JPH11240946A - ポリこはく酸イミド及びその製造方法 - Google Patents

ポリこはく酸イミド及びその製造方法

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JPH11240946A
JPH11240946A JP35001498A JP35001498A JPH11240946A JP H11240946 A JPH11240946 A JP H11240946A JP 35001498 A JP35001498 A JP 35001498A JP 35001498 A JP35001498 A JP 35001498A JP H11240946 A JPH11240946 A JP H11240946A
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JP
Japan
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polysuccinimide
acid
polycondensation
producing
phosphoric acid
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JP35001498A
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English (en)
Inventor
Toshio Kato
敏雄 加藤
Katsuhiko Machida
勝彦 町田
Yoshihiro Irisato
義広 入里
Makoto Sukegawa
誠 助川
Hiroaki Tamaya
玉谷  弘明
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Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
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Publication date
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  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 充分に高い重量分子量(例えば、6万以上)
を有し、純度が高く、実質的に熱変成していないポリこ
はく酸イミドを高い生産性で製造する方法および粉末状
の高分子ポリこはく酸イミドの製造方法の提供。 【解決手段】 アスパラギン酸に対して20〜32重量
%の縮合りん酸触媒の存在下にアスパラギン酸を溶融重
縮合する工程を含んで構成されるポリこはく酸イミドの
製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医薬品、化粧品、
香粧品等の中間体として有用なポリこはく酸イミドの製
造方法に関する。より具体的には、アスパラギン酸を縮
合りん酸とで加熱重縮合して、高分子量のポリこはく酸
イミドを得る製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】[技術的背景]一般に、ポリアミノ酸類
はタンパク質のモデル化合物として、医学、生化学の分
野で頻繁に用いられる。ポリこはく酸イミドは、環境に
適合する水溶性ポリマーとして有用であるポリアスパラ
ギン酸合成の前駆体でもある。また、特公昭48−20
638号には、ポリこはく酸イミドを中間体として、薬
学的に有用なポリ−(アスパラギン酸)−ヒドロキシア
ルキルアミドを合成する技術が開示されている。
【0003】[固相重縮合]アスパラギン酸を固相重縮
合または塊状重縮合してポリこはく酸イミドを得る方法
としては、アスパラギン酸を加熱重縮合する方法。アス
パラギン酸を酸触媒の存在下に加熱重縮合する方法が数
多くの文献及び特許に記載されている。 〈無触媒/加熱重縮合〉無触媒で加熱重縮合することに
よりポリコハク酸イミドを得る従来の技術の具体例とし
ては、以下の〜を挙げることができる。
【0004】 J.Amer.Chem.Soc.,
80巻,3361号(1958年) J.Amer.Chem.Soc.,80巻,3361
号(1958年)に、アスパラギン酸を原料として20
0℃で2〜3時間加熱縮合する技術が開示されている。
しかしながら、この技術により得られるポリこはく酸イ
ミドの分子量は約1000である。
【0005】 特開平6−206937号 特開平6−206937号には、回転棚板乾燥装置を使
用し、アスパラギン酸を110〜300℃に加熱してポ
リこはく酸イミドを連続的に得る技術が開示されてい
る。
【0006】〈酸触媒の存在下での加熱重縮合〉触媒存
在下で加熱重縮合することによりポリこはく酸イミドを
得る従来の技術の具体例としては、以下の〜を挙げ
ることができる。しかしながら、これらの従来の技術に
よったのでは、工程が煩雑であり、しかも、充分に高い
分子量を有するポリこはく酸イミドを得ることは困難で
あった。
【0007】 特公昭48−20638号 特公昭48−20638号には、原料としてDL−アス
パラギン酸を、酸触媒として58%りん酸15mlと混
合し、その混合物を回転蒸発器で真空下に180℃、4
時間加熱重縮合する技術が開示されている。
【0008】 特開平8−239468号 特開平8−239468号には、酸触媒(りん酸、五酸
化りん又はポリりん酸)の使用量を、アスパラギン酸に
対して、40モル%以下に低減させることにより、加熱
重縮合時の泡立ち及び凝固を防止する技術が開示されて
いる。
【0009】 特開平8−231710号 特開平8−231710号には、酸触媒の使用量をアス
パラギン酸1当量に対して0.01〜0.3当量まで減
少させて製造する技術が開示されている。
【0010】 特開平9−31197号 特開平9−31197号には、連続押出混練機を使用
し、酸触媒の使用量を低減させることにより、加熱重縮
合時の固化を防止する技術が開示されている。
【0011】[特開平7−216084号]特開平7−
216084号には、 a)反応混合物の総重量を基準として、 アミノ酸 約10〜約95重量%、 酸触媒 約 3〜約85重量%、及び、 多官能性モノマー 0〜約50重量% の反応混合物を作る工程、 b) i) 反応混合物に対して1つ又はそれ以上の加工助剤を
加えることによって、; ii) 機械的手段を用いることによって、; iii) それらの組合せを用いることによって、完全な混
合物として該反応混合物を維持しながら、約110〜約
300℃に該混合物を加熱する工程、 c) 該反応混合物から水を除去する工程、;及び、 d) アミノ酸ポリマーを回収する工程、 を含んで構成されるアミノ酸ポリマーの製造方法 について開示されている。
【0012】この技術においては、この技術の技術的範
囲において、反応混合物が「溶融ペースト」状となる態
様があることが明示されてはいるが、むしろ、特開平7
−216084号の公開特許公報・段落番号[000
3]や段落番号[0022]にも明示されているよう
に、「溶融ペースト」状は厄介で取り扱いが困難な状態
であるとされている。したがって、この技術において
は、この「溶融ペースト」状を積極的に具現化しようと
する技術的思想はない。
【0013】また、この技術によれば、加熱重縮合の中
途において、及び/又は、終点において、反応生成物
は、硬い固体となるため、反応の進行や、反応生成物の
加工操作に問題があった。すなわち、加熱重縮合の中途
において、反応生成物が、硬い固体となると、熱効率が
低下し、内部に熱が充分に伝達しなくなり、未閉環物の
アミック酸型が残存し得る。高分子量のポリマーを得る
ために反応温度を高くした場合、熱と接触している部分
が一部分解することなどで高分子量のポリこはく酸イミ
ドを得ることが困難であった。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題の一つは、充分に高い重量平均分子量(例え
ば、6万以上)を有し、純度が高く、実質的に熱変成し
ていない、ポリこはく酸イミドを提供することである。
特に粉末状のポリこはく酸イミドの製造方法を提供する
ことである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記従来
の技術における問題点に鑑み、高い重量平均分子量を有
するポリこはく酸イミドを得るために鋭意検討した結
果、アスパラギン酸を酸触媒の存在下に溶融重縮合する
ことにより、高い重量平均分子量を有するポリこはく酸
イミドが得られるという知見を見い出し、本発明を完成
するに至った。
【0016】また、本発明者らは、例えば、以下の〜
に示すような態様において、アスパラギン酸を縮合り
ん酸触媒の存在下に溶融重縮合することにより、高い重
量平均分子量を有するポリこはく酸イミドが得られると
いう知見を見い出し、本発明を完成するに至った。 アスパラギン酸を縮合りん酸触媒の存在下に加熱
し、溶融状態で重縮合する態様。 アスパラギン酸を縮合りん酸触媒の存在下に加熱
し、溶融ペースト状を経て重縮合する態様。 溶融重縮合が、150〜190℃の温度範囲である
態様。 縮合りん酸触媒の使用量が、アスパラギン酸に対し
て20〜32重量%の範囲である態様。
【0017】本出願に係る発明は、以下の[1]〜[1
2]に記載した事項により特定される。
【0018】[1] アスパラギン酸をアスパラギン酸
に対して20〜32重量%の縮合りん酸触媒の存在下に
溶融重縮合する工程を含んで構成されるポリこはく酸イ
ミドの製造方法。
【0019】[2] アスパラギン酸を縮合りん酸触媒
の存在下に加熱し、さらに溶融ペースト状で重縮合する
工程を含んで構成される[1]記載のポリこはく酸イミ
ドの製造方法。
【0020】[3] アスパラギン酸を縮合りん酸触媒
の存在下に加熱し、溶融重縮合及び溶融ペースト状で重
縮合する工程(重縮合工程)、及び、前記重縮合工程で
生成したポリこはく酸イミドを粒状状態で回収する工程
(回収工程)、を含んで構成される[2]記載のポリこ
はく酸イミドの製造方法。
【0021】[4] 縮合りん酸触媒の使用量が、アス
パラギン酸に対して25〜30重量%の範囲である、
[1]乃至[3]の何かに記載したポリこはく酸イミド
の製造方法。
【0022】[5] 縮合りん酸が、りん酸、オルトり
ん酸、ピロりん酸、トリポリりん酸及びテトラりん酸か
らなる群から選択された少なくとも1種である、請求項
6記載に記載したポリこはく酸イミドの製造方法。
【0023】[6] 重縮合が、150〜190℃の温
度範囲の溶融ペースト状態を経て行なわれるものであ
る、[1]乃至[5]の何れかに記載したポリこはく酸
イミドの製造方法。
【0024】[7] 重縮合が、160〜190℃の温
度範囲の溶融ペースト状態で行なわれるものである、
[6]に記載したポリこはく酸イミドの製造方法。
【0025】[8] 重縮合が、大気圧未満の圧力範囲
で行なわれるものである、[1]乃至[7]の何れかに
記載したポリこはく酸イミドの製造方法。
【0026】[9] 重縮合が、600〜1mmHgの
圧力範囲で行なわれるものである、[8]に記載したポ
リこはく酸イミドの製造方法。
【0027】[10] 溶融重縮合が、600〜1mm
Hgの圧力範囲において、少なくとも2段階で階段状
(ステップワイズ)に行なわれるものであって、第1段
階が、300〜600mmHgの圧力範囲であって、第
2段階が、5〜15mmHgの圧力範囲である、[1]
乃至[9]の何れかに記載したポリこはく酸イミドの製
造方法。
【0028】[11] 得られるポリこはく酸イミド
が、7万以上の重量平均分子量を有するものである、
[1]乃至[10]の何れかに記載したポリこはく酸イ
ミドの製造方法。
【0029】[12] [1]乃至[11]の何れかに
記載した製造方法により得られたポリこはく酸イミド。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な態様につい
て説明する。
【0031】[溶融ペースト状態]従来より、アミノ酸
と酸触媒を加熱重縮合反応してポリこはく酸イミドを得
ようとする際、酸触媒がある閾値を超えると、反応系が
溶融ペースト状態となって取り扱いが困難となり、ま
た、反応生成物が固化して、やはり、取り扱いが困難と
なることが知られていた。そのため、従来の技術におい
ては、酸触媒の使用量を、前記閾値よりも低減させ、反
応系の溶融ペースト状態への変化や反応生成物の固化等
を回避してきたので、充分に高い重量平均分子量を有す
るポリこはく酸イミドを得ることは困難であった。
【0032】また、従来の技術においては、このよう
に、溶融ペースト状態は厄介で取り扱いが困難な状態で
あるとされ、むしろ回避すべき状態であって、溶融ペー
スト状態を積極的に具現化しようとする技術的思想はな
かった。
【0033】しかるに、本発明者らは、逆転の発想で、
従来の技術における常識に基づけば、積極的に発現する
必要はなく、むしろ回避すべきである「溶融ペースト状
態」について検討を加えた。
【0034】その結果、驚くべきことに、この溶融ペー
スト状態を意図的に発現して、溶融状態で重縮合反応
(溶融重縮合)を進行させると、得られるポリこはく酸
イミドの重量平均分子量が顕著に高いことが判明した。
【0035】このような経緯から、本発明者らは、アス
パラギン酸を酸触媒の存在下に溶融重縮合することによ
り、高い重量平均分子量を有するポリこはく酸イミドが
得られるという知見を見い出し、本発明を完成するに至
ったのである。「溶融ペースト状態」を発現する態様と
しては、例えば、以下の〜に示すような態様が挙げ
られる。 溶融重縮合が、150〜190℃の温度範囲である
態様。 酸触媒の使用量が、アスパラギン酸に対して20〜
32重量%の範囲である態様。
【0036】なお、本出願の明細書において使用する
「溶融ペースト状態」の概念には、特開平7−2160
84号公開公報に記載されている「溶融ペースト」状態
の概念を包含し、アミノ酸(例えば、アスパラギン酸)
と酸触媒(例えば、縮合りん酸)の混合物が粘性のある
均一な溶融状態となる状態を包含する。
【0037】また、本出願の明細書において使用する
「溶融重縮合」の概念には、高分子辞典(高分子学会
編、朝倉書店発行、1971年)735頁右欄に記載さ
れている溶融重縮合の定義を包含する。
【0038】[アスパラギン酸]本発明において、原料
としてアスパラギン酸を使用する。このアスパラギン酸
は、L体、D体、DL体のいずれでもよい。
【0039】[酸触媒]本発明において、酸触媒して
は、縮合りん酸が好適に使用される。
【0040】[縮合りん酸]本発明において使用される
縮合りん酸の具体例としては、例えば、りん酸、オルト
りん酸、ピロりん酸、トリポリりん酸、テトラりん酸等
が挙げられる。縮合りん酸を使用する場合、その使用量
は、アスパラギン酸に対して20〜32重量%の範囲で
使用され、好ましくは25〜30重量%の範囲で使用さ
れる。触媒の使用量が20重量%未満であると、加熱重
縮合時にペースト状ないし塊状状態を経ないため、高分
子量のポリこはく酸イミドが得られない。32重量%を
超えても反応温度180℃以下に下げて加熱重縮合を行
えば、短時間で高分子量のポリマーは製造することはで
きるが、反応後にポリマーが強く固化してしまい、生成
重合体は粘着性を有するので粉末として回収することが
困難となり、また、過剰に酸触媒を使用することは経済
的にも不利となるので好ましくない。
【0041】本発明のように特定の縮合りん酸触媒で重
縮合すると、重縮合物は高分子量になり、極めて粉末化
しやすく、しかもこの粉末は粘着性を帯びないことは、
その後の取扱いが容易になるという驚くべき効果を発現
できるという特徴を有している。
【0042】[酸触媒をアスパラギン酸に担持させる方
法]酸触媒をアスパラギン酸に担持させる方法として
は、分散でも均一系でもよい。この操作は、アスパラギ
ン酸に酸触媒を付着させることを意味する。この際、酸
触媒はアスパラギン酸の塩を作っても単に混合していて
もよい。この操作はアスパラギン酸に酸触媒を混合して
もよいし、溶媒の存在下で行ってもよい。
【0043】溶媒の存在下で担持する場合は、例えば、
縮合りん酸を溶媒(縮合りん酸に対してイソプロピルア
ルコール1.5〜2倍(重量))をゆっくり添加した
後、アスパラギン酸を添加する方法、85%りん酸に同
量(重量)の水またはイソプロピルアルコールで希釈後
に、アスパラギン酸を添加して担持する方法などで行わ
れるがこの方法に限定されるものではない。) [反応温度]本発明における加熱重縮合反応温度は、通
常好ましくは150〜190℃の範囲で、好ましくは1
60〜190℃の範囲で、反応時間は5〜25時間の範
囲で行うことによって高分子量のポリマーが得られる。
反応温度が150℃未満では、反応の進行が遅く原料の
アスパラギン酸が残る。また、190℃を超えるとポリ
マーの一部分解して着色し、ポリマーの品質低下をまね
く。
【0044】[反応圧力]反応は減圧下で行なう方が好
ましく、特に600〜1mmHgの圧力範囲が好まし
い。溶融重縮合が、600〜1mmHgの圧力範囲にお
いて、少なくとも2段階で階段状(ステップワイズ)に
行なわれる場合は、第1段階が、300〜600mmH
gの圧力範囲であって、第2段階が、5〜15mmHg
の圧力範囲であることが好ましい。
【0045】減圧下にすることよって、溶融ペースト状
物が発泡し、ハルツ状になることによって高分子量のポ
リマーが容易に製造され、しかもポリマーが後で粉体と
して単離し易くなることである。
【0046】[反応機器]本発明の重縮合に使用できる
反応機器としては、通常の攪拌機、混練機が使用できる
が、好ましくは反応壁面を掻き取るように混合する装置
が好ましい。具体的には、パドルドライヤー、卓上型ニ
ーダ、ブレンダーが挙げられる。
【0047】[粉末化]本発明の方法で得られた縮合物
は内部に気泡を有し高分子であっても極めて粉末になり
易い特徴を有している。例えば粉砕機、ミキサーなどで
極めて容易に粉末になるので、得られた粉末ポリマーは
極めて取扱いが容易となり、例えば洗浄による酸の除去
等が容易である。
【0048】また、縮合物またはその中間体を加熱され
た装置でスプレー乾燥、脱水して粉末状として単離する
ことができる。この際、例えば流動床反応装置等も使用
できる。また、反応と同時に直接粉末化できるような反
応機、例えばパドルドライヤー等を用いてもよい。
【0049】また、本発明の方法では一旦カルメル焼き
状になったものをさらに加熱することによって容易に粒
状または粉末化できるので、粉末状で取扱い可能にな
る。
【0050】一方、触媒使用量が本発明の範囲より多い
と、比較例2に示すように、反応器壁に付着し易くな
り、しかも加熱を続けても粘着性を帯びているので粉末
化することが困難である。
【0051】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明す
る。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるもので
はない。
【0052】[実施例1]攪拌装置を備えた反応容器
に、攪拌下にイソプロピルアルコール(IPA)11
1.8gと105%縮合りん酸28.4g(アスパラギ
ン酸に対して、0.21倍量。以下の実施例及び比較例
においては、単に「0.21倍量」のように記載す
る。)を装入した後、アスパラギン酸(LーAsp)1
33.1gを装入し、40mmHg減圧下、60℃まで
昇温して同温度でIPA102.9gを回収し、アスパ
ラギン酸にポリりん酸を担時した。
【0053】攪拌を停止した後、減圧度を500〜60
0mmHg下、140℃まで3時間要して昇温すると塊
状状態を溶融ペースト状を経てカルメル状態になる。さ
らに、180℃まで2時間要して昇温した後、減圧度を
5mmHg下に同温度で15時間反応させた。なお、溶
融ペースト状とは溶融状態で不透明な粘性物となる状態
を言う。
【0054】反応後、25〜30℃で80%含水イソプ
ロピルアルコール284gに排出した後、家庭用ミキサ
ーで粉末化し、濾過、濾塊はイオン水で洗浄液がpH6
になるまで洗浄した。 収量 97.0g 収率 99.9% 重量平均分子量(MW) 9.6万 [実施例2]攪拌装置を備えた反応容器に、攪拌下にイ
ソプロピルアルコール(IPA)111.8gと105
%縮合りん酸28.4g(0.21倍量)を装入した
後、アスパラギン酸(L−Asp)133.1gを装入
した後。40mmHg減圧下、60℃まで昇温して同温
度でIPA102.9gを回収した。ここで得られた粉
体を卓上ニーダ(PNV−1型)に装入した。攪拌下、
200mmHg減圧下に140℃まで3時間要して昇温
した後、170℃まで2時間要して昇温した。減圧度を
5mmHg下、170〜180℃で15時間反応させた
後、ポリこはく酸イミド粉127gを取り出した。 収量 97.1g 粗収率 100.% 重量平均分子量(MW)10万 [実施例3]1Lナス型フラスコにL−Asp133.
1gと105%縮合りん酸28.3g(0.21倍量)
を装入した後、回転蒸発器(ロータリー・エバポレータ
ー)に取り付けた。回転下に200mmHg減圧下、1
40℃まで3時間要して昇温すると反応マスは柔らかい
塊状状態になる。さらに170℃まで3時間要して昇温
すると、溶融ペースト状〜カルメル状へと変化する。減
圧度80mmHgで170〜180℃で20時間反応さ
せた後、25〜30℃まで冷却して、ポリこはく酸イミ
ドを単離し乳鉢で粉末化した。なおこの粉末化は極めて
容易であった。得られたポリこはく酸イミド粉末を25
〜30℃で純水400mlに排出した後、濾過、濾塊は純
水でpH6〜7まで洗浄した後、乾燥した。 収量 99.8g 粗収率 102.8% 重量平均分子量(MW)10.5万 [実施例4]1Lナス型フラスコにL−Asp133.
1gと85%りん酸39.9g(0.30倍量)を装入
した後、回転蒸発器(ロータリー・エバポレーター)に
取り付けた。回転下に200mmHg減圧下、140℃
まで3時間要して昇温すると反応マスは溶融状態から溶
融ペースト状を経て、カルメル状態になった。さらに、
170℃まで3時間要し、減圧度を10mmHgに調整
した後、170〜180℃で20時間反応させた後、2
5〜30℃まで冷却して、ポリこはく酸イミドを回収
し、上記ポリこはく酸イミドは反応フラスコを振ったと
ころ簡単に粉末となった。 収量 99.8g 粗収率 102.8% 重量平均分子量(MW)8.0万 [実施例5]攪拌装置を備えた反応容器に、L−Asp
133.1gを装入した後、攪拌下に85%りん酸3
3.3g(0.25倍量)を装入した。高粘度の反応マ
スをゆっくり攪拌しながら減圧度を500〜600mm
Hg下に140℃まで3時間要して昇温すると反応マス
は溶融状態から溶融ペースト状になる。攪拌を停止した
した後、さらに減圧度を30mmHgに調整し、170
℃まで2時間要して昇温した。同温度で10時間反応さ
せた後、65℃まで冷却し同温度でメタノール400g
を装入した。60〜65℃で1時間攪拌処理すると粉末
化した。25〜30℃で濾過、濾塊は純水でpH6〜7
まで洗浄した後、乾燥した。 収量 92.0g 収率 94.8% 重量平均分子量(MW)9.4万 [比較例1]1Lナス型フラスコにLーAsp133.
1gとを装入した後、回転蒸発器(ロータリー・エバポ
レーター)に取り付けた。回転下に200mmHg減圧
下、140℃まで3時間要して昇温した後、さらに17
0℃まで3時間要し、減圧度を5mmHgに調整した
後、170〜180℃で20時間反応させた後、25〜
30℃まで冷却して、淡黄色のポリこはく酸イミド粒体
を得た。 収量 103.8g 粗収率 106.9% 重量平均分子量(MW)1.8万 [比較例2]1Lナス型フラスコにL−Asp133.
1gと85%りん酸66.6g(0.50倍量/L−A
sp)を装入した後、回転蒸発器(ロータリー・エバポ
レーター)に取り付けた。
【0055】回転下に180℃まで2時間要して昇温し
た後(反応マスはペースト状態を経てフラスコの壁面に
付着した)、さらに180〜190℃、200〜300
mmHg減圧下に発泡に注意しながら2時間反応させた
後、減圧度を40mmHg下で2時間反応させた。得ら
れたポリマーは壁に付着し、壁から剥離させることは極
めて困難で粉末化することができなかった。反応後、壁
面に付着しているポリマーの一部を取り、GPC分析を
行った結果、重量平均分子量(MW)7.0万のポリこ
はく酸イミドであった。
【0056】[比較例3]1Lナス型フラスコにL−A
sp133.1gと85%りん酸99.8g(0.75
倍量/L−Asp)を装入した後、回転蒸発器(ロータ
リー・エバポレーター)に取り付けた。40mmHg減
圧下に回転させながら150℃まで2時間要して昇温し
た後(反応マスはペースト状態を経てフラスコの壁面に
付着した)、さらに150〜180℃、まで5時間要し
て昇温した。得られたポリマーは壁に付着し、壁から剥
離させることは極めて困難で粉末化することができなか
った。反応後、壁面に固化して付着しているポリマーの
一部を取り、GPC分析を行った結果、重量平均分子量
(Mw)6万のポリこはく酸イミドであった。 粗収量 120.2g [比較例4]1Lナス型フラスコにL−Asp133.
1gと85%りん酸13.3g(0.10倍量/L−A
sp)とIPA120gを装入した後、回転蒸発器(ロ
ータリー・エバポレーター)に取り付けた。40mmH
g減圧下、60℃まで昇温して同温度で含水IPA12
1gを回収した。回転下に180℃まで2時間要して昇
温した後、さらに180〜190℃で2時間反応させ
た。反応後、粉体の一部を取り、GPC分析を行った結
果、重量平均分子量(MW)2.0万のポリこはく酸イ
ミドであった。
【0057】
【発明の効果】本発明により、充分に高い重量分子量
(例えば、6万以上)を有し、純度が高く、実質的に熱
変成していない、ポリこはく酸イミドを提供することが
できる。本発明により、充分に高い重量分子量(例え
ば、6万以上)を有し、純度が高く、実質的に熱変成し
ていない、ポリこはく酸イミドを高い生産性で製造する
方法を提供することができる。
フロントページの続き (72)発明者 助川 誠 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 化学株式会社内 (72)発明者 玉谷 弘明 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 化学株式会社内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アスパラギン酸をアスパラギン酸に対し
    て20〜32重量%の縮合りん酸触媒の存在下に溶融重
    縮合する工程を含んで構成されるポリこはく酸イミドの
    製造方法。
  2. 【請求項2】 アスパラギン酸を縮合りん酸触媒の存在
    下に加熱し、さらに溶融ペースト状で重縮合する工程を
    含んで構成される請求項1記載のポリこはく酸イミドの
    製造方法。
  3. 【請求項3】 アスパラギン酸を縮合りん酸触媒の存在
    下に加熱し、溶融重縮合及び溶融ペースト状で重縮合す
    る工程(重縮合工程)、及び、前記重縮合工程で生成し
    たポリこはく酸イミドを粒状状態で回収する工程(回収
    工程)、を含んで構成される請求項2記載のポリこはく
    酸イミドの製造方法。
  4. 【請求項4】 縮合りん酸触媒の使用量が、アスパラギ
    ン酸に対して25〜30重量%の範囲である、請求項1
    乃至3の何かに記載したポリこはく酸イミドの製造方
    法。
  5. 【請求項5】 縮合りん酸が、りん酸、オルトりん酸、
    ピロりん酸、トリポリりん酸及びテトラりん酸からなる
    群から選択された少なくとも1種である、請求項1乃至
    4の何れかに記載したポリこはく酸イミドの製造方法。
  6. 【請求項6】 重縮合が、150〜190℃の温度範囲
    の溶融ペースト状態を経て行なわれるものである、請求
    項1乃至5の何れかに記載したポリこはく酸イミドの製
    造方法。
  7. 【請求項7】 重縮合が、160〜190℃の温度範囲
    の溶融ペースト状態で行なわれるものである、請求項6
    に記載したポリこはく酸イミドの製造方法。
  8. 【請求項8】 重縮合が、大気圧未満の圧力範囲で行な
    われるものである、請求項1乃至7の何れかに記載した
    ポリこはく酸イミドの製造方法。
  9. 【請求項9】 重縮合が、600〜1mmHgの圧力範
    囲で行なわれるものである、請求項8に記載したポリこ
    はく酸イミドの製造方法。
  10. 【請求項10】 溶融重縮合が、600〜1mmHgの
    圧力範囲において、少なくとも2段階で階段状(ステッ
    プワイズ)に行なわれるものであって、第1段階が、3
    00〜600mmHgの圧力範囲であって、第2段階
    が、5〜15mmHgの圧力範囲である、請求項1乃至
    9の何れかに記載したポリこはく酸イミドの製造方法。
  11. 【請求項11】 得られるポリこはく酸イミドが、7万
    以上の重量平均分子量を有するものである、請求項1乃
    至10の何れかに記載したポリこはく酸イミドの製造方
    法。
  12. 【請求項12】 請求項1乃至11の何れかに記載した
    製造方法により得られたポリこはく酸イミド。
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