JPH11244651A - 排ガス処理剤の製造方法 - Google Patents

排ガス処理剤の製造方法

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JPH11244651A
JPH11244651A JP10045497A JP4549798A JPH11244651A JP H11244651 A JPH11244651 A JP H11244651A JP 10045497 A JP10045497 A JP 10045497A JP 4549798 A JP4549798 A JP 4549798A JP H11244651 A JPH11244651 A JP H11244651A
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Hiroaki Doai
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岳史 村山
Hideki Nakamura
秀樹 中村
Tomohiro Ishizuka
朋弘 石塚
Shinichiro Nakamura
真一郎 中村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 石灰、石炭灰および石灰系乾式排ガス処理剤
の使用済剤を主原料とし、これら原料に水を加えて混練
・成型した後水和養生する工程を含む乾式排ガス処理剤
の製造方法において、強度および活性にすぐれた処理剤
が得られる水和養生法を提供する。 【解決手段】 水和養生前の被水和養生物の下記式
(1) A(%)=[(C−B)/X]×100 (1) A:蒸散率 C:水和養生前の被水和養生物の一定重量のサンプルの
室温下3時間放置後の重量減 B:Cのサンプルにおいて、サンプル調製に使用した排
ガス処理剤の使用済剤の残存活性が無視できるものの、
上記重量減 X:Cのサンプルを調製するために使用した水の重量 で定義される水の蒸散率Aが少なくとも8%になるよう
に前記原料に加える水の量を調整する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、石灰、石炭灰およ
び排ガス処理剤の使用済の剤を主原料とする排ガス処理
剤の製造方法、さらに詳しくは石炭、重油などの燃料お
よび各種廃棄物の燃焼、焙焼、乾燥等によって発生する
ガスを浄化処理するために使用する排ガス処理剤を製造
する際の水和養生方法に関する。
【0002】
【従来の技術】石灰、重油等の燃料、産業廃棄物、都市
ゴミおよび汚泥等の燃焼に伴い発生する排ガス中に含ま
れる硫黄酸化物、窒素酸化物、ハロゲン、ハロゲン化
物、無水硫酸、硫化水素等は、建物、構築物に害を与え
るばかりでなく動植物、更には人体にも極めて大きな影
響を及ぼすことが知られており、排ガス中の上記有害物
質を除去する技術が研究され、多種多様な方法が開発さ
れている。これらの方法のうち、硫黄酸化物および窒素
酸化物を除去する脱硫、脱硝法は、乾式法および湿式法
に大別される。本発明の属する乾式法には表1に示す方
法が知られている。
【0003】
【表1】 表1に示す吸収法においては、(1)反応物質の再生
(硫黄又は硫黄化合物の回収)のために高価なNH3
必要(活性酸化マンガン法)としたり貴重な還元性ガス
を要し(アルカライズドアルミナ法)、または反応温度
を高くするなど(アルカライズドアルミナ法、石灰吹き
込み法)の必要があり吸着法においては、使用するバナ
ジュウム系触媒が高価な上、劣化が起り易く反応温度も
比較的高いことを要するなど従来の乾式脱硫法には種々
の問題があった。
【0004】乾式法は、水酸化カルシュウム、炭酸カル
シュウムなどのアルカリ性粉末もしくは、これらの粒子
を吸収剤とし、排ガスを通して有害ガスを反応吸収さ
せ、反応生成物を回収するか又は排ガス流路に吸収剤粉
末を噴霧して有害ガスと接触反応させ、集塵機で補集す
るのが一般的である。
【0005】乾式法は、ガスと固体吸収剤との接触反応
によるため、温度の低下、排水の発生は殆どなく白煙も
発生しないので、湿式法にはない大きな利点がある。
【0006】特許番号980754号(脱硫、脱硝用吸
収剤)に代表される乾式排煙処理技術は、CaO,Si
2,Al23,CaSO4の基本物質で構成される複合
化合物が、乾式で排ガス中の酸性物質の除去に高い性能
を示すことを特徴としている(石炭灰利用乾式脱硫法と
して表1に記載)。
【0007】これまで発明された石炭灰利用乾式脱硫技
術の排ガス処理剤、例えば特公平3−59737の排ガ
ス処理を司る基本物資は、CaO,SiO2,Al
23,Ca*である。ここで、*印の物質は、排ガス処
理を行おうとする排ガス中の除去すべきガスの種類によ
って変わる。例えば、石炭の燃焼であれば、除去すべき
ガスはSOx,NOxが主体であるが都市ゴミ炉ガスの場
合は、HCIが主体である。SO2が主体であれば、C
*はCaSO4であるが、HCIが主体であればCaC
2となる。
【0008】前記排ガス処理剤の排ガス処理を司る物質
は、決して単なる各原料の混合体で構成されているもの
ではなくCa*がCaSO4の場合、未解明のxCaO・
zSiO2・Al23・ySO3・nH2Oよりなる硫酸
・アルミン酸カルシュウム複合化合物に非常に近似した
物質であろうことが示唆される。この物質の化学式は、
X=4ないし7,Y=2ないし4とされ、XはYより大
きくZ=0.1〜3好ましくは0.3〜1とされ、また
nが5ないし22とする組成物が合成顔料として報告
(英国特許1115482)されているが、排ガスの浄
化能力については、まったく記載されていない。また紙
のコーティング水性ペーストの形態で使用される代表的
なエトリンガイトはSiO2の入っていない次の式で示
される。
【0009】3CaO・Al23・3CaSO4・31
〜32H2O しかし、このエトリンガイトの排ガスを浄化する能力は
著しく低く、また合成物の強度も著しく低いことから排
ガス処理剤としての能力はない。しかし、例えば特公平
3−59737で提案されているSiO2が組み入れら
れたCaO,Al23,SiO2,Ca*系合成物は硬
く、脱硫などの性能が飛躍的に上昇する。この時点にお
ける排ガス処理剤中にはCa(OH)2の結晶はX線回
折法によっても検知することはできない。すなわちCa
(OH)2が単一結晶としての性質を示していないとこ
ろから他の物質との複合形態であることを裏付けてい
る。
【0010】SO2等の酸性物質を吸収固定するのは、
酸化物表示でCaOであるが、脱硫剤の性能に与える各
原料の効果は、SiO2は性能の持続性に寄与しA
2 3はSO2等との反応速度を上昇させるのに役立ち
SiO2,CaO,Al23,Ca*によって硬い構造
体が形成される。本発明において水和養生とは、排ガス
処理剤を構成する材料の混合物と水が反応しCaO,C
*,SiO2,Al23系結晶を成長させて材料粒子間
を結合することをいい、この反応を進行させるために必
要な処理は、例えば常圧あるいは高圧下で常温水中、熱
水中、湿空中、または水蒸気存在下の空気中で行われ
る。この時のCa*は、水和養生効果(水和合成反応)
を促進させる役目を担っていると見なされる。
【0011】従来の水和養生の技術は、水和反応を進行
させるべき物質(被養生物:原料を水と混練、成型(使
用方法に適合した形態)した後の物質で、水和養生装置
に入る直前の物質)の周囲雰囲気中に水を供給し、且つ
温度を保つ水和反応を促進させることであった。
【0012】この被養生物の周囲雰囲気中へ供給する水
の量については、これまで特に限定する必要はないと考
えられていた。すなわち十分な水分があればよいとの考
えが定着していた。また混練、成型時の水量も混練、成
型し易い水量を原料に合わせて変えているのが現状で、
その後に行われる水和養生時の水和反応に必要な水分を
考慮して決められているものではなく、混練、成型に必
要な量の水分が確保されることが重要であった。このた
め水和養生時に被養生物中には水和反応に必要な水分以
外の水分、すなわち蒸散性の水分が多量に含まれてい
た。特にカルシュウム利用率が低かった使用済み脱硫剤
を原料に使用する場合、残存する石灰は水、石炭灰など
のシリカ源とは反応しないため、混練から水和養生装置
に入る前に起るべき水和反応の程度が低くなり、必然的
に蒸散性水分量が多くなるとともに、成型物であれば、
その強度が低下する。
【0013】このような状態で被養生物が水和養生装置
に入った場合は亀裂発生の原因となる。従来の方式では
水和養生装置内での水、温度等による亀裂を防止する観
点から、水和養生装置に入る前にある程度被養生物の強
度をあげておかなければならなかった。換言すれば、水
和養生装置へ送入する前にある程度水和反応を進行させ
る前養生の必要があり、使用済み脱硫剤中の未反応石灰
の含有率は大変重要になってくるのである。
【0014】そして何らかの方法で被養生物の強度を上
げたとしても、その程度が大変難しく水和養生装置内に
おける亀裂の発生を完全に防止することは困難である。
これまで特に被養生物の周囲雰囲気中の水分は、たんに
十分に与えておけばよいという基本思想で設計されてい
るところから、大過剰蒸気を注入し、このため水和養生
装置内の内壁は、水で濡れ、水滴が生ずる状態となって
いた。この状態における雰囲気水は、その温度において
の完全なガス状水と微細に水滴化し浮遊している状態の
水が混在しているものと思われ、水和養生装置内の壁等
が濡れたり、水滴が生ずるのは、主に前記「浮遊微細水
滴」が付着した結果によるものと思われる。いわゆる過
剰蒸気を注入して必要以上の水分と温度を維持し、水和
養生を行っているのが、これまでの水和養生技術の基本
的な考え方であり技術であった。
【0015】温度の低い被養生物は水和養生装置内に入
ると、当然その表面が結露し被養生物中の蒸散性水分の
蒸発を阻害することになり、被養生物の内部の 蒸散性
水の膨張による物理的衝撃によって被養生物に亀裂が発
生し目的とする排ガス処理剤自体の強度は低下する。こ
のような排ガス処理剤を用いるとガス吸収塔内において
粉化がおこり、塔内ガス流れの偏りが起きて脱硫率が低
下する。
【0016】したがってCaSO4源として使用する使
用済み脱硫剤のCaSO4含有率が低下し、新しく製造
する脱硫剤製造時の水和反応の進行にも非常に大きく影
響し「脱硫剤の製造」→「排ガス処理」→「脱硫剤の製
造」のサイクルがスムーズに行われなくなる。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
課題に対してなされたもので、その目的とするところ
は、従来の、石炭の燃焼により生ずる石炭灰と、石灰
と、使用済み脱硫剤を主原料とする排ガス処理剤の製造
法において最も重要な水和養生の方法を改良し、その処
理剤の排ガス処理への利用と、使用済処理剤の排ガス処
理剤製造への利用のサイクルの円滑化を図ることにあ
る。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明は次のようである。1.石灰、石炭灰および石灰系乾
式排ガス処理剤の使用済剤を主原料とし、該原料に水を
加えて混練成型した後水和養生する工程を含む乾式排ガ
ス処理剤の製造方法において、上記水和養生前の被水和
養生物の下記式(1) A(%)=[(C−B)/X]×100 (1) A:蒸散率 C:水和養生前の被水和養生物の一定量のサンプルの室
温下3時間放置後の重量減 B:Cのサンプルにおいて、サンプル調製に使用した排
ガス処理剤の使用済剤の残存活性が無視できるものの、
上記重量減 X:Cのサンプルを調製するために使用した水の重量 で定義される水の蒸散率Aが少なくとも8%になるよう
に前記原料に加える水の量を調整することを特徴とする
製造方法。2.上記水の蒸散率Aが8%以上15%未満
のとき、水和養生の雰囲気水量を1.6kg/m3N以
上3kg/m3N以下に保持して水和養生を行うこと特
徴とする上記1に記載の製造方法。3.上記水の蒸散率
Aが15%以上のとき、水和養生の雰囲気水量を0.2
kg/m3N以上1.6kg/m3N未満に保持して水和
養生を行うことを特徴とする上記1に記載の製造方法。
【0019】
【発明の実施の形態】水和反応は、原料にCao、ある
いはCaSO4・0.5H2Oが存在する場合はCaO→
Ca(OH)2あるいはCaSO4・0.5H2O→Ca
SO4・2H2Oとなるのに必要な水分量が当然必要とな
る。この他、例えばカルシウム/シリケイト、セメント
バチルス等の反応が進行する場合にも水和物形成のため
の水が必要である。
【0020】これら水和反応に必要な水分は、水和反応
を行わせる場合に被養生物の外部から、例えば蒸気とし
て加えるものではなく、水和反応を進行させる前に被養
生物中に存在していなければならないことを見出した。
被養生物中に、水和に必要な水分が不足している場合、
そのまま水和反応(水和養生)を進行させると当然著し
く性能の低い脱硫剤ができあがる。その問題を解決する
ために外部から蒸気のような形で水分を補給しようとし
ても、被養生物の水和反応が進行し硬化強度が上昇する
に伴い水は内部へ浸透することが難しくなり、結果的に
脱硫剤の強度は上昇するが、被養生物中の細孔が発達で
きないため脱硫性能は著しく低下する。しかし混練、成
型をスムーズに進行させることを考えると水量を無闇に
多くしたり、少なくしたりすることは被養生物の成型不
良など多くの問題を生ずる。
【0021】製造工程上混練、成型に必要な水分を優先
に考えることは間違いではないが、原料粒子間のスベリ
をよくするためだけに加えるものとする考え方は、本発
明によって覆り、混練、成型時に使用する水分は、水和
反応に使用される水分とは、時系列的にみた場合別では
あるが、水和反応時に反応に寄与しない自由水である蒸
散性水分と直接水和反応に使われる水分の和でなければ
ならない。
【0022】すなわち本発明が提供する新規な水和養生
技術は、従来考えられていた混練、成型時の水分と水和
養生時の水分は別との考え方を覆し混練、成型時の水分
で水和養生を行わせようとするものである。
【0023】適正な混練、成型時の水分量が、水和反応
に必要・十分で且つ「水和反応に寄与しない自由水」が
存在しない水分量であることが最も理想的な脱硫剤を製
造することに繋がるのである。しかし実際には、使用原
料の組成、粒径、原料粒子の物理的構造等によって混
練、成型時の水分が大きく変動する。例えば使用済み脱
硫剤中のカルシュウム利用率が低く、CaSO4含有量
の少ない使用済み脱硫剤を原料として使用すれば、従来
方式では前養生の段階における水和反応の進行が遅れ、
その過程で得られるべき強度が低くなり、蒸気養生装置
内での温度、蒸散性水の膨張による物理的衝撃を押さえ
ることができないために亀裂が発生していた。
【0024】従来の技術で脱硫剤の強度低下を防止する
には、カルシュウム利用率が高かった使用済み脱硫剤を
使用することであった。しかし排ガス中のSO2の挙
動、脱硫装置の起動、停止等により使用済み脱硫剤の品
質(反応性、強度、粒度分布等)が変動する。このため
脱硫剤の原料として品質のよい使用済み脱硫剤が常に供
給されるとは限らない。このため従来の技術では、水和
養生(本養生)で過剰の蒸気を注入して約100℃の養
生温度を維持していたのである。
【0025】本発明の方法においては、混練、成型時
に、水和反応を進行させるために必要な水分を十分にし
ておけば養生時の蒸気の注入は必要ない。すなわち、そ
のためには本発明方法によって規定される前記定義によ
る被水和養生物の水の蒸散率が少なくとも8%になるよ
う調整する必要がある。このような条件が満たされてい
ることによって水和反応の進行に十分な水分がすでに確
保されていることになり、本養生装置中では外部からの
水分の補給は不要である。さらに蒸散率が15%未満と
比較的低い場合には、養生時の雰囲気水分を1.6kg
/m3N〜3kg/m3N以下に、蒸散率が15%以上と
高い場合には、雰囲気水分を0.2kg/m3以上1.
6kg/m3N未満の乾いた状態で水和養生するとよ
い。蒸散率の上限については、特に限定する必要はな
い。むしろ原料の混合、整型に使用する水の上限からき
められる。
【0026】水和養生のための温度は通常80℃〜11
0℃であり、この範囲で上記雰囲気水分がその温度で結
露しないような値を選定して水和養生を行う。実際の水
和養生装置内の雰囲気水分量は例えば本発明方法に規定
する値以下の場合は、少量の蒸気あるいは含水ホットエ
アー、規定値以上の場合はホットエアーを注入してコン
トロールすることが可能である。
【0027】本発明方法の条件下であれば、養生温度よ
りも低い温度の被養成物が養生装置内に入ってきたとし
ても、あるいは被養成物中に蒸散性水を多く含んでいる
場合であったとしても被養生物の表面に結露することは
なく、また当然亀裂も発生することはない。
【0028】以下実施例をあげて詳細に説明する。これ
ら実施例は、本発明を説明するものであって、本発明は
これらにより限定されるものではない。
【0029】
【実施例】実施例1 SiO2およびAl23を多量に含有する表2に示す細
粒石炭灰30重量%に同表の使用済み脱硫剤A35重量
%、消石灰Ca(OH)235重量%を加えて混合し、
水は固形物原料の合計重量に対して41%加えて混練し
た。
【0030】
【表2】 次に押し出し成型機で直径6mm、長さ10mmに成型
した。前記式(1)による成型物の水の蒸散性率は15
%であった。蒸散率測定の条件は、健全な形の前記成型
物22g(60個)を10cm2の平面板上に1cm間
隔に並べて、22℃の室内に3時間放置するものであ
り、Bは2.9g、X(計算値)は6.40gである。
次に常圧95℃の水和養生を11時間行った。水和養生
における雰囲気水分量は、0.2kg/m3N(実施例
1−1)、0.8kg/m3N(実施例1−2),1.
5kg/m3N(実施例1−3)になるように養生装置
内の水分を乾燥空気の注入量の増減で調整した。この
後、130℃/2時間乾燥して供試脱硫剤とし硬度およ
び活性性能を測定し表4に示した。
【0031】供試脱硫剤の硬度は、木屋式硬度計を使用
して測定した。20個の健全な形の供試脱硫剤から得ら
れたデータの平均値を測定値とした。
【0032】脱硫性能の評価は、次のようにして行っ
た。供試脱硫剤を3〜4mm径に粗砕し、流通ガス系性
能試験装置の、130℃に加熱保温したガラスリアクタ
ー内に充填し、供試脱硫剤の上部から表3の組成の模擬
排ガスを、空間速度(SV)1000h-1で通過させ、
充填されている供試脱硫剤のガス入り口および出口のS
2,NOXを測定して脱硫率、脱硝率を算出した。供試
脱硫剤の性能は、脱硫率(脱硝率)80%の維持時間
(min)を、その試験に使用した供試脱硫剤中の「C
a(OH)2量」(原料に使用したCa(OH)2からの
計算値)で除した値(min/gC a)で表示した。
【0033】
【表3】 なお上記の蒸散率、硬度、および活性試験の方法は、以
下の実施例および比較例の場合も同じである。
【0034】実施例2 使用済み脱硫剤を表2のAに換えてBを使用した以外は
実施例1と同様にして成型物を得た。この成型物の水の
蒸散率は20%であった。次に常圧95℃の水和養生を
11時間行った。水和養生における雰囲気水分量は、
0.2kg/m3N(実施例2−1)、0.8kg/m3
N(実施例2−2)、1.5kg/m3N(実施例2−
3)になるように養生装置内の水分を乾燥空気の注入量
の増減で調整した。この後、130℃/2時間乾燥して
供試脱硫剤とした。硬度および活性の試験結果は表4に
示した。
【0035】実施例3 使用済み脱硫剤を表2のAに換えてC(実施例3−
1),D(実施例3−2)を使用した以外は実施例1と
同様にして成型物を得た。これらの成型物の水の蒸散率
は実施例3−1の場合8%、実施例3−2の場合13%
であった。次に常圧95℃の水和養生を11時間行っ
た。水和養生における雰囲気水分量は、2.4kg/m
3Nになるように養生装置内の水分を乾燥空気の注入量
の増減で調整した。この後、130℃/2時間乾燥して
供試脱硫剤とした。硬度および活性の試験結果は表4に
示した。
【0036】比較例1 使用済み脱硫剤を表2のAに換えてBを使用した以外は
実施例1と同様にして成型物を得た。この成型物の水蒸
散率は20%であった。次に常圧95℃の養生を11時
間行った。水和養生における雰囲気水分量は、0.05
kg/m3N(比較例1−1)、2.0kg/m3N(比
較例1−2)、2.4kg/m3N(比較例1−3)に
なるように、養生装置内の水分を乾燥空気の注入量の増
減で調整した。この後、130℃/2時間乾燥して供試
脱硫剤とした。
【0037】硬度および活性の試験結果は表4に示し
た。
【0038】比較例2 使用済み脱硫剤を表2のAに換えてEを使用した以外は
実施例1と同様にして成型物を得た。この成型物の水の
蒸散率は5%であった。次に常圧95℃の水和養生を1
1時間行った。水和養生における雰囲気水分量は、2.
4kg/m3Nになるように養生装置内の水分を乾燥空
気の注入量の増減で調整した。この後、130℃/2時
間乾燥して供試脱硫剤とした。
【0039】硬度および活性の試験結果は表4に示し
た。
【0040】
【表4】
【0041】
【発明の効果】本発明方法によって規定される被養生物
中の蒸散性水分量および水和養生装置の雰囲気水分量
は、従来の方法とは異なり混練、成型時の水分によって
水和反応を進行させるものであるため水和養生装置内に
大量の蒸気を注入する必要はなく、更に養生装置に入る
前に蒸散性水分量を調節(前養生)する必要もない。当
然、これまで変動の大きかった「原料の反応性」による
成型脱硫剤の良否、そして硬度不足に起因するガス吸収
塔内のガスの流れの偏りによる脱硫装置の効率低下等の
大きな課題がなくなるので、原料の選択幅が大きく広が
ることになる。このように本発明技術は、石炭灰利用乾
式脱硫技術を応用した脱硫装置の簡略化、効率化そして
低コスト化が進められるところから廃棄物を利用した環
境対策技術の普及に寄与するところが極めて大である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年1月29日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正内容】
【0018】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明は次のようである。石灰、石炭灰および石灰系乾式排
ガス処理剤の使用済剤を主原料とし、該原料に水を加え
て混練成型した後水和養生する工程を含む乾式排ガス処
理剤の製造方法において、上記水和養生前の被水和養生
物の下記式(1) A(%)=[(C−B)/X]×100 (1) A:蒸散率 C:水和養生前の被水和養生物の一定量のサンプルの室
温下3時間放置後の重量減 B:Cのサンプルにおいて、サンプル調製に使用した排
ガス処理剤の使用済剤の残存活性が無視できるものの、
上記重量減 X:Cのサンプルを調製するために使用した水の重量 で定義される水の蒸散率Aが少なくとも8%になるよう
に前記原料に水を加え、上記水の蒸散率Aが8%以上1
5%未満のとき、水和養生の雰囲気水量を1.6kg/
3N以上3kg/m3N以下に保持して水和養生を行
い、上記水の蒸散率Aが15%以上のとき、水和養生の
雰囲気水量を0.2kg/m3N以上1.6kg/m3
未満に保持して水和養生を行うことを特徴とする製造方
法。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正内容】
【0029】
【実施例】本発明の排ガス処理剤の製造方法において、
同一固体原料を使用する場合は、固体原料に加える水の
量を変えることによって、水和養生前の被水和養生物の
蒸散率を変えることができる。しかし実際には、種々の
使用済脱硫剤を使用する場合が生じ、水の蒸散率は前述
のように使用済脱硫剤のカルシュウム利用率(同剤に含
まれるCaSO4として計算される値が目安となる)に
よって変わるので、以下の例では、固体原料に加える水
の量を一定にし、カルシュウム利用率の異る使用済脱硫
剤を原料として使用することにより、水の蒸散率の異る
場合を作り出し、例示した。 実施例1 SiO2およびAl23を多量に含有する表2に示す細
粒石炭灰30重量%に同表の使用済み脱硫剤A35重量
%、消石灰Ca(OH)235重量%を加えて混合し、
水は固形物原料の合計重量に対して41%加えて混練し
た。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正内容】
【0030】
【表2】 次に押し出し成型機で直径6mm、長さ10mmに成型
した。前記式(1)による成型物の水の蒸散性率は15
%であった。蒸散率測定の条件は、健全な形の前記成型
物22g(60個)を10cm2の平面板上に1cm間
隔に並べて、22℃の室内に3時間放置するものであ
り、Bは2.9g、X(計算値)は6.40gである。
次に常圧95℃の水和養生を11時間行った。水和養生
における雰囲気水分量は、0.2kg/m3N(実施例
1−1)、0.8kg/m3N(実施例1−2),1.
5kg/m3N(実施例1−3)になるように養生装置
内の水分を乾燥空気の注入量の増減で調整した。この
後、130℃/2時間乾燥して供試脱硫剤とし硬度およ
び活性性能を測定し表4に示した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 秀樹 北海道江別市対雁2−1 北海道電力株式 会社総合研究所内 (72)発明者 石塚 朋弘 北海道江別市対雁2−1 北海道電力株式 会社総合研究所内 (72)発明者 中村 真一郎 北海道江別市対雁2−1 北海道電力株式 会社総合研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 石灰、石炭灰および石灰系乾式排ガス処
    理剤の使用済剤を主原料とし、該原料に水を加えて混練
    成型した後水和養生する工程を含む乾式排ガス処理剤の
    製造方法において、上記水和養生前の被水和養生物の下
    記式(1) A(%)=[(C−B)/X]×100 (1) A:蒸散率 C:水和養生前の被水和養生物の一定重量のサンプルの
    室温下3時間放置後の重量減 B:Cのサンプルにおいて、サンプル調製に使用した排
    ガス処理剤の使用済剤の残存活性が無視できるものの、
    上記重量減 X:Cのサンプルを調製するために使用した水の重量 で定義される水の蒸散率Aが少なくとも8%になるよう
    に前記原料に加える水の量を調整することを特徴とする
    製造方法。
  2. 【請求項2】 上記水の蒸散率Aが8%以上15%未満
    のとき、水和養生の雰囲気水量を1.6kg/m3N以
    上3kg/m3N以下に保持して水和養生を行うことを
    特徴とする請求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 上記水の蒸散率Aが15%以上のとき、
    水和養生の雰囲気水量を0.2kg/m3N以上1.6
    kg/m3N未満に保持して水和養生を行うことを特徴
    とする請求項1記載の製造方法。
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