JPH11238914A - Ii−vi族化合物半導体素子 - Google Patents

Ii−vi族化合物半導体素子

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JPH11238914A
JPH11238914A JP35801498A JP35801498A JPH11238914A JP H11238914 A JPH11238914 A JP H11238914A JP 35801498 A JP35801498 A JP 35801498A JP 35801498 A JP35801498 A JP 35801498A JP H11238914 A JPH11238914 A JP H11238914A
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compound semiconductor
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JP35801498A
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Akihiko Yoshikawa
明彦 吉川
Masakazu Kobayashi
正和 小林
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長期にわたり安定した物性を示し、素子とし
ての寿命が十分に長いII−VI族化合物半導体素子を提供
すること。 【解決手段】 六方晶系II−VI族化合物半導体を含有す
る層を有し、かつ、ヘテロ接合とp−n接合の少なくと
も一方を有することを特徴とする半導体素子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、II−VI族化合物半
導体を含む半導体素子に関する。本発明の半導体素子
は、LEDなどの表示用・通信用発光素子や、通信・情
報処理用のレーザーダイオード、さらに通信や情報処理
などに用いられる受光素子および電子デバイス用素子等
に用いうるものである。
【0002】
【従来の技術】従来から用いられているII−VI族化合物
半導体素子の多くは、GaAsやZnSeなどの立方晶
系(閃亜鉛鉱型)の基板を用いて作成していることもあ
って、立方晶系の結晶構造を有している。
【0003】ところが、これらの立方晶系の半導体素
子、特にレーザーダイオードのような発光素子は急速な
発光効率の劣化等が起こるため、長時間にわたって安定
に動作させることができないという問題があった。この
問題は結晶内に存在する欠陥が原因であると考えられて
おり、発光ダイオードなどでは発光効率の低下に伴って
活性層中のダークラインディフェクト(DLD)等が発
達するという報告もなされている。
【0004】この問題を解決する方法として、基板から
の伝搬転位を低減するためにIII−V族化合物基板との間
に異なった化合物の層を作成する技術や、II−VI族半導
体の層にBe等の物質の混晶を作成し結晶の共有結合性
を強くする技術が開発されている。これらの技術開発の
結果、伝搬転位等は現在のGaAsやInP等を基板と
した場合のIII−V族化合物半導体レーザーダイオードと
同等のレベルまで下げることができるようになった。し
かしながら、素子の劣化抑制効果は依然として不充分で
あり、実用上必要な安定性を十分に確保したII−VI族半
導体素子はいまだ提供されるに至っていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このように従来のII−
VI族化合物半導体素子は安定動作時間が不十分であるた
めに実用性が低く、例えば発光素子の場合には発光効率
が短時間の間に急速に悪くなるという問題があった。そ
こで本発明はこのような従来技術の問題点を解決するこ
とを課題とした。すなわち本発明は、長期にわたり安定
した物性を示し、素子としての寿命が十分に長いII−VI
族化合物半導体素子を提供することを解決すべき課題と
した。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記の課
題を解決すべく鋭意検討した結果、ウルツ鉱型等の六方
晶系II−VI族化合物半導体を含有する層を用いることに
より、長時間にわたり安定動作可能なII−VI族化合物半
導体素子を作成することができることを見出し、本発明
を提供するに至った。
【0007】すなわち本発明は、六方晶系II−VI族化合
物半導体を含有する層を有し、かつ、ヘテロ接合とp−
n接合の少なくとも一方を有することを特徴とする半導
体素子を提供するものである。本発明の半導体素子に使
用する六方晶系II−VI族化合物半導体は例えばウルツ鉱
型であり、Zn、Mg、CdおよびBeからなる群から
選択される1以上のII族元素と、O、S、SeおよびT
eからなる群から選択される1以上のVI族元素を含むも
のを例示することができる。特にZn、Cd、Sおよび
Oからなる群から選択される1以上の元素を含むもので
あるのが好ましく、具体的にはCdxZn1-xy
1-y(0≦x≦1、0≦y≦1)やMgxZnyCd1-x-y
aSeb1- a-b(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦a≦
1、0≦b≦1)の六方晶系II−VI族化合物半導体を好
ましく用いるのが好ましい。
【0008】これらの六方晶系II−VI族化合物半導体
は、活性層、クラッド層、電極との接触を行うコンタク
ト層等に好ましく含有させることができる。六方晶系II
−VI族化合物半導体を含有する層における六方晶系の結
晶の割合は、該層に含まれる全結晶の70mol%以上
であるのが好ましい。
【0009】本発明の半導体素子は、例えばダブルへテ
ロ構造やSCH構造を有することができる。また、SQ
W層またはMQW層を有することもできる。さらに、本
発明の半導体素子は、基板上に六方晶系II−VI族化合物
半導体層を含むエピタキシャル層を形成することによっ
て作成することができる。基板としては、例えば(11
1)面から30度以内の傾きを持つ立方晶系の基板また
は六方晶系の基板を用いることができる。本発明の半導
体素子の好ましい製造方法として、基板上または基板上
に成長させたバッファー層上に、一部開口部を残して誘
電体膜を形成した後、再度バッファー層を成長し、さら
にその上に六方晶系のII−VI族化合物を成長する工程を
含む方法を例示することができる。本発明の半導体素子
は発光素子または受光素子として利用することができ
る。また、電流注入によりレーザー発振する機能を持た
せることもできる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下において、本発明の半導体素
子について詳細に説明する。本発明の半導体素子は、六
方晶系II−VI族化合物半導体を含む層を有し、かつヘテ
ロ接合、p−n接合またはこれら両方を有する点に特徴
がある。本発明の半導体素子に使用する六方晶系II−VI
族化合物半導体は、構成元素として少なくともII族元素
およびVI族元素を含む化合物半導体の六方晶系の結晶で
ある。構成元素はII族元素およびVI族元素のみからなる
ものであってもよいし、これら以外の元素を含むもので
あってもよい。ただし、II族およびVI族以外の元素は全
体の50mol%以下であるのが好ましく、20mol
%以下であるのがより好ましい。
【0011】また、II族元素およびVI族元素はそれぞれ
1元素ずつ含むものであってもよいし、それぞれ複数種
の元素を含むものであってもよい。六方晶系II−VI族化
合物半導体を構成するII族元素の種類は特に制限されな
いが、Zn、Mg、CdおよびBeからなる群から選択
される1以上の元素であるのが好ましい。また、VI族元
素の種類も特に制限されないが、O、S、SeおよびT
eからなる群から選択される1以上の元素であるのが好
ましい。
【0012】本発明の半導体素子には、Zn、Cd、S
およびOからなる群から選択される1以上の元素を含む
六方晶系II−VI族化合物半導体を使用するのが好まし
い。主としてこれらの元素から構成される化合物であれ
ば、六方晶系の結晶を得やすい。特に、CdxZn1-x
y1-y(0≦x≦1、0≦y≦1)やCdxZn1-xy
1-yMgaSeb(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦a、
0≦b)で表される六方晶系II−VI族化合物半導体を好
ましく使用することができる。
【0013】本発明で主なII−VI族化合物半導体として
使用するZnO、ZnS、CdS、CdSe、MgZn
CdS、ZnCdSなどは、立方晶系より六方晶系の方
が安定である物質として知られている。ZnSe、Zn
Te、MgZnSSe、ZnCdSe、BeZnCdS
e、BeZnCdS等の立方晶系より安定な物質であっ
ても、成長条件等によって六方晶系の結晶を得ることが
できる。六方晶系が安定な物質のうち、ZnO、Zn
S、CdS、CdSeについて、格子定数と300Kの
バンドギャップEgを以下の表に示す。
【0014】
【表1】
【0015】六方晶系II−VI族化合物半導体は、ウルツ
型であるのが一般的である。これらに他の物質を少量添
加しても、結晶系は依然として六方晶系である。したが
って、適宜組み合わせと混合比を変えて混晶を作成する
ことによって、使用目的に応じた所望の物理的性質を有
する半導体素子を作成することが可能である。通常、立
方晶系をとるZnSe、ZnTe、MgZnSSe、Z
nCdSe、BeZnCdSe、BeZnCdS等のII
−VI族化合物半導体であっても、成長条件、II−VI比、
成長温度、下地結晶等の条件によって、六方晶系となる
こともあり、その逆もある。例えば、混晶比を調節する
ことによって、GaAs、GaP、InP、Si、Ge
等への格子整合が可能である。また、表1のバンドギャ
ップの範囲である1.74〜3.8eVをすべて利用す
ることによって、可視領域全体をカバーする発光を行う
ことも可能である。一般に六方晶系の結晶は、立方晶系
の結晶よりもバンドギャップがやや大きいため、高エネ
ルギー側を比較的広くカバーすることができ、短波長発
光材料として特に有効である。
【0016】さらに、六方晶系II−VI族化合物半導体を
ベースとして、さらに別の元素を混合することによっ
て、格子定数やバンドギャップを制御することもでき
る。例えば、本発明の半導体素子を、レーザー素子等の
発光素子とする場合には、GaAsまたはサファイア基
板上のCdxZn1-xy1-y(0≦x≦1、0≦y≦
1)をベースとして、適宜MgやSeを混合してバンド
ギャップと格子定数を制御することができる。このと
き、Mgを混合すれば格子定数の変化を抑えながらバン
ドギャップを大きくすることができる。また、Seを混
合すれば、一般に格子定数を大きくして、バンドギャッ
プを小さくすることができる。したがって、組成を適宜
調節することによって、化合物半導体発光素子に通常必
要とされる活性層やクラッド層等を作成することができ
る。
【0017】なお、本発明の半導体素子では、六方晶系
II−VI族化合物半導体を含有する層に六方晶系以外の結
晶が混在していてもよい。本発明の半導体素子では、少
なくともII−VI族化合物半導体が六方晶系の結晶として
存在している部分があれば、他の部分が立方晶系などの
結晶であっても構わない。層中における六方晶系の結晶
と他の結晶との存在割合は特に制限されないが、六方晶
系の結晶の存在割合が70mol%以上であることが望
ましい。
【0018】本発明にしたがって六方晶系の結晶を用い
れば、半導体素子の劣化を効果的に抑制することができ
る。その一方で、導電型の制御については、一般に六方
晶系の結晶よりも立方晶系の結晶の方が行いやすい。ま
た、ZnSeやZnS、Te系の化合物などは一般的に
六方晶系結晶を作ることが困難である。このため、本発
明の半導体素子では、構成層すべてを六方晶系結晶を含
む層とはせずに、素子構造の一部を六方晶系とすること
も望ましい。すなわち、欠陥の影響を受けやすい活性層
およびその周辺のヘテロ接合部分や、異種物質である電
極とのコンタクトを行う部分に六方晶系結晶を用いるこ
とにより、転位などの欠陥からの影響を抑制することが
可能である。また、六方晶系結晶を作りやすい層のみを
六方晶系とすることによっても同様な効果を得ることが
できる。
【0019】また、本発明で使用する六方晶系II−VI族
化合物半導体は、CdSやZnSをはじめとして蛍光体
としてよく光る。いかなる理論にも拘泥するものではな
いが、これは六方晶系の対称性の低さに起因することに
よる転位等の欠陥が光学的に不活性に近い状態になるた
めであると考えられる。
【0020】また、六方晶系II−VI族化合物半導体を用
いた本発明の半導体素子は、劣化を受けにくくて実用性
が極めて高いという特徴も有する。立方晶系の結晶を用
いた素子では104cm-2オーダーの転位密度のもので
も素子の劣化に影響が及ぶのに対して、六方晶系の結晶
を用いた同様の素子では104cm-2を越える転位密度
であっても素子の劣化に大きな影響は及ばない。レーザ
ーの様な高い電流密度で使用する素子の場合では107
-2程度、LEDの様にさほど電流密度が高くない状態
で使用する素子の場合は109〜1010cm-2程度の転
位密度であっても素子の劣化に大きな影響はないと考え
られる。特に、ZnO、ZnS、CdSおよびCdSe
等においては、欠陥が電気的にも不活性であるために、
発光素子としたときに欠陥が寿命に与える影響が少な
い。また、基板と格子整合した系を用いればさらに欠陥
を低減することができ、また、活性層近傍でのひずみの
効果の導入やピエゾ電界の制御なども行いやすくするこ
ともできる。
【0021】本発明の発光素子の用途は特に制限される
ものではない。したがって、本発明の半導体素子は、L
EDなどの表示用・通信用発光素子、通信・情報処理用
のレーザーダイオード、さらに通信や情報処理などに用
いる受光素子および電子デバイス用素子など広範な用途
に供することができる。
【0022】また、本発明の発光素子は、これらの用途
に適した様々な構造をとることができ、その構造の詳細
は特に制限されない。したがって、層の種類と厚さ、層
を構成する材料の種類と量、層の形成順序と方法などは
特に限定されない。例えば、本発明の発光素子の具体的
な構造として、シングルヘテロ構造、ダブルヘテロ構
造、SCH(Separate Confinement heterostructure)構
造等のヘテロ接合またはp−n接合を有する様々な構造
をとることができる。なお、本願明細書においては、p
型の層とn型の層がアンドープの層を介して接している
構造もp−n接合に含めることとする。具体的には、基
板の上に、n型クラッド層、活性層、p型クラッド層、
MQWp電極用中間層、コンタクト層を順に形成し、p
側およびn側に電極を形成した半導体素子を一例として
挙げることができる。また、ヘテロ接合やp−n接合を
有する半導体素子に採用されている様々な層構成も、目
的に応じて適宜選択のうえ採用することができる。
【0023】本発明では、半導体素子を作成する基板も
特に制限されない。一般的によく用いられている立方晶
系の基板の場合、(110)や(100)面、さらには
(001)面から数度[111]AまたはB方向に傾い
た面も使用可能であるが、(111)面に近い方位を選
ぶのが好ましい。また、六方晶系の基板を用いるのも好
ましい。立方晶系の基板としては、VI族の半導体である
Si、Ge等;III−V族化合物半導体であるGaP、
GaAs、InP等;II−VI化合物半導体であるZnS
e、ZnTe等を例示することができる。立方晶系の基
板を用いる場合には、3回対称を示す(111)面を用
いるのが一般的であるが、六方晶系の結晶が作成できる
面であれば特に限定されるものではない。ただし、望ま
しくは、(111)より30度以内のオフアングルの基
板を使用する。また、六方晶系の基板としては、6H−
SiCやII−VI族化合物半導体であるZnO、ZnS、
CdS、CdSe等やAl23、サファイア等の絶縁性
の基板などがある。六方晶系の基板を用いる場合は(0
001)面および、この面から30度以内のオフアング
ルの基板を用いるのが望ましいが、他の面を用いても問
題はない。この時の基板の導電型に関しても特に規定さ
れるものではない。
【0024】本発明の半導体素子の製造方法は特に制限
されない。半導体素子の製造方法として通常用いられて
いるものの中から適宜選択し、組み合わせることによっ
て所望の半導体素子を製造することができる。例えば、
六方晶系II−VI族化合物半導体は通常用いられている分
子線エピタキシー(MBE)法や有機金属気相成長法
(MOCVD)を用いて形成することができる。
【0025】半導体素子の結晶性を良くして低欠陥化す
ることが必要な場合には、いわゆるラテラル成長を行う
ことが好ましい。すなわち、基板そのもの、または基板
に所望の六方晶系II−VI族化合物を作成するのにふさわ
しいバッファー層を成長した上に、SiO2等の酸化
膜、タングステンシリサイド等の高融点金属またはSi
Nx等の誘電体膜等の保護膜を形成し、保護膜の開口部
から、再度、所望の六方晶系II−VI族化合物を作成する
のにふさわしいバッファー層(「ELO(Epitaxial La
teral Overgrowth)層」と呼ばれる)を成長させた場
合、当該開口部から上方に結晶成長が起こる以外に、横
方向に保護膜に乗りかかる様にラテラル成長と呼ばれる
結晶成長が起こる。その際、一般に開口部直上よりも保
護膜上方の方が結晶性がよくなる。かかるラテラル成長
により結晶性のよい低欠陥化された結晶上にさらに結晶
成長を行って、発光素子として必要な層を結晶性よく形
成することができる。特に、格子不整合の大きいサファ
イア上のII−VI化合物半導体成長のような、いわゆるH
MM(highly mismatch)系ラテラル成長による欠陥低
減の効果が大きい。
【0026】なお、(0001)面上の成長の場合、上
記の保護膜形成の際、保護膜とその開口部をストライプ
状とし、そのストライプの方向を<11−20>方向ま
たは<1−100>方向とすることにより、よりラテラ
ル成長し易くすることができる。また、保護膜上に設け
るバッファー層(ELO層)は、厚さ3〜50μm程
度、基板上にバッファ層を設けてから保護膜を設ける場
合、そのバッファー層の厚さは0.5〜2μm程度が好
ましい。
【0027】活性層は、単一の層からなりクラッド層と
直接接していてもよいが、SQW(Single Quantum Wel
l)層やMQW(Multiple Quantum Well)層などの光ガイ
ド層を介してクラッド層と接する構造としてもよいし、
活性層がアンドープで光と電気の閉じこめを別々に行う
SCH構造を採用してもよい。
【0028】
【実施例】以下に実施例を記載して、本発明をさらに具
体的に説明する。以下の実施例に記載される成分、割
合、手順等は、本発明の趣旨から逸脱しない限り適宜変
更することができる。したがって、本発明の範囲は以下
の実施例に示す具体例に制限されるものではない。本発
明の好ましい実施態様として、ウルツ鉱型六方晶系Mg
ZnCdSからなるダブルへテロ構造を有する半導体L
EDについて説明する。
【0029】(実施例1)閃亜鉛鉱型n型GaAs(1
11)基板の上にMBEを用いてほぼ格子整合したウル
ツ鉱型のClドープn型MgZnCdSクラッド層(E
g=3.1eV)、アンドープZnCdS活性層、n型
のクラッド層と同じ組成のNドープp型MgZnCdS
クラッド層を形成した。さらに、p側のコンタクト電極
を形成するためにNドープZnS/ZnTeのMQWp
電極用中間層、NドープZnTeコンタクト層を作成し
た後、p側およびn側に電極を形成し、へき開を行って
チップに分離したSCH構造を有するLEDを作成し
た。作成したLEDの各層の厚さは、p型クラッド層と
n型クラッド層がともに1.5μm、活性層が70n
m、p電極用中間層が40nm、コンタクト層が100
nmであった。このLEDの発光波長は450〜470
nmであった。このLEDの寿命評価を樹脂封止しない
状態で行ったところ、連続通電を1000時間行っても
初期発光強度の80%以上の発光強度を維持していた。
【0030】(実施例2)実施例1のGaAs基板の代
わりにサファイア基板を用い、当該サファイア基板上に
MOCVD法でZnCdS層を0.1μm積層したもの
を用いて、10μmの周期で幅5μmの開口部を残して
SiO2膜を形成し、さらにMOCVD法でMgZnC
dS層をラテラル成長させた後、MBE法によるn型M
gZnCdSクラッド層の形成を開始する点を変更し
て、前記実施例1と同じ方法によりLEDを作成した。
このLEDの寿命評価を樹脂封止しない状態で行ったと
ころ、連続通電を1000時間行っても初期発光強度の
90%以上の発光強度を維持していた。
【0031】(実施例3)実施例1と同様な層構造を持
つLEDで、アンドープZnCdS活性層およびMQW
p電極用中間層、NドープCdSeコンタクト層のみを
ウルツ鉱型構造を含む層、他の層は閃亜鉛鉱型の層とし
てLEDを作成した。基板は実施例1と同一のものを用
い、クラッド層にはMgZnSSeを用いた。このLE
Dの寿命評価を樹脂封止しない状態で行ったところ、連
続通電を1000時間行っても初期発光強度の90%以
上の発光強度を維持していた。
【0032】(比較例)比較例として、閃亜鉛鉱型立方
晶系ZnSeTeからなるダブルへテロ構造を有する半
導体LEDを作成して比較検討した。閃亜鉛鉱型のn型
ZnSe(100)基板の上にMBEを用いて閃亜鉛鉱
型のClドープn型ZnSeクラッド層、アンドープZ
nSeTe活性層、Nドープp型ZnSeクラッド層を
順次形成し、その上にNドープZnSe/ZnTeのM
QWp電極用中間層、NドープZnTeコンタクト層を
作成した後、p側、n側に電極を形成、へき開を行いチ
ップに分離したLEDを作成した。このLEDの発光波
長は510〜530nmであった。このLEDの寿命評
価を樹脂封止しない状態で行ったところ、連続通電を5
時間行った時点で発光強度は初期発光強度の20%以下
になった。
【0033】
【発明の効果】本発明のII−VI族化合物半導体素子は、
長期にわたり安定した物性を有する。このため本発明
は、II−VI族化合物半導体からなるLED、レーザー、
電子デバイス等の素子寿命を飛躍的に向上せしめるもの
であり、多大な工業的利益を提供するものである。

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 六方晶系II−VI族化合物半導体を含有す
    る層を有し、かつ、ヘテロ接合とp−n接合の少なくと
    も一方を有することを特徴とする半導体素子。
  2. 【請求項2】 前記六方晶系II−VI族化合物半導体の結
    晶がウルツ鉱型であることを特徴とする請求項1記載の
    半導体素子。
  3. 【請求項3】 前記六方晶系II−VI族化合物半導体が、
    Zn、Mg、CdおよびBeからなる群から選択される
    1以上のII族元素と、O、S、SeおよびTeからなる
    群から選択される1以上のVI族元素を含むことを特徴と
    する請求項1または2に記載の半導体素子。
  4. 【請求項4】 前記六方晶系II−VI族化合物半導体が、
    Zn、Cd、SおよびOからなる群から選択される1以
    上の元素を含むことを特徴とする請求項1または2に記
    載の半導体素子。
  5. 【請求項5】 前記六方晶系II−VI族化合物半導体が、
    CdxZn1-xy1-y(0≦x≦1、0≦y≦1)であ
    ることを特徴とする請求項4に記載の半導体素子。
  6. 【請求項6】 前記六方晶系II−VI族化合物半導体が、
    MgxZnyCd1-x-yaSeb1-a-b(0≦x≦1、0
    ≦y≦1、0≦a≦1、0≦b≦1)であることを特徴
    とする請求項4に記載の半導体素子。
  7. 【請求項7】 前記六方晶系II−VI族化合物半導体を含
    有する層が、活性層、クラッド層またはその両方である
    ことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の半導
    体素子。
  8. 【請求項8】 前記六方晶系II−VI族化合物半導体を含
    有する層が、活性層だけである請求項7記載の半導体素
    子。
  9. 【請求項9】 前記六方晶系II−VI族化合物半導体を含
    有する層が、活性層、電極との接触を行うコンタクト層
    またはその両方であることを特徴とする請求項1〜6の
    いずれかに記載の半導体素子。
  10. 【請求項10】 前記六方晶系II−VI族化合物半導体を
    含有する層における六方晶系の結晶の割合が、該層に含
    まれる全結晶の70mol%以上であることを特徴とす
    る請求項1〜9のいずれかに記載の半導体素子。
  11. 【請求項11】 ダブルへテロ構造を有することを特徴
    とする請求項1〜10のいずれかに記載の半導体素子。
  12. 【請求項12】 SCH構造を有することを特徴とする
    請求項1〜11のいずれかに記載の半導体素子。
  13. 【請求項13】 SQW層またはMQW層を有すること
    を特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の半導体
    素子。
  14. 【請求項14】 基板上に六方晶系II−VI族化合物半導
    体層を含むエピタキシャル層を有することを特徴とする
    請求項1〜13のいずれかに記載の半導体素子。
  15. 【請求項15】 前記基板が、(111)面から30度
    以内の傾きを持つ立方晶系の基板または六方晶系の基板
    であることを特徴とする請求項14に記載の半導体素
    子。
  16. 【請求項16】 基板上または基板上に成長させたバッ
    ファー層上に、一部開口部を残して誘電体膜を形成した
    後、再度バッファー層を成長し、さらにその上に六方晶
    系のII−VI族化合物を成長してなることを特徴とする請
    求項1〜15のいずれかに記載の半導体素子。
  17. 【請求項17】 発光素子もしくは受光素子であること
    を特徴とする請求項1〜16のいずれかに記載の半導体
    素子。
  18. 【請求項18】 電流注入によりレーザー発振すること
    を特徴とする請求項17記載の半導体素子。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2008087856A1 (ja) * 2007-01-15 2008-07-24 Stanley Electric Co., Ltd. ZnO系半導体発光素子とその製造方法

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