JPH11246934A - 溶接施工性及び衝撃エネルギー吸収能に優れた船体用鋼板およびその製造方法 - Google Patents

溶接施工性及び衝撃エネルギー吸収能に優れた船体用鋼板およびその製造方法

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JPH11246934A
JPH11246934A JP6607298A JP6607298A JPH11246934A JP H11246934 A JPH11246934 A JP H11246934A JP 6607298 A JP6607298 A JP 6607298A JP 6607298 A JP6607298 A JP 6607298A JP H11246934 A JPH11246934 A JP H11246934A
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昌紀 皆川
Toshihiko Koseki
敏彦 小関
Shuichi Jinushi
修一 地主
Tadashi Ishikawa
忠 石川
Koji Ishida
浩司 石田
Shiro Imai
嗣郎 今井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 タンカー等の船舶の衝突時に船体の破壊を最
小限にすることができる衝撃エネルギー吸収能に優れた
船体用鋼板及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 重量%で、C:0.05〜0.17%、
Si:0.05〜1.0%、Mn:0.5〜2.0%、
Al:0.02〜2.0%、を含有し、さらに必要に応
じて強化元素を含有し、かつPCM(=C+Si/30
+Mn/20)が0.22以下であり、残部Feおよび
不可避不純物からなる板厚8mm以上の鋼板であって、
該鋼板の少なくとも板厚の1/8以上の表裏層に面積率
で1.0〜20%の残留γを含むことを特徴とする溶接
施工性及び衝撃エネルギー吸収能に優れた船体用鋼板。
そして、この鋼板は鋳片を、直接もしくは加熱後、熱間
圧延を行い、Ar3+100℃〜Ar3−50℃の温度範
囲内で仕上げ圧延を終了し、その後、Ar1+100℃
〜Ar1℃の温度まで冷却速度2℃/s以下で冷却し、
その後、さらに冷却速度10℃/s以上で冷却し、25
0〜450℃の温度範囲で冷却を停止することによって
製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、板厚8mm以上の
船体用鋼板及びその製造方法に関し、特に、タンカーの
衝突による油流出事故に代表されるような船舶の衝突事
故が万一起きた場合でも、船舶の破壊を最小限にくい止
めることができる溶接施工性及び衝撃エネルギー吸収能
に優れた船体用鋼板及びその製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、タンカーの衝突、座礁等の海難事
故によって油が流出し、海洋汚染を引き起こして社会問
題となっている。
【0003】タンカーの海難事故では、特に6万トン以
上のタンカーでの油流出事故の発生率が高くなってお
り、6万トン以下の小型タンカーの海難での油流出事故
は少ない。
【0004】これは、小型タンカーの衝突事故では、タ
ンカーの大きさが小さいため衝突したタンカーが動いて
衝撃を弱め船体に穴が開く可能性が低いので、大規模な
油流出事故につながらないものと考えられる。一方、6
万トン以上のタンカーの衝突事故では、タンカーの船体
に穴が開き、大規模な油流出事故を起こして、海洋汚染
(環境汚染)を生じるため大きな社会問題となってい
る。
【0005】そのため、最近の造船分野においては、タ
ンカーの油流出事故による海洋汚染を防止するために、
万一船舶同士が衝突事故を起こしてもその破壊を最小限
にくい止め、タンカーからの油流出や破損部からの浸水
等の被害を最小限にするための技術が検討されている。
【0006】その一つの技術として、船体用鋼板自体に
エネルギー吸収能を持たせて、船の衝突時に船体の破壊
を防止することが考えられるが、船体に使用される鋼板
自体の特性として、衝突時におけるエネルギー吸収能が
向上した鋼板は、未だ提案されていない。
【0007】衝突時の安全性が要求されるのは船以外で
は、自動車の衝突安全性が良く知られていて、自動車の
衝突時のエネルギー吸収メカニズムについては研究さ
れ、衝突時のエネルギーを吸収する自動車の構造、自動
車用鋼板については種々提案されている。しかしなが
ら、従来、タンカー等の船での衝突時のエネルギー吸収
能に関する鋼材面からの検討は、殆どなされていないの
が現状である。
【0008】即ち、自動車の衝突エネルギーの吸収メカ
ニズムは、圧縮荷重下での座屈モードによりエネルギー
を吸収するものであって、具体的には薄鋼板の一ケ所の
座屈でなく、全体が種々の部分を節にしてゆるやかに座
屈し搭乗者を守る座屈モードとなっている。
【0009】これに対して、タンカーの衝突エネルギー
吸収メカニズムは、図1(a)〜(c)にタンカー同士
の衝突の1例を模式図に示すと、(a)に示すように、
タンカー側壁部1に他のタンカーの舳先2が衝突した場
合には、まず(b)に示すように、タンカーの舳先2の
全体がタンカー側壁部の平らな鋼板1にめり込んでくる
ので、鋼板1は大きく曲げ変形を受け、次いで(c)に
示すように、鋼板1は、奥に引き伸ばされて大きく引っ
張られる。この衝突過程で鋼板が破壊(破れる)される
と、タンカーの油流出或は海水の浸水事故となる。
【0010】したがって、タンカー同士の衝突時に油流
出等を生じさせないためには、衝突時の初期段階で鋼
板が大きく曲げられた時に、その曲げに耐えられるこ
と、次いで曲がっていない部分が大きく引き伸ばされ
引張り変形を起こすこととなるが、その部分が均一に伸
びて破断しないことが必要である。
【0011】このように、タンカーの衝突の場合は、変
形を起こしてもかまわないが、切れて破れなければ油流
出事故或は浸水事故とはならない。
【0012】以上述べたように、自動車と船とは、衝突
エネルギーの吸収メカニズムが全く異なっているもので
あり、さらに、船の場合は鋼板を溶接することが必須で
あり、船体の破壊に深刻な影響を及ぼす溶接継手部の強
度も確保されねばならない。
【0013】例えば、船舶用厚鋼板の強度は溶接性の観
点から350〜550MPaであるが、自動車の衝突安
全性用部材の薄鋼板の強度は、600〜1000MPa
が一般的であり、高強度のために溶接性が悪いため、ア
ーク溶接を多用する造船では溶接部熱影響部の軟化問題
と溶接割れ問題の両方から使用不可能である。
【0014】又、自動車の衝突安全性が要求される部材
に適用される鋼板は薄鋼板であるから、この薄鋼板に関
する技術を厚手鋼板に適用しても、冷却速度確保などの
観点から、板厚方向の均一性を保つのが難しい。そのた
め、造船用に使用されている板厚8mm以上のサイズの
もので衝突時の破壊防止を考慮した船体用鋼板は従来存
在していない。
【0015】このような理由で、鋼板に要求される特性
が全く異なる自動車用の鋼板をそのまま船体用鋼板とし
て使用することはできないものである。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、タンカー等
の船舶の衝突時に船体の破壊を最小限にすることができ
る溶接施工性及び衝撃エネルギー吸収能に優れた船体用
鋼板及びその製造方法を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明者は、衝突時の大
きなエネルギーを吸収して船体の破壊を防止する溶接施
工性及び衝撃エネルギー吸収能に優れた船体用鋼板とし
ては、鋼板が下記の性質を備えていることが必要である
ことを見い出した。 (イ) 曲げ部が加工硬化を充分にして、その後の変形
が平行部に分担されること。 (ロ)特に溶接継手部において主として起り易い曲げ部
が歪みを受けて脆化して、脆性破壊を生じないこと。 (ハ)平行部が伸ばされる際、延性亀裂の発生抵抗が大
きいこと。 (ニ)平行部が伸ばされる際、延性亀裂の伝播抵抗が大
きいこと。 (ホ)平行部が伸ばされる際、高い強度と伸びを有する
こと。 (ヘ)平行部が伸ばされる際、充分な加工硬化をするこ
と。
【0018】本発明者は、上記(イ)〜(ヘ)の性質の
内、特に衝突時のエネルギー吸収能に大きく影響を与え
る(ロ)及び(ホ)の特性を向上させた鋼板を得るた
め、鋼の成分及び鋼の組織等について研究した。その結
果、溶接施工性を確保できる鋼成分で、かつ厚鋼板特有
の現象として、少なくとも鋼板の表裏層のみに残留γを
存在させた組織とすれば溶接施工性が良好で、かつ衝撃
エネルギー吸収能に優れた厚鋼板が得られることを知見
し本発明を完成した。
【0019】本発明の要旨は、以下の通りである。
【0020】(1) 重量%で、C:0.05〜0.1
7%、Si:0.05〜1.0%、Mn:0.5〜2.
0%、Al:0.02〜2.0%、を含有し、かつPC
M(=C+Si/30+Mn/20)が0.22以下で
あり、残部Feおよび不可避不純物からなる板厚8mm
以上の鋼板であって、該鋼板の少なくとも板厚の1/8
以上の表裏層に面積率で1.0〜20%の残留γを含む
ことを特徴とする溶接施工性及び衝撃エネルギー吸収能
に優れた船体用鋼板。
【0021】(2) さらに、重量%で、Nb:0.0
01〜0.1%V:0.001〜0.1%、Ti:0.
001〜0.05%、Ta:0.001〜0.1%、C
r:0.01〜1.0%、Ni:0.01〜1.0%、
Mo:0.01〜1.0%、Cu:0.01〜1.0%
のうちの1種又は2種以上を含有し、かつPCM(=C
+Si/30+Mn/20+Cu/20+Ni/60+
Cr/20+Mo/15+V/10)が0.22以下で
あすることを特徴とする請求項1に記載の溶接施工性及
び衝撃エネルギー吸収能に優れた船体用鋼板。
【0022】(3) さらに、重量%で、Ca:0.0
001〜0.01%、Mg:0.0001〜0.01
%、REM:0.001〜0.05% B:0.0001〜0.001%のうちの1種又は2種
以上を含有し、かつPCM(=C+Si/30+Mn/
20+Cu/20+Ni/60+Cr/20+Mo/1
5+V/10+5B)が0.22以下であることを特徴
とする請求項1または2に記載の溶接施工性及び衝撃エ
ネルギー吸収能に優れた船体用鋼板。
【0023】(4) 重量%で、C:0.05〜0.
17%、Si:0.05〜1.0%、Mn:0.5〜
2.0%、Al:0.02〜2.0%を含有し、かつP
CM(=C+Si/30+Mn/20)が0.22以下
であり、残部Feおよび不可避不純物からなる鋳片を、
直接もしくは加熱後、熱間圧延を行い、Ar3+100
℃〜Ar3−50℃の温度範囲内で仕上げ圧延を終了
し、その後、Ar3もしくは仕上げ圧延終了温度のいず
れか低い方の温度からAr1+100℃〜Ar1℃の温度
まで冷却速度2℃/s以下で冷却し、その後、さらに冷
却速度10℃/s以上で冷却し、250〜450℃の温
度範囲で冷却を停止することを特徴とする溶接施工性及
び衝撃エネルギー吸収能に優れた船体用鋼板の製造方
法。
【0024】(5) 鋳片が、さらに重量%で、Nb:
0.001〜0.1%V:0.001〜0.1%、T
i:0.001〜0.05%、Ta:0.001〜0.
1%、Cr:0.01〜1.0%、Ni:0.01〜
1.0%、Mo:0.01〜1.0%、Cu:0.01
〜1.0%のうちの1種又は2種以上を含有し、かつP
CM(=C+Si/30+Mn/20+Cu/20+N
i/60+Cr/20+Mo/15+V/10)が0.
22以下であすることを特徴とする請求項4に記載の溶
接施工性及び衝撃エネルギー吸収能に優れた船体用鋼板
の製造方法。
【0025】(6) 鋳片が、さらに重量%で、Ca:
0.0001〜0.01%、Mg:0.0001〜0.
01%、REM:0.001〜0.05% B:0.0001〜0.001%のうちの1種又は2種
以上を含有し、かつPCM(=C+Si/30+Mn/
20+Cu/20+Ni/60+Cr/20+Mo/1
5+V/10+5B)が0.22以下であることを特徴
とする請求項4または5に記載の溶接施工性及び衝撃エ
ネルギー吸収能に優れた船体用鋼板の製造方法。
【0026】
【発明の実施の形態】以下本発明について詳細に説明す
る。
【0027】本発明者は、船体の衝撃エネルギー吸収能
と鋼材の機械的特性の関係を調査した。
【0028】その結果、衝撃エネルギー吸収能(EA)
と鋼材の機械的特性の関係として、鋼材の伸び特性(E
L)と強度特性(YP、TS)の両者が優れていること
が衝撃エネルギー吸収能(EA)を向上させるために必
要であることを見い出した。なお、機械的特性は、日本
海事協会鋼船規則集にあるU1号試験片を用いて評価し
た。
【0029】一般に材料が破断するまでのエネルギー吸
収は、正確には、応力をσ、変位をεとすると ∫σdε で求まるが、これを鋼板に当てはめて、応力としてフロ
ーストレス:(YP+TS)/2、変位として破断伸
び:ELを用いれば、近似的にエネルギー吸収は、 (YP+TS)×EL/2 と表わせる。船体衝突時の船側変形挙動が、部材の引張
特性に支配されることは、T.Ishikawaらが1
5th International Confere
nce on OMAE,1996,Book No.
G00987−1996において破壊の数値シミュレー
ションで示したとおりであり、したがって、上記の指標
は、船体衝突時の船体用鋼板のエネルギー吸収能と対応
関係にあるといえる。したがって、衝撃エネルギー吸収
能EAは、 EA=(YP+TS)/2×EL で表示できる。
【0030】現行の一般に用いられている船体用鋼板の
衝撃エネルギー吸収能(EA)を上記式に従って調査し
たところ、EAは100MPa程度であった。本発明の
目標は、この従来の鋼板の衝撃エネルギー吸収能(E
A)よりも少なくとも約20%以上大きい、即ち、衝撃
エネルギー吸収能120MPa以上、特に130MPa
以上を有する鋼板を得ることである。
【0031】衝撃エネルギー吸収能は、前記式から明ら
かなように伸び特性ELが大きな影響を与える。そのた
め本発明においては鋼板の伸びを確保するために、鋼の
組織をフェライト相(α)のマトリックスとした。とこ
ろが、マトリックスがフェライト相(α)の鋼は、強度
特性である降伏点(YP)と引張り強さ(TS)が低い
ため、衝撃エネルギー吸収能を高くすることはできな
い。しかも、強度特性であるYP、TSは、伸び特性E
Lとは相反する性質であって、両者を同時に向上させる
ことは一般に困難とされている。
【0032】つまり、マトリックスをフェライト相の鋼
とすることによって、伸び特性が改善されるが、伸びが
向上すれば引張り強さ等の強度特性が低下するので、マ
トリックスをフェライト相の鋼とするだけでは、衝撃エ
ネルギー吸収能の向上に限度がある。
【0033】そこで、伸び特性を確保しつつ、強度特性
である降伏点YP+引張強さTSを増加させる手段とし
て、フェライト相中に残留γを微細に分散させることに
着目し、残留γの分散状態等について研究した。
【0034】薄鋼板において強度、伸びバランスを向上
させる技術としては残留γ鋼が知られているが、この技
術を板厚8mm以上の厚手鋼板に適用しても、冷却速度
確保等の観点から板厚方向の均一性を保つことが困難で
あって、薄鋼板についての技術をそのまま適用し得な
い。そこで、本発明では厚手鋼板の特有の問題となる板
厚方向の残留γの存在を制御することにより、伸び特性
を維持したままで強度特性を向上させることについて試
験した。その結果、少なくとも鋼板の表裏層のみに残留
γを存在させれば強度特性が改善できることを知見し
た。
【0035】本発明では、残留γの存在を特定するため
に、残留γ量(面積率)の測定方法を以下のようにして
行った。
【0036】まず、鋼板表面からの距離aの位置のZ断
面を切断或は切削等により形成し、次いで、Z断面をエ
ッチングし、エッチング組織を顕微鏡で観察し、残留γ
が存在していることを確認した。次いで、Z断面の全体
に占める残留γの面積率を測定した。測定は、ポイント
カウンティングやコンピュータによる画像解析などで行
うことができる。
【0037】上記測定方法に従って、鋼板表面からの距
離aの位置を変更しながら、残留γの面積率を測定する
と図2に示すように、鋼板表面からの距離aと残留γ面
積率Fとの関係の図が得られる。
【0038】このようにして、板厚tが異なる種々の鋼
板について鋼板表面からの距離aと残留γ面積率との関
係を測定した。その測定結果に基づき、距離/板厚(a
/t)と残留γ面積率F(%)との関係を求めると図3
に示すようになった。
【0039】次いで、鋼板の強度特性を改善するには少
なくとも1%の残留γが必要であり、そしてその最大値
は20%が限度であるから、残留γが1〜20%含まれ
る領域の最大厚みをaγとし、最大厚みaγと衝撃エネ
ルギー吸収能EAとの関係を求めた。
【0040】図4は、最大厚みのaγと衝撃エネルギー
吸収能EAとの関係を示す図である。
【0041】図4に示すように、aγが板厚の1/8
(=0.125)以上となると衝撃エネルギー吸収能
が、本発明で目標とする120MPa以上となることを
見い出した。
【0042】このように、鋼板中に残留γを存在させる
ためには、オーステナイト安定化元素であるCを多く含
有する鋼材を用い、加熱して高温域で安定なγ相を形成
させ、その後これを急冷することにより常温で安定な残
留γとするものである。急冷の限界冷却速度は10℃/
sであって、それ未満では残留γを生成し得ない。
【0043】以上の試験結果から明らかなように、鋼成
分を選択し、少なくとも鋼板板厚の1/8以上の表裏層
に面積率で1.0〜20%の残留γを含有させれば、衝
撃エネルギー吸収能の高い鋼板が得られることが確認で
きた。
【0044】また、残留γをフェライトマトリックス中
に微細分散させることにより耐延性破壊性能をも向上さ
せることができる。つまり、一般に鋼材の延性破壊のメ
カニズムは、フェライトマトリックス中に硬い第二相が
存在した鋼材を引き伸ばした時、硬い第二相は変形せず
に第二相の周りが剥がれて、第二相の周りに穴(ボイ
ド)が生じ、鋼材中に第二相を核として多数のボイドが
発生することとなる。そして、更に引き伸ばすと多数の
ボイドが合体し、目に見える亀裂となり、次いで、この
亀裂が伝播して延性破壊が生じるというメカニズムが通
常である。
【0045】ところが、本発明のようにボイドの発生核
となる残留γを小さいコロニ−(固り)として微細に分
散させておくと、ボイドの発生を抑えて良く伸び、切れ
にくくなる。
【0046】つまり、微細に分散した残留γの占積率が
大きくなると、延性亀裂発生限界歪を低下させ、また鋼
板が降伏してもα相の変形を拘束し、鋼板の強度を上昇
させる効果がある。
【0047】したがって、衝撃エネルギー吸収能を向上
させ、かつ延性破壊を防止するためには、残留γの寸法
を円相当平均粒径で5μm以下、特に3μm以下にする
ことが好ましい。
【0048】次に、本発明鋼の成分の限定理由を説明す
る。
【0049】Cは、高温域でのγ相安定化元素であると
共に鋼板の強度を上昇させるのに最も安価かつ有効な元
素であり、残留γ相形成及び強度確保のためには0.0
5%以上が必要であるが、0.17%超となると溶接
性、溶接継手靭性を劣化させるので好ましくない。この
ため、Cは0.05〜0.17%とした。
【0050】Siは、鋼の脱酸及び残留γ相の生成を容
易にする元素として0.05%以上必要であるが、1.
0%を超えると溶接性、溶接継手靭性を劣化させるの
で、0.05〜1.0%とした。
【0051】Mnは、鋼の靭性を確保し、かつ強度を上
昇させるために0.5%以上必要であるが、2.0%超
となると溶接性を劣化させるので、0.5〜2.0%と
した。
【0052】Alは、鋼の脱酸元素として最も重要な元
素であり、また残留γ相の生成を容易にする元素として
0.001%以上必要であるが、2.0%超で溶接性を
劣化させるので、0.001〜2.0%とした。
【0053】本発明の第1発明の鋼は以上を基本成分と
するが、現状の製鋼技術で不可避的に含有される不純物
元素であるPは、特に規制する必要はないが、靭性、溶
接性確保の観点から0.25%以下とすることが好まし
く、0.01%以下(0%を含む)であれば更に良い。
また、同様に不純物元素であるS及びNについては、そ
れぞれ靭性、伸び確保の観点から、0.25%以下(0
%を含む)及び0.1%以下(0%を含む)とすること
が好ましい。しかし、これらの不純物元素は衝撃エネル
ギー吸収能の観点からいずれも低い方が望ましい。た
だ、NについてはTi等の元素と共存して溶接性を改善
する場合があり、その場合は、例えば0.002〜0.
006%の範囲に制御されることがある。
【0054】本発明は、上記基本成分に、更に母材の強
化成分である選択元素を1種又は2種以上添加すること
を第2発明とする。
【0055】強化成分である選択元素の限定理由につい
て説明する。
【0056】Nbは、0.001%以上の添加により母
材の強度上昇に有効であるが、0.1%超となると溶接
性を劣化させるので、0.001〜0.1%とした。
【0057】Vは、0.001%以上の添加により母材
の強度上昇に有効であるが、0.1%超となると溶接性
を劣化させるので、0.001〜0.1%とした。
【0058】Tiは、0.001%以上の添加で複合酸
化物、Ti窒化物等を形成して母材の強度上昇に有効で
あるが、0.05%超となるとHAZ靭性の低下を招き
溶接性を劣化させるので、0.001〜0.05%とし
た。
【0059】Taは、0.001%以上の添加により母
材の強度上昇に有効であるが、0.1%超となると溶接
性を劣化させるので、0.001〜0.1%とした。
【0060】Crは、0.01%以上の添加で焼入れ性
を向上し母材の強度確保に有効であるが、1.0%超と
なると溶接性を劣化させると共に低温靭性をも劣化させ
るので、0.1〜1.0%とした。
【0061】Niは、0.01%以上の添加で母材の靭
性、強度向上に有効であるが、1.0%超となると溶接
性を劣化させると共にコスト高となるので、0.01〜
1.0%とした。
【0062】Moは、0.01%以上の添加で、母材の
焼入れ性を向上し強度確保に有効であるが、1.0%超
となると溶接性を劣化させると共に低温靭性を劣化させ
るので、0.01〜1.0%とした。
【0063】Cuは、0.01%以上の添加で母材の強
度上昇に有効であるが、1.0%超で熱間割れが生じや
すくなり、溶接性をも劣化させるので、0.01〜1.
0%とした。
【0064】また、本発明では、母材の伸び改善のため
に選択元素を1種又は2種以上添加することを第3発明
とする。
【0065】伸び改善のための選択元素の限定理由につ
いて説明する。
【0066】Caは、0.0001%以上の添加で伸び
向上に有害なSを固定し、伸び改善に有効であるが、
0.01%超となると溶接性を劣化するので、0.00
01〜0.01%とした。
【0067】Mgは、0.0001%以上の添加で伸び
向上に有害なSを固定し、伸び改善に有効であるが、
0.01%超となると溶接性を劣化するので、0.00
01〜0.01%とした。
【0068】REM(希土類元素)は、0.001%以
上の添加で伸び向上に有害なSを固定し、伸び改善に有
効であるが、0.05%超で溶接性を劣化し、かつ高価
であるから、0.001〜0.05%とした。
【0069】Bは、焼入性を改善する元素であって、
0.0001%以上で有効であるが、0.001%を超
えると溶接性を劣化するので、0.0001〜0.00
1%とした。
【0070】また、溶接が多用される船体用鋼板におい
ては、溶接割れが生じない等の溶接継手部の強度を確保
しなければならない。
【0071】そこで、本発明では、溶接部熱影響部の軟
化や溶接割れが生じない鋼成分について検討した。その
結果、溶接施工性の指標となる下記式に従う鋼の成分間
の関係式PCMを0.22以下に規制すればよいことを
見い出した。
【0072】PCM=C+Si/30+Mn/20+C
u/20+Ni/60+Cr/20+Mo/15+V/
10+5B 即ち、PCMが0.22超となると、残留γを含有する
鋼板では溶接割れが生じ易くなり、その結果として50
℃以上の予熱が必要となる。このため、溶接施工性、作
業性が害されコストの大幅上昇を伴うこととなる。
【0073】したがって、本発明では、PCMを0.2
2以下とした。
【0074】また、本発明では鋼板の板厚を8mm以上
と限定したが、これはタンカーの衝突事故により、船体
に穴が開いて油流出事故、或は浸水事故を起こすタンカ
ーの大きさが6万トン以上のクラスのタンカーであっ
て、このクラスのタンカーの船体用鋼板としては強度確
保等の観点で8mm以上、特に8〜25mmの板厚の鋼
板を使用する必要がある。したがって、本発明において
は鋼板の板厚を8mm以上とした。なお、板厚の上限は
船体の大きさ等に応じて決まるものである。
【0075】次いで、フェライトマトリックス中に残留
γを微細に分散させる本発明の鋼板の製造方法について
説明する。
【0076】残留γを微細に分散させるには制御圧延が
有効である。即ち、鋳片を直接又はAc3以上の温度に
加熱後、熱間圧延を行い、かつ圧延終了温度をAr3
100℃〜Ar3−50℃の温度範囲とする。これによ
ってγ粒が細かくなる。このような温度範囲とするの
は、仕上圧延温度がAr3+100℃超となるとγ粒が
成長してが粗大化し、γ粒の微細化を図ることができな
くなる。またAr3−50℃未満では細粒α生成による
γへのC、Siなどの濃縮が不充分となり、残留γが生
成しなくなるからである。したがって、本発明では、圧
延仕上温度をAr3+100℃〜Ar3−50℃の温度範
囲とした。
【0077】次いで、圧延後、Ar1+100℃〜Ar1
の温度まで冷却速度2℃/s以下で徐冷或は空冷するこ
とによってαマトリックスの細粒化を促進すると共に、
その後の急冷により残留γが微細に分散した鋼板が得ら
れる。冷却速度を2℃/s以下とするのは、フェライト
(α)を安定的に生成させ、その量の制御が容易にでき
るからである。2℃/s超となると、フェライト(α)
が生成しにくくなり、代わりにベイナイト等の相が生成
するので好ましくない。
【0078】したがって、鋼の組織中のフェライト占積
率を80〜99%とするためには、Ar1+100℃〜
Ar1の温度範囲まで2℃/s以下の冷却速度で冷却す
る必要がある。
【0079】そして、徐冷後、さらに冷却速度10℃/
s以上で冷却し残留γとする。つまり、高温でのαとγ
の二相の共存域においては、αに固溶するC量は最大
0.02%で限度があり、過剰なCはγ中に移動した状
態となっている。この状態で10℃/s以上の冷却速度
で急冷を施すと残留γが析出することとなる。
【0080】しかし、10℃/s未満の冷却速度となる
と、ベイナイトを生成し残留γは残らない。また、急冷
の冷却停止温度を250〜450℃の範囲にしてマルテ
ンサイト変態を起こさせないようにしないと、鋼板板厚
の少なくとも1/8以上の表裏層に面積率で1.0〜2
0%の残留γを生成させることができない。即ち、25
0℃未満まで冷却するとマルテンサイト変態を生じ、残
留γが生成しない。また450℃超となると、冷却後の
鋼板内部は、まだ温度が高いので、鋼板の自然復熱によ
り、不安定な状態である残留γは、αと炭化物に分解
し、残留γが消失してしまうからである。
【0081】
【実施例】本発明の実施例を比較例と対比して説明す
る。
【0082】試験に用いた供試鋼の化学成分PCM、A
3及びAr1を表1に示す。表1において鋼種A、B
は、第1発明に対応し、鋼種C〜Eは、第2発明に対応
し、そして、鋼種Fは、第3発明に対応する本発明の鋼
成分及びPCMの規定範囲内のものである。鋼種G、H
は、PCMが本発明の規定範囲外となっている比較鋼で
ある。
【0083】表1に示す供試鋼を用いて、熱間圧延によ
り鋼板を製造した。その際の種々の製造条件を表2に示
す。また、得られた鋼板の残留γ面積率、機械的特性及
び溶接施工時の溶接割れを表2に併記した。
【0084】表2から明らかなように、本発明の規定範
囲内の供試鋼を用いて、本発明で規定する製造条件で製
造した鋼板(実施例No.1〜6)は、いずれも残留γ
面積率が1.3〜14.5%の範囲にあり、衝撃エネル
ギー吸収値は120MPaを超える120.3〜16
1.3MPaとなっていた。特に実施例No.4は、残
留γ面積率が14.5%と高く、衝撃エネルギー吸収値
も161.3MPaと高かった。
【0085】これに対して、本発明で規定する製造条件
外である比較例No.7〜14は、いずれも残留γ面積
率が1%以下であって、衝撃エネルギー吸収値も93.
0〜116.0MPaと低い値しか示さなかった。
【0086】即ち、比較例No.7は、仕上圧延温度が
高く、また比較例No.8は、仕上圧延温度が低いため
残留γ面積率がそれぞれ0.6%、0.5%と低かっ
た。比較例No.9は徐冷速度が2℃/s以上の2.5
℃/sであるため、残留γ面積率が0.5%と低かっ
た。比較例No.10は、徐冷時の冷却停止温度が高
く、また比較例No.11は、それが低い例であるが、
それぞれ残留γ面積率は0.7%、0.7%と低かっ
た。比較例No.12は、10℃/s以上の冷却速度の
急冷を行わなかったため、残留γ面積率が0.9%と低
かった。そして、比較例No.13は、急冷時の冷却停
止温度が高く、比較例No.14は、それが低い例であ
るが、それぞれ残留γ面積率は0.7%、0.5%と低
かった。
【0087】また、比較例No.15及びNo.16で
は、PCMが0.22を超える比較鋼の鋼種G、Hを用
い、本発明で規定する範囲内の製造条件で鋼板を製造し
た。
【0088】この鋼板は衝撃エネルギー吸収能は130
MPa以上の良好な値を示したが、斜めY型溶接試験の
結果、溶接割れが発生してしまった。
【0089】しかし、PCMが0.22以下の鋼種A〜
Fを用いた鋼板は、いずれも溶接割れは発生しなかっ
た。
【0090】以上の試験結果から明らかなように、本発
明で規定する鋼成分及び製造条件を満たす本発明実施例
の鋼板は、いずれも残留γ面積率が1〜20%の範囲と
なっており、衝撃エネルギー吸収能も120MPa以上
の値を示し、溶接施工性及び衝撃エネルギー吸収能に優
れた船体用鋼板となっていたことが確認できた。
【0091】
【表1】
【0092】
【表2】
【0093】
【発明の効果】本発明により、溶接施工性に優れ、かつ
120MPa以上の衝撃エネルギー吸収能に優れた鋼板
を提供することが可能であり、本発明鋼板をタンカー等
の船体に使用することにより、万一船舶同士の衝突事故
が起こった場合でも、船体が破断して穴が開くことを防
止或は破断面積を従来の鋼板の場合よりも減少すること
ができる。
【0094】そのため、本発明は、タンカーの衝突事故
時における油の流出による海洋汚染、又は衝突損傷部か
らの浸水量を低減できる等、環境保護、安全性の点から
優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】タンカー同士の衝突時のタンカー側面の破壊を
模式的に示す図である。
【図2】鋼板表面からの距離aと残留γ面積率Fとの関
係を示す図である。
【図3】距離/板厚(a/t)と残留γ面積率F(%)
との関係を示す図である。
【図4】残留γが存在する最大厚みaγと衝撃エネルギ
ー吸収能EAとの関係を示す図である。
【符号の説明】
1 タンカー側壁部 2 タンカーの舳先
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石川 忠 大分市大字西ノ洲1番地 新日本製鐵株式 会社大分製鐵所内 (72)発明者 石田 浩司 大分市大字西ノ洲1番地 新日本製鐵株式 会社大分製鐵所内 (72)発明者 今井 嗣郎 東京都千代田区大手町二丁目6番3号 新 日本製鐵株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で、C:0.05〜0.17
    %、Si:0.05〜1.0%、Mn:0.5〜2.0
    %、Al:0.02〜2.0%、を含有し、かつPCM
    (=C+Si/30+Mn/20)が0.22以下であ
    り、残部Feおよび不可避不純物からなる板厚8mm以
    上の鋼板であって、該鋼板の少なくとも板厚の1/8以
    上の表裏層に面積率で1.0〜20%の残留γを含むこ
    とを特徴とする溶接施工性及び衝撃エネルギー吸収能に
    優れた船体用鋼板。
  2. 【請求項2】 さらに、重量%で、Nb:0.001〜
    0.1%V:0.001〜0.1%、Ti:0.001
    〜0.05%、Ta:0.001〜0.1%、Cr:
    0.01〜1.0%、Ni:0.01〜1.0%、M
    o:0.01〜1.0%、Cu:0.01〜1.0%の
    うちの1種又は2種以上を含有し、かつPCM(=C+
    Si/30+Mn/20+Cu/20+Ni/60+C
    r/20+Mo/15+V/10)が0.22以下であ
    することを特徴とする請求項1に記載の溶接施工性及び
    衝撃エネルギー吸収能に優れた船体用鋼板。
  3. 【請求項3】 さらに、重量%で、Ca:0.0001
    〜0.01%、Mg:0.0001〜0.01%、RE
    M:0.001〜0.05% B:0.0001〜0.001%のうちの1種又は2種
    以上を含有し、かつPCM(=C+Si/30+Mn/
    20+Cu/20+Ni/60+Cr/20+Mo/1
    5+V/10+5B)が0.22以下であることを特徴
    とする請求項1または2に記載の溶接施工性及び衝撃エ
    ネルギー吸収能に優れた船体用鋼板。
  4. 【請求項4】 重量%で、C:0.05〜0.17%、
    Si:0.05〜1.0%、Mn:0.5〜2.0%、
    Al:0.02〜2.0%を含有し、かつPCM(=C
    +Si/30+Mn/20)が0.22以下であり、残
    部Feおよび不可避不純物からなる鋳片を、直接もしく
    は加熱後、熱間圧延を行い、Ar3+100℃〜Ar3
    50℃の温度範囲内で仕上げ圧延を終了し、その後、A
    3もしくは仕上げ圧延終了温度のいずれか低い方の温
    度からAr1+100℃〜Ar1℃の温度まで冷却速度2
    ℃/s以下で冷却し、その後、さらに冷却速度10℃/
    s以上で冷却し、250〜450℃の温度範囲で冷却を
    停止することを特徴とする溶接施工性及び衝撃エネルギ
    ー吸収能に優れた船体用鋼板の製造方法。
  5. 【請求項5】 鋳片が、さらに重量%で、Nb:0.0
    01〜0.1%V:0.001〜0.1%、Ti:0.
    001〜0.05%、Ta:0.001〜0.1%、C
    r:0.01〜1.0%、Ni:0.01〜1.0%、
    Mo:0.01〜1.0%、のうちの1種又は2種以上
    を含有し、かつPCM(=C+Si/30+Mn/20
    +Cu/20+Ni/60+Cr/20+Mo/15+
    V/10)が0.22以下であすることを特徴とする請
    求項4に記載の溶接施工性及び衝撃エネルギー吸収能に
    優れた船体用鋼板の製造方法。
  6. 【請求項6】 鋳片が、さらに重量%で、Ca:0.0
    001〜0.01%、Mg:0.0001〜0.01
    %、REM:0.001〜0.05% B:0.0001〜0.001%のうちの1種又は2種
    以上を含有し、かつPCM(=C+Si/30+Mn/
    20+Cu/20+Ni/60+Cr/20+Mo/1
    5+V/10+5B)が0.22以下であることを特徴
    とする請求項4または5に記載の溶接施工性及び衝撃エ
    ネルギー吸収能に優れた船体用鋼板の製造方法。
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