JPH1123889A - 光ファイバ補強器および光ファイバ補強構造 - Google Patents

光ファイバ補強器および光ファイバ補強構造

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JPH1123889A
JPH1123889A JP18287697A JP18287697A JPH1123889A JP H1123889 A JPH1123889 A JP H1123889A JP 18287697 A JP18287697 A JP 18287697A JP 18287697 A JP18287697 A JP 18287697A JP H1123889 A JPH1123889 A JP H1123889A
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optical fiber
coupler
bare
reinforcing
optical
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JP18287697A
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Ryokichi Matsumoto
亮吉 松本
Kenji Nishide
研二 西出
Fumio Suzuki
文生 鈴木
Ryozo Yamauchi
良三 山内
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Fujikura Ltd
Original Assignee
Fujikura Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光ファイバカプラなどの裸光ファイバ部分が
露出された光ファイバを補強する補強構造において、振
動や衝撃が加えられても裸光ファイバ部分が補強器の内
壁に接触しにくく、機械的信頼性を向上させることがで
きる光ファイバ補強器と光ファイバ補強構造を提供す
る。 【解決手段】 光ファイバカプラの被覆層11a,12
aの終端部とガラスファイバ部1Bの一部を補強台23
の両端固定部23aに接着剤26,26にて固定するこ
とによって、この光ファイバカプラの光分岐結合部1A
が、補強台23の凹部23bの上に位置するようにし、
この補強台23をさらに外装管33内に固定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ファイバカプラ
などの、中央部の被覆層が除去された裸光ファイバ部分
を有する光ファイバを補強するための光ファイバ補強器
と光ファイバ補強構造に関し、特に振動や衝撃によって
光ファイバの強度が低下しにくいものである。
【0002】
【従来の技術】図3は光ファイバカプラと、光ファイバ
補強器(以下補強器と略記する)の一例を示す斜視図で
ある。従来より、光ファイバカプラは以下のようにして
製造されている。まず光ファイバ素線11,12の中央
部で、被覆層11a,12aを一部除去してクラッドお
よびコアからなる裸光ファイバを露出させる。ついで、
このような光ファイバ素線11,12を並列させ、その
露出した裸光ファイバ部分どうしを研磨法、エッチング
法、あるいは融着延伸法などによって固着し、光がカッ
プリングする光分岐結合部1Aを形成する。
【0003】このような光ファイバカプラの中央部の光
分岐結合部1Aと、これからのびるカプラ本体1B,1
Bでは、光ファイバ素線11,12の被覆層11a,1
2aが除去されている。そこで、光ファイバカプラは、
光分岐結合部1Aとこの光分岐結合部1Aの両側のガラ
スファイバ部1B,1Bとからなるカプラ本体(裸光フ
ァイバ部分)1を収納ケースなどの適当な補強器内に収
納し、補強することが通常行われている。また通常、前
記光分岐結合部1Aは標準的なガラスファイバ径(クラ
ッド径)よりも細くなっている。このため、この光分岐
結合部1Aにおいては、僅かな力を加えるだけで非常に
大きな歪が生じることがあるので、この補強は光ファイ
バカプラの光特性を保つために重要である。この例にお
いては、補強器3は純石英ガラスからなり、管状で、こ
れを二分割した第1部材3aと第2部材3bとからなる
ものである。この第1部材3aと第2部材3bはそれぞ
れ凹溝3c,3dを有している。
【0004】図4(a)は、第1部材3aに光ファイバ
カプラを収納した状態を示す平面図、図4(b)は図4
(a)に示すA−Aにて切断した一部側断面図である。
すなわち、第1部材3aの凹溝3cには、カプラ本体1
とこの両側の被覆層11a,12aの終端部がおさめら
れ、これら被覆層11a,12aの終端部と、ガラスフ
ァイバ部1B,1Bの被覆層11a,12a側が接着剤
6,6によって接着、固定されている。さらに図3に示
すように、第1部材3aと第2部材3bとを一体化させ
ることによってこの光ファイバカプラ(光ファイバ)の
補強構造が構成される。
【0005】ところで、前記接着剤6,6としてはエポ
キシ樹脂などが用いられる。このような合成樹脂と補強
器3やカプラ本体1を構成する石英系ガラスとは線膨張
率が著しく異なるので、接着剤6,6の硬化時や環境温
度の変化などによって接着剤6,6が膨張したり収縮し
たりすると、カプラ本体1に歪みを生じ、光ファイバカ
プラの強度が低下する可能性がある。また、接着剤6,
6が膨張したり収縮することによって、カプラ本体1に
かかる張力が変化し、光ファイバカプラの光学特性が変
化することがある。したがって、接着剤6,6の使用量
は極力少ないことが望ましい。このため、凹溝3cの内
壁と、被覆層11a,12aあるいはガラスファイバ部
1Bとの距離はできるだけ小さくなるように設計され
る。
【0006】一方、このような補強構造に振動、衝撃な
どの加速度が加わった場合、補強器3に固定されていな
いカプラ本体1B,1Bの一部と、これらカプラ本体1
B,1Bに挟まれた光分岐結合部1Aは、補強器3より
も大きく位置変化を生じ、凹溝3cの内壁に接触する可
能性がある。特に光分岐結合部1Aは非常に細いので、
この位置変化が顕著で、接触の可能性が大きい。また、
カプラ本体1は、その両端付近が固定された弦のような
状態になっているので、前記振動や衝撃が加えられるこ
とによって、カプラ本体1に振動(共鳴)が発生する。
特に光分岐結合部1Aは中央に位置し、非常に細いた
め、振動による振幅が大きくなる傾向があり、凹溝3c
の内壁に接触することがある。
【0007】凹溝3cの内壁の幅方向においては、光フ
ァイバ素線11,12を平行に配した幅の分だけ、光分
岐結合部1Aと補強器3cの内壁との間にはある程度間
隔が形成されているので、これらの接触はおこりにく
い。しかしながら光分岐結合部1Aと凹溝3cの底部3
eとの距離は小さくなっており、この底部3eと光分岐
結合部1Aとの接触が発生しやすくなっている。
【0008】特にエルビウムドープファイバを用いた光
ファイバアンプの励起光の導入に使用される波長合分波
器などに用いる光ファイバカプラにおいては、この波長
合分波器にて合波あるいは分波する複数の光の波長間の
間隔が数十nmとなっており、非常に狭いので、光ファ
イバカプラの光分岐結合部1Aの長さを長く設計しなく
てはならない傾向がある。このため、光分岐結合部1A
における振動による共振周波数が小さくなり、振幅が大
きくなるため、光分岐結合部1Aと凹溝3cの底部3e
に接触する可能性が高くなる。このような接触が発生す
ると、カプラ本体1の強度が低下する。特に光分岐結合
部1Aの接触は光ファイバカプラの光特性に影響するた
め、好ましくない。
【0009】また、光分岐結合部1Aの振幅を小さくす
るには、光分岐結合部1Aの両側で引っ張って、光分岐
結合部1Aにかかる張力を大きくして固定する方法があ
る。しかし、この張力が大きくなると光分岐結合部1A
に加わる応力歪みが大きくなり、逆に強度が低下するた
め、限界があり、不十分であった。
【0010】また、2本の光ファイバ素線どうしを接続
する際には、それぞれの光ファイバ素線の片端の被覆層
を除去して裸光ファイバ部分を露出させ、これら2本の
裸光ファイバ部分の先端を突き合わせ、加熱融着して接
続する方法などが用いられる。このようにして接続され
た光ファイバ素線は、前記2本の裸光ファイバ部分が接
続されて1本化された裸光ファイバ部分と、この裸光フ
ァイバ部分の両側に位置する被覆層部分とから構成され
ている。そしてこの露出された裸光ファイバ部分を補強
するために、上述の光ファイバカプラの場合と同様に、
補強器内に裸光ファイバ部分の両側の被覆層部分と、こ
の裸光ファイバ部分の両端部付近を固定するのが通常で
ある。したがって、この場合にも前記裸光ファイバ部分
はその両側で固定された弦のような状態となっているの
で、振動や衝撃によってこの裸光ファイバ部分が補強器
の内壁に接触し、その強度が低下するという問題があ
る。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記事情に鑑
みてなされたもので、振動や衝撃が加えられても裸光フ
ァイバ部分が補強器の内壁に接触しにくく、機械的信頼
性を向上させることができる光ファイバ補強器と光ファ
イバ補強構造を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明の第1の発明においては、その中央部の被覆
層が除去された裸光ファイバ部分を有する光ファイバを
収納する光ファイバ補強器であって、前記裸光ファイバ
部分の両側の被覆層部分を固定する両端固定部と、これ
らの両端固定部に挟まれた凹部を有することを特徴とす
る光ファイバ補強器を提案する。この第1の発明の補強
器の両側の両端固定部とこれらに挟まれた凹部は、前記
裸光ファイバ部分とほぼ等しい線膨張率を有する材料、
例えば純石英ガラスあるいは、石英ガラスを主成分とす
る石英系ガラスからなるものであると好ましい。この第
1の発明の補強器の両端固定部に、少なくとも裸光ファ
イバ部分の両側の被覆層部分を固定することによって、
光ファイバ補強構造を構成することができる。第2の発
明においては、その中央部の被覆層が除去された裸光フ
ァイバ部分を有する光ファイバが光ファイバ補強器に固
定されてなる光ファイバ補強構造であって、前記裸光フ
ァイバ部分に接っして振動減衰用樹脂が設けられている
ことを特徴とする光ファイバ補強構造を提案する。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、光ファイバカプラの例をあ
げて本発明を詳しく説明する。本発明において光ファイ
バとは、裸光ファイバの周囲に被覆層が形成されていな
る光ファイバ素線、光ファイバ心線などを含むものとす
る。 (第1の例)図1(a)〜(c)は本発明の第1の例を
示すものである。この光ファイバカプラ(光ファイバ)
の補強構造は、光ファイバカプラが補強台23と外装管
33とからなる補強器におさめられて構成されている。
図1(a)は光ファイバカプラと補強台23を示す斜視
図である。光ファイバカプラは2本の光ファイバ素線1
1,12の中央部の被覆層11a,12aを一部除去
し、これを並列させ、その露出した裸光ファイバ部分ど
うしを加熱装置で加熱し、局所的に融着させることによ
って光分岐結合部1Aを形成し、製造されたものであ
る。このカプラ本体1(裸光ファイバ部分)は、この光
分岐結合部1Aとその両側に延びるガラスファイバ部1
B,1Bとからなっている。この光分岐結合部1Aは、
この他研磨法、エッチング法などによっても形成するこ
とができる。
【0014】この例において、光ファイバ素線11,1
2は外径125μmのガラスファイバに紫外線硬化型樹
脂などからなる被覆層11a,12aが設けられてなる
外径250μmのものである。前記ガラスファイバは、
例えば酸化ゲルマニウムなどのドーパントを添加した石
英ガラスからなる高屈折率のコアと、その周囲の、例え
ば純石英ガラスからなる低屈折率のクラッドとを備えた
もので、シングルモードファイバ、あるいはマルチモー
ドファイバが用いられるが、通常シングルモードファイ
バが好適である。
【0015】補強台23は長方形板状のものであって、
これに固定する光ファイバカプラ(光分岐結合部1A)
の長さ方向において、その両端部には両端固定部23
a,23aが設けられ、中央にはこれら両端固定部23
a,23aに挟まれ、かつ光ファイバカプラの長さ方向
に平行な2側面に開口する凹部23bが設けられてい
る。この補強台23は純石英ガラスから形成され、長さ
が50mm、幅が2mmとされる。補強台23を構成す
る材料は、石英ガラスを主成分とし、これに各種添加剤
が添加された石英系ガラスでもよい。すなわち、補強器
23の両端固定部23a,23aとこれらに挟まれた凹
部23bは、全てカプラ本体1とほぼ等しいの線膨張率
を有する材料から構成されている。そして両端固定部2
3aの厚さは2mm、凹部23bの深さは1mmとなっ
ている。
【0016】図1(b)は、図1(a)において光ファ
イバカプラを補強台23に固定した状態で、B−Bにて
切断した一部側断面図である。すなわち、光ファイバカ
プラは、被覆層11a,12aの終端部付近と、ガラス
ファイバ部1B,1Bの一部とが接着剤26,26によ
って補強台23の両端固定部23a,23aに固定され
ている。このとき、特に振動による影響をうけやすい光
分岐結合部1Aは、補強台23の凹部23bの上に位置
しており、この光分岐結合部1Aと凹部23bの底部2
3cとの距離は1mm以上であり、十分に大きくなって
いる。凹部23bはカプラ本体(裸光ファイバ部分)1
において、少なくとも、振動の影響をうけやすい光分岐
結合部1Aに対応する範囲に設けられていることが望ま
しい。
【0017】接着剤26は硬化時の収縮率が小さいこ
と、熱膨張係数が小さいこと、ガラス転移温度が高く、
接着力が強いなどの性能を満たすものが好ましい。また
接着剤26は、低粘度および/または硬化所要時間が長
いものでもよく、例えば、エポテック 353ND、セ
メダイン CS−2340−5などの二液硬化型エポキ
シ樹脂などを用いることができる。また接着剤26は、
その線膨張率と、補強台23とカプラ本体1を構成する
材料の線膨張率との差が比較的大きいので、できるだけ
必要最小限の量が用いられていると好ましい。
【0018】さらに図1(c)に示すように、補強台2
3とこれに固定した光ファイバカプラは、金属などから
なる管状の外装管33内に固定されて、この補強構造が
構成される。この例の外装管33は内径3mm、外径
3.5mmで、半割管の第1部材33aと第2部材33
bとからなる二分割体である。すなわちこの補強構造
は、補強台23の両端固定部23a,23aに接着剤2
6,26にて光ファイバカプラを固定し、この補強台2
3を外装管33を構成する第1部材33aに接着剤を用
いて固定し、第2部材33bと第1部材33aと一体化
させて形成することができる。
【0019】この第1の例の光ファイバカプラの補強器
は、光ファイバカプラの光分岐結合部1Aの下に位置す
る部分に凹部23bを設け、凹部23bの底部23cと
光分岐結合部1Aとの距離を十分に大きくしたので、振
動が発生しても光分岐結合部1Aと補強台23とが接触
しにくくなっており、光ファイバカプラの機械的信頼性
を向上させることができる。特に石英ガラスを主成分と
するカプラ本体1および補強台23と異なる材料からな
り、これらの線膨張率との差が比較的大きい接着剤2
6,26の使用量を最小限にしても上述の効果を得るこ
とができるので、接着剤26,26の熱膨張や収縮によ
り、光分岐結合部1Aに応力歪みが加わるのを防ぐこと
ができる。この結果、環境温度が変化しても光分岐結合
部1Aに歪みが発生しにくく、かつ衝撃や振動に対して
機械的信頼性が高いものである。
【0020】補強台23の形状は、両端固定部23a,
23aと、これらに挟まれた凹部23bが設けることが
できれば、長方形板状に限定することはない。また外装
管33は管状に限定することはなく、補強台23を収容
するための溝状の凹溝を有するものであれば、任意の形
状のものを用いることができる。
【0021】この第1の例においては、補強器は補強台
23と外装管33とからなり、光ファイバカプラは補強
台23に固定され、この補強台23が外装管33内に固
定された構造となっているが、光ファイバカプラを固定
するにおいて、光分岐結合部1Aと補強器の内壁との距
離を十分大きくすることができれば、これに限ることは
ない。例えば図3、図4(a)、図4(b)に示す通常
の管状の補強器において、第1部材3aの底部3eの少
なくとも光分岐結合部1Aの下に位置する部分に凹部を
設け、光分岐結合部1Aと補強器3の内壁との距離を大
きくした構造としてもよい。また、管状の補強器に限ら
ず、例えば上部と対向する二側面に開口する凹溝を有す
る箱体と、この箱体の凹溝の上部の開口部を閉じる蓋体
とからなる補強器を用い、前記凹溝において、少なくと
も光分岐結合部1Aの収納位置に対応する底部に凹部を
設けた構成としてもよい。
【0022】(第2の例)図2(a)、図2(b)は本
発明の第2の例を示すものである。図2(a)は、第1
部材3aに光ファイバカプラを収納した状態を示す平面
図、図2(b)は図2(a)に示すC−Cにて切断した
一部側断面図である。この第2の例の光ファイバカプラ
の補強構造は、図3に示した従来の管状の補強器3に、
光ファイバカプラを収納したもので、振動減衰用樹脂6
Aを用いることに特徴があるものである。
【0023】図中符号3aは、管状の補強器3を構成す
る半割管の第1部材である。この第1部材3aの凹溝3
cには、カプラ本体(裸光ファイバ部分)1とこの両側
の被覆層11a,12aの終端部が収められ、その両側
で、これら被覆層11a,12aの終端部とガラスファ
イバ部1Bの一部が接着剤6,6によってそれぞれ接
着、固定されている。さらに前記接着剤6に近接する光
分岐結合部1A側には、それぞれ振動減衰用樹脂6A,
6Aが設けられている。この振動減衰用樹脂6A,6A
は光分岐結合部1Aからのびるカプラ本体1B,1Bの
周囲と凹溝3cの内壁に接着され、充填されている。そ
して、図3に示すよう第1部材3aと第2部材3bとが
一体化されて、光ファイバカプラの補強構造が構成され
ている。
【0024】接着剤6,6は、図1(a)〜図1(c)
に示す第1の例に用いた接着剤26,26として例示し
たものと同様のものが好適に用いられる。振動減衰用樹
脂6Aは、軟らかく、カプラ本体1の振動を吸収するこ
とができるもので、弾力性を有する各種合成ゴムなどが
好適である。振動減衰用樹脂6Aはヤング率が30kg
/mm2以下、好ましくは10kg/mm2以下、実質的
には0.1〜30kg/mm2であることが好ましい。
0.1kg/mm2未満であると軟らかすぎ、30kg
/mm2をこえると硬すぎ、いずれにおいても振動を十
分に吸収することができない。具体的にはシリコーンゴ
ムなどを用いることができ、なかでもシリコーンRTV
ゴム(RTV:Room Temperature Vulcanizate 室温硬
化型ゴム)などが好適である。この例においては、脱ア
ルコール型のシリコーンRTVゴム(製品名 1220
B:スリーボンド社製:ヤング率 5.8kg/m
2)を用いている。シリコーンRTVゴムは、室温に
おける架橋反応によって接着性を発揮するので、凹溝3
cの内壁とガラスファイバ部1Bへの接着が容易であ
る。
【0025】この例において補強器3は純石英ガラスか
らなり、内径1mm、外径3mm、長さ50mmのもの
である。補強器3の材料は、カプラ本体1の材料とほぼ
線膨張率が等しい、石英ガラスを主成分とするものが好
ましく、各種添加剤(ドーパント)が添加された石英系
ガラスでもよい。振動減衰用樹脂6A,6Aは、光ファ
イバカプラの長さ方向において1mmの範囲にそれぞれ
設けられている。また、振動減衰用樹脂6A,6Aは接
着剤6,6と近接する位置に設けられているが、ガラス
ファイバ部1Bに接し、かつカプラ本体1の振動を吸収
することができれば接着剤6と離れていてもよい。ま
た、少なくともカプラ本体1Bに接していればよく、凹
溝3cの内壁には接していなくてもよいが、ガラスファ
イバ部1Bと凹溝3cとに接して設けられていたほうが
振動吸収効果が高く、好ましい。また、必ずしも振動減
衰用樹脂6A,6Aはガラスファイバ部1Bあるいは、
ガラスファイバ部1Bと凹溝3cとに接着されている必
要はないが、シリコーンRTVゴムのように接着性を有
するものを用いた方が、充填操作が容易で、充填後の位
置が変化しにくく、好ましい。ただし、光分岐結合部1
Aは非常に細く、脆弱なので、光分岐結合部1Aとは接
しない位置に設けるのが望ましい。また、この例におい
ては振動減衰用樹脂6A,6Aは光分岐結合部1Aの両
側に設けられているが、カプラ本体1の振動の吸収効果
が得られれば、どちらか一方でもよいし、一方のカプラ
本体1Bに対して2つ以上間隔をあけて設けてもよい。
通常はその効果と作業性などを考慮し、この例のように
光分岐結合部1Aの両側のカプラ本体1B,1Bにそれ
ぞれ1箇所ずつ設けた構成とする。
【0026】この第2の例においては、前記第1部材3
aの凹溝3cに、被覆層11a,12aの終端部分とガ
ラスファイバ部1B,1Bの一部を、接着剤6,6を用
いて接着、固定し、さらに振動減衰用樹脂6A,6Aを
カプラ本体1B,1Bの光分岐結合部1A側に塗布し、
凹溝3c内に充填する。そして、この第1部材3aと第
2部材3bとを一体化して補強器3とし、光ファイバカ
プラの補強構造を完成させる。
【0027】補強器3としては、任意の形状のものを用
いることができる。例えば、上部と対向する二側面に開
口する凹溝を有する箱体と、この箱体の凹溝の上部の開
口部を閉じる蓋体とからなる補強器を用いてもよい。ま
た、板状であって、その片面に光ファイバカプラを固定
する構造のものを用いてもよい。
【0028】この第2の例においては、カプラ本体1の
振動が発生すると、凹溝3cの内壁とガラスファイバ部
1B,1Bとに接している振動減衰用樹脂6Aによって
カプラ本体1の振動が吸収されるようになっている。こ
のため、外部から振動や衝撃が加わっても光分岐結合部
1Aの振幅は小さく、光分岐結合部1Aと凹溝3cの底
部3eとが接触しにくくなっている。このため、従来と
同様の補強器3を用いることができ、補強構造の大きさ
も従来と同様であるので、既存システムへの適用が容易
であり、低コストである。また、接着剤6,6の使用量
を最小限にすることができ、環境温度が変化しても光分
岐結合部1Aに歪みが発生しにくいことは第1の例と同
様である。
【0029】また、第1の例と第2の例の構造は、それ
ぞれ光ファイバカプラの機械的信頼性を向上させる効果
を有するものであるが、これらを併用することも可能で
ある。すなわち図1(a)〜図1(c)に示す第1の例
の補強器に光ファイバカプラをおさめるにおいて、光分
岐結合部1Aの両側に、カプラ本体1B,1Bと両端固
定部23a,23aとに接する振動減衰用樹脂を設けた
構造とする。このようにすると、光分岐結合部1Aと補
強台23との距離を大きくすることができ、かつカプラ
本体1の振動が振動減衰用樹脂によって吸収されるの
で、さらに光ファイバカプラの補強構造の機械的信頼性
を向上させることができる。
【0030】また、上述の第1の例ないし第2の例の補
強構造は、光ファイバカプラにかえて、2本の光ファイ
バ素線の裸光ファイバ部分が接続されて1本化された裸
光ファイバ部分と、この裸光ファイバ部分の両側に位置
する被覆層部分とから構成されているものなどにも適用
することができる。すなわち前記1本化された裸光ファ
イバ部分の中央部を前記光ファイバカプラの光分岐結合
部1Aに対応させ、この中央部の両側の裸光ファイバ部
分をガラスファイバ部1B,1Bに対応させて適用すれ
ばよい。これにより、特に衝撃、振動の影響をうけやす
い裸光ファイバ部分の中央部と補強器の内壁との接触を
防ぐことができ、機械的信頼性を向上させることができ
る。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の第1の発
明は、前記光ファイバカプラの光分岐結合部の両側のガ
ラスファイバ部を固定する両端固定部と、これらの両端
固定部に挟まれた凹部を有する光ファイバ補強器であ
る。したがって、裸光ファイバ部分と補強器の内壁との
距離が十分に大きく、振動によりこの裸光ファイバ部分
と補強器の内壁とが接触しにくく、光ファイバ補強構造
の機械的信頼性を向上させることができる。本発明の第
2の発明においては、裸光ファイバ部分に接する振動減
衰用樹脂を設けたものなので、この振動減衰用樹脂が裸
光ファイバ部分の振動を吸収し、その振幅が大きくなら
ないようになっている。したがって裸光ファイバ部分が
補強器の内壁に接触することが少なく、その機械的信頼
性を向上させることができる。また、これら第1ないし
第2の発明においては、光ファイバを補強器に固定する
接着剤の量が最小限であっても上述の効果を得ることが
できるので、接着剤の熱膨張や収縮により、裸光ファイ
バ部分に応力歪みが加わるのを防ぐことができる。この
結果、環境温度が変化してもに裸光ファイバ部分に歪み
が発生しにくく、かつ衝撃や振動に対して機械的信頼性
が高いものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1(a)〜(c)は本発明の第1の例を示
すものであって、図1(a)は光ファイバカプラと補強
台を示す斜視図、図1(b)は図1(a)において光フ
ァイバカプラを補強台に固定した状態で、B−Bにて切
断した一部側断面図、図1(c)は補強台とこれに固定
した光ファイバカプラを外装管内に固定してた状態を示
す一部断面図である。
【図2】 図2(a)〜(b)は本発明の第2の例を示
すものであって、図2(a)は、補強器の第1部材に光
ファイバカプラを収納した状態を示す平面図、図2
(b)は図2(a)に示すC−Cにて切断した一部側断
面図である。
【図3】 従来の光ファイバカプラと、これをおさめる
補強器の一例を示す斜視図である。
【図4】 図4(a)は、図3に示す補強器の第1部材
に光ファイバカプラを収納した状態を示す平面図、図4
(b)は図4(a)に示すA−Aにて切断した一部側断
面図である。
【符号の説明】
1…カプラ本体(裸光ファイバ部分)、1A…光分岐結
合部(裸光ファイバ部分)、1B…ガラスファイバ部
(裸光ファイバ部分)、3…光ファイバ補強器(補強
器)、6…接着剤、6A…振動減衰用樹脂、11,12
…光ファイバ素線(光ファイバ)、11a,12a…被
覆層(被覆層部分)、23…補強台(光ファイバ補強
器)、23a…両端固定部、23b…凹部、33…外装
管(光ファイバ補強器)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山内 良三 千葉県佐倉市六崎1440番地 株式会社フジ クラ佐倉工場内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 その中央部の被覆層が除去された裸光フ
    ァイバ部分を有する光ファイバを収納する光ファイバ補
    強器であって、 前記裸光ファイバ部分の両側の被覆層部分を固定する両
    端固定部と、これらの両端固定部に挟まれた凹部を有す
    ることを特徴とする光ファイバ補強器。
  2. 【請求項2】 その中央部の被覆層が除去された裸光フ
    ァイバ部分を有する光ファイバが、光ファイバ補強器に
    固定されてなる光ファイバ補強構造であって、前記裸光
    ファイバ部分に接っして振動減衰用樹脂が設けられてい
    ることを特徴とする光ファイバ補強構造。
JP18287697A 1997-07-08 1997-07-08 光ファイバ補強器および光ファイバ補強構造 Pending JPH1123889A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100369542B1 (ko) * 2001-01-10 2003-01-30 우리로광통신주식회사 광섬유형 소자의 기판 및 이를 이용한 광섬유형 소자

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