JP2009055763A - ネットワーク送電保護装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ループ状に接続された送電線に事故が生じた場合、該当送電線を確実に保護すると共に、停電範囲を最小限に留めることができるネットワーク送電保護装置を提供する。
【解決手段】複数の電気所11,12,13,14を、送電線41,42,43,44によりそれぞれ接続してループ状に構成した送電系統を保護する装置で、一つの電気所に演算局21を設け、残りの電気所に端末局22,23,24を設け、これらによって各送電線の両端の電気量情報を測定し、これらの情報から演算局21により送電線別に故障の有無を検出し、有りの場合は故障区間両端の遮断器を遮断させる。いずれかの端末局の異常が検出されると、異常端末局を擁する電気所に接続された複数の送電線を直列な一つの区間として、該当区間の故障の有無を判定し、検出された場合は、この拡張された区間両端の遮断器を開く。
【選択図】図1

Description

本発明は、電源系統に接続された電気所を含む複数の電気所を、両端に遮断器を設けた送電線によりそれぞれ接続してループ状に構成した送電系統を保護するネットワーク送電保護装置に関する。
一般に、送電系統では、短絡や地絡などの事故が生じた場合、その事故の位置や種類などを識別して遮断器を動作させる保護継電器によって保護されている。従来の送電線保護方式は、送電線毎に分離独立して保護を行うものである。これに対し、近年、電源と遮断器とを備えた電気所を複数配置して、これらを送電線によりループ状に結合してなる、ループ系統の送電システムが実施されるようになった(例えば、特許文献1参照)。
図1は、このようなループ状の送電系統における保護装置の構成を示す。図1は、電気所を4箇所とした場合の構成図である。
図1において、送電系統は4箇所の電気所11〜14とこれら電気所間を接続する送電線41〜44で構成される。4箇所の電気所11〜14のうち、電気所11は電源系統71に接続され、他の電気所12,13,14は図示していないが負荷系統に接続されているものとする。これら複数の電気所11〜14間を接続してループ状に構成する送電線41〜44は、それぞれ両端に遮断器31及び31a,32及び32a,33及び33a,34及び34aを設けている。
また、前記複数の電気所11〜14のうち、一つの電気所11には演算局21が設けられ、残りの電気所12,13,14にはそれぞれ端末局22,23,24が設けられている。これら演算局21及び複数の端末局22,23,24相互間は、通信線61,62,63,64を含む通信手段により情報の授受が可能であり、全体として1組の保護系60を構成している。
前記各送電線41,42,43,44の両端には、図示しない計測手段の入力用として、変流器51及び51a,52及び52a,53及び53a,54及び54aがそれぞれ設けられ、対応する送電線に流れる電気量を個別に抽出する。なお、計測手段は、各電気所11,12,13,14に設けられた演算局21又は端末局22,23,24内に構成されている。
上記構成において、電気所11に接続された送電線41,44を流れる電気量は演算局21の計測手段により測定され、電気所12に接続された送電線41,42を流れる電気量は端末局22の計測手段により測定され、電気所13に接続された送電線42,43を流れる電気量は端末局23の計測手段により測定され、電気所14に接続された送電線43,44を流れる電気量は端末局24の計測手段により測定される。これら端末局22〜24によって測定された電気量情報は、搬送ネットワーク通信線61〜64を介して演算局21に送信される。
演算局21は、各端末局22,23,24から受信した各送電線の電気量情報を基に、各送電線両端の差電流比率を求めて送電線別に事故の有無を検出する。そして、事故が発生した場合、事故が発生した故障区間両端の遮断器に対する遮断指令を、各電気所11〜14の図示しない遮断制御回路に、自局21又は他の端末局22,23,24を介して出力する。例えば、図1において演算局21が送電線41の事故を検出した場合、演算局21は、自局21から送電線41の一端遮断器31に対する故障遮断指令を出力すると共に、搬送ネットワーク通信線61を介して端末局22へ、送電線41の他端遮断器31aに対する故障遮断指令を送信する。演算局21の遮断制御回路は自局による故障遮断指令により一端遮断器31を開放動作させる。また、端末局22は、演算局21から受信した故障遮断指令により、その遮断制御回路は遮断器31aへ開放指令を出力する。以上により、故障区間である送電線41の両端の遮断器31,31aが開放され、送電線41は保護される。
また、送電線42に事故が生じた場合は、演算局21は、端末局22,23から送られてきた送電線42の両端の電気量情報に基づいて送電線42に事故が発生したことを検出する。そして、送電線42の両端に設けられた遮断器32,32aを開放すべく、搬送ネットワーク通信線61,62を介して対応する端末局22,23へ遮断器32,32aの故障遮断指令を送信する。端末局22,23は、演算局21から受信した故障遮断指令により遮断器32,32aへ開放指令を出力する。以上により、故障区間である送電線42の両端の遮断器32,32aが開放され、送電線42は保護される。
上記動作は他の送電線43,44についても同様である。すなわち、送電線43の事故については送電線42の事故が対応し、送電線44の事故については送電線41での事故が対応し、それぞれ対応する送電線41,42の事故での説明と同じ動作をする。
特開平9−233674号公報
このように演算局21は、各端末局22,23,24からの情報を入手して送電線41〜44で発生した事故を検出し、この事故が発生した故障区間を切り離して健全区間への通電を維持する。
しかし、端末局22,23,24のいずれか一つ又は複数に異常が発生すると、演算局21には異常となった端末局(例えば、22とする)からの情報が入手されなくなる。すなわち、端末局22では、電気所12に接続された送電線41,42に流れる電気量を測定できないので、演算局21は、送電線41又は42に事故が生じてもこの事故を検出することができない。このため、演算局21からの指令により電気所12において遮断器31a、32を遮断させることができず、故障区間を解列することができない。この場合、ループ状に接続された送電線41〜44全体を保護する図示しない保護装置が動作し、電源系統71に最も近い遮断器31,34aを開放させ、ループ状に接続された送電線41〜44全体を保護している。
このように、端末局22,23,24のいずれかが異常になると、健全区間を含めたループ状の送電線41〜44全体が切り離されてしまうため、停電範囲が拡大してしまう。
本発明の目的は、ループ状に接続された送電線に事故が生じた場合、該当送電線を確実に保護すると共に、停電範囲を最小限に留めることができるネットワーク送電保護装置を提供することにある。
本発明のネットワーク送電保護装置は、電源系統に接続された電気所を含む複数の電気所を、両端に遮断器を設けた送電線によりそれぞれ接続してループ状に構成した送電系統を保護するネットワーク送電保護装置であって、前記各送電線の両端にそれぞれ設けられ、対応する送電線に流れる電気量を個別に計測する計測手段と、前記複数の電気所の一つに設けられた演算局、及び残りの電気所にそれぞれ設けられた端末局を有し、通信手段により前記演算局及び複数の端末局相互間で前記計測手段により計測された電気量情報を含む各種情報の授受が可能な保護系と、前記演算局及び各端末局に設けられ、それぞれ自己及び他局の異常有無を相互に監視する自己・相互監視手段と、前記電気所に、前記遮断器毎に設けられ、対応する遮断器を開動作させる遮断制御回路と、前記演算局に設けられ、前記計測手段により計測された各送電線の両端の電気量情報を収集し、これら送電線両端の電気量情報から送電線別に故障の有無を検出し、故障有りの場合、故障区間両端の遮断器を遮断させる遮断指令を各電気所の前記遮断制御回路に、自局又は他の端末局を介して出力する故障区間検知手段とを備え、この故障区間検知手段は、前記自己・相互監視手段がいずれかの端末局の異常を検出すると、検出された異常端末局を擁する電気所に接続された複数の送電線を直列な一つの区間として、その区間の両端電気量に基づいて該当区間の故障の有無を判定する区間拡張検知機能を有することを特徴とする。
また、本発明では、各電気所に2組の演算局または端末局を設けて保護系を2組構成し、これら保護系に対応してそれぞれ故障検知手段を設け、各電気所の遮断制御回路は、自電気所に設けられた2組の保護系から出力される遮断指令の論理積を取って対応する遮断器を開動作させ、かつ前記遮断指令に対するバイパス回路をそれぞれ有し、前記自己・相互監視手段により自電気所に設けられた2組の保護系のいずれか一方の異常が検出されたときは、異常保護系による遮断指令をバイパスさせ、自電気所に設けられた2組の保護系がそれぞれ異常の場合は、異常保護系による遮断指令のバイパスを行わないように構成してもよい。
本発明によれば、ループ状送電系統を構成する各電気所の端末局のいずれかが異常となっても、故障区間を拡大して検出することにより、対応する電気所に接続された送電線を確実に保護でき、しかも停電区間を最小限に留めることができる。
以下、本発明によるネットワーク送電保護装置の一実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。
保護対象となるループ状の送電系統は図1で示したものと基本的に同じであり、4つの電気所11〜14とその電気所間を接続する送電線41〜44で構成される。4つの電気所11〜14のうち、電気所11は電源系統71に接続され、他の電気所12,13,14は図示しない負荷系統に接続されているものとする。各送電線41〜44は、それぞれ両端に遮断器31及び31a,32及び32a,33及び33a,34及び34aを設けている。
また、一つの電気所11には演算局21が設けられ、残りの電気所12,13,14にはそれぞれ端末局22,23,24が設けられている。これら演算局21及び複数の端末局22,23,24相互間は、通信線61,62,63,64を含む通信手段により情報の授受が可能であり、全体として1組の保護系60を構成している。
前記各送電線41,42,43,44の両端には、変流器51及び51a,52及び52a,53及び53a,54及び54aを含む計測手段がそれぞれ設けられ、対応する送電線に流れる電気量を個別に計測する。
前記演算局21は、図2で示すように、前記計測手段101、故障区間検知手段102、通信手段103、自己・相互監視手段104を有する。また、端末局22,23,24は図3で示すように前記計測手段201、通信手段203、自己・相互監視手段204を有する。なお、図3は端末局22について示しているが、他の端末局23,24も内部構成は同じである。
演算局21の計測手段101は、電気所11に設けられた変流器51及び54aの2次回路に接続し、送電線41及び44の電気量を計測する。端末局22(23、24)の計測手段201は、電気所12(13,14)に設けられた変流器51a及び52(52a及び53、53a及び54)の2次回路に接続し、送電線41及び42(42及び43、43及び44)の電気量を計測する。各端末局22,23,24の計測手段201で計測された電流値はディジタル信号に変換され電気量情報となり、各端末局22,23,24の通信手段203から対応する通信線61,62,63,64を経て演算局21の通信手段103に送られ、故障区間検知手段102に入力される。また、演算局21の計測手段101で計測された電流値もディジタル信号に変換され電気量情報として故障区間検知手段102に入力される。
故障区間検知手段102は、計測手段101により計測された電気量情報、及び通信手段103により収集された各端末局22,23,24の計測手段201により計測された電気量情報を用いて各送電線41〜44の両端の差電流比率を求めて送電線別に事故の有無を検出する。すなわち、各送電線41〜44に事故がない場合は、それらの両端における電流計測値は同じ方向で互いにほぼ等しい値となる。しかし、送電線41〜44に事故が生じた場合、事故送電線の両端における電流は方向が互いに逆向き(内向き)となるため、事故送電線の両端における差電流比率が大きくなる。故障区間検知手段102は、送電線両端の差電流比率が閾値を越えれば、この送電線に事故が発生していると判断する。
故障区間検知手段102は、このような事故検知機能により事故の生じた送電線を検出すると、この事故の生じた故障区間両端の遮断器を遮断させるべく対応する遮断器を有する電気所の遮断制御回路106,206へ遮断指令を出力する。例えば、送電線41に事故が生じた場合、故障区間検知手段102は、故障区間である送電線41の両端の遮断器31,31aを遮断させるべく、これらが設置された電気所11及び12の遮断制御回路106,206へ遮断器31,31aに対する遮断指令を出力する。この場合、電気所12の遮断制御回路206へは、通信手段103、通信線61、端末局22の通信手段203を介して送信される。
この故障区間検知手段102は、前記自己・相互監視手段104,204、・・・が、端末局22,23,24のいずれかの異常を検出すると、検出された異常端末局(例えば、22とする)を擁する電気所(この場合12)に接続された複数の送電線41,43を直列な一つの区間として、その区間の両端電気量に基づいて該当区間の故障の有無を判定する区間拡張検知機能を有する。
演算局21及び各端末局22〜24に設けられた自己・相互監視手段104,204は、自局が健全な状態か、或いは隣接する相手局が健全かを監視する機能を有する。すなわち、各局21,22,23,24は、異常が生じると動作する異常検出接点105,205,・・・を持っており、この接点105,205,・・・の状態を通信手段103,203,・・・を介して隣接する他局により監視し、各局が健全か否かを相互に監視している。各端末局22〜24から演算局21への異常検出情報は、図示しない遠方監視用の伝送線により伝送される。いずれにしても演算局21及び端末局22〜24を相互に監視し、異常の生じた局を特定する機能を有している。
上記構成において、端末局22,23,24がすべて正常な場合の送電線の保護動作は前述のとおりであり、説明は省略する。以下は、1つまたは、複数の端末局が異常となった場合の送電線の保護動作を説明する。
端末局22が異常となった場合、演算局21は、自己・相互監視手段104により端末局22の異常を検知する。また、端末局23も、その端末局の自己・相互監視手段204により端末局22の異常を検知し、演算局21へ搬送ネットワーク通信線63,64を介して端末局22の異常を送信する。
端末局23が異常となった場合は、端末局22が、その自己・相互監視手段204により端末局23の異常を検知し、演算局21へ搬送ネットワーク通信61を介して端末局23の異常を送信する。また、端末局24も、自己・相互監視手段204により端末局23の異常を検知し演算局21へ搬送ネットワーク通信線64を介して端末局23の異常を送信する。
さらに、端末局24が異常となった場合、演算局21は、自己・相互監視手段104により端末局24の異常を検知する。端末局23も、自己・相互監視手段204により端末局24の異常を検知し、演算局21へ搬送ネットワーク通信線61,62を介して端末局24の異常を送信する。
演算局21は、送電線41〜44のいずれかの区間において事故を検出した場合、端末局22〜24の異常状態に応じて表1に示すような故障検知を行い、故障検出区間両端(境界点)の端末局へ故障遮断指令を送信する。
Figure 2009055763
以下、表1を用いて端末局22〜24の異常発生と、それに伴う区間拡張機能による保護動作をパターン分けして説明する。
(パターン1)の端末局22〜24が全局正常の場合については、前述したとおりであり、事故が発生した送電線そのものを故障区間とし、その両端遮断器を故障遮断させる。
(パターン2)端末局22が異常の場合、送電線41または、送電線42に事故が発生すると、演算局21は、端末局23から送信される送電線42の電気量情報と、演算局21の自身が計測する送電線41の電気量情報を基に送電線41又は送電線42の事故を検出する。すなわち、送電線41及び送電線42による区間1及び区間2を事故検出対象区間として一体化して拡大する。そして、送電線41、送電線42のいずれか又は双方で事故が起こった場合は、拡大された故障区間1〜2の両端の遮断器31,32aを故障遮断させる。すなわち、電気所11では演算局21により遮断器31に対する遮断制御回路106に開放指令を出力し、電気所13の端末局23へ、遮断器32aを遮断させるべく、その遮断制御回路206へ開放指令を出力する。以上により、拡大故障区間1〜2の両端遮断器31,32aが開放され送電線41,42の保護を行う。
(パターン3)端末局23が異常の場合、送電線42または、送電線43に事故が発生すると演算局21は、端末局22,24から送信される送電線42,43の電気量情報を基に、送電線42〜送電線43の拡大された区間での事故を検出し、端末局22,24へ故障遮断指令を出力する。端末局22は、演算局21から受信した故障遮断指令により遮断器32へ開放指令を出力し、端末局24は、演算局21から受信した故障遮断指令により遮断器33aへ開放指令を出力する。以上により、拡大された故障区間2〜3の両端遮断器32,33aが開放され送電線42,43の保護を行う。
(パターン4)端末局24が異常の場合、送電線43または、送電線44に事故が発生すると演算局21は、端末局23から送信される送電線43の電気量情報と演算局21自身が計測する送電線44の電気量情報を基に、送電線43〜送電線44の拡大された区間3〜4での事故を検出する。その結果、遮断器34aの開放指令を出力すると共に、端末局23へ故障遮断指令を出力する。端末局23は、演算局21から受信した故障遮断指令により遮断器33へ開放指令を出力する。以上により、拡大された故障区間3〜4の両端遮断器33,34aが開放され送電線43,44の保護を行う。
(パターン5)端末局22,23が異常の場合、送電線41,42,43のいずれかに事故が発生すると、演算局21は、端末局24から送信される送電線43の電気量情報と演算局21の自身が計測する送電線41の電気量情報を基に、送電線41,42,43の拡大された区間での事故を検出する。その結果、遮断器31への開放指令を出力すると共に、端末局24へ故障遮断指令を出力する。端末局24は、演算局21から受信した故障遮断指令により遮断器33aへ開放指令を出力する。以上により、拡大された故障区間1〜3の両端遮断器31,33aが開放され送電線41,42,43の保護を行う。
(パターン6)端末局23,24が異常の場合、送電線42,43,44のいずれかに事故が発生すると、演算局21は、端末局22から送信される送電線42の電気量情報と演算局21の自身が計測する送電線44の電気量情報を基に送電線42,43,44の拡大された区間での事故を検出する。その結果、遮断器34aへの開放指令を出力すると共に、端末局22へ故障遮断指令を出力する。端末局22は、演算局21から受信した故障遮断指令により遮断器32へ開放指令を出力する。以上により、拡大された故障区間2〜4の両端遮断器32,34aが開放され送電線42,43,44の保護を行う。
(パターン7)端末局22,24が異常の場合、送電線41又は送電線42に事故が発生すると演算局21は、端末局23から送信される送電線42の電気量情報と演算局21自身が計測する送電線41の電気量情報を基に、送電線41,42の拡大された区間での事故を検出する。その結果、遮断器31への開放指令を出力し、端末局23へ故障遮断指令を出力する。端末局23は、演算局21から受信した故障遮断指令により遮断器32aへ開放指令を出力する。以上により、一方の拡大された故障区間1〜2の両端遮断器31,32aが開放され送電線41,42の保護を行う。さらに、送電線43又は送電線44に事故が発生すると、演算局21は、端末局23から送信される送電線43の電気量情報と演算局21自身が計測する送電線44の電気量情報を基に、送電線43,44の拡大された区間での事故を検出する。その結果、遮断器34aへの開放指令を出力すると共に、端末局23へ故障遮断指令を出力する。端末局23は、演算局21から受信した故障遮断指令により遮断器33へ開放指令を出力する。以上により、他方の拡大された故障区間3〜4の両端遮断器33,34aが開放され送電線43,44の保護を行う。
(パターン8)端末局22,23,24が全局異常の場合、送電線41〜送電線44のいずれかに事故が発生すると、演算局21は、自身が計測する送電線41,44の電気量情報を基に、送電線41〜送電線44の拡大された区間での事故を検出する。その結果、遮断器31,34aへ開放指令を出力する。以上により、拡大された故障区間1〜4の両端遮断器31,34aが開放され送電線41,42,43,44の保護を行う。
このように、1つ又は複数の端末局が異常となった場合においても、停電区間を最小限に留め、送電線の保護を継続することができる。
次に、図4で示す実施の形態を説明する。保護対象となるループ状の送電系統は図1で示したものと基本的に同じであり、4つの電気所11〜14とその電気所間を接続する送電線41〜44で構成される。4つの電気所11〜14のうち、電気所11は電源系統71に接続され、他の電気所12,13,14は図示しない負荷系統に接続されているものとする。各送電線41〜44は、それぞれ両端に遮断器31及び31a,32及び32a,33及び33a,34及び34aを設けている。
また、一つの電気所11には演算局21が設けられ、残りの電気所12,13,14にはそれぞれ端末局22,23,24が設けられている。これら演算局21及び複数の端末局22,23,24相互間は、通信線61,62,63,64を含む通信手段により情報の授受が可能であり、全体として1組の保護系60を構成している。
この実施の形態では同様の構成の保護系60aをもう一組設け、2組の保護系60,60aによりループ状の送電系を保護している。もう一つの保護系60aも、一つの電気所11に設けられ演算局21a、残りの電気所12,13,14に設けられた端末局22a,23a,24aを有し、これら演算局21a及び複数の端末局22a,23a,24a相互間は、通信線61a,62a,63a,64aを含む通信手段により情報の授受が可能に構成されている。
前記各送電線41,42,43,44の両端には、変流器51及び51a,52及び52a,53及び53a,54及び54aがそれぞれ設けられ、それらの2次回路は、もうひとつの保護系60aを構成する演算局21a及び複数の端末局22a,23a,24aの対応する計測手段にも接続している。
前記演算局21aは、図2で示した演算局21と同じ構成であり、計測手段101、故障区間検知手段102、通信手段103、自己・相互監視手段104を有する。また、端末局22a,23a,24aも、図3で示した端末局22,23,24と同じ構成であり、計測手段201、通信手段203、自己・相互監視手段204を有する。
各電気所11〜14には、そこに設置された遮断器を遮断させるための遮断制御回路がそれぞれ設けられるが、2組の保護系60,60aを設けたことから、これら遮断制御回路は、2組の保護系60,60aからの遮断指令1,2を、図7で示すように、アンド条件として遮断器3に遮断指令を与えるように構成している。例えば、電気所11については、一方の保護系60からの遮断指令1は、図5で示すように、自電気所11に設けられた演算局21から出力され、他方の保護系60aからの遮断指令2は、同じく自電気所11に設けられた演算局21aから出力され、これらが共にオンすることで遮断器3(電気所11の31又は34a)を開放させるように構成している。
これらアンド条件となる遮断指令1,2に対しては、図7で示すように、それぞれバイパス回路11,12を並列接続しており、自電気所11に設けられた演算局21が異常となった場合はバイパス回路11がオンになり,演算局21aが異常となった場合はバイパス回路12がオンになるように構成している。ただし、これらバイパス回路11,12は、両演算局21,21aが共に異常となった場合は、図示しないロック回路が働いていずれもオンせず、遮断指令1,2をバイパスしないように構成している。このため、どちらか一方のみが異常の場合、自局バイパス作用が働き、正常な装置のみで遮断器3へ開放指令を出力することができる。
これらの構成は、他の電気所12,13,14の遮断制御回路206についても同様であり、例えば、電気所12について見ると、一方の保護系60からの遮断指令1は、図6で示すように、自電気所12に設けられた端末局22から出力され、他方の保護系60aからの遮断指令2は、同じく自電気所12に設けられた端末局22aから出力され、これらが共にオンすることで遮断器3(電気所12の32又は31a)を開放させるように構成している。
これらアンド条件となる遮断指令1,2に対しては、図7で示したように、それぞれバイパス回路11,12を並列接続しており、自電気所12に設けられた端末局22が異常となった場合はバイパス回路11がオンになり,端末局22aが異常となった場合はバイパス回路12がオンになるように構成している。ただし、これらバイパス回路11,12は、両端末局22,22aが共に異常となった場合はいずれもオンせず、遮断指令1,2をバイパスしないように構成している。
この2組の保護系60,60aによるループ状送電系統の保護動作は基本的に同じであり、演算局21,21aは、送電線41〜44のいずれかの区間において事故を検出した場合、端末局22〜24又は端末局22a〜24aの異常状態に応じて表2に示すような事故検知を行い、故障検出区間両端遮断器を擁する端末局へ故障遮断指令を送信する。
Figure 2009055763
以下、表2を用いて端末局22〜24及び端末局22a〜24aの異常発生と、それに伴う区間拡張機能による保護動作をパターン分けして説明する。
表2に示すように端末局の異常状態は、64パターンとなる。これらのうち、(パターン1)の端末局22〜24及び22a〜24aが全局正常の場合について基本的な動作を説明し、その後、以下に記す代表的な6パターンを例にとって端末局に異常が生じた場合の保護動作を説明する。
(パターン2):全電気所に備えた二組の端末局の内、一組の1台のみが異常となった場合
(パターン16):全電気所に備えた二組の端末局の内、一組がすべて異常、もう一組の1台のみが異常の場合
(パターン28):全電気所に備えた二組の端末局の内、同一電気所の2台のみが異常の場合
(パターン35):全電気所に備えた二組の端末局の内、一組の1台、もう一組の1台のみが異常の場合
(パターン41):全電気所に備えた二組の端末局の内、一組の1台、もう一組の2台が異常の場合
(パターン59):全電気所に備えた二組の端末局の内、一組の2台、もう一組の2台が異常の場合
以下、上記各パターンについて詳細を説明する。
(パターン1)
演算局21,21aが送電線41〜44のいずれかで事故を検出した場合、演算局21は、事故発生区間に応じて搬送ネットワーク通信線61〜63を介して端末局22〜24へ事故遮断指令を送信する。演算局21aも、事故発生区間に応じて搬送ネットワーク通信線61a〜63aを介して端末局22a〜24aへ事故遮断指令を送信する。事故遮断指令を受信した二組の端末局(22と22a,23と23a,24と24a)は、それぞれ遮断器へ開放指令を出力する。各端末局の遮断制御回路206は、図6で示したように二組の端末局による遮断指令1,2の論理積で構成されているため、二組の端末局が共に同じ遮断器3への開放指令1,2を出力した場合にのみ、遮断器3が開放し、送電線の保護を行う。このパターン1では、端末局22〜24及び22a〜24aが全局正常のため、送電線(例えば、42とする)に事故が発生した場合、事故が発生した故障区間両端の遮断器32,32aが設置された電気所(例えば12,13)では、二組の端末局22及び22a,23及び23aが同じ遮断器3(32,32a)への開放指令1,2を出力するので、これら故障区間両端の遮断器3(32,32a)は遮断動作する。
(パターン2)
このパターン2は、全電気所に備えた二組の端末局の内、一組の1台、すなわち、端末局22aに異常が生じた場合である。
このような状態において、送電線41に事故が発生すると演算局21は、端末局22から送信される送電線41の電気量情報と演算局21自身が計測する送電線41の電気量情報を基に送電線41の事故を検出する。その結果、遮断器31への開放指令1を出力するともに、端末局22へ故障遮断指令を出力する。故障遮断指令を受信した端末局22は、遮断器31aへ開放指令1を出力する。
また、演算局21aは、端末局22aが異常であるため、端末局23aから送信される送電線42の電気量情報と演算局21a自身が計測する送電線41の電気量情報を基に、送電線41〜送電線42の事故を検出する。その結果、遮断器31への開放指令2を出力すると共に、端末局23aへ故障遮断指令を出力する。端末局23aは、演算局21aから受信した故障遮断指令により遮断器32aへ開放指令2を出力する。
ここで、送電線41に事故が発生した場合、各電気所に配置された遮断制御回路106,206,・・・は、二組の保護系60,60aによる開放指令1,2の論理積で構成されていることから、遮断器31は、健全な演算局21,21aにより開放指令1,2が出力されている。このため、これらの論理積により開放動作する。遮断器31aは、端末局22aが異常であるため、端末局22のみ開放指令1が出力されている。しかし、端末局22aが異常の場合、自装置の自己、相互監視手段204により、図7で示した自局バイパス回路12がオンするため、遮断器31aは、端末局22のみの開放指令1とバイパス回路12とによりアンド条件が成立し、開放動作する。遮断器32aについては、前述のように端末局23aによる開放指令2が出力されているが、端末局23が正常であるためバイパス回路11はオンせず、開放指令1はオフのままである。このため、図7の論理積構成により開放しない。
以上のように、端末局22aが異常で、送電線41で事故が発生した場合、送電区間1のみ開放される。送電線42,43,44のいずれかで事故が発生した場合も、事故が発生した送電線に対応する送電区間2,3,4のいずれかのみが開放される。
このことは他のパターン3〜15についても言え、いずれか一方の組の端末極が全局正常であれば、他の組の端末局のどれに異常が生じても、事故が発生した送電線に対応する送電区間1,2,3,4のいずれかのみが開放される。
(パターン16)
このパターン16では一方の組のすべての端末局22,23,24と他方の組の1台の端末局22aとが異常の場合である。
このような状態において、送電線41に事故が発生すると、演算局21は、同じ組の端末局22,23,24が異常であるため、自身が計測する送電線41,44の電気量情報を基に、送電線41〜送電線44の拡大された区間での事故を検出し、この区間両端の遮断器31,34aへ、それぞれ開放指令1を出力する。演算局21aは、同じ組の端末局22aが異常であるため、隣接する端末局23aから送信される送電線42の電気量情報と演算局21a自身が計測する送電線41の電気量情報を基に送電線41〜送電線42の拡大された区間での事故を検出し、この区間両端の一方の遮断器31への開放指令2を出力すると共に、他方の遮断器32aを遮断させるべく端末局23aへ故障遮断指令を出力する。端末局23aは、演算局21aから受信した故障遮断指令により遮断器32aへ開放指令2を出力する。
ここで、遮断器31は、2組の演算局21,21aから開放指令1,2が同時に出力されているため、図7のアンド条件が成立し開放動作する。遮断器32aは、端末局23aの開放指令2のみが出力されている。このため、端末局23が正常であれば、遮断器32aは開放しないが、端末局23が異常となっているので、自装置の自己、相互監視手段により、自局バイパス回路11がオンしており、遮断器32aは、端末局23aのみの開放指令2で開放動作する。
また、遮断器34aにも、演算局21から開放指令1が出力されているが、演算局21aが正常であるため、遮断制御回路106の論理積構成により開放しない。
以上のように一方の組の全端末局22,23,24と他方の組のいずれかの端末局(パターン16では22a)が異常の場合、2組の端末局(パターン16では22,22a)が異常となる電気所(パターン16では12)が生じる。この場合、2組の端末局22,22aが異常となる電気所12では、この電気所に接続される送電線41,42の電気量を計測できないので、その中の送電線(例えば41)で事故が発生した場合、この送電線41を含む送電区間1〜2が開放される。同様に、送電線42で事故が発生した場合も、送電区間1〜2が開放される。送電線43で事故が発生した場合は、その両端における電気所13,14では、一方の組の端末局23,24が異常であるが他方の組の端末局23a、24aは正常であるため、両端の遮断器33,33aはそれぞれ図7で生じたアンド条件が成立するので開動作し、送電区間3のみ開放される。送電線44で事故が発生した場合も、両端の電気所には11,14には正常な端末局が存在するので、両端の遮断器34,34aはそれぞれ図7で生じたアンド条件が成立するので開動作し、送電区間4のみ開放される。
これらの動作は、他の同種パターン17〜18及び22〜24でも同じであり、また、2組の端末局が異常となる電気所が複数となるパターン19〜21及び24〜27でも同じである。いずれの場合も、2組の端末局が異常となった電気所では、接続される送電線の電気量が計測できなくなるので、少なくとも一方の組の端末局が正常な電気所間まで区間を広げて、保護が行われる。
(パターン28)
このパターン28は、両方の組の端末局22,22aが異常の電気所12がある場合である。
端末局22,22aが異常の場合、送電線41に事故が発生すると演算局21は、同じ組の端末局22が異常のため、これに隣接する端末局23から送信される送電線42の電気量情報と、演算局21自身が計測する送電線41の電気量情報を基に送電線41〜送電線42の拡大された区間での事故を検出する。その結果、遮断器31への開放指令1を出力すると共に、端末局23へ故障遮断指令を出力する。端末局23は、演算局21から受信した故障遮断指令により遮断器32aへ開放指令1を出力する。演算局21aは、同じ組の端末局22aが異常のため、これに隣接する端末局23aから送信される送電線42の電気量情報と演算局21a自身が計測する送電線41の電気量情報を基に送電線41〜送電線42の事故を検出し、遮断器31への開放指令2を出力すると共に、端末局23aへ故障遮断指令を出力する。端末局23aは、演算局21aから受信した故障遮断指令により遮断器32aへ開放指令2を出力する。
このように遮断器31は、演算局21,21aにより開放指令1,2が同時に出力され、また、遮断器32aは、端末局23,23aにより開放指令1.2が同時に出力されているため、それぞれ開放動作する。
以上、説明したように2組の端末局22,22aが異常となる電気所12では、この電気所に接続される送電線41,42の電気量を計測できないので、その中の送電線(例えば41)で事故が発生した場合、この送電線41を含む送電区間1〜2が開放される。同様に、送電線42で事故が発生した場合も、送電区間1〜2が開放される。送電線43で事故が発生した場合は、その両端における電気所13,14では、それぞれ両方の組の端末局23及び23a、24及び24aが正常であるため、両端の遮断器33,33aはそれぞれ図7で生じたアンド条件が成立するので開動作し、送電区間3のみ開放される。送電線44で事故が発生した場合も、両端の電気所には11,14は正常な端末局が存在するので、両端の遮断器34,34aはそれぞれ図7で生じたアンド条件が成立するので開動作し、送電区間4のみ開放される。
これらの動作は、他の同種パターン29〜30でも同じであり、また、2組の端末局が異常となる電気所が複数となるパターン31〜34でも同じである。いずれの場合も、2組の端末局が異常となった電気所では、接続される送電線の電気量が計測できなくなるので、両方の組の端末局が正常な電気所間まで区間を広げて、保護が行われる。
(パターン35)
このパターン35は、一方の組の電気所12における1台の端末局22と、隣接する他の電気所13における他方の組の1台の端末局23aとが異常の場合である。
このように端末局22,23aが異常の場合、送電線41に事故が発生すると演算局21は、同じ組の端末局22が異常のため、これに隣接する同じ組の端末局23から送信される送電線42の電気量情報と、演算局21自身が計測する送電線41の電気量情報を基に、送電線41〜送電線42の拡大された区間での事故を検出する。その結果、遮断器31への開放指令1を出力すると共に、端末局23へ故障遮断指令を出力する。端末局23は、演算局21から受信した故障遮断指令により遮断器32aへ開放指令1を出力する。演算局21aは、同じ組の端末局22aから送信される送電線41の電気量情報と演算局21a自身が計測する送電線41の電気量情報を基に送電線41の事故を検出する。その結果、遮断器31への開放指令2を出力し、端末局22aへ故障遮断指令を出力する。故障遮断指令を受信した端末局22aは、遮断器31aへ開放指令2を出力する。
ここで、遮断器31は、演算局21,21aにより開放指令1,2が同時に出力されているため、開放動作する。遮断器31aは、端末局22aのみから開放指令2が出力されているが、端末局22が異常となっているので、自己、相互監視手段204により、自局バイパス回路11がオンになっている。このため、遮断器31aは、端末局22aのみの開放指令で開放する。さらに、遮断器32aは、端末局23のみ開放指令1が出力されており、端末局23aが異常のため、自局バイパス回路12がオンになっているので、遮断器32aは、端末局23のみの開放指令で開放する。
この場合、送電区間1の両端遮断器31,31aと送電区間2の片側の遮断器32aが開放されるため、送電経路としては、送電区間1〜2が開放される。送電線42で事故が発生した場合、その両端遮断器32,32aのみが遮断されるので送電区間2のみ開放される。送電線43で事故が発生した場合、送電区間2の片側遮断器32と送電区間3の両端遮断器33,33aとが開放動作するため、送電経路としては、送電区間2〜3が開放される。送電線44で事故が発生した場合、その両端遮断器34,34aが開放動作するため、送電区間4のみ開放される。
これに対し、パターン36のように、一方の組の電気所12における1台の端末局22と、健全区間を介した他の電気所14における他方の組の1台の端末局24aとが異常の場合は、どの送電線41〜44に事故が生じても、この事故が発生した送電線両端の遮断器がそれぞれ開放動作する。したがって、送電線41の事故には送電区間1が開放され、送電線42の事故には送電区間2が開放され、送電線43の事故には送電区間3が開放され、送電線44の事故には送電区間4が開放される。
これらの関係は、他のパターン37〜40についても同じである。
(パターン41)
このパターン41は、一方の組の1台の端末局22と、他方の組の2台の端末局22a,23aとが異常の場合である。
端末局22と端末局22a,23aとが異常の場合、送電線41に事故が発生すると、演算局21は、同じ組の端末局22が異常のため、これに隣接する同じ組の端末局23から送信される送電線42の電気量情報と、演算局21自身が計測する送電線41の電気量情報を基に、送電線41〜送電線42の事故を検出する。その結果、遮断器31への開放指令1を出力し、端末局23へ故障遮断指令を出力する。端末局23は、演算局21から受信した故障遮断指令により遮断器32aへ開放指令1を出力する。演算局21aは、同じ組の端末局22a,23aが異常のため、これらに隣接する同じ組の端末局24aから送信される送電線43の電気量情報と、演算局21a自身が計測する送電線41の電気量情報を基に送電線41〜送電線43の区間の事故を検出する。その結果、遮断器31への開放指令2を出力すると共に、端末局24aへ故障遮断指令を出力する。端末局24aは、演算局21aから受信した故障遮断指令により遮断器33aへ開放指令2を出力する。
ここで、遮断器31は、演算局21,21aにより開放指令1,2が同時に出力されているため、開放動作する。遮断器32aは、端末局23のみ開放指令1が出力されており、端末局23aが異常となっているため、自局バイパス回路12がオンになるので、端末局23のみの開放指令1で開放動作する。遮断器33aは、端末局24aのみ開放指令2が出力されているが、端末局24が正常であるため、バイパス回路11がオンせず、論理積構成により開放しない。
以上のように、端末局22と端末局22a,23aが異常で、送電線41で事故が発生した場合、遮断器31,32aが開放動作するので、送電区間1〜2が開放される。送電線42で事故が発生した場合も、同様の動作で送電区間1〜2が開放される。送電線43で事故が発生した場合は、遮断器33,33aのみが開放動作するので、送電区間3のみ開放される。送電線44で事故が発生した場合、遮断器34,34aのみが開放動作するので、送電区間4のみ開放される。
他のパターン42〜58は、いずれも一方の組の1台の端末局と、他方の組の2台の端末局とが異常の場合の組み合わせであり、異常発生端末局の位置により開放される送電区間は異なるものの、保護の考えからはパターン41と同じである。
(パターン59)
このパターン59は、一方の組の2台の端末局22,23と、他方の組の2台の端末局23a,24aとが異常の場合である。
端末局22,23と端末局23a,24aとが異常の場合、送電線41に事故が発生すると、演算局21は、同じ組の端末局22,23が異常のため、これに隣接する同じ組の端末局24から送信される送電線43の電気量情報と、演算局21自身が計測する送電線41の電気量情報を基に、送電線41〜送電線43の区間の事故を検出する。その結果、遮断器31への開放指令1を出力し、端末局24へ故障遮断指令を出力する。端末局24は、演算局21から受信した故障遮断指令により遮断器33aへ開放指令1を出力する。演算局21aは、同じ組の端末局22aから送信される送電線41の電気量情報と、演算局21a自身が計測する送電線41の電気量情報を基に送電線41の事故を検出する。その結果、遮断器31への開放指令2を出力すると共に、端末局22aへ故障遮断指令を出力する。端末局22aは、演算局21aから受信した故障遮断指令により遮断器31aへ開放指令2を出力する。
ここで、遮断器31は、演算局21,21aにより開放指令1,2が同時に出力されているため、開放動作する。遮断器31aは、端末局22aのみ開放指令2が出力されているが、端末局22が異常であるため、自局バイパス回路11がオンとなり、端末局22aのみの開放指令で開放動作する。遮断器33aは、端末局24のみ開放指令1が出力されているが、端末局24aが異常であるため、自局バイパス回路12がオンとなり、端末局24のみの開放指令1で開放動作する。
以上のように、送電区間1の両端遮断器31,31aと、送電区間3の片側遮断器33aが開放動作するため、送電経路としては、送電区間1〜3が開放される。送電線42で事故が発生した場合、遮断器32,33aが開放動作するので、送電区間2〜3が開放される。送電線43で事故が発生した場合も、遮断器32,33aが開放動作するので、送電区間2〜3が開放される。送電線44で事故が発生した場合は、送電区間2の片側の遮断器32と送電区間4の両端遮断器34,34aが開放されるため、送電経路としては、送電区間2〜4が開放される。
他のパターン60〜64は、いずれも一方の組の2台の端末局と、他方の組の2台の端末局とが異常の場合の組み合わせであり、異常発生端末局の位置により開放される送電区間は異なるものの、保護の考えからはパターン59と同じである。
このように、二組の保護系60,60aを備え、それぞれの故障遮断出力1,2と装置の自己・相互監視手段による故障遮断出力バイパス回路11,12を論理積で構成することによって、端末局異常時においても送電線の保護機能を維持することができる。すなわち、表2の(パターン2)から(パターン15)、(パターン36)、(パターン39)においては、端末局の異常に因らず送電線毎の保護機能を維持することが可能である。さらに、他のパターンにおいても、停電箇所を最小限にとどめて電力の供給を継続させることが可能となる。
本発明によるネットワーク送電保護装置の一実施の形態を説明する系統構成図である。 同上一実施の形態に用いられる演算局の構成を説明するブロック図である。 同上一実施の形態に用いられる端末局の構成を説明するブロック図である。 本発明によるネットワーク送電保護装置の他の実施の形態を説明する系統構成図である。 同上他の実施の形態における2組の演算局を有する電気所での遮断制御回路との関係を説明するブロック図である。 同上他の実施の形態における2組の端末局を有する電気所での遮断制御回路との関係を説明するブロック図である。 同上他の実施の形態における遮断制御回路の構成を示す回路図である。
符号の説明
1、2 遮断指令
11,12,13,14 電気所
21,21a 演算局
22,22a,23,23a,24,24a 端末局
41,42,43,44 送電線
60,60a 保護系
71 電源系統
101,201 計測手段
102 故障区間検知手段
103,203 通信手段
104,204 自己・相互監視手段

Claims (2)

  1. 電源系統に接続された電気所を含む複数の電気所を、両端に遮断器を設けた送電線によりそれぞれ接続してループ状に構成した送電系統を保護するネットワーク送電保護装置であって、
    前記各送電線の両端にそれぞれ設けられ、対応する送電線に流れる電気量を個別に計測する計測手段と、
    前記複数の電気所の一つに設けられた演算局、及び残りの電気所にそれぞれ設けられた端末局を有し、通信手段により前記演算局及び複数の端末局相互間で、前記端末局による計測された電気量情報を含む各種情報の授受が可能な保護系と、
    前記演算局及び各端末局に設けられ、それぞれ自己及び他局の異常有無を相互に監視する自己・相互監視手段と、
    前記電気所に、前記遮断器毎に設けられ、対応する遮断器を開動作させる遮断制御回路と、
    前記演算局に設けられ、前記計測手段により計測された各送電線の両端の電気量情報を収集し、これら送電線両端の電気量情報から送電線別に故障の有無を検出し、故障有りの場合、故障区間両端の遮断器を遮断させる遮断指令を各電気所の前記遮断制御回路に、自局又は他の端末局を介して出力する故障区間検知手段とを備え、
    この故障区間検知手段は、前記自己・相互監視手段がいずれかの端末局の異常を検出すると、検出された異常端末局を擁する電気所に接続された複数の送電線を直列な一つの区間として、その区間の両端電気量に基づいて該当区間の故障の有無を判定する区間拡張検知機能を有する
    ことを特徴とするネットワーク送電保護装置。
  2. 前記各電気所に2組の演算局または端末局を設けて保護系を2組構成し、これら保護系に対応してそれぞれ故障検知手段を設け、各電気所の遮断制御回路は、自電気所に設けられた2組の保護系から出力される遮断指令の論理積を取って対応する遮断器を開動作させ、かつ前記遮断指令に対するバイパス回路をそれぞれ有し、前記自己・相互監視手段により自電気所に設けられた2組の保護系のいずれか一方の異常が検出されたときは、異常保護系による遮断指令をバイパスさせ、自電気所に設けられた2組の保護系がそれぞれ異常の場合は、異常保護系による遮断指令のバイパスを行わないように構成した
    ことを特徴とする請求項1に記載のネットワーク送電保護装置。
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