JPH11243954A - キシロースイソメラーゼ遺伝子を含む組換えdna及びその組換えdna断片を含む形質転換微生物 - Google Patents
キシロースイソメラーゼ遺伝子を含む組換えdna及びその組換えdna断片を含む形質転換微生物Info
- Publication number
- JPH11243954A JPH11243954A JP6606998A JP6606998A JPH11243954A JP H11243954 A JPH11243954 A JP H11243954A JP 6606998 A JP6606998 A JP 6606998A JP 6606998 A JP6606998 A JP 6606998A JP H11243954 A JPH11243954 A JP H11243954A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- recombinant dna
- dna
- xylose isomerase
- fragment
- donor
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Landscapes
- Enzymes And Modification Thereof (AREA)
- Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 異性化糖の効率的な製造を可能にするため、
極めて高い耐酸性を示すキシロースイソメラーゼをコー
ドする遺伝子含む組換えDNA及びその組換えDNA断
片を含む形質転換微生物を提供すること。 【解決手段】 キシロースイソメラーゼ生産菌株をDN
A供与体とし、そのDNA断片をベクターに結合させる
ことによって得られる組換えDNAであって、制限酵素
SacI,SalI及びSphIによる切断部位を有す
ることを特徴とするキシロースイソメラーゼ遺伝子を含
む組換えDNA並びに該組換えDNAを宿主微生物に導
入して得られた形質転換微生物。
極めて高い耐酸性を示すキシロースイソメラーゼをコー
ドする遺伝子含む組換えDNA及びその組換えDNA断
片を含む形質転換微生物を提供すること。 【解決手段】 キシロースイソメラーゼ生産菌株をDN
A供与体とし、そのDNA断片をベクターに結合させる
ことによって得られる組換えDNAであって、制限酵素
SacI,SalI及びSphIによる切断部位を有す
ることを特徴とするキシロースイソメラーゼ遺伝子を含
む組換えDNA並びに該組換えDNAを宿主微生物に導
入して得られた形質転換微生物。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、キシロースイソメ
ラーゼ遺伝子を含む組換えDNA及びその組換えDNA
断片を含む形質転換微生物に関し、工業的に有用なキシ
ロースイソメラーゼの効率的な製造に利用される。
ラーゼ遺伝子を含む組換えDNA及びその組換えDNA
断片を含む形質転換微生物に関し、工業的に有用なキシ
ロースイソメラーゼの効率的な製造に利用される。
【0002】
【従来の技術】キシロースイソメラーゼは、異性化糖の
製造に用いられる、工業用酵素の中でも最も重要な酵素
の一つである。異性化糖は、主にぶどう糖と果糖より構
成される澱粉糖の一種であり、砂糖の代替品としてのみ
ならず、清涼飲料、缶詰、菓子やその他多くの食品に使
用されている有用な甘味料である。
製造に用いられる、工業用酵素の中でも最も重要な酵素
の一つである。異性化糖は、主にぶどう糖と果糖より構
成される澱粉糖の一種であり、砂糖の代替品としてのみ
ならず、清涼飲料、缶詰、菓子やその他多くの食品に使
用されている有用な甘味料である。
【0003】通常、異性化糖は原料である澱粉を液化及
び糖化して得たぶどう糖を、キシロースイソメラーゼを
用いて異性化させることによって製造される。しかし、
澱粉の液化及び糖化は弱酸性側で、異性化は弱アルカリ
性側で行われるため、pHの再調整や副生する塩の除去
などの煩雑な工程が必要である。
び糖化して得たぶどう糖を、キシロースイソメラーゼを
用いて異性化させることによって製造される。しかし、
澱粉の液化及び糖化は弱酸性側で、異性化は弱アルカリ
性側で行われるため、pHの再調整や副生する塩の除去
などの煩雑な工程が必要である。
【0004】また、キシロースイソメラーゼは、通常放
線菌ストレプトマイセス属由来のものが用いられている
が、該菌より得られる粗酵素液は極めて強い異臭を持つ
ものであり、異性化糖製造において好ましからざる点の
一つである。この異臭を除去するための手段として、粗
酵素液の部分精製などを行う場合もあるが、これは結果
的に異性化糖の製造コストを上昇させる要因となってい
る。
線菌ストレプトマイセス属由来のものが用いられている
が、該菌より得られる粗酵素液は極めて強い異臭を持つ
ものであり、異性化糖製造において好ましからざる点の
一つである。この異臭を除去するための手段として、粗
酵素液の部分精製などを行う場合もあるが、これは結果
的に異性化糖の製造コストを上昇させる要因となってい
る。
【0005】さらに、放線菌のキシロースイソメラーゼ
は誘導酵素であり、該酵素を放線菌から直接、かつ多量
に生成させるためには、培養液中にマグネシウムやコバ
ルトなどの種々の金属イオンや、キシロースなどの高価
な単糖類を添加する必要がある。また、培養条件も種々
の制約を受け、培養温度や培養時間の他、培養の際の通
気量や培養液の攪拌方法等のわずかな変化によっても酵
素生成量は大きく減少する。これらの要因のため、キシ
ロースイソメラーゼは工業用酵素としては極めて高価と
なり、異性化糖製造の際の原材料費の大きな負荷となっ
ている。
は誘導酵素であり、該酵素を放線菌から直接、かつ多量
に生成させるためには、培養液中にマグネシウムやコバ
ルトなどの種々の金属イオンや、キシロースなどの高価
な単糖類を添加する必要がある。また、培養条件も種々
の制約を受け、培養温度や培養時間の他、培養の際の通
気量や培養液の攪拌方法等のわずかな変化によっても酵
素生成量は大きく減少する。これらの要因のため、キシ
ロースイソメラーゼは工業用酵素としては極めて高価と
なり、異性化糖製造の際の原材料費の大きな負荷となっ
ている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、極め
て高い耐酸性を示すキシロースイソメラーゼをコードす
る遺伝子含む組換えDNA及びその組換えDNA断片を
含む形質転換微生物を提供することである。そこで本発
明者らは、キシロースイソメラーゼのpHに対する挙動
に注目し、種々スクリーニングを行ったところ、極めて
高い耐酸性を示す酵素を見出した。また、粗酵素液の状
態でも異臭がなく、培養時間や通気方法などの培養条件
に制約を受けることがなく、しかも酵素誘導のための金
属イオンや高価な単糖類なども不要となるような、該酵
素遺伝子のクローニングに努力を重ねた結果、本発明に
到達したのである。
て高い耐酸性を示すキシロースイソメラーゼをコードす
る遺伝子含む組換えDNA及びその組換えDNA断片を
含む形質転換微生物を提供することである。そこで本発
明者らは、キシロースイソメラーゼのpHに対する挙動
に注目し、種々スクリーニングを行ったところ、極めて
高い耐酸性を示す酵素を見出した。また、粗酵素液の状
態でも異臭がなく、培養時間や通気方法などの培養条件
に制約を受けることがなく、しかも酵素誘導のための金
属イオンや高価な単糖類なども不要となるような、該酵
素遺伝子のクローニングに努力を重ねた結果、本発明に
到達したのである。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の本発明
は、キシロースイソメラーゼ生産菌株をDNA供与体と
し、そのDNA断片をベクターに結合させることによっ
て得られる組換えDNAであって、制限酵素SacI,
SalI及びSphIによる切断部位を有することを特
徴とするキシロースイソメラーゼ遺伝子を含む組換えD
NAである。請求項2記載の本発明は、DNA供与体
が、ストレプトマイセス属に属する微生物である請求項
1記載の組換えDNAである。請求項3記載の本発明
は、DNA供与体が、ストレプトマイセス オリバセオ
ビリディスである請求項1記載の組換えDNAである。
請求項4記載の本発明は、組換えDNAが、制限酵素S
acI,SalI及びSphIによる切断部位を有する
DNA断片を含む請求項1〜3のいずれかに記載の組換
えDNAである。請求項5記載の本発明は、SacI−
SalI断片が、配列表の配列番号1記載の塩基配列で
ある請求項1〜3のいずれかに記載の組換えDNAであ
る。請求項6記載の本発明は、SalI−SphI断片
が、配列表の配列番号2記載の塩基配列である請求項1
〜3のいずれかに記載の組換えDNAである。請求項7
記載の本発明は、SphI切断部位から下流234塩基
が、配列表の配列番号3記載の塩基配列である請求項1
〜3のいずれかに記載の組換えDNAである。請求項8
記載の本発明は、請求項1〜7のいずれかに記載の組換
えDNAを、宿主微生物に導入して得られた形質転換微
生物である。
は、キシロースイソメラーゼ生産菌株をDNA供与体と
し、そのDNA断片をベクターに結合させることによっ
て得られる組換えDNAであって、制限酵素SacI,
SalI及びSphIによる切断部位を有することを特
徴とするキシロースイソメラーゼ遺伝子を含む組換えD
NAである。請求項2記載の本発明は、DNA供与体
が、ストレプトマイセス属に属する微生物である請求項
1記載の組換えDNAである。請求項3記載の本発明
は、DNA供与体が、ストレプトマイセス オリバセオ
ビリディスである請求項1記載の組換えDNAである。
請求項4記載の本発明は、組換えDNAが、制限酵素S
acI,SalI及びSphIによる切断部位を有する
DNA断片を含む請求項1〜3のいずれかに記載の組換
えDNAである。請求項5記載の本発明は、SacI−
SalI断片が、配列表の配列番号1記載の塩基配列で
ある請求項1〜3のいずれかに記載の組換えDNAであ
る。請求項6記載の本発明は、SalI−SphI断片
が、配列表の配列番号2記載の塩基配列である請求項1
〜3のいずれかに記載の組換えDNAである。請求項7
記載の本発明は、SphI切断部位から下流234塩基
が、配列表の配列番号3記載の塩基配列である請求項1
〜3のいずれかに記載の組換えDNAである。請求項8
記載の本発明は、請求項1〜7のいずれかに記載の組換
えDNAを、宿主微生物に導入して得られた形質転換微
生物である。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を詳細に説明す
る。本発明においては、キシロースイソメラーゼ産生能
を有する供与体微生物からキシロースイソメラーゼをコ
ードするDNAを分離、精製した後、種々の方法で切断
して得られるDNA断片と、同様にして得られるベクタ
ーDNA断片とを、例えばDNAリガーゼなどにより結
合させ、キシロースイソメラーゼ遺伝子を含む組換えD
NAを形成する。
る。本発明においては、キシロースイソメラーゼ産生能
を有する供与体微生物からキシロースイソメラーゼをコ
ードするDNAを分離、精製した後、種々の方法で切断
して得られるDNA断片と、同様にして得られるベクタ
ーDNA断片とを、例えばDNAリガーゼなどにより結
合させ、キシロースイソメラーゼ遺伝子を含む組換えD
NAを形成する。
【0009】本発明において用いる遺伝子供与体微生物
としては、特に制限はなく、キシロースイソメラーゼ産
生能を有するものであればよい。特に、ストレプトマイ
セス属に属する微生物が好適に用いられ、その中でもス
トレプトマイセス オリバセオビリディスが好ましい。
しかし、その他のストレプトマイセス属微生物、あるい
はストレプトマイセス属以外の微生物であって、キシロ
ースイソメラーゼ産生能を有するもの、さらにはプロモ
ーター部位やリボソーム結合部位の異常などにより、キ
シロースイソメラーゼ産生能は有しないが、そのDNA
上にキシロースイソメラーゼの構造遺伝子をコードする
微生物であれば遺伝子供与体として使用可能である。ま
た、遺伝子組換えなどにより、キシロースイソメラーゼ
の構造遺伝子を導入された形質転換微生物なども遺伝子
供与体微生物として使用することができる。
としては、特に制限はなく、キシロースイソメラーゼ産
生能を有するものであればよい。特に、ストレプトマイ
セス属に属する微生物が好適に用いられ、その中でもス
トレプトマイセス オリバセオビリディスが好ましい。
しかし、その他のストレプトマイセス属微生物、あるい
はストレプトマイセス属以外の微生物であって、キシロ
ースイソメラーゼ産生能を有するもの、さらにはプロモ
ーター部位やリボソーム結合部位の異常などにより、キ
シロースイソメラーゼ産生能は有しないが、そのDNA
上にキシロースイソメラーゼの構造遺伝子をコードする
微生物であれば遺伝子供与体として使用可能である。ま
た、遺伝子組換えなどにより、キシロースイソメラーゼ
の構造遺伝子を導入された形質転換微生物なども遺伝子
供与体微生物として使用することができる。
【0010】上記の供与体微生物からのDNAの分離、
精製には、斉藤・三浦らの方法(Biochem. Biophys. Act
a, Vol.72, 619〜629, 1963)やその変法、さらには市販
のDNA抽出キットなどを用いることができる。以下
は、斉藤・三浦らの方法に準じた方法である。まず、供
与体微生物をグリシン0.5%を含むイースト−スター
チ培地(組成:イーストエキス0.2%,可溶性澱粉
1.0%,pH7.3)などの適当な液体培地に接種
し、4〜60℃、好ましくは30℃で8〜48時間、好
ましくは一夜攪拌培養する。培養終了後、固−液分離操
作、例えば0〜50℃、好ましくは4℃で回転数300
0〜15000rpm、好ましくは10000rpmの
条件で遠心分離を行うことにより集菌する。
精製には、斉藤・三浦らの方法(Biochem. Biophys. Act
a, Vol.72, 619〜629, 1963)やその変法、さらには市販
のDNA抽出キットなどを用いることができる。以下
は、斉藤・三浦らの方法に準じた方法である。まず、供
与体微生物をグリシン0.5%を含むイースト−スター
チ培地(組成:イーストエキス0.2%,可溶性澱粉
1.0%,pH7.3)などの適当な液体培地に接種
し、4〜60℃、好ましくは30℃で8〜48時間、好
ましくは一夜攪拌培養する。培養終了後、固−液分離操
作、例えば0〜50℃、好ましくは4℃で回転数300
0〜15000rpm、好ましくは10000rpmの
条件で遠心分離を行うことにより集菌する。
【0011】これをVS緩衝液(0.15M NaC
l,0.1M EDTA,pH8.0)に懸濁し、リゾ
チームを加えた後、4〜45℃、好ましくは37℃で
0.5〜4時間、好ましくは1時間放置してプロトプラ
スト液を得る。該液に、TSS緩衝液(0.1M トリ
ス, 0.1M NaCl,1%SDS,pH9.0)及
び5M NaClを加えてプロトプラストを溶解させ
る。続いて、TE溶液(10mMトリス,1mM ED
TA,pH8.0)−飽和フェノールを加え、穏やか
に、かつ十分に懸濁する。これを0〜50℃、好ましく
は4℃で回転数3000〜15000rpm、好ましく
は12000rpmで遠心分離し、得られた上層(水
相) をクロロホルム液で懸濁する。さらに、これを0〜
50℃、好ましくは4℃で回転数3000〜15000
rpm、好ましくは12000rpmで遠心分離し、得
られた上層(水相) を再度フェノール及びクロロホルム
を用いて懸濁処理する。
l,0.1M EDTA,pH8.0)に懸濁し、リゾ
チームを加えた後、4〜45℃、好ましくは37℃で
0.5〜4時間、好ましくは1時間放置してプロトプラ
スト液を得る。該液に、TSS緩衝液(0.1M トリ
ス, 0.1M NaCl,1%SDS,pH9.0)及
び5M NaClを加えてプロトプラストを溶解させ
る。続いて、TE溶液(10mMトリス,1mM ED
TA,pH8.0)−飽和フェノールを加え、穏やか
に、かつ十分に懸濁する。これを0〜50℃、好ましく
は4℃で回転数3000〜15000rpm、好ましく
は12000rpmで遠心分離し、得られた上層(水
相) をクロロホルム液で懸濁する。さらに、これを0〜
50℃、好ましくは4℃で回転数3000〜15000
rpm、好ましくは12000rpmで遠心分離し、得
られた上層(水相) を再度フェノール及びクロロホルム
を用いて懸濁処理する。
【0012】続いて、冷エタノールを加え、生じた白濁
の粗染色体DNAを回収し、該DNAをSSC緩衝液
(0.15M NaCl,0.015M クエン酸ナト
リウム)に溶解し、SSC緩衝液に対して一晩透析す
る。この透析内液に、リボヌクレアーゼを終濃度1〜5
0μg/ml、好ましくは10μg/ml加え、4〜4
5℃、好ましくは37℃で0.5〜16時間、好ましく
は2時間放置する。さらに、プロテアーゼを終濃度0.
1〜10μg/ml、好ましくは1μg/ml加え、4
〜45℃、好ましくは37℃で15分間〜8時間、好ま
しくは30分間放置する。これを、上記と同様にフェノ
ール及びクロロホルムを用いて処理し、SSC緩衝液に
対して透析し、精製した供与体微生物の染色体DNA液
とする。
の粗染色体DNAを回収し、該DNAをSSC緩衝液
(0.15M NaCl,0.015M クエン酸ナト
リウム)に溶解し、SSC緩衝液に対して一晩透析す
る。この透析内液に、リボヌクレアーゼを終濃度1〜5
0μg/ml、好ましくは10μg/ml加え、4〜4
5℃、好ましくは37℃で0.5〜16時間、好ましく
は2時間放置する。さらに、プロテアーゼを終濃度0.
1〜10μg/ml、好ましくは1μg/ml加え、4
〜45℃、好ましくは37℃で15分間〜8時間、好ま
しくは30分間放置する。これを、上記と同様にフェノ
ール及びクロロホルムを用いて処理し、SSC緩衝液に
対して透析し、精製した供与体微生物の染色体DNA液
とする。
【0013】こうして得られた供与体微生物のDNAを
制限酵素などにより分解し、蔗糖密度勾配法により1k
bp未満のDNA断片を除いたものを、供与体DNA断
片として用いることが可能である。このとき用いる制限
酵素は特に限定はなく、DNAを切断するAccII (別名
FnuDII) などの各種酵素類を使用することができる。ま
た、上記した酵素法以外にも超音波処理や物理的剪断力
などを用いてDNAを切断することも可能である。この
際、例えばクレノーフラグメントやDNAポリメラー
ゼ、マングビーンのヌクレアーゼなどの酵素で供与体D
NA断片の末端を処理しておくと、後のベクターDNA
との結合効率が上がり好ましい。さらに、供与体微生物
のDNAやその断片をテンプレートとしてPCR増幅し
たものについても、そのままあるいは上記の処理を行う
ことにより供与体DNA断片として使用することができ
る。
制限酵素などにより分解し、蔗糖密度勾配法により1k
bp未満のDNA断片を除いたものを、供与体DNA断
片として用いることが可能である。このとき用いる制限
酵素は特に限定はなく、DNAを切断するAccII (別名
FnuDII) などの各種酵素類を使用することができる。ま
た、上記した酵素法以外にも超音波処理や物理的剪断力
などを用いてDNAを切断することも可能である。この
際、例えばクレノーフラグメントやDNAポリメラー
ゼ、マングビーンのヌクレアーゼなどの酵素で供与体D
NA断片の末端を処理しておくと、後のベクターDNA
との結合効率が上がり好ましい。さらに、供与体微生物
のDNAやその断片をテンプレートとしてPCR増幅し
たものについても、そのままあるいは上記の処理を行う
ことにより供与体DNA断片として使用することができ
る。
【0014】また、ベクターDNA断片としては、プラ
スミドpGEM-5Zf(+) を制限酵素EcoRV で切断処理したも
のなどを用いることができる。pGEM-5Zf(+) 以外のベク
ターについても、用いる宿主菌に応じて適宜選択し使用
することが可能である。用いる制限酵素についても、Ec
oRV に限らず平滑末端を生じるものであれば、いずれの
ものもほぼ同様に用いることができる。加えて、該酵素
としては平滑末端を生じるものに限らず、DNAを切断
する各種の酵素類も使用できる上、上記の供与体微生物
のDNAの切断と同様な方法によるベクターDNAの切
断が可能である。
スミドpGEM-5Zf(+) を制限酵素EcoRV で切断処理したも
のなどを用いることができる。pGEM-5Zf(+) 以外のベク
ターについても、用いる宿主菌に応じて適宜選択し使用
することが可能である。用いる制限酵素についても、Ec
oRV に限らず平滑末端を生じるものであれば、いずれの
ものもほぼ同様に用いることができる。加えて、該酵素
としては平滑末端を生じるものに限らず、DNAを切断
する各種の酵素類も使用できる上、上記の供与体微生物
のDNAの切断と同様な方法によるベクターDNAの切
断が可能である。
【0015】得られたベクターDNA断片は、上記の供
与体DNA断片との結合反応に先立ち、アルカリ性フォ
スファターゼ処理する。これにより、該断片と供与体D
NA断片との結合効率が上昇する。さらに、PCR増幅
により供与体DNA断片を調整した場合は、ベクターD
NA断片としてpGEM-TなどのいわいるAT- ベクターを用
いると、結合効率を上げることができる。供与体DNA
断片とベクターDNA断片との結合反応は、公知のDN
Aリガーゼを使用する方法等の常法であればよく、例え
ば供与体DNA断片とベクターDNA断片とをアニーリ
ングした後、生体外で適当なDNAリガーゼの作用によ
り組換えDNAを作成する。また、必要であれば、アニ
ーリングした後、宿主微生物に導入して、生体内のDN
A修復能を利用して組換えDNAにすることもできる。
与体DNA断片との結合反応に先立ち、アルカリ性フォ
スファターゼ処理する。これにより、該断片と供与体D
NA断片との結合効率が上昇する。さらに、PCR増幅
により供与体DNA断片を調整した場合は、ベクターD
NA断片としてpGEM-TなどのいわいるAT- ベクターを用
いると、結合効率を上げることができる。供与体DNA
断片とベクターDNA断片との結合反応は、公知のDN
Aリガーゼを使用する方法等の常法であればよく、例え
ば供与体DNA断片とベクターDNA断片とをアニーリ
ングした後、生体外で適当なDNAリガーゼの作用によ
り組換えDNAを作成する。また、必要であれば、アニ
ーリングした後、宿主微生物に導入して、生体内のDN
A修復能を利用して組換えDNAにすることもできる。
【0016】次に、結合した供与体DNA断片とベクタ
ーDNA断片とを挿入する宿主微生物としては、組換え
DNAが安定に保持されるものであればよく、一般的に
は大腸菌K−12株のうちHB101 やJM109 などが用いら
れる。また、使用したベクターDNA断片に応じて、枯
草菌や酵母などの宿主微生物を適宜使用することも可能
である。特に、上記のようにpGEM-5Zf(+) やpGEM-Tなど
をベクターDNAとして使用した場合は、宿主微生物と
してJM109 株などを用いると、β- ガラクトシダーゼ活
性の有無により、供与体DNAとの結合の成否が容易に
確認できるので好都合である。
ーDNA断片とを挿入する宿主微生物としては、組換え
DNAが安定に保持されるものであればよく、一般的に
は大腸菌K−12株のうちHB101 やJM109 などが用いら
れる。また、使用したベクターDNA断片に応じて、枯
草菌や酵母などの宿主微生物を適宜使用することも可能
である。特に、上記のようにpGEM-5Zf(+) やpGEM-Tなど
をベクターDNAとして使用した場合は、宿主微生物と
してJM109 株などを用いると、β- ガラクトシダーゼ活
性の有無により、供与体DNAとの結合の成否が容易に
確認できるので好都合である。
【0017】宿主微生物に組換えDNAを導入する方法
については、主に大腸菌などの場合には、カルシウムな
どの金属イオン存在下で行われるが、プロトプラスト
法,いわいるエレクトロポレーションなどの電気的刺激
を利用する方法やマイクロインジェクションなどによる
方法によっても組換えDNAの導入が可能である。ま
た、同様の方法によって、大腸菌以外の枯草菌、酵母や
その他の宿主についても、組換えDNAの導入が可能で
ある。また、ベクターDNA断片としてM13 ファージベ
クターなどの、宿主微生物に寄生能をもつウイルス由来
のベクターを用いた場合は、トランスフェクション法に
より組換えDNAを導入することができる。
については、主に大腸菌などの場合には、カルシウムな
どの金属イオン存在下で行われるが、プロトプラスト
法,いわいるエレクトロポレーションなどの電気的刺激
を利用する方法やマイクロインジェクションなどによる
方法によっても組換えDNAの導入が可能である。ま
た、同様の方法によって、大腸菌以外の枯草菌、酵母や
その他の宿主についても、組換えDNAの導入が可能で
ある。また、ベクターDNA断片としてM13 ファージベ
クターなどの、宿主微生物に寄生能をもつウイルス由来
のベクターを用いた場合は、トランスフェクション法に
より組換えDNAを導入することができる。
【0018】こうして得られた形質転換微生物の増殖培
地としては、例えば宿主微生物が大腸菌の場合は、LB
培地、M9培地やSOB培地などがよく用いられる。宿
主微生物として大腸菌以外の枯草菌や酵母など用いた場
合は、用いた宿主微生物に応じた各種の培地での培養が
可能であり、培養温度等の培養条件も宿主微生物の性質
に応じて適宜設定すればよい。また、用いたベクターD
NA断片が、各種の抗生物質耐性遺伝子をコードしてい
るものであれば、培地中に、相当する抗生物質を適量加
えることで、組換えDNAをより安定的に保持すること
ができる。さらに、用いたベクターDNAが、宿主微生
物の栄養要求性を補う遺伝子をコードしているものであ
れば、その要求される栄養素を含まない培地を用いるこ
とにより、同様に組換えDNAの安定性が向上する。
地としては、例えば宿主微生物が大腸菌の場合は、LB
培地、M9培地やSOB培地などがよく用いられる。宿
主微生物として大腸菌以外の枯草菌や酵母など用いた場
合は、用いた宿主微生物に応じた各種の培地での培養が
可能であり、培養温度等の培養条件も宿主微生物の性質
に応じて適宜設定すればよい。また、用いたベクターD
NA断片が、各種の抗生物質耐性遺伝子をコードしてい
るものであれば、培地中に、相当する抗生物質を適量加
えることで、組換えDNAをより安定的に保持すること
ができる。さらに、用いたベクターDNAが、宿主微生
物の栄養要求性を補う遺伝子をコードしているものであ
れば、その要求される栄養素を含まない培地を用いるこ
とにより、同様に組換えDNAの安定性が向上する。
【0019】以下に、実施例を用いて本発明を詳しく説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。 実施例1 (1)ストレプトマイセス オリバセオビリデイ スの耐
酸性キシロースイソメラーゼ遺伝子を含む染色体DNA
の調製 ストレプトマイセス オリバセオビリデイ スの耐酸性キ
シロースイソメラーゼ遺伝子を含む染色体DNAの調製
は、斉藤・三浦らの方法(Biochem. Biophys. Acta, Vo
l. 72, 619 〜629, 1963)に準じて行った。すなわち、
ストレプトマイセス オリバセオビリディスの変異株 E
-86-N1-35 株(FERM P-15724)をグリシン0.5%含むイ
ースト−スターチ培地(組成:イーストエキス0.2
%、可溶性澱粉1.0%、pH7.3)に接種し、30
℃で一夜攪拌培養した後、遠心分離にて集菌した(約2
g含水) 。
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。 実施例1 (1)ストレプトマイセス オリバセオビリデイ スの耐
酸性キシロースイソメラーゼ遺伝子を含む染色体DNA
の調製 ストレプトマイセス オリバセオビリデイ スの耐酸性キ
シロースイソメラーゼ遺伝子を含む染色体DNAの調製
は、斉藤・三浦らの方法(Biochem. Biophys. Acta, Vo
l. 72, 619 〜629, 1963)に準じて行った。すなわち、
ストレプトマイセス オリバセオビリディスの変異株 E
-86-N1-35 株(FERM P-15724)をグリシン0.5%含むイ
ースト−スターチ培地(組成:イーストエキス0.2
%、可溶性澱粉1.0%、pH7.3)に接種し、30
℃で一夜攪拌培養した後、遠心分離にて集菌した(約2
g含水) 。
【0020】これをVS緩衝液(0.15M NaC
l,0.1M EDTA,pH8.0)10mlに懸濁
し、リゾチーム90mgを加えた後、37℃で1時間放
置してプロトプラスト液を得た。このプロトプラスト液
に、TSS緩衝液(0.1Mトリス,0.1M NaC
l,1% SDS,pH9.0)30ml及び5MNa
Cl 10mlを加えてプロトプラストを溶解させた。
続いて、TE溶液(10mM トリス,1mM EDT
A,pH8.0)−飽和フェノールを20ml加え、穏
やかに、かつ十分に懸濁をした。これを遠心分離(4
℃、12000rpm)し、得られた上層(水相) をク
ロロホルム液(1/24容のイソアミルアルコールを含
む) で懸濁した。これを遠心分離(4℃、12000r
pm)し、得られた上層(水相) を再度フェノール及び
クロロホルムをそれぞれ20mlづつ用いて懸濁処理を
した。
l,0.1M EDTA,pH8.0)10mlに懸濁
し、リゾチーム90mgを加えた後、37℃で1時間放
置してプロトプラスト液を得た。このプロトプラスト液
に、TSS緩衝液(0.1Mトリス,0.1M NaC
l,1% SDS,pH9.0)30ml及び5MNa
Cl 10mlを加えてプロトプラストを溶解させた。
続いて、TE溶液(10mM トリス,1mM EDT
A,pH8.0)−飽和フェノールを20ml加え、穏
やかに、かつ十分に懸濁をした。これを遠心分離(4
℃、12000rpm)し、得られた上層(水相) をク
ロロホルム液(1/24容のイソアミルアルコールを含
む) で懸濁した。これを遠心分離(4℃、12000r
pm)し、得られた上層(水相) を再度フェノール及び
クロロホルムをそれぞれ20mlづつ用いて懸濁処理を
した。
【0021】このようにして得られた上層に、2倍容の
冷エタノール(−20℃)を加え、生じた白濁の粗染色
体DNAをガラス棒を用いて回収した。これを、SSC
緩衝液(0.15M NaCl,0.015M Na3
citrate)20mlに溶解し、SSC緩衝液に対
して一夜透析した。この透析内液に、リボヌクレアーゼ
(シグマ社製 RNase) を終濃度10μg/ml加え、3
7℃にて2時間放置した。さらに、プロテアーゼ(商品
名:プロテイナーゼK、ベーリンガーマンハイム社製)
を終濃度1μg/ml加え、37℃で30分間放置し
た。これを、上記と同様にフェノール及びクロロホルム
で処理し、SSC緩衝液に対して透析して精製染色体D
NA液とした。
冷エタノール(−20℃)を加え、生じた白濁の粗染色
体DNAをガラス棒を用いて回収した。これを、SSC
緩衝液(0.15M NaCl,0.015M Na3
citrate)20mlに溶解し、SSC緩衝液に対
して一夜透析した。この透析内液に、リボヌクレアーゼ
(シグマ社製 RNase) を終濃度10μg/ml加え、3
7℃にて2時間放置した。さらに、プロテアーゼ(商品
名:プロテイナーゼK、ベーリンガーマンハイム社製)
を終濃度1μg/ml加え、37℃で30分間放置し
た。これを、上記と同様にフェノール及びクロロホルム
で処理し、SSC緩衝液に対して透析して精製染色体D
NA液とした。
【0022】(2)PCRプライマーの合成 PCR増幅に用いたPCRプライマーは、上流側の23
merに対応するオリゴヌクレオチドとしては配列表の
配列番号4に記載のプライマーを、下流の23merに
対応するオリゴヌクレオチドとしては配列表の配列番号
5に記載のプライマーをそれぞれ用いた。これらのプラ
イマーは、クラボウバイオメディカル株式会社へ合成を
依頼したものを用いた。
merに対応するオリゴヌクレオチドとしては配列表の
配列番号4に記載のプライマーを、下流の23merに
対応するオリゴヌクレオチドとしては配列表の配列番号
5に記載のプライマーをそれぞれ用いた。これらのプラ
イマーは、クラボウバイオメディカル株式会社へ合成を
依頼したものを用いた。
【0023】(3)PCR反応 PCR反応は、上記(2)のPCRプライマー、Taq ポ
リメラーゼ(宝酒造社製)、その添付緩衝液(100m
M トリス, 500mM KCl,15mMMgCl,
pH8.3、使用時10倍希釈) 及び添付dNTP水溶液(A
TP, CTP, GTP, TTP 各ナトリウム塩2.5mM)を用い
て下記組成の反応液を調製し、PCR反応装置ザイモリ
アクターII(型式AB-1820)(アトー社製)を用いて実施
した。PCR反応の温度条件は、前処理を94℃で1分
間行った後、熱変性を94℃で1分間、アニーリングを
55℃で1分間及びポリメラーゼ反応を72℃で2分間
のサイクルを40回繰り返した後、後処理を72℃で5
分間行った。
リメラーゼ(宝酒造社製)、その添付緩衝液(100m
M トリス, 500mM KCl,15mMMgCl,
pH8.3、使用時10倍希釈) 及び添付dNTP水溶液(A
TP, CTP, GTP, TTP 各ナトリウム塩2.5mM)を用い
て下記組成の反応液を調製し、PCR反応装置ザイモリ
アクターII(型式AB-1820)(アトー社製)を用いて実施
した。PCR反応の温度条件は、前処理を94℃で1分
間行った後、熱変性を94℃で1分間、アニーリングを
55℃で1分間及びポリメラーゼ反応を72℃で2分間
のサイクルを40回繰り返した後、後処理を72℃で5
分間行った。
【0024】 反応液組成: Taq ポリメラーゼ(5U/μl ) 0.5μl 添付緩衝液 10.0μl 添付dNTP水溶液 8.0μl 染色体DNA 0.1μg PCRプライマー(上流側, 下流側とも) 20.0pmole (滅菌蒸留水にて、100μl に調製)
【0025】(4)電気泳動及び組換えDNAの構築 上記(3)で得られたPCR反応液5μl を、2%アガ
ロースゲルにて電気泳動を行った。アガロースはL03
アガロース(宝酒造社製)、泳動装置はミューピッド−
2(コスモバイオ社製)を使用した。泳動緩衝液として
はTAE緩衝液(1L中にトリス4.8g,EDTA
0.74g,酢酸1.4mlを含む、pH8.1)を用
いた。
ロースゲルにて電気泳動を行った。アガロースはL03
アガロース(宝酒造社製)、泳動装置はミューピッド−
2(コスモバイオ社製)を使用した。泳動緩衝液として
はTAE緩衝液(1L中にトリス4.8g,EDTA
0.74g,酢酸1.4mlを含む、pH8.1)を用
いた。
【0026】電気泳動終了後、1〜1.5kbに相当す
る部分をゲルから切り出し、ジーンクリンII(BIO 101
社製)を用いてDNA断片を回収した。該DNA断片と
ベクターDNA pGEM-T(プロメガ社製) 約5ngとを、
ライゲーションキットII(宝酒造社製) を用いて結合さ
せた(液量10μl)。これをコンピテントセルJM109
(宝酒造社製)に塩化カルシウム法(MolecularCloning
1st ed., p366, Cold Spring Harbor Laboratory 198
2)を用いて導入し、抗生物質であるアンピシリンを5
0μg/ml含むLB平板培地(組成:バクトトリプト
ン1%,イーストエキス0.5%,NaCl 1%,培
地用寒天1.5%,pH7.0)上で37℃にて一夜培
養した。なお、LB平板培地には、IPTGを238μ
g/LとX−Galを4mg/Lそれぞれ塗布したもの
を使用した。
る部分をゲルから切り出し、ジーンクリンII(BIO 101
社製)を用いてDNA断片を回収した。該DNA断片と
ベクターDNA pGEM-T(プロメガ社製) 約5ngとを、
ライゲーションキットII(宝酒造社製) を用いて結合さ
せた(液量10μl)。これをコンピテントセルJM109
(宝酒造社製)に塩化カルシウム法(MolecularCloning
1st ed., p366, Cold Spring Harbor Laboratory 198
2)を用いて導入し、抗生物質であるアンピシリンを5
0μg/ml含むLB平板培地(組成:バクトトリプト
ン1%,イーストエキス0.5%,NaCl 1%,培
地用寒天1.5%,pH7.0)上で37℃にて一夜培
養した。なお、LB平板培地には、IPTGを238μ
g/LとX−Galを4mg/Lそれぞれ塗布したもの
を使用した。
【0027】一夜培養して得られたコロニーのうち、青
色を呈さないものからボイリング法(Molecular Cloning
1st ed., p366, Cold Spring Harbor Laboratory 198
2)を用いてプラズミドを調製した。この結果、図1で
示されるような組換えDNAであることを確認した。ま
た、この結果から、得られた大腸菌が、本発明の組換え
DNAを含む形質転換微生物(E. coli JM109(pK4F) で
あることを確認した。本菌は、工業技術院生命工学工業
技術研究所に寄託されており、その受託番号はFERM P-1
6656である。
色を呈さないものからボイリング法(Molecular Cloning
1st ed., p366, Cold Spring Harbor Laboratory 198
2)を用いてプラズミドを調製した。この結果、図1で
示されるような組換えDNAであることを確認した。ま
た、この結果から、得られた大腸菌が、本発明の組換え
DNAを含む形質転換微生物(E. coli JM109(pK4F) で
あることを確認した。本菌は、工業技術院生命工学工業
技術研究所に寄託されており、その受託番号はFERM P-1
6656である。
【0028】(5)組換えDNAの塩基配列の決定 さらに、上記の組換えDNAよりSacI-SalI 断片(約1
90bp)、SalI-SphI 断片(約110bp)及びSphI
-PstI 断片(約240bp)を、pUC18 あるいはpUC19
のマルチクローニングサイトの相当する部位に導入し
た。これを、オートシーケンサーを用いたダイデオキシ
法(F. Sanger, S. Nicklen and A.R. Coulson, Proc.
Natl. Acad. Sci. U.S.A.,74, 5463 (1977))にてそれぞ
れのDNA断片の塩基配列を決定した。シーケンスは、
シーケンスプライマーとしてM13M3(宝酒造社製) とM13R
V(宝酒造社製) を用いて、サイクルシーケンシングキッ
ト(商品名:ABIPRISM、アプライドバイオシス
テムズ社製) に従い、オートシーケンサー(373-36S,ア
プライドバイオシステムズ社製)を用いて行った。これ
により決定された塩基配列を配列表の配列番号1〜3に
示す。
90bp)、SalI-SphI 断片(約110bp)及びSphI
-PstI 断片(約240bp)を、pUC18 あるいはpUC19
のマルチクローニングサイトの相当する部位に導入し
た。これを、オートシーケンサーを用いたダイデオキシ
法(F. Sanger, S. Nicklen and A.R. Coulson, Proc.
Natl. Acad. Sci. U.S.A.,74, 5463 (1977))にてそれぞ
れのDNA断片の塩基配列を決定した。シーケンスは、
シーケンスプライマーとしてM13M3(宝酒造社製) とM13R
V(宝酒造社製) を用いて、サイクルシーケンシングキッ
ト(商品名:ABIPRISM、アプライドバイオシス
テムズ社製) に従い、オートシーケンサー(373-36S,ア
プライドバイオシステムズ社製)を用いて行った。これ
により決定された塩基配列を配列表の配列番号1〜3に
示す。
【0029】
【発明の効果】本発明により、極めて高い耐酸性を示す
キシロースイソメラーゼをコードする遺伝子含む組換え
DNA及びその組換えDNA断片を含む形質転換微生物
が提供される。この酵素は、該形質転換微生物を用いて
効率よく製造することができ、異性化糖の製造に有用で
ある。
キシロースイソメラーゼをコードする遺伝子含む組換え
DNA及びその組換えDNA断片を含む形質転換微生物
が提供される。この酵素は、該形質転換微生物を用いて
効率よく製造することができ、異性化糖の製造に有用で
ある。
【0030】
配列番号:1 配列の長さ:192 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:Genomic DNA 起源 生物名:ストレプトマイセス オリバセオビリディス
(Streptomyces olivaceoviridis) E-86-N1-35 株 配列の特徴 特徴を決定した方法:E 配列: GAGCTCTACG GCGTCAACCC CGAGGTCGGC CACGAGCAGA TGGCCGGCCT GAACTTCCCG 60 CACGGTATCG CGCAGGCCCT GTGGGCCGGG AAGCTGTTCC ACATCGACCT CAACGGCCAG 120 TCCGGCATCA AGTACGACCA GGACCTGCGG TTCGGCGCGG GCAACCTGCG GTCCGCCTTC 180 TGGCTGGTCG AC 192
(Streptomyces olivaceoviridis) E-86-N1-35 株 配列の特徴 特徴を決定した方法:E 配列: GAGCTCTACG GCGTCAACCC CGAGGTCGGC CACGAGCAGA TGGCCGGCCT GAACTTCCCG 60 CACGGTATCG CGCAGGCCCT GTGGGCCGGG AAGCTGTTCC ACATCGACCT CAACGGCCAG 120 TCCGGCATCA AGTACGACCA GGACCTGCGG TTCGGCGCGG GCAACCTGCG GTCCGCCTTC 180 TGGCTGGTCG AC 192
【0031】配列番号:2 配列の長さ:109 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:Genomic DNA 起源 生物名:ストレプトマイセス オリバセオビリディス
(Streptomyces olivaceoviridis) E-86-N1-35 株 配列の特徴 特徴を決定した方法:E 配列: GTCGACCTCC TGGAGAGCGC CGGTTACGAA GGACCGCGCC ACTTCAACTT CAAGCCGCCG 60 CGGACCGAGG ACCTCGACGG CGTGTGGGCC TCGGCAGCGG GCTGCATGC 109
(Streptomyces olivaceoviridis) E-86-N1-35 株 配列の特徴 特徴を決定した方法:E 配列: GTCGACCTCC TGGAGAGCGC CGGTTACGAA GGACCGCGCC ACTTCAACTT CAAGCCGCCG 60 CGGACCGAGG ACCTCGACGG CGTGTGGGCC TCGGCAGCGG GCTGCATGC 109
【0032】配列番号:3 配列の長さ:236 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:Genomic DNA 起源 生物名:ストレプトマイセス オリバセオビリディス
(Streptomyces olivaceoviridis) E-86-N1-35 株 配列の特徴 特徴を決定した方法:E 配列: GCATGCGCAA CTACCTCATT CTGAAGGACC GCGCGGCAGC CTTCCGTGCC GACCCCGAGG 60 TGCAGGAGGC GCTGCGCGCC TCGCGCCTGG ACCAGCTGGC CCAGCCGACC GCGGCCGACG 120 GCCTGGAGGA CCTGCTCGCC GACCGCGCGG CCTTCGAGGA CTTCGACGTG GAGGCCGCCG 180 CCGCGCGCGG CATGGCCTTC GAACGCCTCG ACCAGCTGGC GATGGACCAC TTGCTG 236
(Streptomyces olivaceoviridis) E-86-N1-35 株 配列の特徴 特徴を決定した方法:E 配列: GCATGCGCAA CTACCTCATT CTGAAGGACC GCGCGGCAGC CTTCCGTGCC GACCCCGAGG 60 TGCAGGAGGC GCTGCGCGCC TCGCGCCTGG ACCAGCTGGC CCAGCCGACC GCGGCCGACG 120 GCCTGGAGGA CCTGCTCGCC GACCGCGCGG CCTTCGAGGA CTTCGACGTG GAGGCCGCCG 180 CCGCGCGCGG CATGGCCTTC GAACGCCTCG ACCAGCTGGC GATGGACCAC TTGCTG 236
【0033】配列番号:4 配列の長さ:23 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列: ATGAGCTTCC AGCCCACCCC CGA 23
【0034】配列番号:5 配列の長さ:23 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列: CAGCAGGTGG TCCATCGCCA GCT 23
【図1】 組換えDNA pK4Fの制限酵素切断地図
を示す。
を示す。
insertは、ストレプトマイセス オリバセオビリデイ
ス由来DNA部分を、pGEM-Tはベクター由来DNA部分
を示す。Amp は抗生物質耐性遺伝子を示す。MCS(1)はpG
EM-T由来のマルチクローニングサイトSpeI,NotI,PstI,S
alI,NdeI,SacI,BstXI,NsiIを示す。また、MCS(2)はpGEM
-T由来のマルチクローニングサイトApaI,AatII,SphI,Nc
oI,SacIIを示す。
ス由来DNA部分を、pGEM-Tはベクター由来DNA部分
を示す。Amp は抗生物質耐性遺伝子を示す。MCS(1)はpG
EM-T由来のマルチクローニングサイトSpeI,NotI,PstI,S
alI,NdeI,SacI,BstXI,NsiIを示す。また、MCS(2)はpGEM
-T由来のマルチクローニングサイトApaI,AatII,SphI,Nc
oI,SacIIを示す。
Claims (8)
- 【請求項1】 キシロースイソメラーゼ生産菌株をDN
A供与体とし、そのDNA断片をベクターに結合させる
ことによって得られる組換えDNAであって、制限酵素
SacI,SalI及びSphIによる切断部位を有す
ることを特徴とするキシロースイソメラーゼ遺伝子を含
む組換えDNA。 - 【請求項2】 DNA供与体が、ストレプトマイセス属
に属する微生物である請求項1記載の組換えDNA。 - 【請求項3】 DNA供与体が、ストレプトマイセス
オリバセオビリディスである請求項1記載の組換えDN
A。 - 【請求項4】 組換えDNAが、制限酵素SacI,S
alI及びSphIによる切断部位を有するDNA断片
を含む請求項1〜3のいずれかに記載の組換えDNA。 - 【請求項5】 SacI−SalI断片が、配列表の配
列番号1記載の塩基配列である請求項1〜3のいずれか
に記載の組換えDNA。 - 【請求項6】 SalI−SphI断片が、配列表の配
列番号2記載の塩基配列である請求項1〜3のいずれか
に記載の組換えDNA。 - 【請求項7】 SphI切断部位から下流234塩基
が、配列表の配列番号3記載の塩基配列である請求項1
〜3のいずれかに記載の組換えDNA。 - 【請求項8】 請求項1〜7のいずれかに記載の組換え
DNAを、宿主微生物に導入して得られた形質転換微生
物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6606998A JPH11243954A (ja) | 1998-03-03 | 1998-03-03 | キシロースイソメラーゼ遺伝子を含む組換えdna及びその組換えdna断片を含む形質転換微生物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6606998A JPH11243954A (ja) | 1998-03-03 | 1998-03-03 | キシロースイソメラーゼ遺伝子を含む組換えdna及びその組換えdna断片を含む形質転換微生物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11243954A true JPH11243954A (ja) | 1999-09-14 |
Family
ID=13305199
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6606998A Withdrawn JPH11243954A (ja) | 1998-03-03 | 1998-03-03 | キシロースイソメラーゼ遺伝子を含む組換えdna及びその組換えdna断片を含む形質転換微生物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11243954A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9951326B2 (en) | 2015-07-13 | 2018-04-24 | MARA Renewables Corporation | Enhancing microbial metabolism of C5 organic carbon |
-
1998
- 1998-03-03 JP JP6606998A patent/JPH11243954A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9951326B2 (en) | 2015-07-13 | 2018-04-24 | MARA Renewables Corporation | Enhancing microbial metabolism of C5 organic carbon |
US10662418B2 (en) | 2015-07-13 | 2020-05-26 | MARA Renewables Corporation | Enhancing microbial metabolism of C5 organic carbon |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR102400332B1 (ko) | 정제 화학약품의 개선된 생산을 위한 재조합 미생물 | |
US10208324B2 (en) | Recombinant microorganism for improved production of fine chemicals | |
US10519474B2 (en) | Recombinant microorganism for improved production of fine chemicals | |
WO2004093645A2 (en) | Tn5 transposase mutants and the use thereof | |
KR20180011324A (ko) | 알라닌의 개선된 제조를 위한 재조합 미생물 | |
KR20170128509A (ko) | 정제 화학약품의 개선된 제조를 위한 재조합 미생물 | |
WO2021058691A1 (en) | Method for the production of beta-alanine or salts thereof | |
JP4931320B2 (ja) | 新規なグルコース−6−リン酸デヒドロゲナーゼ | |
EP0877084B1 (en) | Thermostable diaphorase gene | |
US5281531A (en) | Host and vector for producing D-ribose | |
JPH11243954A (ja) | キシロースイソメラーゼ遺伝子を含む組換えdna及びその組換えdna断片を含む形質転換微生物 | |
JP3822006B2 (ja) | シチジン5’−ジリン酸コリンの製造法 | |
EP4098742A1 (en) | Novel bifunctional methylenetetrahydrofolate dehydrogenase/methenyltetrahydrofolate cyclohydrolase variant and method for producing xmp or gmp using same | |
JP2001069979A (ja) | 発酵法によるl−グルタミン酸の製造方法 | |
JP4312608B2 (ja) | 酢酸菌のスクアレン−ホペンサイクラーゼ遺伝子、該遺伝子を用いて育種された酢酸菌、及び該酢酸菌を用いた食酢の製造方法 | |
JPH01153084A (ja) | 新規微生物及びそれを用いるl−アミノ酸の製法 | |
JP3880173B2 (ja) | Dna合成酵素 | |
RU2708312C1 (ru) | Рекомбинантный микроорганизм для улучшенного получения химических продуктов тонкого органического синтеза | |
JPH10262674A (ja) | アルカリホスファターゼをコードする遺伝子 | |
EP1365026A1 (en) | Dna encoding l-ribose isomerae and use thereof | |
CN117003836A (zh) | 乳酸乳球菌生物合成支链醛的全局转录调控蛋白及其调控方法 | |
TW202302838A (zh) | 用於生產高濃度左旋麩胺酸的菌株及使用其生產左旋麩胺酸的方法 | |
JP2001046097A5 (ja) | ||
JPH11206381A (ja) | ヘアピン型核酸プローブ分子を利用した核酸分子の単離及びクローニング | |
JPH07327680A (ja) | 新規プラスミド及びそれを用いる変異株の取得方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20050510 |