JPH11238354A - 磁気テープカセット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁気テープカセットにおける磁気テープの走
行位置のぶれによる誤動作防止と、リーダーテープの正
確な検出とを図る。 【解決手段】 磁気テープカセット１内に、この磁気テ
ープカセット１内に挿入される光源Ｌから発して光セン
サーＳに直進する光Ａを通過させるとともに、磁気テー
プＴの位置がぶれた場合に上下ハーフケース２，２１内
で乱反射した光Ｂを遮光する遮光壁４１，４２を設け、
磁気テープＴの走行中において光Ｂの光センサーＳへの
入射を遮光して誤動作を防止し、リーダーテープに変わ
った場合は光Ａを光センサーＳに入射させてリーダーテ
ープの検出を行う。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ビデオテープカセ
ットなどに適用して好適な磁気テープカセットに関し、
特にリーダーテープを正確に検出するとともに所定動作
モード中における誤動作を未然に防止し得るように構成
した磁気テープカセットに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来から、磁気記録媒体としてビデオテ
ープ等の種々の磁気テープカセットが提案されている。
この磁気テープカセットについては、磁気テープの終端
に透明なリーダーテープを接合し、光学的にテープエン
ドを検出するように構成したものがある。

【０００３】以下、図４を参照して従来の磁気テープカ
セットにおけるリーダーテープ検出について説明する。
磁気テープカセット５１は上ハーフケース５２と下ハー
フケース５３とを組み合わせ、内部に磁気テープｔを巻
回したリールハブ（図示せず）を回転自在に装填した構
成になっている。そして、磁気テープカセット５１を記
録再生装置等に装填すると、光源Ｌが磁気テープカセッ
ト５１内に挿入され光ａが投光される。しかし、光ａは
磁気テープｔにより遮断されるので、磁気テープカセッ
ト５１外に配設した光センサーＳには入射せず、この場
合は磁気テープに対して選択された動作モード（記録・
再生等）が実行される。

【０００４】一方、磁気テープｔの走行が進行し、テー
プエンドにかかると、磁気テープｔの位置に透明なリー
ダーテープが走行してくる。リーダーテープは透明であ
るから、光ａはリーダーテープを透過して光センサーＳ
に入射する。この結果、光センサーＳが作動して、リー
ダーテープの自動検出と次の動作モード（走行停止等）
への切り換え等が自動的に行われるようになる。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ところが、磁気テープ
ｔは常に安定した走行を行うとは限らず、例えば図４に
点線で示すように上下方向に位置ぶれすることがある。
このような場合、従来の磁気テープカセット５１の構成
では、次のような問題が生じていた。すなわち、光源Ｌ
から投光された光ａは、上下ハーフケース５２，５３内
に拡散している。そして、磁気テープｔが下方に位置ぶ
れすると、例えば上ハーフケース５２の内側面で乱反射
した光ｂ１が光透過孔５４側に漏洩して光センサーＳに
入射する。また、磁気テープｔが上方に位置ぶれする
と、例えば下ハーフケース５３の内側面で乱反射した光
ｂ２が漏洩して光センサーＳに入射する。

【０００６】このような現象が発生すると、磁気テープ
ｔの走行中であるにも拘わらず、光センサーＳが作動し
てリーダーテープ検出と同様の動作に移行してしまう。
すなわち、磁気テープ走行に対応した動作モードから、
ユーザーの意に反して突発的に次の動作モードに移行し
て誤動作してしまう。一方、磁気テープカセットを適用
する機器は小形軽量化が進み、携帯用はもとより車載用
等に広く適用され、言わば磁気テープのぶれが生じ易い
環境で使用されるようになっている。このような使用形
態を考慮すると、前記のように磁気テープのぶれによっ
て容易に誤動作が発生する構成は好ましくない。本発明
は、前記課題を解消するものであり、リーダーテープを
確実に検出するとともに、磁気テープのぶれによる誤動
作を未然に防止し得る磁気テープカセットを提供するこ
とを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明に係る前記目的
は、上下ハーフケース内に一対のリールハブを回動自在
に設けるとともに、前記リールハブの回動に伴って走行
する磁気テープの走行状態と該磁気テープの端部に設け
たリーダーテープの検出とを光源およびこの光源から投
光された光を受光する光センサーとにより光学的に行う
磁気テープカセットにおいて、前記上下ハーフケース内
面であって、前記光源からの光入射口と前記光センサー
への光出射口との間に、前記光源から前記光センサーに
向けて直進する光を透過させ、且つ前記上下ハーフケー
ス内で乱反射した光を遮断する遮光壁を設けたことを特
徴とする磁気テープカセットによって達成される。

【０００８】

【作用】前記構成の磁気テープカセットによれば、ビデ
オデッキ等に装着されて磁気テープが走行している間
は、光源から投光されて光センサーに直進する光が磁気
テープにより遮光され、光センサーに入射しない。しか
し、磁気テープの走行にともなってテープエンドにかか
ると、透明なリーダーテープを透過して光センサーに入
射し、リーダーテープの検出が行われる。一方、磁気テ
ープ走行中に走行位置がぶれた場合は、光源から投光さ
れて上下ハーフケースの内側面に乱反射した光は、磁気
テープの幅方向の端部から光センサー方向に進行する
が、遮光壁により遮光されて光センサーに入射しない。
したがって、磁気テープの走行位置がぶれにより位置ず
れしても、光センサーが作動せず、誤動作が未然に防止
される。

【０００９】

【発明の実施の形態】以下、図１〜図３を参照して本発
明を適用した磁気テープカセットの実施形態を詳細に説
明する。図１は磁気テープカセットの構成と主な部材を
示す分解斜視図、図２は誤動作防止機構を模式的に示す
要部の断面図、図３は上ハーフケースの内側構造を示す
平面図である。なお、実施形態の説明にあたっては、図
１を参照して磁気テープカセットの全体構成を説明し、
次いで図２及び図３を参照して誤動作防止機構等の要部
の構成、作用等を順次説明する。

【００１０】磁気テープカセット１は、図１の下部に示
す下ハーフケース２内に一対のリールハブ３，４が回動
自在に配置され、この両リールハブ３，４に磁気テープ
（図示せず）が巻回されている。磁気テープは、カセッ
ト前端（図１では左側）で且つ左右両側のテープガイド
５，６によって案内され、下ハーフケース２の前端側の
開口部７を通過するようになっている。そして、リール
ハブ３，４の周縁（下フランジの周縁）には、全周にわ
たって歯８，９が形成されている。

【００１１】一方、ビデオテープカセット１をビデオデ
ッキ（図示せず）に装填していない時に、すなわち、カ
セットの保管時や持ち運び時において磁気テープが緩む
のを防止するため、カセット後方側で且つリールハブ
３，４の間に形成されたスペースに、リールハブ３，４
の回転をロックするためのロック装置を構成するスライ
ド部材１１、係合爪である一対のリールブレーキ１２
ａ，１２ｂ、このリールブレーキ１２ａ，１２ｂを付勢
するブレーキばね１３が配置されている。

【００１２】また、上ハーフケース２１には、カセット
ケース前端の開口部を覆うリッドを構成するアウターリ
ッド２２、アッパーリッド２３、インナーリッド２４が
開閉自在に取り付けられている。このアウターリッド２
２の側板２５には、ロックピン２６が突設されている。
そして、下ハーフケース２の一方の側壁２７には、アウ
ターリッド２２のロックピン２６に係止するリッドロッ
クが回転自在に取り付けられ、さらにこのリッドロック
をロック側に付勢するリッドロックばねとしての板ばね
（いずれも図示せず）が取り付けられている。なお、図
中の符号３１，３２はリールハブ３，４を構成する上フ
ランジであり、３３はアウターリッド２２の回転軸に装
着されるリッドばねである。

【００１３】前記テープカセット１の組み立てる際は、
上下ハーフカセット２，２１内にリールハブ３，４やス
ライド部材１１等の各種部材が組み込まれ、且つ前端側
にアウターリッド２２やアッパーリッド２３、さらにイ
ンナーリッド２４等が組み付けられる。そして、組み立
てたテープカセット１をビデオデッキ等に装着すると、
アウターリッド２２やアッパーリッド２３、インナーリ
ッド２４が上方に回動し、磁気テープが引き出されて再
生等の動作が行われることになる。また、テープカセッ
ト１のビデオデッキへの装着とともに、下ハーフカセッ
ト２の前方側のほぼ中央部に形成された光入射口として
の開口部３５にランプ等の光源が突出するようになり、
この光源から投光された光によってリーダーテープの検
出が行われるようになる。

【００１４】次に、テープカセット１に設けた誤動作防
止機構について説明する。誤動作防止機構は、単一の部
材に構成されるのではなく、上下ハーフケース２，２
１、アウターリッド２２等に関連して設けられる。すな
わち、図１に示すように、下ハーフケース２の内側面で
あって、前端側の両側壁２７の近傍に、遮光壁４１が形
成されている。一方、図２に示すように、上ハーフケー
ス２１の内側面であって、前端側の両側壁４４の近傍
に、遮光壁４２が形成されている。前記遮光壁４１，４
２は、上下ハーフケース２，２１を組み合わせた状態で
互いに対向する位置に形成されている。しかし、遮光壁
４１，４２の高さは、上下ハーフケース２，２１の高さ
に対し低く設定されているので、上下ケース２，２１を
合わせた状態では遮光壁４１，４２の間に、図２に示す
ように光透過用の隙間４３が形成される。

【００１５】ここで、上ハーフケース２１の構成につい
て見ると、外周囲には側壁４４が形成され、側壁４４の
内側には円形の隔壁４５が形成されている。この隔壁４
５内には、板ばね４６ａ，４６ｂの一端が固定されてい
る。そして、テープカセット１を組み立てた状態では、
隔壁４５の内方にリールハブ３，４が位置決めされ、こ
のリールハブ３，４を板ばね４６ａ，４６ｂが弾性的に
押圧してがたつきを防止するようになる。また、下カセ
ットハーフ２に形成した開口部３５は、上下ハーフカセ
ット２，２１を組み合わせた状態では位置Ｐに対応す
る。

【００１６】前記磁気テープカセット１をビデオデッキ
等に装着した場合、光源は開口部３５から磁気テープカ
セット１内に挿入されるのであるから、上ハーフカセッ
ト２１についてみると位置Ｐが光源の位置になる。光源
から投光された光は拡散するが、その一部が矢印Ａに示
すように隔壁４５に形成した切欠部４５ａを通過し、遮
光壁４２方向に直進してリーダーテープを検出する光に
なる。そして、本実施の形態にあっては、遮光壁４１，
４２を設けることにより、リーダーテープの正確な検出
と誤動作防止とが図られる。

【００１７】以下、図３を参照してリーダーテープの検
出と磁気テープのぶれによる誤動作防止とを説明する。
図３は遮光壁４１，４２が対向する位置を模式的に示す
ものであり、前記のようにビデオデッキに磁気テープカ
セット１を装着することにより、開口部３５から光源Ｌ
が挿入される。そして、磁気テープＴは光源Ｌと遮光壁
４１，４２の間を走行し、光透過孔となる隙間４３を遮
蔽するようになる。この結果、光Ａは磁気テープＴによ
り遮光され、光センサーＳは作動しない。また、動作モ
ード中に磁気テープＴが図中に点線で示すように上下に
ぶれた場合であっても、反射光Ｂは遮光壁４１，４２に
より遮光され、光センサーＳに入射しない。例えば、磁
気テープＴが図３に点線で示すように下方にぶれた場合
は、上ハーフケース２１の内側面に反射した光Ｂは、遮
光壁４２により遮光される。これに対し、磁気テープＴ
が上方にぶれた場合は、下ハーフケース２の内側面に反
射した光は、遮光壁４１により遮光される。従って、磁
気テープＴが正常に走行している場合はもとより、上下
にぶれた場合も光センサーＳは作動せず、指定された動
作モードが正確に実行される。

【００１８】一方、磁気テープＴがテープエンドになっ
て、透明なリーダーテープに変わると、リーダーテープ
を透過した光Ａが隙間４３を通過して光センサーＳに入
射する。この結果、光センサーＳが作動してリーダーテ
ープの検出が自動的に行われ、所定の表示、動作モード
の切り換え等が行われることになる。

【００１９】なお、遮光壁４２の外側に形成される光セ
ンサーＳへの光出射口としての光透過孔４８について
は、本実施の形態では図１及び図２に示すように上ハー
フケース２１に形成されている。光透過孔４８は、磁気
テープカセット１をビデオカセット等に装着しない場合
は、アウターリッド２２の側板２５により閉塞され、塵
埃の侵入等を防止できるようになっている。光透過孔４
８の構成については、前記構成に限定されるものではな
く、遮光壁４１，４２と同様に下ハーフケース２の側壁
と上ハーフケース２１の側壁を利用して光透過用の隙間
を形成してもよい。いずれの構成にあっても、リーダー
テープの正確な検出と磁気テープのぶれによる誤動作防
止とを行い得る。

【００２０】

【発明の効果】以上に説明したように、本発明に係る磁
気テープカセットは、ビデオデッキ等への装着にともな
いテープカセット内に光源を挿入させ、この光源から投
光されて光センサーに直進する光を磁気テープにより遮
光させるとともに、磁気テープの走行にともなってテー
プエンドにかかると、透明なリーダーテープを透過して
光センサーに入射させ、リーダーテープの検出が行われ
る。一方、磁気テープ走行中に走行位置がぶれた場合
は、光源から投光されて上下ハーフケースの内側面に乱
反射した光を遮光壁により遮光し、光センサーへの入射
を阻止する。したがって、磁気テープが正規の走行位置
を走行している場合はもとより、走行位置がぶれた場合
であっても、光センサーは作動せず、所定動作モード中
における誤動作を未然に防止できる。しかも、磁気テー
プからリーダーテープに変わった場合は、リーダーテー
プを透過した光により光センサーが作動するので、リー
ダーテープの検出が確実に行われ、リーダーテープ検出
にともなう次の動作モードへの切り換え等が正確に行わ
れることになる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明を適用した磁気テープカセットの構成を
示す分解斜視図である。

【図２】リーダーテープの検出と誤動作防止を説明する
要部の模式的断面図である。

【図３】上ハーフケースの構成を示す平面図である。

【図４】従来の磁気テープカセットの作用を説明する要
部の模式的断面図である。

【符号の説明】

１ 磁気テープカセット ２ 下ハーフケース ３，４ リールハブ ５，６ テープガイド ２１ 上ハーフケース ４１，４２ 遮光壁 ４３ 隙間（光透過用） ４８ 光透過孔 Ａ，Ｂ 光 Ｌ 光源 Ｔ 磁気テープ Ｓ 光センサー

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 上下ハーフケース内に一対のリールハブ
   を回動自在に設けるとともに、前記リールハブの回動に
   伴って走行する磁気テープの走行状態と該磁気テープの
   端部に設けたリーダーテープの検出とを光源およびこの
   光源から投光された光を受光する光センサーとにより光
   学的に行う磁気テープカセットにおいて、 前記上下ハーフケース内面であって、前記光源からの光
   入射口と前記光センサーへの光出射口との間に、前記光
   源から前記光センサーに向けて直進する光を透過させ、
   且つ前記上下ハーフケース内で乱反射した光を遮断する
   遮光壁を設けたことを特徴とする磁気テープカセット。