JPH11245383A - 液体インクプリンタ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 記録媒体を搬送するベルトの実際の位置とエ
ンコーダの基準マークとの間に生じるタイミングエラー
を解消し、精度の高いプリントを可能にするエンコーダ
システムを提供する。 【解決手段】 エンコーダシステムの基準マーク８８
を、記録媒体を搬送する給紙ベルト２２上に直接配置
し、光学読み取り装置８０をプリントバー７１〜７６に
直接取り付ける。各プリントバー７１〜７６のプリント
ヘッドダイ８４と同一線上に存在する個々の光学読み取
り装置８０は光源８６からの光を受けて基準マーク８８
を検知し、記録媒体が各プリントバー７１〜７６を通過
する位置を正確に確認し、各プリントバー７１〜７６に
独自のエンコーダタイミング信号を発生して記録媒体上
にインクを噴射させる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は一般にページ幅イン
クジェットプリンタに関し、特にプリントバーに取り付
けられるエンコーディングシステムを有するベルトエン
コーディングシステムに関する。

【０００２】

【従来の技術】圧電方式、音響方式、相変化ワックスベ
ース方式、サーマル方式などの、連続流やドロップオン
デマンドとしてしばしばに言及されるタイプの、液体イ
ンクプリンタは、少なくとも一つのプリントヘッドを有
し、そこからインク液滴を記録媒体に向かわせる。プリ
ントヘッド内でインクは複数のチャネルに収容される。
パワーパルスによってこのチャネル端部のオリフィス又
はノズルからインク液滴が必要なときに吐出される。

【０００３】サーマルインクジェットプリンタでは、パ
ワーパルスは、通常個々のチャネルに一つずつ配置さ
れ、電流パルスで個々にアドレス可能な抵抗体によって
作り出され、チャネル内のインクを加熱して気化させ
る。通常、抵抗体又はヒータである熱エネルギー発生器
は、個々のチャネルのノズルから所定の距離に配置され
る。抵抗体は電流パルスで電気的に個々にアドレスさ
れ、瞬間的にインクを気化させ、インク液滴を追い出す
気泡を形成する。気泡が大きくなると、ノズルから膨れ
出るインクはインクの表面張力によってメニスカスの状
態で保持される。気泡がつぶれ始めると、ノズルと気泡
との間のチャネル内に残っているインクはつぶれている
気泡に向けて移動し、ノズルのインクの体積を収縮さ
せ、膨れ出ているインクを液滴として分離する。気泡が
大きくなる際にノズルから出るインクは加速され、液滴
に、記録媒体に向けて実質的に直線方向の運動量と速度
を与える。インク液滴は記録媒体に付着してインクスポ
ットを形成する。インク液滴は抵抗体が作動した時のみ
放出されるため、この型のインクジェットプリントはド
ロップオンデマンドプリントとして知られる。その後、
毛管作用によってチャネルにインクが再充填され、順次
供給容器からインクがくみ上げられる。サーマルインク
ジェットプリンタの動作は、例えば米国特許第４，８４
９，７７４号に記載されている。

【０００４】インクジェットプリンタの特定の一形態が
米国特許第４，６３８，３３７号に記載されている。記
載のプリンタはキャリッジ型で、複数のプリントヘッド
を有しており、往復動キャリッジに取り付けられた各プ
リントヘッドごとに供給カートリッジを有している。個
々のプリントヘッドのノズルはキャリッジの移動線に対
して直交して配列され、キャリッジが一方向に移動する
と、静止している記録媒体上に一幅分の情報がプリント
される。次いで記録媒体はキャリッジの移動線に対して
垂直に、プリントされた幅に等しい距離だけ送られる。
次いでキャリッジは反対方向に移動し、次の一幅分の情
報をプリントする。また、用紙の全幅に渡って延びるノ
ズルの線状アレイを用紙が通過する、全幅ないしページ
幅線状アレイも知られている。

【０００５】典型的なインクジェットプリント装置で
は、キャリッジはプリントするためにページを横切って
プリントヘッドアセンブリを移送しなければならず、ま
たキャリッジを、キャッピング、プライミング（インク
充填）及び、その他のプリントヘッド及びプリントヘッ
ドノズルの保守機能のために、所定の位置に移動させな
ければならない。これらの個々の場合において、キャリ
ッジは制御された方法で記録媒体を横切って移動し、ま
たキャリッジレールに沿った所定の位置で停止する。キ
ャリッジをそれらの位置に正確に位置決めするために、
キャリッジモータ及び電子コントローラが備えられる。
モータが典型的に用いられるため、モータの回転運動
は、とりわけ歯付きベルト／プーリ、ケーブル／キャプ
スタン、又はリードスクリューなどの手段でキャリッジ
の直線運動に変換される。キャリッジを直線状に動かす
これらの装置に加え、直線運動はエンコーダによって制
御及び／または追跡される。

【０００６】移動部材の位置決め及びタイミングのため
に、リニアエンコーダ及びロータリーエンコーダが用い
られる。リニアエンコーダにおいて、材料の直線状の帯
は基準マークと呼ばれる複数のマークを有し、それらマ
ークは典型的に光源によって照らされ、位置決め及びタ
イミングを決定するために光センサで検知される。光セ
ンサは基準マークを検知し、一連の電気的パルスを発生
し、パルスは制御システムに伝達されてプリントヘッド
キャリッジのような移動部材の動作を制御する。基準マ
ークの直線状帯は、キャリッジが記録媒体を横断する際
にキャリッジの予測される径路に平行に、プリンタ上に
取り付けられる。光源及びセンサはキャリッジに取り付
けられ、キャリッジが記録媒体を横切って往復運動をす
る際に、光源／センサの組合わせによって、プリントヘ
ッドキャリッジの動作を制御するためのエンコーダ帯上
の基準マークを照明し、検出することができる。

【０００７】ロータリーエンコーダは回転部材に連結さ
れたディスクを用い、このディスクは複数の離間された
マークを有する。このマークはディスク上に配置され、
マークが回転部材と共に回転すると、光源／センサはマ
ークを感知して、回転部材の位置、速度、及び加速を決
定する。ディスクが光を透過させる場合は、光源及びセ
ンサはマークの通過を感知するために回転ディスクの両
側に配置することができる。この方法で、ディスクの隣
接するマーク間が１つ増分するごとに一つのパルスが発
生する。

【０００８】線状帯型エンコーダ及びディスク型エンコ
ーダの両者において、基準マークは典型的に、移動部材
の動作を制御するために、プリント解像度に関係する所
定の距離だけ離間される。これらの基準マークは典型的
に写真工程またはエッチング工程を介して作られる。い
ったん帯又はディスクが作られると、このエンコーダ帯
又はディスクは、プリントヘッドキャリッジの位置を監
視する場合のように、静止プラットフォームに、又はデ
ィスクが回転部材に取り付けられる場合には移動プラッ
トフォームのような支持部材に取り付けられる。移動部
材の動作及び／または位置を正確に制御することが望ま
しいので、エンコーダ帯又はディスクの精確な配置が極
めて重要である。必然的に、エンコーダ帯又はディスク
は支持部材上または制御される部材上に精確に位置決め
されなければならない。典型的に、移動部材の正確な制
御を確保するために、帯又はディスクの位置決めは十分
狭い許容誤差にしなければならない。

【０００９】本発明のある態様に関連するかもしれない
以下の開示中に、様々なプリンタ及び方法が図示され記
載されている。

【００１０】ハートら（Hart et al.)の米国特許第５，
３９４，２２３号は、画像の見当合わせのための装置に
ついて記載している。この装置は光導電性ベルトの移動
を追跡し、電子写真プリント装置の中の画像形成装置
（イメージャ）の位置を調整して、合成画像を形成する
際の位置合わせの誤差を修正する。見当合わせエラー
は、適切な一組の目標マークを現像し、その目標マーク
を検出してイメージャの位置を制御することによって検
知される。

【００１１】

【発明が解決しようとする課題及び課題を解決するため
の手段】本発明の一つの態様に従って、記録媒体上にイ
ンクを付着させて画像を形成する液体インクプリンタが
提供され、この記録媒体は、液体インクを受けとる最大
プリント領域を定めるプリント範囲を有し、記録媒体径
路に沿って移動する。このプリンタは、記録媒体径路に
沿って記録媒体が移動する際に、記録媒体上に一幅分の
インクを付着させるために、記録媒体径路に対して実質
的に垂直に配列された複数のノズルを有するプリントバ
ーと、記録媒体を記録媒体径路に沿って移動させるため
に、前記複数のノズルに隣接して配置される、記録媒体
搬送部と、前記ノズルのアレイに関して前記記録媒体搬
送部の位置を確認するための、前記記録媒体搬送部から
離間された、エンコーダシステムと、を有する。

【００１２】

【発明の実施の形態】図１は、例えばインクジェットプ
リンタのような、液体インクプリンタ１０の模式的立面
図を示す。液体インクプリンタ１０は給紙トレー１２を
有し、給紙トレー１２はプリンタ１０によってプリント
される複数枚の記録媒体１４を収容する。ピックアップ
ローラ１６によって記録媒体１４の一枚が給紙トレー１
２から取り出され、給紙ローラ１８によって搬送機構２
０に給紙される。搬送機構２０は、ローラ２４で駆動さ
れる給紙ベルトまたはベルト２２によって、用紙を液体
インクプリントバーアセンブリ２６の下方に移動させ
る。ベルト２２は、用紙をベルトに保持するためにベル
ト上の開口を介して真空アプリケータ（図示せず）を用
い真空を付与する複数のアパーチュアを有することがで
きる。また、このベルトは用紙を静電的に保持する静電
ベルトであってもよい。プリントバーアセンブリ２６
は、プリントヘッド支持部（図示せず）によってプリン
ト位置に支持される一つ又は複数のページ幅プリントバ
ー２８を、ベルト２２と対面する関係で有する。プリン
ト中、記録媒体１４はベルト２２によって複数のプリン
トバー２８の下方を搬送される際に、ページ幅プリント
バー２８は液体インクを記録媒体１４上に付着させる。
各ページ幅プリントバー２８はプリントノズルのアレイ
を有し、このアレイは例えば千鳥状または直線状の列で
あり、記録媒体１４の幅を横断するプリントゾーンにイ
ンクを付着させるのに十分な長さを有する。そのような
アレイは、例えば米国特許第５，２２１，３９７号に記
載の技術によって形成可能であり、その内容を引用して
本明細書に含める。また、プリントバーアセンブリ２６
はインク供給部を有し、このインク供給部はプリントヘ
ッド支持部に取り付けられるか、あるいは適切な供給チ
ューブを介してページ幅プリントヘッドに連結される。

【００１３】次いで、媒体上の液体インクを乾かすため
に、記録媒体１４はベルト２２によって乾燥器３２を通
って運ばれる。乾燥器３２は、記録媒体１４上に付着さ
れた液体インクを乾かすのに十分な熱エネルギーを発生
するマイクロウェーブ乾燥器か、または他の既知の型の
乾燥器であってもよい。しかし、乾燥器３２がマイクロ
ウェーブ乾燥器である場合には、ベルト２２は実質的に
マイクロウェーブのパワーを透過させる、比較的低い誘
電率を有する材料で作られることが好ましい。用紙が実
質上乾いた後、用紙は排出トレー３３に収容される。

【００１４】乾燥器３２がマイクロウェーブ乾燥器であ
る場合は、マイクロウェーブのパワーによって加熱され
るように特別に処方されたインクが好ましく用いられ
る。そのようなインクは、マイクロ波によって伝導され
た熱量を増加させるためにマイクロウェーブのパワーと
結合するように設計された化合物を含んでいてもよい。
そのような化合物の一つは、液体ビヒクル中で少なくと
も部分的にイオン化可能なイオン化合物である。「マイ
クロウェーブ乾燥を用いたプリントプロセス」（"Print
ing Processes with Microwave Drying") という名称
の、ゼロックス・コーポレイションに譲渡された米国特
許第５，２２０，３４６号は適切なインクを開示してい
る。

【００１５】コントローラ３４は搬送機構２０の動作を
制御し、搬送機構２０はピックアップローラ１６、給紙
ローラ１８、及び駆動ローラ２４を有する。更に、当業
者によって理解されるように、コントローラ３４は、プ
リントバーアセンブリ２６の動き、プリントバー２８に
よるプリント、及び乾燥器３２の動作を制御する。ま
た、コントローラ３４は、マイクロプロセッサ又は特定
の機能を実行するのに専用の既知の他の装置のような、
複数の個別のコントローラを含んでもよい。パーソナル
コンピュータのような画像入力装置３５は、画像情報を
コントローラ３４に伝達する。

【００１６】プリント動作の終了時又は停電など別の必
要な時に、矢印３６方向に移動可能なプリントバーアセ
ンブリ２６はベルト２２から離れ、矢印４０方向に移動
可能なキャップアセンブリ３８はプリントバーアセンブ
リ２６の下方に移動し、プリントバーアセンブリ２６に
蓋をする。キャップアセンブリ３８がプリントバーアセ
ンブリ２６の直下に位置すると、プリントバーアセンブ
リ２６はベルト２２に向かって移動し、キャップアセン
ブリ３８上に配置された複数のキャップガスケット４２
に接触する。

【００１７】キャップアセンブリ３８は一つまたは複数
のキャップガスケット４２を有し、キャップガスケット
４２は、一つまたは複数のプリントバーを囲む領域上に
あるページ幅プリントバーと係合または接触し、プリン
トバーノズルを空気に晒さないように密封する。適した
キャップ要素とは、ここに後述するもの、または押しつ
けることで十分に密封するものを包含する。この実質的
に気密性のシールは、ノズルに収容されているインクの
乾燥を防ぐことで個々のプリントバーノズルの詰まりを
防ぐ。「液体インクプリンタの保守用の液体アプリケー
タ」("Fluid Applicator For Maintenance of Liquid I
nk Printers") という名称のゼロックス・コーポレイシ
ョンに譲渡されたアンダーソンら（Anderson et al.)の
米国特許出願番号第０８／５６６，４７２号は、適切な
キャップ要素並びに、湿潤装置及び真空装置を含むクリ
ーニングシステムを記載しており、その内容を引用して
本明細書に含める。キャッピング動作が終了すると、プ
リントバーアセンブリ２６は記録シート１４上にプリン
トするためにベルト２２に関して適切な位置になるよう
に、プリントバーアセンブリ２６はベルト２２から離
れ、キャップアセンブリ３８はプリントバーアセンブリ
２６から離れる。キャップアセンブリ３８に加え、イン
クジェットプリンタ１０はアンダーソンら（Anderson e
t al.)の特許出願に記載の保守アセンブリを有する。こ
の保守アセンブリは、プリントヘッドアセンブリの前面
を拭うための湿潤ワイパノズルと、湿潤ワイパノズルが
プリントヘッドの前面に沿って移動する際に、湿潤ワイ
パノズルに続いて動き、この前面から乾いたインクや紙
の繊維を含むあらゆる汚染物質を真空吸引する真空ワイ
プを有する。

【００１８】図２に示されるように、ページ幅プリンタ
の一例では、プリンタ４９は第１のページ幅プリントバ
ー５０、第２のページ幅プリントバー５２、第３のペー
ジ幅プリントバー５４、及び第４のページ幅プリントバ
ー５６を有する。各プリントバーは記録媒体５８上に液
体インクを付着させ、記録媒体５８は用紙進行方向６０
に対して直交する方向に測定したときに記録媒体幅Ａを
有する。各ページ幅プリントバーは幅Ａを横断する１ラ
インの情報を付着させるのに十分な長さを有する。加え
て、各ページ幅プリントバーはシアン、マゼンタ、イエ
ロー、ブラックを含む複数のインクのうちの１色を付着
させる。各プリントバー５０、５２、５４、５６はそれ
ぞれ互いに関して既知の位置に固定されるため、ロータ
リーエンコーダ６２は記録媒体５８上の選択された位置
へのプリントを可能にし、コントローラ３４を介してプ
リントヘッドに伝達された画素情報に応答する画像を形
成する。ロータリーエンコーダ６２はコントローラ３４
に連結されるエンコーダ読み取り器６４を有し、ベルト
位置情報をケーブル６６を介してコントローラに伝達す
る。モータ６８はベルト２２を方向６０に駆動するため
に用いられる。

【００１９】図２に示されるように、エンコーダ６２
は、インクを記録媒体５８上の正確な位置に付着させる
ための適切な情報をコントローラに供給できるが、この
システムはエンコーダディスクの軸取付け公差に起因す
る偏心誤差を含むある短所を有する。また駆動ローラ２
４には、ローラのふれ誤差による問題もある。これらの
短所は両方とも、プリントバーの下の実際のベルト位置
とエンコーダの基準マークとの間に生じるタイミング誤
差を生ずる結果となる。サーマルインクジェットプリン
タのようなプリントオンデマンドシステムでは、そのよ
うな誤差は縞、或いはカラーシステムにおける色相のず
れとなって現れる。プリントバー間の距離はバー間のエ
ンコーダのクロックパルスをカウントして決定される。
従って、そのようなシステムはロータリーエンコーダの
精度の悪さだけではなく、エンコーダ読み取り器がバー
間のエンコーダのクロックパルスをカウントすることに
起因する、ある種の精度の悪さによる問題も有すること
がある。

【００２０】図３は本発明によるプリンタ１０を示し、
プリンタ１０は光学読み取り装置を有する第１の直線状
の（コリニア collinear) プリントバー７１、第２のコ
リニアプリントバー７２、第３のコリニアプリントバー
７４、及び第４のコリニアプリントバー７６を有する。
各プリントバーは各プリントバー支持基体８２の一端に
取り付けられた一つの光学読み取り装置８０を有する。
各プリントバー上には複数のサーマルインクジェットプ
リントヘッドダイ８４が光学読み取り装置８０に隣接し
て存在し、各プリントヘッドダイはパーソナルコンピュ
ータ３５又は他の既知の画像入力装置から受信した画素
画像情報に応答してコントローラ３４の制御によってイ
ンクを付着させる。

【００２１】プリント中に、各光学読み取り装置８０は
それぞれ複数の光源８６の一つからの光を受け、その光
は一つの実施の形態では少なくとも一部に複数の基準マ
ーク８８を有する半透明のベルト２２を介して伝達され
る。基準マーク８８は、記録用紙５８の位置が各プリン
トバーを通過する際に正確に決められるように、所定の
間隔でベルト２２上に直接配置される。光源は光学読み
取り装置とはベルトを挟んで反対側に配置されてもよ
く、或いは光学読み取り装置と同じ側に配置されてもよ
い。

【００２２】本発明は、基準マークをベルト上に直接配
置し、光学読み取り装置８０をプリントバーに直接取り
付けることにより、精度の高い記録システムを提供す
る。より低コストの精度が劣るプリントシステムでは、
プリントバーのどれか一つに光学読み取り装置を一つだ
け取り付ける場合もあるが、好ましくは各プリントバー
が１つずつ光学読み取り装置を有する。プリントバー上
に個別の光学読み取り装置を取り付けて、プリントバー
を読み取り装置／ダイ一体型プリントバーとすることに
よって、個々のバーごとに独自のエンコーダタイミング
信号を発生させることが可能なため、そのようなシステ
ムではプリントバーを取り付ける際に必要な見当合わせ
に対する必要事項が緩和される。

【００２３】図４は基体８２を有するプリントバー７１
を示し、基体８２はヒートシンクとして、またサーマル
インクジェットプリントヘッドダイ８４及び光学読み取
り装置８０を取り付けるための実質的に平坦な取付け面
として機能する。プリントヘッドダイ８４の位置決めに
対する必要性のため、基体８２は、取り付け面が約±１
０〜１５ミクロン以内で変化するように、プリントヘッ
ドダイ読み取り装置の取り付け範囲で、実質的に平坦な
表面を有する。従って、基体８２の表面９０上に取り付
けられる光学読み取り装置８０は、その表面に取り付け
られるインクジェットノズルのアレイと適切に一直線に
揃えられる。光学読み取り装置８０をプリントヘッドダ
イと同じ支持媒体に取り付けることにより、光学読み取
り装置とシステム内で光学読み取り装置から離間して配
置されるプリントバーとの間隔を決定するための計算は
不要になる。更に、各基体８２はその基体専用の光学読
み取り装置を有するため、各プリントバーは高精度の専
用の位置信号を発生する。

【００２４】光学読み取り装置８０は、単純なフォトダ
イオード、フォトトランジスタ、光検知光学読み取り装
置のアレイを含むアモルファスシリコンアレイ、または
電荷結合素子(CCD) アレイからなることができる。光学
読み取り装置は光源８６からの光を受け、各光源８６は
読み取り装置８０が感知するのに十分な光量を発生させ
るのに専用に用いられるため、使用可能な光源の型の選
択には広い自由度が許される。例えばマイクロウェーブ
乾燥器３２のマイクロウェーブ乾燥に対する耐性を含む
システム上の制約に従って選択されるベルト材料の組成
が制限される場合、光学読み取り装置８０が読み取るの
に十分な光を発生する光源８６を適切に選択できる。そ
のようなわけで、光学読み取り装置／光源の組み合わせ
の設計は限定的なものではない。例えば各光源８６はハ
ロゲンランプを有してもよい。更に、一つの光源が全て
の光学読み取り装置用の光を発生させるのに用いられて
もよい。

【００２５】各プリントバーは、部分的に図示されるプ
リントバー７１用のインクマニホールド９２のようなイ
ンクマニホールドを有し、各インクマニホールドはそれ
ぞれ結合したプリントヘッドダイにインクを供給する。
インクマニホールド９２は、典型的にはプリントバーか
ら離れて配置されるインク容器に柔軟なチューブで接続
される。

【００２６】ベルト２２が読み取り装置とはベルトを挟
んで反対側に配置された光源について十分な光を透過し
ない場合は、図５及び図６に示すように反射式光学読み
取りシステムを用いることができる。例えば図５では、
読み取りシステムは光学読み取り装置８０と結合された
光源８９を有する。光源８９は光をベルト２２及びマー
ク８８に向け、マークで光が反射されて読み取り装置８
０に戻り、ベルト位置信号を発生させる。図示するよう
に、読み取り装置８０は基体に最も近接して配置される
ことが好ましい。図６に示す第２の実施の形態では、反
射式光学読み取りシステム９１が示されており、読み取
りシステム９１は基体８２に取り付けられたパッケージ
中に光源９３と光学読み取り装置９５とを有する。光源
及び光学読み取り装置はそれぞれ各基体８２に取り付け
られる単一の装置でもよい。光源はダイオードアレイ又
は白熱灯光源を包含する。発光器／受光器のユニットも
可能である。

【００２７】図３及び図４の基準マーク８８はプロセス
の方向６０に対して垂直に配列されているが、図７に示
すように、もう一つの基準マーク９４をプロセスの方向
６０に平行に配置し、プロセスの方向６０に対して直交
して配置された個々の基準マーク８８と交差させること
ができる。基準マーク９４はベルト２２全面に渡って配
置されるので、１本の外囲線とも考えることができる。
基準マーク８８と組み合わせて基準線９４を追加して、
横方向の蛇行のようなベルトの軌跡の問題に由来する補
正を可能とすることにより、画像のエッジの正確な見当
合わせが可能となる。この場合、光学読み取り装置８０
は、アモルファスシリコンアレイに好ましく実現される
受光器の線状アレイを包含するであろう。結局、基準線
９４が所定の公称位置の外に移動すると、光学読み取り
装置は信号をコントローラ３４に伝達し、画像のプリン
トを補正することができる。例えば、光学読み取り装置
が、ベルトがプロセスの方向６０に対して直交する方向
に３画素分移動したことを確認した場合、コントローラ
は、補正のために画像情報を、例えば、ノズル３本分の
距離だけ平行移動させる。

【００２８】また、本発明は、追加のノズル又はプリン
トヘッドダイを有するプリントバーを備えることによ
り、記録媒体上の画像が完全になるようにベルトの蛇行
を補正する。例えば典型的な記録媒体５８において、画
像を完成するために、プリントバーが記録媒体Ｂの一部
分を覆う必要があることが決定された場合、及びベルト
蛇行の公称量がベルト組成などの様々な既知のパラメー
タに従ってあらかじめ決められている場合、プリントバ
ー７１、７２、７４、及び７６は、ベルトの蛇行の量を
補償するために、この所定のベルト蛇行の関数として決
定された追加的なノズルを有する。このようにして、画
像は正しく再現される。例えば、図３に示すように、プ
リントヘッドダイ９６又はその一部分、及びプリントヘ
ッドダイ９８又はその一部分は、これほど精巧でないプ
リンタには必要ではないと思われるノズルを有する。

【００２９】インクジェットプリントバーは、望ましく
ないインクの付随液滴を吐出することが知られ、この付
随液滴はプリントバーの様々な部分に付着しうる。その
結果、例えば、散ったインク液滴又は紙の繊維といった
汚染物質で汚染されている光学読み取り装置８０を用い
ると、問題を生じることがある。従って、本発明は、湿
潤ノズルを用いてプリントヘッドノズル前面並びに光学
読み取り装置に湿潤剤を塗布するために用いられる保守
装置４２を有する。加えて本発明のシステムは、プリン
トバー前面及び光学読み取り装置を清掃するための真空
ノズルを有する真空システムを包含する。そのようなシ
ステムは、「液体インクプリンタの保守用の液体アプリ
ケータ」("Fluid Applicator For Maintenance of Liqu
id Ink Printers") という名称のゼロックス・コーポレ
イションに譲渡されたアンダーソンら（Anderson et a
l.)の米国特許出願番号第０８／５６６，４７２号に記
載されており、その内容を引用して本明細書の一部とす
る。さらに、光学読み取り装置は、光の伝達に応答して
信号を伝達するため、読み取り装置８０の光感度の不足
が、プリントバーが清掃を必要としていることも同時に
示すように用いてもよい。本発明では、光学読み取り装
置とプリントヘッドダイとを一直線に配置することを求
めているため、プリントヘッドダイの清掃に使用される
同じ保守装置が、読み取り装置８０の保守にも使用する
ことができる。

【００３０】本発明は、製造工程中にプリントヘッドバ
ーを配列する際の自動整列システムとしても有用であ
る。ベルト２２が新品で繰り返し使用による歪みを全く
生じていないため、基準マーク８８及び基準線９４は、
バーを配列するための精度の高い位置決めマーカとして
作用することができる。このようにして、プリントバー
／ベルト／整列システムは互いに関して精確に整列さ
れ、プリントバーがプリントヘッドダイと一体的に一直
線に整列された光学読み取り装置を持たない他のシステ
ムに必要な、製造の際の追加の配列は必要としない。

【００３１】さて、本発明を特定の実施の形態に関して
述べてきたが、当業者にとって多くの代替、修正、及び
変更が可能であることは明らかである。例えば、本発明
はここに示した実施の形態のみに限定されるものではな
く、複写機を含む、記録媒体上に画像をプリントするた
めに使用されるあらゆる液体インクプリントエンジンに
応用可能である。本発明の一つの実用的な実施の形態に
おいて、プリントヘッドは、記載のサイドシューター型
のプリントバーを有することができるだけでなく、ルー
フシューター型のプリントバーも同様に有することがで
きる。従って、本出願に添付の特許請求の範囲の精神及
び広い範囲に含まれるそのようなすべての代替、修正、
及び変更を包含することを意図するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】インクジェットプリンタの模式的な立面図であ
る。

【図２】ロータリーエンコーダを有するインクジェット
プリンタを示す斜視図である。

【図３】本発明のベルトエンコーディングシステム及び
一体化された読み取り装置を有するインクジェットプリ
ンタを示す斜視図である。

【図４】光学読み取り装置を有する本発明の単一のペー
ジ幅プリントバーを示す図である。

【図５】本発明の読み取り装置／光源の一例を示す図で
ある。

【図６】本発明の読み取り装置／光源のもう一つの例を
示す図である。

【図７】ベルトトラッキング基準マークシステムの一例
を示す平面図である。

【符号の説明】

１０ 液体インクプリンタ ２２ 給紙ベルト ７１〜７６ プリントバー ８０ 光学読み取り装置 ８４ プリントヘッドダイ ８６ 光源 ８８ 基準マーク

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 液体インクを受ける最大プリント領域を
   定めるプリント範囲を有し、記録媒体径路に沿って移動
   する記録媒体上に、画像を形成するために液体インクを
   付着させる、液体インクプリンタであって、 記録媒体径路に沿って記録媒体が移動する際に、記録媒
   体上に一幅分のインクを付着させるために、記録媒体径
   路に対して実質的に垂直に配列された複数のノズルを有
   するプリントバーと、 記録媒体を記録媒体径路に沿って移動させるために、前
   記複数のノズルに隣接して配置される、記録媒体搬送部
   と、 前記ノズルのアレイに関して前記記録媒体搬送部の位置
   を確認するための、前記記録媒体搬送部から離間され
   た、エンコーダシステムと、 を有する、液体インクプリンタ。