JP2010093901A - ネットワーク送電保護装置 - Google Patents

ネットワーク送電保護装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2010093901A
JP2010093901A JP2008259786A JP2008259786A JP2010093901A JP 2010093901 A JP2010093901 A JP 2010093901A JP 2008259786 A JP2008259786 A JP 2008259786A JP 2008259786 A JP2008259786 A JP 2008259786A JP 2010093901 A JP2010093901 A JP 2010093901A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
station
power transmission
stations
section
terminal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2008259786A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4960328B2 (ja
Inventor
Yasuyuki Fukuda
恭之 福田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP2008259786A priority Critical patent/JP4960328B2/ja
Publication of JP2010093901A publication Critical patent/JP2010093901A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4960328B2 publication Critical patent/JP4960328B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Emergency Protection Circuit Devices (AREA)

Abstract

【課題】ループ状に接続された送電線に事故が生じた場合、該当送電線を確実に保護すると共に、停電範囲を最小限に留めることができるネットワーク送電保護装置を提供する。
【解決手段】複数の電気所11,12,13,14を、送電線41,42,43,44によりそれぞれ接続してループ状に構成した送電系統を保護する装置で、ループ状送電系統を構成する各電気所に、演算局21,21a及び複数の端末局22,22a〜24,24a、並びにこれらの間で相互に情報授受が可能な保護系60,60aを2組設け、一方の保護系を構成するいずれかの局が異常となっても、異常の生じていない他方の保護系により、送電線を確実に保護して停電区間を最小限に留めることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、電源系統に接続された電気所を含む複数の電気所を、両端に遮断器を設けた送電線によりそれぞれ接続してループ状に構成した送電系統を保護するネットワーク送電保護装置に関する。
一般に、送電系統では、短絡や地絡などの事故が生じた場合、その事故の位置や種類などを識別して遮断器を動作させる保護継電器によって保護されている。従来の送電線保護方式は、送電線毎に分離独立して保護を行うものである。これに対し、近年、電源と遮断器とを備えた電気所を複数配置して、これらを送電線によりループ状に結合してなる、ループ系統の送電システムが実施されるようになった(例えば、特許文献1参照)。
図7は、このようなループ状の送電系統における保護装置の構成を示す。図7は、電気所を4箇所とした場合の構成図である。
図7において、送電系統は4箇所の電気所11〜14とこれら電気所間を接続する送電線41〜44で構成される。4箇所の電気所11〜14のうち、電気所11は電源系統71に接続され、他の電気所12,13,14は図示していないが負荷系統に接続されているものとする。これら複数の電気所11〜14間を接続してループ状に構成する送電線41〜44は、それぞれ両端に遮断器31及び31a,32及び32a,33及び33a,34及び34aを設けている。
また、前記複数の電気所11〜14のうち、一つの電気所11には演算局21が設けられ、残りの電気所12,13,14にはそれぞれ端末局22,23,24が設けられている。これら演算局21及び複数の端末局22,23,24相互間は、通信線61,62,63,64を含む通信手段により情報の授受が可能であり、全体として1組の保護系60を構成している。
前記各送電線41,42,43,44の両端には、図示しない計測手段の入力用として、変流器51及び51a,52及び52a,53及び53a,54及び54aがそれぞれ設けられ、対応する送電線に流れる電気量を個別に抽出する。なお、計測手段は、各電気所11,12,13,14に設けられた演算局21又は端末局22,23,24内に構成されている。
上記構成において、電気所11に接続された送電線41,44を流れる電気量は演算局21の計測手段により測定され、電気所12に接続された送電線41,42を流れる電気量は端末局22の計測手段により測定され、電気所13に接続された送電線42,43を流れる電気量は端末局23の計測手段により測定され、電気所14に接続された送電線43,44を流れる電気量は端末局24の計測手段により測定される。これら端末局22〜24によって測定された電気量情報は、搬送ネットワーク通信線61〜64を介して演算局21に送信される。
演算局21は、各端末局22,23,24から受信した各送電線の電気量情報を基に、各送電線両端の差電流比率を求めて送電線別に事故の有無を検出する。そして、事故が発生した場合、事故が発生した故障区間両端の遮断器に対する遮断指令を、各電気所11〜14の図示しない遮断制御回路に、自局21又は他の端末局22,23,24を介して出力する。例えば、図1において演算局21が送電線41の事故を検出した場合、演算局21は、自局21から送電線41の一端遮断器31に対する故障遮断指令を出力すると共に、搬送ネットワーク通信線61を介して端末局22へ、送電線41の他端遮断器31aに対する故障遮断指令を送信する。演算局21の遮断制御回路は自局による故障遮断指令により一端遮断器31を開放動作させる。また、端末局22は、演算局21から受信した故障遮断指令により、その遮断制御回路は遮断器31aへ開放指令を出力する。以上により、故障区間である送電線41の両端の遮断器31,31aが開放され、送電線41は保護される。
また、送電線42に事故が生じた場合は、演算局21は、端末局22,23から送られてきた送電線42の両端の電気量情報に基づいて送電線42に事故が発生したことを検出する。そして、送電線42の両端に設けられた遮断器32,32aを開放すべく、搬送ネットワーク通信線61,62を介して対応する端末局22,23へ遮断器32,32aの故障遮断指令を送信する。端末局22,23は、演算局21から受信した故障遮断指令により遮断器32,32aへ開放指令を出力する。以上により、故障区間である送電線42の両端の遮断器32,32aが開放され、送電線42は保護される。
上記動作は他の送電線43,44についても同様である。すなわち、送電線43の事故については送電線42の事故が対応し、送電線44の事故については送電線41での事故が対応し、それぞれ対応する送電線41,42の事故での説明と同じ動作をする。
特開平9−233674号公報
このように演算局21は、各端末局22,23,24からの情報を入手して送電線41〜44で発生した事故を検出し、この事故が発生した故障区間を切り離して健全区間への通電を維持する。
しかし、端末局22,23,24のいずれか一つ又は複数に異常が発生すると、演算局21には異常となった端末局(例えば、22とする)からの情報が入手されなくなる。すなわち、端末局22では、電気所12に接続された送電線41,42に流れる電気量を測定できないので、演算局21は、送電線41又は42に事故が生じてもこの事故を検出することができない。このため、演算局21からの指令により電気所12において遮断器31a、32を遮断させることができず、故障区間を解列することができない。この場合、ループ状に接続された送電線41〜44全体を保護する図示しない保護装置が動作し、電源系統71に最も近い遮断器31,34aを開放させ、ループ状に接続された送電線41〜44全体を保護している。
このように、端末局22,23,24のいずれかが異常になると、健全区間を含めたループ状の送電線41〜44全体が切り離されてしまうため、停電範囲が拡大してしまう。
本発明の目的は、ループ状に接続された送電線に事故が生じた場合、該当送電線を確実に保護すると共に、停電範囲を最小限に留めることができ、かつ迅速に故障区間を解列できるネットワーク送電保護装置を提供することにある。
本発明のネットワーク送電保護装置は、電源系統に接続された電気所を含む複数の電気所を、両端に遮断器を設けた送電線によりそれぞれ接続してループ状に構成した送電系統を保護するネットワーク送電保護装置であって、前記各送電線の両端にそれぞれ設けられ、対応する送電線に流れる電気量を個別に計測する計測手段と、前記複数の電気所の一つに設けられた2組の演算局、及び他の電気所に設けられたそれぞれ2組の端末局を有し、これら各組毎に通信手段により前記演算局及び複数の端末局相互間で、前記計測手段により計測された電気量情報を含む各種情報の授受が可能な2組の保護系と、これら2組の保護系の前記演算局及び各端末局に設けられ、それぞれ自局及び他局の異常有無を相互に監視する自己・相互監視手段と、前記電気所に、前記遮断器毎に設けられ、対応する遮断器を開動作させる遮断制御回路と、前記2組の保護系の各演算局にそれぞれ設けられ、前記各計測手段により計測された各送電線の両端の電気量情報を前記各保護系別に対応する端末局から収集し、これら各送電線両端の電気量情報から送電線毎の故障の有無を前記保護系別に検出し、故障有りの場合、故障区間両端の遮断器を遮断させる遮断指令を各電気所の遮断制御回路に、同じ保護系の自局又は他の端末局を介して出力する故障区間検知手段とを備え、この故障区間検知手段は、前記自己・相互監視手段がいずれかの端末局の異常を検出すると、検出された異常端末局を擁する電気所に接続された複数の送電線を直列な一つの区間として拡張し、この拡張された区間の両端電気量に基づいて該当する拡張区間での故障の有無を前記各保護系別に判定する区間拡張検知機能を有し、かつ、各保護系から遮断対象の遮断器に対して出力される遮断指令は、前記遮断対象の遮断器が前記拡張区間の端部に位置するか否かを各保護系別に判断し、前記拡張区間の端部に位置すると判断した保護系は、拡張瞬時要素及び拡張限時要素の遮断指令を出力し、前記拡張区間では無いと判断した保護系は、区間瞬時要素の遮断指令を出力し、前記遮断制御回路は、自電気所に設けられた2組の保護系から出力される前記遮断指令のうち、一方の組の区間瞬時要素と他方の組の拡張瞬時要素又は他方の組の区間瞬時要素との論理積、一方の組の区間瞬時要素又は一方の組の拡張瞬時要素と他方の組の区間瞬時要素との論理積、一方の組の拡張限時要素と他方の組の拡張限時要素との論理積とをそれぞれ構成し、これら全論理積の論理和をとって対応する遮断器を開動作させ、かつ前記2組の保護系毎に、前記遮断指令の各要素に対するバイパス回路をそれぞれ有し、前記自己・相互監視手段により自電気所に設けられた2組の保護系のいずれか一方の異常が検出されたときは、異常保護系による遮断指令をバイパスさせ、自電気所に設けられた2組の保護系がそれぞれ異常の場合は、異常保護系による遮断指令のバイパスを行わないように構成したことを特徴とする。
本発明によれば、ループ状送電系統を構成する各電気所に、演算局及び複数の端末局、並びにこれらの間で相互に情報授受が可能な保護系を2組設け、一方の保護系を構成するいずれかの局が異常となっても、異常の生じていない他方の保護系により、送電線を確実に保護して停電区間を最小限に留めることができる。
以下、本発明によるネットワーク送電保護装置の一実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。
図1は本発明の一実施の形態を示している。保護対象となるループ状の送電系統は図7で示したものと基本的に同じであり、4つの電気所11〜14とその電気所間を接続する送電線41〜44で構成される。4つの電気所11〜14のうち、電気所11は電源系統71に接続され、他の電気所12,13,14は図示しない負荷系統に接続されているものとする。各送電線41〜44は、それぞれ両端に遮断器31及び31a,32及び32a,33及び33a,34及び34aを設けている。
また、一つの電気所11には演算局21が設けられ、残りの電気所12,13,14にはそれぞれ端末局22,23,24が設けられている。これら演算局21及び複数の端末局22,23,24相互間は、通信線61,62,63,64を含む通信手段により情報の授受が可能であり、全体として1組の保護系60を構成している。
この他に、同様の構成の保護系60aをもう一組設け、2組の保護系60,60aによりループ状の送電系を保護している。もう一つの保護系60aも、一つの電気所11に設けられた演算局21aと、残りの電気所12,13,14に設けられた端末局22a,23a,24aとを有し、これら演算局21a及び複数の端末局22a,23a,24aの相互間は、通信線61a,62a,63a,64aを含む通信手段により情報の授受が可能に構成されている。
前記各送電線41,42,43,44の両端には、変流器51及び51a,52及び52a,53及び53a,54及び54aがそれぞれ設けられ、対応する送電線に流れる電気量を個別に抽出し、後述する計測手段に出力する。
演算局21,21aは、基本的に同じ構成であり、それぞれ図2で示すように、計測手段101、故障区間検知手段102、通信手段103、自己・相互監視手段104を有する。また、端末局22及び22a,23及び23a,24及び24aも基本的に同じ構成であり、図3で示すように、計測手段201、通信手段203、自己・相互監視手段204を有する。なお、図3は端末局22,22aについて示しているが、他の端末局23及び23a,24及び24aも内部構成は同じである。
演算局21,21aの計測手段101は、電気所11に設けられた変流器51及び54aの2次回路に接続し、送電線41及び44の電気量を計測する。端末局22及び22a(23及び23a、24及び24a)の計測手段201は、電気所12(13,14)に設けられた変流器51a及び52(52a及び53、53a及び54)の2次回路に接続し、送電線41及び42(42及び43、43及び44)の電気量を計測する。
これら各端末局22及び22a,23及び23a、24及び24aの計測手段201で計測された電流値はディジタル信号に変換され電気量情報となり、それぞれ通信手段203から対応する保護系60又は60aの通信線61,62,63,64又は61a,62a,63a,64aを経て演算局21又は21aの通信手段103に送られ、故障区間検知手段102に入力される。なお、演算局21,21aの計測手段101で計測された電流値もディジタル信号に変換され電気量情報として、自局の故障区間検知手段102に入力される。
各演算局21,21aの故障区間検知手段102は、自局の計測手段101により計測された電気量情報、及び通信手段103により収集された各端末局22,23,24及び22a,23a,24aの計測手段201により計測された電気量情報を用いて各送電線41〜44の両端の差電流比率を求めて、保護系60,60a別に、送電線別の事故の有無を検出する。
すなわち、各送電線41〜44に事故が無い場合は、それらの両端における電流計測値は同じ方向で互いにほぼ等しい値となる。しかし、送電線41〜44に事故が生じた場合、事故送電線の両端における電流は方向が互いに逆向き(内向き)となるため、事故送電線の両端における差電流比率が大きくなる。故障区間検知手段102は、送電線両端の差電流比率が閾値を越えれば、この送電線に事故が発生していると判断する。
故障区間検知手段102は、このような事故検知機能により事故の生じた送電線を検出すると、この事故の生じた故障区間両端の遮断器を遮断させるべく対応する遮断器を有する電気所の遮断制御回路106,206へ遮断指令を出力する。例えば、送電線41に事故が生じた場合、故障区間検知手段102は、故障区間である送電線41の両端の遮断器31,31aを遮断させるべく、これらが設置された電気所11及び12の遮断制御回路106,206へ遮断器31,31aに対する遮断指令を出力する。
ここで、故障区間検知手段102は、2つの保護系60,60aを構成する演算局21,21aにそれぞれ設けられているので、遮断制御回路106,206への故障遮断指令は、両保護系60,60aから出力される。すなわち、2つの演算局21,21aが設置された電気所11では、図4で示すように、遮断制御回路106に対して、一方の保護系60を構成する演算局21から遮断指令1が出力され、他方の保護系60aを構成する演算局21aから遮断指令2が出力される。すなわち、電気所11については、一方の保護系60からの遮断指令1は、自電気所11に設けられた演算局21から出力され、他方の保護系60aからの遮断指令2は、同じく自電気所11に設けられた演算局21aから出力され、これらが共にオンすることで遮断器3(電気所11の31又は34a)を開放させるように構成している。また、2つの端末局22,22aが設置された電気所12では、図5で示すように、遮断制御回路206に対して、一方の保護系60を構成する端末局22から遮断指令1が出力され、他方の保護系60aを構成する演算局22aから遮断指令2が出力される。図5は電気所12について示したが、他の電気所13,14についても同じである。
演算局21,21a及び各端末局22,22a〜24,24aに設けられた自己・相互監視手段104,204は、自局が健全な状態か、及び他局が健全かを監視する機能を有する。すなわち、各局21及び21a,22及び22a,23及び23a,24及び24aは、図2及び図3で示すように、異常が生じると動作する異常検出接点105,205,・・・を持っており、この接点105,205,・・・の状態により自局の状態を監視すると共に、この接点状態を、通信手段103,203,・・・を介して隣接する他局についても監視し、各局において、自局及び他局が健全か否かを相互に監視している。各端末局22,22a〜24,24aから演算局21,21aへの異常検出情報は、図示しない遠方監視用の伝送線により伝送される。いずれにしても演算局21,21a及び端末局22,22a〜24,24aを相互に監視し、異常の生じた局を特定する機能を有している。
故障区間検知手段102は、前述のように、2組の保護系の各演算局21,21aにそれぞれ設けられており、各送電線41〜44の両端の電気量情報を各保護系60,60a別に対応する端末局22〜24,22a〜24aから収集し、これら電気量情報から送電線41〜44毎の故障の有無を保護系60,60a別に検出する。そして、故障有りの場合、故障区間両端の遮断器を遮断させるための遮断指令を各電気所11〜14の遮断制御回路106,206に出力する。
この故障区間検知手段102は、自己・相互監視手段104,204がいずれかの端末局22〜24,22a〜24aの異常を検出すると、検出された異常端末局を擁する電気所(例えば12とする)に接続された複数の送電線41,42を直列な一つの区間として拡張する。そして、この拡張された区間の両端電気量に基づいて該当する拡張区間での故障の有無を、各保護系60,60a別に判定する区間拡張検知機能を有する。
また、この故障区間検知手段102は、前述のように、各保護系60,60aから、送電線の故障区間検知に伴う遮断対象の遮断器への遮断指令1,2を出力する。すなわち、まず、遮断対象の遮断器が、端末局の異常に伴う拡張区間の端部に位置するか否かを、各保護系60,60a別に判断する。そして、拡張区間の端部に位置すると判断した保護系60又は60aは、遮断指令1又は2として拡張瞬時要素1c又は2a、及び拡張限時要素1d又は2dの遮断指令を出力し、図6により後述する遮断制御回路106又は206における該当接点をオンさせる。これに対し、拡張区間では無いと判断した保護系60又は60aは、遮断指令1又は2として区間瞬時要素1a又は2b、及び1b又は2cの遮断指令を出力し、図6により後述する該当接点をオンさせる。
遮断制御回路106,206は、各電気所11〜14に設置された遮断器を遮断させるためにそれぞれ設けられている。これら各遮断制御回路106,206には、図4及び図5で示したように、2組の保護系60,60aからの遮断指令1,2が入力される。このため、遮断制御回路106,206は、図6で示すように、自電気所に設けられた2組の保護系60,60aから出力される遮断指令1,2について、以下に説明する論理積をとって対応する遮断器3を開動作させるように構成されている。
すなわち、遮断制御回路106,206は、自電気所に設けられた2組の保護系60,60aから出力される遮断指令1,2のうち、一方の組の区間瞬時要素1aと他方の組の拡張瞬時要素2a又は他方の組の区間瞬時要素2bとの論理積、一方の組の区間瞬時要素1b又は一方の組の拡張瞬時要素1cと他方の組の区間瞬時要素2cとの論理積、一方の組の拡張限時要素1dと他方の組の拡張限時要素2dとの論理積とをそれぞれ構成するように該当する接点を接続し、これら全論理積の論理和をとって対応する遮断器3を開動作させるように構成している。
また、遮断制御回路106,206は、図6で示すように、2組の保護系60,60a毎に、遮断指令1,2の各要素に対するバイパス回路111,112をそれぞれ有する。このうちバイパス回路111のバイパス接点111aは、遮断指令1の区間瞬時要素1b及び拡張瞬時要素1cに対してそれぞれ並列接続され、またバイパス接点111bは、遮断指令1の拡張限時要素1dに対して並列接続され、それらのオン動作により対応する要素をバイパスする。また、バイパス回路112のバイパス接点112aは、遮断指令2の拡張瞬時要素2a及び区間瞬時要素2bに対してそれぞれ並列接続され、またバイパス接点112bは遮断指令2の拡張限時要素2dに対して並列接続され、それらのオン動作により対応する要素をバイパスする。
これらバイパス回路111,112は、自己・相互監視手段104,204により自電気所に設けられた2組の保護系60,60aのいずれか一方の異常が検出されたときは、異常保護系(60又は60a)による遮断指令1又は2をバイパスさせる。ただし、自電気所に設けられた2組の保護系60,60aがそれぞれ異常の場合は、異常保護系による遮断指令のバイパスを行わないように構成した。
この2組の保護系60,60aによるループ状送電系統の保護動作は基本的に同じであり、演算局21,21aは、送電線41〜44のいずれかの区間において事故を検出した場合、端末局22〜24又は端末局22a〜24aの異常状態に応じて表1に示すような事故検知を行い、故障検出区間両端遮断器を擁する端末局へ故障遮断指令を送信する。
Figure 2010093901
以下、表1を用いて端末局22〜24及び端末局22a〜24aの異常発生と、それに伴う区間拡張機能による保護動作をパターン分けして説明する。
表1に示すように端末局の異常状態は、64パターンとなる。これらのうち、(パターン1)の端末局22〜24及び22a〜24aが全局正常の場合について基本的な動作を説明し、その後、以下に記す代表的な6パターンを例にとって端末局に異常が生じた場合の保護動作を説明する。
(パターン2):全電気所に備えた二組の端末局の内、一組の1台のみが異常となった場合
(パターン16):全電気所に備えた二組の端末局の内、一組がすべて異常、もう一組の1台のみが異常の場合
(パターン28):全電気所に備えた二組の端末局の内、同一電気所の2台のみが異常の場合
(パターン35):全電気所に備えた二組の端末局の内、一組の1台、もう一組の1台のみが異常の場合
(パターン41):全電気所に備えた二組の端末局の内、一組の1台、もう一組の2台が異常の場合
(パターン59):全電気所に備えた二組の端末局の内、一組の2台、もう一組の2台が異常の場合
以下、上記各パターンについて詳細を説明する。
(パターン1)
演算局21,21aが送電線41〜44のいずれかで事故を検出した場合、演算局21は、事故発生区間に応じて搬送ネットワーク通信線61〜63を介して端末局22〜24へ事故遮断指令を送信する。演算局21aも、事故発生区間に応じて搬送ネットワーク通信線61a〜63aを介して端末局22a〜24aへ事故遮断指令を送信する。事故遮断指令を受信した二組の端末局(22と22a,23と23a,24と24a)は、それぞれ遮断器へ開放指令を出力する。各端末局の遮断制御回路206は、図6で示したように二組の端末局による遮断指令1,2の論理積で構成されているため、二組の端末局が共に同じ遮断器3への開放指令1,2を出力した場合にのみ、遮断器3が開放し、送電線の保護を行う。このパターン1では、端末局22〜24及び22a〜24aが全局正常のため、送電線(例えば、42とする)に事故が発生した場合、事故が発生した故障区間両端の遮断器32,32aが設置された電気所(例えば12,13)では、二組の端末局22及び22a,23及び23aが同じ遮断器3(32,32a)への開放指令1(区間瞬時要素1a,1b)及び2(区間瞬時要素2b,2c)を出力する。この場合、遮断対象の遮断器区間32,32a故障区間である送電線42の両端遮断器32,32aであり、前述した拡張区間の遮断器ではないため、遮断指令1としては区間瞬時要素1a,1bがオンとなり、遮断指令2としては区間瞬時要素2b,2cがオンとなる。このため、両遮断器32,32aの遮断制御回路206では、区間瞬時要素1a,2bの論理積及び区間瞬時要素1b,2cの論理積がそれぞれ成立するので、これら故障区間両端の遮断器3(32,32a)は瞬時に遮断動作する。
(パターン2)
このパターン2は、全電気所に備えた二組の端末局の内、一組の1台、すなわち、端末局22aに異常が生じた場合である。
このような状態において、送電線41に事故が発生すると演算局21は、端末局22から送信される送電線41の電気量情報と演算局21自身が計測する送電線41の電気量情報を基に送電線41の事故を検出する。その結果、遮断器31への開放指令1(区間瞬時要素1a,1b)を出力するともに、端末局22へ故障遮断指令を出力する。故障遮断指令を受信した端末局22は、遮断器31aへ開放指令1(区間瞬時要素1a,1b)を出力する。
また、演算局21aは、端末局22aが異常であるため、端末局23aから送信される送電線42の電気量情報と演算局21a自身が計測する送電線41の電気量情報を基に、拡張区間である送電線41〜送電線42の事故を検出する。その結果、遮断器31への開放指令2(拡張瞬時要素2a、拡張限時要素2d)を出力すると共に、端末局23aへ故障遮断指令を出力する。端末局23aは、演算局21aから受信した故障遮断指令により遮断器32aへ開放指令2(拡張瞬時要素2a、拡張限時要素2d)を出力する。
ここで、送電線41に事故が発生した場合、各電気所に配置された遮断制御回路106,206,・・・は、二組の保護系60,60aによる開放指令1,2の論理積で構成されていることから、遮断器31は、健全な演算局21により開放指令1(区間瞬時要素1a,1b)が、演算局21aにより開放指令2(拡張瞬時要素2a、拡張限時要素2d)が出力されている。このため、区間瞬時要素1aと拡張瞬時要素2aの論理積が成立し、瞬時に開放動作する。遮断器31aは、端末局22aが異常であるため、端末局22のみから開放指令1(区間瞬時要素1a,1b)が出力されている。しかし、端末局22aが異常の場合、自装置の自己、相互監視手段204により、図6で示した自局バイパス回路112がオンするため、遮断器31aは、端末局22のみの開放指令1の区間瞬時要素1aとバイパス回路12のバイパス接点112aとの論理積が成立し、開放動作する。遮断器32aについては、前述のように端末局23aによる開放指令2(拡張瞬時要素2a、拡張限時要素2d)が出力されているが、端末局23が正常であるためバイパス回路111はオンせず、開放指令1はオフのままである。このため、図6の論理積構成により開放しない。
以上のように、端末局22aが異常で、送電線41で事故が発生した場合、送電区間1のみ開放される。送電線42,43,44のいずれかで事故が発生した場合も、事故が発生した送電線に対応する送電区間2,3,4のいずれかのみが開放される。
このことは他のパターン3〜15についても言え、いずれか一方の組の端末極が全局正常であれば、他の組の端末局のどれに異常が生じても、事故が発生した送電線に対応する送電区間1,2,3,4のいずれかのみが開放される。
(パターン16)
このパターン16では一方の組のすべての端末局22,23,24と他方の組の1台の端末局22aとが異常の場合である。
このような状態において、送電線41に事故が発生すると、演算局21は、同じ組の端末局22,23,24が異常であるため、自身が計測する送電線41,44の電気量情報を基に、送電線41〜送電線44の拡張区間での事故を検出し、この拡張区間両端の遮断器31,34aへ、それぞれ開放指令1(拡張瞬時要素1c、拡張限時要素1d)を出力する。演算局21aは、同じ組の端末局22aが異常であるため、隣接する端末局23aから送信される送電線42の電気量情報と演算局21a自身が計測する送電線41の電気量情報を基に送電線41〜送電線42の拡張区間での事故を検出し、この拡張区間両端の一方の遮断器31への開放指令2(拡張瞬時要素2a、拡張限時要素2d)を出力すると共に、他方の遮断器32aを遮断させるべく端末局23aへ故障遮断指令を出力する。端末局23aは、演算局21aから受信した故障遮断指令により遮断器32aへ開放指令2(拡張瞬時要素2a、拡張限時要素2d)を出力する。
ここで、遮断器31は、2組の演算局21,21aから開放指令1(拡張瞬時要素1c、拡張限時要素1d),2(拡張瞬時要素2a、拡張限時要素2d)が同時に出力されているため、図6における拡張限時要素1d,2dの論理積が成立し、限時を持って開放動作する。遮断器32aは、端末局23aの開放指令2(拡張瞬時要素2a、拡張限時要素2d)のみが出力されている。また、端末局23が異常であるため、自装置の自己、相互監視手段204により、自局バイパス回路111がオンしており、バイパス接点111bと拡張限時要素2dとの論理積が成立し、遮断器32aは、端末局23aのみの開放指令2(拡張限時要素2d)で限時を持って開放動作する。
また、遮断器34aにも、演算局21から開放指令1が出力されているが、演算局21aが正常であるため、遮断制御回路106の論理積構成により開放しない。
以上のように一方の組の全端末局22,23,24と他方の組のいずれかの端末局(パターン16では22a)が異常の場合、2組の端末局(パターン16では22,22a)が異常となる電気所(パターン16では12)が生じる。この場合、2組の端末局22,22aが異常となる電気所12では、この電気所に接続される送電線41,42の電気量を計測できないので、その中の送電線(例えば41)で事故が発生した場合、この送電線41を含む拡張された送電区間1〜2が開放される。同様に、送電線42で事故が発生した場合も、送電区間1〜2が開放される。送電線43で事故が発生した場合は、その両端における電気所13,14では、一方の組の端末局23,24が異常であるが他方の組の端末局23a、24aは正常であるため、両端の遮断器33,33aはそれぞれ図6で示したアンド条件が成立するので開動作し、送電区間3のみ開放される。送電線44で事故が発生した場合も、両端の電気所には11,14には正常な端末局が存在するので、両端の遮断器34,34aはそれぞれ図6で示したアンド条件が成立するので開動作し、送電区間4のみ開放される。
これらの動作は、他の同種パターン17〜18及び22〜24でも同じであり、また、2組の端末局が異常となる電気所が複数となるパターン19〜21及び24〜27でも同じである。いずれの場合も、2組の端末局が異常となった電気所では、接続される送電線の電気量が計測できなくなるので、少なくとも一方の組の端末局が正常な電気所間まで区間を広げて、保護が行われる。
(パターン28)
このパターン28は、両方の組の端末局22,22aが異常の電気所12がある場合である。
端末局22,22aが異常の場合、送電線41に事故が発生すると演算局21は、同じ組の端末局22が異常のため、これに隣接する端末局23から送信される送電線42の電気量情報と、演算局21自身が計測する送電線41の電気量情報を基に送電線41〜送電線42の拡張区間での事故を検出する。その結果、遮断器31への開放指令1(拡張瞬時要素1c、拡張限時要素1d)を出力すると共に、端末局23へ故障遮断指令を出力する。端末局23は、演算局21から受信した故障遮断指令により遮断器32aへ開放指令1(拡張瞬時要素1c、拡張限時要素1d)を出力する。演算局21aは、同じ組の端末局22aが異常のため、これに隣接する端末局23aから送信される送電線42の電気量情報と演算局21a自身が計測する送電線41の電気量情報を基に拡張された送電線41〜送電線42の事故を検出し、遮断器31への開放指令2(拡張瞬時要素2a、拡張限時要素2d)を出力すると共に、端末局23aへ故障遮断指令を出力する。端末局23aは、演算局21aから受信した故障遮断指令により遮断器32aへ開放指令2(拡張瞬時要素2a、拡張限時要素2d)を出力する。
このように遮断器31は、演算局21,21aにより開放指令1(拡張瞬時要素1c、拡張限時要素1d),2(拡張瞬時要素2a、拡張限時要素2d)が同時に出力され、また、遮断器32aは、端末局23,23aにより開放指令1(拡張瞬時要素1c、拡張限時要素1d),2(拡張瞬時要素2a、拡張限時要素2d)が同時に出力されているため、それぞれ拡張限時要素1dと拡張限時要素2dとの論理積が成立し、限時を持って開放動作する。
以上、説明したように2組の端末局22,22aが異常となる電気所12では、この電気所に接続される送電線41,42の電気量を計測できないので、その中の送電線(例えば41)で事故が発生した場合、この送電線41を含む送電区間1〜2が開放される。同様に、送電線42で事故が発生した場合も、送電区間1〜2が開放される。送電線43で事故が発生した場合は、その両端における電気所13,14では、それぞれ両方の組の端末局23及び23a、24及び24aが正常であるため、両端の遮断器33,33aはそれぞれ図6で示したアンド条件が成立するので開動作し、送電区間3のみ開放される。送電線44で事故が発生した場合も、両端の電気所には11,14は正常な端末局が存在するので、両端の遮断器34,34aはそれぞれ図6で示したアンド条件が成立するので開動作し、送電区間4のみ開放される。
これらの動作は、他の同種パターン29〜30でも同じであり、また、2組の端末局が異常となる電気所が複数となるパターン31〜34でも同じである。いずれの場合も、2組の端末局が異常となった電気所では、接続される送電線の電気量が計測できなくなるので、両方の組の端末局が正常な電気所間まで区間を広げて、保護が行われる。
(パターン35)
このパターン35は、一方の組の電気所12における1台の端末局22と、隣接する他の電気所13における他方の組の1台の端末局23aとが異常の場合である。
このように端末局22,23aが異常の場合、送電線41に事故が発生すると演算局21は、同じ組の端末局22が異常のため、これに隣接する同じ組の端末局23から送信される送電線42の電気量情報と、演算局21自身が計測する送電線41の電気量情報を基に、送電線41〜送電線42の拡張区間での事故を検出する。その結果、遮断器31への開放指令1(拡張瞬時要素1c、拡張限時要素1d)を出力すると共に、端末局23へ故障遮断指令を出力する。端末局23は、演算局21から受信した故障遮断指令により遮断器32aへ開放指令1(拡張瞬時要素1c、拡張限時要素1d)を出力する。演算局21aは、同じ組の端末局22aから送信される送電線41の電気量情報と演算局21a自身が計測する送電線41の電気量情報を基に送電線41の事故を検出する。その結果、遮断器31への開放指令2(区間瞬時要素2b,2c)を出力し、端末局22aへ故障遮断指令を出力する。故障遮断指令を受信した端末局22aは、遮断器31aへ開放指令2(区間瞬時要素2b,2c)を出力する。
ここで、遮断器31は、演算局21,21aにより開放指令1(拡張瞬時要素1c、拡張限時要素1d),2(区間瞬時要素2b,2c)が同時に出力されているため、拡張瞬時要素1cと区間瞬時要素2cとの論理積が成立し、瞬時に開放動作する。遮断器31aは、端末局22aのみから開放指令2(区間瞬時要素2b,2c)が出力されているが、端末局22が異常となっているので、自己、相互監視手段204により、自局バイパス回路111がオンになっている。このため、遮断器31aは、端末局22aのみの開放指令2(区間瞬時要素2c)とバイパス接点111aとの論理積が成立し、瞬時に開放動作する。さらに、遮断器32aは、端末局23のみ開放指令1(拡張瞬時要素1c、拡張限時要素1d)が出力されており、端末局23aが異常のため、自局バイパス回路112がオンになっているので、遮断器32aは、拡張限時要素1dとバイパス接点112bとの論理積が成立し、限時を持って開放制御される。
この場合、送電区間1の両端遮断器31,31aと送電区間2の片側の遮断器32aが開放されるため、送電経路としては、送電区間1〜2が開放される。送電線42で事故が発生した場合、その両端遮断器32,32aのみが遮断されるので送電区間2のみ開放される。送電線43で事故が発生した場合、送電区間2の片側遮断器32と送電区間3の両端遮断器33,33aとが開放動作するため、送電経路としては、送電区間2〜3が開放される。送電線44で事故が発生した場合、その両端遮断器34,34aが開放動作するため、送電区間4のみ開放される。
これに対し、パターン36のように、一方の組の電気所12における1台の端末局22と、健全区間を介した他の電気所14における他方の組の1台の端末局24aとが異常の場合は、どの送電線41〜44に事故が生じても、この事故が発生した送電線両端の遮断器がそれぞれ開放動作する。したがって、送電線41の事故には送電区間1が開放され、送電線42の事故には送電区間2が開放され、送電線43の事故には送電区間3が開放され、送電線44の事故には送電区間4が開放される。
これらの関係は、他のパターン37〜40についても同じである。
(パターン41)
このパターン41は、一方の組の1台の端末局22と、他方の組の2台の端末局22a,23aとが異常の場合である。
端末局22と端末局22a,23aとが異常の場合、送電線41に事故が発生すると、演算局21は、同じ組の端末局22が異常のため、これに隣接する同じ組の端末局23から送信される送電線42の電気量情報と、演算局21自身が計測する送電線41の電気量情報を基に、拡張された送電線41〜送電線42の事故を検出する。その結果、遮断器31への開放指令1(拡張瞬時要素1c、拡張限時要素1d)を出力し、端末局23へ故障遮断指令を出力する。端末局23は、演算局21から受信した故障遮断指令により遮断器32aへ開放指令1(拡張瞬時要素1c、拡張限時要素1d)を出力する。演算局21aは、同じ組の端末局22a,23aが異常のため、これらに隣接する同じ組の端末局24aから送信される送電線43の電気量情報と、演算局21a自身が計測する送電線41の電気量情報を基に送電線41〜送電線43の拡張区間の事故を検出する。その結果、遮断器31への開放指令2(拡張瞬時要素2a、拡張限時要素2d)を出力すると共に、端末局24aへ故障遮断指令を出力する。端末局24aは、演算局21aから受信した故障遮断指令により遮断器33aへ開放指令2(拡張瞬時要素2a、拡張限時要素2d)を出力する。
ここで、遮断器31は、演算局21,21aにより開放指令1(拡張瞬時要素1c、拡張限時要素1d),2(拡張瞬時要素2a、拡張限時要素2d)が同時に出力されているため、拡張限時要素1dと拡張限時要素2dとの論理積が成立し、限時を持って開放制御される。遮断器32aは、端末局23のみ開放指令1(拡張瞬時要素1c、拡張限時要素1d)が出力されており、端末局23aが異常となっているため、自局バイパス回路112がオンになるので、拡張限時要素1dとバイパス接点112bとの論理積が成立し、限時を持って開放制御される。遮断器33aは、端末局24aのみ開放指令2(拡張瞬時要素2a、拡張限時要素2d)が出力されているが、端末局24が正常であるため、バイパス回路111がオンせず、論理積構成により開放しない。
以上のように、端末局22と端末局22a,23aが異常で、送電線41で事故が発生した場合、遮断器31,32aが開放動作するので、送電区間1〜2が開放される。送電線42で事故が発生した場合も、同様の動作で送電区間1〜2が開放される。送電線43で事故が発生した場合は、遮断器33,33aのみが開放動作するので、送電区間3のみ開放される。送電線44で事故が発生した場合、遮断器34,34aのみが開放動作するので、送電区間4のみ開放される。
他のパターン42〜58は、いずれも一方の組の1台の端末局と、他方の組の2台の端末局とが異常の場合の組み合わせであり、異常発生端末局の位置により開放される送電区間は異なるものの、保護の考えからはパターン41と同じである。
(パターン59)
このパターン59は、一方の組の2台の端末局22,23と、他方の組の2台の端末局23a,24aとが異常の場合である。
端末局22,23と端末局23a,24aとが異常の場合、送電線41に事故が発生すると、演算局21は、同じ組の端末局22,23が異常のため、これに隣接する同じ組の端末局24から送信される送電線43の電気量情報と、演算局21自身が計測する送電線41の電気量情報を基に、送電線41〜送電線43の拡張区間の事故を検出する。その結果、遮断器31への開放指令1(拡張瞬時要素1c、拡張限時要素1d)を出力し、端末局24へ故障遮断指令を出力する。端末局24は、演算局21から受信した故障遮断指令により遮断器33aへ開放指令1(拡張瞬時要素1c、拡張限時要素1d)を出力する。演算局21aは、同じ組の端末局22aから送信される送電線41の電気量情報と、演算局21a自身が計測する送電線41の電気量情報を基に送電線41の事故を検出する。その結果、遮断器31への開放指令2(区間瞬時要素2b,2c)を出力すると共に、端末局22aへ故障遮断指令を出力する。端末局22aは、演算局21aから受信した故障遮断指令により遮断器31aへ開放指令2(区間瞬時要素2b,2c)を出力する。
ここで、遮断器31は、演算局21,21aにより開放指令1(拡張瞬時要素1c、拡張限時要素1d),2(区間瞬時要素2b,2c)が同時に出力されているため、拡張瞬時要素1cと区間瞬時要素2cとの論理積が成立し、瞬時に開放制御される。遮断器31aは、端末局22aのみ開放指令2(区間瞬時要素2b,2c)が出力されているが、端末局22が異常であるため、自局バイパス回路111がオンとなり、区間瞬時要素2cとバイパス接点111aとの論理積が成立し、瞬時に開放制御される。遮断器33aは、端末局24のみ開放指令1(拡張瞬時要素1c、拡張限時要素1d)が出力されているが、端末局24aが異常であるため、自局バイパス回路112がオンとなり、拡張限時要素1dとバイパス接点112bとの論理積が成立し、限時を持って開放制御される。
以上のように、送電区間1の両端遮断器31,31aと、送電区間3の片側遮断器33aが開放動作するため、送電経路としては、送電区間1〜3が開放される。送電線42で事故が発生した場合、遮断器32,33aが開放動作するので、送電区間2〜3が開放される。送電線43で事故が発生した場合も、遮断器32,33aが開放動作するので、送電区間2〜3が開放される。送電線44で事故が発生した場合は、送電区間2の片側の遮断器32と送電区間4の両端遮断器34,34aが開放されるため、送電経路としては、送電区間2〜4が開放される。
他のパターン60〜64は、いずれも一方の組の2台の端末局と、他方の組の2台の端末局とが異常の場合の組み合わせであり、異常発生端末局の位置により開放される送電区間は異なるものの、保護の考えからはパターン59と同じである。
このように、二組の保護系60,60aを備え、それぞれの故障遮断出力1,2と装置の自己・相互監視手段による故障遮断出力バイパス回路11,12を論理積で構成することによって、端末局異常時においても送電線の保護機能を維持することができる。
本発明によるネットワーク送電保護装置の一実施の形態を説明する系統構成図である。 同上一実施の形態に用いられる演算局の構成を説明するブロック図である。 同上一実施の形態に用いられる端末局の構成を説明するブロック図である。 同上一実施の形態における2組の演算局を有する電気所での遮断制御回路との関係を説明するブロック図である。 同上一実施の形態における2組の端末局を有する電気所での遮断制御回路との関係を説明するブロック図である。 同上一実施の形態における遮断制御回路の構成を示す回路図である。 従来技術を説明する系統構成図である。
符号の説明
1、2 遮断指令
11,12,13,14 電気所
21,21a 演算局
22,22a,23,23a,24,24a 端末局
41,42,43,44 送電線
60,60a 保護系
71 電源系統
101,201 計測手段
102 故障区間検知手段
103,203 通信手段
104,204 自己・相互監視手段

Claims (1)

  1. 電源系統に接続された電気所を含む複数の電気所を、両端に遮断器を設けた送電線によりそれぞれ接続してループ状に構成した送電系統を保護するネットワーク送電保護装置であって、
    前記各送電線の両端にそれぞれ設けられ、対応する送電線に流れる電気量を個別に計測する計測手段と、
    前記複数の電気所の一つに設けられた2組の演算局、及び他の電気所に設けられたそれぞれ2組の端末局を有し、これら各組毎に通信手段により前記演算局及び複数の端末局相互間で、前記計測手段により計測された電気量情報を含む各種情報の授受が可能な2組の保護系と、
    これら2組の保護系の前記演算局及び各端末局に設けられ、それぞれ自局及び他局の異常有無を相互に監視する自己・相互監視手段と、
    前記電気所に、前記遮断器毎に設けられ、対応する遮断器を開動作させる遮断制御回路と、
    前記2組の保護系の各演算局にそれぞれ設けられ、前記各計測手段により計測された各送電線の両端の電気量情報を前記各保護系別に対応する端末局から収集し、これら各送電線両端の電気量情報から送電線毎の故障の有無を前記保護系別に検出し、故障有りの場合、故障区間両端の遮断器を遮断させる遮断指令を各電気所の遮断制御回路に、同じ保護系の自局又は他の端末局を介して出力する故障区間検知手段とを備え、
    この故障区間検知手段は、前記自己・相互監視手段がいずれかの端末局の異常を検出すると、検出された異常端末局を擁する電気所に接続された複数の送電線を直列な一つの区間として拡張し、この拡張された区間の両端電気量に基づいて該当する拡張区間での故障の有無を前記各保護系別に判定する区間拡張検知機能を有し、
    かつ、各保護系から遮断対象の遮断器に対して出力される遮断指令は、前記遮断対象の遮断器が前記拡張区間の端部に位置するか否かを各保護系別に判断し、前記拡張区間の端部に位置すると判断した保護系は、拡張瞬時要素及び拡張限時要素の遮断指令を出力し、前記拡張区間では無いと判断した保護系は、区間瞬時要素の遮断指令を出力し、
    前記遮断制御回路は、自電気所に設けられた2組の保護系から出力される前記遮断指令のうち、一方の組の区間瞬時要素と他方の組の拡張瞬時要素又は他方の組の区間瞬時要素との論理積、一方の組の区間瞬時要素又は一方の組の拡張瞬時要素と他方の組の区間瞬時要素との論理積、一方の組の拡張限時要素と他方の組の拡張限時要素との論理積とをそれぞれ構成し、これら全論理積の論理和をとって対応する遮断器を開動作させ、かつ前記2組の保護系毎に、前記遮断指令の各要素に対するバイパス回路をそれぞれ有し、前記自己・相互監視手段により自電気所に設けられた2組の保護系のいずれか一方の異常が検出されたときは、異常保護系による遮断指令をバイパスさせ、自電気所に設けられた2組の保護系がそれぞれ異常の場合は、異常保護系による遮断指令のバイパスを行わないように構成した
    ことを特徴とするネットワーク送電保護装置。
JP2008259786A 2008-10-06 2008-10-06 ネットワーク送電保護装置 Expired - Fee Related JP4960328B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008259786A JP4960328B2 (ja) 2008-10-06 2008-10-06 ネットワーク送電保護装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008259786A JP4960328B2 (ja) 2008-10-06 2008-10-06 ネットワーク送電保護装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010093901A true JP2010093901A (ja) 2010-04-22
JP4960328B2 JP4960328B2 (ja) 2012-06-27

Family

ID=42256063

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008259786A Expired - Fee Related JP4960328B2 (ja) 2008-10-06 2008-10-06 ネットワーク送電保護装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4960328B2 (ja)

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS59103537A (ja) * 1982-12-02 1984-06-15 Mitsubishi Electric Corp キヤンドモ−トル
JP2006050813A (ja) * 2004-08-05 2006-02-16 Toshiba Corp デジタルリレー装置
JP2009055763A (ja) * 2007-08-29 2009-03-12 Toshiba Corp ネットワーク送電保護装置

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS59103537A (ja) * 1982-12-02 1984-06-15 Mitsubishi Electric Corp キヤンドモ−トル
JP2006050813A (ja) * 2004-08-05 2006-02-16 Toshiba Corp デジタルリレー装置
JP2009055763A (ja) * 2007-08-29 2009-03-12 Toshiba Corp ネットワーク送電保護装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP4960328B2 (ja) 2012-06-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP3001535B1 (en) Protection control system for process bus, merging unit, and computation device
CN102906847B (zh) 带意外动作阻止功能的漏电检测装置
EP2206208B1 (en) Differential protection method, system and device
KR102005080B1 (ko) 고장전원 탐지 및 복구가 가능한 자동제어시스템
JP2007244138A (ja) 保護回路
JP2009005565A (ja) 配電線事故区間選択遮断装置および配電線事故区間選択遮断方法
KR101064508B1 (ko) 배전자동화용 단말장치의 고장구간 자동 분리 방법
JP5044328B2 (ja) ネットワーク送電保護装置
JP2013062974A (ja) 保護継電システム
JP5208684B2 (ja) 地絡保護継電システム
JP4960328B2 (ja) ネットワーク送電保護装置
JP5645535B2 (ja) 多端子送電系統の保護継電システム
JP2005312180A (ja) ディジタル保護リレーシステム
JPWO2004042883A1 (ja) 保護継電器
JP2009055765A (ja) ネットワーク送電保護装置
JP2004080894A (ja) 環線系統の保護方式
KR101105302B1 (ko) 가공 루프 배전계통 시스템
JP2009055764A (ja) ネットワーク送電保護装置
JPH0847165A (ja) 電線路における双方向保護継電方式及び双方向保護距離継電器
KR102330825B1 (ko) Rmu의 고장 검출 시스템 및 방법
JP2009022063A (ja) 送電線保護システムおよび保護継電装置
KR101252074B1 (ko) Ied 간의 통신방법
JP2011015517A (ja) 配電線の保護システム
JP6645759B2 (ja) 電流差動リレーシステム
JP6698414B2 (ja) 送電回線保護システム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100908

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120123

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120228

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120322

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150330

Year of fee payment: 3

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4960328

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees