JPH11243637A - 所内配電回路の地絡検出方法および地絡検出装置 - Google Patents

所内配電回路の地絡検出方法および地絡検出装置

Info

Publication number
JPH11243637A
JPH11243637A JP4151098A JP4151098A JPH11243637A JP H11243637 A JPH11243637 A JP H11243637A JP 4151098 A JP4151098 A JP 4151098A JP 4151098 A JP4151098 A JP 4151098A JP H11243637 A JPH11243637 A JP H11243637A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
circuit
ground fault
bus
power supply
relay
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP4151098A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshimi Yabushita
佳美 藪下
Jinichi Sato
仁一 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Engineering Corp
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Engineering Corp
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Engineering Corp, Toshiba Corp filed Critical Toshiba Engineering Corp
Priority to JP4151098A priority Critical patent/JPH11243637A/ja
Publication of JPH11243637A publication Critical patent/JPH11243637A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Emergency Protection Circuit Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】母線連絡回路に設置する地絡方向継電器と、他
の配電回路の保護継電器の検出信号と地絡検出判定パタ
ーンにより、母線連絡回路を含む配電回路の地絡回路を
特定する所内配電回路の地絡検出方法および地絡検出装
置を提供する。 【解決手段】請求項1の発明に係る所内配電回路の地絡
検出方法は、異なる電力供給源による電源母線を互いに
連絡する母線連絡回路を備えた所内電源系統において、
母線連絡回路11の保護継電器による地絡方向の検出信号
と、この母線連絡回路11を含む共通母線4と非常用母線
7に接続した所内配電回路の変圧器回路2と電動機回路
5、および非常用電動機回路8と非常用電源回路9など
における保護継電器の地絡や地絡方向の検出信号から、
予め設定した地絡検出判定パターンにより所内電源系統
における地絡回路を特定することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種プラントにお
ける所内電源系統の保護装置に係り、特に異なる電力供
給源による母線を連絡する母線連絡回路の地絡特定が可
能な所内配電回路の地絡検出方法および地絡検出装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】各種プラントにおける所内電源系統に
は、所内配電回路として異なる電力供給源の母線が複数
設けられており、また、これら母線相互を連絡する母線
連絡回路も多数存在している。
【0003】原子力発電所を例にして説明すると、図4
の系統構成図に示すように、発電所の起動時などで所内
電源がない場合に、外部電源から電力を受ける低起動変
圧器1と変圧器回路2は、遮断器3aを介して、図示し
ない所内電源と接続が可能な共通母線4に接続されてお
り、この共通母線4には遮断器3bを介して電動機回路
5に、負荷としての電動機6aが接続されている。
【0004】また、非常用母線7には、遮断器3cを介
して非常用電動機回路8に負荷である非常用電動機6b
と、遮断器3dを介して非常用電源の非常用電源回路9
に非常用発電機であるディーゼル発電機10が接続されて
いる。
【0005】さらに、前記共通母線4と非常用母線7と
は、共通母線側の遮断器3eと非常用母線側の遮断器3
fを備えた母線連絡回路11により接続されているが、こ
れら所内配電回路の各部には、事故発生に際して当該回
路の損傷低減と、電源系統の安定運転継続のために、事
故発生回路を迅速に検出して隔離保護する目的で、前記
遮断器3a〜3fと共に、各種の保護継電器が設置され
ている。
【0006】即ち、前記低起動変圧器1の下流側で変圧
器回路2には電流差動継電器12aが、また前記共通母線
4には、計器用変圧器13aおよび地絡過電圧継電器14a
と、電動機6aが接続されている電動機回路5には、地
絡過電流継電器15aおよび地絡方向継電器16aを設置
し、この地絡方向継電器16aは前記計器用変圧器13aの
3次側とも接続している。
【0007】前記非常用母線7には、計器用変圧器13b
および地絡過電圧継電器14bと、非常用電動機6bが接
続されている非常用電動機回路8には、地絡過電流継電
器15bおよび地絡方向継電器16bが設置され、この地絡
方向継電器16bは前記計器用変圧器12bの3次側とも接
続されている。
【0008】さらに、非常用母線7に接続されたディー
ゼル発電機10の非常用電源回路9には、前記ディーゼル
発電機10を挟んで電流差動継電器12bが設置されてい
る。また、前記母線連絡回路11には、共通母線4寄りに
地絡過電流継電器15cが、非常用母線7寄りには地絡過
電流継電器15dが設置されている。これにより、母線全
体の監視としては、前記地絡過電圧継電器14a,14b
で、その他の負荷および回路などについては、地絡過電
流継電器15a〜15dおよび、地絡方向継電器16a,16b
による地絡保護回路が形成されている。
【0009】前記のような構成の所内配電系統において
は、前記低起動変圧器1から変圧器回路2と共通母線4
および、母線連絡回路11を経由して非常用母線7を充電
する、矢印で示す常用電力供給ルート17がある。
【0010】また、停電時などで前記常用電力供給ルー
ト17からの電力供給が困難となった時には、前記非常用
電源であるディーゼル発電機10を起動させて、非常用電
源回路9から非常用母線7と、母線連絡回路11を経由し
て共通母線4に電力を供給する、矢印で示す非常用電力
供給ルート18が形成される。この際に、前記共通母線4
と非常用母線7とを連結して、互いに電力の授受を行う
のが前記母線連絡回路11である。
【0011】ここで、共通母線4に接続された電動機6
a付近の電動機回路5で地絡が発生した場合には、即座
に地絡方向継電器16aが動作するが、通常は、この時に
同時に共通母線4で、計器用変圧器13aに設置された地
絡過電圧継電器14aも動作する。
【0012】本来、地絡過電圧継電器14a,14bの役割
は、地絡事故発生点の方向を検出するものであり、従っ
て、軽微な事象であってもその検出が可能である。その
後に地絡状態が継続し、これが波及して過電流になると
地絡過電流継電器15aが動作する。このために、前記電
動機6aが接続されている電動機回路5で発生した地絡
については、たとえ瞬時であっても、地絡方向継電器16
aが動作するため、地絡範囲として電動機回路5の遮断
器3b〜電動機6a間を特定できるようになる。
【0013】しかしながら運転員は、地絡警報によっ
て、どこの母線で地絡が起こったかを認識できるのみで
あるため、どこの継電器が動作したかは現場において当
該継電器の動作状況から確認することになる。さらに、
その後のおける地絡箇所の調査は、当該所内配電回路を
隔離する遮断器などを遮断することにより停電させ、母
線より切り離してから実施される。
【0014】また、前記低起動変圧器1やディーゼル発
電機10などの電力を供給する電源側の機器については、
地絡および短絡事故時の他回路への影響を考慮して、保
護方式として優れた電流差動継電器12a,12bが用いら
れている。なお、前記電流差動継電器12a,12bおよび
地絡方向継電器16a,16bにおける監視が行われない回
路において地絡事故が発生した場合には、地絡過電圧継
電器14a,14bの動作による情報しか得ることができな
い。
【0015】このため、この母線地絡の情報だけでは、
同一母線あるいは母線連絡回路11によって連結される母
線における事故発生であることまでは特定できるが、地
絡回路の特定は極めて困難であった。従って、電動機6
a,6bなどの機器を含む回路で地絡状態が継続してい
れば、この地絡が検出された範囲の回路を順次母線から
切り離して、前記地絡過電圧継電器14a,14bにおける
地絡検出動作が解除されるまで繰り返すことで、地絡回
路を特定する方法が採られていた。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】共通母線4と非常用母
線7を連絡する母線連絡回路11内では、1線地絡事故が
発生した場合に、この母線連絡回路11と接続された、た
とえば共通母線4における母線監視用の地絡過電圧継電
器14aが動作する。しかし、この際には当該母線連絡回
路11と連絡されている非常用母線7に設置された、地絡
過電圧継電器14bも動作する可能性があり、このことか
ら、地絡回路の特定をすることが単純にはできない。
【0017】従って、地絡箇所を特定するためには、関
連すると思われる複数の母線や回路を隣接する母線およ
び回路から切り離して停電させるか、または、図示しな
い他の母線連絡回路から電力を供給させるような措置が
必要となる。このために、これらの確認作業は広範囲に
わたり、運転員の負担が増大すると共に、発電所内の他
の設備の運転や作業への影響も考慮する必要が生じる。
【0018】また地絡事故時には、当該回路の地絡方向
継電器16a,16bおよび当該母線の地絡過電圧継電器14
a,14bが初期段階に動作し、地絡発生およびその方向
を知らす。これにより、地絡事故が発生した際には、地
絡方向継電器16a,16bが動作しない限り、地絡箇所の
特定は非常に難しくなる。従って、前記地絡方向継電器
16a,16bが設置されてない、母線連絡回路11などは地
絡箇所の検出が非常に難しくなっていた。
【0019】上記のように、母線連絡回路11における地
絡検出は、地絡過電流継電器15a〜15dと地絡過電圧継
電器14a,14bといった方向性を持たない継電器によっ
てしか得ることができないため、この地絡過電圧継電器
14a,14bの検出範囲に満たないような軽微な瞬時地絡
が発生した場合は、この地絡検出がほとんど不可能とな
る。
【0020】もしもその後に、この地絡現象が継続的に
頻発することにより地絡検出が可能であるが、初期段階
にて検出することが困難なことから、この地絡発生につ
いて早期に対応することができないことになる。
【0021】また、前記地絡の早期検出に係り、地絡警
報発生時には母線回路単位での警報しか発生しないた
め、運転員はどこの継電器が動作したか、現場において
継電器の動作状況から初めて確認することになる。この
ために、地絡が何らかの作業によって引き起こされたも
のかどうかは即座に判断することができず、一次対応が
遅れる不具合が生じ易い。
【0022】本発明の目的とするところは、母線連絡回
路に地絡方向継電器を設置すると共に、他の配電回路の
保護継電器の検出信号との組み合わせによる地絡検出判
定パターンにより、母線連絡回路を含む配電回路の地絡
回路を特定する所内配電回路の地絡検出方法および地絡
検出装置を提供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
請求項1の発明に係る所内配電回路の地絡検出方法は、
異なる電力供給源による電源母線を互いに連絡する母線
連絡回路を備えた所内電源系統において、前記母線連絡
回路における保護継電器による地絡方向の検出信号と、
この母線連絡回路を含む前記電源母線と接続した各所内
配電回路における保護継電器による地絡あるいは地絡方
向の検出信号から、予め設定した地絡検出判定パターン
により所内電源系統における地絡回路を特定することを
特徴とする。
【0024】異なる電力供給源による電源母線を互いに
連絡する母線連絡回路と、前記電源母線と接続した各所
内配電回路に設置した各保護継電器が、地絡検出により
出力する検出信号と、それらの組み合わせから地絡検出
判定パターンにおいて地絡回路を特定する。
【0025】請求項2の発明に係る所内配電回路の地絡
検出装置は、異なる電力供給源による電源母線を備えた
所内電源系統における複数の電源回路に設置した電流差
動継電器と、前記の電源回路に接続した電源母線を互い
に連絡する母線連絡回路のそれぞれ前記電源母線寄りに
設置した地絡方向継電器と、前記両方の電源回路あるい
は電源回路に接続された電源母線と接続された機器など
の配電回路に設置した地絡方向継電器と、前記各電流差
動継電器および地絡方向継電器の検出信号を入力して地
絡回路の特定をする判定手段とからなることを特徴とす
る。
【0026】所内電源系統における地絡発生時に、各電
源母線に設置した地絡過電圧継電器は、所内電源系統の
地絡を検出する。また、通常運転時や低起動変圧器から
の受電時と、停電時などで非常用電源であるディーゼル
発電機からの受電時、さらに、両方が混在するディーゼ
ル発電機のサーベイランステスト時においても、各配電
回路に設置した電流差動継電器と地絡方向継電器は、地
絡を検出するとそれぞれ検出信号を出力する。
【0027】これら検出信号から判定手段においては地
絡の回路を判定して、当該地絡回路を特定した信号を出
力するので、地絡回路を容易に知ることができる。な
お、異なる電力供給源による電源母線を連絡する母線連
絡回路については、地絡発生に際して地絡点に流入する
地絡電流の方向が、電力供給ルートにより相違するが、
母線連絡回路のそれぞれ電源母線寄りに設置した地絡方
向継電器により容易に検出して地絡の判別ができる。
【0028】請求項3の発明に係る所内配電回路の地絡
検出装置は、請求項2において、判定手段が、前記各電
流差動継電器および地絡方向継電器の検出信号、あるい
は前記複数の検出信号の組み合わせによる地絡検出判定
パターンの論理回路から地絡回路を特定した信号を出力
することを特徴とする。
【0029】判定手段は所内電源系統における地絡発生
に際して、地絡検出により出力される電流差動継電器お
よび地絡方向継電器の検出信号を入力し、論理回路によ
る地絡検出判定パターンから、母線連絡回路および各種
機器を含む配電回路についての地絡を判定すると共に、
この地絡回路を特定した信号を出力する。
【0030】請求項4の発明に係る所内配電回路の地絡
検出装置は、請求項2又は請求項3において、判定手段
が出力する地絡回路を特定した信号を入力して、当該地
絡回路を特定した通報をする報知手段を設けたことを特
徴とする。報知手段は、判定手段が出力する地絡回路を
特定した信号に対応して、表示灯やブザなどにより運転
員に容易に地絡の発生回路を通報する。
【0031】
【発明の実施の形態】本発明の一実施の形態について図
面を参照して説明する。なお、上記した従来技術と同じ
構成部分については、同一符号を付して詳細な説明は省
略する。図1の系統構成図に示すように、外部電源から
電力を受ける低起動変圧器1と変圧器回路2は遮断器3
aを介して、図示しない所内電源と接続が可能な共通母
線4に接続されていて、この共通母線4には遮断器3b
を介して電動機回路5に、負荷としての電動機6aが接
続されている。
【0032】また、非常用母線7には、遮断器3cを介
して非常用電動機回路8に負荷である非常用電動機6b
と、遮断器3dを介して非常用電源回路9に非常用電源
であるディーゼル発電機10が接続されている。
【0033】さらに、前記共通母線4と非常用母線7と
は、共通母線側の遮断器3eと非常用母線側の遮断器3
fを備えた母線連絡回路11により接続されているが、こ
れら電動機6a,6bなどの機器を含む所内配電回路の
各部には、事故発生に際して当該配電回路の損傷低減
と、配電系統の安定運転継続のために、事故発生回路を
迅速に検出して隔離保護する目的で、前記遮断器3a〜
3fと共に、各種の保護継電器が設置されている。
【0034】前記低起動変圧器1の下流側で変圧器回路
2には電流差動継電器12aが、また前記共通母線4に
は、計器用変圧器13aおよび地絡過電圧継電器14aと、
電動機6aが接続されている電動機回路5には、地絡過
電流継電器15aおよび地絡方向継電器16aを設置してい
る。
【0035】また前記非常用母線7には、計器用変圧器
13bおよび地絡過電圧継電器14bと、非常用電動機5b
が接続されている非常用電動機回路8には、地絡過電流
継電器15bおよび地絡方向継電器16bが設置され、非常
用母線7に接続された非常用電源であるディーゼル発電
機10の非常用電源回路9には、前記ディーゼル発電機10
を挟んで電流差動継電器12bが設置されている。
【0036】前記母線連絡回路11においては、共通母線
4寄りに地絡過電流継電器15cと、零相変流器19aに接
続した地絡方向継電器16cが、また、非常用母線7寄り
には地絡過電流継電器15dと共に、零相変流器19bに接
続した地絡方向継電器16dが設置されている。なお、前
記共通母線4側の地絡方向継電器16a,16cは、前記計
器用変圧器13aの3次側と接続しており、非常用母線7
側の地絡方向継電器16b,16dは、前記計器用変圧器13
bの3次側と接続している。
【0037】また、前記地絡方向継電器16a〜16dは、
いずれも設置位置の下流方向で発生した地絡を検出す
る。従って、地絡方向継電器16cは母線連絡回路11と共
に非常用母線7方向を、地絡方向継電器16dは母線連絡
回路11と共に共通母線7方向の監視を行う。
【0038】さらに、前記電流差動継電器12a,12bお
よび地絡方向継電器16a〜16dは、各検出信号を入力し
て地絡回路を特定する論理回路の判定手段20に接続し、
この判定手段20には、判定結果から特定した地絡回路を
表示灯やブザーなどで運転員に報知する故障表示器など
の報知手段21を接続して構成する。なお、前記報知手段
21は、たとえば中央制御室などに設置する(請求項1,
2,4)。
【0039】また、前記判定手段20の論理回路は、図2
の論理回路図に示すように、入力された保護継電器であ
る地絡方向継電器16a〜16dおよび電流差動継電器12
a,12bの検出信号と、この組み合わせに応じて、母線
連絡回路11と電動機回路5、非常用電動機回路8と変圧
器回路2、および非常用電源回路9について、地絡回路
を特定する判定を行うように構成されている(請求項
3)。
【0040】次に、上記構成による作用について説明す
る。上記図1に示す原子力発電所の所内電源系統におい
ては、原子力発電所の運転休止時や起動時などで所内電
力の供給がない場合に、前記低起動変圧器1から変圧器
回路2と共通母線4、および母線連絡回路11を経由して
非常用母線7を充電する常用電力供給ルート17があり、
このような外部電源からの受電時をケース1とする。
【0041】また、原子力発電所が運転中で前記共通母
線4に、図示しない内部電源から電力が供給されている
場合、あるいは、前記低起動変圧器1による外部電源か
ら電力が供給されている場合に、内部電源あるいは外部
電源が停電などで喪失すると、前記常用電力供給ルート
17からの電力供給が困難となる。
【0042】この場合には、所内の非常用電源である非
常用のディーゼル発電機10を運転して、非常用電源回路
9から非常用母線7と、母線連絡回路11を経由して共通
母線4に対し、矢印で示す非常用電力供給ルート18を形
成して電力を供給するが、このような常用電源喪失に際
して非常用電源からの受電時をケース2とする。
【0043】さらに、前記非常用電源がディーゼル発電
機10の場合には、サーベイランステストのために、通常
運転時に内部電源と同期をとりながらディーゼル発電機
10を運転することがある。これにより、共通母線4に対
して図示しない内部電源から電力を供給する前記常用電
力供給ルート17と、非常用のディーゼル発電機10から共
通母線4に対して電力を供給する非常用電力供給ルート
18が混在する状態となり、このようなディーゼル発電機
10の並列運転時をケース3とする。
【0044】所内電源系統の各部に設置した保護継電器
は、それぞれ母線回路である共通母線4や非常用母線
7、および負荷である電動機6a,6bなどの機器を含
む所内配電回路における地絡電流などの監視を行い、設
置値を越えた場合に動作して地絡の検出信号を発する。
【0045】従って、所内配電回路における共通母線4
や非常用母線7などの母線全体の監視としては、前記地
絡過電圧継電器14a,14bにより、その他の負荷などと
その回路については、地絡過電流継電器15a〜15dおよ
び地絡方向継電器16a〜16dによると共に、さらに遮断
器3a〜3fによる地絡保護回路が形成される。
【0046】前記共通母線4の地絡過電圧継電器14aと
非常用母線7の地絡過電圧継電器14bは、母線回路全体
における地絡を検出する。前記変圧器回路2の電流差動
継電器12aと、非常用電源回路9の電流差動継電器12
b、および電動機回路5の地絡方向継電器16aと非常用
電動機回路8の地絡方向継電器16b、さらに前記母線連
絡回路11の地絡方向継電器16c,16dは、地絡を検出す
ると検出信号を判定手段20に対して出力する。
【0047】これにより、判定手段20では備えた判定要
素の論理回路により、地絡が発生した回路特定の判定を
行い、その結果の出力を中央制御室などに設置した、た
とえば故障表示器などの報知手段21より運転員に通報す
る。従って、運転員は地絡を検出して動作した継電器の
現場確認と、関連所内電源回路の切り離しおよび電源接
続の繰り返しによる確認調査が不要となり、中央制御室
などにおいて報知手段21による表示によって、容易に地
絡回路を認識することが可能となる。
【0048】また必要に応じて、前記判定手段20におい
て判定された地絡回路と最近設置の遮断器を遮断し、当
該地絡回路を他の健全な所内電源回路から隔離したり、
この地絡回路を迂回した配電経路を構築することによ
り、機器を含む地絡回路と共に所内電源回路を保護し
て、原子力発電所の運転継続に対する支障を極力最小と
して、当該地絡の調査や修復作業を安全で速やかに実施
することができる。
【0049】前記報知手段21における地絡回路の判定例
を、図3の地絡検出判定パターン図により、上記3つの
ケースについて説明する。なお、図3中の−は正常時で
継電器の不動作を、×は継電器の動作を示し、*は地絡
状態や地絡電流の程度などから継電器が動作する場合が
あることを示す。
【0050】地絡保護継電器の動作が確認された際の地
絡箇所の特定方法として、次の3つが考えられる。 1.1つの地絡方向継電器が動作した場合は、地絡検出
した継電器が設置されている分岐回路内の地絡と判断す
ることができる。
【0051】2.2つ以上の地絡方向継電器が動作した
場合は、同時に2つ以上の地絡方向継電器が動作した場
合においては、全く同時に複数箇所で地絡が発生した
か、あるいは、ある1箇所の地絡で地絡電流の流入によ
り、そのルートに存在する母線連絡回路の地絡方向継電
器が動作したことが考えられる。
【0052】しかしながら、全く同時に複数箇所で異な
る地絡が発生することは考え難いことから、複数の地絡
方向継電器の動作が認められた場合には、電源元から地
絡点までの距離が最長距離の継電器が当該保護回路の地
絡検出を行っており、その他の母線連絡回路で動作して
いる地絡方向継電器は、電源元から地絡点へ流入する電
流を検出したものと考えられることから、除外すること
により地絡点を容易に判定することができる。
【0053】3.地絡方向継電器の動作がなく、地絡過
電圧継電器のみ動作した場合は、負荷へ接続される分岐
回路内では異常が起こっていないものと判断できるた
め、母線本体での地絡との判断をすることができる。
【0054】以上のことから図3の中で太枠内は、従来
は地絡方向継電器が設置されてないことから検出ができ
ず、母線本体の地絡であるか、母線連絡回路における地
絡であるかなどは、地絡の発生時点で判断することがで
きなかったため、地絡点の特定に混乱を招く状態であっ
たが、本発明によれば地絡検出と共に地絡点の判定が迅
速で容易に行われる。
【0055】ケース1は、外部電源からの受電時で、図
3(a)に地絡検出判定パターンを示す。前記常用電力
供給ルート17により所内受電が行われ、この時に、低起
動変圧器1以降の下流側において地絡が発生すると、低
起動変圧器1から地絡点へ向かって地絡電流が流れる。
【0056】一例を示すと、前記共通母線4に設置した
地絡過電圧継電器14aと、母線連絡回路11の共通母線4
寄りに設置した、地絡方向継電器16cが動作したことに
より、共通母線4の分岐回路のなかでも母線連絡回路11
以降における地絡であることの判定をする。
【0057】またこの時に、前記母線連絡回路11によっ
て連結される非常用母線7の分岐回路で、非常用電動機
回路8の地絡方向継電器16bにおいては、地絡検出がさ
れないことの確認により、初めて母線連絡回路11におけ
る地絡であることの判定をする。
【0058】しかしながら、前記地絡方向継電器16cの
動作と共に、前記非常用母線7の分岐回路で、非常用電
動機回路8に設置された地絡方向継電器16bも動作した
場合には、前記非常用母線7に設置された地絡過電圧継
電器14bも動作するが、非常用電動機6bを含む非常用
電動機回路8における地絡であると判定する。
【0059】ケース2は、常用電源が喪失した際の非常
用電源であるディーゼル発電機10からの受電時で、図3
(b)に地絡検出判定パターンを示す。外部電源喪失時
にはディーゼル発電機10が自動起動して所内電力を補う
が、このために、前記常用電力供給ルート17とは逆方向
で、ディーゼル発電機10の接続された非常用電源回路9
から非常用母線7と、母線連絡回路11を経由して共通母
線4に対して電力を供給する、非常用電力供給ルート18
により所内受電が行われる。
【0060】一例を示すと、前記非常用母線7に設置さ
れた地絡過電圧継電器14bと共に、母線連絡回路11の非
常用母線7寄りに設置した、地絡方向継電器16dが動作
したことにより、非常用母線7の分岐回路のなかでも母
線連絡回路11以降における地絡であるとが判定する。ま
たこの時に、前記母線連絡回路11によって連結された共
通母線4の分岐回路で、電動機回路5の地絡方向継電器
16aにおいて、同様な地絡検出がされないことの確認に
より、初めて母線連絡回路11における地絡であると判定
される。
【0061】しかしながら、この時に前記共通母線4の
分岐回路で、電動機回路5に設置された地絡方向継電器
16aも動作した場合には、電動機6aを含む電動機回路
5における地絡であると判定することができる。なお、
この場合には、前記ケース1の場合と同様に、母線連絡
回路11は地絡判定から除外できる。
【0062】ケース3は、ディーゼル発電機10の並列運
転時で、図3(c)に地絡検出判定パターンを示す。所
内配電系統における非常用電源としてディーゼル発電機
10を設置した場合には、緊急時に支障なくディーゼル発
電機10の運転が行えるように、適時にサーベイランステ
ストを実施して確認をする。
【0063】しかし、この時には通常運転中にディーゼ
ル発電機10を起動して、内部電源などと同期をとりなが
ら並列運転を実施することから、所内配電系統における
電力供給は、前記常用電力供給ルート17と非常用電力供
給ルート18とが混在することになる。従って、ディーゼ
ル発電機10の並列運転時には、前記母線連絡回路11に流
れる電力の方向が、負荷などの運転状態により変わるこ
とから、この時は常用電力供給ルート17あるいは非常用
電力供給ルート18の特定ができない。
【0064】このために、母線連絡回路11において地絡
が発生すると、地絡電流がどのように地絡点に流れるか
の確認と、地絡箇所の特定が困難であった。しかしなが
ら、前記地絡方向継電器16c,16dにより、母線連絡回
路11に対する監視が、共通母線4側と非常用母線7側の
どちらに流れる地絡電流でも検出できる。
【0065】一例を示すと、共通母線4に設置された地
絡過電圧継電器14aと共に、共通母線4寄りに設置した
地絡方向継電器16c、あるいは非常用母線7に設置され
た地絡過電圧継電器14bと共に、非常用母線7寄りに設
置した地絡方向継電器16dのいずれかの動作により、母
線連絡回路11に地絡が発生したものと判定する。
【0066】しかし、これら母線連絡回路11監視用の地
絡方向継電器16cあるいは、地絡方向継電器16dの動作
と同時に、電動機回路5の地絡方向継電器16aが動作し
ていれば、母線連絡回路11における地絡ではなく、電動
機6aを含む電動機回路5のにおける地絡であると判定
できる。
【0067】
【発明の効果】以上本発明によれば、発電プラントなど
で所内電源系統における地絡検出と地絡回路の特定がで
きると共に、特に両方向から電力が供給される母線連絡
回路における瞬時地絡についても、地絡検出と地絡回路
の判定が容易に行える。これにより、地絡発生に際して
迅速に運転員に対する地絡箇所を特定した通報が行われ
ることから、運転員による現場などに対する調査作業の
負担が軽減し、迅速な地絡状態の把握により早期の復旧
対応が可能となることから所内電源系統と共に、プラン
ト運転の信頼性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る一実施の形態の所内配電回路の地
絡検出装置の系統構成図。
【図2】本発明に係る一実施の形態の地絡回路判定の論
理回路図。
【図3】本発明に係る一実施の形態の地絡検出判定パタ
ーン図で、(a)はケース1、(b)はケース2、
(c)はケース3を示す。
【図4】従来の地絡検出装置の系統構成図。
【符号の説明】 1…低起動変圧器、2…変圧器回路、3a〜3f…遮断
器、4…共通母線、5…電動機回路、6a…電動機、6
b…非常用電動機、7…非常用母線、8…非常用電動機
回路、9…非常用電源回路、10…ディーゼル発電機、11
…母線連絡回路、12a,12b…電流差動継電器、13a,
13b…計器用変圧器、14a,14b…地絡過電圧継電器、
15a,15b…地絡過電流継電器、16a〜16d…地絡方向
継電器、17…常用電力供給ルート(矢印)、18…非常用
電力供給ルート(矢印)、19a,19b…零相変流器、20
…判定手段、21…報知手段。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 異なる電力供給源による電源母線を互い
    に連絡する母線連絡回路を備えた所内電源系統におい
    て、前記母線連絡回路における保護継電器による地絡方
    向の検出信号と、この母線連絡回路を含む前記電源母線
    と接続した各所内配電回路における保護継電器による地
    絡あるいは地絡方向の検出信号から、予め設定した地絡
    検出判定パターンにより所内電源系統における地絡回路
    を特定することを特徴とする所内配電回路の地絡検出方
    法。
  2. 【請求項2】 異なる電力供給源による電源母線を備え
    た所内電源系統における複数の電源回路に設置した電流
    差動継電器と、前記の電源回路に接続した電源母線を互
    いに連絡する母線連絡回路のそれぞれ前記電源母線寄り
    に設置した地絡方向継電器と、前記両方の電源回路ある
    いは電源回路に接続された電源母線と接続された機器な
    どの配電回路に設置した地絡方向継電器と、前記各電流
    差動継電器および地絡方向継電器の検出信号を入力して
    地絡回路の特定をする判定手段とからなることを特徴と
    する所内配電回路の地絡検出装置。
  3. 【請求項3】 前記判定手段が、前記各電流差動継電器
    および地絡方向継電器の検出信号、あるいは前記複数の
    検出信号の組み合わせによる地絡検出判定パターンの論
    理回路から地絡回路を特定した信号を出力することを特
    徴とする請求項2記載の所内配電回路の地絡検出装置。
  4. 【請求項4】 前記判定手段が出力する地絡回路を特定
    した信号を入力して、当該地絡回路を特定した通報をす
    る報知手段を設けたことを特徴とする請求項2又は請求
    項3記載の所内配電回路の地絡検出装置。
JP4151098A 1998-02-24 1998-02-24 所内配電回路の地絡検出方法および地絡検出装置 Pending JPH11243637A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4151098A JPH11243637A (ja) 1998-02-24 1998-02-24 所内配電回路の地絡検出方法および地絡検出装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4151098A JPH11243637A (ja) 1998-02-24 1998-02-24 所内配電回路の地絡検出方法および地絡検出装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11243637A true JPH11243637A (ja) 1999-09-07

Family

ID=12610379

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4151098A Pending JPH11243637A (ja) 1998-02-24 1998-02-24 所内配電回路の地絡検出方法および地絡検出装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11243637A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011061903A (ja) * 2009-09-07 2011-03-24 Toshiba Corp 受変電設備の地絡保護システム

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011061903A (ja) * 2009-09-07 2011-03-24 Toshiba Corp 受変電設備の地絡保護システム

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101717775B1 (ko) 지능형 사전 신호분석을 통한 전기화재 분석 및 예측 시스템
WO2018131797A1 (ko) 배전계통 전원선로 고장시 실시간 탐지/복구시스템 및 그 공사방법
KR100714998B1 (ko) 아크 검출을 이용한 전기 화재 예방 시스템
WO1999059231A1 (en) Self-sourcing, isolated zone selective interlocking system for use with electronic trip circuit breakers
Smallwood et al. Expansion of distribution automation with communicating faulted circuit indicators
KR102579941B1 (ko) 스마트 파력원격제어기를 이용하여 원격에서 결상위치 검출 및 차단이 용이한 전력설비 보호용 수배전반
JP2004053554A (ja) 配電線断線検出システム
JPH11243637A (ja) 所内配電回路の地絡検出方法および地絡検出装置
CN105515166B (zh) 智能变电站双母线接线方式110千伏系统母线合并单元可倒闸检修的电压配置方案
JP2013156103A (ja) 配電線監視制御システムおよび配電線監視制御方法
KR101020038B1 (ko) 전기적 이상상태 감지기능을 구비한 모터 제어반
KR101227990B1 (ko) 전류 감시 장치를 구비한 배선용 차단기
Thompson The power of modern relays enables fundamental changes in protection and control system design
JPH0847165A (ja) 電線路における双方向保護継電方式及び双方向保護距離継電器
WO2023135968A1 (ja) プラント監視システム及びプラント監視装置
JP2020148748A (ja) 原子力発電所の非常用電源設備およびその制御方法、制御装置
JP3684292B2 (ja) 電力系統制御装置
JP2971410B2 (ja) 変電設備の故障位置検出装置
JPH08251841A (ja) 原子力発電所の非常用電源融通装置
JP2724836B2 (ja) 送電路における障害区間検知方法
JP3614317B2 (ja) 高圧受電設備の地絡の検知方法および検知装置
JP2008278662A (ja) 母線保護継電装置
JP3494792B2 (ja) 電気所設備の自動復旧装置
Thompson Integrated Protection and Control Systems with Continuous Self-Testing
JP2009055763A (ja) ネットワーク送電保護装置