JPH11241196A - 固体高分子電解質−触媒複合電極 - Google Patents

固体高分子電解質−触媒複合電極

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JPH11241196A
JPH11241196A JP10062222A JP6222298A JPH11241196A JP H11241196 A JPH11241196 A JP H11241196A JP 10062222 A JP10062222 A JP 10062222A JP 6222298 A JP6222298 A JP 6222298A JP H11241196 A JPH11241196 A JP H11241196A
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JP
Japan
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electrode
polymer electrolyte
solid polymer
catalyst
conductive material
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JP10062222A
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Shuji Hitomi
人見  周二
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Japan Storage Battery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】給電体と電極間の電子伝導性を良好に保つこと
が可能な固体高分子電解質−触媒複合電極を提供し、ま
た、エネルギー効率の改善された水電解装置、作動電圧
特性の改善された燃料電池を提供する。 【解決手段】固体高分子電解質と触媒粒子とを含んでな
る多孔性の固体高分子電解質−触媒複合電極の電極表面
に電子伝導性材料層を形成する。電子伝導性材料層は、
白金多孔膜等の多孔層とするのが良い。水電解装置、燃
料電池においては、この電極を用い、電子伝導性材料層
に給電体(集電体)を当接した構造とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、固体高分子電解質
−触媒複合電極およびこれを用いた水電解槽、燃料電池
に関するものである。
【従来の技術】水電解槽や燃料電池等に用いられる固体
高分子電解質−触媒複合電極は、固体高分子電解質と触
媒粒子とを含んでなり、触媒粒子が三次元に分布すると
ともに内部に複数の細孔が形成された多孔性の電極であ
って、例えば、水電解槽の原料である水、また燃料電池
の活物質である酸素、水素は主にこの細孔を通じて電極
内に供給され、これら供給原料または活物質と、電極内
の触媒粒子および固体高分子電解質で形成される三層界
面で反応が進むものである。そして、このような固体高
分子電解質−触媒複合電極には、例えば、固体高分子電
解質と触媒粒子のみからなるタイプのものや、さらにこ
れにPTFE粒子が加えられてなるタイプのものがあ
り、通常、前者のものでは上記細孔は電極体積に対し約
10%以上の体積を占め、後者のものではその比率はよ
り大きくなっている。固体高分子電解質と触媒粒子のみ
からなるタイプのものは、例えば、触媒粒子と固体高分
子電解質溶液を混錬したペーストを作製し、高分子フイ
ルム上に製膜(膜厚3〜30μm)した後、自然乾燥さ
せて作製され、このタイプのものでは、固体高分子電解
質は結着剤の役割も兼ねている。また、 PTFE粒子
が加えられてなるタイプのものは、例えば、触媒粒子と
粒子径0.23μm程度のPTFE粒子分散溶液を混錬
したペーストを作製し、高分子フイルム上に製膜(膜厚
3〜30μm)した後、PTFE粒子が結着剤として働
くように加熱乾燥させ、さらにこの膜に固体高分子電解
質溶液を含浸させ、自然乾燥させて作製され、結着剤と
しての役割をPTFE粒子が主として担っている。尚、
上記いずれの場合も、固体高分子電解質溶液としては、
後に接合されるイオン交換膜と同じ組成からなるものを
アルコ−ル等で溶解し液状にしたもが用いられ、触媒粒
子としては、金属または金属酸化物の触媒粒子、カーボ
ン粒子、触媒担持カーボン等が用いられ、約0.05〜
10μmの粒子径を持つ粒子が用いられることが多い。
【0002】このような固体高分子電解質−触媒複合電
極は、例えば固体高分子電解質膜であるイオン交換膜の
両面にホットプレス法にて接合されてイオン交換膜−触
媒電極接合体として構成され、さらに電極に対する給
電、集電のための給電体(燃料電池の場合にはガス拡散
層を形成する集電体と呼ぶことにする。以下集電体との
み記す)が電極表面に当接され、水電解槽や燃料電池ホ
ルダーに組み込まれることによって、固体高分子型水電
解槽や固体高分子型燃料電池用の電極として用いられて
いる。尚、給電体(集電体)としては、水電解槽では、
電極への電力の供給と同時に原料の水や、生成された酸
素や水素の流路確保の役割を持たせ、また燃料電池で
は、電極との電子の授受と同時に活物質である酸素、水
素の流路確保の役割を持たせるために、チタン、カ−ボ
ン等の材質からなる多孔体が用いられることが多い。
【0003】ところで、固体高分子電解質−触媒複合電
極を固体高分子型水電解槽や固体高分子型燃料電池用の
電極として用いて良好に動作させるためには、固体高分
子電解質−触媒複合電極と給電体(集電体)との間で電
気的接触が良好に保たれ、反応が生じる三相界面から給
電体(集電体)に至るまでの電子伝導度を出来るだけ大
きくする必要がある。これは、電子伝導度が小さいと、
水電解槽または燃料電池の内部抵抗の増大を招き、水電
解槽に用いた場合、電解電圧が高くなり、燃料電池に用
いた場合、その出力が低下するなどのエネルギー変換効
率の低下を招くからである。
【0004】しかしながら、固体高分子電解質−触媒複
合電極の全体としての電子伝導度は大きくなく、さらに
多孔性であるためにその表面にも多数の凹凸があり、例
えば、電極表面に平坦な面を有する給電体(集電体)を
当接しただけでは十分な電気的接触は得られない。さら
に固体高分子型水電解槽や固体高分子型燃料電池用とし
て用いるために給電体(集電体)にも多数の孔が設けら
れる必要が有り、これによりさらに接触面積が小さくな
るのでなお更十分な電気的接触を得るのが難しくなって
いる。
【0005】そこで、給電体(集電体)として、チタン
繊維やカーボン繊維で構成され、表面にこれら繊維によ
る適度な凹凸のある、緻密で多孔質な焼結チタンまたは
焼成カーボンが用いられている。図11は、チタン繊維
からなる焼結チタンにより構成された給電体が当接され
た固体高分子電解質−触媒複合電極がイオン交換膜2上
に接合されたものの構造を説明する断面構造図である。
同図に示されるように、表面に凹凸を有し、内部には複
数個の細孔8を有する電極1の表面に、加熱圧着により
給電体21が当接された構造となっており、該給電体を
構成する繊維22の一部が電極1内部まで進入すること
で、電極の凹部にまで電子の授受が生じ、給電体21と
表面に凹凸のある電極1との間の電子伝導性が良好に保
たれている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】イオン交換膜−触媒電
極接合体を構成するイオン交換膜は、水電解槽または燃
料電池の内部抵抗を低減し、またエネルギー効率を向上
させる目的からできるだけ薄くするのが好ましい。しか
しながら、上記繊維からなる給電体を使用すると、繊維
が電極、さらにはイオン交換膜をも突きぬけて対極まで
貫通してしまい、ピンホールを生じさせることが多かっ
た。そして、このピンホールは、水電解槽においては電
流効率の低下、燃料電池においては作動電圧の低下を引
き起こし、さらに、場合によっては、両極の生成物また
は活物質となる酸素と水素が混ざり、電極の触媒作用に
より燃焼、爆発を引き起こすという問題があった。
【0007】以上に鑑み、本発明は、給電体と電極間の
電子伝導性を良好に保つことが可能な固体高分子電解質
−触媒複合電極を提供し、また、エネルギー効率の改善
された水電解槽、作動電圧特性の改善された燃料電池を
提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の固体高分子電解
質−触媒複合電極は、固体高分子電解質と触媒粒子とを
含んでなる多孔性の固体高分子電解質−触媒複合電極で
あって、電極表面に電子伝導性材料層が形成されてなる
ことを特徴とする。
【0009】また、本発明の水電解槽は、電極表面に電
子伝導性材料層が形成された固体高分子電解質と触媒粒
子とを含んでなる多孔性の固体高分子電解質−触媒複合
電極と、該電極の電子伝導性材料層に当接された給電体
とを備えてなることを特徴とする。
【0010】また、本発明の燃料電池は、電極表面に電
子伝導性材料層が形成された固体高分子電解質と触媒粒
子とを含んでなる多孔性の固体高分子電解質−触媒複合
電極と、該電極の電子伝導性材料層に当接されたガス拡
散層を形成する集電体とを備えてなることを特徴とす
る。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の固体高分子電解質―触媒
複合電極は、主成分として固体高分子電解質と触媒粒子
とを含んでなるものであって、固体高分子に接触した触
媒粒子が3次元の広がりをもって分布し、さらに電極内
に多数の細孔を有するものであって、その表面、すなわ
ち電極の主表面に電子伝導性材料層が形成されたもので
ある。
【0012】電極が多孔性であることからその表面にも
多くの孔が開いているが、電子伝導性材料層はその表面
にのみ形成されていても良いし、表面のみならず孔内表
面にも形成されていても良く、電子伝導性材料層が形成
されることで、電極表面の面方向の電子伝導性が良好と
なり、反応が生じる三相界面を有する電極と外部との間
の電子のやり取りを良好に保つことが容易となる。特
に、膜状に形成された電極では、面方向の長さ(例えば
5cm〜30cm)に比べて厚さ方向の長さは非常に短
い(3μm 〜10μm)ので、電極表面に電子伝導性
材料層を形成することで電極表面の面方向の電子伝導性
を良好にし、該電子伝導性材料層を介して外部との電子
のやり取りを行うことでより効果的に電極内の三相界面
と外部との間の電子のやり取りを良好に保つことができ
る。
【0013】また、本発明では、電子のやり取りだけで
はなく、原料または活物質の供給ならびに生成物の排出
も電子伝導性材料層を介してなされるため、電子伝導性
材料層は、電極内部への反応物質の供給を妨げないよう
に形成されるのが良く、反応物質が通ることの出来る3
0μm以下程度、より好ましく10μm程度以下の径を
有する微細な開口を層が多数有しているのが好ましい。
【0014】電子伝導性材料層を形成する電子伝導性材
料としては、金属、導電性を有する金属酸化物、導電性
高分子等種々のものを利用することができ、好ましく
は、耐食性に優れ、触媒として機能させることも可能な
Pt,Ir,Ru,Rh,Pd等の白金族金属、IrO
2,Ir23,RuO2,Ru23,RhO2,Rh
23,PdO等の白金族金属酸化物を用いるのが良い。
また、耐食性に優れている点で金または炭素材料を用い
ることも出来、例えば金薄膜またはカーボン薄膜を用い
ることが出来る。
【0015】本発明の電極は、好ましくは膜状に成形さ
れて作製されるが、例えば、上記従来の方法により固体
高分子電解質と触媒粒子とを含んでなる多孔性の固体高
分子電解質―触媒複合電極本体を膜状に作製した後、該
電極本体主表面の一の面に電子伝導性材料層を形成する
ことによって作製でき、このように、電極本体を作製し
た後電子伝導性材料層を電極表面に直接形成する方法
は、簡便であり好ましい。さらに、固体高分子電解質―
触媒複合電極をイオン交換膜に接合して使用する場合、
固体高分子電解質―触媒複合電極本体を膜状に作製し、
ホットプレス法にてこれをイオン交換膜に接合してイオ
ン交換膜−触媒電極接合体とした後、該電極本体主表面
の一の面に電子伝導性材料層を形成する方法が簡便で好
ましい。
【0016】上記の場合、電子伝導性材料層は、スパッ
タ法、蒸着法、メッキ法等種々の方法により直接形成で
きる。また、これらの方法等により高分子フィルム等他
の基材上に形成した電子伝導性材料層をホットプレスを
用いる等の方法により電極表面に転写して形成するとい
ったような方法により間接的に形成することも可能であ
る。好ましくは、電極中への反応物質の供給を妨げない
膜を作製しやすい電極表面に直接形成する方法が良い。
特に、このような方法の中でも無電解メッキ法が好まし
い。
【0017】本発明電極の主成分となる固体高分子電解
質としては、イオン交換樹脂が好ましく、この中でも内
部抵抗の低いものが得やすいカチオン型のものが好まし
く、特に、水電解装置、燃料電池に用いる場合には、例
えばパーフルオロスルフォン酸型固体高分子電解質やス
チレン−ジビニルベンゼン系のスルフォン酸型固体高分
子電解質等のプロトン型のものがより好ましい。
【0018】触媒粒子としては、カーボン粒子、パラジ
ウム、白金、ルテニウム等の白金族金属粒子、白金族金
属酸化物粒子や触媒元素の担持された炭素粒子等を用い
る事ができる。また、必要に応じてポリテトラフルオロ
エチレン(PTFE)粒子等の副成分が加えられても良
い。
【0019】本発明の固体高分子電解質―触媒複合電極
は、食塩電解装置、水電解槽、燃料電池等に用いること
が出来、水電解槽に用いる場合には、本発明の電極の電
子伝導性材料層に給電体が当接されて装置が構成され
る。例えば、固体高分子電解質膜であるイオン交換膜の
両面に、本発明の電極を電子伝導性材料層が接合面と反
対の面に現れるように接合し、さらに電子伝導性材料層
に給電体を当接して構成される。
【0020】この場合、用いられる給電体は、反応物質
の供給を妨げないように多孔性のもの、特に100μm
以上の開口径を有するものが好ましく、給電体の凹凸に
よってピンホールが形成されないように、電子導電性材
料層に当接する面が平坦なものが好ましく、材質として
はチタン、白金メッキまたは金メッキを施したステンレ
ス、チタン等が好ましい。
【0021】なお、電極膜の両面に電子伝導性材料層を
形成し、上記イオン交換膜との接合面にも電子伝導性材
料層が設けられるようにしても良い。また、水電解装置
として用いる場合には、触媒物質としては白金、イリジ
ウム、白金−イリジウム合金、ルテニウム、白金―ルテ
ニウム合金が好ましい。
【0022】本発明の電極を燃料電池に用いる場合に
は、上記同様、本発明の電極の電子伝導性材料層にガス
拡散層を形成する集電体が当接されて構成される。例え
ば、固体高分子電解質膜であるイオン交換膜の両面に、
本発明の電極を電子伝導性材料層が接合面と反対の面に
現れるように接合し、さらに電子伝導性材料層に集電体
を当接して構成される。この場合も用いられる集電体
は、反応物質の供給を妨げないように多孔性のもの、特
に100μm以上の開口径を有するものが好ましく、集
電体の凹凸によってピンホールが形成されないように、
電子伝導性材料層に当接する面が平坦なものが好まし
く、材質としてはチタン、白金メッキまたは金メッキを
施したステンレス、チタン等が好ましい。なお、電極膜
の両面に電子伝導性材料層を形成し、上記イオン交換膜
との接合面にも電子伝導性材料層が設けられるようにし
ても良い。また、燃料電池として用いる場合には、触媒
物質としては白金、白金―ルテニウム合金が好ましい。
【0023】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明を説明する。
【0024】(実施例1)下記の手順により、固体高分
子電解質−触媒複合電極、およびこれを用いた水電解槽
を作製した。
【0025】まず、平均粒径2μmのイリジウム粒子と
固体高分子電解質溶液(アルト゛リッチ社製、Nafion溶液)を
混錬し、ペースト状にした後、FEPフィルム上で製膜し、
自然乾燥し、これにより固体高分子電解質−触媒複合電
極本体を作製した。電極平面形状は32mm×32mm
の正方形で、厚さは約10μmである。この状態でのイ
リジウム粒子と固体高分子電解質との重量比率は66:
34であり、単位面積当たりのイリジウム含有量は、電
極1cm2当たり1.5mgであった。また、内部には
5μm〜20μmの径を有する細孔を多数有している。
【0026】次に、この固体高分子電解質−触媒複合電
極本体を厚さ約50μmのパ−フルオロスルフォン酸型
のイオン交換膜(デュポン社製、Nafion−11
2)の両面に130℃のホットプレスにて接合し、イオ
ン交換膜−触媒電極本体接合体を作製した。
【0027】さらに、このイオン交換膜−触媒電極本体
接合体を図12に示すホルダ−に装着後、その両面に
2.5%H2PtCl6水溶液1ml、0.75%N24
・2HCl水溶液1mlおよび水8mlよりなるPtの
めっき液を各々入れ、40℃水溶液中で12時間放置するこ
とによって、両電極表面に約1mg/cm2の白金層形
成し、本発明に係る固体高分子電解質−触媒複合電極と
イオン交換膜とが接合されたイオン交換膜−触媒電極接
合体を作製した。この無電解メッキにより形成された白
金層の表面のSEM写真を図2に示す。上記無電解メッ
キにより形成された白金層の厚みは約1.2μmであ
り、多孔度は約60%で孔の径は大小様々であるがどの
孔の部分もほぼ10μm以下の開口径を有している。な
お、図12において、23はイオン交換膜触媒電極接合
体を、24はホルダータンクを、25はパッキンを示
す。
【0028】以上のようにして作製されたイオン交換膜
−触媒電極接合体を用いて水電解槽を作製した。
【0029】図1は、本実施例の電極に給電体を当接し
た構造を説明するための模式断面構造図である。
【0030】給電体は、チタン板4とエキスパンドチタ
ン5とからなり、チタン板4は厚さ0.15mmのチタ
ンの平板に図3に示されるようにφ0.7×0.95P×60°
の千鳥穴加工をフォトエッチンク゛により施し(開孔率49%)、
両面に0.15μmの白金メッキをおこなったもので、そ
の上に2枚のエキスパンドチタン5が積層されたもので
ある。この構造ではイオン交換膜2に接合された電極1
面に白金層3を介してチタン板4が接触するように構成
されているため、給電体の電極接触面は平坦で凹凸がな
く、従来構造に見られるような電極への給電体の進入は
ほとんど生じていない。また、白金層3は電極1が多孔
性であることに起因して表面に多数開いた孔の孔内表面
にも形成され、凹部も含め表面に連続的に形成されてい
る。
【0031】図4は、この水電解槽の構造を示す概略構
造図であり、給電体の電極への当接構造を上記図1で示
した構造としたものである。同図に示されるように、本
水電解槽は、上記本実施例のイオン交換膜−触媒電極接
合体の電極1上にチタン板と2枚のエキスパンドチタン
とが積層されてなる給電体6が当接され、周囲にパッキ
ン9を配すると共にこれらにチタン陽極板7、チタン陰
極板10を圧接してなるものである。
【0032】図5にこの水電解槽(以後水電解槽(A)
とする)の電流―電圧特性を示す。比較のため、上記に
おいてめっき液による電子伝導性材料層の形成をおこな
わなかった以外は本実施例と同じ構造の固体高分子電解
質−触媒複合電極を用いた従来のイオン交換膜−触媒電
極接合体を作製し、これを用いた本実施例と同じ構造の
水電解槽(以後水電解槽(B)とする)の電流−電圧特
性、および給電体にチタン繊維の焼結板を用い、従来の
イオン交換膜−触媒電極接合体に加熱圧着させた従来の
電解槽(以後水電解槽(C)とする)の電流−電圧特性
を合わせて示す。尚、チタン繊維焼結板は繊維径約50
μm、孔径約50μm〜100μm、空隙率約70%、
厚さ約1mmのものを用いた。
【0033】同図より、本発明に係る水電解槽(A)の
特性は、同じ平坦なフォトエッチングの給電体を用いた
従来の電極の水電解槽(B)の特性に比べ優れており、
電解電圧が小さく、エネルギー変換効率が良い。また、
チタン繊維の焼結板を用いた従来の水電解槽(C)の特
性と同等である。その主な要因は、I−V曲線の傾きか
ら、電極内部の内部抵抗の低減によるものであることが
わかる。これは、本実施例による電極では表面に設けら
れた電子伝導性材料層の作用で、平坦な給電体を電極の
凸部に接するだけで、電極の凹部にまで電子が授受さ
れ、従来の電極に一部の繊維状給電体を浸入させたもの
と同じ電子伝導度の増大という効果を得ているためであ
る。
【0034】図6は、各水電解槽の内部抵抗(陽極板7
と陰極板10との間の抵抗)を示す図である。同図から
分かるように、本発明による水電解槽(A)の内部抵抗
は他の2セル、特に水電解槽(B)に比べて小さくなっ
ている。
【0035】(実施例2)下記の手順により、固体高分
子電解質−触媒複合電極、およびこれを用いた燃料電池
を作製した。
【0036】まず、白金を30wt%担持したカーボン
粉体(粒径0.2μm以下)とPTFE粒子(平均粒子
径0.5μm)分散溶液を混錬し、ペースト状にした
後、4弗化エチレン・6弗化フ゜ロヒ゜レン共重合体(FEP)フィル
ム上で製膜した後、120℃で2時間加熱乾燥した。次い
で、自然冷却後、ハ゜ーフルオロスルフォン酸型の高分子電解質(アル
ト゛リッチ社製、Nafion溶液)を散布、含浸させ、自然乾燥
させ、これにより固体高分子電解質−触媒複合電極本体
を作製した。電極平面形状は32mm×32mmの正方
形で、厚さは10μm、この状態での白金担持カーボ
ン、PTFE,固体高分子電解質の重量比率は、60:
22:18であり、単位面積当たりの白金含有量は、電
極1cm2当たり0.1mgであった。また、内部には
3μm〜10μmの径を有する細孔を多数有している。
【0037】次に、得られた固体高分子電解質−触媒複
合電極本体を厚さ50μmのパ−フルオロスルフォン酸
型のイオン交換膜(デュポン社製、Nafion−11
2)の両面に130℃ホットフ゜レスにて接合し、イオン交換
膜−触媒電極本体接合体を作製した。
【0038】さらに、このイオン交換膜−触媒電極本体
接合体を図12に示すホルダ−に装着後、その両面に
2.5%H2PtCl6水溶液1ml、0.75%N24
・2HCl水溶液1mlおよび水8mlよりなるPtの
めっき液を各々入れ、40℃水溶液中で12時間放置するこ
とによって、両電極表面に実施例1同様の約1mg/c
2の白金層形成し、本発明に係る固体高分子電解質−
触媒複合電極とイオン交換膜とが接合されたイオン交換
膜−触媒電極接合体を作製した。上記無電解メッキによ
り形成された白金層の厚みは約1.2μmであり、多孔
度は約60%で孔の径は大小様々であるがどの孔の部分
もほぼ10μm以下の開口径を有している。
【0039】以上のようにして作製されたイオン交換膜
−触媒電極接合体を用いて燃料電池を作製した。
【0040】図7は、本実施例の電極にガス拡散層を形
成する集電体を当接した構造を説明するための模式断面
構造図である。
【0041】集電体は、チタン板14とエキスパンドチ
タン15とからなり、チタン板14は厚さ0.15mm
のチタンの平板に図3に示されるようにφ0.7×0.95P
×60°の千鳥穴加工をフォトエッチンク゛により施し(開孔率49
%)、両面に0.15μmの白金メッキをおこなったもの
で、その上に2枚のエキスパンドチタン15が積層され
たものである。この構造ではイオン交換膜12に接合さ
れた電極11面に白金層13を介してチタン板14が接
触するように構成されているため、集電体の電極接触面
は平坦で凹凸がなく、従来構造に見られるような電極へ
の集電体の進入はほとんど生じていない。また、白金層
13は電極11が多孔性であることに起因して表面に多
数開いた孔の孔内表面にも形成され、凹部も含め表面に
連続的に形成されている。
【0042】図8は、この燃料電池の構造を示す概略構
造図であり、集電体の電極への当接構造を上記図7で示
した構造としたものである。同図に示されるように、本
燃料電池は、上記本実施例のイオン交換膜−触媒電極接
合体の電極11上にチタン板と2枚のエキスパンドチタ
ンとが積層されてなる集電体16が当接され、周囲にパ
ッキン19を配すると共にこれらにグラファイト陽極板
17、グラファイト陰極板20を圧接してなるものであ
る。
【0043】図9にこの燃料電池(以後燃料電池(D)
とする)の電流―電圧特性を示す。比較のため、上記に
おいてめっき液による電子伝導性材料層の形成をおこな
わなかった以外は本実施例と同じ構造の固体高分子電解
質−触媒複合電極を用いた従来のイオン交換膜−触媒電
極接合体を作製し、これを用いた本実施例と同じ構造の
燃料電池(以後燃料電池(E)とする)の電流−電圧特
性、および集電体にカーボン繊維の焼成板を用い、従来
のイオン交換膜・触媒電極接合体に加熱圧着させた従来
の燃料電池(以後燃料電池(F)とする)の電流−電圧
特性を合わせて示す。尚、カーボン繊維焼成板は繊維径
約10μm、孔径約50μm〜100μm、空隙率約7
0%、厚さ約1mmのものを用いた。
【0044】同図より、本発明に係る燃料電池(D)の
特性は、同じ平坦なフォトエッチングの集電体を用いた
従来の電極の燃料電池(E)の特性に比べ優れており作
動電圧の低下が少ない。また、カーボン繊維焼成板の焼
結板を用いた従来の燃料電池(F)の特性と同等であ
る。その主な要因は、I−V曲線の傾きから、電極内部
の内部抵抗の低減によるものであることがわかる。これ
は、本実施例による電極では表面に設けられた電子伝導
性材料層の作用で、平坦な集電体を電極の凸部に接する
だけで、電極の凹部にまで電子が授受され、従来の電極
に一部の繊維状集電体を浸入させたものと同じ電子伝導
度の増大という効果を得ているためである。
【0045】図10は、各燃料電池の内部抵抗(陽極板
17と陰極板20との間の抵抗)を示す図である。同図
から分かるように、本発明による燃料電池(D)の内部
抵抗は他の2つの燃料電池、特に燃料電池(E)に比べ
て小さくなっている。
【0046】
【発明の効果】本発明の固体高分子電解質−触媒複合電
極によれば、外部との電流のやり取りを効率よく行える
電極を提供でき、例えば、水電解槽に用いることで、電
解電圧を小さし、エネルギー変換効率の向上が可能とな
り、また、燃料電池に用いることにより作動電圧の低下
を抑制しながら取り出し電流を大きくすることが可能と
なる。さらに、焼結チタンや焼成カーボン等の給電体
(集電体)を用いて電極内に給電体(集電体)を浸入さ
せなくとも十分な給電ができるため、平坦面を有する給
電体(集電体)を用いることが可能となり、これにより
イオン交換膜を薄くした場合のピンホールの発生を防ぐ
ことが可能となり、エネルギー変換効率を向上でき、安
全性も大幅に向上出来る。さらに、緻密な構造の給電体
(集電体)を用いることなく十分な給電が可能となる。
【0047】本発明の水電解槽によれば、電解電圧を小
さくしエネルギー変換効率を向上できる。また、例えば
緻密な構造を有する多孔焼結チタン等を給電体として用
いた場合、電極に水を供給する為に高い水圧が必要とな
り、高圧ポンプ等水を供給する為の装置が大掛かりとな
るという問題が有ったが、本発明の水電解槽において、
給電体として、粗なエキスパンドTiやフォトエッチン
グTi等の粗い給電体を用いることにより、水電解槽内
の電極への供給水圧を低く出来、高圧ポンプを用いる必
要のない全体として小さなシステムを構築できる。
【0048】本発明の燃料電池によれば、作動電圧の低
下を抑制しながら電流を大きくでき、出力を大きくする
ことができる。また、例えば緻密な構造を有する多孔焼
成カーボンを集電体として用いた場合、通常その厚さが
0.5mm〜1.0mmもあるため、供給燃料の酸素や
水素等の電極への拡散が円滑でなく、さらに集電体中に
生成物の水が滞留し、より一層供給燃料の電極への拡散
が阻害されるという問題が有ったが、本発明の燃料電池
において、集電体として粗なエキスパンドTiやフォト
エッチングTi等の粗い集電体を用いることにより、燃
料電池内でのガスの拡散をスムーズにできるとともに、
生成物の水の滞留を防止でき、変換効率を大きく出来
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 電極に給電体を当接した構造を説明する模式
断面構造図である。
【図2】 白金層の表面構造を示す図である。(電子顕
微鏡写真)
【図3】 チタン板4の千鳥穴加工図である。
【図4】 水電解槽の構造を示す概略構造図である。
【図5】 水電解槽の電流―電圧特性を示す図である。
【図6】 水電解槽の内部抵抗を示す図である。
【図7】 電極に給電体を当接した構造を説明する模式
断面構造図である。
【図8】 燃料電池の構造を示す概略構造図である。
【図9】 燃料電池の電流―電圧特性を示す図である。
【図10】 燃料電池の内部抵抗を示す図である。
【図11】 従来の給電体が当接されたイオン交換膜−
触媒電極接合体の構造を説明する断面構造図である。
【図12】 メッキのためのホルダ−の構造図である。
【符号の説明】
1、11 電極 2、12 イオン交換膜 3、13 白金層 4、14 チタン板 5、15 エキスパンドチタン 6、21 給電体 16 集電体 7、17 陽極板 10、20 陰極板 8 細孔

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】固体高分子電解質と触媒粒子とを含んでな
    る多孔性の固体高分子電解質−触媒複合電極であって、
    電極表面に電子伝導性材料層が形成されてなることを特
    徴とする固体高分子電解質−触媒複合電極。
  2. 【請求項2】電極表面に電子伝導性材料層が形成された
    固体高分子電解質と触媒粒子とを含んでなる多孔性の固
    体高分子電解質−触媒複合電極と、該電極の電子伝導性
    材料層に当接された給電体とを備えてなることを特徴と
    する水電解槽。
  3. 【請求項3】電極表面に電子伝導性材料層が形成された
    固体高分子電解質と触媒粒子とを含んでなる多孔性の固
    体高分子電解質−触媒複合電極と、該電極の電子伝導性
    材料層に当接されたガス拡散層を形成する集電体とを備
    えてなることを特徴とする燃料電池。
JP10062222A 1998-02-26 1998-02-26 固体高分子電解質−触媒複合電極 Pending JPH11241196A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007113114A (ja) * 2005-09-26 2007-05-10 General Electric Co <Ge> 電気化学電池構造及びその製造方法
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WO2021033366A1 (ja) * 2019-08-21 2021-02-25 パナソニックIpマネジメント株式会社 圧縮装置
JP2022023997A (ja) * 2021-11-05 2022-02-08 東京瓦斯株式会社 電気化学デバイス

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