JPH11246462A - アントラキノンの製造方法 - Google Patents

アントラキノンの製造方法

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JPH11246462A
JPH11246462A JP10341688A JP34168898A JPH11246462A JP H11246462 A JPH11246462 A JP H11246462A JP 10341688 A JP10341688 A JP 10341688A JP 34168898 A JP34168898 A JP 34168898A JP H11246462 A JPH11246462 A JP H11246462A
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anthraquinone
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diene
naphthoquinone
tetrahydroanthraquinone
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JP10341688A
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Wolfgang Siegel
ズィーゲル ヴォルフガング
Andreas Kramer
クラマー アンドレアス
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BASF SE
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BASF SE
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C49/00Ketones; Ketenes; Dimeric ketenes; Ketonic chelates
    • C07C49/587Unsaturated compounds containing a keto groups being part of a ring
    • C07C49/657Unsaturated compounds containing a keto groups being part of a ring containing six-membered aromatic rings
    • C07C49/683Unsaturated compounds containing a keto groups being part of a ring containing six-membered aromatic rings having unsaturation outside the aromatic rings
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C46/00Preparation of quinones
    • C07C46/02Preparation of quinones by oxidation giving rise to quinoid structures

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造技術的な観点から経済的かつ簡単であ
り、かつ先行技術から公知である方法の欠点を有さな
い、1,4−ナフトキノンと1,3−ジエンから出発す
る工業的規模で実施することができるアントラキノンの
合成方法、特に酸化工程における爆発性ガス混合物の形
成の危険性を回避する方法を提供する。 【解決手段】 一般式I: 【化1】 [式中、R1、R2、R3およびR4は、同一または異なっ
てもよく、水素、C1〜C8−アルキルまたはC2〜C8
アルケニルである]のアントラキノンの製造方法におい
て、1,4−ナフトキノンと一般式II: 【化2】 [式中、R1、R2、R3およびR4は前記のものである]
の1,3−ジエンとを環化付加工程で反応させ相応のテ
トラヒドロアントラキノンを形成し、かつそのテトラヒ
ドロアントラキノンを酸化工程で酸素と塩基触媒の存在
下に反応させ一般式Iのアントラキノンを形成する、環
化付加工程および酸化工程の両者を水性希釈剤の存在下
で実施する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は置換アントラキノン
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】1,4−ナフトキノンおよび置換1,3
−ジエンから出発する置換9,10−アントラキノンの
製造方法は公知である。この方法においては、第1の合
成工程において、1,4−ナフトキノンと置換1,3−
ジエンとを、置換テトラヒドロアントラキノンを得るた
めに環化付加反応(ディールス−アルダー反応)におい
て反応させる。第2の合成工程においては、置換アント
ラキノンを得るために置換テトラヒドロアントラキノン
の酸化を実施する、また置換ジヒドロアントラキノンを
経由して段階を追って酸化を実施することも可能であ
る。
【0003】米国特許第2,072,867号明細書
は、1,4−ナフトキノンおよび適当に置換されたジエ
ンであるイソプレン、2−ブチルブタジエン、2−ヘプ
チルブタジエンおよび2−フェニルブタジエンからの、
2位でアルキル(メチル、ブチル、ヘプチル)またはフ
ェニルによって置換された9,10−アントラキノンの
製造方法を記載している。環化付加工程は90〜100
℃で溶剤としてエタノール中または溶剤を添加しないで
実施することができる。次いで、得られた置換1,4,
4a,9a−テトラヒドロアントラキノンを水酸化カリ
ウムのアルコール溶液中で相応に置換された9,10−
アントラキノンに酸化させる。
【0004】溶剤または希釈剤なしでの実施は、反応熱
が効率的に放散されないという重大な欠点を有する。ま
た、反応成分の十分な混合を確実なものにすることもで
きない。
【0005】ドイツ国特許出願公開第2150337号
明細書は、1−アルケニル−9,10−アントラキノン
の製造方法を記載しており、これは更に2位および3位
において置換されていてもよい。この方法においては、
1,4−ナフトキノンおよび相応に置換された1,3,
7−オクタトリエンを出発材料として使用する。この場
合、反応は、有利には少なくとも1種の反応成分、有利
には両者の反応成分が可溶な溶剤中で実施すべきであ
る。該明細書中に挙げられる、環化付加工程を実施する
ための適当な溶剤は、ケトン、例えばアセトンおよびメ
チルエチルケトン、エーテル、例えばTHFおよびジオ
キサン、アルコール、例えばメタノール、エタノールお
よびイソプロパノール、エステル、例えば酢酸エチルな
らびに炭化水素、例えばベンゼンおよびシクロヘキサン
である。また、酸化工程を実施するためには、前記の列
記したものの他に挙げられる適当な溶剤は水であり、有
利な媒体は水性エタノール(aqueous ethanol)であ
る。大気酸素によって酸化を実施するために示される有
利な温度範囲は20〜50℃である。例として、環化付
加工程では溶剤としてエタノールまたはベンゼンを、か
つ酸化工程では溶剤として水性エタノールを使用して実
施し、その際中間体の大気酸化(atomospheric oxdatio
n)を室温または氷冷下で実施する。
【0006】特開昭59/51235号公報では、中間
体の酸化を大気酸素によって実施する1,4−ナフトキ
ノンおよびミルセンからの2−イソヘキセニル−9,1
0−アントラキノンの合成を記載している。環化付加工
程および酸化工程の両者において、反応は溶剤としてエ
タノール中で実施する。エタノールまたは一般にアルコ
ールを溶剤として使用する欠点は、これらが反応条件下
で酸素による酸化に対して完全に不活性でないことであ
る。このことは困難な精製作業を必要とする副生成物の
形成を惹起することがある。
【0007】容易に揮発する有機化合物、例えば低沸点
アルコールの存在下でのテトラヒドロアントラキノンの
大気酸化は、更に、容易に揮発する有機化合物と酸素と
の爆発性混合物を形成する恐れがある。そのため、該方
法を工業的規模で実施するのは安全性の理由のため避け
る必要がある。使用される溶剤は、容易に揮発する有機
化合物であってもよい。また、容易に揮発する有機化合
物は、出発成分中に少量の成分として含有されていても
よい。
【0008】爆発性混合物の形成の危険性は、一方、酸
素以外の酸化剤を使用することによって打ち消すことが
できる。
【0009】米国特許第5,723,675号明細書で
は、反応を酸化剤および溶剤としてDMSO中で実施す
る1,4−ナフトキノンおよびブタジエンからのアント
ラキノンの製造方法を記載している。DMSOの還元
で、後にH22合成でアントラキノンを使用する際の触
媒毒として作用する生成物が形成する。また、該方法は
抽出工程を実施する必要があるので困難である。
【0010】Bioorg.Med.Chem.Let
t.6(1996),pp.1859〜1864は、ル
イス酸の存在下における溶剤としてジエチルエーテル中
での1,4−ナフトキノンおよびテルペンであるα−ミ
ルセンからの2−イソヘキセニル−9,10−アントラ
キノンの合成を開示している。ディールス−アルダー付
加体の酸化は、酸化剤、例えばAg2O、MnO2および
DDQの存在下において溶剤としてジエチルエーテルま
たはベンゼン中で実施する。使用される酸化剤および溶
剤は、高価で生理学的に非認容性であり、かつ従って工
業的規模の実施には不適である。
【0011】爆発性混合物の形成の危険性は、他方、反
応媒体として水中で作業することによって回避すること
ができる。これに対する問題は、出発成分であるナフト
キノンおよびジエンならびに該反応の中間体および最終
生成物が水に易溶性でないことである。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、製造
技術的な観点から経済的かつ簡単であり、かつ先行技術
から公知である方法の欠点を有さない、1,4−ナフト
キノンと1,3−ジエンから出発する工業的規模で実施
することができるアントラキノンの合成方法、特に酸化
工程における爆発性ガス混合物の形成の危険性を回避す
る方法を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】前記課題は、一般式I:
【0014】
【化3】
【0015】[式中、R1、R2、R3およびR4は、同一
または異なってもよく、水素、C1〜C8−アルキルまた
はC2〜C8−アルケニルである]のアントラキノンの製
造方法において、1,4−ナフトキノンと一般式II:
【0016】
【化4】
【0017】[式中、R1、R2、R3およびR4は前記の
ものである]の1,3−ジエンとを環化付加工程で反応
させ相応のテトラヒドロアントラキノンを形成し、かつ
そのテトラヒドロアントラキノンを酸化工程で酸素と塩
基触媒の存在下に反応させ一般式Iのアントラキノンを
形成し、その際、環化付加工程および酸化工程の両者を
水性希釈剤の存在下で実施する製造方法によって本発明
により解決されると判明した。
【0018】本発明の範囲内のジエンは、置換1,3−
ジエンならびに非置換1,3−ブタジエンである。よっ
て、アルキル置換誘導体またはアルケニル置換誘導体の
他に、テトラヒドロアントラキノンまたはアントラキノ
ンも非置換親化合物である。
【0019】本発明の範囲内の水性希釈剤は、主として
水からなる希釈剤を意味すると解される。少量で水と相
容性の有機溶剤を水性希釈剤中に含有してもよい。有利
には、水性希釈剤中の有機溶剤の量は非常に少量であ
り、その結果、その反応条件下では反応混合物上のガス
空間(gas space)における有機溶剤の平衡蒸気圧は、
相応の平衡蒸気圧と比較して非常に小さいので、爆発性
ガス混合物の形成を妨げることができる。これは一般
に、水性希釈剤中の有機溶剤の含有量が<5重量%の場
合である。本発明の特に有利な態様においては、該反応
は専ら水性希釈剤として水を使用して実施する。
【0020】第1の合成工程においては、1,4−ナフ
トキノンと一般式Iの1,3−ジエンとを反応させテト
ラヒドロアントラキノンを形成させる。有利には、1,
3−ジエンは反応条件下、特にテトラヒドロアントラキ
ノンを得るための反応を実施する際に要求される反応温
度では、液相で存在する。有利な1,3−ジエンは4〜
24個の炭素原子を、特に有利には5〜12個の炭素原
子を、殊に有利には8〜10個の炭素原子を含有する。
例えば、イソプレン、2−エチル−1,3−ブタジエ
ン、2−プロピル−1,3−ブタジエン、2−アリル−
1,3−ブタジエン、2−(3−ブテン−1−イル)−
1,3−ブタジエン、2−(4−ペンテン−1−イル)
−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3
−ヘキサジエン、1,3−ヘプタジエン、1,3,6−
ヘプタトリエン、1,3,7−オクタトリエン、2−メ
チル−1,3,7−オクタトリエンもしくは7−メチル
−1,3,7−オクタトリエン、2−エチル−1,3,
7−オクタトリエンもしくは7−エチル−1,3,7−
オクタトリエン、2,7−ジメチル−1,3,7−オク
タトリエンまたは2,7−ジエチル−1,3,7−オク
タトリエンならびにテルペン、例えばオシメンおよびミ
ルセンである。そのうち、ミルセンが特に有利である。
【0021】また、1,4−ナフトキノンは置換基、例
えばアルキル置換基を有してもよい。しかしながら、有
利には非置換1,4−ナフトキノンを使用する。
【0022】水性希釈剤中で環化付加工程を実施する場
合には、出発成分は一般に分散液、すなわちエマルジョ
ン、懸濁液または3相混合物(固体/液体/液体)とし
て存在し、またその際、該水性希釈剤は、更に少量の1
種または両者の出発成分を溶解した形で含有することが
可能である。有利には出発成分は、反応温度にまで加熱
した後に水性希釈剤中に少なくとも1種の成分が液形で
存在するように選択する。1種の出発成分だけが液形で
存在する場合、これは1,3−ジエンまたは1,4−ナ
フトキノンであってもよく、有利には1,3−ジエンで
ある。
【0023】環化付加工程を実施する場合、反応温度は
一般に50〜170℃、有利には70〜130℃、特に
有利には90〜110℃であり、かつ反応時間は一般に
0.5〜24時間、有利には3〜12時間である。
【0024】第2の合成工程においては、形成したテト
ラヒドロアントラキノンを、酸素の存在下で一般式Iの
アントラキノンに酸化させる。この場合一般に、テトラ
ヒドロアントラキノンは水性希釈剤中に分散して存在す
る。
【0025】純粋な形のまたは不活性ガスの存在下の、
例えば空気の形での酸素を使用してもよい。有利には、
酸化剤として大気酸素が使用される。
【0026】酸化は水性希釈剤に可溶な塩基性化合物の
存在下で実施する。適当な塩基性化合物は、アンモニ
ア、酢酸ナトリウム、モノ−、ジ−およびトリアルキル
アミン、アルカリ金属水酸化物ならびにアルカリ土類金
属水酸化物である。有利には、酸化工程は強塩基性化合
物、例えばアルカリ金属水酸化物またはアルカリ土類金
属水酸化物、特に有利にはアルカリ金属水酸化物の存在
下で実施する。使用される塩基性化合物は特に水酸化ナ
トリウムである。
【0027】酸化工程においては、酸素は液体反応混合
物と激しく接触させた状態にする。これは、液体反応混
合物中に大気酸素を(有利には微細な形で)通過させる
ことによって達成できる。しかしながらまた、大気酸素
を、反応混合物上のガス空間に供給し、かつ激しい撹拌
によって反応混合物と接触した状態にしてもよい。酸化
工程は、一般に温度20〜170℃、有利には50〜1
30℃、特に有利には90〜110℃で、かつ1〜48
時間、有利には4〜30時間の間実施する。
【0028】環化付加工程および酸化工程の両者は常
圧、減圧または高めた圧力下で実施することができる。
一般に、これは圧力0.5〜30バールで実施される。
該反応を水の沸点よりもはるかに高い温度で実施すべき
であれば、高めた圧力下での実施が望ましい。これは、
高融点置換ジエンを反応させる場合には有利なことがあ
る。また、大気圧下において気体であるジエン(例えば
ブタジエン)を液化すべきであれば、高めた圧力下での
実施が望ましい。本発明の有利な態様においては、環化
付加工程および酸化工程は常圧で実施する。
【0029】水性希釈剤の存在下での実施の結果とし
て、爆発性混合物の形成の危険性が回避される。一方、
これは既に有機溶剤で分散させることによって達成され
ている。また、爆発性ガス混合物は、酸素と少量の成分
として出発成分中に存在する容易に揮発する有機化合物
とからも形成することがある。その危険性は、反応混合
物上のガス空間における十分に高い水蒸気圧および低い
定常酸素濃度の設定によって対処できる。反応混合物上
の水蒸気圧および定常酸素濃度は、還流する留出物の量
を決定する熱供給および酸素供給によって、還流下に加
熱することで問題なく調節することができる。
【0030】また、爆発性ガス混合物の形成の危険性
は、容易に揮発する少量の成分を反応混合物から除去し
てから酸化工程を実施することによって対処することも
できる。本発明による方法においては、このことは反応
混合物の初期蒸留(部分蒸留)によって特に簡単に達成
することができる。初期蒸留の場合においては、例えば
使用される約20〜30重量%の水性希釈剤を留去し、
その際容易に揮発する少量の成分は留出物と共に除去さ
れる。蒸留によって除去された水性希釈剤は、蒸留工程
の間、例えば水蒸気蒸留の原理によって戻すことができ
る。初期蒸留または水蒸気蒸留によって、容易に揮発す
る少量の成分は、水性希釈剤の存在下で問題なく除去す
ることができる。容易に揮発する少量の成分の除去は環
化付加工程の前または後に実施してもよい。本発明によ
る方法の有利な態様においては、その除去は環化付加工
程の後に実施する。
【0031】酸化工程を実施した後、一般式Iのアント
ラキノンは形成したアントラキノン含有エマルジョンか
ら分離することができる。該アントラキノンは固形また
は液形で分離することができる。
【0032】一般式Iのアントラキノンは固形で分離す
ることができる。該アントラキノンは、低温での結晶
化、引き続いて固体/液体分離、例えば遠心分離または
濾過によって分離することができる。分離の後に、晶出
物(crystallizate)の精製のための慣用の工程を実施
することができる。慣用の精製工程は、例えば有機溶剤
からの再結晶化である。再結晶化の前に、晶出物を適当
な溶剤、例えば水で洗浄してもよい。分離した晶出物
は、更に溶解させかつ蒸留によって精製することができ
る。
【0033】また、一般式Iのアントラキノンは液形に
おいても分離することができる。これは有機溶剤による
エマルジョンの抽出によって達成することができる。ま
た、液形における分離は有機溶剤を添加せずに達成する
こともできる。本発明の有利な態様においては、アント
ラキノンを含有する有機相は、形成したエマルジョンか
ら相分離後に液形で分離する。アントラキノンは分離し
た有機相から慣用の精製方法によって回収することがで
きる。慣用の精製方法は、分離した有機相の水による抽
出、有機相の蒸留または有機溶剤からのアントラキノン
の結晶化である。本発明による方法の特に有利な態様に
おいては、液形で存在する分離した有機相を水で洗浄し
かつ次いで蒸留する。
【0034】本発明による方法を使用して、十分な純度
の生成物を困難な精製工程を実施しなくても得ることが
できる。このことは、一方では溶剤としての水が酸素に
よる酸化に対してほぼ完全に不活性であり、かつ溶剤の
酸化により不純物を形成しないという事実に基づいてい
る。他方、本発明による方法において形成する副生成
物、例えば中間体または最終生成物中のオレフィン二重
結合の酸化によって形成する副生成物は主として水溶性
である。このため、該副生成物は、酸化工程を実施した
後、水相中に濃縮し、水相と共に大部分が分離する。他
の場合には、水性希釈剤の使用によって、形成した一般
式Iのアントラキノンの分離はアントラキノンを含有す
る液体有機相からの水相の相分離の後に問題なく可能で
ある。
【0035】特に有利な変法においては、本発明による
方法は以下の工程を使用して実施する: a)1,4−ナフトキノン、一般式IIのジエンおよび
水性希釈剤を加熱可能な反応容器、例えば撹拌容器中に
導入する、 b)1,4−ナフトキノンおよび一般式IIのジエンを
水性希釈剤中で、例えば撹拌によって分散させる。出発
成分および該分散液の導入は場合により保護ガス雰囲気
下で実施する、 c)固体成分を含有してもよい分散液を、1,4−ナフ
トキノンおよび一般式IIのジエンの反応のために保護
ガス雰囲気下で反応温度にまで加熱する。加熱の結果と
して、該ジエンは水性希釈剤中で溶解しかつエマルジョ
ンを形成する、 d)容易に揮発する少量の成分を除去するために、テト
ラヒドロアントラキノンを含有する形成したエマルジョ
ンを初期蒸留する。容易に揮発する少量の成分の除去
は、使用した水の量の約20〜30重量%が留出した時
点で完了する。この量の水は、例えば水蒸気蒸留の原理
によって蒸留工程の間に戻すことができる、 e)アルカリ金属水酸化物を、例えば水酸化ナトリウム
水溶液の導入によって反応容器中に添加する、 f)大気酸素を反応容器中に導入し、かつ約90℃でテ
トラヒドロアントラキノンと反応させる。液体反応混合
物上の定常酸素濃度を熱供給および酸素供給によって、
該溶液上のガス空間中の酸素濃度が多くとも5容量%で
あるように調節する、 g)酸化工程を実施した後、一般式Iのアントラキノン
を含有するエマルジョンを液体有機相と水相とに相分離
し、かつ液体有機相を粗生成物として分離する。粗生成
物の純度は>97重量%でありうる、 h)液体有機相に慣用の精製工程を実施し一般式Iの純
粋なアントラキノンを形成させる。慣用の精製工程は、
特に水による液体有機相の抽出である。引き続き蒸留し
てもよい。また、精製は省くこともできる。
【0036】本発明を以下の実施例によってより詳細に
説明する。
【0037】
【実施例】例1 水180lを撹拌容器中に室温で還流冷却しながら導入
しかつ1,4−ナフトキノン33.3kgおよびミルセ
ン40kgを撹拌しながら供給する。該混合物を窒素雰
囲気下で98〜100℃に加熱しかつこの温度で約3時
間撹拌する。次いで、容易に揮発する成分を反応混合物
の初期蒸留によって除去する。ディールス−アルダー付
加体の酸化のためには、25%濃度のNaOH水溶液2
0kgを撹拌容器中に通過させかつ反応混合物を還流下
に大気酸素で曝気する。反応混合物上の定常酸素濃度
は、熱供給によって調節する留出物の量および空気供給
によって調節する。酸化の終了後に、混合物を室温に冷
却しかつ粗生成物を晶出させ分離する。合成収率は、理
論値の>94%である。
【0038】例2 例1の手順で実施するが、酸化後、液体有機相を分離し
次いで90℃で水180lによって抽出する。次いで、
90〜95℃で液体である粗生成物をワイパーブレード
蒸発器(wiper blade evaporator)によって蒸留する。
蒸留収率は>90%である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式I: 【化1】 [式中、R1、R2、R3およびR4は、同一または異なっ
    てよく、水素、C1〜C8−アルキルまたはC2〜C8−ア
    ルケニル基である]のアントラキノンを、1,4−ナフ
    トキノンと一般式II: 【化2】 [式中、R1、R2、R3およびR4は前記のものである]
    の1,3−ジエンとを環化付加工程で反応させ相応のテ
    トラヒドロアントラキノンを形成し、かつ該テトラヒド
    ロアントラキノンを塩基性触媒の存在下で酸素を用いる
    酸化工程で反応させることにより製造する方法におい
    て、環化付加工程および酸化工程の両者を水性希釈剤の
    存在下で実施することを特徴とするアントラキノンの製
    造方法。
  2. 【請求項2】 環化付加工程および酸化工程を90〜1
    10℃の反応温度で実施する、請求項1記載のアントラ
    キノンの製造方法。
  3. 【請求項3】 環化付加および酸化の両者を大気圧下で
    実施する、請求項1または2記載のアントラキノンの製
    造方法。
  4. 【請求項4】 テトラヒドロアントラキノンを含有する
    形成したエマルジョン中に存在する容易に揮発する少量
    の成分を環化付加工程と酸化工程との間で除去する、請
    求項1から3までのいずれか1項記載のアントラキノン
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 酸化工程を実施した後、相分離をして置
    換アントラキノンを含有する形成したエマルジョンから
    有機相を液形で分離する、請求項1から4までのいずれ
    か1項記載のアントラキノンの製造方法。
  6. 【請求項6】 使用される塩基性化合物がアルカリ金属
    水酸化物である、請求項1から5までのいずれか1項記
    載のアントラキノンの製造方法。
  7. 【請求項7】 使用される1,3−ジエンがミルセンで
    ある、請求項1から6までのいずれか1項記載のアント
    ラキノンの製造方法。
  8. 【請求項8】 以下の工程: a)1,4−ナフトキノン、一般式IIのジエンおよび
    水性希釈剤を加熱可能な容器に導入する、 b)1,4−ナフトキノンおよび一般式IIのジエンを
    水性希釈剤中で分散させる、 c)該分散液を、保護ガス雰囲気下で1,4−ナフトキ
    ノンと一般式IIの置換ジエンとの反応のために反応温
    度に加熱する、 d)容易に揮発する少量の成分を、置換テトラヒドロア
    ントラキノンを含有する形成したエマルジョンの初期蒸
    留(部分蒸留)によって除去する、 e)反応容器にアルカリ金属水酸化物を添加する、 f)反応容器に大気酸素を導入し、かつテトラヒドロア
    ントラキノンと反応させる、 g)最終生成物を含有する形成したエマルジョンを液体
    有機相と水相とに相分離させ、かつ液体有機相を分離す
    る、 h)所望であれば、液状有機相の慣用の精製によって一
    般式Iの純粋なアントラキノンを得る、を有する請求項
    4から7までのいずれか1項記載のアントラキノンの製
    造方法。
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