JPH11249179A - 液晶表示素子 - Google Patents

液晶表示素子

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JPH11249179A
JPH11249179A JP10047856A JP4785698A JPH11249179A JP H11249179 A JPH11249179 A JP H11249179A JP 10047856 A JP10047856 A JP 10047856A JP 4785698 A JP4785698 A JP 4785698A JP H11249179 A JPH11249179 A JP H11249179A
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JP
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liquid crystal
crystal cell
light
plate
polarizing plate
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JP10047856A
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Inventor
Toshiomi Ono
俊臣 小野
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Casio Computer Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】明るく、しかもコントラストの良い平面内スイ
ッチング方式の反射型表示を行なうことができる液晶表
示素子を提供する。 【解決手段】液晶18のダイレクタが印加電界に応じて
平面方向に変化する液晶セル10の背後に反射板22を
配置し、前記液晶セル10の前面側にのみ1枚の偏光板
20を配置することにより、偏光板による吸収を必要最
小限にして出射光の強度を高くするとともに、前記液晶
セル10の背面と前記反射板22との間に位相差板21
を配置することによりコントラストを良くした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、液晶のダイレク
タ(液晶分子の並んでいる方向を示す単位ベクトル)を
基板に沿った平面上でその方向(以下平面方向という)
を変化させて表示の書き替えを行なう反射型の液晶表示
素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】液晶表示素子として、液晶分子のダイレ
クタを平面方向に変化させて表示を書き替える、一般に
平面内スイッチングと称される方式のものがあり、この
平面内スイッチング方式の液晶表示素子は、一般に用い
られているTN(ツイステッドネマティック)型の液晶
表示素子に比べて、視野角特性にすぐれているという利
点をもっている。
【0003】前記平面内スイッチング方式の液晶表示素
子は、一対の基板間に、液晶分子が前記基板面にほぼ沿
って配向させ、前記基板面と平行な方向の電界、あるい
は前記基板面に垂直な方向の電界の印加に応じて、液晶
のダイレクタを平面方向に変化させたものであり、前記
液晶のダイレクタの変化に応じた光学軸の動きを制御
し、偏光板による偏光作用により光の透過率の変化とし
て表示する。
【0004】前記液晶セルとしては、反強誘電性液晶や
強誘電性液晶のようなスメクティック液晶を用い、一対
の基板の内面にそれぞれ設けられた電極間に印加する電
界を制御することにより、液晶のダイレクタを平面方向
に変化させるスイッチングを行なうものと、ネマティッ
ク液晶をホモジニアス配向させ、一方の基板の内面に各
画素領域にそれぞれ対応させて設けられた電極間に印加
する水平方向電界を制御することにより、液晶のダイレ
クタを平面方向に変化させてスイッチングを行なうもの
がある。
【0005】この平面内スイッチング方式の液晶表示素
子にも、自然光や室内照明光等の外光を前面側から取り
込んで反射型表示を行なうものと、液晶表示素子の背後
にバックライトを配置し、このバックライトからの光を
背面側から取り込んで透過型表示を行なうものとがある
が、電力消費の面からみれば、外光を利用して表示する
反射型のものが有利である。
【0006】図3および図4はそれぞれ、従来の平面内
スイッチング方式による反射型液晶表示素子の側面図で
ある。図3に示した液晶表示素子は、液晶セル1をはさ
んでその前面と背面とにそれぞれ偏光板5,6を配置
し、背面側の偏光板6の背後に反射板7を配置した構成
となっている。
【0007】上記液晶セル1は、その内部構造は図示し
ないが、枠状のシール材4を介して接合した一対の透明
基板2,3間に、スメクティック液晶またはネマティッ
ク液晶を挟持したものであり、例えばスメクティック液
晶を用いる液晶セルの場合は、その両基板2,3の内面
にそれぞれ透明な電極が設けられ、またネマティック液
晶を用いる液晶セルの場合は、いずれか一方の基板の内
面に、各画素領域にそれぞれ対応させて対向する電極が
設けられている。
【0008】また、前記一対の基板2,3の内面にはそ
れぞれ、互いにほぼ平行な方向に配向処理が施された水
平配向膜が形成されており、前記液晶の分子は、両基板
2,3の近傍における配向方向をそれぞれ前記配向膜に
より規制され、前記基板2,3面にほぼ沿って配向して
いる。
【0009】この液晶のダイレクタは、印加電界に応じ
て平面方向に変化する。すなわち、例えば前記液晶がス
メクティック液晶のうちの反強誘電性液晶である場合、
この反強誘電性液晶は、その反強誘電相(バルクの状
態)における螺旋構造をほどかれた状態で両基板2,3
間に挟持されており、スメクティック層構造の法線の方
向を前記配向膜により規制されている。
【0010】この反強誘電性液晶の分子は、無電界状態
では、各層の液晶分子がスメクティック層構造の法線に
対し同じチルト角で交互に逆向きに配列(各層ごとに互
い違いの向きで配列)しており、したがって、このとき
の液晶のダイレクタは前記スメクティック層構造の法線
に沿った方向にある。
【0011】そして、両基板2,3の電極間に一方向の
極性の強い電界を印加すると、ほとんどの液晶分子がス
メクティック層構造の法線に対し一方の方向に前記チル
ト角で配列して、ダイレクタが平面方向に沿って一方の
方向に斜めにずれ、前記電極間に逆方向の極性の強い電
界を印加すると、ほとんどの液晶分子がスメクティック
層構造の法線に対し他方の方向に前記チルト角で配列し
て、ダイレクタが平面方向に沿って他方の方向に斜めに
ずれる。
【0012】また、例えば前記液晶がネマティック液晶
である場合は、液晶分子が、無電界状態では両基板2,
3の配向膜の配向処理方向に沿ってホモジニアス配向
し、いずれか一方の基板の内面に各画素領域にそれぞれ
対応させて設けられた電極間に水平方向電界を印加する
と、前記無電界状態での配向方向に対して斜めに首を振
るように配向するため、液晶のダイレクタは、無電界状
態では前記配向膜の配向処理方向に沿った方向にあり、
前記水平方向電界を印加すると前記配向処理方向に対し
て平面方向に斜めにずれる。
【0013】上記液晶表示素子は、その前面から外光を
取り込み、その光を背面の反射板7で反射させて表示す
るものであり、液晶表示素子にその前面から入射した光
は、前面側の偏光板5によりその吸収軸に沿った偏光成
分の光を吸収され、直線偏光となって液晶セル1に入射
する。
【0014】前記液晶セル1に入射した直線偏光光は、
この液晶セル1を透過する過程で液晶によるそのダイレ
クタと前記直線偏光の振動面との角度に応じた複屈折作
用を受け、その複屈折作用に応じた偏光状態の光となっ
て液晶セル1の背面に出射する。
【0015】そして、この光は、背面側の偏光板6に入
射し、その光のうち、前記偏光板6の吸収軸に沿った偏
光成分の光が吸収され、透過軸に沿った偏光成分の光が
前記偏光板6を透過して画像光となり、その画像光が反
射板7により反射され、背面側偏光板6と液晶セル1と
前面側偏光板5とを順に透過して前面に出射する。
【0016】すなわち、上記液晶表示素子は、液晶セル
1の液晶のダイレクタの向きと、前記液晶セル1をはさ
んで配置した一対の偏光板5,6の光学軸(透過軸或い
は吸収軸)との交角に応じた複屈折作用により光の透過
を制御して表示するものであり、その表示は、前記液晶
セル1の電極間に印加する電界を制御して液晶のダイレ
クタを平面方向に変化させることにより書き替えられ
る。
【0017】また、図4に示した液晶表示素子は、図3
に示した液晶表示素子から背面側偏光板6を省略したも
のであり、液晶セル1の前面側にのみ1枚の偏光板5を
配置し、液晶セル1の液晶によるそのダイレクタに応じ
た複屈折作用と、前記偏光板5による偏光作用とにより
光の透過を制御して表示するものである。
【0018】この液晶表示素子においては、その前面か
ら入射して偏光板5を透過した直線偏光が、液晶セル1
を透過する過程で液晶によるそのダイレクタに応じた複
屈折作用を受け、その光が反射板7により反射され、前
記液晶セル1を透過して前記偏光板5に入射して、この
偏光板5の吸収軸に沿った偏光成分の光を吸収され、透
過軸に沿った偏光成分の光が前記偏光板5を透過して、
画像光となって前面に出射する。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】上記図3に示した従来
の液晶表示素子は、その前面から入射し、前面側偏光板
5による偏光作用と液晶セル1の液晶による複屈折作用
と背面側偏光板6による偏光作用とにより透過を制御さ
れて画像光となった光が、反射板7で反射されて前面に
出射する経路においても、前記背面側偏光板6および前
面側偏光板5により光が吸収されるため、入射光の強度
に比べて出射光の強度が極端に低くなり、明るい表示が
得られないという問題をもっている。
【0020】一方、図4に示した液晶表示素子は、液晶
セル1の前面側にのみ1枚の偏光板5を配置し、この偏
光板5により、前面からの入射光を直線偏光光とすると
ともに液晶セル1の液晶による複屈折作用を受けた光を
画像光とするようにしているため、偏光板による吸収を
必要最小限にして出射光の強度を高くし、明るい反射型
表示を行なうことができる。
【0021】しかし、この液晶表示素子のように、上記
図3に示した液晶表示素子から単に背面側偏光板6を省
略したものは、表示は明るくなるが、そのコントラスト
が低下してしまうという問題をもっている。
【0022】この発明は、明るく、しかもコントラスト
の良い平面内スイッチング方式の反射型表示を行なうこ
とができる液晶表示素子を提供することを目的としたも
のである。
【0023】
【課題を解決するための手段】この発明の液晶表示素子
は、一対の基板間に、液晶分子が前記基板面にほぼ沿っ
て配向しダイレクタが印加電界に応じて平面方向に変化
する液晶を挟持した液晶セルと、前記液晶セルの前面側
にのみ配置された1枚の偏光板と、前記液晶セルの一方
の面に配置された位相差板と、前記液晶セルの背面側に
設けられた反射手段とを備えたことを特徴とするもので
ある。
【0024】この液晶表示素子は、液晶セルの液晶によ
るそのダイレクタに応じた複屈折作用と、前記液晶セル
のいずれか一方の面に配置された位相差板による複屈折
作用と、前記液晶セルの前面側にのみ配置した1枚の偏
光板の偏光作用とにより光の透過を制御して表示するも
のであり、この液晶表示素子においては、その前面から
入射して前記偏光板を透過した直線偏光光が、前記液晶
セルの液晶のダイレクタに応じた複屈折作用と前記位相
差板による複屈折作用とを受け、その光が反射手段によ
り反射されて前記位相差板および液晶セルを透過して前
記偏光板に入射し、その光のうち、前記偏光板の吸収軸
に沿った偏光成分の光が吸収され、透過軸に沿った偏光
成分の光が前記偏光板を透過して、画像光となって前面
に出射する。
【0025】この液晶表示素子は、液晶セルの前面側に
のみ1枚の偏光板を配置し、この偏光板により、前面か
らの入射光を直線偏光光とするとともに前記液晶セルの
液晶による複屈折作用および前記位相差板による複屈折
作用を受けた光を画像光とするようにしたものであるた
め、偏光板による吸収を必要最小限にし、出射光の強度
を高くすることができる。
【0026】しかも、この液晶表示素子は、液晶セルの
前面側にのみ1枚の偏光板を配置したものであるが、前
記偏光板を透過した直線偏光が、前記液晶セルの液晶の
ダイレクタに応じた複屈折作用と、前記位相差板による
複屈折作用とを受け、その光が反射手段により反射され
て、前記位相差板および液晶セルを透過して前記偏光板
に入射するため、前記液晶セルの液晶の複屈折率Δnと
液晶層厚dとの積Δndの値と、前記位相差板のリタデ
ーションの値とをそれぞれ適正に選ぶことにより、前記
偏光板を透過して前面に出射する画像光の明暗比を高く
することができる。したがって、この液晶表示素子によ
れば、明るく、しかもコントラストの良い平面内スイッ
チング方式の反射型表示を行なうことができる。
【0027】
【発明の実施の形態】この発明の液晶表示素子は、上記
のように、液晶のダイレクタが印加電界に応じて平面方
向に変化する液晶セルの背面側に反射手段を設け、前記
液晶セルの前面側にのみ1枚の偏光板を配置するとも
に、前記液晶セルの一方の面に位相差板を配置すること
により、明るく、しかもコントラストの良い平面内スイ
ッチング方式の反射型表示を行なうようにしたものであ
る。
【0028】この液晶表示素子において、前記位相差板
は、液晶セルのいずれの面に配置してもよいが、例えば
前記位相差板を液晶セルの背面に配置する場合は、前記
反射手段を前記液晶セルの背後に反射板を配置して形成
し、前記位相差板を、前記液晶セルの背面と前記反射板
との間に設ければよい。
【0029】また、この液晶表示素子において、前記液
晶セルΔndの値は、200〜300nmの範囲内に選
ぶのが好ましく、Δndの値がこの範囲内の液晶セル
は、液晶層厚dの誤差によるΔnd値への影響が小さい
ため、歩留良く製造することができる。
【0030】そして、このように液晶セルのΔndの値
を200〜300nmの範囲内に選ぶ場合、前記位相差
板に、リタデーションの値が100〜150nmの範囲
にあるものを用いれば、良好なコントラストを得ること
ができる。
【0031】
【実施例】以下、本発明の一実施例を、スメクティック
液晶の一種である反強誘電性液晶を用いた液晶表示素子
を例にとって、図1および図2を参照し説明する。図1
は液晶表示素子の断面図であり、この液晶表示素子は、
液晶のダイレクタが印加電界に応じて平面方向に変化す
る液晶セル10と、前記液晶セル10の前面側にのみ配
置された1枚の偏光板20と、前記液晶セル10の一方
の面に配置された位相差板21と、前記液晶セル10の
背面側に反射手段として設けられた反射板22とからな
っている。
【0032】上記液晶セル10は、枠状のシール材13
を介して接合した一対の透明基板11,12間に反強誘
電性液晶18を封入したものであり、両基板11,12
の内面には液晶層に電界を印加するための透明な電極1
4,15がそれぞれ設けられている。
【0033】なお、この実施例で用いた液晶セル10は
アクティブマトリックス型のものであり、前記一対の基
板11,12のうちの背面側(図1において下側)の基
板12の内面に設けられた電極15は、マトリックス状
に配列する複数の画素電極、前面側(図1において上
側)の基板11の内面に設けられた電極14は、前記各
画素電極15の全てに対向する一枚膜状の対向電極であ
る。
【0034】また、図1では省略しているが、前記背面
側基板12の内面には、前記各画素電極にそれぞれ接続
されたTFT(薄膜トランジスタ)からなる能動素子が
設けられるとともに、各行のTFTにゲート信号を供給
するゲートラインと、各列のTFTにデータ信号を供給
するデータラインとが設けられている。
【0035】さらに、前記一対の基板11,12の内面
にはそれぞれ前記電極14,15を覆って、互いにほぼ
平行な方向に配向処理が施された水平配向膜16,17
が形成されている。
【0036】そして、前記基板11,12間に封入され
た前記反強誘電性液晶18の分子は、両基板11,12
の近傍における配向方向をそれぞれ前記配向膜16,1
7により規制され、前記基板11,12面にほぼ沿って
配向している。
【0037】すなわち、前記反強誘電性液晶18は、ス
メクティック層構造をなしており、その反強誘電相(バ
ルクの状態)における螺旋構造をほどかれた状態で両基
板11,12間に挟持され、スメクティック層構造の法
線の方向が前記配向膜16,17により規制されてい
る。
【0038】この反強誘電性液晶18のダイレクタは、
無電界状態(両基板11,12の電極14,15間に電
界が印加されていないか、あるいは印加電界が極く弱い
状態)では、前記スメクティック層構造の法線の方向に
沿った方向にあり、前記に電極14,15間に強い電界
を印加すると、ダイレクタが、印加電界の極性に応じ
て、平面方向、つまり基板11,12の面方向に沿っ
て、前記スメクティック層構造の法線の方向に対しいず
れかの方向に変化する。
【0039】図2は、両基板11,12間に挟持された
前記反強誘電性液晶18の印加電界に対する分子配列状
態の変化を示すモデル図であり、図において、aは液晶
分子、b1,b2は液晶分子aの自発分極の向きを示し
ている。
【0040】この図2のように、反強誘電性液晶は、ス
メクティック層構造の法線Lに対し、あるチルト角(例
えば22.5〜30°)θで傾いた方向に液晶分子aが
配列する性質をもっており、その分子配列状態には、3
つの安定状態がある。
【0041】その1つの安定状態は無電界時の状態であ
り、この状態では、図2の(A)のように、液晶分子a
がスメクティック層構造の法線Lに対し同じチルト角θ
で交互に逆向きに配列(各層ごとに互い違いの向きで配
列)する。
【0042】したがって、無電界状態における液晶層全
体での液晶分子aの平均的な配列方向はスメクティック
層構造の法線L方向にあり、このときの液晶のダイレク
タは、前記スメクティック層構造の法線Lに沿った方
向、すなわち前記配向膜16,17の配向処理方向に沿
った方向にある。
【0043】また、他の2つの安定状態は、液晶層に一
方向の極性の強い電界が印加されたときの状態と、逆方
向の極性の強い電界が印加されたときの状態である。す
なわち、一方向の極性の強い電界が印加されたときは、
液晶分子aの自発分極が印加電界と作用して、ほとんど
の液晶分子aが、図2の(B)のようにスメクティック
層構造の法線Lに対して一方の方向に上記チルト角θで
配列し、液晶のダイレクタが、平面方向に沿って、前記
配向膜16,17の配向処理方向に対し一方の方向に斜
めにずれる。
【0044】また、逆方向の極性の強い電界が印加され
たときは、液晶分子aの自発分極が逆方向電界と作用し
て、ほとんどの液晶分子aが、図2の(C)のように、
スメクティック層構造の法線Lに対して他方の方向、つ
まり図2の(B)に示した方向とは逆方向に上記チルト
角θで配列し、液晶のダイレクタが、平面方向に沿っ
て、前記配向膜16,17の配向処理方向に対し他方の
方向に斜めにずれる。
【0045】このように、前記液晶セル10は、一対の
基板11,12間に、液晶分子が前記基板11,12面
にほぼ沿って配向しダイレクタが印加電界に応じて平面
方向に変化する反強誘電性液晶18を挟持したものであ
る。
【0046】そして、この液晶表示素子では、図1に示
したように、偏光板20を1枚だけ用い、この偏光板2
0を前記液晶セル10の前面に配置するとともに、光の
反射手段として用いた反射板22を前記液晶セル10の
背後に配置し、前記液晶セル10の背面と前記反射板2
2との間に、位相差板21を設けている。
【0047】なお、前記偏光板20は、その光学軸(透
過軸または吸収軸)を所定の方向に合せて設けられてお
り、また位相差板22は、その光学軸(遅相軸または進
相軸)を所定の方向に合せて設けられている。
【0048】また、この実施例では、前記液晶セル10
のΔnd(液晶の複屈折率Δnと液晶層厚dとの積)の
値を200〜300nmの範囲内に選び、前記位相差板
21として、リタデーションの値が100〜150nm
の範囲内にあるものを用いている。
【0049】上記液晶表示素子は、その前面から外光を
取り込み、その光を背面の反射板22で反射させて表示
するものであり、その前面から入射する光は、液晶セル
10の前面に設けられた偏光板20によりその吸収軸に
沿った偏光成分の光を吸収され、直線偏光となって液晶
セル10に入射する。
【0050】前記液晶セル10に入射した光は、この液
晶セル10を透過する過程で液晶18のダイレクタの向
きと直線偏光の振動面の角度に応じて複屈折作用を受
け、その複屈折作用に応じた偏光状態の光となって液晶
セル10の背面に出射し、さらに位相差板21に入射し
て、この位相差板21による複屈折作用を受け、それに
応じた偏光状態の光となって前記位相差板21の背面に
出射する。
【0051】そして、この光は、反射板22により反射
されて前記位相差板21と液晶セル10とを順に透過し
てその前面の前記偏光板20に入射し、その光のうち、
前記偏光板22の吸収軸に沿った偏光成分の光が吸収さ
れ、透過軸に沿った偏光成分の光が前記偏光板20を透
過して、画像光となって前面に出射する。
【0052】すなわち、上記液晶表示素子は、液晶セル
10の液晶18によるそのダイレクタの向きに応じた複
屈折作用と、前記位相差板21による複屈折作用と、前
記液晶セル10の前面側にのみ配置した1枚の偏光板2
0の偏光作用とにより光の透過を制御して表示するもの
であり、その表示は、前記液晶セル10の電極14,1
5間に印加する電界を制御して液晶18のダイレクタを
平面方向に変化させることにより書き替えられる。
【0053】この液晶表示素子は、液晶セル10の前面
側にのみ1枚の偏光板20を配置し、この偏光板20に
より、前面からの入射光を直線偏光光とするとともに前
記液晶セル10の液晶による複屈折作用および前記位相
差板21による複屈折作用を受けた光を画像光とするよ
うにしたものであるため、偏光板による吸収を必要最小
限にし、出射光の強度を高くすることができる。
【0054】しかも、この液晶表示素子は、液晶セル1
0の前面側にのみ1枚の偏光板20を配置したものであ
るが、前記偏光板20を透過した直線偏光光が、前記液
晶セル10の液晶18のダイレクタに応じた複屈折作用
と、前記位相差板21による複屈折作用とを受け、その
光が反射板22により反射されて、前記位相差板21お
よび液晶セル10を透過して前記偏光板20に入射する
ため、前記液晶セル10のΔndの値と、前記位相差板
21のリタデーションの値とをそれぞれ適正に選ぶこと
により、前記偏光板20を透過して前面に出射する画像
光の明暗比を高くすることができる。したがって、この
液晶表示素子によれば、明るく、しかもコントラストの
良い平面内スイッチング方式の反射型表示を行なうこと
ができる。
【0055】なお、上記液晶表示素子において、前記偏
光板20の光学軸の向きは、前記液晶セル10の無電界
状態および一方向または逆方向の電界を印加したときの
状態における液晶19のダイレクタの方向に応じて設定
すればよく、例えば、前記偏光板20を、その透過軸を
一方向の電界を印加したときの液晶18のダイレクタの
方向に合せて配置すれば、液晶分子aが図2の(A)の
ような状態に配向する無電界状態での表示が中間調の明
るさになり、液晶分子aが図2の(B)のような状態に
配向する一方向の電界を印加したときに表示が最も明る
くなり、液晶分子aが図2の(C)のような状態に配向
する逆方向の電界を印加したときに表示が最も暗くな
る。
【0056】また、前記位相差板21の光学軸の向き
は、液晶セル10の液晶19の無電界状態におけるダイ
レクタの方向に応じて、より良好なコントラストの表示
が得られるように設定すればよい。
【0057】さらに、前記液晶セル10のΔndの値
と、前記位相差板21のリタデーションの値とは、十分
なコントラストが得られる関係であれば任意に選んでよ
いが、上述したように、液晶セル10のΔndの値を2
00〜300nmの範囲内に選び、前記位相差板21
に、リタデーションの値が100〜150nmの範囲内
にあるものを用いるのが好ましい。
【0058】すなわち、液晶セル10の前面側だけに1
枚の偏光板20を配置した反射型の液晶表示素子におい
ても、前記液晶セル10のΔndの値を例えば125n
m程度に小さくすれば、前記位相差板21を用いなくて
もコントラストを良くすることができる。
【0059】しかし、Δndの値が小さい液晶セルは、
液晶層厚dの極く僅かな誤差がΔnd値に大きく影響す
るため、歩留良く製造することが難しい。その点、Δn
dの値が200〜300nmと比較的大きい液晶セル
は、液晶層厚dの誤差によるΔnd値への影響が小さい
ため、歩留良く製造することができる。
【0060】そして、このように液晶セル10のΔnd
の値を200〜300nmの範囲内に選ぶ場合、前記位
相差板21に、リタデーションの値が100〜150n
mの範囲にあるものを用いれば、良好なコントラストを
得ることができる。
【0061】すなわち、上記実施例の構成を有する3種
類の液晶表示素子(以下、実施例素子1,2,3とい
う)と、前記位相差板21を省略し、液晶セル10のΔ
ndの値を小さくしてコントラストを確保した液晶表示
素子(以下、比較素子1という)と、液晶セル10のΔ
ndの値を上記実施例の範囲に設定し、2枚の偏光板を
備えてコントラストを確保した液晶表示素子(以下、比
較素子2という)とについて、それぞれ次のような結果
が得られた。
【0062】なお、前記実施例素子1,2,3と比較素
子1,2は、いずれも、反強誘電性液晶を封入した同一
構造の液晶セルを用いたものであり、それぞれの構成
と、表示特性つまり光の出射率(明表示状態における、
入射光の強度に対する出射光の強度の比率)とコントラ
ストは次の通りである。
【0063】[実施例素子1] (素子構造) 偏光板+液晶セル+位相差板+反射板 液晶セルのΔnd=250nm 位相差板のリタデーション=100nm (表示特性) 出射率:38.2% コントラスト:4.6 [実施例素子2] (素子構造) 偏光板+液晶セル+位相差板+反射板 液晶セルのΔnd=250nm 位相差板のリタデーション=125nm (表示特性) 出射率:38.4% コントラスト:6.1 [実施例素子3] (素子構造) 偏光板+液晶セル+位相差板+反射板 液晶セルのΔnd=250nm 位相差板のリタデーション=150nm (表示特性) 出射率:38.3% コントラスト:5.1 [比較素子1] (素子構造) 偏光板+液晶セル+反射板 液晶セルのΔnd=125nm (表示特性) 出射率:38.2% コントラスト:4.9 [比較素子2] (素子構造) 前面側偏光板+液晶セル+背面側偏光板+反射板 液晶セルのΔnd=250nm (表示特性) 出射率:26.9% コントラスト:4.5 上記実施例素子1,2,3と比較素子1,2の表示特性
を比較してみれば分かるように、2枚の偏光板を備えた
比較素子2は、コントラストは4.5と十分であるが、
光の出射率が27%以下であり、十分な明るさの表示が
得られない。
【0064】一方、比較素子1は、偏光板を1枚だけ備
えたものであるため、光の出射率が38%以上と十分高
く、したがって明るい表示が得られるし、またコントラ
ストも十分高いが、この比較素子1のように液晶セルの
Δndの値を小さくしたのでは、上述したように液晶セ
ルの製造歩留が悪くなる。
【0065】これに対して、上記実施例素子1,2,3
は、いずれも、光の出射率が38%以上、コントラスト
が4.5以上と十分高く、なかでも実施例素子2は、よ
りコントラストが高い。
【0066】そして、これらの実施例素子1,2,3に
用いた液晶セルは、そのΔndの値を250nmと比較
的大きく、したがって、上述したように液晶セルを歩留
良く製造することができる。
【0067】なお、上記実施例素子1,2,3はそれぞ
れ、液晶セル10のΔndの値を250nmとし、位相
差板21のリタデーションの値を100nm,150n
m,125nmのいずれかにしたものであるが、液晶セ
ル10のΔndの値は、前記液晶セル10を歩留良く製
造できる範囲で任意に選べばよく、また、位相差板21
のリタデーションの値も、液晶セル10のΔndの値に
応じて、十分な出射率とコントラストが得られる範囲で
任意に選べばよい。
【0068】すなわち、例えば液晶セル10のΔndの
値を200〜300nmの範囲内に選んだ場合、前記位
相差板21に、リタデーションを100〜150nmの
範囲内にあるものを用いれば、反射型表示の場合の望ま
しい出射率である30%以上の出射率が得られるととも
に、2枚の偏光板を備えた液晶表示素子に比べて遜色の
ない十分なコントラストが得られる。
【0069】また、上記実施例の液晶表示素子では、ス
メクティックの一種である液晶反強誘電性液晶を封入し
た液晶セルを用いたが、前記液晶セルは、他のスメクテ
ィック(例えば液晶強誘電性液晶)を用い、一対の基板
の内面にそれぞれ設けられた電極間に印加する電界を制
御することにより、液晶のダイレクタを平面方向に変化
させるスイッチングを行なうものであっても、また、ネ
マティック液晶をホモジニアス配向状態で用い、一方の
基板の内面に各画素領域にそれぞれ対応させて一対ずつ
設けられた電極間に印加する水平方向電界を制御するこ
とにより、液晶のダイレクタを平面方向に変化させるス
イッチングを行なうものでもよい。
【0070】さらに、前記液晶セルは、アクティブマト
リックス型のものに限らず、単純マトリックス型または
セグメント型のものでもよく、また、白黒表示を行なう
ものに限らず、いずれか一方の基板の内面に赤、緑、青
などの複数の色のカラーフィルタを備えたカラー表示を
行なうものでもよい。
【0071】また、上記実施例の液晶表示素子では、位
相差板21を液晶セル10の背面とその背後に配置した
反射板22との間に配置しているが、前記位相差板21
は、液晶セル10の前面とその前面側に配置した偏光板
20との間に配置してもよく、その場合は、液晶セル1
0の背面側の基板12に設ける電極(上記実施例では画
素電極)15を光を反射させる金属膜で形成し、この電
極15で反射手段を構成してもよい。
【0072】
【発明の効果】この発明の液晶表示素子は、液晶のダイ
レクタが印加電界に応じて平面方向に変化する液晶セル
の背面側に反射手段を設け、前記液晶セルの前面側にの
み1枚の偏光板を配置するともに、前記液晶セルの一方
の面に位相差板を配置したものであるから、明るく、し
かもコントラストの良い平面内スイッチング方式の反射
型表示を行なうようことができる。
【0073】この発明の液晶表示素子において、前記液
晶セルΔndの値を200〜300nmの範囲内に選べ
ば、この液晶セルを歩留良く製造することができる。ま
た、そして、このように液晶セルのΔndの値を200
〜300nmの範囲内に選ぶ場合、前記位相差板に、リ
タデーションの値が100〜150nmの範囲にあるも
のを用いれば、良好なコントラストを得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例を示す、スメクティック液
晶の一種である反強誘電性液晶を用いた液晶表示素子の
断面図。
【図2】液晶セルの両基板間に挟持された反強誘電性液
晶の印加電界に対する分子配列状態の変化を示すモデル
図。
【図3】従来の平面内スイッチング方式による反射型液
晶表示素子の側面図。
【図4】従来の平面内スイッチング方式による他の反射
型液晶表示素子の側面図。
【符号の説明】
10…液晶セル 11,12…基板 14,15…電極 18…反強誘電性液晶 スメクティック層構造の法線 a…液晶分子 20…偏光板 21…位相差板 22…反射板

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一対の基板間に、液晶分子が前記基板面に
    ほぼ沿って配向しダイレクタが印加電界に応じて前記基
    板面に沿った平面上でその方向が変化する液晶を挟持し
    た液晶セルと、前記液晶セルの前面側にのみ配置された
    1枚の偏光板と、前記液晶セルの一方の面に配置された
    位相差板と、前記液晶セルの背面側に設けられた反射手
    段とを備えたことを特徴とする液晶表示素子。
  2. 【請求項2】前記反射手段は前記液晶セルの背後に配置
    された反射板であり、前記位相差板は、前記液晶セルの
    背面と前記反射板との間に設けられていることを特徴と
    する請求項1に記載の液晶表示素子。
  3. 【請求項3】前記液晶セルの液晶の複屈折率Δnと液晶
    層厚dとの積Δndの値が200〜300nmの範囲内
    にあり、前記位相差板のリタデーションの値が100〜
    150nmの範囲内にであることを特徴とする請求項1
    または2に記載の液晶表示素子。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100358475B1 (ko) * 1999-11-05 2002-10-25 에프디테크 주식회사 반사형 반강유전성 액정 표시장치
KR100683138B1 (ko) * 2000-06-30 2007-02-15 비오이 하이디스 테크놀로지 주식회사 반사형 프린지 필드 구동 액정 표시 장치

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100358475B1 (ko) * 1999-11-05 2002-10-25 에프디테크 주식회사 반사형 반강유전성 액정 표시장치
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