故障等
により、適正なピーク値のサンプリングが行われていな
い可能性もある。特に、トリガーパルスの出力タイミン
グがロードセル7の出力信号のピーク位置に無い場合に
は、出力信号の適正なピーク値をサンプリングすること
ができない。
【0081】そこで、本実施形態においては、このよう
な事態の発生を監視するために、装置の動作モードを、
運転モードと調整モードの二つのモードに切り換え可能
に構成し、運転モードにおいては上述したような信号伝
送を実行し、調整モードにおいては次のようにしてトリ
ガーパルスの出力タイミングを調整するように構成し
た。
【0082】モードの切り換えは、図5に示すモード信
号切換手段としてのセレクタ操作部28により行う。セ
レクタ操作部28には、スイッチ等の切り換え手段が二
種類備えられており、一方は動作モードを切り換えるた
め、他方はサンプリングを行うロードルセル7の番号を
1番と32番の何れかに切り換えるために用いられる。
なお、切り換え手段は機械的なスイッチ手段に限られる
ものではなく、電気的なスイッチ手段でも良い。この場
合には、制御部43にて設定した動作モードとロードセ
ル7の番号を電気的信号としてセレクタ操作部28に伝
達するように構成することもできる。
【0083】セレクタ操作部28は、動作モードが何れ
かに切り換えられた時、あるいは電源投入時に、セレク
タ回路36Cに対して夫々のモードに対応したコードデ
ータ、あるいは当該コードデータが調整モードに対応す
るものであった場合には、ロードセル7の番号に対応す
るコードデータをも出力する。
【0084】セレクタ回路29は、セレクタ操作部28
から出力されるコードデータをデコードしてS/P変換
回路39に対して切り換え信号を出力する。S/P変換
回路39はこの切り換え信号に応じてシリアル−パラレ
ル変換したデータの出力先を切り換える。本実施形態で
は、動作モードが運転モードの時には出力先をF/V変
換部40に、また、調整モードの時にはD/A変換回路
42Aに切り換えるように設定されている。
【0085】一方、セレクタ回路29は、送信回路36
Cに対しては前記夫々のモードに対応したコードデータ
をシリアルデータに変換して送信回路36Cに出力す
る。
【0086】また、送信回路36Cは、例えば2400
bps等の伝送レートでデータをシリアル送信する回路
であり、伝送レートは特に限定されない。また、運転モ
ードの切り換えは、通常、測定ロール6を停止した状態
で行うので、送信回路36Bからはトリガーパルスが送
信されず、送信回路36Cと送信回路36Bから同時に
データが送信されることはない。従って、送信回路36
Cにおいては、周波数変調方式を用いなくても良い。
【0087】以上のような構成において、動作モードの
初期状態は運転モードと調整モードの何れにも設定可能
であるが、例えば調整モードに設定されていたとする
と、装置への電源投入と共にセレクタ操作部28からセ
レクタ回路29に対して調整モードに対応したコードデ
ータが出力され、セレクタ回路29からはS/P変換回
路39に対してデータの出力先をD/A変換回路42A
に切り換えさせる切り換え信号が出力される。また、送
信回路36Cに対しては、調整モードに対応したコード
データがシリアルデータとして出力され、送信回路36
Cによりアンテナ部材35を介して調整モードに対応し
たコードデータが回転側に送信される。また、例えばサ
ンプリングを行うロードセル7の番号として1番を選択
するデータが回転側に送信される。
【0088】一方、回転側には、送信回路36Cに対応
する受信回路24Cが備えられており、例えば2400
bpsの伝送レートで静止側から送信されるデータを受
信する。そして、受信されたデータは、回転側に備えら
れたセレクタ回路25に出力される。
【0089】セレクタ回路25は、出力されたデータを
デコードして、P/S変換回路32に対してパラレル−
シリアル変換を行うデータの入力元を切り換えさせる切
り換え信号を出力する。つまり、受信されたコードデー
タが運転モードに対応するコードデータである場合に
は、前記入力元をV/F変換部31に切り換えさせ、調
整モードに対応するコードデータである場合には、前記
入力元をA/D変換回路26に切り換えさせる。
【0090】また、セレクタ回路25は、A/D変換回
路26に対してサンプリングの対象となるロードルセル
7の出力信号を切り換えさせる切り換え信号を出力す
る。つまり、1番のロードセル7を選択するデータが受
信された場合には、1番のロードセル7の出力信号につ
いてサンプリングを行い、32番のロードセル7を選択
するデータが受信された場合には、32番のロードセル
7の出力信号についてサンプリングを行う。
【0091】例えば、上述した例では、動作モードとし
て調整モードが選択され、ロードセル7の番号として1
番が選択されているので、セレクタ回路25はP/S変
換回路32に対して変換対象信号の入力元をA/D変換
回路26に切り換えさせる切り換え信号を出力すると共
に、A/D変換回路26に対してサンプリング対象を1
番のロードセル7の出力信号に切り換えさせる切り換え
信号を出力する。
【0092】従って、このような状態で測定ロール6を
手動で回転させ、この回転過程においてロードセル7を
ストリップ5またはストリップ5に相当する部材に当接
させると、例えば図6(A)に示すような出力信号がア
ンプ部20から出力され、A/D変換回路26によりデ
ジタルデータに変換される。
【0093】アナログ−デジタル変換回路26は、図1
0に示すように常時一定のサンプリング間隔で入力信号
のサンプリングを行い、本実施形態においては12ビッ
トのデジタルデータに変換するようになっている。
【0094】そして、複数のサンプリングタイミングに
よりデジタル化された複数のサンプリングデータはP/
S変換回路32においてシリアルデータに変換され、送
信回路24Aによりアンテナ部35を介して回転側から
静止側に送信される。
【0095】一方、静止側では、前記サンプリングデー
タを受信回路36Aにおいて受信し、E/O変換回路3
7及びO/E変換回路38を介してS/P変換回路39
に出力する。この時S/P変換回路39は、上述したよ
うにセレクタ回路29からの切り換え信号により、デー
タの出力先としてD/A変換回路42Aを選択している
ので、所定の時間間隔で受信されるサンプリングデータ
を逐次パラレルデータに変換し、D/A変換回路42A
に出力する。
【0096】D/A変換回路42Aにおいては、所定の
時間間隔で前記S/P変換回路39から送信される12
ビットのデジタルデータを逐次アナログデータに変換
し、LPF42Bを介して制御部43に出力する。従っ
て、制御部43においては、ほぼ図6(A)に示す波形
に近似可能な波形でロードセル7の出力信号をモニター
することができる。
【0097】また、本実施形態の制御部43は、図5に
示すように、回転側に取り付けたエンコーダ17とケー
ブル16により接続されている。当該エンコーダ17の
出力信号をモニターすることができるように構成されて
いる。
【0098】このエンコーダ17は、回転部17aと固
定部17bとから構成されており、図3に示すように、
回転部17aは回転軸6aにメカロック18により固定
されている。また、固定部17bと回転部17aの間に
はベアリング17cが、また、固定部17bと回転軸6
aとの間にはベアリング17dが取り付けられている。
従って、回転部17aは、測定ロール6の回転に伴って
固定部17bに対して回転するように構成されており、
互いの対向部には、コードパターンが描かれた基板17
eと、このコードパターンを読み取るヘッド17fが備
えられている。また、このヘッド17fによる読み取り
信号は、固定部17bに接続されたケーブル16を介し
て制御部43に伝送される。前記コードパターンは、例
えば時計の目盛のように、回転中心軸から所定の回転角
度間隔で放射状に延ばした線分を、基板17eの外周に
近い領域にのみに残したパターンとなっており、このパ
ターンが白色の背景上に黒色で描かれている。そして、
ヘッド17fは、このパターンの背景に対する光学的特
性の違いを利用して、このパターンがヘッド17fの位
置を横切るたびに、パルス信号を出力する。従って、測
定ロール6を回転させることにより、エンコーダ17か
らは、前記パターンの刻みに応じたパルス信号が出力さ
れる。
【0099】従って、測定ロール6を所定の基準位置か
ら徐々に手動で回転させると、上述したようにロードセ
ル7の出力信号がモニターされると共に、エンコード1
7の出力信号であるパルス信号が出力されモニターされ
る。そこで、前記基準位置から、デジタル化されたロー
ドセル7の出力信号波形がピークとなる位置までの前記
パルス信号の個数を計数し、以後は前記基準位置から当
該個数分のパルス信号が出力されるタイミングに前記ト
リガーパルスの出力タイミングを設定することにより、
トリガーパルスの出力タイミングをロードセル7の出力
信号のピーク位置に調整することが可能である。
【0100】例えば、モニターしたロードセル7の出力
信号波形のピーク位置と、トリガーパスの出力タイミン
グがずれていた場合には、当該ずれを修正するように、
前記基準位置からのパルス信号の個数を変更する。
【0101】なお、以上のようなロードセル8の出力信
号波形のモニターとトリガーパルスの出力タイミングの
調整を行う場合には、一つのロードセル7についてのみ
出力信号波形をモニターするのではなく、ロードセル7
の番号を切り換えて、複数のロードルセル7についてモ
ニターを行う。具体的には、1番のロードセル7と32
番のロードセル7についてモニターが可能であり、上述
した例では、最初は1番のロードセル7を選択してモニ
ターを行ったので、次にセレクタ操作部28において3
2番のロードセル7を選択するように切り換え手段を操
作する。これにより、32番のロードセル7を選択する
コードデータがセレクタ回路29を介して送信回路36
Cにより静止側から回転側に伝送される。
【0102】そして、このコードデータは回転側の受信
回路24Cにおいて受信され、セレクタ回路25に出力
される。セレクタ回路25は、このコードデータをデコ
ードし、A/D変換回路26に対して変換対象の信号と
して、32番のロードセル7の出力信号を選択し、上述
と同様に測定ロール6を手動で回転させることによりデ
ジタルデータへの変換が行われる。また、P/S変換回
路32及び送信回路24Aを介して前記サンプリングデ
ータが回転側から静止側に伝送され、上述と同様に受信
回路36A、S/P変換回路39、及びD/A変換回路
42A等を介して制御部43にてモニターされる。
【0103】従って、制御部43においては、測定ロー
ル6の軸方向の両端部におけるロードセル7の出力信号
波形をモニターすることができ、これらの出力信号波形
を比較することができる。この比較の結果、著しく両者
のピーク位置が異なる場合には、ロードセル7の取り付
け位置のずれ、あるいは測定ロール6の偏心があること
を検知することができ、適切な調整が可能である。
【0104】以上のようにして、ロードセル7の出力信
号波形のモニター及びトリガーパルスの出力タイミング
の調整が完了した場合には、再びセレクタ操作部28の
切り換え手段を操作して、動作モードを運転モードに切
り換える。
【0105】これにより、セレクタ操作部28からは運
転モードに対応したコードデータが出力され、セレクタ
回路29は、このコードデータをデコードして、S/P
変換か回路39に対して、データの出力先をF/V変換
回路40に切り換えさせる切り換え信号を出力する。ま
た、送信回路36Cを介して回転側に対してこのコード
データを伝送する。
【0106】回転側においては、受信回路24Cにおい
てこのコードデータを受信し、セレクタ回路25に出力
する。セレクタ回路25は、このコードデータをデコー
ドして、P/S変換回路32に対して変換対象信号を、
V/F変換部31の出力信号に切り換えさせる切り換え
信号を出力する。
【0107】このような状態で測定ロール6を回転さ
せ、測定ロール6にストリップ5を当接させることによ
り、上述したような32個の全てのロードセル7のピー
ク値のサンプルが行われることになるが、この測定ロー
ル6の回転に伴って、前記エンコーダ17からもパルス
信号の出力が行われ、静止側の制御部43に入力され
る。そして、制御部43においては、このパルス信号の
パルス数を上述した所定の基準位置から計数し、上述の
ように変更した個数に達した時に、トリガー回路44に
対してトリガーパルスの出力許可信号を出力する。これ
により、トリガー回路44からはトリガーパルスが出力
され、送信回路36Bによりアンテナ部材35を介して
静止側から回転側に伝送される。
【0108】この送信回路36Bは、周波数変調方式を
採用しており、搬送周波数は490MHzに設定されて
いる。従って、静止側からは、図11(B)に示すよう
にトリガーパルスが送信され、回転側の受信回路24B
により受信される。
【0109】この受信回路24Bは、前記送信回路36
Bに対応する受信回路であり、静止側から送信されるト
リガーパルスを精度良く受信して、S/H回路部30へ
出力する。
【0110】以上のように、本実施形態によれば、回転
側からは32チャンネル分のロードセル7の出力信号の
ピーク値を示すサンプルホールドデータが伝送され、静
止側からはサンプルタイミングを決定するトリガーパル
スが伝送されるが、これらの伝送は夫々異なったキャリ
ア周波数を用いて行われるため、ほぼ時間的ずれの無い
状態で、同時に並行して実行させることができる。ま
た、多数決処理を行うことにより、複数のロードセルの
ピークホールドデータを低い誤り率で伝送することがで
きる。更には、調整モードにおいては、適切にトリガー
パルスの出力タイミングを調整することができる。
【0111】従って、S/H回路部30には、適正に修
正されたトリガーパルスにより、精度良くピーク位置で
のロードセル7の出力信号のサンプリングが行われ、こ
れらのデータは、極めて少ない誤差で回転側から静止側
に伝送されるので、ストリップ5の厚さを極めて高い精
度で計測することができ、高精度の形状制御を行うこと
ができる。
【0112】また、データの伝送は全て非接触伝送経路
を用いているため、従来のスリップリングを用いた場合
のように、接触抵抗の変化がなく、長期間に亘って正確
なデータの伝送が可能である。
【0113】更に、データの伝送は、シリアルデータ伝
送であるため、回転側と中継部あるいは制御盤側との接
続に用いるケーブルの本数を増加させることなく、容易
にケーブルを引き回すことができる。
【0114】
【発明の効果】請求項1に記載の信号伝送装置によれ
ば、複数の信号経路から並列的に出力され、周期的に変
化する複数の検出信号のピーク値を、トリガー信号を用
いて複数回サンプルし、パルス信号への変換及び多数決
処理を用いて情報検出側から情報制御側に伝送すること
により、伝送経路においてノイズが発生した場合でも低
い誤り率で伝送を行うことができる。また、動作モード
として、上述のような伝送を行う運転モードの他に、ト
リガー信号の調整を行う調整モードを備え、調整モード
においては、デジタルデータに変換した検出信号を、情
報検出側から情報制御側に伝送してモニターすると共
に、前記検出信号の変化周期に同期して変化する基準信
号を生成して制御側でモニターし、基準信号に基づいて
トリガー信号の出力タイミングを調整するように構成し
た。従って、トリガー信号の出力タイミングを精度良く
検出信号のピーク位置に設定することができ、検出信号
のピーク値を高精度に検出することができる。以上のよ
うに本発明によれば、高精度で検出した複数の検出信号
のピーク値を、低い誤り率で伝送することができるの
で、これらの検出信号を用いた高精度の制御を行うこと
ができる。
【0115】請求項2に記載の信号伝送装置によれば、
押圧力に応じて電気信号が出力される複数の検出手段を
回転体の表層部に備えると共に、当該回転体に回転量を
電気信号に変換して出力する基準信号の生成手段を備え
たので、前記基準信号により前記回転体の回転量の情報
と、前記検出信号の波形とを、ほぼ同時に得ることがで
き、この基準信号を基準とするトリガー信号の発生タイ
ミングを適切に検出信号のピーク位置に調整することが
できる。従って、何らかの原因でトリガー信号の発生タ
イミングに誤差が生じた場合でも、常に適切な検出信号
のピーク値を得ることができる。従って、本発明によれ
ば、高精度で検出した複数の検出信号のピーク値を、低
い誤り率で伝送することができるので、これらの検出信
号を用いた高精度の制御を行うことができる。
【0116】請求項3に記載の信号伝送装置によれば、
前記回転体の軸方向に沿って並設された検出手段のう
ち、前記回転体の軸方向の両端部に位置する検出手段か
ら出力される検出信号をデジタル化するように構成した
ので、これらの検出手段の出力信号の差が所定値以上の
場合には、回転体に偏心が存在することを検知すること
ができる。従って、検出環境を常に適切に調整すること
ができ、高精度の制御を可能とする。
【0117】請求項4に記載の信号伝送方法によれば、
複数の信号経路から並列的に出力され、周期的に変化す
る複数の検出信号のピーク値を、トリガー信号を用いて
複数回サンプルし、パルス信号への変換及び多数決処理
を用いて情報検出側から情報制御側に伝送することによ
り、伝送経路においてノイズが発生した場合でも低い誤
り率で伝送を行うことができる。また、動作モードとし
て、上述のような伝送を行う運転モードの他に、トリガ
ー信号の調整を行う調整モードを備え、調整モードにお
いては、デジタルデータに変換した検出信号を、情報検
出側から情報制御側に伝送してモニターすると共に、前
記検出信号の変化周期に同期して変化する基準信号を生
成して制御側でモニターし、基準信号に基づいてトリガ
ー信号の出力タイミングを調整するように構成した。従
って、トリガー信号の出力タイミングを精度良く検出信
号のピーク位置に設定することができ、検出信号のピー
ク値を高精度に検出することができる。以上のように本
発明によれば、高精度で検出した複数の検出信号のピー
ク値を、低い誤り率で伝送することができるので、これ
らの検出信号を用いた高精度の制御を行うことができ
る。
【0118】請求項5に記載の信号伝送方法によれば、
押圧力に応じて電気信号が出力される複数の検出手段を
回転体の表層部に備えると共に、当該回転体に取り付け
た生成手段により、回転量を電気信号に変換して出力す
るように構成したので、前記基準信号により前記回転体
の回転量の情報と、前記検出信号の波形とを、ほぼ同時
に得ることができ、この基準信号を基準とするトリガー
信号の発生タイミングを適切に検出信号のピーク位置に
調整することができる。従って、何らかの原因でトリガ
ー信号の発生タイミングに誤差が生じた場合でも、常に
適切な検出信号のピーク値を得ることができる。従っ
て、本発明によれば、高精度で検出した複数の検出信号
のピーク値を、低い誤り率で伝送することができるの
で、これらの検出信号を用いた高精度の制御を行うこと
ができる。
【0119】請求項6に記載の信号伝送方法によれば、
前記回転体の軸方向に沿って並設された検出手段のう
ち、前記回転体の軸方向の両端部に位置する検出手段か
ら出力される検出信号をデジタル化するように構成した
ので、これらの検出手段の出力信号の差が所定値以上の
場合には、回転体に偏心が存在することを検知すること
ができる。従って、検出環境を常に適切に調整すること
ができ、高精度の制御を可能とする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における信号伝送装置を適
用した冷間圧延工程における形状測定装置の概略構成を
示す斜視図である。
【図2】図1の形状測定装置に用いられる測定ローラの
概略構成を示す斜視図である。
【図3】図1の形状測定装置に用いられる回転側伝送ユ
ニット及び信号伝送装置の概略構成を示す部分断面図で
ある。
【図4】図3の信号伝送装置の更に詳しい構成を示す分
解一部断面図である。
【図5】図1の形状測定装置に用いられる信号伝送装置
の電気的構成を示すブロック図である。
【図6】図1の形状測定装置におけるピーク値検出部及
び再生部の動作を示すタイミングチャートである。
【図7】図1の形状測定装置に用いられる信号伝送装置
の多数決処理を説明するためのタイミングチャートであ
り、(A)はサンプリング対象となるパルス信号を示す
図、(B)はサンプリングタイミングを詳しく示す図、
(C)はサンプリングしたデータの伝送順次及び受取順
次を示す図である。
【図8】図1の信号伝送装置における受信部の多数決回
路の一例を示す回路図である。
【図9】図1の多数決回路の真理値表を示す図である。
【図10】図1の形状測定装置におけるロードセル出力
信号のA/D変換処理を説明する図である。
【図11】図1の形状測定装置に用いられる信号伝送装
置により伝送されるデータ構造を示す図であり、(A)
はサンプルホールドデータの構造を示すブロック図、
(B)はトリガーパルスの送信時の波形を示す図であ
る。
【図12】従来の形状測定装置の概略構成を示す斜視図
である。
【符号の説明】
1,2…ワーキングロール 3,4…バックアップロール 5…ストリップ 6…測定ロール 7…ロードセル 10…回転側伝送ユニット 11…信号伝送用ロータリージョイント 12…ケーブル 13…中継部 14…光ケーブル 15…制御盤 17…エンコーダ 20…アンプ 21…信号変換ユニット 22…電源 24,36…送受信部 25…セレクタ回路 26…A/D変換回路 28…セレクタ操作部 29…セレクタ回路 32…P/S変換回路 35…アンテナ部 39…S/P変換回路 43…制御部 44…トリガー回路 47…多数決回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G08C 25/00 G08C 23/00 A

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 情報の検出側と制御側との間で非接触に
    より信号の伝送を行う信号伝送装置であって、 前記検出側には、 運転モード又は調整モードを示す動作モード信号、ある
    いはトリガー信号を制御側から受け取る検出側受取手段
    と、 複数の信号経路から並列的に出力され周期的に変化する
    検出信号を前記トリガー信号に基づきサンプルホールド
    するサンプルホールド手段と、 サンプルした値をパルス信号化するパルス信号化手段
    と、 検出信号の少なくとも何れか一つをデジタル化するデジ
    タル化手段と、 パルス信号又はデジタル化検出信号の何れかを直列伝送
    する直列伝送手段と、 運転モード時にパルス信号を、又は調整モード時にデジ
    タル化検出信号を伝送対象として選択する伝送対象選択
    手段と、 検出信号の変化周期に同期して変化する基準信号の生成
    手段とを備え、 前記制御側には、 前記直列伝送手段から直列データを受け取る制御側受取
    手段と、 トリガー信号又は動作モード信号を伝送する信号伝送手
    段と、 パルス信号についての直列データの多数値を算出する多
    数決手段と、 該多数値に基づいて前記パルス信号を再生するパルス信
    号再生手段と、 該パルス信号に基づき検出信号のピーク値を出力するピ
    ーク値出力手段と、 検出信号についての直列データのアナログ化による検出
    信号の再生手段と、 動作モード信号の内容を運転モード又は調整モードの何
    れかに切り換えるモード信号切換手段と、 前記基準信号を監視する監視手段と、 再生された検出信号及び監視される基準信号に基づきト
    リガー信号の発生タイミングを調整する調整手段とを備
    える、 ことを特徴とする信号伝送装置。
  2. 【請求項2】 前記検出側には、 前記検出信号の出力源として回転体の表層部に備えら
    れ、押圧力に応じて電気信号を出力する複数の検出手段
    と、 前記基準信号の生成手段として前記回転体に取り付けら
    れ、前記回転体の回転量を電気信号に変換して出力する
    手段とを備えることを特徴とする請求項1に記載の信号
    伝送装置。
  3. 【請求項3】 前記検出手段は、前記回転体の軸方向に
    沿って並設されており、前記デジタル化手段は、前記軸
    方向の両端部に位置する検出手段から出力される検出信
    号をデジタル化することを特徴とする請求項3に記載の
    信号伝送装置。
  4. 【請求項4】 情報の検出側と制御側との間で非接触に
    より信号の伝送を行う信号伝送方法であって、 前記検出側にて、 運転モード又は調整モードを示す動作モード信号、ある
    いはトリガー信号を制御側から受け取る検出側受取工程
    と、 複数の信号経路から並列的に出力され周期的に変化する
    検出信号を前記トリガー信号に基づきサンプルホールド
    するサンプルホールド工程と、 サンプルした値をパルス信号化するパルス信号化工程
    と、 検出信号の少なくとも何れか一つをデジタル化するデジ
    タル化工程と、 パルス信号又はデジタル化検出信号の何れかを直列伝送
    する直列伝送工程と、 運転モード時にパルス信号を、又は調整モード時にデジ
    タル化検出信号を伝送対象として選択する伝送対象選択
    工程と、 検出信号の変化周期に同期して変化する基準信号の生成
    工程とを備え、 前記制御側にて、 前記直列伝送工程により伝送される直列データを受け取
    る制御側受取工程と、 トリガー信号又は動作モード信号を伝送する信号伝送工
    程と、 パルス信号についての直列データの多数値を算出する多
    数決工程と、 該多数値に基づいて前記パルス信号を再生するパルス信
    号再生工程と、 該パルス信号に基づき検出信号のピーク値を出力するピ
    ーク値出力工程と、 検出信号についての直列データのアナログ化による検出
    信号の再生工程と、 動作モード信号の内容を運転モード又は調整モードの何
    れかに切り換えるモード信号切換工程と、 前記基準信号を監視する監視工程と、 再生された検出信号及び監視される基準信号に基づきト
    リガー信号の発生タイミングを調整する調整工程とを備
    える、 ことを特徴とする信号伝送方法。
  5. 【請求項5】 前記検出側にて、 前記検出信号の出力源として回転体の表層部に備えた検
    出手段により押圧力に応じて電気信号を出力させる工程
    と、前記回転体に取り付けた手段により、前記回転体の
    回転量を電気信号に変換して出力させることにより前記
    基準信号を生成する工程とを備えることを特徴とする請
    求項4に記載の信号伝送方法。
  6. 【請求項6】 前記回転体の軸方向に沿って並設した前
    記検出手段のうち、前記軸方向の両端部に位置する検出
    手段から出力される検出信号をデジタル化する工程を備
    えることを特徴とする請求項5に記載の信号伝送方法。
JP4795698A 1998-02-27 1998-02-27 信号伝送装置及び信号伝送方法 Pending JPH11250387A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008249375A (ja) * 2007-03-29 2008-10-16 Topcon Corp 3次元位置測定装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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