JPH11239754A - 流体塗布装置および流体塗布方法 - Google Patents

流体塗布装置および流体塗布方法

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JPH11239754A
JPH11239754A JP4405398A JP4405398A JPH11239754A JP H11239754 A JPH11239754 A JP H11239754A JP 4405398 A JP4405398 A JP 4405398A JP 4405398 A JP4405398 A JP 4405398A JP H11239754 A JPH11239754 A JP H11239754A
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JP
Japan
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coating
application
fluid
substrate
circular
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JP4405398A
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English (en)
Inventor
Sumio Harukawa
澄夫 春川
Yoichiro Yamamoto
洋一郎 山本
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Hirata Corp
Original Assignee
Hirata Corp
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Publication date
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  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
  • Coating Apparatus (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】塗布開始時と塗布完了時の塗布ムラを解消する
ことで、塗布対象面に対する塗布有効面の比率を向上さ
せることができ、塗布有効面に塗布液の余剰分が再付着
しないようにして、高い塗布液の歩留まりと良品率を達
成でき、しかも大型サイズ対応ができ、熟練技術を要せ
ずに短時間での条件出しを実現できる大量生産時におけ
る経済性と生産性の向上を計る流体塗布方法および流体
塗布装置の提供。 【解決手段】 平面の塗布対象基板Wの塗布有効面上に
塗布流体を所定厚さで流出して均一な所望厚さの塗膜を
塗布有効面に形成する流体塗布装置であって、塗布有効
面の寸法に略一致する全長を有するスリット状の開口部
15aを有する塗布ヘッド15から塗布流体を流出させ
つつ相対移動することで、塗布開始時においては、所望
厚さの塗膜より厚い余剰塗布をするが、塗布有効面には
所望厚さの塗布を行なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は流体塗布装置及びそ
の方法に係り、特にプラズマ、液晶ディスプレイ等の平
板状の塗布対象物(以下、主に基板Wと言う)や半導体
用ウエハー上にレジスト液、スラリー等の各種液状塗布
液を均一な薄膜状態で塗布する技術に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】ディスプレイに用いられるガラス製の平
板状の基板または半導体製造用ウエハー上に、フォトレ
ジスト液や絶縁材料、はんだレジストなどの各種塗布流
体を塗布する方法としては、基板またはウエハーの中央
部位にノズルから塗布液を滴下するか、中央から外周方
向に移動しつつ渦巻き状の軌跡を描いた後に、基板また
ウエハーを高速回転させ、回転による遠心力の作用で滴
下された塗布液を周囲に拡散することで均一な薄膜を形
成するようにしたスピンコート法が採用されている。
【0003】また、塗布対象が矩形形状の基板の場合に
は、基板の短辺に該当する幅寸法の全長を有するスリッ
ト状の開口部を備える塗布ヘッドを用いて、開口部から
一定量の塗布液を吐出しつつ塗布ヘッドもしくは基板側
を移動することで均一な薄膜を形成するようにしたスリ
ットコート法が近年採用されるようになっている。
【0004】さらにまた、回転体の一部を塗布液槽に浸
し、付着した一部を基板の塗布対象面へ転写するロール
コータ法も知られている。また、上記のスピンコート法
において上記の塗布ヘッドを併用したものも提案されて
いる。
【0005】このスリットコート法によれば、所望の塗
布面形成(例えば膜厚1.5μm±5%)に必要な塗布
機の吐出量を必要形成量の1.1倍以下に抑え、かつ、
有効面外への流体付着を可能な限り少なくした技術を本
願出願人が提案している。しかしながら、この方法は一
回の移動塗布(一次塗布)のみで均一な薄膜を得るよう
にしているために、吐出流体をスリット全長に亘り均一
な膜厚で吐出するための条件と、スリット開口部から吐
出した膜厚を引き伸ばし均一な薄膜にする条件と、さら
に塗布開始時と塗布終了時におけるカスレ、液ダレ、筋
引きをしないようにする条件と、カスレ領域を最少化す
る条件が必要となり、高度で熟練した制御知識と調整技
術が要求されている。
【0006】例えば、従来のスリットコーターで、ドラ
イ膜厚1μm±5%の要求に対してウェット膜厚6μm
塗布を行おうとするとき、経験的にはスリット幅30μ
m±1.5μmの精度の塗布ヘッドを、塗布ヘッド先端
と塗布対称面の間隙を100μm前後に合わせ、一定の
圧力でスリット開口部から押し出される塗布流体を、所
定の走行速度で塗布ヘッドもしくは基板側を移動させる
ことにより所望の均一な厚さの乾燥後のドライ薄膜を得
られることわかっている。
【0007】しかしながら、スリットコーターで形成し
た矩形塗布面の4端部の塗布膜厚みの内、特に塗布開始
時の厚みのばらつきは大きく、均一な薄膜を得るまでに
相当の助走領域(塗布ムラ領域)を必要としていた。こ
の領域は有効面外領域であり、所望の塗布有効面を得よ
うとしたときに、かなりの広さの基板を用意しなければ
ならない。また、塗布ムラが有効面にまで及ぶと塗布不
良として扱われることになるので、経済性、生産性の面
から塗布ムラ領域の極小化と安定化及び有効面外の面積
極小化が大きな課題となっている。
【0008】一方、スピンコート法の最大の長所は、簡
単な構造で所望の薄膜が高い精度で得られることであ
る。しかし、この方法は遠心力に依存しているので、塗
布液の消費量が所望の塗膜形成に使用される消費量の1
0倍から20倍必要となる。また、基板の塗布対象面の
全面へ付着されなかった余剰の塗布液は、飛散してミス
ト粒となるので塗布有効面にゴミとなって付着する問題
がある。さらに、基板サイズの大型化に比例して塗布膜
の均一性は低下するので基板サイズには自ずから限界が
あるので小型サイズの基板に限られている。
【0009】また、スリットコート法やロールコート法
によれば、スピンコート法の全面塗布との比較におい
て、1方向へ1回の移動塗布によるので塗布液による塗
布膜形成の必要量の1.4倍以下に抑えることが可能と
なる。さらに、矩形形状の基板の短辺と長辺で規定され
る面積内に略矩形に収まるように塗布する「額縁」塗布
が可能となり、また大型サイズの基板にも対応できるよ
うになる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うなスリットコート法やロールコート法による「額縁」
塗布おいて、塗布開始線から完了線で規定される範囲を
全て所望の均一な厚さの塗布膜にすることは困難であ
る。特に、塗布膜の厚さムラは塗布開始時において顕著
に現われる結果、均一な塗布膜を形成するまでの塗布開
始線からの距離がばらつくことになる。そこで、塗布開
始線から塗布膜有効面までの距離を十分に確保するなど
しているが、その制御及び調整が困難となるので塗布膜
有効面にまで厚さムラが引伸ばされる場合や、塗布ムラ
の領域を予め考慮した基板サイズを用意する必要がある
といった問題と、塗布開始部及び終了部の最適条件出し
に多くの時間と熟練を要するといった問題があった。
【0011】一方、従来のスピンコート法の塗布液の余
剰量を少なくする目的で、基板を水平に保持する回転自
在な基板保持部と水平方向に相対的に移動するスリット
状の開口部を設けた塗布機で、基板に塗布した後に、基
板を回転させることで薄膜を得る方法が特開平7−28
4715に提案されている。しかし、この方法によれ
ば、遠心力で塗布液を対象面全面に拡散させ余剰液を飛
散させる従来のスピンコート法と基本的に何ら相違な
く、未だ液消費量は塗布膜形成量の3〜5倍の量を必要
とするものである。また、回転に伴い発生する飛散液が
塗布面に付着する問題を解消しておらず、かつまた基板
サイズの大型化を実現できないものである。
【0012】一方、半導体用ウエハーへの流体塗布装置
は、簡単な構造で所望の薄膜が高い精度で得られるスピ
ンコート法に依存しているが、このために速乾性の高い
塗布流体の場合には希釈液が蒸発してしまい回転盤上の
塗布流体を遠心力のみでは完全に均一に拡散できない問
題点と、回転盤を定期的に洗浄する必要があるので生産
タクト時間を短縮できないばかりか、大量の洗浄液や不
要となる塗布液を回収した後に、処理するための付帯設
備が必要となる問題があった。
【0013】したがって、本発明は上述した問題点に鑑
みてなされたものであり、塗布開始時と塗布完了時の塗
布ムラを解消することで、塗布対象面に対する塗布有効
面の比率を向上させることができ、塗布有効面に塗布液
の余剰分が再付着しないようにして、高い塗布液の歩留
まりと良品率を達成でき、しかも大型サイズ対応がで
き、熟練技術を要せずに短時間での条件出しを実現でき
る大量生産時における経済性と生産性の向上を計ること
のできる流体塗布方法および流体塗布装置の提供を目的
としている。
【0014】また、加えて塗布膜形成に不要となる微量
の塗布液を自動洗浄できるようにして、無人運転を可能
にする流体塗布方法および流体塗布装置の提供を目的と
している。
【0015】そして、半導体用ウエハーへの流体塗布装
置及び方法において、簡単な構造で所望の薄膜が高い精
度で得られるとともに、定期的な洗浄を不要にして生産
タクト時間を短縮でき、かつ大量の洗浄液や不要となる
塗布液の処理用の付帯設備が不要にすることを目的とし
ている。
【0016】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決し、
目的を達成するために本発明によれば、平面の塗布対象
基板の塗布有効面上に塗布流体を所定厚さで流出して所
望厚さの塗膜を前記塗布有効面に形成する流体塗布装置
であって、前記塗布有効面の長短辺いずれかの寸法に略
一致する全長を有するスリット状の開口部を有する塗布
ヘッドから前記塗布流体を流出させつつ、前記塗布対象
基板を相対移動することで、塗布開始時及び塗布終了時
において所望厚さの塗膜より厚い塗布をするが、前記塗
布有効面の主要面においては前記所望厚さの塗布を行な
う塗布手段を具備することを特徴としている。
【0017】また、平面かつ矩形の塗布対象基板の塗布
有効面上に塗布流体を所定厚さで流出して、所望厚さの
塗膜を前記塗布有効面に形成する流体塗布方法であっ
て、前記塗布有効面の長短辺いずれかの寸法に略一致す
る全長を有するスリット状の開口部を有する塗布ヘッド
から前記塗布流体を流出させつつ、前記塗布対象基板を
相対移動することで、塗布開始時及び塗布終了時におい
て所望厚さの塗膜より厚い塗布をするとともに、前記塗
布有効面の主要面において前記所望厚さの塗布を行なう
塗布工程を具備することを特徴としている。
【0018】また、半導体用ウエハーを含む円形平面状
の塗布対象基板の円形塗布有効面上に塗布流体を流出し
て所望厚さの均一な塗膜を形成する流体塗布装置であっ
て、装置の基部となる本体と、前記円形塗布有効面の直
径に略等しいか大きな全長を有するスリット状の開口部
を介して前記塗布流体を流出させる塗布ヘッドと、前記
塗布ヘッドを前記円形塗布有効面に対して昇降させると
ともに所定間隔を維持する昇降機構と、前記塗布ヘッド
を前記円形塗布有効面に対して相対移動する相対移動機
構とからなる塗布手段と、前記塗布対象基板を不動状態
に吸着保持する保持面を有する円形保持盤と、前記円形
保持盤の中心軸を回転中心にして高速回転されるととも
に、前記円形保持盤上に保持された後の前記円形塗布有
効面と面一となる環状部位を有する環状回転盤と、前記
環状回転盤の外周面の外側に配設され、前記高速回転に
伴い飛散する塗布流体を回収する回収手段と、前記塗布
手段と前記円形保持盤と前記環状回転盤とに接続される
とともに、前記相対移動にともなう前記塗布手段による
塗布流体の流出の助走範囲が前記環状部位に、また塗布
開始時及び塗布終了の塗布範囲が前記円形塗布有効面と
なるように個別駆動する制御手段とを具備することを特
徴としている。
【0019】そして、半導体用ウエハーを含む円形平面
状の塗布対象基板の円形塗布有効面上に塗布流体を流出
して所望厚さの均一な塗膜を形成する流体塗布方法であ
って、前記円形塗布有効面の直径に略等しいか大きな全
長を有するスリット状の開口部を介して前記塗布流体を
流出させるために塗布ヘッドを前記円形塗布有効面に対
して昇降させて所定間隔を維持するとともに相対移動す
る工程と、前記塗布対象基板を円形保持盤の保持面上に
不動状態に吸着保持する工程と、前記円形保持盤上に保
持された後の前記円形塗布有効面と面一となる環状部位
を有する環状回転盤を前記円形保持盤の中心軸を回転中
心にして高速回転する工程と、高速回転に伴い飛散する
塗布流体を回収する工程と、前記相対移動にともなう前
記塗布手段による塗布流体の流出の助走範囲が、前記環
状部位に、また塗布開始時及び塗布終了の範囲が前記円
形塗布有効面となるように個別駆動する工程とを具備す
ることを特徴としている。
【0020】
【発明の実施の形態】以下に本発明の各実施形態につい
て、添付図を参照して述べると、図1は、塗布ヘッドに
よる塗布を行う動作原理図であって、以下に述べる各実
施形態において有効面への塗布を行う様子を示したもの
である。
【0021】本図において、常に一定の位置(P2)で
一直線の塗布開始線を得ることができ、開始線からの膜
厚が所定の均一膜を得ることができれば理想的であり、
塗布ヘッド15に供給する塗布流体に常に一定の圧力を
与え、供給バルブを開閉することで圧力流体を塗布ヘッ
ド15に安定供給し、塗布ヘッド15内に貯留していた
塗布流体を相対移動しつつ押し出すことで位置(P3)
までの定量吐出が実現できることになる。このように塗
布開始線を一直線で同じ位置となるように再現性を持た
せることと、開始線から位置(P3)までの間において
等厚の塗布を行うようにするには、塗布ヘッド15内に
貯留した塗布液の待機水位が常に一定の位置にあり、塗
布開始線での走行速度は所定の一定速度に到達している
必要がある。
【0022】また、図1に示すように塗布終了線の手前
となる、適当な位置(P3)で流体供給バルブを閉じ、
塗布ヘッド15への供給を止め、塗布ヘッドの残圧にて
吐出される量にて塗布を行う。この後に、P4で示す位
置に塗布ヘッド15が到着するとこれを上昇させると略
同時に、塗布ヘッドに設けたサックバック機構を働かせ
ることで、塗布ヘッド先端部と塗布した液切りとヘッド
先端部に付着した液をスリット内に一定量(一定時間)
引き込み位置P5で塗布動作を完了する。
【0023】しかしながら、図1に図示のように塗布ヘ
ッドが吐出直前の待機状態となっている位置(P1)で
は、塗布直前の塗布ヘッド先端部の液状態は、先ず、最
初にその塗布液の水位はスリット先端部から距離b(2
〜3mm)程スリット内に破線図示の位置まで引き込み
塗布液の揮発を抑えるようにしている。このために、こ
の待機状態から圧力が加わった塗布流体が塗布ヘッド1
5に供給されるとスリット先端に微少な半球状(半径数
百μm)の液玉が図示のように一直線に連なるように形
成される。
【0024】そして、図1のP1位置に待機させた塗布
ヘッド15は、供給バルブが開放されると同時に加速走
行され、これと略同時に塗布対称面と塗布ヘッド先端の
距離を所定の設定値にすべく下降を始め、塗布ヘッドが
P2位置に到達するときは走行速度は塗布速度に到達し
ており、ヘッド先端に液玉を形成しつつ、P2点で液玉
を接地させ、等速塗布動作を行うようにしているが、こ
のままで基板Wに接地させると塗布開始線からの塗布膜
の再現性(品質)が左右されることになる。
【0025】すなわち、液玉が十分に生長する前に接地
させて塗布ヘッド15を走行させると、図2(a)に図
示のように、基板Wの縁部からの距離k2からの塗布開
始線から始まるカスレTBが開始線から距離k1の範囲
で発生してしまい、塗布有効面にまで到達することもあ
る。また、液玉が生長し過ぎると、図2(b)に図示の
ように厚塗り部TAがまだらに発生して、塗布ムラとな
り、塗布有効面に達する場合もあることから、その前で
完全に解消するように調整する必要がある。
【0026】再度、図1において、位置(P3)では、
塗布完了時において基板Wに塗布した塗布液と塗布ヘッ
ド内の塗布液の互いの引っ張り合いによってその状態が
その都度変化することから、塗布終了時における再現性
を高めることは極めて困難であり、開始と同様のカス
レ、過剰塗布が発生することになる。そこで、従来は移
動速度(塗布走行速度)を極端に遅くしてその影響領域
を狭めるなどして対応している。しかし、このようにす
ると設備業者にとっては毎回変化する塗布液(粘性)や
生産仕様(生産タクトや塗布膜厚み)にその都度対応し
なければならず、設備計画時に要求通りの品質を容易に
は確保出来なくなる場合が多くある。すなわち、従来
は、塗布時の走行速度を極力遅く設定(例えば20mm
/sec)することで有効面外の距離k1の範囲の極小
化を図っている。しかしながら、対象基板の大型化(走
行距離で約2倍増)と生産性向上(生産タクト50%向
上)の要求に応えるには、少なくとも4〜5倍以上の速
度が必要になる。したがって、現状のままでの速度アッ
プは距離k1を増長させるばかりで対応できない問題が
ある。
【0027】そこで、塗布ヘッドの動作を図3に示すよ
うに行うことで、距離k1とは無関係に塗布を行うこと
に着目した。つまり図3において、塗布有効面は図示の
ように設定されており、塗布開始部の塗布膜の盛上り部
は、塗布ヘッド15への液供給バルブ解放後の時点g1
後に塗布液がスリット先端から吐出されて基板に付着し
たことを示しており、このとき走行を開始し、時点g2
で最高速度(塗布速度)に達するようにする。この間の
液吐出の量は一定であるために膜厚は開始点では盛上
り、徐々に薄くなり最高速度(時点g2)に達する。こ
の後に、時点g3と時点g4の間で均一膜を形成し、その
膜厚は速度調整で自在に所望の適当な薄膜を得ることが
できることになる。
【0028】この後に、時点g4で減速を始め、時点g5
で供給バルブを閉じ、時点g6で走行停止する。このと
き、塗布開始部における盛り上げ状態の塗布膜と同じよ
うな塗布膜を塗布終了部において形成することができ
る。このとき塗布膜は均一膜領域(時点g3とg4の
間)においては、走行速度、吐出速度が所定の一定値で
あることから極めて再現性が高い状態を形成することが
でき、塗布ムラは数mm以下の領域に抑えることが可能
である。このように塗布を行うことで図4に図示のよう
な一次塗膜が成形される。
【0029】図4において、基板Wはハッチングで示し
た後述する基板保持盤32に保持されており、上記の過
剰塗布面を主に吸着盤上に形成している。このようにし
て、図2で説明したような塗布開始時と塗布完了時の塗
布ムラを解消することができる塗布有効面を形成するこ
とができる。
【0030】尚、図4(a)の正面図のX−X線矢視断
面図である図4(c)において、スリットの両端部の塗
膜状態は全長に亘り表面張力で盛上がった高さh3状態
の塗布状態を均一膜領域外に形成するが、その幅は2m
m以下に抑えることが可能であることが確認された。
【0031】また、図5は、基板Wが円形の場合を示し
た図であって、塗布ヘッドからの液吐出を上述のように
時点g3とg4の間で均一になる均一膜領域に基板Wが
包含されるように構成することで、所望の膜厚を一時塗
布工程のみで確保できるようになる。
【0032】ここで、塗布終了部の膜状態は、減速タイ
ミング、バルブ閉タイミング、減速度をパラメーターに
した実験を繰り返すことにより容易に所望する状態に設
定することができるので、これらを予め記憶すること
で、必要なときに再現できるようになるので出荷時に機
種毎に設定することができる。
【0033】以上のように、スリット開口部を有する塗
布ヘッド15を用い、矩形塗布の外周辺部を厚膜塗布を
行い、中央部の有効面には所望の厚さの薄膜塗布を行う
ことで、塗布条件出しが極めて容易になるとともに、厚
塗り部については後述する遠心力により拡散できること
が可能であることから、大型サイズの基板に均一な薄膜
塗布面を短時間で得ることが可能となる。また、厚塗り
部の領域と量を自在に設定制御できるようにしたこと
で、省液塗布を実現でき、さらに、余剰液を飛散させ
ず、極微量な過剰液を回収することで、省液省塵塗布を
実現できる。
【0034】さらに、後述する洗浄液注入手段を設ける
ことで、微量な余剰液で汚損した流路を自動洗浄するこ
とが可能となる。また、超音波洗浄機を塗布装置に設け
ることで、塗布ヘッドの自動洗浄を可能となるので、生
産性向上の原因であった飛散液から発生するミスト、及
びゴミ(汚積物)の発生を抑制し、歩留まりを向上させ
ることができる。また、自動洗浄を行えるようにしたこ
とで、塗布ヘッドや回転盤の分解掃除等を必要とせず、
生産段取りに要する時間を短縮でき、大型基板を大量に
かつ経済的に生産することを可能とする省液高品質塗布
方法および塗布装置を実現できる。
【0035】図4、図5において述べた塗布動作により
所望の厚さの塗布膜を有効面に形成できるが、過剰分は
まだそのままであるので、スピンより過剰分を回収す
る。
【0036】図6は流体塗布装置の概略構成を示した外
観斜視図である。本図において、流体塗布装置1は、基
部6上から上方に延設される基部側壁7を図示のように
固定して十分な剛性を備えるように構成されている。
【0037】この流体塗布装置1の左奥側となる下流側
と右手前側となる上流側には、二点鎖線で示される下流
側搬送装置2と図6に図示の上流側搬送装置3が夫々配
設されており、搬送装置2、3に設けられて昇降と潜入
後退動作を行うアーム4により、基板Wのワークを1個
毎に装置1に対して供給及び排出するようにしている。
【0038】この装置1には、後述するモータM1〜M
4と各種センサ類、アクチエータ類及びバルブ類が備え
られているが、これらは全て制御部8に接続されるか、
この制御部8からの指示により動作する駆動制御部9か
らの指示により、操作部10からの操作状態に基づき所
定駆動されるように構成されている。
【0039】次に、上記のように図4に示すような塗布
を行うための塗布ヘッド15は、スリット開口部を下方
にして、キャリッジ12から延設される延設部位12a
の側面に固定されており、図7の動作説明図において図
示のように矢印Z2方向の上下方向に駆動される。この
ために、キャジッリ12は上記の基部側壁7の略中央部
位から上方に延設された起立部11に設けられた不図示
のガイドレールにより上下方向に移動するように案内さ
れる一方で、このキャジッリ12に固定されたボールネ
ジナット13が上記起立部11の上端に固定されたモー
タM1の出力軸に固定されたボールネジ14に螺合する
ようにすることで、モータM1の正逆方向の回転駆動に
伴いキャジッジ12を上下駆動することにより、塗布ヘ
ッド15を上下方向に駆動するように構成されている。
このモータM1及び後述するモータは基板Wへのダメー
ジを避けるために、サーボモーター等を使用した加減速
度、位置決めを自在にするために数値制御を行うように
している。
【0040】また、塗布ヘッド15には塗布液を所定圧
で供給する供給口16と、サックバルブに接続される排
出口17が配管されており、上記のタイミングで塗布を
行う。さらに、キャリッジ12の延設部12aには基板
からの距離を2点で測定する距離センサ18と、洗浄液
を基板中央に吐出する吐出ヘッド19が固定されてい
る。
【0041】一方、不図示の基板Wは、図7における上
流側搬送装置3のアーム4に載置された状態で塗布面を
上にして搬送されて保持機構30により不動状態で保持
された後に、図7の矢印X方向に移動されつつ、塗布が
行われた後に、回転され、下流側搬送装置2のアーム4
で取り出されるように構成されている。また、保持機構
30には、洗浄液による洗浄後の液を回収するための機
能がさらに設けられている。
【0042】このために、保持機構30は、基板吸着機
能を備える基板保持盤32を固定するとともに、一定方
向(図6の矢印R方向)にモータM3で回転駆動される
回転円盤31と、基板の供給及び排出をおこなうとき
に、基板を上下させるため保持盤32と同位相もしくは
保持盤32と干渉しない位置に穿設された4個所の貫通
孔33を通過する複数の上下ピン61を上下方向に駆動
するエアシリンダ60と、基板保持盤32と円盤31と
を上下に移動させるためにモータM4で駆動される昇降
機能とが必要となる。
【0043】この保持機構30を、キャリッジ21に搭
載して、矢印X方向に平行移動しつつ、塗布ヘッドから
の塗布流体の供給を行いつつ、塗布をするものである
が、回転円盤31は任意の上下及び回転位置で位置決め
可能なように数値制御される。
【0044】また、図7において、保持機構30には基
板を吸着保持するための負圧を供給するための負圧供給
管35と希釈液を供給する希釈液供給管36と、余剰液
を回収する回収管37とが主軸40の下方に接続されて
いる。
【0045】また、往復機構20の構成は、上記の基部
側壁7の内側において図示のように固定される一対のガ
イドレール22により図7の矢印X方向に往復するよう
に移動案内されるキャリッジ21と、このキャリッジ2
1の底面に固定される不図示のボールナットに歯合する
ボールネジ23と、このボールネジ23の一端側を出力
軸に固定するとともにブラケット25を介して基部側壁
7に固定されるモータM2と、ボールネジ23の他端を
回転自在に保持する軸受部材24とから構成されてお
り、モータM2を正逆方向に駆動することで、キャジッ
ジ21を往復駆動する。
【0046】次に、図9は図8のX−X線矢視断面図で
ある。本図において、既に説明済みの構成部品について
は同様の符号を附して説明を割愛する。先ず、保持機構
30の昇降機能と回転機能について述べると、モータM
3で回転駆動される回転円盤31には負圧供給管35に
連結された溝部を設けた基板保持盤32が固定されてお
り、二点鎖線で図示の位置に位置する基板を実線図示の
位置において吸着して保持するように構成されている。
また、回転円盤31の回転中心にはブラケット57を介
してスプライン主軸40が固定されており、この主軸を
回転中心として高速回転するようにしている。
【0047】この主軸40は長手方向には移動自在に、
かつ回転方向に駆動力を伝達可能に支持するスプライン
軸受けにより支持されており、具体的には主軸40の外
周面には、上下に配設される一対のスプライン軸受41
に設けたインナーレース43aの内周面に形成されたス
プライン溝43aに対して歯合することで、主軸40の
長手方向に移動するようにしたスプライン溝40aが形
成されており、回転方向の駆動力を伝達可能にするとと
もに、長手方向における移動を可能にしている。
【0048】これらのスプライン軸受41の上方側のイ
ンナレース43には、歯付きプーリ56が固定されてい
る。また、各スプライン軸受41のアウターレース42
は、上記のキャリッジ21に固定されるフレーム部材4
4に固定されている。そして、歯付きプーリ56には上
記のモータM3の出力軸53に固定される歯付プーリ5
4との間において歯付ベルト55が張設されており、モ
ータ駆動力を主軸40に伝達可能にしている。
【0049】また、主軸40の下方には破線図示のベア
リング51を介して上下ブラケット50が固定されてお
り、この上下ブラケット50を上記のフレーム44にお
いて上下方向に案内するとともに、ボールナット49を
図示のように固定している。
【0050】上記のモータM4はブラケット45を介し
てフレーム44に固定されるとともに、継ぎ手46を介
してボールネジ48をその出力軸に固定するとともに、
ボールナット49を歯合するように構成して、モータM
4の正逆方向の駆動にともない上下ブラケット50を上
下方向に駆動することで、主軸40をベアリング51を
介して上下方向に駆動するようにして、回転円盤31を
上下方向に駆動可能にしている。
【0051】さらに、上記の上下ピン61はエアシリン
ダ60により貫通孔33を介して上下方向に駆動され
て、基板を二点鎖線図示の位置と実線図示の位置に移動
するとともに、回転を行うときには、さらに下方に移動
して上下ピン61が回転に干渉しないようにしている。
【0052】図9は、図8のX−X線矢視断面図であ
る。また、図10は、余剰液回収部の詳細を示した断面
図である。図9、10において、既に説明済みの構成部
品については同様の符号を附して説明を割愛する。
【0053】先ず、図9において、回転円盤31の回転
中心に固定されるブラケット57には、上記の主軸40
において同心円状になるように設けられた、負圧供給管
35aと、希釈液供給管36aと、液回収管37aに連
通する管が夫々図示のように内蔵されている。負圧供給
管35aは保持盤32に形成された吸着溝32aに連通
する一方で、希釈液供給用の希釈液供給管36aは、回
収下部材70に設けられた管部70aに連通しており、
希釈液を基板に向けて供給することで、微量の余剰液と
なる塗布液の固化を積極的に防止するようにしている。
また、図10をさらに参照して、液回収管37aは、回
収上部材71と回収下部材70の隙間で形成される部位
に連通しており、余剰液を縁部から破線矢印方向に回収
するように構成されている。
【0054】一方、図9において、洗浄液Cは上記の延
設部12aに固定された供給管19から所定枚数の塗布
後に基板中央に向けて大量に供給され、洗浄を定期的に
行うようにしている。 また、図11は、基板の塗布方
向に直交する破断面図であって、図4(c)に図示の縁
部の盛り上がり部を回収するための回収上部材71の基
板との位置関係を示している。
【0055】本図において、基板縁部と回収上部材71
の傾斜面71aの間の距離は1mm程度に設定される一
方、傾斜面71aの上端と基板の縁部の間の距離は約
0.5mmとなるようにして、回転に伴い発生する遠心
力により余剰液が傾斜面71aに指向するようにして、
回収を回収管37を介して確実に行えるようにしてい
る。
【0056】図12、図13は、以上説明の塗布装置1
における動作説明図である。また、図14は動作説明フ
ローチャートである。
【0057】図12、13、14に図6の外観斜視図を
さらに参照して、基板への塗布動作を説明する。装置の
起動後に準備が整うと、ステップS1において、回転盤
31と保持盤32の一体物は、下方に位置する一方で、
上下ピン61は上限に位置するようにエアシリンダ60
が駆動される。このときに、基板移載のための上流側搬
送装置3のアーム4は基板Wを図6の矢印Y1方向に搬
入することで図12(a)の状態にする。
【0058】この後に、ステップS2に進み、状態
(b)に図示のようにアーム4が矢印Z3方向に降下さ
れ、上限高さにある上下ピン61上に基板が移載され
て、移載アーム下限で、干渉しない位置に待避する。
【0059】上下上の基板を保持盤に移載するために、
回転盤はh1まで上昇し基板を吸着し、上下は下限まで
下降し、塗布ヘッドが移動し備えた複数のセンサーで基
板表面との距離を複数個所測定を行う。
【0060】この後に、ステップS3からステップS5
において、状態(c)に図示のように、塗布ヘッド15
と基板表面の間隙を予め定めた距離にするために回転盤
31と保持盤32の一体物は、上方(矢印Z1方向)に
移動される一方で、上下ピン61が降下して、基板を保
持盤32上に載置する。これに前後して、負圧が負圧供
給管35を介して吸引溝32a内に導入されて、基板が
吸着保持される。このときに複数の測定値の最小値もし
くは平均値が予め定めた間隙値となるような位置となる
ように距離センサ13で測定する。このときに、基板厚
みが一定であれば、距離を測定しその結果で間隙を都度
合わせる必要はない。 このように上昇するとき、塗布
ヘッド15は塗布面領域上面部位に位置させておく必要
がある。
【0061】次に、ステップS6において、基板が上方
位置に位置しており、かつ塗布ヘッド15が塗布開始位
置にある状態(d)のときに、塗布ヘッド15内に一定
圧力の流体が供給され塗布ヘッド内に貯留待機させてい
た液を吐出させ、塗布ヘッドを走行させることで、状態
(e)のように有効面開始部分と開始部分では厚く、有
効面では所望厚さになるように塗布を行う。
【0062】そして、ステップS7において、走行終点
直前で塗布ヘッド15内への液供給を止め(供給バルブ
閉)塗布ヘッド内の残圧を利用し塗布を行うことで図1
3(f)に図示の状態にすることで有効面の均一塗布が
終了する。
【0063】この終点で塗布ヘッド15に設けたサック
バック機構(液吸引機構:不図示)を働かせると同時
に、回転盤は下限位置へ下降することで、状態図13
(g)に図示のように、塗布厚がt2、t1、t2とな
るようにする。このとき、サックバック機構は、塗布液
と塗布ヘッド内の液切りと、塗布ヘッド先端に付着した
液をスリット内に引き込むことを目的とし、引き込んだ
液位置がほぼ一定の位置(先端から2mm前後)になる
ように引き込み量や時間管理を行い、また先端部にはテ
フロンコーティング等を行い液が内部に引き込まれるこ
とを助けている。
【0064】この後に、ステップS9で基板を所定の回
転数で所定の時間回転させることで、塗布高さt2の塗
布厚さの余剰液の回収をする。
【0065】この後に、ステップS10では、回転円盤
が上昇し所定の位相に位置決めされると、上下ピン61
を状態(i)のように上昇させることで基板を移載する
とともに、回転円盤は下降し、吸着を開放しさらに下降
することで基板を脱荷し、破線図示の移載アーム4の進
入を待つ。
【0066】このような動作は、複数の上下を各々単独
で昇降させた方法を用いた場合、ピンが同期して昇降し
ないことを前提にしたものであり、一つのベースに取り
付け昇降を同期させればさらに簡単な動作にすることが
できる。
【0067】以上説明の一連動作を繰返し実行すること
で、連続塗布を行えるようになる。
【0068】ここで、塗布ヘッド15内に所定の量の塗
布液が貯留され塗布開始位置にあり、基板との距離が所
定の間隙にあるとき、液供給バルブを開放し一定圧力の
流体をヘッド内に供給すると貯留されていたヘッド内の
液はスリット先端から吐出され、その後走行を開始する
ようにしている。
【0069】また、複数の上下ピンを固定した構造にす
ると、上下ピンを回転円盤より上方に適当な位置まで突
き出すように回転盤を下降させると、基板移載機の着脱
アームが下降し、基板を上下上に着荷させ、着脱アーム
を干渉しない位置に待避させることができる。
【0070】このとき、着脱アームの待避信号で回転盤
は上昇し、保持盤の吸引力で基板はしっかり吸着され
る。この状態で適当な位置まで上昇し、塗布機に設けた
距離測定センサー13で塗布ヘッドと基板表面の距離を
測るようにする。測定値により予め設定した塗布ヘッド
先端と基板表面の間隙にするためにさらに上昇する。こ
の位置まで上昇したとき上下は回転盤の回転動作範囲外
に位置するようにし、塗布ヘッド先端は塗布基板の上方
に位置するようにしておくと、塗布ヘッドもしくは回転
盤が相対的に移動することで塗布を行い、移動完了で回
転盤は塗布ヘッドと上下に干渉しない回転可能な位置ま
で下降し、所定の回転数で所定の時間回転を行い、均一
な塗布膜形成を行い、定位置(上下と貫通孔の位相が合
う位置)に位置決めし、基板を上下に脱荷するために下
降し、適当な位置で基板の吸着を解除し上下に脱荷す
る。さらに下降にし上下上の基板の入れ替えを行う位置
で待機する。
【0071】このようにすると、回転、昇降、走行の3
つの動作の構成で一連の作業を行うことができる。ま
た、回転盤に昇降及び走行の機能を持たせると、1m角
を超えるような大型基板の塗布ヘッドを架台に固定する
ことも可能となり、安定した塗布動作を実現することも
可能となる。さらに、上下をエアーシリンダー等で昇降
させるようにすると、回転盤の昇降ストロークを短縮す
るばかりでなく、回転盤を軸受けに近い下限位置で回転
させることも可能となり回転振れ等を抑制することがで
きる。
【0072】また、回転盤の待機ポジション及び回転動
作は、下限位置で行うようにしている。
【0073】以上のように、遠心力で振切られる直前の
流体は、その分子間結合力により基板端部で基板外に膨
らみ成長を続け、遠心力が分子間結合力を上回ると流体
は引き千切れ飛散するが、その成長過程で飛散する前
に、液に接触し液を乗り移らせるための液ガイドである
上下回収部材70、71を設け、乗り移った液が所定の
位置(回収口)から貯留部に集まるような構造とし、貯
留部の余剰液は、回転軸内に設けた排出路に連結されポ
ンプ(不図示)により外部へ排出されるようにしてい
る。
【0074】液ガイドの形状は傾斜面に余剰液が引き継
がれ遠心力により傾斜面を下りさらに、例えば矩形の基
板であれば4つコーナーに走り、4つのコーナーに回収
口を設けると、余剰液は遠心力により4コーナーに集ま
るようになる。
【0075】また、熟練技術を要せずに短時間での条件
出しを実現できる大量生産時における経済性と生産性の
向上を計ることができ、塗布膜形成に不要となる微量の
塗通り外部へ排出される。液ガイドは傾斜面を余剰液が
走り上り上面まで走らない十分な高さが必要であるの
と、傾斜面の材質は高撥水性材料(例えばテフロン系)
が好ましい。
【0076】このような構造とすることで、余剰液は外
部に飛散することなく、液ガイドにスムースに移行させ
ることができるので、飛散液衝突によるミスト発生の要
因を取り除き、ミスト粒の再付着による塗布面不良の原
因を取り除くことができることから、塗布品質の歩留ま
りを向上させることができる。
【0077】さらに、液ガイドや保持盤32を取り付け
ている回転盤31の上面を、液ガイド上面と同じレベル
にし、その外周を円形状にすると、回転による乱気流の
発生を抑制できることから、周囲に浮遊する埃等を巻き
上げて塗布面に付着させる可能性も低くできるといった
効果がある。
【0078】さらに、主軸40の回転軸周りに、基板を
保持するための真空吸着用、廃液が揮発しないための洗
浄液注入用、余剰液もしくは廃液の回収用の連通管を設
けることで、余剰液は液ガイドから複数の貯留部(例え
ば矩形基板であれば4角に設置)に遠心力で集めること
が出来るようになる。塗布液は廃液回収口の外側に設け
たポンプ等(不図示)で吸い出されるが、高速回転中は
遠心力が働き回収効率は低いので、回転が完了してから
貯留部部内の余剰液を回収するにしても、貯留部内の量
は少なくかつ揮発が進み、回収は困難になり、次第に固
化する可能性は高い。
【0079】このように揮発し固化する可能性を解消し
回収効率を高めるためには、揮発を抑制し流路を洗い流
す洗浄液(稀釈液)等を貯留部に供給し、余剰液と同時
に回収すれば良い。
【0080】また、洗浄液は回転中に適当な量を供給す
ることも、また回転完了時に回収動作と併用して供給し
ても良い。好ましくは塗布作業の都度行うことである。
【0081】このように、回収のための配管内は常に自
動洗浄されている状態となるので、廃液による不具合発
生確率を解消し、分解掃除等のメンテナンスを不要とす
る効果がある。
【0082】次に、図15は、回転円盤内の保持盤に、
塗布基板もしくは塗布基板と同等のダミー基板を保持さ
せ、洗浄液を回収させる動作フローチャートであって、
本図において、ダミー基板を載置し(ステップS2
0)、吸引保持し(ステップS21)、塗布ヘッド15
を回転中心まで相対移動し(ステップS22)、図9に
図示のように洗浄液Cを注入しながら円盤を回転させ
(ステップS23、24)、上記の希釈液回収管37を
使用し洗浄液を回収させる(ステップS25)ことで、
回転円盤に付着した余剰液を自動的に洗浄できるように
なる。
【0083】このようにダミー基板を保持盤32に保持
し、洗浄液注入器をダミー基板の上部に位置させ、洗浄
液を注入しながら回転盤を回転塗布することにより、塗
布余剰液で汚損した液ガイドを全周に亘り洗浄液で洗い
落とすことが可能となる。洗浄液注入ヘッド19の取り
付け方法は、図8に示すように塗布ヘッドを取り付けた
アーム等に取り付けると、塗布ヘッドと干渉もせず安価
な構成が実現できる。
【0084】この洗浄動作は不定期に行われるものであ
るが、このようにしたことで回転盤や廃液流路の自動洗
浄を必要なときに簡単に短時間で行うことができる。
【0085】また、スリット開口部を有する塗布ヘッド
に超音波洗浄器を設け、超音波洗浄槽内の洗浄液に、塗
布ヘッド先端を浸し、前記塗布ヘッドに設けた前記洗浄
液注入手段から洗浄液を注入しながら塗布ヘッド内の洗
浄を行えるようにしても良い。
【0086】以上のように塗布ヘッドと超音波洗浄機を
相対的に移動させ、昇降させることで、塗布ヘッド先端
を洗浄槽の洗浄液に浸し、塗布ヘッド内への供給液を洗
浄液に切り替え吐出することで超音波洗浄槽の洗浄液と
塗布ヘッド内の流体を一体化し、超音波振動を無理なく
伝えることができるようにし、超音波を発生させながら
塗布ヘッド内に洗浄液を供給し続けることで塗布ヘッド
内の洗浄を行うことができるようになる。この超音波洗
浄装置を併用すると、塗布装置の全自動洗浄が可能とな
り、従来の分解掃除や再組立、再調整を必要としなくな
り、生産性に大いに貢献できるようになる。
【0087】尚、上記の実施形態に限定されず、種々の
構成が可能であり、例えば、基板を相対移動させる手段
を、基板を吸着保持する保持盤側を基部に固定し、塗布
ヘッドを移動するようにしても良い。また、搬送手段は
上流と下流側に固定するように配設せずに、移動するよ
うに設けることで、1機の搬送装置で基板の搬送と排出
を行うように構成することができる。
【0088】次に、図16は、円形の半導体用ウエハー
を含む円形平面状の基板Wの円形塗布有効面上に塗布流
体を流出して所望厚さの均一な塗膜を形成する流体塗布
装置の要部を破断して示した中心断面図である。また、
図17は図16のX−X線矢視断面図である。尚、この
装置は、塗布流体が十分な流動性を有する状態は塗布ヘ
ッドから吐出された直後であることに着目してなされた
ものであり、塗布開始前から環状回転盤を予め高速回転
することでこの環状回転盤上に付着した塗布分を瞬時に
外周方向に飛散させることを基本動作としている。
【0089】さて、図16、17において、既に説明済
みの構成部品については同様の符号を附して説明を割愛
すると、上述のモータM1〜M4に代えて図示のモータ
M5〜M7が設けられている。
【0090】先ず、モータM5は上記のように移動され
るキャリッジ121にブラケットを介して固定されてお
り、このキャジッリ121の中心においてモータM6に
より高速回転駆動される円形保持盤132を上下方向に
駆動するようにしている。
【0091】また、基板Wを不動状態に吸着保持する保
持面を有する円形保持盤132の中心軸を回転中心にし
て環状回転盤131が、上記の円形保持盤132とは独
立して高速回転するように設けられている。このため
に、環状回転盤131の内径部分とキャリッジ121の
フランジ部121fの外周面との間に上下2個のベアリ
ング72が設けられている。また、フランジ部121f
の内周面とスプライン主軸40の外周面との間には上下
に2個のスプライン軸受41が設けられており、下方側
のスプラン軸受41のインナーレース側にはスプライン
主軸40の直径より大きな貫通孔部73aを形成した歯
付プーリ73が固定されており、この歯付プーリ73に
歯合する歯付ベルト55を介してモータM6の出力軸に
固定された歯付プーリ70の回動力を下方側のスプラン
軸受41のインナーレース側に伝達することで、円形保
持盤132を環状回転盤131とは独立して駆動できる
ようにするとともに、円形保持盤132を上下方向に駆
動する際に障害とならないようにしている。
【0092】一方、環状回転盤131には、円形保持盤
132上に保持された後の基板Wの塗布有効面と面一と
なる環状部位131aであってテフロンなどの撥水性に
優れるコーティング処理がされており、上述の助走範囲
をこの環状部位131a上に設定するとともに、洗浄を
不要にしている。この環状回転盤131の外周面には大
型の歯付プーリ56が固定されるととももに、これに歯
合する歯付ベルト55を介してモータM7の出力軸に固
定された歯付プーリ54の回動力を環状回転盤131に
伝達するように構成されている。
【0093】また、図17をさらに参照して、円形保持
盤132には少なくとも4個所の貫通孔が穿設されると
ともに、各貫通孔を通過する上下ピン161を上下方向
に駆動するためのエアシリンダ160が設けられてお
り、基板Wを図16における破線図示の位置に移動する
ようにして、基板Wの受け入れを図12で説明したよう
に行えるように構成されている。また、塗布ヘッドの開
口部の幅寸法Hは基板Wの直径2rに等しいか、それ以
上であれば良い。
【0094】一方、環状回転盤131の外周面の外側に
は、モータM7による矢印R方向の高速回転に伴い飛散
する塗布流体を回収する回収手段である回収容器28
が、図示のように環状部位131aの面よりやや高い位
置で回収可能になるようにキャリッジ121に固定され
ており、不図示の回収装置により、図18の動作説明図
に図示のように飛散した塗布流体であって、乾燥固化し
た助走範囲の塗布分を回収できるように構成されてい
る。この回収容器28には負圧発生装置を接続すること
で、より積極的に回収することで、再付着を防止できる
ようになる。
【0095】次に、図19は基板Wをロボット装置との
間で受け渡しをする様子を示した平面図(a)、要部破
断図(b)である。本図において、既に説明済みの構成
部品については同様の符号を附して説明を割愛すると、
上記のように円形保持盤132はモータM5の駆動にと
もない上方位置に移動される。この円形保持盤132の
外周面132cの直径2rは基板Wの直径2rよりも小
さく設定される一方、上記の搬送装置2、3に設けられ
て昇降と潜入後退動作を行うアーム4の内寸法hは円形
保持盤132の外周面132cの直径2rよりもクリア
ランス分大きく設定されている。
【0096】以上の構成において、アーム4が矢印方向
に移動されることで、基板Wを円形保持盤132の中心
部位に移載することができるようになる。
【0097】以上説明の構成において、図20の動作フ
ローチャートを参照して、円形基板Wへの塗布動作を説
明すると、装置の起動後に準備が整うと、ステップS3
0において、モータM5による駆動により円形保持盤1
31が上昇され、また、上下ピン161は上限に位置す
るようにエアシリンダ160が駆動され、円形基板の移
載のための上流側搬送装置3のアーム4により基板Wが
上記のように搬送され、かつ吸着されて円形基板が円形
保持盤に吸着される。このとき、塗布ヘッド15は図1
8で破線で図示の上方に位置している。
【0098】これに続き、ステップS31に進み塗布ヘ
ッド15が移動されて、上記の距離センサー18で基板
表面との距離の複数個所の測定を行う。この測定は、実
際に基板はロット毎に20から30ミクロンの範囲で変
化することから、基板厚のバラツキを補正するためのも
のである。次に、ステップS33においてモータM5に
よる駆動により円形保持盤131が降下されて、環状回
転盤の環状部位131aと略面一になる位置で停止され
る。続いて、ステップS34で、塗布ヘッド15と基板
表面の間隙を予め定めた距離である数10ミクロンから
5ミクロンに設定するように降下する。
【0099】これに前後して、ステップS35では環状
回転盤131がモータM5による高速駆動により高速回
転されるが、続くステップS36における移動塗布にお
いて助走範囲が環状部位131aになるようにするの
で、安定しない塗布厚分が飛散されて回収できることに
なる。すなわち、図17を参照して、図3において述べ
たように塗布ヘッド15への液供給バルブ解放後の時点
g1後に塗布液がスリット先端から吐出されて円形基板
に付着する前の助走範囲である時点g2で最高速度(塗
布速度)に達するまでの間は環状部位131a上に塗布
するようにして盛上った分を回収容器28側に飛散さ
せ、その後徐々に薄くなり最高速度(時点g2)に達し
てから、時点g3と時点g4の間で均一膜を塗布するよう
にする。
【0100】このようにして、円形基板上に均一塗布を
行い時点g4において、塗布を停止して塗布ヘッドを上
昇させ一連の塗布動作を終了する(ステップS37)。
この後に、ステップS38において、乾燥後に膜厚がさ
らに薄い極薄膜を得たい場合であって、塗布後に高速回
転が必要であると判断されると、ステップS42に進
み、モータM6の高速駆動により円形保持盤132を高
速回転駆動することで乾燥前の塗膜拡散を行い、ステッ
プS43で回転を停止する。また、極薄膜でない場合に
は、ステップS39に進み、円形保持盤をモータM5の
駆動により上昇させて、アーム4の潜入位置にしてか
ら、ステップS40で基板Wを塗装後と塗装後のものに
入れ替える。この後、ステップS41で環状回転盤13
1が停止して終了する。ちなみに、従来のスリットコー
タによれば、0.数ミクロンの塗膜において絶対精度1
0%が限界であったが、これ以上の精度が保証できるよ
うになった。
【0101】以上説明したように、特に半導体ウエハー
用基板への所定塗膜を形成するための装置を簡単な構造
にすることができ、かつまた所望の薄膜が高い精度で得
られるとともに、余剰な塗布流体は助走範囲のみへの塗
布でよいことから、高価かつ再利用不可である塗布流体
の無駄を大幅に削減できることになる。余剰となる塗布
液は、従前のスリットコータの10分の1である。
【0102】また、従前のような定期的な洗浄を不要に
できるので生産タクト時間を大幅に短縮できるととも
に、大量の洗浄液や不要となり廃棄処分される塗布液の
処理用の付帯設備が不要となることから、その産業上の
寄与乃至経済的効果は計り知れないものがある。
【0103】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
特に塗布開始と終了のときにおける塗布ムラの影響を解
消することで、塗布対象面に対する塗布有効面の比率を
向上させ、塗布有効面に塗布液の余剰分が再付着しない
ようにして、高い塗布液の歩留まりと良品率を達成で
き、しかも大型サイズへの対応ができる流体塗布装置お
よび流体塗布方法を提供できる。また自動洗浄できるよ
うにして、無人運転を可能にした流体塗布装置および流
体塗布方法を提供できる。
【0104】そして、半導体用ウエハーへの流体塗布装
置及び方法において、簡単な構造で所望の薄膜が高い精
度で得られるとともに、定期的な洗浄を不要にして生産
タクト時間を短縮でき、かつ大量の洗浄液や不要となる
塗布液の処理用の付帯設備が不要にする流体塗布装置お
よび流体塗布方法を提供できる。
【0105】
【図面の簡単な説明】
【図1】塗布ヘッド15による塗布動作の原理説明図で
ある。
【図2】塗布開始状態を示す平面図である。
【図3】塗布状態を示す状態図である。
【図4】塗布状態を示す三面図である。
【図5】円盤状の基板の塗布状態図である。
【図6】流体塗布装置の要部を破断して示した外観斜視
図である。
【図7】流体塗布装置の動作説明の外観斜視図である。
【図8】図7のX−X線矢視断面図である。
【図9】図8のX−X線矢視断面図である。
【図10】塗布開始線に沿う余剰液回収手段の要部断面
図である。
【図11】基板縁部に沿う余剰液回収手段の要部断面図
である。
【図12】装置前半の動作説明図である。
【図13】装置後半の動作説明図である。
【図14】装置の動作説明フローチャートである。
【図15】装置の浄化手段の動作説明のフローチャート
である。
【図16】円形基板の流体塗布装置の要部断面図であ
る。
【図17】図16のX−X線矢視断面図である。
【図18】図16の装置の動作説明図である。
【図19】基板Wをロボット装置との間で受け渡しをす
る様子を示した平面図(a)、要部破断図(b)であ
る。
【図20】図16の装置の動作説明フローチャートであ
る。
【符号の説明】
1 流体塗布装置、 2 下流搬送装置、 3 上流搬送装置、 4 アーム、 6 基部、 8 制御部、 12 キャリッジ(第1キャリッジ)、 15 塗布ヘッド、 18 距離センサ、 21 キャリッジ(第2キャリッジ)、 31 回転円盤、 32 保持盤、 33 貫通孔、 35 負圧供給管、 36 希釈液供給管、 37 液回収管、 40 スプライン主軸(主軸)、 41 スプライン軸受、 44 フレーム、 61 上下ピン、 131環状回転盤、 132円形保持盤、 M1〜M7 モータ、 W 基板(塗布対象物、円形塗布対象物)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01L 21/027 H01L 21/30 564C

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平面の塗布対象基板の塗布有効面上に塗
    布流体を所定厚さで流出して所望厚さの均一な塗膜を前
    記塗布有効面に形成する流体塗布装置であって、 前記塗布有効面の長短辺いずれかの寸法に略一致する全
    長を有するスリット状の開口部を有する塗布ヘッドから
    前記塗布流体を流出させつつ、前記塗布対象基板を相対
    移動するときに、前記塗布有効面から外れる塗布開始時
    及び塗布終了時においては、所望厚さの塗膜より厚い余
    剰塗布または薄い希薄塗布を行い、 前記塗布有効面には前記所望厚さの塗布を行なう塗布手
    段を具備することを特徴とする流体塗布装置。
  2. 【請求項2】 前記塗布対象基板の塗布有効面上から略
    面一に連続する形状部を有する前記保持盤上に前記塗布
    対象基板を不動状態で保持するとともに、前記余剰塗布
    または前記希薄塗布を前記形状部上に行うことを特徴と
    する請求項1に記載の流体塗布装置。
  3. 【請求項3】 回転による拡散により、前記余剰塗布ま
    たは前記希薄塗布による不要分を回収する回収手段と、 前記塗布対象基板を搬送し、かつ排出を行うための搬送
    手段と、 前記塗布手段と前記回収手段と前記搬送手段とに接続さ
    れてなり、前記各手段を所定タイミングで駆動制御する
    制御手段とを具備することを特徴とする請求項1、2の
    いずれかに記載の流体塗布装置。
  4. 【請求項4】 前記塗布手段を、 前記流体塗布装置の基部と、前記塗布有効面からの所定
    距離を維持し、かつ前記基部の上下方向に駆動される第
    1キャリッジに搭載される前記塗布ヘッドと、前記相対
    移動させるために前記基部の長手方向に駆動される第2
    キャリッジに搭載されるとともに、前記基部の上下方向
    に駆動される主軸を回転中心とし、かつ前記塗布対象基
    板を不動状態に保持する前記保持盤とから構成し、 また、前記回収手段を、前記主軸回りに前記保持盤を回
    転駆動するように構成し、前記塗布有効面の端部に対し
    て所定角度で近接する4辺の傾斜面を備えるように前記
    保持盤に固定される回収部材と、前記傾斜面に連通する
    ように前記主軸の回転中心を同心円状に配設される複数
    の連通管とから構成し、 前記不要分の回収と乾燥固化することを防止する希釈液
    の供給及び回収と、前記保持のための負圧供給とを前記
    連通管を介して行うことを特徴とする請求項3に記載の
    流体塗布装置。
  5. 【請求項5】 前記搬送手段は、前記保持盤の吸着面と
    同位相もしくは保持盤と干渉しない位置に穿設される複
    数の貫通孔と、該貫通孔を通過する上下ピンと、該上下
    ピンを上下方向に駆動する昇降部と、 前記保持盤が上流側に位置したときに前記上下ピン上に
    前記塗布対象基板を載置する上流側搬送機構と、前記相
    対移動で前記保持盤が下流側に位置したときに前記上下
    ピンから前記塗布対象基板を取り上げる下流側搬送機構
    とから構成されることを特徴とする請求項3に記載の流
    体塗布装置。
  6. 【請求項6】 平面の塗布対象基板の塗布有効面上に塗
    布流体を所定厚さで流出して所望厚さの均一な塗膜を前
    記塗布有効面に形成する流体塗布装置であって、 前記塗布有効面の長短辺いずれかの寸法に略一致する全
    長を有するスリット状の開口部を有する塗布ヘッドから
    前記塗布流体を流出させつつ、前記塗布対象基板を相対
    移動するときに、 前記塗布有効面から外れる塗布開始時及び塗布終了時に
    おいては、所望厚さの塗膜より厚い余剰塗布または薄い
    希薄塗布を行うとともに、前記塗布有効面に所望厚さの
    塗膜よりやや厚い塗布を行う塗布手段と、 前記塗布後に前記塗布対象基板の回転にともなう拡散に
    より所望厚さにする回転手段とを具備することを特徴と
    する流体塗布装置。
  7. 【請求項7】 半導体用ウエハーを含む円形平面状の塗
    布対象基板の円形塗布有効面上に塗布流体を流出して所
    望厚さの均一な塗膜を形成する流体塗布装置であって、 装置の基部となる本体と、 前記円形塗布有効面の直径に略等しいか大きな全長を有
    するスリット状の開口部を介して前記塗布流体を流出さ
    せる塗布ヘッドと、前記塗布ヘッドを前記円形塗布有効
    面に対して昇降させるとともに所定間隔を維持する昇降
    機構と、前記塗布ヘッドを前記円形塗布有効面に対して
    相対移動する相対移動機構とからなる塗布手段と、 前記塗布対象基板を不動状態に吸着保持する保持面を有
    する円形保持盤と前記円形保持盤の中心軸を回転中心に
    して高速回転されるとともに、前記円形保持盤上に保持
    された後の前記円形塗布有効面と面一となる環状部位を
    有する環状回転盤と、 前記環状回転盤の外周面の外側に配設され、前記高速回
    転に伴い飛散する塗布流体を回収する回収手段と、 前記塗布手段と前記円形保持盤と前記環状回転盤とに接
    続されるとともに、前記相対移動にともなう前記塗布手
    段による塗布流体の流出の助走範囲が前記環状部位に、
    また塗布開始時及び塗布終了の塗布範囲が前記円形塗布
    有効面となるように、また前記環状回転盤を停止または
    低速回転するように個別駆動する制御手段とを具備する
    ことを特徴とする流体塗布装置。
  8. 【請求項8】 前記円形保持盤を昇降駆動させる昇降機
    構と、前記保持面に穿設される複数の貫通孔を前記円形
    保持盤に設け、かつ、前記貫通孔を通過する上下ピン
    と、該上下ピンを上下方向に駆動することで前記塗布対
    象基板の受け渡しをする昇降部とをさらに設けること
    で、 前記塗布対象基板を搬送する搬送手段との間での受け渡
    しをすることを特徴とする請求項7に記載の流体塗布装
    置。
  9. 【請求項9】 前記円形保持盤を昇降駆動させる昇降機
    構と、前記塗布対象基板の直径より小さい第1外周直径
    を有する円形の前記保持面と、 前記第1外周直径より大きな間隔を隔てて配設される保
    持部により前記塗布対象基板を保持及び搬送する搬送手
    段との間での受け渡しをすることを特徴とする請求項7
    に記載の流体塗布装置。
  10. 【請求項10】 前記塗布手段の前記相対移動にともな
    う塗布終了後に、前記円形保持盤をさらに高速回転する
    ことで極薄膜を形成させる回転機構を前記円形保持盤に
    設けたことを特徴とする請求項7に記載の流体塗布装
    置。
  11. 【請求項11】 平面の塗布対象基板の塗布有効面上に
    塗布流体を所定厚さで流出して所望厚さの均一な塗膜を
    前記塗布有効面に形成する流体塗布方法であって、 前記塗布有効面の長短辺いずれかの寸法に略一致する全
    長を有するスリット状の開口部を有する塗布ヘッドから
    前記塗布流体を流出させつつ、前記塗布対象基板を相対
    移動するときに、前記塗布有効面外の塗布開始時及び塗
    布終了時においては、所望厚さの塗膜より厚い余剰塗布
    または薄い希薄塗布を行い、前記塗布有効面には前記所
    望厚さの塗布を行なう工程と、 所望厚さの塗布後の前記塗布対象基板を取り出す工程と
    を具備することを特徴とする流体塗布方法。
  12. 【請求項12】 前記塗布対象基板の塗布有効面上から
    略面一に連続する形状部を有する前記保持盤上に前記塗
    布対象基板を不動状態に保持することで前記余剰塗布ま
    たは前記希薄塗布を行う工程と、 前記余剰塗布または前記希薄塗布を前記形状部上に行う
    工程と、 前記余剰塗布または前記希薄塗布による不要分を回転に
    よる拡散により回収する工程とをさらに具備することを
    特徴とする請求項11に記載の流体塗布方法。
  13. 【請求項13】 平面の塗布対象基板の塗布有効面上に
    塗布流体を所定厚さで流出して所望厚さの均一な塗膜を
    前記塗布有効面に形成する流体塗布方法であって、 前記塗布有効面の長短辺いずれかの寸法に略一致する全
    長を有するスリット状の開口部を有する塗布ヘッドから
    前記塗布流体を流出させつつ、前記塗布対象基板を相対
    移動するときに、前記塗布有効面から外れる塗布開始時
    及び塗布終了時においては、所望厚さの塗膜より厚い余
    剰塗布または薄い希薄塗布を行うとともに、前記塗布有
    効面には前記所望厚さより厚い塗布を行なう工程と、 前記塗布対象基板の回転による拡散により前記所望厚さ
    に拡散させる工程と、 所望厚さの塗布後の前記塗布対象基板を取り出す工程と
    を具備することを特徴とする流体塗布方法。
  14. 【請求項14】 前記塗布対象基板の塗布有効面上から
    略面一に連続する形状部を有する前記保持盤上に前記塗
    布対象基板を不動状態に保持することで前記余剰塗布ま
    たは前記希薄塗布を行う工程と、 前記余剰塗布または前記希薄塗布を前記形状部上に行う
    工程と、 前記余剰塗布または前記希薄塗布による不要分を回収す
    る工程とをさらに具備することを特徴とする請求項13
    に記載の流体塗布方法。
  15. 【請求項15】 半導体用ウエハーを含む円形平面状の
    塗布対象基板の円形塗布有効面上に塗布流体を流出して
    所望厚さの均一な塗膜を形成する流体塗布方法であっ
    て、 前記円形塗布有効面の直径に略等しいか大きな全長を有
    するスリット状の開口部を介して前記塗布流体を流出さ
    せるために塗布ヘッドを前記円形塗布有効面に対して昇
    降させて所定間隔を維持するとともに相対移動する工程
    と、 前記塗布対象基板を円形保持盤の保持面上に不動状態に
    吸着保持する工程と、 前記円形保持盤上に保持された後の前記円形塗布有効面
    と面一となる環状部位を有する環状回転盤を前記円形保
    持盤の中心軸を回転中心にして高速回転する工程と、 高速回転に伴い飛散する塗布流体を回収する工程と、 前記相対移動にともなう前記塗布手段による塗布流体の
    流出の助走範囲が、前記環状部位に、また塗布開始時及
    び塗布終了の範囲が前記円形塗布有効面となるように、
    また前記環状回転盤を停止または低速回転するように個
    別駆動する工程とを具備することを特徴とする流体塗布
    方法。
  16. 【請求項16】 前記円形保持盤を昇降機構により昇降
    駆動させるとともに、前記保持面に穿設される複数の貫
    通孔を通過する上下ピンを上下方向に駆動する工程と、 前記円形保持盤及び前記上下ピンの昇降動作と塗布対象
    基板を搬送する搬送手段との協動により前記円形塗布対
    象基板の受け渡しを行う工程とを具備することを特徴と
    する請求項15に記載の流体塗布方法。
  17. 【請求項17】 前記円形保持盤の前記塗布対象基板の
    直径より小さい第1外周直径を有する円形の前記保持面
    を昇降機構により昇降駆動する工程と、 前記第1外周直径より大きな間隔を隔てて配設される保
    持部により前記塗布対象基板を保持及び搬送して、前記
    保持面上に移動する工程と、 搬送手段との協動により前記円形塗布対象基板の受け渡
    しを行う工程とを具備することを特徴とする請求項15
    に記載の流体塗布方法。
  18. 【請求項18】 前記塗布手段の前記相対移動にともな
    う塗布終了後に、前記円形保持盤の回転機構により高速
    回転することで極薄膜を形成させる工程をさらに具備す
    ることを特徴とする請求項15に記載の流体塗布方法。
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