JPH11243872A - 反芻動物用飼料 - Google Patents

反芻動物用飼料

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JPH11243872A
JPH11243872A JP10069373A JP6937398A JPH11243872A JP H11243872 A JPH11243872 A JP H11243872A JP 10069373 A JP10069373 A JP 10069373A JP 6937398 A JP6937398 A JP 6937398A JP H11243872 A JPH11243872 A JP H11243872A
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JP
Japan
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feed
raw material
protein
ruminant
ruminants
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JP10069373A
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Inventor
Masao Iwata
正夫 岩田
Akio Hihara
昭夫 比原
Takashi Onoda
尚 小野田
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Kyodo Shiryo Co Ltd
Original Assignee
Kyodo Shiryo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 牛をはじめとする反芻動物全般に対して、必
須原料であるバイパス蛋白質原料や油脂原料を、嗜好性
を損なうことなくかつ栄養的に偏りを生ずることなく確
実に摂取させることができ、したがって効果的な栄養補
給ができる反芻動物用飼料を提供する。また、高栄養で
あるが牛にとっては嗜好性がきわめて悪い動物蛋白原料
を効果的に補給できる反芻動物用飼料を提供する。 【課決手段】 粗飼料中に、澱粉質原料とともに少なく
とも蛋白質原料及び/又は油脂原料を加配し、また栄養
補給目的に応じて、これらに製造粕類及び/又は微量栄
養原料を加配し、これらの全原料を混合し圧縮加工し固
型化してなる反芻動物用飼料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、反芻動物、特に乳
牛や肉牛用の飼料に関する。
【0002】
【従来の技術】昨今の酪農経営は、個体能力の向上とあ
いまって、産乳成績や繁殖成績をより改善するために、
濃厚飼料であるバイパス蛋白質原料やバイパス油脂原料
を使用し、さらにビタミン剤やミネラル剤の高濃度使用
等、高能力牛の栄養要求に即した形で給与設計が行なわ
れている。一方、基本的な栄養原料である粗飼料(繊維
質原料)の給与は、反芻胃の恒常性を保ち健康を維持
し、良質な乳生産や肉生産をする上で欠かせないもので
ある。そのため、少ない粗飼料を有効に管理するための
栄養管理項目としてNDF(総繊維)や有効NDF等の
新たな繊維成分が注目されている。このように、高能力
牛にとって必須の栄養成分を確保する上で、バイパス蛋
白質原料として魚粉や肉骨粉、バイパス油脂原料として
の脂肪酸カルシウム、さらに微量栄養原料であるビタミ
ン剤やミネラル剤等が積極的に使用されるが、これらの
原料は牛にとって嗜好性の悪い場合が多く、飼料全体の
食下量を低下させ成績を低下させる原因ともなりかねな
い。
【0003】一方、不足しがちな繊維成分を確保するた
めに、農家では、自給粗飼料の有効利用、業者からの単
体粗飼料の購入、また配合飼料中に含まれる繊維原料に
期待するところが大きい。購入粗飼料の中でも、一般的
かつ嗜好性のよい良質繊維原料として評価されているの
が乾草を圧縮し固型化したヘイキューブである。ヘイキ
ューブは、養牛用配合飼料中には、そのまま、又はスラ
イスもしくは粉砕して配合されるのが一般的であり、乳
牛・肉牛ともに栄養的にも物性的にも有効な粗飼料源
(繊維原料)といえる。ヘイキューブの固型化した物性
面での特徴は、牛の嗜好に合うという利点を有している
が、反面、他の原料よりも率先してこれを摂食する傾向
にあるため、特に群飼育時には個体による栄養摂取に偏
りが生じ成績にバラツキが出る原因ともなりうる。
【0004】一方、濃厚飼料多給型の肉牛経営において
は、発育改善や肉質向上を図るために補給される各種原
料や添加剤の中には嗜好を悪くするものも少なくない。
さらに最近では、上質肉生産のために給与を制限される
ビタミンAの欠乏症を予防するために、カロチンを多く
含むヘイキューブが、ビタミンAを効果的に補給する嗜
好性のよい繊維原料として使われている。また、特開平
5-28956号公報には、粗飼料に加えて、濃厚飼料とし
て、加熱・圧ぺんしたトウモトコシ、マイロ、麦等の穀
類と微量要素等を含むペレット、液状食品副産物、大豆
粕、槽糖類等を配合したものを適宜比率に混合し円柱状
に固型化して給餌する反芻家畜用固型飼料について開示
されている。
【0005】しかしながら、上記公報の固型飼料は、高
栄養ではあるが牛にとって嗜好性がきわめて悪いバイパ
ス蛋白質原料やバイパス油脂原料を効率的に給餌する方
法について何ら工夫するものではない。乳牛・肉牛とも
に高能力牛にバランスよく栄養を補給するためには、こ
れらの必須栄養原料を、牛の嗜好を損なうことなく、か
つ栄養的に大きな偏りがないように摂取させることが重
要であり、そのための養牛用配合飼料の開発が望まれて
いる。
【0006】また、成長の速い子牛期や乳量の多い泌乳
ピーク期には、給与する蛋白質の一部をいわゆるルーメ
ンバイパス蛋白質の形で供給することが推奨されてい
る。ルーメンバイパス蛋白質原料としては、その構成ア
ミノ酸にすぐれたものを用いる必要があり、魚粉、肉骨
粉、血粉、加熱大豆、グルテンミール等がその代表的な
ものである。なかでも、魚粉、肉骨粉、血粉等の動物蛋
白原料は良質な蛋白質原料であるが、牛にとっての嗜好
性はきわめて悪いため、給与飼料乾物中2〜3%程度に
制限されている。この量は、高泌乳牛の場合、1日1頭
当たりで換算すると 500g程度に相当する。しかも、こ
のガイドラインは嗜好性の影響を少なくするTMR給与
の下での数値なので、分離給与の下ではさらに給与量を
抑える必要がある。したがって、このような、高栄養で
あるが牛にとって嗜好性がきわめて悪い原料を効果的に
補給できる飼料の開発が期待されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上記の
状況に鑑み、牛の嗜好を損なうことなく効果的に栄養補
給を行なうための養牛用配合飼料について検討した。そ
の結果、嗜好性及び物性面にすぐれたヘイキューブの特
性を十分に活用し、粗飼料を主材として、澱粉質原料と
ともに少なくとも蛋白質原料及び/又は油脂原料を加配
するか、もしくは栄養補給目的に応じて、これらに製造
粕類及び/又は微量栄養原料を、それぞれ特定の配合率
の下に加配したものを圧縮加工して固型化することによ
り、反芻動物全般へ効果的な栄養補給ができる良好な飼
料が得られることの知見を得て、本発明を完成するに至
った。
【0008】したがって、本発明は、牛をはじめとする
反芻動物全般に対して必須栄養原料であるバイパス蛋白
質原料や油脂原料を、両者それぞれ又は両者併せて、そ
の嗜好を損なうことなく、かつ栄養的に偏りを生ずるこ
となく確実に摂取させることができ、したがって効果的
な栄養補給ができる反芻動物用飼料を提供することを第
一の目的とする。また、本発明は、高栄養であるが牛に
とって嗜好性がきわめて悪い動物蛋白原料を効果的に補
給できる反芻動物用飼料を提供することを第2の目的と
する。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のうち請求項1に記載の発明は、粗飼料中
に、澱粉質原料とともに少なくとも蛋白質原料及び/又
は油脂原料を加配混合し圧縮加工し固型化してなる反芻
動物用飼料である。また、本発明のうち請求項2に記載
の発明は、粗飼料中に、澱粉質原料、蛋白質原料、油脂
原料とともに製造粕類及び/又は微量栄養原料を所定量
加配混合し圧縮加工し固型化してなる反芻動物用飼料で
ある。また、本発明のうち請求項3に記載の発明は、請
求項1又は2に記載の反芻動物用飼料において、粗飼料
40〜80%、澱粉質原料10〜60%、蛋白質原料0〜50%、
油脂原料0〜20%、製造粕類0〜50%、微量栄養原料0
〜5%からなる反芻動物用飼料でる。さらに、請求項4
に記載の発明は、請求項1から3のいずれかに記載の反
芻動物用飼料において、蛋白質原料の一部又は全部とし
て動物蛋白原料を用いる反芻動物用飼料である。さらに
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の反芻動物用
飼料において、動物蛋白原料として魚粉を用いる反芻動
物用飼料である。さらに、請求項6に記載の発明は、請
求項1から5のいずれかに記載の反芻動物用飼料を3〜
20%混合してなる反芻動物用飼料である。
【0010】以下、本発明を詳細に説明する。尚、本発
明において、「%」表示は、特に断らないかぎり「重量
%」を表す。
【0011】本発明に係る反芻動物用飼料は、粗飼料中
に、澱粉質原料とともに少なくとも蛋白質原料及び/又
は油脂原料を加配し、また栄養補給目的に応じて、これ
らに製造粕類及び/又は微量栄養原料を加配し、これら
の全原料を混合し圧縮加工し固型化してなるものであ
る。
【0012】本発明において使用する粗飼料とは、容積
が大きくて、粗繊維が多く、可消化養分の少ない繊維質
原料のことをいう。特に、牛の消化生理に合致する長繊
維のものがよく、反芻動物用飼料としてでき上がり時に
は、繊維の長さとして 2.5cm(1インチ)以上になるこ
とが望ましい。具体的には、ワラ類、乾草類等を使用す
る。好ましくは、アファルファ乾草、チモシー乾草、オ
ーツ乾草、イタリアン乾草、バミューダ乾草、イネ科又
はマメ科等の乾草を使用するとよい。
【0013】本発明では、澱粉質原料として、穀類、イ
モ類等の1種又は2種以上を使用する。具体的には、と
うもろこし、大麦、エン麦、マイロ等の牛用飼料として
一般的に用いられるものでよい。これらの澱粉質原料
は、一般的には、丸のままではなく適宜の形状に切刻又
は割載もしくは粉砕して使用する。澱粉質は、反芻動物
にとって嗜好性がよく利用性の高い有効なエネルギー成
分であり、反芻胃内では、同時に給与する蛋白質と同調
し微生物生産を最大にさせるために必須の成分である。
一般的に、粗飼料は低蛋白質・低エネルギーであるが、
澱粉質原料と併用することによりその利用性が高まるこ
とが知られている。また、粗飼料と澱粉質原料や蛋白質
原料等を別々に給与する分離給与の下では、ヘイキュー
ブは一つの単体粗飼料として給与されるため、反芻胃内
での分解利用性に偏りが生じる可能性がある。粗飼料と
澱粉質原料や蛋白質原料等をあらかじめ混合して給与す
るTMR方式は、この分離給与上の問題点を解決するも
のであり、本発明の反芻動物用飼料は、分離給与方式上
の欠点を単体原料の観点からTMR方式に近づけたもの
といえる。本発明において、澱粉質原料の混合割合は、
同時に混合する粗飼料や蛋白質原料等の種類と加配量に
よって異なる。長径繊維状の粗飼料を主材とし圧縮加工
し物性的にすぐれた反芻動物用飼料を得るためには、澱
粉質成分のバインダー原料としての特性も生かして最少
配合量として10%を確保することが望ましい。
【0014】本発明の反芻動物用飼料は、粗飼料中に、
上記の澱粉質原料とともに少なくとも蛋白質原料及び/
又は油脂原料を加配混合し圧縮加工し固型化してなるも
のである。蛋白質原料としては、前記のように、魚粉、
肉骨粉、血粉、加熱大豆、グルテンミール等のルーメン
バイパス原料の1種又は2種以上を使用できるが、栄養
価の点から魚粉を使用することが好ましい。なかでも魚
粉は、シスチン、メチオニン等の含硫アミノ酸やリジン
を多く含み、ビタミンB(特にビタミンB12)やカルシ
ウム、リンも豊富である。蛋白質原料としては、これら
の動物蛋白原料の他、牛用飼料として通常用いられる植
物性の蛋白質原料(植物蛋白原料)も使用することがで
きる。むしろ、同時に配合する澱粉質原料との第一胃内
での発酵バランス(エネギーと蛋白質の同調性)を考慮
すると、反芻胃内での分解性の高い蛋白質を多く含む大
豆油粕、アマニ油粕、ナタネ油粕等の植物蛋白原料と分
解速度の遅い魚粉や肉骨粉等の動物蛋白原料とを組み合
わせた方が、澱粉質原料と蛋白質原料とのバランスがよ
くなって、飼料全体としての利用性がより高まるので好
ましい結果となる。本発明の蛋白質原料は、飼料全体の
栄養バランスを考慮して配合率を決めることになるが、
通常は蛋白質原料として50%までの加配が可能である。
【0015】また、油脂原料としては、牛へのエネルギ
ー供給を効果的にするために、また乳牛では乳脂肪等の
乳質向上を図るために、バイパス油脂原料や動植物性油
脂が使用される。具体的には、脂肪酸カルシウム、タロ
ー等の1種又は2種以上を使用する。バイパス油脂原料
は、牛に対する嗜好性がきわめて悪いため、通常は1日
1頭当たり 500g程度に給与制限されている。本発明で
は、油脂原料の配合率は給与飼料全体の栄養バランスを
考慮して決めることなるが、バイパス油脂として概ね20
%まで加配が可能である。したがって、嗜好性の悪い油
脂原料を有効利用する上で、本発明はきわめて効果を発
揮するものである。
【0016】本発明においては、栄養補給目的に応じ
て、繊維分を多く含む綿実やビートパルプ、シトラスパ
ルプ等の製造粕類を加配することができる。通常これら
の製造粕類に対する牛の嗜好は良好であり、製造粕類を
加配することは、本発明に係る反芻動物用飼料の嗜好性
を高めるとともに溶解性の高い炭水化物の供給源として
有効である。同時に、糖分が他の原料よりも多い上、綿
実のリンターには結着性があるので、製造粕類には、圧
縮加工時のバインダー効果も期待できる。したがって、
製造粕類を加配することによって、嗜好性の悪い動物蛋
白原料や油脂原料を一定量まで配合することができる。
製造粕類の配合率は、給与飼料全体の栄養バランスを考
慮して決めることになるが、製造粕原料として概ね50%
まで加配することができる。尚、本発明では、製造粕類
の他、飲食料工業で発生する各種飲食品の残渣、外食産
業で生ずる残渣・残飯、或いはコンビニエンスストアで
生ずる期限切れ食品等が加配して差し支えない。したが
って、本発明は、これらの産業廃棄物の有効利用の途を
提供するものである。
【0017】本発明では、製造粕類の他、微量栄養原料
を加配することができる。牛の微量栄養原料として用い
られるものは多種多様であるが、一般にビタミン剤、ミ
ネラル剤を使用する。最近、ビタミンやミネラルの薬理
効果を期待して、特にストレスの多い時期での抗病性の
向上を図るために高濃度給与が推奨されている。しか
し、周知のとおり、動物に対するビタミン剤やミネラル
剤の嗜好性はきわめて悪いため、微量栄養原料の高濃度
給与は、飼料全体の摂取量を低下させ飼育成績への悪影
響を生じやすい。この他にも、乳牛乾乳期の飼料の酸・
塩基バランスを改善するために添加される各種塩基や、
それに準ずる飼料原料を使用する場合も同様である。本
発明では、このような嗜好性がきわめて悪い微量栄養原
料を牛に給与する場合においても効果を発揮する。
【0018】本発明に係る反芻動物用飼料の配合量は、
粗飼料40〜60%に対して、澱粉質原料10〜60%、蛋白質
原料0〜50%、油脂原料0〜20%、製造粕類0〜50%、
微量栄養原料0〜5%とするのが好ましい。
【0019】本発明飼料の製造に当たっては、これらの
原料を所定量秤取加配して全体を混合し圧縮加工して固
型化する。具体的には、通常用いられるリング式ヘイキ
ューバをそのまま使用すればよい。成型サイズは、キュ
ーバ口径によって調整可能であるが、通常はヘイキュー
ブとして市販・流通している角型の3×3×3.5cm 程度
の大きさとし、動物に応じて適度にスライスして給与す
る。ダイ穴の形状を変えることによって円筒状のものも
製造可能である。粗飼料と蛋白質原料や油脂原料等とで
は物性が異なるので、これらを混合する際に分離するこ
とが考えられるが、粗量をあらかじめ加湿した後混合
し、そのままヘイキューバに投入することによって分離
を最小限に抑えることができる。澱粉質原料を所定量混
合するとバインダー効果を発揮し、またスライス時の粉
の発生も少ない。
【0020】本発明飼料の使用に当たっては、これを粉
砕して、通常の反芻動物用飼料、例えば、とうもろこし
や大豆粕等の油粕と糖蜜等を混じた一般的な配合飼料の
中に、3〜20%程度混ぜて使用するとよい。
【0021】本発明に係る飼料は、反芻動物の嗜好性が
すぐれている粗飼料や澱粉質原料とともに蛋白質原料及
び/又は油脂原料を使用することにしたので、粗飼料40
〜50%、澱粉質原料10〜60%に対して、嗜好性のきわめ
て悪い蛋白質原料を50%まで、油脂原料を20%まで、そ
れぞれ加配することができる。本発明では、上記の構成
にすることによって、蛋白質原料の一部又は全部とし
て、高栄養ではあるが嗜好性の極端によくない動物蛋白
原料、特に魚粉を加配することができる。さらに、本発
明では、粗飼料や澱粉質原料とともに製造粕類を使用す
ることによって、蛋白質原料及び/又は油脂原料をいっ
そう無理なく加配することができるとともに、やはり嗜
好性のよくない微量栄養原料も無理なく加配することが
できる。
【0022】
【発明の効果】以上詳細に説明したとおり、本発明によ
れば、反芻動物全般に対して必須栄養原料である蛋白質
原料や油脂原料を、両者それぞれ又は併せて、反芻動物
の嗜好を損なうことなく、かつ栄養的に偏りを生ずるこ
となく確実に摂取させることができ、反芻動物に対して
効果的な栄養補給をすることができる反芻動物用飼料を
提供することができる。また、本発明の反芻動物用飼料
は、長繊維の粗飼料を同時に給与できため反芻動物の消
化生理にも合致し、飼育成績の改善を図ることができ
る。併せて、栄養的価値の高い各種バイプロダクトの有
効利用が図られ、低コスト化に寄与することができる。
また、本発明によれば、高栄養ではあるが牛にとっては
きわめて嗜好性が悪い動物蛋白原料、特に魚粉を効果的
に給与できる反芻動物用飼料を提供することができる。
【0023】以下、実施例と試験例をもって、本発明を
さらに説明する。
【実施例1】アルファルファ乾草65%、挽き割りとうも
ろこし10%、大豆油粕10%、魚粉15%となるように飼料
原料を秤取し、リング式ヘイキューバにかけて混合し圧
縮加工し固型化して、3×3×4cm程度の大きさの固型
飼料Aを製した。
【0024】
【実施例2】アルファルファ乾草65%、挽き割りとうも
ろこし10%、大豆油粕10%、脂肪酸カルシウム15%とな
るように飼料原料を秤取して、リング式ヘイキューバに
かけて混合し圧縮加工し固型化して、3×4×4cm程度
の大きさの固型飼料Bを製した。
【0025】
【実施例3】チモシー乾草45%、挽き割り状とうもろこ
し10%、同大麦10%、魚粉10%、脂肪酸カルシウム10
%、ビートパルプ10%となるように飼料原料を秤取し、
さらに市販のビタミン・ミネラルミックス混合飼料5%
を加配して、これをリング式ヘイキューバにかけてよく
混合し圧縮加工し固型化して、3×3×4cm程度の大き
さの固型飼料Cを製した。
【0026】
【実施例4】実施例1で製した固型飼料Aをスライスし
てから粉砕して、下記配合の6mmペレット状飼料に、重
量比で2対8になるように混合して乳牛用飼料Dを製し
た。 ペレット状飼料の原料配合率 挽き割り状とうもろこし45%、大豆油粕12%、ナタネ油
粕5%、ふすま3%、コーングルテンフィード5%、糖
蜜2、その他原料8%
【0027】
【試験例1】実施例4で製した乳牛用飼料D(固型飼料
A20%含有)を濃厚飼料として、粗飼料としてのベール
乾草とともに、高泌乳牛(各体重 630kg程度)6頭に給
与した。粗飼料は不断給与とし、濃厚飼料は朝夕の2
回、給与時間を決めて7日間不断給与し、各飼料の摂取
量を測定した。(これを試験区とする。) 一方、固型飼料Aの代わりに、実施例4のペレット状飼
料に魚粉3%を加えたものとアルファルファヘイキュー
ブとを、重量比で2対8となるように混合して乳牛用飼
料Eを製し、これを濃厚飼料として上記と同じ方法で上
記と同じ程度の高泌乳牛(各体重 630kg程度)6頭に給
与し各飼料の摂取量を測定した。(これを対照区とす
る。) 試験期間中の平均飼料摂取量は下記のとおりである。 〔単位:kg/日〕 粗飼料(ベール乾草) 乳牛用飼料 合 計 試験区 13.8kg (100) 11.5kg (100) 25.3kg (100) 対照区 14.5kg (105) 10.6kg ( 92) 25.1kg ( 99) このように、対照区の乳牛用飼料Eの摂取量は試験区と
比べて8%も少なかった。試験区の乳牛用飼料Dの摂取
量は給与前と比べて遜色なかったが、対照区はヘイキュ
ーブを選び食いしベール乾草の摂取量も増える傾向を示
した。このことから、魚粉を配合した対照区の乳牛用飼
料の嗜好性は明らかに劣っていることが判り、対照区に
対して試験区(本発明飼料を使用)の優位性が示され
た。
【0028】
【試験例2】実施例2で製した固型飼料Bをスライス
し、市販の乳牛用飼料(フレーク+ペレット)にトップ
ドレスして高泌乳牛(各体重 650kg程度)5頭に7日間
給与した。粗飼料はベール乾草を不断給与とし、この混
合飼料を3kg/日、時間を決めて給与し、各飼料の摂取
量を測定した。(これを試験区とする。) 一方、固型飼料Bの代わりに、実施例4のペレット状飼
料に脂肪酸カルシウム15%を配合したものを混合飼料と
して、これを3kg/日、上記と同じ方法で上記と同じ程
度の高泌乳牛(各体重 650kg程度)5頭に給与し(これ
を対照区1とする。)、また、ヘイキューブ3kg/日を
上記と同じ方法で上記と同じ程度の高泌乳牛に給与し
(これを対照区2とする。)、各飼料の摂取量を測定し
た。試験期間中の平均飼料摂取量の比較値は下記のとお
りである。 粗飼料(ベール乾草) 混合飼料 ヘイキューブ 合 計 試験区 100 100 100 100 100 100 対照区1 120 83 95 対照区2 95 105 103 このように、対照区1は全体の嗜好を低下させ、粗飼料
の摂取量を大きく増加させる結果となった。これに対し
て試験区は、対照区2(ヘイキューブの単体給与)より
も混合飼料の摂取量がやや低下しているが、有意差はな
く、問題なく脂肪酸カルシウムを摂取した。牛にとって
脂肪酸カルシウムの嗜好性はかなり悪いため通常はTM
Rとして給与するか、嗜好性を改善したサプリメント飼
料として給与するのが一般的であるが、本発明飼料によ
って、分離給与時においても問題なく給与することが可
能となった。
フロントページの続き (72)発明者 小野田 尚 福島県いわき市田人町黒田字助右ェ門沢27 協同飼料株式会社研究所いわきリサーチ ファーム内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粗飼料中に、澱粉質原料とともに少なく
    とも蛋白質原料及び/又は油脂原料を加配混合し圧縮加
    工し固型化してなる反芻動物用飼料。
  2. 【請求項2】 粗飼料中に、澱粉質原料、蛋白質原料、
    油脂原料とともに製造粕類及び/又は微量栄養原料を所
    定量加配混合し圧縮加工し固型化してなる反芻動物用飼
    料。
  3. 【請求項3】 粗飼料40〜80%、澱粉質原料10〜60%、
    蛋白質原料0〜50%、油脂原料0〜20%、製造粕類0〜
    50%、微量栄養原料0〜5%からなる請求項1又は2に
    記載の反芻動物用飼料。
  4. 【請求項4】 蛋白質原料の一部又は全部として動物蛋
    白原料を用いる請求項1から3のいずれかに記載の反芻
    動物用飼料。
  5. 【請求項5】 動物蛋白原料として魚粉を用いる請求項
    4に記載の反芻動物用飼料。
  6. 【請求項6】 請求項1から5のいずれかに記載の反芻
    動物用飼料を3〜20%混合してなる反芻動物用飼料。
JP10069373A 1998-03-04 1998-03-04 反芻動物用飼料 Pending JPH11243872A (ja)

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JP (1) JPH11243872A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010220535A (ja) * 2009-03-24 2010-10-07 Kyodo Shiryo Kk 3ヶ月齢未満の増体成績および飼料効率を高めた子牛用人工乳
JP5998300B1 (ja) * 2016-03-10 2016-09-28 全国農業協同組合連合会 牛用飼料の製造方法
JP2016198090A (ja) * 2015-04-14 2016-12-01 株式会社J−オイルミルズ 飼料原料の製造方法

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