JPH11241847A - 空気調和機 - Google Patents

空気調和機

Info

Publication number
JPH11241847A
JPH11241847A JP10334333A JP33433398A JPH11241847A JP H11241847 A JPH11241847 A JP H11241847A JP 10334333 A JP10334333 A JP 10334333A JP 33433398 A JP33433398 A JP 33433398A JP H11241847 A JPH11241847 A JP H11241847A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
voltage
power supply
inverter
signal
supply voltage
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP10334333A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3170571B2 (ja
Inventor
Koji Kato
浩二 加藤
Toru Inoue
井上  徹
Makoto Ishii
誠 石井
Yuuya Takakura
雄八 高倉
Yasuo Notohara
保夫 能登原
Yukio Kawabata
幸雄 川端
Hiroshi Shinozaki
弘 篠崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP33433398A priority Critical patent/JP3170571B2/ja
Publication of JPH11241847A publication Critical patent/JPH11241847A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3170571B2 publication Critical patent/JP3170571B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F25REFRIGERATION OR COOLING; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS; MANUFACTURE OR STORAGE OF ICE; LIQUEFACTION SOLIDIFICATION OF GASES
    • F25BREFRIGERATION MACHINES, PLANTS OR SYSTEMS; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS
    • F25B2600/00Control issues
    • F25B2600/02Compressor control
    • F25B2600/021Inverters therefor
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02BCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO BUILDINGS, e.g. HOUSING, HOUSE APPLIANCES OR RELATED END-USER APPLICATIONS
    • Y02B30/00Energy efficient heating, ventilation or air conditioning [HVAC]
    • Y02B30/70Efficient control or regulation technologies, e.g. for control of refrigerant flow, motor or heating

Abstract

(57)【要約】 【課題】 異なる交流電源電圧に共用し、かつ回路構成
の簡略化を図る。 【解決手段】 交流電源1からの交流電源電圧が整流器
2で全波整流され、コンデンサ5で充電されてインバー
タ13の直流電源電圧Edが得られる。ここで、交流電
源電圧は100Vと200Vとがあり、交流電源電圧が
100Vのときには、コンデンサ5の直流電圧Edの分
圧電圧Ed1が、交流電源電圧が200Vのときには、
分圧電圧Ed2(但し、Ed1>Ed2)が夫々切換ス
イッチ18により選択され、直流電圧Ed’としてスイ
ッチ素子6のオン,オフ制御に用いられる。交流電源電
圧が100Vと200Vとでは、直流電源電圧Edが異
なるが、夫々に対し、インバータ13の直流電源電圧E
dを、インバータ13を低損失,高効率で動作させる電
圧値に設定可能とする。マイコン15は、交流電源電圧
の判別やスイッチ18,21,22などの機能を有して
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、空気調和機に係わ
り、特に電力変換器及びインバータを有する空気調和機
に好適なものである。
【0002】
【従来の技術】入力電流の高調波を抑制する高力率な電
力変換噐を電源とした電動機駆動装置の一従来例が、例
えば、特公平7−89743号公報に示されている。図
12はかかる従来の電動機駆動装置を示すブロック図で
あって、1は交流電源、2は整流器、2a,2b,2
c,2dはダイオード、3はリアクトル、4はダイオー
ド、5はコンデンサ、6はスイッチ素子、7は電圧比較
器、8は掛算器、9は負荷電流検出器、10は電流比較
器、11は発振器、12は駆動回路、13はインバー
タ、14は電動機、15はマイコン、16はインバータ
駆動回路、17は変調器である。
【0003】同図において、整流器2、リアクトル3、
ダイオード4、コンデンサ5、スイッチ素子6、電圧比
較器7、掛算器8、負荷電流検出器9、電流比較器1
0、発振器11、駆動回路12及び変調器17からなる
部分は電力変換器を構成しており、インバータ13はこ
の電力変換器を電源としている。
【0004】まず、この電力変換器について説明する。
【0005】交流電源1からの交流電源電圧は、ダイオ
ード2a〜2dからなる整流器2で全波整流されて、整
流電圧Esに変換される。この整流電圧Esはリアクト
ル3とダイオード4を介してコンデンサ5に印加され、
平滑された直流電圧Edが得られる。これらダイオード
4とコンデンサ5とに並列にスイッチ素子6が設けられ
ている。
【0006】コンデンサ5で平滑された直流電圧Edは
抵抗R3,R4で分圧されて直流電圧Ed’が形成さ
れ、これと基準電圧Eoとの偏差値が電圧比較器7で求
められて電圧制御信号Veが作成される。
【0007】整流器2で正弦波状の交流電源電圧を全波
整流して得られる整流電圧Esは、また、抵抗R1,R
2で分圧されて正弦波同期信号Es’が得られ、この正
弦波同期信号Es’と電圧比較器7からの電圧制御信号
Veとが掛算器8で演算されて電流基準信号Vi’が形
成される。この電流基準信号Vi’は負荷電流検出器9
で得られる電流信号Viと電流比較器10で比較され、
変調信号Vkが得られる。この変調信号Vkは変調器1
7に供給されて発振器11からの鋸歯波状や三角波状の
搬送波Vk’を変調し、この変調信号Vkに応じてデュ
ーティ比が変化するPWM波のスイッチング駆動信号V
gが作成される。このスイッチング駆動信号Vgによ
り、駆動回路12がスイッチング素子6をオン,オフ駆
動する。
【0008】以上のように、この従来例は、正弦波状の
整流電圧Esの波形に追従させながらスイッチング素子
6をオン,オフさせるものであって、これにより、入力
交流電流iを高力率で高調波の少ない正弦波状の電流と
することができ、また、基準電圧Eoと直流電圧Edと
の偏差値に応じてスイッチング素子6の通流比を変化さ
せており、これにより、負荷の変動にかかわらず、安定
した直流電圧Edが得られる。従って、基準電圧Eoや
抵抗R3,R4の抵抗値を適宜設定することにより、直
流電圧Edを所望の電圧値にすることができ、入力交流
電力を直流出力に変換することができると記載されてい
る。
【0009】次に、図12での電動機駆動回路について
説明する。
【0010】上記の電力変換器で作成された直流電力は
インバ−タ13で交流電力に逆変換され、電動機14に
供給されてこれを駆動する。また、速度指令に基づいて
マイコン15から演算出力されるPWM信号がインバー
タ駆動回路16を介してこのインバータ13に供給さ
れ、これによってこのインバータ13が駆動されて、そ
のスイッチング素子(図示せず)が所定の通流率でオ
ン,オフ動作する。
【0011】以上の構成の電動機駆動装置では、直流電
圧Edは、入力交流電源電圧が変化しても、安定して得
られるが、入力交流電源電圧の電圧値に応じてこの直流
電圧Edを変化させたい場合には、回路定数を修正する
必要がある。特に、上記従来例では、昇圧方式の電力変
換器であるため、安定した制御を行なうためには、次式
直流電圧Ed≧交流電源電圧×1.41+10〔V〕に
より、入力交流電源電圧が100Vの場合には、150
V以上の直流電圧Edに、また、入力交流電源電圧が2
00Vの場合には、300V以上の直流電圧Edに夫々
設定する。
【0012】従って、交流電源1が100Vと200V
のどちらでも使用できる電力変換器とする場合には、直
流電圧Edの設定値を300V以上にする必要がある。
【0013】例えば、100Vの入力交流電源電圧の場
合には、直流電圧Edを300V程度の一定電圧とし、
インバータ13を任意の通電率でチョッパ駆動して回転
数制御を行なうよりも、150V以上の任意の直流電圧
Edで、100%通電率のチョッパなしで制御する方が
損失を少なくすることができるが、上記従来例では、そ
の点が考慮されていないため、必要以上に損失が大きく
なるという問題が生じる。
【0014】また、上記従来例は、交流電源1からの交
流電源電圧を全波整流して得られる正弦波状の整流電圧
Esを抵抗R1,R2で分圧して正弦波同期信号Es’
を形成し、これと電圧制御信号Veとを掛算器8で演算
して電流基準信号Vi’を作成し、この電流基準信号V
i’を参照して入力交流電流を正弦波状に制御する方式
であるため、交流電源電圧が100Vと200Vの場合
では、整流電圧Esが異なるため、正弦波の形状や値が
両者で著しく異なる。このため、交流電源電圧を100
Vと200Vで共用すると、力率が悪く、高調波の含有
率が高い電力変換器になる。
【0015】また、以上の電力変換器を用いた電動機駆
動装置及び空気調和機では、交流電源電圧に100Vと
200Vとを使用する場合、夫々に対応した仕様の電力
変換器にしなければならない。従って、機種の増加を招
き、生産効率が低下するなどの問題が生じる。
【0016】さらに、入力交流電流が小さく、特に、上
記の制御を行なう必要がない場合、逆に、低入力電流時
の制御の不安定動作や損失,ノイズなどを排除すること
については考慮されていない。
【0017】例えば、負荷電流検出器9として抵抗を用
い、両端に発生する電圧により、電流信号Viを得よう
とする場合、微小な電流に対しても、制御のためには充
分な電圧を発生させる必要があり、具体的には、この抵
抗の抵抗値を大きく設定することが必要である。この場
合、負荷電流が大きくなると、この抵抗で消費される電
力が大きくなり、損失の増大を招くことになる。
【0018】さらにまた、インバータ13では、その直
流電源電圧Edを一定とし、この直流電源電圧Edをマ
イコン15からのPWM信号のデューティ比に応じた通
電率でチョッピングすることにより、このデューティ比
に応じた所定の回転数で電動機14が回転するようにし
ている。このデューティ比を変化させることにより、電
動機14の回転数が変化することになるが、かかる従来
の電動機駆動装置では、このように、常時インバータ1
3がチョッパ駆動されるため、これによる電力損失(チ
ョッパ損失)が生じて効率が低くならざるを得なかっ
た。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】従来の空気調和機は、
アクテイブコンバータの駆動部がマイコンと独立した基
板上に設けられていないため、従来の受動素子により構
成された力率改善回路との置換えが非常に面倒であっ
た。このため、制御回路の共用化が図れず、機種の展開
が面倒となり、新製品の早期提供の障害となっていた。
また、異なる入力交流電源電圧の交流電源に共用して接
続されると、入力交流電源電圧の種類によって、整流電
圧の波形がで著しく異なるため、異なる種類の入力交流
電源電圧で共用すると、力率が低下した高調波の含有率
が高いものになってしまうという問題があった。
【0020】本発明の目的は、スイッチ素子を含むアク
テイブコンバータブロックを同一基板としてマイコンを
含む周辺回路基板と独立させることによって、従来の受
動素子により構成された力率改善回路との置換えが容易
となり、制御回路の共用化が図れ、機種の展開が容易と
なり、新製品の早期提供が容易となる。空気調和機を提
供することにある。
【0021】本発明の他の目的は、異なる入力交流電源
電圧の交流電源に共用して接続されても、高力率でかつ
高調波の少ない状態で動作することができて入力交流電
源側への悪影響も抑制することができる空気調和機を提
供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、圧縮機を駆動する電動機駆動装置を有す
る空気調和機において、該電動機駆動装置は、交流電源
に接続され、入力交流電源電圧を整流して直流電圧を出
力する電力変換装置と、該電力変換装置の出力直流電圧
を電源電圧とするインバータと、該電力変換装置及びイ
ンバータを制御するマイコンと、該インバータにより駆
動される電動機とを備え、該電力変換装置は、該入力交
流電源電圧を整流する整流器と、該整流器によって得ら
れる整流電圧を平滑して直流電圧を該インバータへ供給
するコンデンサと、該整流器と該コンデンサとの間に接
続され、駆動信号によりオン,オフ制御されるスイッチ
素子を含むアクテイブコンバータの駆動部とを有し、該
アクテイブコンバータの駆動部は、該マイコンを含む周
辺回路基板と独立したアクテイブコンバータブロック基
板上に設けた構成とするものである。
【0023】また、本発明は、圧縮機を駆動する電動機
駆動装置を有する空気調和機において、該電動機駆動装
置は、交流電源に接続され、入力交流電源電圧を整流し
て直流電圧を出力する電力変換装置と、該電力変換装置
の出力直流電圧を電源電圧とするインバータと、該電力
変換装置及びインバータを制御するマイコンと、該イン
バータにより駆動される電動機とを備え、該電力変換装
置は、該入力交流電源電圧を整流する整流器と、該整流
器によって得られる整流電圧を平滑して直流電圧を該イ
ンバータへ供給するコンデンサと、該整流器と該コンデ
ンサとの間に接続され、駆動信号によりオン,オフ制御
されるスイッチ素子を含むアクテイブコンバータの駆動
部とを有し、該アクテイブコンバータの駆動部は、該ス
イッチ素子と、整流電圧同期信号と直流電圧制御信号と
を用いて電流基準信号を形成する掛算器と、該電流基準
信号と負荷電流信号とを用いて変調信号を形成する電流
比較器と、該変調信号と搬送波とを用いてスイッチング
駆動信号を形成する駆動回路とを有し、該マイコンを含
む周辺回路基板と独立したアクテイブコンバータブロッ
ク基板上に設けた構成とするものである。
【0024】さらに、本発明は、圧縮機を駆動する電動
機駆動装置を有する空気調和機において、該電動機駆動
装置は、交流電源に接続され、入力交流電源電圧を整流
して直流電圧を出力する電力変換装置と、該電力変換装
置の出力直流電圧を電源電圧とするインバータと、該電
力変換装置及びインバータを制御するマイコンと、該イ
ンバータにより駆動される電動機とを備え、該電力変換
装置は、該入力交流電源電圧を整流する整流器と、該整
流器によって得られる整流電圧を平滑して直流電圧を該
インバータへ供給するコンデンサと、該整流器と該コン
デンサとの間に接続され、駆動信号によりオン,オフ制
御されるスイッチ素子を含むアクテイブコンバータの駆
動部と、入力交流電源電圧の種類による回路切換部とを
有し、該アクテイブコンバータの駆動部は、該スイッチ
素子と、該整流電圧を用いて該電力変換装置の負荷電流
が整流電圧の波形に追従するように該スイッチ手段を制
御する信号を生成する力率改善信号生成手段とを有し、
該マイコンは、該入力交流電源電圧の種類を判別する判
別手段と、該判別手段によって判別された該入力交流電
源電圧の種類に応じて該力率改善信号生成手段の制御値
を選択設定する設定手段とを有し、該アクテイブコンバ
ータの駆動部と回路切換部とは、該マイコンを含む周辺
回路基板と独立したアクテイブコンバータブロック基板
上に纏めて設けた構成とするものである。
【0025】さらにまた、本発明は、圧縮機を駆動する
電動機駆動装置を有する空気調和機において、該電動機
駆動装置は、交流電源に接続され、入力交流電源電圧を
整流して直流電圧を出力する電力変換装置と、該電力変
換装置の出力直流電圧を電源電圧とするインバータと、
該電力変換装置及びインバータを制御するマイコンと、
該インバータにより駆動される電動機とを備え、該電力
変換装置は、該入力交流電源電圧を整流する整流器と、
該整流器によって得られる整流電圧を平滑して直流電圧
を該インバータへ供給するコンデンサと、該整流器と該
コンデンサとの間に接続され、駆動信号によりオン,オ
フ制御されるスイッチ素子を含むアクテイブコンバータ
の駆動部と、入力交流電源電圧の種類による回路切換部
とを有し、該アクテイブコンバータの駆動部は、該スイ
ッチ素子と、整流電圧同期信号と直流電圧制御信号とを
用いて電流基準信号を形成する掛算器と、該電流基準信
号と負荷電流信号とを用いて変調信号を形成する電流比
較器と、該変調信号と搬送波とを用いてスイッチング駆
動信号を形成する駆動回路とを有し、該回路切換部は、
該整流電圧を分圧する複数の抵抗と、該抵抗の接続を切
替えて分圧比を変える切換スイッチとを有し、該マイコ
ンは、該入力交流電源電圧の種類を判別する判別手段
と、該判別手段によって判別された該入力交流電源電圧
の種類に応じて該力率改善信号生成手段の制御値を選択
設定する設定手段とを有し、該アクテイブコンバータの
駆動部と回路切換部とは、該マイコンを含む周辺回路基
板と独立したアクテイブコンバータブロック基板上に纏
めて設けた構成とするものである。
【0026】かかる構成により、スイッチ素子を含むア
クテイブコンバータブロックを同一基板としてマイコン
を含む周辺回路基板と独立させることによって、従来の
受動素子により構成された力率改善回路との置換えが容
易となり、制御回路の共用化が図れ、機種の展開が容易
となり、新製品の早期提供が容易となる。また、異なる
種類の入力交流電源電圧の交流電源に共用して接続され
ても、高力率でかつ高調波の少ない状態で動作すること
ができる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を
用いて説明する。図1は本発明による空気調和機の第1
の実施形態を示すブロック図であって、18は直流電圧
切換スイッチ、19はトリガ素子、20は同期信号切換
スイッチ、21は電圧指令切換スイッチ、22はドライ
ブ信号切換スイッチ、23は入力電流検出器、24はア
クティブコンバータブロック、25はLPF(ローパス
フィルタ)であり、図12に対応する部分には同一符号
を付けて重複する説明を省略する。
【0028】図1において、コンデンサ5で平滑して得
られる直流電圧Edは抵抗R4,R5,R6からなる分
圧回路で分圧され、直流電圧Ed1,Ed2が形成され
る。ここで、 Ed1=Ed×(R5+R6)/(R4+R5+R6) Ed2=Ed×R6/(R4+R5+R6) であり、Ed1>Ed2である。
【0029】直流電圧Ed1は直流電圧切換スイッチ1
8の接点Bに、直流電圧Ed2はこの切換スイッチの接
点Aに夫々供給される。この直流電圧切換スイッチ18
は、マイコン15により、直流電圧Edの分圧電圧Ed
1に応じて切換制御され、この直流電圧切換スイッチ1
8からは直流電圧Ed1,Ed2のうちの選択された方
が直流電圧Ed1’として出力される。
【0030】直流電圧切換スイッチ18の出力直流電圧
Ed1’は電圧指令切換スイッチ21の接点Bに供給さ
れる。また、この電圧指令切換スイッチ21の接点Aに
は、マイコン15から出力される電動機14の速度制御
のためのPWM信号がLPF25で平滑処理されて形成
される直流電圧Ed2’が供給される。この電圧指令切
換スイッチ21もマイコン15によって切換制御され、
通電率が100%よりも小さい電動機負荷のときには、
接点B側が、また、電動機負荷が大きくて通電率が10
0%のときには、接点A側が夫々選択される。
【0031】電圧指令切換スイッチ21で選択された直
流電圧Ed1’,Ed2’のいずれかは、直流電圧E
d’として電圧比較器7に供給され、基準電圧Eoとの
偏差値が求められて電圧制御信号Veが形成される。
【0032】図12で示した従来例では、この電圧制御
信号Veは、コンデンサ5で平滑された直流電圧Edを
分圧して得られる1種類の直流電圧Ed’を、基準電圧
Eoと比較することにより得ていたが、この第1の実施
形態では、直流電圧Edを分圧して得られる2種類の直
流電圧Ed1,Ed2とLPF25から得られる直流電
圧Ed2’とのいずれかを上記の直流電圧Ed’とし、
これと基準電圧Eoと比較することにより得ている。
【0033】一方、整流器2から出力される正弦波の全
波整流波形の整流電圧Esは、抵抗R1,R2,R3か
らなる分圧回路で分圧され、電圧Es1,Es2が形成
される。ここで、 Es1=Es×(R2+R3)/(R1+R2+R3) Es2=Ed×R3/(R1+R2+R3) であり、Es1>Es2である。
【0034】電圧Es1は同期信号切換スイッチ20の
接点Bに、また、電圧Es2はこの同期信号切換スイッ
チ20の接点Aに夫々供給される。この同期信号切換ス
イッチ20も、マイコン15により、直流電圧切換スイ
ッチ18と同様に、コンデンサ5で平滑された直流電圧
Edの分圧電圧Ed1に応じて切換え制御され、この同
期信号切換スイッチ20から出力される電圧Es1また
はEs2は、正弦波同期信号Es’として掛算器8に供
給される。
【0035】掛算器8からは電流基準信号Vi’が得ら
れ、これを用いて、図12に示した従来例と同様にし
て、スイッチ素子6のオン,オフ制御が行なわれる。
【0036】以上のようにして、この第1の実施形態に
おいても、正弦波の全波整流波形の整流電圧Esの波形
に追従させながらスイッチ素子6をオン,オフするもの
であり、これにより、高力率で高調波の少ない正弦波状
の入力交流電流にすることができ、また、基準電圧Eo
と直流電圧Ed’の偏差値に応じてスイッチ素子6の通
流率を変化させるものであるから、負荷の変動にかかわ
らず、安定した直流電圧Edが得られる。従って、基準
電圧Eoと抵抗R4,R5,R6の抵抗値を適宜設定す
ることにより、直流電圧Edを所望の電圧値とすること
ができる。
【0037】ここで、マイコン15は、また、入力電流
検出器23により、入力交流電流Isを検出しており、
この入力交流電流Isの電流値が所定値以上となるまで
の期間“L”(ローレベル)のトリガ信号VTをトリガ
素子19に供給する。このトリガ素子19は、このトリ
ガ信号VTの“L”期間駆動回路12を制御し、スイッ
チ素子6をオフ状態にする。トリガ信号VTが“L”か
ら“H”(ハイレベル)に変化すると、この時点でトリ
ガ素子19がスイッチ素子6を動作状態にする。
【0038】また、マイコン15から出力されるPWM
信号は、通常設定A側に閉じているドライブ信号切換ス
イツチ22を介してインバータ駆動回路16に供給さ
れ、このインバータ駆動回路16は、このPWM信号の
デューティ比に応じた通電率でインバータ13の図示し
ないスイッチ素子をオン,オフ制御する。これにより、
インバータ13では、コンデンサ5から供給される直流
電圧Edの直流電力がこの通電率でチョッピングされて
交流電力に変換され、電動機14に供給してPWM信号
のデューティ比に応じた回転数で回転させる。
【0039】次に、国内の場合を例にして、この第1の
実施形態の制御動作方法について、図2により説明す
る。なお、国内の場合には、交流電源電圧は、100V
と200Vとの2種類がある。
【0040】まず、電源がオンすると(ステップ10
0)、マイコン15が初期状態に設定され、これによ
り、マイコン15は、直流電圧切換スイッチ18,同期
信号切換スイッチ20を接点A側に、電圧指令切換スイ
ッチ21を接点B側に、ドライブ信号切換スイッチ22
を接点A側に夫々閉じる。これにより、直流電圧切換ス
イッチ18は直流電圧Ed2を選択し、電圧比較器7に
は、次の直流電圧Ed’、Ed’=Ed×R6/(R4
+R5+R6)が供給される。また、同期信号切換スイ
ッチ20では、正弦波同期信号Es2が選択される。
【0041】かかる状態でコンデンサ5で充電動作を開
始し、マイコン15はコンデンサ5の直流電圧Edの分
圧電圧Ed1を検出する(ステップ101)。この検出
した直流電圧Ed1の電圧値から、 Ed=Ed1×(R4+R5+R6)/(R5+R6) により、直流電圧Edが、例えば、160Vより高けれ
ば(ステップ102)、入力交流電源電圧は200Vで
あると判断し、直流電圧切換スイッチ18を接点Aに閉
じたままとする(ステップ103)。これにより、直流
電圧Ed’は直流電圧Ed2となり、コンデンサ5に得
られる直流電圧Edは、 Ed=Ed2×{1+(R5+R4)/R6} となる。
【0042】また、同期信号切換スイッチ20を接点A
に閉じたままとする(ステップ104)。従って、この
ときの正弦波同期信号Es’は、 Es’=Es×R3/(R1+R2+R3) となる。
【0043】一方、直流電圧Edが、例えば、120V
より低ければ(ステップ102)、入力交流電源電圧は
100Vであると判断して、直流電圧切換スイッチ18
を接点B側に切り換える(ステップ110)。従って、
コンデンサ5の直流電圧Edは、 Ed=Ed1×{1+R4/(R5+R6)} となる。
【0044】また、同期信号切換スイッチ20を接点B
に切り換える(ステップ111)。従って、このときの
正弦波同期信号Es’は、 Es’=Es×(R2+R3)/(R1+R2+R3) となる。
【0045】このように、入力交流電源電圧の大きさに
応じて直流電圧切換スイッチ18,同期信号切換スイッ
チ20を切換え制御することにより、入力交流電源電圧
が200Vのときには、直流電圧Ed’や正弦波同期信
号Es’を夫々低い方の直流電圧Ed2,Es2とし、
入力交流電源電圧が100Vのときには、直流電圧E
d’や正弦波同期信号Es’を夫々高い方の直流電圧E
d1,Es1とする。これにより、入力交流電源電圧が
100Vのときと200Vのときとでの直流電圧Ed’
の違いを押さえることができ、電圧制御信号Veの振幅
が大きくなり過ぎて飽和してしまうことによる制御の不
安定や、正弦波同期信号Es’及び電圧制御信号Veか
ら演算される電流基準信号Vi’が乱れて電流波形が正
弦波でなくなるなどの不具合を防ぐことができる。
【0046】なお、この実施形態では、入力交流電源電
圧を100Vと200Vとの2種類としているが、一般
に、入力交流電源電圧をV1,V2,……,Vnのn種
類とし、かつ直流電圧Ed’,Es’も同様にn種類と
して、入力交流電源電圧がV1,V2,……,Vnのい
ずれてあるかを判定し、この判定結果に応じて、この入
力交流電源電圧に対応する直流電圧Ed’,Es’とす
ることにより、同様の効果が得られる。
【0047】ステップ102で入力交流電源電圧が20
0Vであると判断した場合には、また、電圧指令切換ス
イッチ21を接点B側に閉じた状態のままとする(ステ
ップ105)。このとき、ほぼE0=Ed’となり、従
って、直流電圧Edは、 Ed=E0×{1+(R5+R4)/R6} となる。この場合、例えば、Ed=300Vである。
【0048】また、このとき、ドライブ信号切換スイツ
チ22は接点A側に閉じたままの状態とされ(ステップ
105)、マイコン15から出力されるPWM信号がこ
のドライブ信号切換スイツチ22を介してインバータ駆
動回路16に供給される。
【0049】以上の動作により、電力変換器で作成され
た直流電力Edがインバ−タ13で交流に逆変換され、
これにより、電動機14が駆動させる(ステップ10
6)。マイコン15は、図12に示した従来例と同様
に、速度指令に基づく演算によって上記のPWM信号を
生成して出力し、これにより、インバータ駆動回路16
を介してインバータ13が駆動され、このインバータ1
3のスイッチ素子をこのPWM信号のデューティ比に応
じた所定の通流率でオン,オフして電動機14の回転数
制御を行なう。
【0050】なお、一般に、交流電源電圧が上記のV
1,V2,……,VnのいずれかVj(j=1,2,…
…,n)である場合、この入力交流電源電圧Vjに対
応する直流電圧Ed’と一定の基準電圧Eoとを比較し
て、この入力交流電源電圧Vjを整流平滑して得られる
直流電圧Edを任意の一定値(例えば、300V)に設
定し、インバータ13のスイッチ素子を任意の通電率で
オン、オフさせる。
【0051】昇圧回路において、この直流電圧Edを入
力交流電源電圧の全波整流電圧Es以下に下げると、力
率低下や入力電流波形の乱れを生じる。この不具合を回
避するために、200Vと判定した場合には、Ed=3
00V一定にして制御を行なう。勿論、Ed=300V
で充分電動機14は所望の回転数が得られることが条件
であり、300V以上に昇圧しても、本発明の主旨は損
なわれない。
【0052】マイコン15は、入力電流検出器23で入
力交流電流Isを検出し(ステップ107)、この入力
交流電流Isが大きい期間“H”のトリガ信号VTをト
リガ素子19に出力し、この期間スイッチ素子6がオ
ン,オフ動作するようにして(ステップ108)、運転
を継続する(ステップ109)。
【0053】また、ステップ102で入力交流電源電圧
が100Vであると判断した場合でも、電圧指令切換ス
イッチ21は接点B側に閉じた状態のままとする(ステ
ップ112)。従って、上記と同様に、ほぼE0=E
d’となり、直流電圧Edは、 Ed=E0×{1+R4/(R5+R6)} となり、この場合、例えば、Ed=150Vである。こ
のように、基準電圧E0を共用しながら、コンデンサ5
での直流電圧Edを、入力交流電源電圧が200Vであ
る場合とは異なる電圧値に設定できる。
【0054】このとき、インバ−タ13の通電率が10
0%未満の場合には(ステップ116)、ステップ10
5,106と同様にして、電動機14を駆動させ(ステ
ップ112,113)、また、ステップ107,108
と同様にして、スイッチ素子6のオン,オフ動作を行な
わせて(ステップ114,115)、運転をそのまま継
続する(ステップ118)。
【0055】しかし、入力交流電源電圧が100Vで動
作中、例えば、電動機負荷が大きくなり、インバータ1
3でのスイッチ素子の通電率が100%になる場合には
(ステップ116)、電圧指令切換スイッチ21を接点
A側に、また、ドライブ信号切換スイツチ22を接点B
側に夫々切り換える(ステップ117)。
【0056】これにより、速度指令に基づいて演算され
たマイコン15からのスイッチ素子駆動信号(PWM信
号)がLPF25によって平滑処理された直流電圧Ed
2’が電圧指令切換スイッチ21から直流電圧Ed’と
して出力され、この直流電圧Ed’から形成された電圧
制御信号Veが電圧比較器7に供給される。これに応じ
て、コンデンサ5での直流電圧Edが、例えば、150
V以上の任意の電圧になるように、スイッチ素子6のオ
ン,オフ制御がなされる。また、これと同時にドライブ
信号切換スイツチ22が接点B側に切り換えられたこと
により、インバータ13を通電率100%で駆動するた
めの電圧Eiがこのドライブ信号切換スイツチ22を介
してインバータ駆動回路16に供給される。
【0057】ここで、入力交流電源電圧が100Vであ
る場合のかかるこの実施形態の上記動作を、空気調和機
の暖房運転の場合を例として、図3によりさらに詳細に
説明する。なお、図3は、室温センサ29が付加して示
している以外、図1と同じである。
【0058】同図において、空気調和機には、室温セン
サ29が設けられており、マイコン15は、この室温セ
ンサ29によって室内の温度を検出し(この検出される
温度を、以下、計測室温という)、これをユーザによっ
て設定された希望の室温(設定室温)と比較し、計測室
温が低くて設定室温に達していないときには、これらの
差に応じてPWM信号のデューティ比を高め、インバー
タ13でのスイッチ素子の通電率を高めて電動機14の
回転数を高めるようにする。
【0059】このとき、コンデンサ5の直流電圧Ed、
即ち、インバータ13の直流電源電圧は150Vに固定
されており、インバータ13のスイッチ素子がチョッパ
動作しているが、上記PWM信号のデューティ比が10
0%となっても、計測室温が設定室温に達していない
と、マイコン15は、上記ステップ117で説明したよ
うに、ドライブ信号切換スイッチ22を接点B側に切り
換えて、一定電圧Eiをインバータ駆動回路16に供給
するようにすることにより、インバータ13のスイッチ
素子の通電率を100%に保持し、これとともに、電圧
指令切換スイッチ21を接点A側に切り換えて、PWM
信号をLPF25で平滑して得られる電圧Ed2’を電
圧Ed’として電圧比較器7に供給するようにする。そ
して、このPWM信号のデューティ比を小さくしていっ
て、電圧Ed’が基準電圧Eoよりも順次小さくなるよ
うにしていく。
【0060】これにより、スイッチ素子6の通電率が、
コンデンサ5の直流電圧Edが150Vであるときの通
電率よりも大きくなっていき、これにより、コンデンサ
5の直流電圧Edが150Vから順次増大していって電
動機14の回転数が増加していく。そして、これととも
に、室温がさらに高くなり、計測室温が設定室温に達す
るようになる。
【0061】以上のように、入力交流電源電圧が100
Vの場合には、各スイッチを切り換えることにより、ス
イッチ素子6とインバータ13の駆動制御信号を、マイ
コン15から単一ポートで出力することが可能となり、
インバータ13のスイッチ素子の通電率が100%の場
合には、このインバータ13の電源電圧としての直流電
圧Edを変化させる指令電圧Ed2’(PWM信号)を
出力し、100%未満の場合には、インバータ13を駆
動する制御電圧(PWM信号)を出力させる。そして、
これら各々の場合について、インバータ13の駆動回路
16に入力する信号として、通電率100%でインバー
タ13のスイッチ素子を駆動するための所定の一定電圧
か、マイコン15の単一ポートからのインバータ駆動信
号(PWM信号)かを切り換えて出力する手段(ドライ
ブ信号切換スイッチ22)とを備えることにより、マイ
コン15として比較的低機能で廉価なマイコンを使用し
ても、上記の制御が可能となり、安価な製品を供給する
ことができる。
【0062】また、通電率が100%になった場合に
は、コンデンサ5で得られるの直流電圧Edを制御する
ことにより、電動機14の回転数制御が行われる。
【0063】従って、インバータ13のスイッチ素子の
オン,オフの通電率が100%未満であるときには、直
流電圧Ed1’を一定の基準電圧Eoと比較しながら、
150V程度という比較的低い任意の一定値に設定した
上で、インバータ13のスイッチ素子を任意の通電率で
オン,オフさせて電動機14の回転数を制御するもので
あるから、インバータ13あるいは電動機14での損失
が低減してその効率を向上させることができる。
【0064】さらに、インバータ13のスイッチ素子の
通電率が100%であるときには、直流電圧Ed1’の
代わりに、任意の指令電圧Ed2’を切り換えて電圧比
較器7に供給して基準電圧Eoと比較し、電動機14の
所望の回転数に応じて指令電圧Ed2’を変化させ、こ
のようにして、インバータ13でチョッパが行なわれ
ず、直流電圧値Edを大小制御することにより、電動機
14の回転数を高低に制御するようにしているので、イ
ンバータ13でのチョッパ損失を低減することができ
る。
【0065】かかる回転制御により、インバータ13で
のスイッチング損失低減,低直流電圧での電動機14の
インバータ駆動による効率向上が実現でき、高効率化が
図れることになる。
【0066】図4はある電動機負荷のときでのこの実施
形態と従来の空気調和機との電動機回転数と効率との関
係を比較して示す図であり、Aは入力交流電源電圧が1
00Vであるときの上記動作をなすこの実施形態の特性
を示し、Bはインバータの直流電源電圧が一定に保持さ
れる従来の空気調和機、または、入力交流電圧が200
Vであるときの上記動作をなすこの実施形態の特性を夫
々示している。
【0067】同図において、インバータの直流電源電圧
を、例えば、300Vと一定に保持し、インバータのチ
ョッパの通電率の制御により電動機の回転数を制御する
空気調和機(以下、公知の空気調和機という)では、電
動機の回転数n(rpm)に対して、その効率が特性B
のように変化する。回転数nの増加とともに効率が上昇
するのは、インバータのチョッパの通電率が上昇するこ
とにより、電動機のヒステリシス損失が低減されること
になる。
【0068】これに対し、入力交流電源電圧が100V
であって、上記のように、インバータのチョッパの通電
率が100%未満では、インバータの直流電源電圧を1
50V一定にしてインバータでチョッパの通電率の制御
により電動機の回転数制御を行ない、この通電率が10
0%となると、インバータの直流電源電圧を制御するこ
とにより電動機の回転数制御を行なう実施形態(以下、
入力100Vの実施形態という)では、電動機の回転数
nに対して、その効率が特性Aのように変化し、従来の
空気調和機の効率Bよりもかなり高いものとなる。
【0069】ここで、領域n1を入力100Vの実施形
態でのインバータでチョッパの通電率が100%未満の
領域、また、領域n2を入力100Vの実施形態でのイ
ンバータでチョッパの通電率が100%の領域とし、こ
こでの電動機負荷に対し、領域n1,n2の境界で、即
ち、インバータの直流電源電圧が150Vでインバータ
がチョッパ駆動されるときでの電動機が取り得る最大の
回転数を4000(rpm)としている。また、いずれ
のものにおいても、インバータの直流電源電圧が300
Vで、インバータのスイッチ素子の通電が100%であ
るとき、電動機の回転数が9000(rpm)としてい
る。
【0070】公知の空気調和機では、領域n1,n2を含
む全領域でインバータの直流電源電圧を300Vとし、
インバータのスイッチ素子の通電率の制御により、電動
機の回転数制御が行なわれる。これに対し、入力100
Vの実施形態では、領域n1においては、インバータの
直流電源電圧を300Vの半分の150Vとして、イン
バータのスイッチ素子の通電率の制御により、電動機の
回転数制御が行なわれる。従って、このインバータの直
流電源電圧が低い分、入力100Vの実施形態の効率が
高くなる。
【0071】また、領域n2では、入力100Vの実施
形態では、インバータのスイッチ素子の通電率を100
%として、インバータでチョッパが行なわれず、このイ
ンバータの直流電源電圧を制御することにより、電動機
の回転数制御が行なわれる。このため、効率はほぼ一定
となるが、特性Aとして示すように、ほぼインバータで
チョッパが行なわれない分、公知の空気調和機よりも高
い効率となっている。
【0072】なお、電動機の回転数がほぼ9000(r
pm)になると、入力100Vの実施形態においては、
インバータの通電率が100%でその直流電源電圧が3
00Vとなり、公知の空気調和機でのインバータの通電
率が100%となったときと同じ状態となるので、特性
A,Bは一致する。
【0073】図1に示した第1の実施形態では、また、
以上の手順で電力変換器の制御を行ない、正弦波同期信
号Es’については、抵抗R1,R2,R3の抵抗値
を、直流電圧Ed’については、抵抗R4,R5,R6
の抵抗値を夫々適正に設定することにより、入力交流電
源電圧が100Vの場合でも、また、200Vの場合で
も、夫々に任意の直流電圧Edが得られ、また、高調波
の少ない高力率な電力変換器となる。
【0074】このとき、入力電流検出器23の検出出力
電圧はマイコン15に供給され、これが所定の値以上と
なった場合には、マイコン15からスイッチ素子6の駆
動トリガ信号VTを出力し、そのスイッチング動作を開
始させる。従って、供給電流の大きい場合には、安定し
た高力率が得られる。
【0075】例えば、負荷電流検出器9として抵抗を用
い、その両端に生ずる電圧により、電流信号Viを得よ
うとする場合、微小な電流に対しても、制御のために充
分な電圧を発生させる必要があり、具体的には、その抵
抗値を大きく設定することが必要である。この場合、負
荷電流が大きくなると、この抵抗からなる負荷電流検出
機9で消費される電力が大きくなり、損失の増大を招く
ことになる。従って、この損失を低減するためには、そ
の抵抗値を極力小さくし、しかも、低負荷電流時の微小
検出電圧に対して不安定な動作をさせないようにするた
めに、入力電流検出器23の検出出力値が所定の値より
小さい場合には、スイッチ素子6の駆動を禁止する。こ
のようにして、低入力電流時の不安定動作を回避し、か
つ高入力時の損失の低減を実現する。また、低入力電流
時には、スイッチ素子6のチョッパ動作が行なわれない
ようにすることより、これも損失を低減することが可能
となり、かつノイズを低減せしめる。
【0076】なお、図1において、アクティブコンバー
タブロック24は、アクティブコンバータの駆動部,1
00V/200Vによる回路切換部,インバータドライ
ブ信号と直流電圧指令信号の切換部などをブロック化
し、同一基板上にまとめたものである。
【0077】このアクティブコンバータブロック24を
他の回路と独立した基板構成にすることにより、図5に
示すように、コンデンサ26やリアクトル27,ダイオ
ード28などのまるごと受動素子により構成された力率
改善回路Qとの置き換えが可能であり、マイコン15な
どを含めた周辺回路基板の共用化が図れる。
【0078】図6は図5で示したような受動素子で構成
された回路を用いた空気調和機と、能動素子を用い、イ
ンバータの直流電源電圧に応じて電動機の回転数を制御
するようにした図1で示した第1の実施形態とでの電動
機の出力範囲を比較して示す図であって、横軸に電動機
の回転数Nを、縦軸に負荷トルクTを夫々とっており、
電動機の出力WはN×Tにほぼ比例する。
【0079】同図において、家庭用ブレーカの容量(例
えば、20A)により、入力電流が制限され、エアコン
に対する最大入力(=入力電源電圧×入力電流×力率)
が制限される。図5に示した回路を用いる空気調和機で
は、力率90%程度であるため、Y線よりも下側の領域
に入力制限範囲(即ち、電動機の出力の取り得る範囲)
が規制される。これに対し、上記第1の実施形態では、
上記のように、力率が改善されてほぼ100%となって
いるので、X線よりの下側の領域が入力制限範囲とな
り、図5に示した回路を用いる空気調和機に比べて、電
動機に与える有効電力がほぼ10%アップする。そし
て、特に、電動機の負荷トルクが大きい場合には、かか
る入力制限範囲によって制限される。
【0080】また、電動機の回転数が高くなると、電動
機の最大出力範囲がインバータの直流電源電圧Edによ
って制限される。電動機は、自己の回転により誘起電圧
が発生するため、低い直流電圧では、電流が流れなくな
り、無負荷でも、一定以上回転数が上がらなくなる。特
に、実用上最も運転される時間の多い低速領域で高い効
率が得られる電動機ほど、同一回転数で発生する誘起電
圧が大きくなるので、同一直流電圧によって駆動できる
回転数は低くなる傾向がある。従って、交流電源電圧を
整流平滑することしかできない。例えば、図5に示され
るような構成では、効率のよい電動機ほど回転数を上げ
られず、ひいては、最大出力の低下を招くというトレー
ドオフの問題が発生する。
【0081】図5に示した回路を用いる空気調和機で
は、この直流電源電圧Edは、例えば、ほぼ230Vか
ら最大でもほぼ280Vであり、Ed=230Vのとき
の制限範囲をY’線で示している。このY’線の左側の
範囲しか電動機の出力を取り得ないことになる。これに
対し、上記第1の実施形態では、この直流電源電圧Ed
は、上記の例では、300Vであるし、また、150V
から300Vまで可変であり、最大の300Vでの制限
範囲をX’線で示している。このことからして、電動機
の出力範囲が拡大したことになり、かつ、効率の良い電
動機を使いつつ、高い最大出力が得られることになり、
前記の不具合を改善することができる。
【0082】図7は本発明による空気調和器の第2の実
施形態を示すブロック図であって、30は交流電源電圧
検出器であり、図1に対応する部分には同一符号を付け
て重複する説明を省略する。
【0083】同図において、図1に示した第1の実施形
態と異なる点は、交流電源電圧検出器30を設けた点で
あって、交流電源1からの入力交流電源電圧を交流電源
電圧検出器30が検出し、その検出出力信号Vs’をも
とにマイコン15が入力交流電源電圧を判別する。そし
て、この判別結果に応じて、直流電圧切換スイッチ18
や同期信号切換スイッチ20が、第1の実施形態と同様
に、切り換え制御される。
【0084】なお、これら第1,第2の実施形態は、入
力交流電源電圧の判定や制御信号の出力をマイコン15
のソフトで行なっているが、ハード回路で行なうように
してもよく、同様の効果を得られることは明らかであ
る。
【0085】図8は本発明による空気調和機の第3の実
施形態を示すブロック図であって、31は交直流切換ス
イッチ、32は直流電源であり、図1に対応する部分に
は同一符号を付けて重複する説明を省略する。
【0086】同図において、この第3の実施形態では、
整流器2の代わりに、ソーラー電源などの直流電源32
(例えば、150V程度)も設け、これからの直流電源
電圧EAと整流器2からの整流電圧Esとのいずれかを
交直流切換スイッチ31で選択することができるように
したものであり、直流電圧の昇圧回路として機能するこ
とが可能としている。
【0087】直流電源32を選択した場合には、図2に
おいて、マイコン15がコンデンサ5の直流電圧を16
0V以下と判定したとき(ステップ102)と同様の動
作を行なう。従って、この第3の実施形態は、低い電圧
の直流電源32でもって電動機14を駆動することが可
能となる。
【0088】リアクトル3の電源側に太陽電池などの直
流電源を接続すると、直流電源電圧の変動があっても、
所望の直流電圧Edに安定化させることができる。これ
により、太陽電池などの電源電圧変動や直流電源の種類
(太陽電池,蓄電池,燃料電池など)を問わず接続する
ことが可能となる。また、スイッチ素子6のコレクタ,
エミッタ間に太陽電池などの直流電源を、ダイオードと
リアクトルを介して、接続した場合でも、同様の効果が
得られる。
【0089】直流電源32の出力直流電圧EAが交流電
源1からの入力交流電源電圧を全波整流して得られる直
流電圧Edより高い場合には、交直流切換スイッチ31
を切り換えて、この直流電源32により電動機制御を行
なってもよいし、予め、手動操作によって回路の切換を
行なうことも可能である。
【0090】また、平滑コンデンサ5に太陽電池などの
直流電源をダイオードを介して接続すると(図示せ
ず)、この直流電源の出力電圧が上記の所望の直流電圧
に達している場合には、この直流電源から電力を供給
し、この所望の直流電圧に達していない場合には、交流
電源から電力を供給して所望の直流電圧まで昇圧し、こ
れにより、インバータ13のスイッチ素子をオン,オフ
させて電動機14の回転数を制御することにより、商用
交流電源と上記直流電源との併用化が可能となり、省電
力化が図れる。
【0091】図9は本発明による空気調和機の第4の実
施形態を示すブロック図であって、図1に対応する部分
には同一符号をつけて重複する説明を省略する。
【0092】同図において、図1に示した第1の実施形
態と異なる点は、マイコン15が、直流電圧切替スイッ
チ18,電圧指令切替スイッチ21及びドライブ信号切
替スイッチ22の機能も有し、また、インバータ駆動回
路16への出力ポートと、電圧比較器7への出力ポート
を独立に備えた点である。
【0093】マイコン15は、第1の実施形態と同様
に、入力電源電圧に応じて、同期信号切替スイッチ20
を切り替える信号を出力するとともに、マイコン15内
で直流電圧Edの分圧直流電圧Ed1をA/D変換して
読み込む。そして、この分圧直流電圧Ed1の値に応じ
て、100Vの入力交流電源電圧か200Vの入力交流
電源電圧かに対応する直流電圧Ed’を求め、積分して
得られる直流電圧がこの直流電圧Ed’となるようなデ
ューティ比のPWM信号を形成して出力する。このPW
M信号はローパスフィルタ25で平滑されて直流電圧E
d’となり、これが電圧比較器7に供給される。
【0094】かかるソフトウエアによる動作は、先の第
1の実施形態などでの平滑コンデンサ5での直流電圧E
dに応じて直流電圧切替スイッチ18や電圧指令切替ス
イッチ21,ドライブ信号切替スイッチ22を切換制御
し、分圧電圧Ed1,Ed2のいずれかを選択するとい
うハードウエアによる動作に相当するものであり、かか
るハードウエアによる動作の場合と比べて、構成が簡略
化されて同様の制御動作を行なうことができる。
【0095】マイコン15がインバータ駆動部16に供
給する信号としては、インバータ13のスイッチ素子の
通電率が100%の場合には、所定値の一定電圧Eiと
し、また、この通電率が100%未満の場合には、イン
バータ13を駆動する制御電圧(PWM信号)とする。
【0096】また、電圧比較器7に供給される直流電圧
Ed’としても、上記の通電率が100%の場合には、
直流電圧Edを変化させる指令電圧Ed2’(PWM信
号)とする。このPWM信号はローパスフィルタ25に
よって平滑されて直流電圧Ed’とし、これが電圧比較
器7に供給される。
【0097】一方、上記通電率が100%未満の場合に
は、マイコン15は、分圧直流電圧Ed2(または、直
流電圧Ed)から所定の低直流電圧Ed’を求め、積分
してこの低直流電圧Ed’となるデューティ比のPWM
信号を発生して出力する。このPWM信号は、ローパス
フィルタ25によって平滑されて直流電圧Ed’とな
り、これが電圧比較器7に供給される。
【0098】従って、電圧切換えのためのスイッチなど
の周辺回路は、これと同様の機能をマイコン15に持た
せることにより、特に、多段階の切換えを要する場合に
は、部品点数を大幅に削減することが可能となり、か
つ、各スイッチへの配線の引き回しも少なくなるので、
耐ノイズ性の向上も含め、信頼性が大幅に向上すること
になる。
【0099】なお、図7〜図9に示した実施形態におい
ても、図1に示した実施形態と同様、図2,図3で説明
した動作をなし、図4,図6で説明した効果が得られる
ことはいうまでもない。
【0100】上記の実施形態のように、直流電圧を任意
の値に昇圧して電動機を駆動する制御を行ない、かつ電
源電圧の判定を整流平滑後の直流電圧により行なう場合
には、運転時の直流電圧と交流電源電圧とは必ずしも相
関はない。従って、前回運転時に印加された電圧が、判
定前に、充分放電されている必要がある。
【0101】通常では、放電抵抗などで放電させるの
で、問題はないが、放電系の不具合、あるいは運転中の
電源の瞬断などの場合には、以前の運転状態により、直
流電圧が高いままであることも考えられる。
【0102】例えば、運転中に電源電圧が瞬断した場合
には、マイコン15はリセットされ、再度、電源電圧の
判定を行なおうとする。この場合、電源が瞬断した微小
時間では、平滑コンデンサに充電されている電荷の放電
が充分でなく、例えば、Ed=300Vで運転していた
場合には、交流電源の判定結果が高い交流電源電圧であ
るかのごとく誤認識してしまうおそれがある。
【0103】また、交流電圧を検出する方法として、一
般に、誘導トランスを用いて電源電圧を降圧し、その2
次側出力を整流平滑して直流電圧値として判定する方法
もあるが、電源電圧に比例した出力を得やすい一方で、
誘導トランス自体のコストアップ、またトランスに通電
することによる損失増大,取付けスペースの確保などの
問題がある。
【0104】そこで、コストや省電力,低スペース化に
有利な平滑コンデンサの直流電圧による判定を生かしな
がら、リセット時、電圧判定を行なう前に、平滑コンデ
ンサに蓄えられた電荷を予め放電することによって交流
電源電圧の誤判定を防止するようにした本発明の第5の
実施形態について説明する。
【0105】図10は本発明による空気調和機の第5の
実施形態を示すブロック図であって、33は交流電源電
圧を整流する整流器、34は整流器33で整流された電
圧を平滑する平滑コンデンサ、35は平滑コンデンサ3
4で平滑された直流電圧を任意の複数種類の電圧に変換
するトランス回路、36は交流電源1と整流器2を接続
するためのパワーリレー、37は整流器33の接続構成
を全波整流あるいは倍電圧整流方式に切り替えるための
切替リレーであり、図3に対応する部分には同一符号を
つけて重複する説明を省略する。
【0106】次に、この第5の実施形態の制御方法につ
いて、図11により説明する。
【0107】まず、交流電源1がオンすると(ステップ
200)、マイコン15が初期状態に設定され、これに
より、マイコン15は、直流電圧切換スイッチ18及び
同期信号切換スイッチ20を接点A側に、電圧指令切換
スイッチ21を接点B側に、ドライブ信号切換スイッチ
22を接点A側に夫々閉じる。これにより、直流電圧切
換スイッチ18は直流電圧Ed2を選択し、同期信号切
換スイッチ20は正弦波同期信号Es2を選択する(ス
テップ201)。
【0108】ここで、パワーリレー36は非通電となっ
ており、入力交流電圧の判定を行なう前に、直流電圧E
dがこの判定に支障のない充分低い直流電圧Eth(例
えば、100V)となっているかを判定する(ステップ
202)。
【0109】Ed>Ethならば、パワーリレー36は
非通電のままであり、インバータ13の上アームの任意
の1相とこの上アームの相とは異なる相の下アームの任
意の相をオンさせることにより、平滑コンデンサ5の電
荷を電動機14を通じて放電する(ステップ203)。
【0110】このとき、インバータ13の上アームのス
イッチ素子(図示せず)は任意のデューティ比でオン,
オフされ、そのときの電動機14に通電される電流は、
チョッパ電流I1と還流電流I2とからなる。
【0111】ここで、平滑コンデンサ5より供給される
電流は、チョッパ電流I1であり、この平滑コンデンサ
5に、もし電荷が残っていても、およそ次式のように放
電される。
【0112】Ed(t)=Ed(0)×exp{(−D
0 2×t)/(R×C)} ここで、Ed(0):初期直流電圧 D0:任意のデューティ t:経過時間 R:電動機巻線抵抗 C:平滑コンデンサ容量 であり、Ed<Ethとなるまでこの放電動作を続け
る。
【0113】このように、平滑コンデンサ5の放電の手
段として、既に備えているインバータ13及び電動機1
4を用いることにより、特に放電抵抗などを新たに追加
する必要がなく、これも低コスト化,小型化に有利な構
成である。
【0114】なお、予め平滑コンデンサ5が放電されて
いる場合には、上記動作を行なう必要はない。
【0115】次に、パワーリレー36をオンさせると
(ステップ204)、交流電源1から整流器2及びリア
クトル3を介し、平滑コンデンサ5に交流電源電圧に応
じた電荷が充電される。
【0116】この交流電源電圧に応じた直流電圧が発生
するのに要する時間を待って、マイコン15はコンデン
サ5の直流電圧Edの分圧電圧Ed1を検出する(ステ
ップ101)。この検出した直流電圧Ed1の電圧値、 Ed=Ed1×(R4+R5+R6)/(R5+R6) により、直流電圧Edが、例えば、160Vより高けれ
ば(ステップ102)、入力交流電源電圧は200Vで
あると判断し、また、例えば、160Vより低ければ
(ステップ102)、入力交流電源電圧は100Vであ
ると判断する。
【0117】これ以降の動作は図2のフローチャートで
の説明と同様である。
【0118】このように、交流電源電圧の判定前に平滑
コンデンサ5に蓄えられた電荷を予め放電することによ
り、交流電源電圧の誤判定を防止することが可能とな
る。
【0119】また、図10において、入力交流電源電圧
がいずれの前記電源電圧区分に属するかに応じて、切替
リレー37をオンまたはオフさせることにより、整流器
33の構成を変更するようにして、平滑コンデンサ34
とで全波整流器あるいは倍電圧整流器のいずれかの構成
に選択するできる。例えば、入力交流電源電圧が100
Vであると判断した場合には、切替リレー37をオンさ
せて整流器33を倍電圧整流器とし、100Vであると
判断した場合には、切替リレー37をオフさせて整流器
33を全波整流器とする。平滑コンデンサ34で得られ
た直流電圧はトランス回路35により適宜変換され、電
圧比較器7や掛算器8、負荷電流検出器9、電流比較器
10、発振器11、駆動回路12,マイコン15、イン
バータ駆動回路16、スイッチ18,20,21,2
2、トリガ素子19、入力電流検出器23などの直流電
源電圧が得られる。
【0120】上記制御を行なうことにより、制御電源に
対する入力電圧変動を抑制することができ、ラインレギ
ュレーションを向上させることができる。従って、切替
リレー37を追加することにより、容易に制御電源の入
力によらない安定した出力電圧を得ることが可能とな
る。
【0121】以上説明したように、上記実施形態によれ
ば、供給交流電源電圧を検出して直流電圧設定値を任意
に制御することが可能となる。例えば、100Vの交流
電源電圧が供給される場合には、300V程度の一定直
流電圧でもってインバータを任意の通電率でチョッパ動
作させ、回転数制御を行なうよりも、150V以上の任
意の直流電圧でもって100%通電率のチョッパなしで
制御する方が損失を少なくすることができるため、供給
交流電源電圧に応じて直流電源電圧の設定値を切り換え
ることは、高効率化に有効である。
【0122】また、上記実施形態によれば、正弦波同期
信号の設定値を任意に制御することが可能となり、供給
電源電圧が変化しても、安定した直流電圧と高力率で高
調波の少ない電力変換器を提供することができる。
【0123】さらに、上記実施形態によれば、供給電流
を検知してスイッチ素子の動作のトリガとすることは、
供給電流が小さい場合には、特に、高力率である必要は
ないことより、低電流供給時の制御の不安定動作や余分
な損失,ノイズなどを排除することができる。
【0124】さらに、上記実施形態によれば、供給電源
電圧が100V,200Vのいずれに対しても、性能や
機能の変わらない電動機駆動装置を提供することがで
き、このために、電動機駆動装置の機種が多様化せず、
機種統合が図れて、生産性の向上と共に原価低減が可能
となる。
【0125】さらに、上記実施形態によれば、スイッチ
素子を含むブロックを同一基板として独立させることに
よって、従来の受動素子により構成された力率改善回路
との置換えが容易となり、制御回路の共用化が図れる
し、機種の展開が容易となり、新製品の早期提供が容易
となる。
【0126】さらに、上記実施形態によれば、ソーラー
電源などの直流電源を接続することも可能であり、この
場合、次段のスイッチング素子により直流電圧を可変,
昇圧することができるので、比較的低い直流電圧で電動
機を駆動することが可能となる。
【0127】さらにまた、上記実施形態によれば、制御
信号切換えのためのスイッチ群などの周辺回路をマイコ
ン内部に取り込めむことにより、部品点数を大幅に削減
することが可能となり、かつ、スイッチ群への配線の引
き回しも少なくなるので、耐ノイズ性の向上も含め、信
頼性を向上することが可能となる。
【0128】さらにまた、上記実施形態によれば、イン
バータの所定の低い電源電圧でのチョッパ動作により、
電動機の回転数制御を行なうとともに、インバータでの
チョッパ動作での通電率が100%になると、インバー
タの電源電圧の制御により電動機の回転数を制御するも
のであるから、インバータのチョッパ損失や電動機での
損失を大幅に低減できて、効率を大幅に高めることがで
きる。
【0129】さらに、上記実施形態によれば、供給交流
電源電圧を直流電圧として検出して交流電源電圧の判定
を行なうため、特に、交流電源を検出する回路を追加す
る必要はなく、無駄なコストアップや消費電力を排除す
ることができるとともに、基板実装面積を増やさなくて
すみ、低コスト化や省電力,小型化に有利な構成であ
る。
【0130】また、リセット時、電圧判定を行なう前
に、平滑コンデンサに蓄えられた電荷を予め放電するこ
とにより、交流電源電圧の誤判定を防止することが可能
となる。これは、特に上記実施形態の構成回路のよう
に、直流電圧を任意の値に昇圧して電動機を駆動する場
合には、有効である。
【0131】また、上記実施形態の構成にすれば、平滑
コンデンサの放電の手段として、既に備えているインバ
ータ及び電動機を用いることにより、特に放電抵抗など
を新たに追加する必要がなく、これも低コスト化や小型
化に有利な構成である。
【0132】また、上記の交流電源電圧がいずれの上記
電源電圧区分に属するかに応じて、実施形態における制
御電源用のコンバータの構成を選択できることにより、
容易に制御電源の入力によらない安定した出力電圧を得
ることが可能となる。
【0133】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の空気調和
機によれば、スイッチ素子を含むアクテイブコンバータ
ブロックを同一基板としてマイコンを含む周辺回路基板
と独立させることによって、従来の受動素子により構成
された力率改善回路との置換えが容易となり、制御回路
の共用化が図れ、機種の展開が容易となり、新製品の早
期提供が容易となる。また、に、異なる種類の入力交流
電源電圧の交流電源に共用して接続されても、高力率で
かつ高調波の少ない状態で動作することができて入力交
流電源側への悪影響も抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による空気調和機の第1の実施形態を示
すブロック図である。
【図2】図1に示した第1の実施形態の制御方法を示す
フローチャート図である。
【図3】図1に示した第1の実施形態の入力交流電源電
圧が100Vの場合の図2に示した制御方法を説明する
ための図である。
【図4】図3で説明した制御方法による効果を従来例と
比較して示す図である。
【図5】図1に示した第1の実施形態のアクテイブフィ
ルタブロックを従来の受動素子に置換えた例を示すブロ
ック図である。
【図6】図1に示した第1の実施形態と図5に示した回
路を用いる空気調和機との効果を比較して示す図であ
る。
【図7】本発明による空気調和機の第2の実施形態を示
すブロック図である。
【図8】本発明による空気調和機の第3の実施形態を示
すブロック図である。
【図9】本発明による空気調和機の第4の実施形態を示
すブロック図である。
【図10】本発明による空気調和機の第5の実施形態を
示すブロック図である。
【図11】図10に示した第5の実施形態の制御方法を
示すフローチャート図である。
【図12】従来の空気調和機での電動機駆動装置の回路
構成図である。
【符号の説明】
1 交流電源 2 整流器 3 リアクトル 4 ダイオード 5 コンデンサ 6 スイッチ素子 7 電圧比較器 8 掛算器 9 負荷電流検出器 10 電流比較器 11 発振器 12 駆動回路 13 インバータ 14 電動機 15 マイコン 16 インバータ駆動回路 18 直流電圧信号切換スイッチ 19 トリガ素子 20 同期信号切換スイッチ 21 電圧指令切換スイッチ 22 ドライブ信号切換スイッチ 23 供給電流検出器 24 アクティブコンバータブロック 25 ローパスフィルタ 26 電源キャパシタ 27 リアクトル 28 ダイオード 29 室温センサ 30 交流電源電圧検出器 31 交流直流切換スイッチ 32 直流電源 33 整流器 34 コンデンサ 35 制御電源回路 36 パワーリレー 37 切替リレー Q 力率改善回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高倉 雄八 栃木県下都賀郡大平町大字富田800番地 株式会社日立製作所冷熱事業部内 (72)発明者 能登原 保夫 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 川端 幸雄 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 篠崎 弘 栃木県下都賀郡大平町大字富田800番地 株式会社日立製作所冷熱事業部内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧縮機を駆動する電動機駆動装置を有す
    る空気調和機において、 該電動機駆動装置は、交流電源に接続され、入力交流電
    源電圧を整流して直流電圧を出力する電力変換装置と、
    該電力変換装置の出力直流電圧を電源電圧とするインバ
    ータと、該電力変換装置及びインバータを制御するマイ
    コンと、該インバータにより駆動される電動機とを備
    え、 該電力変換装置は、該入力交流電源電圧を整流する整流
    器と、該整流器によって得られる整流電圧を平滑して直
    流電圧を該インバータへ供給するコンデンサと、該整流
    器と該コンデンサとの間に接続され、駆動信号によりオ
    ン,オフ制御されるスイッチ素子を含むアクテイブコン
    バータの駆動部とを有し、 該アクテイブコンバータの駆動部は、該マイコンを含む
    周辺回路基板と独立したアクテイブコンバータブロック
    基板上に設けたことを特徴とする空気調和機。
  2. 【請求項2】 圧縮機を駆動する電動機駆動装置を有す
    る空気調和機において、 該電動機駆動装置は、交流電源に接続され、入力交流電
    源電圧を整流して直流電圧を出力する電力変換装置と、
    該電力変換装置の出力直流電圧を電源電圧とするインバ
    ータと、該電力変換装置及びインバータを制御するマイ
    コンと、該インバータにより駆動される電動機とを備
    え、 該電力変換装置は、該入力交流電源電圧を整流する整流
    器と、該整流器によって得られる整流電圧を平滑して直
    流電圧を該インバータへ供給するコンデンサと、該整流
    器と該コンデンサとの間に接続され、駆動信号によりオ
    ン,オフ制御されるスイッチ素子を含むアクテイブコン
    バータの駆動部とを有し、 該アクテイブコンバータの駆動部は、該スイッチ素子
    と、整流電圧同期信号と直流電圧制御信号とを用いて電
    流基準信号を形成する掛算器と、該電流基準信号と負荷
    電流信号とを用いて変調信号を形成する電流比較器と、
    該変調信号と搬送波とを用いてスイッチング駆動信号を
    形成する駆動回路とを有し、該マイコンを含む周辺回路
    基板と独立したアクテイブコンバータブロック基板上に
    設けたことを特徴とする空気調和機。
  3. 【請求項3】 圧縮機を駆動する電動機駆動装置を有す
    る空気調和機において、 該電動機駆動装置は、交流電源に接続され、入力交流電
    源電圧を整流して直流電圧を出力する電力変換装置と、
    該電力変換装置の出力直流電圧を電源電圧とするインバ
    ータと、該電力変換装置及びインバータを制御するマイ
    コンと、該インバータにより駆動される電動機とを備
    え、 該電力変換装置は、該入力交流電源電圧を整流する整流
    器と、該整流器によって得られる整流電圧を平滑して直
    流電圧を該インバータへ供給するコンデンサと、該整流
    器と該コンデンサとの間に接続され、駆動信号によりオ
    ン,オフ制御されるスイッチ素子を含むアクテイブコン
    バータの駆動部と、入力交流電源電圧の種類による回路
    切換部とを有し、 該アクテイブコンバータの駆動部は、該スイッチ素子
    と、該整流電圧を用いて該電力変換装置の負荷電流が整
    流電圧の波形に追従するように該スイッチ手段を制御す
    る信号を生成する力率改善信号生成手段とを有し、 該マイコンは、該入力交流電源電圧の種類を判別する判
    別手段と、該判別手段によって判別された該入力交流電
    源電圧の種類に応じて該力率改善信号生成手段の制御値
    を選択設定する設定手段とを有し、 該アクテイブコンバータの駆動部と回路切換部とは、該
    マイコンを含む周辺回路基板と独立したアクテイブコン
    バータブロック基板上に纏めて設けたことを特徴とする
    空気調和機。
  4. 【請求項4】 圧縮機を駆動する電動機駆動装置を有す
    る空気調和機において、 該電動機駆動装置は、交流電源に接続され、入力交流電
    源電圧を整流して直流電圧を出力する電力変換装置と、
    該電力変換装置の出力直流電圧を電源電圧とするインバ
    ータと、該電力変換装置及びインバータを制御するマイ
    コンと、該インバータにより駆動される電動機とを備
    え、 該電力変換装置は、該入力交流電源電圧を整流する整流
    器と、該整流器によって得られる整流電圧を平滑して直
    流電圧を該インバータへ供給するコンデンサと、該整流
    器と該コンデンサとの間に接続され、駆動信号によりオ
    ン,オフ制御されるスイッチ素子を含むアクテイブコン
    バータの駆動部と、入力交流電源電圧の種類による回路
    切換部とを有し、 該アクテイブコンバータの駆動部は、該スイッチ素子
    と、整流電圧同期信号と直流電圧制御信号とを用いて電
    流基準信号を形成する掛算器と、該電流基準信号と負荷
    電流信号とを用いて変調信号を形成する電流比較器と、
    該変調信号と搬送波とを用いてスイッチング駆動信号を
    形成する駆動回路とを有し、 該回路切換部は、該整流電圧を分圧する複数の抵抗と、
    該抵抗の接続を切替えて分圧比を変える切換スイッチと
    を有し、 該マイコンは、該入力交流電源電圧の種類を判別する判
    別手段と、該判別手段によって判別された該入力交流電
    源電圧の種類に応じて該力率改善信号生成手段の制御値
    を選択設定する設定手段とを有し、 該アクテイブコンバータの駆動部と回路切換部とは、該
    マイコンを含む周辺回路基板と独立したアクテイブコン
    バータブロック基板上に纏めて設けたことを特徴とする
    空気調和機。
JP33433398A 1996-07-16 1998-11-25 空気調和機 Expired - Fee Related JP3170571B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33433398A JP3170571B2 (ja) 1996-07-16 1998-11-25 空気調和機

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8-186416 1996-07-16
JP18641696 1996-07-16
JP33433398A JP3170571B2 (ja) 1996-07-16 1998-11-25 空気調和機

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8264713A Division JPH1084696A (ja) 1996-07-16 1996-10-04 空気調和機

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11241847A true JPH11241847A (ja) 1999-09-07
JP3170571B2 JP3170571B2 (ja) 2001-05-28

Family

ID=26503756

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP33433398A Expired - Fee Related JP3170571B2 (ja) 1996-07-16 1998-11-25 空気調和機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3170571B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002233159A (ja) * 2001-02-01 2002-08-16 Fuji Electric Co Ltd Pwm電力変換器の制御装置
KR20190130763A (ko) * 2018-05-15 2019-11-25 엘지전자 주식회사 공기조화기의 제어 방법
WO2023093055A1 (zh) * 2021-11-26 2023-06-01 海信(广东)空调有限公司 空调器及其控制方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002233159A (ja) * 2001-02-01 2002-08-16 Fuji Electric Co Ltd Pwm電力変換器の制御装置
JP4725694B2 (ja) * 2001-02-01 2011-07-13 富士電機システムズ株式会社 Pwm電力変換器の制御装置
KR20190130763A (ko) * 2018-05-15 2019-11-25 엘지전자 주식회사 공기조화기의 제어 방법
WO2023093055A1 (zh) * 2021-11-26 2023-06-01 海信(广东)空调有限公司 空调器及其控制方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3170571B2 (ja) 2001-05-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6002603A (en) Balanced boost/buck DC to DC converter
KR100796890B1 (ko) 스위칭 전원장치
US7116090B1 (en) Switching control circuit for discontinuous mode PFC converters
US7532491B2 (en) Apparatus and method for supplying DC power source
US6194885B1 (en) Boosting active filter system and controller for boosting active filter
JP3422218B2 (ja) コンバータ
JP2005287136A (ja) 平滑コンデンサのプリチャージ装置
US20080012426A1 (en) Method of controlling an uninterruptible power supply apparatus
JP2007143392A (ja) 可変速度駆動装置用の力率補正装置
JP2009095149A (ja) 直接形交流電力変換装置
JP3687641B2 (ja) インバ−タエアコン
JP2005287137A (ja) 平滑コンデンサの放電装置
JP2001145360A (ja) 力率改善回路,モータ制御装置及び空調機
US7327587B2 (en) System and method for power conversion
JP2001186767A (ja) 携帯用発電機
JP3934982B2 (ja) 電源装置
JP3170571B2 (ja) 空気調和機
JP3146446B2 (ja) 空気調和機
JPH1084696A (ja) 空気調和機
JP3762036B2 (ja) 太陽光発電システムにおけるパワーコンディショナ
JPH10174477A (ja) 電動機駆動装置及びこれを用いた空気調和機
JP3818155B2 (ja) 電力変換装置
JPH1189282A (ja) 空気調和機
JP3465279B2 (ja) インバータ回路
JP2008099510A (ja) 直流電源装置とそれを用いた機器

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090316

Year of fee payment: 8

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees