JPH11246581A - 亜鉛−モリブデン系ジチオカルバミン酸塩誘導体、その製造方法およびそれを含有する潤滑油組成物 - Google Patents

亜鉛−モリブデン系ジチオカルバミン酸塩誘導体、その製造方法およびそれを含有する潤滑油組成物

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JPH11246581A
JPH11246581A JP10064217A JP6421798A JPH11246581A JP H11246581 A JPH11246581 A JP H11246581A JP 10064217 A JP10064217 A JP 10064217A JP 6421798 A JP6421798 A JP 6421798A JP H11246581 A JPH11246581 A JP H11246581A
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molybdenum
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lubricating oil
scsn
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Hiroshi Nakanishi
博 中西
Hiroyuki Iwasaki
浩之 岩崎
Katsuya Koganei
克也 小金井
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    • C10PETROLEUM, GAS OR COKE INDUSTRIES; TECHNICAL GASES CONTAINING CARBON MONOXIDE; FUELS; LUBRICANTS; PEAT
    • C10MLUBRICATING COMPOSITIONS; USE OF CHEMICAL SUBSTANCES EITHER ALONE OR AS LUBRICATING INGREDIENTS IN A LUBRICATING COMPOSITION
    • C10M135/00Lubricating compositions characterised by the additive being an organic non-macromolecular compound containing sulfur, selenium or tellurium
    • C10M135/12Thio-acids; Thiocyanates; Derivatives thereof
    • C10M135/14Thio-acids; Thiocyanates; Derivatives thereof having a carbon-to-sulfur double bond
    • C10M135/18Thio-acids; Thiocyanates; Derivatives thereof having a carbon-to-sulfur double bond thiocarbamic type, e.g. containing the groups
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C333/00Derivatives of thiocarbamic acids, i.e. compounds containing any of the groups, the nitrogen atom not being part of nitro or nitroso groups
    • C07C333/14Dithiocarbamic acids; Derivatives thereof
    • C07C333/16Salts of dithiocarbamic acids
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07FACYCLIC, CARBOCYCLIC OR HETEROCYCLIC COMPOUNDS CONTAINING ELEMENTS OTHER THAN CARBON, HYDROGEN, HALOGEN, OXYGEN, NITROGEN, SULFUR, SELENIUM OR TELLURIUM
    • C07F11/00Compounds containing elements of Groups 6 or 16 of the Periodic Table
    • C07F11/005Compounds containing elements of Groups 6 or 16 of the Periodic Table compounds without a metal-carbon linkage

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 燃料消費率の改善を図るため、内燃機関
等の摩擦損失を低減させ、特に高温においても摩擦低減
効果が高く、かつ、その持続性にも優れた潤滑油を提供
する。 【解決手段】 次の一般式(I) 【化1】 (上記一般式(I)において、Aは、Mo−ZまたはZ
n-(- Y)2であり、Mo−Zにおいて、Zは−SCSN
(R1)2 であり、Zn-(- Y)2において、Yは−OCO
2 、−OSO23 または−SR4 であって、R1
4 は、各々、炭素数4〜30の炭化水素基であり、互
いに同一または異なるものでもよい。)で表される亜鉛
−モリブデン系ジチオカルバミン酸塩誘導体、その製造
方法およびそれを有効成分とする潤滑油用添加剤ならび
にそれを含有する潤滑油組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な油溶性の亜
鉛−モリブデン系ジチオカルバミン酸塩誘導体、その製
造方法およびそれを有効成分とする潤滑油用添加剤なら
びにそれを含有する潤滑油組成物に関し、詳しくは、亜
鉛およびモリブデンの金属成分を同一化合物内に有する
新規化合物、その製造方法およびその新規化合物からな
る潤滑油用添加剤ならびにそれを含有する潤滑油組成物
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、省エネルギー対策は環境保全への
対応として産業界のあらゆる分野において推進されてい
るが、特に、自動車用エンジンにおいては動力伝達の際
に生ずる摩擦による運転エネルギーの損失が燃料消費率
の増加をもたらすことから、エンジン内の摩擦損失を低
減させることが要求されている。
【0003】従って、エンジン設計面からの検討と共に
潤滑油の面からの検討が行なわれ、潤滑油基油の低粘度
化による摩擦の低減、また、摩擦調整剤の開発が行なわ
れ多数提案されている。これらの摩擦調整剤の使用によ
り、境界潤滑部分の摩擦を低減し、結果として燃料消費
率の低下が図られてきた。
【0004】例えば、摩擦調整剤とし、硫化オキシモリ
ブデンジチオカーバメートが提案され(例えば、米国特
許第3,356,702号明細書参照。)、また、グリ
セリンエステル等の他油性剤として用いられてきた化合
物も摩擦調整剤としてすでに提案されている(特公昭6
2−54359号公報参照)。
【0005】しかしながら、硫化オキシモリブデンジチ
オカーバメートは、低温においては摩擦係数の低減にあ
る程度は寄与するものの、高温になると摩擦低減効果が
低下するため、摩擦係数が高くなり、しかも低温におい
てさえ長時間の連続運転が必要な装置等では十分持続的
な摩擦低減効果が充分に得られないことも明らかになっ
てきた。
【0006】また、ジチオリン酸亜鉛(ZnDTP)を
配合することにより摩擦低減効果が得られることが知ら
れているが、燃焼により生成するリン酸が排ガスの酸化
触媒の寿命の低下を招くことから低リン化の要望があ
る。
【0007】このような状況下において、特に、自動車
用エンジンでは運転条件が種々大幅に変化し、潤滑油の
使用条件も著しく変化するため、低温域から高温域にわ
たる広範囲な温度条件に対しても摩擦低減効果を発揮で
きる潤滑油組成物の開発が切望されてきた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の課題
は、従来、開発が充分行なわれていなかった低温域から
高温域の広範囲にわたる温度条件下、特に高温条件下に
おいて摩擦係数が低く、さらに、連続運転においても摩
擦低減効果を維持し得る潤滑油に必要な化合物として従
来の摩擦調整剤を凌駕できる新規化合物を提供すること
にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
従来の摩擦調整剤および低燃費潤滑油の開発状況に鑑
み、前記の課題を解決するため、鋭意検討を加えたとこ
ろ、新たに創製した亜鉛およびモリブデンの金属成分が
同一の化合物に含有されたジチオカルバミン酸塩誘導体
が顕著な摩擦低減効果を有することに着目し、これらの
知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0010】すなわち、本発明の第一は、一般式(I)
【0011】
【化5】 (前記一般式(I)において、Aは、Mo−ZまたはZ
n-(- Y)2であり、Mo−Zにおいて、Zは
【0012】
【化6】 であり、Zn-(- Y)2において、Yは
【0013】
【化7】 または−SR4 であって、R1 〜R4 は、各々、炭素数
4〜30の炭化水素基であり、互いに同一または異なる
ものでもよい。)で表される亜鉛−モリブデン系ジチオ
カルバミン酸塩誘導体に関するものである。
【0014】また、本発明の第二は、硫化モリブデン酸
アンモニウム[(NH4)2 Mo212・2H2 Oまたは
(NH4)2 Mo313・2H2 O]と亜硫酸アルカリ金
属塩およびジアルキルジチオカルバミン酸アルカリ金属
塩とを水溶液中で反応させて得られる反応生成物をハロ
ゲン化亜鉛と反応させ、Zn2 Mo24(dtc)24
またはZnMo34(dtc)42 を合成し、その生成
物のハロゲン部分Xを脂肪酸のアルカリ金属塩、スルホ
ン酸のアルカリ金属塩またはアルキルチオールのアルカ
リ金属塩と反応させて、脂肪酸亜鉛塩、スルホン酸亜鉛
塩またはアルキルチオール亜鉛塩を生成させることを特
徴とする前記一般式(I)または(I−1)で表される
亜鉛−モリブデン系ジチカルバミン酸塩誘導体の製造方
法に関するものであり、
【0015】本発明の第三は、前記一般式(I)または
(I−1)で表される亜鉛−モリブデン系ジチオカルバ
ミン酸塩誘導体からなることを特徴とする潤滑油用添加
剤に関するものである。
【0016】さらに、本発明の第四は、 a)潤滑油基油に、b)前記一般式(I)または(I−
1)で表される亜鉛−モリブデン系ジチオカルバミン酸
塩誘導体を配合してなること特徴とする潤滑油組成物に
関するものである。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明について具体的に説
明する。本発明の亜鉛−モリブデン系ジチオカルバミン
酸塩誘導体は、次の一般式(I)
【0018】
【化8】 で表され、亜鉛とモリブデンの金属成分が同一化合物に
含有されたモリブデンの多核体の複塩からなるものであ
る。前記一般式(I)において、Aは、Mo−Zまたは
Zn-(- Y)2であり、一般式(I)のAの位置にMo−
ZまたはZn-(- Y)2のいずれかが存在することを示
す。Mo−Zにおいて、Zは
【0019】
【化9】 であり、また、Zn-(- Y)2において、Yは
【0020】
【化10】 または−SR4 である。一般式(I)においてR1 〜R
4 は、各々、炭素数4〜30の炭化水素基であり、互い
に同一または異なるものでもよい。
【0021】炭化水素基としては、炭素数4〜30のア
ルキル基;炭素数4〜30のアルケニル基;炭素数6〜
30のアリール基等を挙げることができる。アリール基
は、炭素数1〜24のアルキル基で置換されたものでも
よい。特に、油溶性の付与および摩擦低減作用の改善に
は炭素数6〜20のアルキル基またはアルケニル基が好
ましく、例えば、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル
基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、ウン
デシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル
基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル
基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基等の
直鎖状アルキル基またはこれらの分岐状アルキル基;ヘ
キセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル
基、デセニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基、トリ
デセニル基、テトラデセニル基、ペンタデセニル基、ヘ
キサデセニル基、オクタデセニル基、ノナデセニル基、
エイコセニル基等の直鎖状または分岐状アルケニル基等
を挙げることができる。特に、R1としては、炭素数6
〜18のアルキル基が好ましく、2個のアルキル基が同
一でもまたは異なるものでもよい。また、R2 およびR
4 は、各々、炭素数6〜24の直鎖状または分岐状アル
キル基またはアルケニル基が好適であり、R3 は炭素数
6〜24のアルキル基またはアルキルアリール基が好適
である。
【0022】前記一般式(I)または(I−1)で表さ
れる亜鉛−モリブデン系ジチオカルバミン酸塩誘導体
は、AがZn-(- Y)2の場合、Mo2核体であり、Mo
2核体として、例えば、次の一般式(II)〜(II
I) Zn2 Mo24[SCSN(R1)2]2(OCOR2)4 (II) Zn2 Mo2 4[SCSN(R1)2]2(OSO23)4 (III) および Zn2 Mo24[SCSN(R1)2]2(SR4)4 (IV) で表される化合物を挙げることができる。さらに、具体
的には、Mo2核体として、
【0023】
【化11】 等の化合物を例示することができる。
【0024】また、AがMo−Zの場合、一般式(I)
または(I−1)で表される亜鉛−モリブデン系ジチオ
カルバミン酸塩誘導体は、Mo3核体であり、例えば、
次の一般式(V)〜(VII) ZnMo34[SCSN(R1)2]4(OCOR2)2 (V) ZnMo34[SCSN(R1)2]4(OSO23)2 (VI) および ZnMo34[SCSN(R1)2]4(SR4)2 (VII) で表される化合物を挙げることができる。さらに、Mo
3核体の具体例として、
【0025】
【化12】 等の化合物を例示することができる。
【0026】一般式(I)で表される亜鉛−モリブデン
系ジチオカルバミン酸塩誘導体は、一つの化合物中にZ
nとMoを含有する複塩であり、その構造は、元素分
析、例えば、C、Hは燃焼熱伝導度法(カルロ・エルバ
計)、Oは加熱赤外線法、Nはケルダール試験(JIS
K−2609準拠)、Sは微量滴定法(JIS K−
2514準拠)およびICP(誘導結合高周波プラズマ
発光分析)(JIS K−0116準拠)等の分析方法
により得られた分析結果から同定されたものである。M
o2核体は後述の実施例においても示すように各化合物
を構成する元素C、H、O、NおよびSの含有量の実測
値が理論値と一致し、Mo/Znの比率が1.0である
ことから同定されたものである。また、Mo3核体も元
素分析によりそれを構成する元素C、H、O、Nおよび
Sならびに含有量を測定し、Mo/Zn比率が3.0で
あることから同定されたものである。
【0027】本発明の一般式(I)で表される亜鉛−モ
リブデン系ジチオカルバミン酸塩は、例えば、次の方法
により製造することができる。亜鉛−モリブデン系ジチ
オカルバミン酸塩は、基本的には 硫化モリブデンジ
アルキルジチオカーバメートの合成と 前段の合成
により得られる硫化モリブデンジアルキルジチオカーバ
メートとハロゲン化亜鉛との反応生成物と脂肪酸金属
塩、スルホン酸金属塩またはアルキルチオール金属塩と
の反応からなる二段階の反応により製造することができ
る。
【0028】すなわち、本発明の亜鉛−モリブデン系ジ
チオカルバミン酸塩は、硫化モリブデン酸アンモニウム
[(NH4)2 Mo212・2H2 Oまたは(NH4)2
313・2H2 O]と亜硫酸アルカリ金属塩およびジ
アルキルジチオカルバミン酸アルカリ金属塩とを水溶液
中で反応させて得られる反応生成物をハロゲン化亜鉛と
反応させ、Zn2 Mo24(dtc)24 またはZnM
34(dtc)42を合成し、その生成物のハロゲン
部分Xを脂肪酸のアルカリ金属塩、スルホン酸のアルカ
リ金属塩またはアルキルチオールのアルカリ金属塩と反
応させて、脂肪酸亜鉛塩、スルホン酸亜鉛塩またはアル
キルチオール亜鉛塩を生成させることからなるものであ
る。(上記式のdtcは−SCSN(R1)2 と表すこと
もできる。)Mo2核体 第一段階では、硫化モリブデン酸アンモニウム((NH
4)2 Mo212・2H2 O)と亜硫酸アルカリ金属塩と
ジアルキルジチオカルバミン酸のアルカリ金属塩とを水
溶液中で反応させることにより得られる反応生成物であ
る硫化モリブデンジアルキルジチオカーバメート[Mo
24(SCSN(R1)2)2](式中、R1は前記の炭化水
素基を示す。)を調製する。これらのアルカリ金属塩と
しては特に、限定されるものではなく、ナトリウム塩、
カリウム塩等を用いることができる。この反応において
は反応条件および操作条件は窒素雰囲気下またはアルゴ
ン雰囲気下で行なう以外は特に限定する必要はなく、任
意に選択することができ、例えば、常温で攪拌を継続す
ることにより、所望の反応生成物を生成させることがで
きる。
【0029】次に、第二段階では第一段階で得られた反
応生成物をハロゲン化炭化水素および脂肪族アルコール
の混合溶媒中でハロゲン化亜鉛と反応させ、反応生成物
に脂肪酸のアルカリ金属塩、スルホン酸のアルカリ金属
塩またはアルキルチオールのアルカリ金属塩を添加し、
さらに反応を継続する。これらのアルカリ金属塩として
はナトリウム塩、カリウム塩等をいずれも任意に選択し
て使用することができる。ハロゲン化炭化水素溶媒とし
ては、反応溶媒として使用できるものであればいずれも
制限されるものではなく、例えば、ジクロルメタンを、
また、脂肪族アルコール溶媒も特に限定されるものでは
なく、例えば、メタノールを使用することができ、ハロ
ゲン化亜鉛としては塩化亜鉛、フッ化亜鉛、臭化亜鉛お
よびヨウ化亜鉛のいずれも用いることができる。アルキ
ルチオールとしては炭素数1〜20のアルキル基のメル
カプタンが挙げられる。反応条件は窒素雰囲気下または
アルゴン雰囲気下で行なう以外は特に限定されるもので
はなく、常温において反応を行なわせることができる。
【0030】前記の方法にて所望のZn2 Mo24[S
CSN(R1)2]2(OCOR2)4 、 Zn2 Mo24[SCSN(R1)2]2(OSO23)4
たはZn2 Mo24[SCSN(R1)2]2(SR4)4 を純
度よく、かつ、約70%以上の高収率で製造することが
できる。
【0031】このようにして得られた反応生成物は、前
記の如く、元素分析、ICP等により、一つの化合物中
に亜鉛とモリブデンを含有する複塩からなる新規化合物
であることが確認できた。
【0032】Mo3核体 出発物質として、硫化モリブデン酸アンモニウム[(NH
4)2 Mo313・2H2 O]を用いることを除けば、M
o2核体の製造方法で用いた物質と同一のものを用い、
同一の反応条件を採用することができる。(NH4)2
313・2H2 Oと亜硫酸アルカリ金属塩とジアルキ
ルジチオカルバミン酸アルカリ金属塩とを水溶液中での
反応により、Mo34[SCSN(R1)2]4 を調製し、
これをハロゲン化亜鉛と反応させた後に脂肪酸のアルカ
リ金属塩、スルホン酸のアルカリ金属塩またはアルキル
チオールのアルカリ金属塩と反応させることにより、Z
nMo34[SCSN(R1)2]4(OCOR2)2 、ZnM
34[SCSN(R1)2]4(OSO23)2 またはZn
Mo34[SCSN(R1)2]4(SR4)2を製造すること
ができる。このようにして、Mo3核体についてMo2
核体と同様に高純度の化合物を収率約70%以上で得る
ことができる。
【0033】なお、出発物質の硫化モリブデン酸アンモ
ニウム[(NH4)2 Mo212・2H2 Oおよび(NH4)
2 Mo313・2H2 O]は、A.M uller等 Chemistry U
sesMolybdenum Proceeding International Conference
1979-3.59の方法で合成することができる。
【0034】本発明の亜鉛−モリブデン系ジチオジカル
バミン酸塩誘導体は、潤滑油用添加剤として有用であ
る。特に、摩擦調整剤、摩耗防止剤、極圧剤、酸化防止
剤等として用いることができる。これらの添加剤のなか
でも高温下で摩擦低減効果の顕著な摩擦調整剤として極
めて有効である。また、ガソリンやその他の中間留分を
はじめとする燃料油等にも酸化防止剤等として使用する
こともできる。添加剤としては、前記一般式(I)で表
される亜鉛−モリブデン系ジチオカルバミン酸塩誘導体
を鉱油等の溶媒により適宜稀釈して使用することがで
き、また、他の添加剤との添加剤パッケージの成分とし
て用いることもできる。
【0035】本発明の潤滑油組成物に用いられる潤滑油
基油は、特に限定されるものではなく、潤滑油の用途に
応じて適宜選択することができるが、通常、潤滑油基油
として用いられているもの、例えば、鉱油系基油、合成
系基油および植物油系基油等を挙げることができる。
【0036】鉱油系基油としては、パラフィン系、中間
基系またはナフテン系原油の常圧蒸留残渣の減圧蒸留留
出油として得られる潤滑油留分を原料とし、溶剤精製、
水素化分解、水素化処理、水素化精製、溶剤脱蝋、接触
脱蝋、白土処理等の各種精製工程を任意に選択して用い
ることにより得られる鉱油、減圧蒸溜残渣を溶剤脱瀝に
供したのち、脱瀝油を前記の精製工程により処理して得
られる鉱油、または、ワックス分の異性化により得られ
る鉱油等またはこれらの混合油を用いることができる。
前記の溶剤精製においては、フェノール、フルフラー
ル、N−メチル−2−ピロリドン等の芳香族抽出溶剤が
用いられ、一方、溶剤脱蝋溶剤としては、液化プロパ
ン、MEK/トルエン等が用いられる。接触脱蝋工程に
おいては触媒成分として例えば形状選択性ゼオライト等
を用いることができる。また、潤滑油基油として、特
に、酸化安定性等の観点から、芳香族炭化水素含有量
(n−d−M法による%(CA )が10%以下の溶剤抽
出および/または水素化処理により得られるものが用い
られるが、前記の水素化分解、水素化処理により得られ
る芳香族炭化水素含有量5%以下、特に、2%以下の水
素化処理油が好ましい。
【0037】一方、合成系基油としては、ポリα−オレ
フィンオリゴマー(例えば、ポリ(1−ヘキセン)、ポ
リ(1−オクテン)、ポリ(1−デセン)等およびこれ
らの混合物。)、ポリブテン、アルキルベンゼン(例え
ば、ドデシルベンゼン、テトラデシルベンゼン、ジ(2
−エチルヘキシル)ベンゼン、ジノニルベンゼン
等。)、ポリフェニル(例えば、ビフェニル、アルキル
化ポリフェニル等。)、ポリフェニルエーテル、アルキ
ル化ジフェニルエーテルおよびアルキル化ジフェニルス
ルフィドおよびこれらの誘導体;二塩基酸(例えば、フ
タル酸、コハク酸、アルキルコハク酸、アルケニルコハ
ク酸、マレイン酸、アゼライン酸、スペリン酸、セバチ
ン酸、フマル酸、アジピン酸、リノール酸ダイマー
等。)と各種アルコール(例えば、ブチルアルコール、
ヘキシルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール、
ドデシルアルコール、エチレングリコール、ジエチレン
グリコールモノエーテル、プロピレングリコール等。)
とのエステル;炭素数5〜12のモノカルボン酸とポリ
オール(例えば、ネオペンチルグリコール、トリメチロ
ールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリス
リトール、トリペンタエリスリトール等。)とのエステ
ル;その他、ポリオキシアルキレングリコール、ポリオ
キシアルキレングリコールエステル、ポリオキシアルキ
レングリコールエーテル、リン酸エステルおよびシリコ
ーン油等を挙げることができる。また、植物油系基油と
しては、ひまし油、なたね油、パーム油、ヤシ油、ココ
ナッツ油、オリーブ油、ひまわり油等を用いることがで
きる。
【0038】潤滑油基油は、潤滑油組成物の用途に応じ
て所望の粘度やその他の性状を有するように各種混合基
材を適宜混合して調製することができる。例えば、内燃
機関用潤滑油としては、100℃における動粘度が2m
2 /s〜30mm2 /s、特に、3mm2 /s〜10
mm2 /sの範囲に、また、自動変速機用潤滑油として
は、100℃における動粘度を2mm2 /s〜30mm
2 /s、特に、3mm2 /s〜15mm2 /sの範囲に
調整することが好ましい。
【0039】本発明の潤滑油組成物は、前記の潤滑油基
油に一般式(I)で表される亜鉛−モリブデン系ジチオ
カルバミン酸塩誘導体を有効量配合したものである。該
誘導体の配合量としては潤滑油組成物重量基準で、1m
mol/kg〜30mmol/kg、好ましくは、1.
5mmol/kg〜20mmol/kgの範囲であり、
また、モリブデン量としては150ppm〜4000p
pm、好ましくは、200ppm〜3000ppm、亜
鉛量として60ppm〜3000ppm、好ましくは、
100ppm〜2000ppmの範囲である。誘導体の
含有量が1mmol/kgに満たないとその効果が充分
でなく、一方、30mmol/kgを超えても増量に見
合う効果は得られない。
【0040】本発明の潤滑油組成物は、内燃機関用潤滑
油、自動変速機油、作動油、ギヤ油等多くの分野で使用
することができ、必要に応じて、他の各種添加剤、例え
ば、粘度指数向上剤、金属系清浄剤、無灰分散剤、酸化
防止剤、極圧剤、摩耗防止剤、金属不活性化剤、流動点
降下剤、腐蝕防止剤、他の摩擦調整剤等を適宜選択して
配合することができる。
【0041】粘度指数向上剤としては、例えば、ポリメ
タクリレート系、ポリイソブチレン系、エチレン−プロ
ピレン共重合体系、スチレンーブタジエン水添共重合体
系等のものを用いることができ、これらは、通常、3重
量%〜35重量%の割合で使用される。
【0042】金属系清浄剤としては、例えば、アルカリ
金属、アルカリ土類金属のスルホネート、フェネート、
サリシレート、ホスホネート等を用いることができる。
アルカリ金属としては、ナトリウム、カリウム等、アル
カリ土類金属としては、カルシウム、マグネシウム、バ
リウム等が用いられ、これらのなかでも、特に、カルシ
ウム、マグネシウム、バリウムのスルホネート、フェネ
ート、サリシレートが好ましい。これらの化合物は、通
常、0.1重量%〜5重量%の割合で使用される。
【0043】無灰分散剤としては、例えば、アルケニル
コハク酸イミドおよびそれらのホウ素誘導体、アルケニ
ルコハク酸アミドおよびそれらのホウ素誘導体、ベンジ
ルアミン系、コハク酸エステル系のものがあり、これら
は、通常、0.05重量%〜7重量%の割合で使用され
る。
【0044】酸化防止剤としては、例えば、アルキル化
ジフェニルアミン、フェニル−α−ナフチルアミン、ア
ルキル化フェニル−α−ナフチルアミン等のアミン系酸
化防止剤、2,6−ジ−t−ブチルフェノール、4,4
´−メチレンビス−(2,6−ジ−t−ブチルフェノー
ル)等のフェノール系酸化防止剤、さらに、ジアルキル
ジチオリン酸亜鉛等を挙げることができ、これらは、通
常0.05重量%〜5重量%の割合で使用される。
【0045】極圧剤としては、例えば、ジベンジルサル
ファイド、ジブチルジサルファイド等があり、これら
は、通常、0.05重量%〜3重量%の割合で使用され
る。
【0046】摩耗防止剤としては、例えば、リン酸エス
テル、酸性リン酸エステル、亜リン酸エステル、酸性亜
リン酸エステル等を挙げることができ、これらは、通
常、0.01重量%〜5重量%の割合で使用される。
【0047】金属不活性化剤としては、例えば、ベンゾ
トリアゾール、ベンゾトリアゾール誘導体、チアジアゾ
ール等があり、これらは、通常、0.01重量%〜3重
量%の割合で使用される。
【0048】流動点降下剤としては、例えば、エチレン
−酢酸ビニル共重合体、塩素化パラフィンとナフタレン
との縮合物、塩素化パラフィンとフェノールとの縮合
物、ポリメタクリレート、ポリアルキルスチレン等が挙
げられ、これらは、通常、0.1重量%〜10重量%の
割合で使用される。
【0049】さらに、その他の添加剤として、本発明の
亜鉛−モリブデン系ジチオカルバミン酸塩誘導体の作用
を阻害しないものであれば任意に選択して使用すること
ができる。
【0050】本発明の好ましい実施の態様として、 (1)次の一般式(II’)〜(VII’)
【0051】
【化13】 (一般式(II’〜VII’)において、R1 は炭素数
6〜18のアルキル基であり、R2 は炭素数6〜20の
アルキル基またはアルケニル基であり、R3 は炭素数6
〜30のアルキル基、アルキルアリール基であり、R4
は炭素数6〜18のアルキル基である。)で表される亜
鉛−モリブデン系ジチオカルバミン酸塩誘導体、
【0052】(2)潤滑油基油に一般式(II’)〜
(VII’)で表される亜鉛−モリブデン系ジチオカル
バミン酸塩誘導体の少なくとも一種を潤滑油組成物重量
基準で5mmol/kg〜30mmol/kgの割合で
配合してなる潤滑油組成物、ならびに
【0053】(3)一般式(II’〜VII’)からな
る群より選択される少なくとも一種の亜鉛−モリブデン
系ジチオカルバミン酸塩誘導体に粘度指数向上剤、金属
系清浄剤、無灰分散剤、酸化防止剤、極圧剤、摩耗防止
剤、金属不活性化剤および流動点降下剤からなる群より
選択される少なくとも一種の添加剤を配合してなる潤滑
油組成物を提供することができる。
【0054】[実施例]次に実施例および比較例により
本発明を具体的に説明する。なお、実施例等において用
いた潤滑油基油および潤滑油組成物の性能評価方法とし
ての摩擦摩耗試験方法を次に示す。潤滑油基油 精製鉱油(100ニュートラル油)(動粘度4.2mm2/
s @100 ℃) パラフィン基系潤滑油留分のフェノール溶剤抽出ラフィ
ネート(芳香族炭化水素含有量(%CA );6.0%)
【0055】性能評価方法 摩擦摩耗試験方法 試験機として往復動型摩擦試験機(SRV摩擦試験機)
を用い、次の条件で摩擦係数を測定した。 摩擦材 : 鋼(SUJ−2)/鋼(SUJ−2)、シリンダー/デスク 温度 : 80℃、120℃ 荷重 : 400N 振幅 : 50Hz 時間 : 15分 15分間の測定の最後の3分間の平均値をもって摩擦係
数とし、摩擦係数の安定性は摩擦係数の変動幅で評価し
た。
【0056】実施例1(Mo2核体の製造) 滴下ロート、攪拌機、温度計および窒素吹込み用導入管
を取り付けた1リットルの四つ口フラスコに、窒素雰囲
気下で(NH4)2Mo 212・2H 2Oを13.0g(20
mmol)とジ(2−エチルヘキシル)ジチオカルバミ
ン酸カリウムを21.3g(60mmol)採り、水を
300ml加えて溶解させ、亜硫酸カリウム19gを溶
解した水溶液を300ml滴下しながら60℃で8時間
攪拌した。生成物にエーテルを300ml加えてエーテ
ル抽出し、そのエーテル溶液を濾過した後、エーテルを
減圧により留去した。残留物をメタノール50mlで3
回抽出した後、メタノール溶液からメタノールを減圧に
より除去して、次の中間生成物
【0057】
【化14】 を16.2g(収率85%)得た。
【0058】塩化亜鉛2.72g(20mmol)と中
間生成物を9.53g(10mmol)四つ口フラス
コに採り、容積比1:1のジクロルメタンとメタノール
の混合溶液を300ml加えて常温で窒素雰囲気下8時
間攪拌した後に、オレイン酸カリウム塩12.8g(4
0mmol)を溶解させたメタノール溶液を100ml
加えて、さらに、ジクロルメタンを100ml加えて常
温で24時間攪拌した。その後、減圧下で、ジクロルメ
タンとメタノールを除去して残留物をヘキサン100m
lに溶解させ、濾過し、濾液をSephadex G−
10カラムクロマトグラフィー(内径4.5cm、長さ
20cm)で、さらに、ヘキサン100mlで流出さ
せ、得られたヘキサン溶液のヘキサンを減圧下で留去
し、次の化学式で示される生成物;
【0059】
【化15】 を18.7g(収率:84.8%)得た。生成物の元素
分析およびICPの結果を次に示す。 元素分析値 実験値 C;57.6%、 H;9.2%、 O;5.9%、 N;1.3%、 S;11.4% 理論値 C;57.6%、 H;9.1%、 O;5.8%、 N;1.3%、 S;11.4% ICP(誘導結合高周波プラズマ発光法) Mo/Zn;1.0
【0060】実施例2(Mo3核体の製造) 滴下ロート、攪拌機、温度計および窒素吹込み用導入管
を取り付けた1リットルの四つ口フラスコに、(NH4)
2 Mo313・2H2 Oを15.5g(20mmol)
とジ(2−エチルヘキシル)ジチオカルバミン酸カリウ
ムを21.3g(60mmol)採り、水を300ml
加えて溶解させ、亜硫酸カリウム19gを溶解した水溶
液を300ml滴下しながら60℃で8時間攪拌した。
生成物にエーテルを300ml加えてエーテル抽出し、
そのエーテル溶液を濾過した後、エーテルを減圧により
留去した。残留物をメタノール50mlで3回抽出した
後、メタノール溶液からメタノールを減圧により除去し
て、次の中間生成物
【0061】
【化16】 を31.0g(収率92%)得た。
【0062】塩化亜鉛1.36g(10mmol)と中
間生成物を16.8g(10mmol)四つ口フラス
コに採り、容積比1:1のジクロルメタンとメタノール
の混合溶液を300ml加えて常温で窒素雰囲気下8時
間攪拌した後に、オレイン酸カリウム塩6.4g(20
mmol)を溶解させたメタノール溶液を100ml加
えて、さらに、ジクロルメタンを100ml加えて常温
で24時間攪拌した。その後、減圧下で、ジクロルメタ
ンとメタノールを除去して残留物をヘキサン100ml
に溶解させ、濾過し、濾液をSephadex G−1
0カラムクロマトグラフィー(内径4.5cm、長さ2
0cm)で、さらに、ヘキサン100mlで流出させ、
得られたヘキサン溶液のヘキサンを減圧下で留去し、次
の化学式で示される生成物;
【0063】
【化17】 を19.0g(収率:82.0%)得た。 元素分析値 実験値 C;54.0%、 H;9.0%、 O;2.9%、 N;2.5%、 S;16.2% 理論値 C;54.0%、 H;8.8%、 O;2.8%、 N;2.4%、 S;16.6% ICP Mo/Zn;3.0
【0064】実施例3(Mo2核体の製造) 実施例1で合成した中間生成物を9.53g(10m
mol)と塩化亜鉛を2.72g(20mmol)四つ
口フラスコに採り、容積比1:1のジクロルメタンとメ
タノールの混合溶媒を300ml加えて常温で窒素雰囲
気下8時間攪拌した後に、ラウリルメルカプタンのカリ
ウム塩4.8g(20mmol)を溶解させたメタノー
ル溶液を100ml加えて、さらに、ジクロルメタンを
100ml加えて常温で24時間攪拌した。その後、減
圧下で、ジクロルメタンとメタノールを除去して残留物
をヘキサン100mlに溶解させ、濾過し、濾液をSe
phadex G−10カラムクロマトグラフィー(内
径4.5cm、長さ20cm)で、さらに、ヘキサン1
00mlで流出させ、得られたヘキサン溶液のヘキサン
を減圧下で留去し、次の化学式で示される生成物;
【0065】
【化18】 を15.4g(収率:81.7%)得た。 元素分析値 実験値 C;52.1%、 H;9.1%、 N;1.6%、 S;20.2% 理論値 C;52.1%、 H;9.0%、 N;1.5%、 S;20.4% ICP Mo/Zn;1.0
【0066】実施例4(Mo3核体の製造) 実施例2で合成した中間生成物を16.8g(10m
mol)使用したこと以外すべて実施例2と同様にして
次の化学式で示される生成物;
【0067】
【化19】 を17.1g(収率:79.6%)得た。 元素分析値 実験値 C;51.4%、 H;8.8%、 N;2.7%、 S;20.7% 理論値 C;51.4%、 H;8.7%、 N;2.6%、 S;20.9% ICP Mo/Zn;3.0
【0068】実施例5 100ニュートラル油197.8gに実施例1で得られ
た化学式(II−1)で表される化合物(I);
【0069】
【化20】 を2.2g(1mmol)配合した潤滑油組成物(化合
物(I)を5mmol/kgの割合で含有。Zn量:6
54ppm、Mo量:959ppm)(試料油1)を調
製した。試料油1について前記の摩擦摩耗試験により性
能評価した。性能評価の結果は表1に示すように80℃
および120℃おいて、摩擦係数が低く、摩擦係数安定
性も良好であった。
【0070】実施例6 100ニュートラル油を197.8gから397.8g
に増量したこと以外すべて実施例5と同様にして試料油
2を調製し、前記の摩擦摩耗試験により性能を評価し
た。評価結果を表1に示す。
【0071】実施例7 100ニュートラル油197.6gに実施例2で得られ
た化学式(V−1)で表される化合物(II);
【0072】
【化21】 を2.31g(1mmol)配合した潤滑油組成物(化
合物(II)を5mmol/kgの割合で含有。Zn
量:327ppm、Mo量:1439ppm)(試料油
3)を調製した。試料油3の性能を前記の摩擦摩耗試験
により、評価した。結果を表1に示す。
【0073】実施例8 100ニュートラル油を197.69gから397.6
9gに増量したこと以外すべて実施例7と同様にして潤
滑油組成物(試料油4)を調製した。試料油4を前記の
摩擦摩耗試験に供したところ表1に示す結果を得た。
【0074】実施例9 100ニュートラル油198.11gに実施例3にて得
られた化学式(IV−1)で表される化合物(III)
【0075】
【化22】 を1.89g(1mmol)配合した潤滑油組成物(化
合物(III)を5mmol/kgの割合で含有。Zn
量:654ppm、Mo量:959ppm)(試料油
5)を調製した。試料油5を前記の性能評価を行なっ
た。表1に示すように、80℃および120℃のいずれ
の温度においても摩擦係数は低く、摩擦係数安定性も良
好であった。
【0076】実施例10 100ニュートラル油97.85gに実施例4にて得ら
れた化学式(VII−1)で表される化合物(IV);
【0077】
【化23】 を2.15g(1mmol)配合した潤滑油組成物(化
合物(IV)を5mmol/kgの割合で含有。Zn
量:327ppm、Mo量:1439ppm)(試料油
6)を調製した。試料油6を前記の性能評価を行なった
ところ、表1に示すように、80℃および120℃にお
いて摩擦係数は低く摩擦係数安定性も良好であった。
【0078】実施例11 100ニュートラル油198.34gオレイン酸カリウ
ム塩の代わりに2−エチルヘキサン酸カリウム塩を用い
たこと以外実施例1と同様にして得られた化学式(II
−2)で表される化合物(V);
【0079】
【化24】 を1.66g(1mmol)配合した潤滑油組成物(化
合物(V)を5mmol/kgの割合で含有。Zn量6
54ppm、Mo量959ppm)(試料油7)を調製
した。試料油7を前記の性能評価にを行なったところ、
表1に示すように80℃および120℃において摩擦係
数が各々0.03と低く摩擦係数安定性も良好であっ
た。
【0080】実施例12 100ニュートラル油197.97gにオレイン酸カリ
ウム塩の代わりに2−エチルヘキサン酸カリウム塩を用
いたこと以外実施例2と同様にして得られた化学式(V
−2)で表される化合物(VI);
【0081】
【化25】 を2.03g(1mmol)配合した潤滑油組成物(化
合物(VI)を5mmol/kgの割合で含有。Zn量
327ppm、Mo量1439ppm)(試料油8)を
調製した。試料油8の前記評価結果を表1に示す。
【0082】実施例13 100ニュートラル油197.08gにオレイン酸カリ
ウム塩の代わりにジノニルナフタレンスルホン酸カリウ
ム塩を用いたこと以外実施例1と同様にして得られた化
学式(III−1)で表される化合物(VII)
【0083】
【化26】 を2.92g(1mmol)配合した潤滑油組成物[化
合物(VII)を5mmol/kgの割合で含有。Zn
量654ppm、Mo量959ppm)(試料油9)を
調製した。試料油9の前記評価結果を表1に示す。
【0084】実施例14 100ニュートラル油197.33gにオレイン酸カリ
ウム塩の代わりにジノニルナフタレンスルホン酸カリウ
ム塩を用いたこと以外実施例2と同様にして得られた化
学式(VI−1)で表される化合物(VIII)
【0085】
【化27】 を2.67g(1mmol)配合した潤滑油組成物[化
合物(VIII)を5mmol/kgの割合でを含有。
Zn量327ppm、Mo量1439ppm](試料油
10)を調製した。試料油10の前記評価結果を表1に
示す。
【0086】比較例1 潤滑油基油の100ニュートラル油のみを試料油aと
し、前記性能評価を行なったところ表2に示すように、
80℃および120℃の摩擦係数は、各々、0.16お
よび0.17と高く、120℃の摩擦係数安定性は劣悪
であった。 比較例2、3 100ニュートラル油にMoDTCをモリブデン量とし
て、各々、250ppmおよび500ppm配合し試料
油bおよび試料油cを調製した。性能評価の結果を表2
に示す。 比較例4 MoDTCの代わりにMoDTPを用いたこと以外すべ
て比較例3と同様にして試料油dを調製した。性能評価
を表2に示す。 比較例5 100ニュートラル油にMoDTCをモリブデン量とし
て500ppm、ZnDTPをリン量として1000p
pm配合し試料油eを調製した。試料油eを前記の性能
評価を行なったところ、表2に示すように、80℃の摩
擦係数は0.05であり、摩擦係数安定性は良好であっ
たが、120℃の摩擦係数が0.10と高く、摩擦係数
安定性も劣悪であり、高温条件下での摩擦特性に難点の
あることが示めされた。
【0087】
【表1】
【0088】
【表2】
【0089】以上の実施例および比較例の結果から、本
発明の亜鉛−モリブデン系ジチオカルバミン酸塩誘導体
を潤滑油添加剤として用いた場合、MoDTCおよびZ
nDTPを混合して用いた場合に比較して摩擦係数が低
く、摩擦係数安定性も良好であり、顕著な摩擦低減効果
を奏することが示されている。
【0090】
【発明の効果】本発明の亜鉛−モリブデン系ジチオカル
バミン酸塩誘導体は新たに創製されたものであり、亜鉛
とモリブデンの金属成分が同一化合物に含有される複塩
である。潤滑油の添加剤として使用することにより、潤
滑油に顕著な摩擦低減効果を付与し、低温および高温条
件下、特に、高温条件下において摩擦係数を低下させ、
かつ、摩擦係数安定性も改善することができる。特に、
モリブデン系化合物および亜鉛化合物を混合して併用し
た場合に比較して、摩擦特性の改善効果が著しく顕著で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C10N 30:06 40:04 40:08 40:25

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 (一般式(I)において、Aは、Mo−ZまたはZn-
    (- Y)2であり、Mo−Zにおいて、Zは 【化2】 であり、Zn-(- Y)2において、Yは 【化3】 または−SR4 であって、R1 〜R4 は、各々、炭素数
    4〜30の炭化水素基であり、互いに同一または異なる
    ものでもよい。)で表される亜鉛−モリブデン系ジチオ
    カルバミン酸塩誘導体。
  2. 【請求項2】 前記亜鉛−モリブデン系ジチオカルバミ
    ン酸塩誘導体が次の一般式(I−1) Zna Mob4[SCSN( R1)2]cd (I−1) (一般式(I−1)において、Yは 【化4】 または−SR4 であり、aは1または2、bは2または
    3、cは2または4、dは2または4であり、aが1の
    ときdは2であり、aが2のときdは4であり、R1
    4 は炭素数4〜30の炭化水素基である。)で表され
    る化合物である請求項1に記載の亜鉛−モリブデン系ジ
    チオカルバミン酸塩誘導体。
  3. 【請求項3】 前記亜鉛−モリブデン系ジチオカルバミ
    ン酸塩誘導体が次の一般式(II)〜(VII) Zn2 Mo24[SCSN(R1)2]2(OCOR2)4 (II) Zn2 Mo24[SCSN(R1)2]2(OSO23)4 (III) Zn2 Mo24[SCSN(R1)2]2(SR4)4 (IV) ZnMo34[SCSN(R1)2]4(OCOR2)2 (V) ZnMo34[SCSN(R1)2]4(OSO23)2 (VI) および ZnMo34[SCSN(R1)2]4(SR4)2 (VII) (一般式(II)〜(VII)において、R1 〜R4
    は、各々、炭素数4〜30の炭化水素基であり、互いに
    同一または異なるものでもよい。)で表される化合物か
    らなる群より選択される化合物である請求項1または2
    に記載の亜鉛−モリブデン系ジチオカルバミン酸塩誘導
    体。
  4. 【請求項4】 硫化モリブデン酸アンモニウム[(NH4)
    2 Mo212・2H2 Oまたは(NH4)2 Mo313
    2H2 O]と亜硫酸アルカリ金属塩およびジアルキルジ
    チオカルバミン酸アルカリ金属塩とを水溶液中で反応さ
    せて得られる反応生成物をハロゲン化亜鉛と反応させ、
    Zn2 Mo24(dtc)24 またはZnMo34(d
    tc)42 を合成し、その生成物のハロゲン部分Xを脂
    肪酸のアルカリ金属塩、スルホン酸のアルカリ金属塩ま
    たはアルキルチオールのアルカリ金属塩と反応させて、
    脂肪酸亜鉛塩、スルホン酸亜鉛塩またはアルキルチオー
    ル亜鉛塩を生成させることを特徴とする前記請求項1ま
    たは2に記載の一般式(I)または(I−1)で表され
    る亜鉛−モリブデン系ジチオカルバミン酸塩誘導体の製
    造方法。
  5. 【請求項5】 前記請求項1または2に記載の一般式
    (1)または(I−1)で表される亜鉛−モリブデン系
    ジチオカルバミン酸塩誘導体からなることを特徴とする
    潤滑油用添加剤。
  6. 【請求項6】 潤滑油基油に前記請求項1または2に記
    載の一般式(I)または(I−1)で表される亜鉛−モ
    リブデン系ジチオカルバミン酸塩誘導体を配合してなる
    ことを特徴とする潤滑油組成物。
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