JPH11237995A - イベント制御装置 - Google Patents

イベント制御装置

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JPH11237995A
JPH11237995A JP10040764A JP4076498A JPH11237995A JP H11237995 A JPH11237995 A JP H11237995A JP 10040764 A JP10040764 A JP 10040764A JP 4076498 A JP4076498 A JP 4076498A JP H11237995 A JPH11237995 A JP H11237995A
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JP
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event
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Application number
JP10040764A
Other languages
English (en)
Inventor
Koichi Yasutake
剛一 安武
Tetsuji Maeda
哲司 前田
Takuya Sekiguchi
卓也 關口
健人 ▲吉▼井
Taketo Yoshii
Yasutaka Yamada
泰隆 山田
Hirobumi Tanaka
博文 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH11237995A publication Critical patent/JPH11237995A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 1以上のタスクのいずれかを選択的に実行す
ることにより複数の要求を処理していく処理装置に付随
して用いられ、簡単な制御を行うだけで、複数の要求の
中にそれが発せられるタイミングやその処理に要する時
間が不定であるような要求が含まれていても、処理遅延
が生じることのないよう処理装置を制御することができ
る制御装置を提供する。 【解決手段】 タスク遅延判定部11は、イベント発行
部10が発行した各イベントと対応する処理の進捗状況
を監視することによって、処理装置2が実行する1以上
のタスクそれぞれについて処理遅延が発生しつつあるか
否かを判定する。タスク選択制御部12は、タスク遅延
判定部11の判定結果に基づいて、処理装置2が1以上
のタスクを選択的に実行する際の選択動作を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、制御装置に関し、
より特定的には、1以上のタスクのいずれかを選択的に
実行することにより複数の要求を処理していく処理装置
に付随して用いられ、各要求が実時間的に処理されるよ
うに処理装置を制御する制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、1以上のタスクのいずれかを選
択的に実行することにより複数の要求を処理していく処
理装置に付随して用いられ、各要求が実時間的に処理さ
れるよう処理装置を制御する制御装置は、処理装置にお
いて正しく実時間処理が行われているかどうかを監視す
ることや、各要求の処理順序を調整すること(スケジュ
ーリング)を行う。従来、上記のような監視方法とし
て、例えばウオッチドッグがあった。また、スケジュー
リング方法として、例えばレイトモノトニックがあっ
た。
【0003】ウオッチドッグでは、例えば処理装置に設
けられたCPUの動作エラーを検出することが行われ
る。つまり、遅延が生じた後、それが検知されるにすぎ
ない。そして、動作エラーが検出された場合、CPUを
リセットするなどの処置がとられる。一方、レイトモノ
トニックでは、複数の要求を処理する各タスクに対し
て、予め実行優先度が付与される。付与される各実行優
先度は、そのタスクが実行される頻度に関連して決めら
れる。そして、付与された実行優先度の高いものから順
にタスクが実行されるので、処理装置は、各要求を実時
間的に処理することが可能となる。
【0004】レイトモノトニックのような実時間処理の
ための従来の制御方法は、ハードウエアまたはソフトウ
ェアからの要求を処理する処理装置の制御を目的として
開発されたものである。ところが近年、GUI(Gra
phical User Interface)の登場
に伴い、ハードウェアまたはソフトウェアからの要求
と、オペレータからの要求との両方を一つの処理装置に
おいて処理する機会が多くなってきた。ハードウェアま
たはソフトウェアからの要求とオペレータからの要求と
を処理する処理装置では、オペレータからの要求に関し
て、それが発せられるタイミングが不定であるため、レ
イトモノトニックのような従来の制御方法を用いた場
合、処理装置において処理遅延がしばしば発生してい
た。
【0005】そこで、ハードウェアまたはソフトウェア
からの要求とオペレータからの要求とを処理装置が実時
間的に処理することを可能とするようなリアルタイムO
Sが開発された。リアルタイムOSでは、オペレータが
発するであろう要求について、その要求がどのようなタ
イミングで発せられるかを予測し、オペレータからその
要求が送られてきても、その要求の処理とハードウェア
またはソフトウェアからの要求の処理とのいずれにも処
理遅延が生じることのないような遅延対策が予め準備さ
れる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、リアル
タイムOSでは、処理装置に対してオペレータが発する
であろう要求の全てについて、上記のような遅延対策を
準備しなければならないため、多機能な処理装置におい
て用いる場合、遅延対策を準備するのに手間がかかる問
題があった。また、ダウンロードなどによって新たな機
能が追加された場合にも、その都度、新たに遅延対策を
準備しなければならなかった。
【0007】それゆえに、本発明の目的は、1以上のタ
スクのいずれかを選択的に実行することにより複数の要
求を処理していく処理装置に付随して用いられ、簡単な
制御を行うだけで、複数の要求の中にそれが発せられる
タイミングが不定であるような要求が含まれていても、
処理遅延が生じることのないように処理装置を制御する
ことができる制御装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段および発明の効果】第1の
発明は、1以上のタスクのいずれかを選択的に実行する
ことにより複数の要求を処理していく処理装置に付随し
て用いられ、各要求が実時間的に処理されるよう処理装
置を制御する制御装置であって、複数の要求には、それ
が発せられるタイミングが不定であるような要求が含ま
れており、複数の要求に応じて、1以上のタスクのうち
各要求と対応するタスクを処理装置に実行させるための
イベントを発行するイベント発行手段、イベント発行手
段によって発行された各イベントについて、処理装置に
おける当該イベントと対応する処理の進捗状況を監視す
ることによって、処理装置において処理遅延が発生しつ
つあるか否かを、1以上のタスク毎に判定するタスク遅
延判定手段、およびタスク遅延判定手段の判定結果に基
づいて、処理装置が1以上のタスクのいずれかを選択的
に実行する際の選択動作を制御するタスク選択制御手段
を備えている。
【0009】上記のように、第1の発明は、各イベント
と対応する処理の進捗状況を監視することによって、1
以上のタスクそれぞれについて処理遅延が発生しつつあ
るか否かを判定し、判定結果に基づいて、処理装置が1
以上のタスクを選択的に実行する際の選択動作を制御す
るので、簡単な制御動作を行うだけで、複数の要求の中
にそれが発せられるタイミングが不定であるような要求
が含まれていても、処理装置において処理遅延が発生す
ることを防ぐことができる。
【0010】第2の発明は、第1の発明において、1以
上のタスクには、実行優先度が付与され、処理装置は、
付与された実行優先度に基づいて、次に実行すべきタス
クの選択を行うように構成されており、タスク遅延判定
手段は、イベント発行手段によって発行される全てのイ
ベントについて、当該イベントが発行されてから、処理
装置が当該イベントと対応する処理を開始するまでの遅
延時間の最大許容値を示す最大遅延時間が予め記述され
た遅延時間管理テーブル、イベント発行手段によって発
行された各イベントについて、処理装置において当該イ
ベントと対応する処理が開始されたことを検出する処理
開始検出手段、および遅延時間管理テーブルを参照する
ことによって、イベント発行手段によって発行された各
イベントについて、当該イベントと対応する最大遅延時
間内に処理開始検出手段が当該イベントと対応する処理
の開始を検出したか否かを判断する判断手段を含み、タ
スク選択制御手段は、判断手段の判断結果に関連して、
処理装置に命じて1以上のタスクに付与された実行優先
度を変更させるタスク優先度変更手段を含んでいる。
【0011】上記のように、第2の発明は、各イベント
について、そのイベントと対応する最大遅延時間内にそ
のイベントと対応する処理が開始されたか否かを判断す
ることによって、1以上のタスクそれぞれについて処理
遅延が発生しつつあるか否かを判定するので、判定を的
確かつ容易に行える。また、最大遅延時間内に処理が開
始されたか否かの判断結果に関連して、1以上のタスク
に付与された実行優先度を処理装置に命じて変更させる
ので、処理装置において発生しつつある遅延を解消させ
ることができる。
【0012】第3の発明は、第1の発明において、1以
上のタスクには、実行優先度が付与され、処理装置は、
付与された実行優先度に基づいて、次に実行すべきタス
クの選択を行うように構成されており、タスク遅延判定
手段は、イベント発行手段によって発行される全てのイ
ベントについて、当該イベントが発行されてから、処理
装置が当該イベントと対応する処理を完了するまでの遅
延時間の最大許容値を示す最大遅延時間が予め記述され
た遅延時間管理テーブル、イベント発行手段によって発
行された各イベントについて、処理装置において当該イ
ベントと対応する処理が完了されたことを検出する処理
完了検出手段、および遅延時間管理テーブルを参照する
ことによって、イベント発行手段によって発行された各
イベントについて、当該イベントと対応する最大遅延時
間内に処理完了検出手段が当該イベントと対応する処理
の完了を検出したか否かを判断する判断手段を含み、タ
スク選択制御手段は、判断手段の判断結果に関連して、
処理装置に命じて1以上のタスクに付与された実行優先
度を変更させるタスク優先度変更手段を含んでいる。
【0013】上記のように、第3の発明は、各イベント
について、そのイベントと対応する最大遅延時間内にそ
のイベントと対応する処理が完了されたか否かを判断す
ることによって、1以上のタスクそれぞれについて処理
遅延が発生しつつあるか否かを判定するので、判定を的
確かつ容易に行える。また、最大遅延時間内に処理が完
了されたか否かの判断結果に関連して、1以上のタスク
に付与された実行優先度を処理装置に命じて変更させる
ので、処理装置において発生しつつある遅延を解消させ
ることができる。
【0014】第4の発明は、第1の発明において、タス
ク遅延判定手段は、イベント発行手段によって発行され
る全てのイベントについて、当該イベントが発行されて
から、処理装置が当該イベントと対応する処理を開始す
るまでの遅延時間の最大値を示す最大遅延時間が予め記
述された遅延時間管理テーブル、イベント発行手段によ
って発行された各イベントについて、処理装置において
当該イベントと対応する処理が開始されたことを検出す
る処理開始検出手段、および遅延時間管理テーブルを参
照することによって、イベント発行手段によって発行さ
れた各イベントについて、当該イベントと対応する最大
遅延時間時間内に処理開始検出手段が当該イベントと対
応する処理の開始を検出したか否かを判断する判断手段
を含み、タスク選択制御手段は、判断手段の判断結果が
否定であるようなイベントが存在する場合に、処理装置
が当該イベントと対応するタスクを選択することを禁止
するタスク選択禁止手段を含んでいる。
【0015】上記のように、第4の発明は、各イベント
について、そのイベントと対応する最大遅延時間内にそ
のイベントと対応する処理が開始されたか否かを判断す
ることによって、1以上のタスクそれぞれについて処理
遅延が発生しつつあるか否かを判定するので、判定を的
確かつ容易に行える。また、最大遅延時間内に処理が開
始されたか否かの判断結果が否定であるようなタスクに
ついて、処理装置がそのタスクを選択することを禁止す
るので、処理装置においてそのタスクに関する処理遅延
の影響が他のタスクへと波及するのを防ぐことができ
る。
【0016】第5の発明は、第1の発明において、タス
ク遅延判定手段は、イベント発行手段によって発行され
る全てのイベントについて、当該イベントが発行されて
から、処理装置が当該イベントと対応する処理を完了す
るまでの遅延時間の最大値を示す最大遅延時間が予め記
述された遅延時間管理テーブル、イベント発行手段によ
って発行された各イベントについて、処理装置において
当該イベントと対応する処理が完了されたことを検出す
る処理完了始検出手段、および遅延時間管理テーブルを
参照することによって、イベント発行手段によって発行
された各イベントについて、当該イベントと対応する最
大遅延時間時間内に処理完了検出手段が当該イベントと
対応する処理の完了を検出したか否かを判断する判断手
段を含み、タスク選択制御手段は、判断手段の判断結果
が否定であるようなイベントが存在する場合に、処理装
置が当該イベントと対応するタスクを選択することを禁
止するタスク選択禁止手段を含んでいる。
【0017】上記のように、第5の発明は、各イベント
について、そのイベントと対応する最大遅延時間内にそ
のイベントと対応する処理が開始されたか否かを判断す
ることによって、1以上のタスクそれぞれについて処理
遅延が発生しつつあるか否かを判定するので、判定を的
確かつ容易に行える。また、最大遅延時間内に処理が完
了されたか否かの判断結果が否定であるようなタスクに
ついて、処理装置がそのタスクを選択することを禁止す
るので、処理装置においてそのタスクに関する処理遅延
の影響が他のタスクへと波及するのを防ぐことができ
る。
【0018】第6の発明は、第4または5の発明におい
て、タスク選択制御手段は、タスク選択禁止手段によっ
て選択禁止とされたタスクを選択可能に復旧する手段を
さらに含んでいる。
【0019】上記のように、第6の発明は、選択禁止と
されたタスクを選択可能に復旧することができる。
【0020】第7の発明は、第1の発明において、1以
上のタスク毎の、処理の進捗履歴を記憶しておくための
手段をさらに備えている。
【0021】上記のように、第7の発明は、1以上のタ
スク毎の、処理の進捗履歴を記憶しておくので、処理装
置においてエラーが発生した場合、記憶している履歴を
参照することによってエラーの原因となった処理を容易
に特定できる。その結果、処理装置において速やかなデ
バッグを行うことが可能となる。
【0022】第8の発明は、第3または4の発明におい
て、イベント発行手段によって発行された各イベント
を、1以上のタスク毎にそれぞれ発行順に蓄積していく
イベント蓄積手段、およびイベント蓄積手段に蓄積され
ている複数のイベントを、各イベントが発行されてから
の経過時間と、遅延時間管理テーブルに記載された最大
遅延時間とに関連して並べ替える手段をさらに備えてい
る。
【0023】上記のように、第8の発明は、複数のイベ
ントを、各イベントが発行されてからの経過時間と最大
遅延時間とに関連して並べ替えるので、処理装置におい
て処理遅延が発生することをより確実に防ぐことができ
る。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照しながら説明する。 (第1の実施形態)図1は、本発明の第1の実施形態に
係るイベント制御装置の構成を示すブロック図である。
図1において、第1の実施形態に係るイベント制御装置
1は、処理装置2に付随して設けられる。処理装置2
は、1以上のタスク(ここでは、タスクA、タスクB、
タスクC、…)を実行する。A、B、C、…は、タスク
ID(識別子)である。
【0025】処理装置2へは、ハードウェアまたはソフ
トウェアから、所定の処理を行うよう求める複数の要求
が、それぞれ所定のタイミングで送られてくるものとす
る(実際には、送られてくるタイミングが不定の要求も
あるが、その割合は少ない)。送られてくる各要求は、
タスクA、タスクB、タスクC、…を実行することによ
って処理される。つまり、処理装置2は、タスクA、タ
スクB、タスクC、…のいずれかを選択的に実行してい
くことによって、ハードウェアまたはソフトウェアから
の複数の要求を1つずつ処理していく。
【0026】タスクA、タスクB、タスクC、…には、
実行優先度が予め付与されている。各タスクに付与され
る実行優先度は、例えばリアルタイム性の高いタスクほ
ど高い値になるように選ばれる。処理装置2は、タスク
A、タスクB、タスクC、…のいずれかを選択的に実行
していく際、次に実行するタスクの選択を、各タスクに
付与された実行優先度に基づいて行う。典型的には、実
行優先度の高いタスクから順番に選択される。これによ
り、処理装置2は、ハードウェアまたはソフトウェアか
らそれぞれ所定のタイミングで送られてくる複数の要求
を、実時間的に処理することができる。
【0027】ところが、処理装置2へは、オペレータが
例えばリモコンを介して発した、所定の処理を行うよう
求める複数の要求がさらに送られてくる。このようなオ
ペレータからの各要求も、タスクA、タスクB、タスク
C、…を実行することによって処理される。つまり、処
理装置2は、タスクA、タスクB、タスクC、…のいず
れかを選択的に実行していくことによって、ハードウェ
アまたはソフトウェアからの複数の要求に加えて、オペ
レータからの要求をも1つずつ処理していく。
【0028】オペレータからの複数の要求は、ハードウ
ェアまたはソフトウェアからの複数の要求と比べて、次
のような特徴を有している。すなわち、ハードウェアま
たはソフトウェアからの複数の要求は、それぞれが発せ
られるタイミングがほぼ一定であるといってもよいが、
オペレータからの複数の要求は、それぞれが発せられる
タイミングが不定である。
【0029】よって、ハードウェアまたはソフトウェア
からの複数の要求に混じって、オペレータからの要求が
送られてくると、処理装置2は、ハードウェアまたはソ
フトウェアからの複数の要求を実時間的に処理できない
ことがある。なお、それを防ぐためには、処理装置2に
おいてハードウェアまたはソフトウェアからの複数の要
求がオペレータからの要求よりも常に優先して処理され
るように設定すればよいが、その場合にはオペレータか
らの要求の処理が遅れ、GUIの応答性が低下する。
【0030】こうした不都合を解消するために、イベン
ト制御装置1が処理装置2に付随して設けられる。イベ
ント制御装置1は、イベント発行部10、タスク遅延判
定部11およびタスク選択制御部12を備えている。イ
ベント発行部10は、ハードウェアまたはソフトウェア
が発する複数の要求、およびオペレータがGUIを介し
て随時発する要求に応じて、タスクA、タスクB、タス
クC、…のうち、各要求と対応するタスクを処理装置2
に実行させるためのイベント(例えば識別コード)を発
行する。
【0031】タスク遅延判定部11は、イベント発行部
10によって発行された各イベントについて、処理装置
2におけるそのイベントと対応する処理の進捗状況を監
視することによって、処理装置2において処理遅延が発
生しつつあるか否かをタスク毎に判定する。タスク選択
制御部12は、タスク遅延判定部11の判定結果に基づ
いて、処理装置2がタスクA、タスクB、タスクC、…
のいずれかを選択的に実行する際の選択動作を制御す
る。
【0032】処理装置2において処理遅延が発生しつつ
あるか否かをタスク毎に判定するために、タスク遅延判
定部11は、遅延時間管理テーブル110、処理開始/
完了検出部111および判断部112を含む。また、タ
スクA、タスクB、タスクC、…のいずれかを選択的に
実行する際の、処理装置2の選択動作を制御するため
に、タスク選択制御部12は、タスク優先度変更部12
0を含む。
【0033】遅延時間管理テーブル110には、イベン
ト発行部10によって発行される全ての種類のイベント
について、その種類のイベントが発行されてから、処理
装置2がその種類のイベントと対応する処理を開始/完
了するまでの遅延時間の最大許容値(以下、最大遅延時
間)が予め記述されている。図2に、遅延時間管理テー
ブル110の一例を示す。
【0034】ここでは、処理装置2は、発行された各イ
ベントについて、そのイベントと対応する処理の進捗状
況、例えば処理開始/処理完了をイベント制御装置1側
へ通知するように構成されている。処理開始/完了検出
部111は、イベント発行部10によって発行された各
イベントについて、例えば処理装置2からの通知に基づ
いて、処理装置2においてそのイベントと対応する処理
が開始/完了されたことを検出する。
【0035】判断部112は、遅延時間管理テーブル1
10を参照することによって、イベント発行部10によ
って発行された各イベントについて、そのイベントが属
するイベント種類に関して定められた最大遅延時間内
に、処理開始/完了検出部111がそのイベントと対応
する処理の開始/完了を検出したか否かを判断する。こ
の判断を行うために、判断部112は、図3に示すよう
なイベント進捗状況管理テーブルを作成する。
【0036】図3において、イベント進捗状況管理テー
ブルには、イベント発行部10によって発行された全て
のイベントについて、そのイベントが発行された時刻
と、そのイベントと対応するタスクと、そのイベントと
対応する処理の進捗状況(未処理、処理中および処理完
了の3種類)とが含まれる。各イベントの発行時刻およ
び各イベントと対応する対応するタスクは、イベント発
行部10から取得され、各イベントと対応する処理の進
捗状況は、処理開始/完了検出部111から取得され
る。
【0037】判断部112は、上記のイベント進捗状況
管理テーブル(図3)と、遅延時間管理テーブル110
(図2)とを参照することによって、発行された各イベ
ントについて、そのイベントが属するイベント種類に関
して定められた最大遅延時間内に、処理開始/完了検出
部111がそのイベントと対応する処理の開始/完了を
検出したか否かを判断する。
【0038】タスク優先度変更部120は、判断部11
2の判断結果に関連して、タスクA、タスクB、タスク
C、…に付与された実行優先度を処理装置2に命じて変
更させる。例えば、発行されたあるイベントについて、
定められた最大遅延時間内に処理開始/完了検出部11
1がそのイベントと対応する処理の開始/完了を検出し
なかった場合、そのイベントと対応する処理を行うタス
クの実行優先度をより高い値に変更する。なお、上記の
イベント制御装置1の各構成要素は、専用のハード回路
によって実現するか、またはコンピュータ装置を用いて
ソフト的に実現できる。
【0039】以上のように構成されたイベント制御装置
1について、以下にその動作を説明する。なお、イベン
ト制御装置1が用いられる処理装置2としては、例えば
TV(テレビジョン)が考えられる。その場合、TVが
実行するタスク(タスクA、タスクB、タスクC、…)
としては、現在ある画面を表示中であるとして、その画
面に代えて別の画面を表示する処理や、その画面上に文
字を多重表示する処理などがある。これら各タスクは、
ハードウェア(例えば処理装置2の周辺機器)またはソ
フトウェア(例えば処理装置2の図示しないROMに格
納され、処理装置2の処理動作を制御するソフトウェア
プログラム)からの要求に応じて実行される場合もあ
り、オペレータからの要求に応じて実行される場合もあ
る。
【0040】イベント制御装置1の遅延時間管理テーブ
ル110(図2参照)には、複数のイベント種類につい
て、所定の最大遅延時間(ここでは、その種類のイベン
トが発行されてから処理が開始されるまでの最大遅延時
間、およびその種類のイベントが発行されてから処理が
完了されるまでの最大遅延時間)が予め記述されてい
る。図2によれば、例えば、イベント種類”Butto
nPress”に属するイベントについて、そのイベン
トが発行されてから10m秒以内に”ButtonPr
ess”と対応する処理(例えば画面切り替えに関する
処理)が開始され、さらに10m秒以内に(従ってその
イベントが発行されてから20m秒以内に)、”But
tonPress”と対応する処理が完了されなければ
ならない。
【0041】ハードウェアまたはソフトウェアからの要
求に加えて、オペレータからの要求が処理装置2に向け
て送られてくると、イベント制御装置1は、各要求が実
時間的に処理されるように処理装置2を制御する動作を
開始する。以下には、イベント制御装置1が処理装置2
を制御する動作を、図4を用いて説明する。図4は、ハ
ードウェアまたはソフトウェアからの要求とオペレータ
からの要求とが共に実時間的に処理されるように、イベ
ント制御装置1が処理装置2を制御する動作を示すフロ
ーチャートである。図4において、制御装置1のイベン
ト発行部10が、ハードウェアまたはソフトウェアが発
する複数の要求およびオペレータが随時発する要求に応
じて、タスクA、タスクB、タスクC、…のうち、その
要求と対応するタスクを処理装置2に実行させるための
イベントを発行する(ステップS1)。
【0042】ステップS1で発行された各イベントは、
処理装置2へと送られる。処理装置2は、各イベントと
対応するタスクを選択的に実行していくことによって、
ハードウェアまたはソフトウェアからの複数の要求およ
びオペレータからの要求を1つ1つ処理していく。一
方、イベント制御装置1では、タスク遅延判定部11
が、イベント発行部10によって発行された各イベント
について、処理装置2における、そのイベントと対応す
る処理の進捗状況を監視する(ステップS2)ことによ
って、タスクA、タスクB、タスクC、…の各タスク毎
に、処理遅延が発生しつつあるか否かを判定する(ステ
ップS3)。以下には、ステップS2のイベント進捗状
況監視処理およびステップS3のタスク遅延判定処理に
ついて詳細に説明する。
【0043】処理装置2は、発行された各イベントにつ
いて、そのイベントと対応する処理の進捗状況、例えば
処理が開始/完了されたことをその都度イベント制御装
置1へ通知するように構成されている。イベント制御装
置1では、最初、処理開始/完了検出部111が、イベ
ント発行部10によって発行された各イベントについ
て、処理装置2からの通知に基づいて、処理装置2にお
いてそのイベントと対応する処理が開始/完了されたこ
とを検出する。
【0044】判断部112は、処理開始/完了検出部1
11の検出結果に基づいて、図3に示すようなイベント
進捗状況管理テーブルを作成する。そして、作成したイ
ベント進捗状況管理テーブルと、遅延時間管理テーブル
110とを参照して、発行された各イベントについて、
そのイベントが属するイベント種類に関して定められた
最大遅延時間内に、処理開始/完了検出部111がその
イベントと対応する処理の開始/完了を検出したか否か
を判断する。
【0045】上記の判断処理は、例えば次のようにして
行える。すなわち、図3のイベント進捗状況管理テーブ
ルには、イベント発行部10によって発行された全ての
イベント(イベントa、イベントb、イベントc、…)
について、そのイベントの発行時刻と、そのイベントと
対応するタスクと、そのイベントと対応する処理の進捗
状況とが含まれる。a、b、c、…は、イベントIDで
ある。イベント進捗状況管理テーブルによれば、例えば
イベントaは、時刻1327にタスクBを対象として発
行されたものであり、現在、イベントaに応じて処理装
置2がタスクBを実行中であることがわかる。
【0046】一方、図2の遅延時間管理テーブル110
には、イベント種類毎の最大遅延時間(ここでは、処理
が開始/完了されるまでの最大遅延時間)が記載されて
いる。イベントaは、イベント種類”ButtonPr
ess”に属しているとする。そこで、判断部112
は、イベントaについて、そのイベントが発行されてか
ら、遅延時間管理テーブル110(図2)に記載の、”
ButtonPress”に関して定められた処理完了
までの最大遅延時間、すなわち20m秒だけ経過した時
点で、判断部112自身が保有するイベント進捗状況管
理テーブル(図3)を参照し、そのイベントと対応する
処理の進捗状況が処理完了となっているかどうかを確認
すればよい(なお、ここでは判断部112が図示しない
タイマを含んでいるものとする)。
【0047】次に、タスク選択制御部12は、ステップ
S3の判定結果に基づいて、処理装置2がタスクA、タ
スクB、タスクC、…のいずれかを選択的に実行する際
の選択動作を制御する(ステップS4)。以下には、ス
テップS4のタスク選択制御処理について詳細に説明す
る。ステップS4では、タスク選択制御部12のタスク
優先度変更部120が、ステップS3の判定結果に関連
して、タスクA、タスクB、タスクC、…に付与された
実行優先度を処理装置2に命じて変更させる。例えば、
イベントaについての判断部112の判断結果が否定で
ある場合、タスク優先度変更部120は、イベントaと
対応するタスク(すなわち、タスクB)に付与された実
行優先度を、処理装置2に命じて変更させる。
【0048】具体的には、各タスクに付与される実行優
先度の最高値が10であり、タスクAには実行優先度1
5が、タスクBには実行優先度20が、タスクCには実
行優先度25がそれぞれ付与されているとする(ここで
は、数値が小さいほど実行優先度が高い)。このとき、
イベントaについてのステップS3の判定結果が否定で
あったとすると、タスクBの優先度が20から10へと
変更される。その結果、タスクAの実行優先度は15、
タスクBの実行優先度は10、タスクCの実行優先度は
25となるので、タスクBが最優先で実行され、タスク
Bの実行に関して生じつつあった遅延が速やかに解消さ
れる。なお、遅延の解消後、タスク優先度変更部120
は、タスクBの実行優先度を、処理装置2に命じて10
から20へと戻させる。
【0049】以上のように、本実施形態によれば、発行
した各イベントと対応する処理の進捗状況を監視するこ
とによって、処理装置2が実行する1以上のタスクそれ
ぞれについて処理遅延が発生しつつあるか否かを判定
し、判定結果に基づいて、処理装置2が1以上のタスク
を選択的に実行する際の選択動作を制御するので、簡単
な制御動作を行うだけで、複数の要求の中にそれが発せ
られるタイミングが不定であるような要求が含まれてい
ても、処理装置2において処理遅延が発生することを防
ぐことができる。
【0050】その際、各イベントについて、そのイベン
トと対応する最大遅延時間内に、そのイベントと対応す
る処理が開始/完了されたか否かを判断することによっ
て、1以上のタスクそれぞれについて処理遅延が発生し
つつあるか否かを判定するので、判定を的確かつ容易に
行える。また、最大遅延時間内に処理が開始/完了され
たか否かの判断結果に関連して、処理装置2に命じて1
以上のタスクに付与された実行優先度を変更させるの
で、処理装置2において発生しつつある遅延を解消させ
ることができる。
【0051】(第2の実施形態)図5は、本発明の第2
の実施形態に係るイベント制御装置の構成を示すブロッ
ク図である。図5において、第2の実施形態に係るイベ
ント制御装置1aは、処理装置2に付随して設けられ
る。なお、処理装置2は、第1の実施形態と同様のもの
である。イベント制御装置1aが第1の実施形態に係る
イベント制御装置1(図1の装置)と異なるのは、タス
ク選択制御部12の代わりに、タスク選択制御部12a
を備えている点だけである。そこで、イベント制御装置
1と同様の構成要素には同一の参照番号を付し、詳細な
説明を省略する。
【0052】タスク選択制御部12aは、タスク選択禁
止部121およびタスク復旧部122を含んでいる。タ
スク選択禁止部121は、判断部112の判断結果が否
定であるようなイベントが存在する場合に、処理装置2
がそのイベントと対応するタスクを選択することを禁止
する。タスク復旧部122は、タスク選択禁止部121
によって選択禁止とされたタスクを選択可能に復旧す
る。
【0053】以上のように構成されたイベント制御装置
1aについて、以下にその動作を説明する。ただし、イ
ベント制御装置1aの動作は、以下に説明する点を除
き、第1の実施形態で説明したイベント制御装置1の動
作と同様であるので、図4のフローチャートを援用し、
同様の動作についての詳細な説明を省略する。
【0054】イベント制御装置1aの動作がイベント制
御装置1のそれと異なるのは、図4のステップS4のタ
スク選択制御処理だけである。ステップS4において、
イベント制御装置1では、タスク選択制御部12のタス
ク優先度変更部120が、ステップS3の判定結果に関
連して、処理装置2に命じてタスクA、タスクB、タス
クC、…に付与された実行優先度を変更させた。これに
対して、イベント制御装置1aでは、タスク選択禁止部
121が、ステップS3の判定結果に関連して、処理装
置2が次に実行するタスクの選択を行う際に特定のタス
クを選択することを禁止する。
【0055】すなわち、発行されたあるイベントについ
ての判断部112の判断結果が否定である場合、タスク
選択禁止部121は、そのイベントと対応するタスクを
処理装置2が選択することを禁止する。例えばイベント
aについての判断部112の判断結果が否定であった場
合、イベントaと対応するタスク、すなわちタスクBの
実行が停止される。遅延が生じつつあるタスクBの実行
を停止することによって、タスクBの実行に関する遅延
の影響が他のタスクの実行にまで波及するのを防ぐこと
ができる。
【0056】ここで、上記の制御動作を、従来の技術の
項目で説明したウオッチドッグを用いた制御と比較して
おく。いま、処理装置2においてタスクBに関する遅延
が発生したとすると、ウオッチドッグは、遅延発生の結
果としての処理エラーを検知するにすぎない。つまり、
処理エラーがどのタスクに関する遅延の結果生じたかが
わからないので、ウオッチドッグを用いた制御では、処
理エラーが検知されると全てのタスクの実行が停止され
る。一方、イベント制御装置1aは、処理装置2におい
てタスクBに関する遅延が発生したことを検知するの
で、タスクBのみ実行を停止させ、他のタスクの実行を
継続させることができる。
【0057】タスク選択禁止部121によって選択禁止
とされたタスクBは、例えば所定の時間が経過した後、
タスク復旧部122によって選択可能に復旧される。す
なわち、タスク復旧部122は、図示しない記憶部を含
み、その記憶部に、選択禁止とされたタスクA、タスク
B、タスクC、…を選択可能に復旧するための処理手順
を記述した複数のファイルを記憶している。タスク復旧
部122は、タスクA、タスクB、タスクC、…のいず
れかが選択禁止とされた場合、そのタスクと対応するフ
ァイルを読み出し、そこに記載された処理手順に従って
そのタスクを選択可能に復旧する。
【0058】以上のように、本実施形態によれば、発行
した各イベントと対応する処理の進捗状況を監視するこ
とによって、処理装置2が実行する1以上のタスクそれ
ぞれについて処理遅延が発生しつつあるか否かを判定
し、判定結果に基づいて、処理装置2が1以上のタスク
を選択的に実行する際の選択動作を制御するので、簡単
な制御動作を行うだけで、複数の要求の中にそれが発せ
られるタイミングが不定であるような要求が含まれてい
ても、処理装置2において処理遅延が発生することを防
ぐことができる。
【0059】その際、各イベントについて、そのイベン
トと対応する最大遅延時間内に、そのイベントと対応す
る処理が開始/完了されたか否かを判断することによっ
て、1以上のタスクそれぞれについて処理遅延が発生し
つつあるか否かを判定するので、判定を的確かつ容易に
行える。また、最大遅延時間内に処理が開始/完了され
たか否かの判断結果が否定であるようなタスクについ
て、処理装置2がそのタスクを選択することを禁止する
ので、処理装置2においてそのタスクに関する処理遅延
の影響が他のタスクへと波及するのを防ぐことができ
る。
【0060】(第3の実施形態)図6は、本発明の第3
の実施形態に係るイベント制御装置の構成を示すブロッ
ク図である。図6において、第3の実施形態に係るイベ
ント制御装置1bは、処理装置2に付随して設けられ
る。なお、処理装置2は、第1の実施形態と同様のもの
である。イベント制御装置1bが第1の実施形態に係る
イベント制御装置1(図1の装置)と異なるのは、進捗
履歴記憶部13をさらに備えている点だけである。そこ
で、イベント制御装置1と同様の構成要素には同一の参
照番号を付し、詳細な説明を省略する。
【0061】進捗履歴記憶部13は、各タスク(タスク
A、タスクB、タスクC、…)毎の、処理の進捗履歴を
記憶する。すなわち、進捗履歴記憶部13は、処理開始
/完了検出部111の一連の検出結果を、各結果が検出
された時間と併せて記憶していく。図7に進捗履歴記憶
部13の記憶内容(進捗履歴テーブル)の一例を示す。
図7の進捗履歴テーブルには、進捗変化が起こった時
刻、進捗変化が起こったタスク、進捗変化の種別(ここ
では、処理開始または処理完了)および進捗変化を起こ
させたイベントが記載されている。
【0062】以上のように構成されたイベント制御装置
1bについて、以下にその動作を説明する。ただし、イ
ベント制御装置1bの動作は、以下に説明する点を除
き、第1の実施形態で説明したイベント制御装置1の動
作と同様であるので、図4のフローチャートを援用し、
同様の動作についての詳細な説明を省略する。
【0063】図4において、ステップS2のイベント進
捗状況監視処理には、さらに、各タスク(タスクA、タ
スクB、タスクC、…)毎の、処理の進捗履歴を記憶す
る処理が含まれる。すなわち、進捗履歴記憶部13が、
処理開始/完了検出部111の一連の検出結果を、各結
果が検出された時間と併せて記憶していく。
【0064】このようにして、各タスク毎の、処理の進
捗履歴を記憶しておけば、処理装置2においてエラーが
発生した場合、記憶している履歴を参照することによっ
てエラーの原因となった処理を容易に特定できるので、
処理装置2において速やかなデバッグを行うことが可能
となる。
【0065】以上のように、本実施形態によれば、発行
した各イベントと対応する処理の進捗状況を監視するこ
とによって、処理装置2が実行する1以上のタスクそれ
ぞれについて処理遅延が発生しつつあるか否かを判定
し、判定結果に基づいて、処理装置2が1以上のタスク
を選択的に実行する際の選択動作を制御するので、簡単
な制御動作を行うだけで、複数の要求の中にそれが発せ
られるタイミングが不定であるような要求が含まれてい
ても、処理装置2において処理遅延が発生することを防
ぐことができる。
【0066】その際、1以上のタスク毎の、処理の進捗
履歴を記憶しておくので、処理装置2においてエラーが
発生した場合、記憶している履歴を参照することによっ
てエラーの原因となった処理を容易に特定できる。その
結果、処理装置2において速やかなデバッグが可能とな
る。
【0067】(第4の実施形態)図8は、本発明の第4
の実施形態に係るイベント制御装置の構成を示すブロッ
ク図である。図8において、第4の実施形態に係るイベ
ント制御装置1cは、処理装置2に付随して設けられ
る。なお、処理装置2は、第1の実施形態と同様のもの
である。イベント制御装置1cが第1の実施形態に係る
イベント制御装置1(図1の装置)と異なるのは、イベ
ント蓄積部14およびイベント並べ替え部15をさらに
備えている点だけである。そこで、イベント制御装置1
と同様の構成要素には同一の参照番号を付し、詳細な説
明を省略する。
【0068】イベント蓄積部14は、イベント発行部1
0によって発行された各イベントを、各タスク(タスク
A、タスクB、タスクC、…)毎に、それぞれ発行順に
蓄積していく。イベント並べ替え部15は、イベント蓄
積部14によって発行順に蓄積されている複数のイベン
トを、遅延時間管理テーブル110を参照することによ
って、発行されてからの経過時間が最大遅延時間に対し
て接近している順に並べ替える。
【0069】以上のように構成されたイベント制御装置
1cについて、以下にその動作を説明する。ただし、イ
ベント制御装置1cの動作は、以下に説明する点を除
き、第1の実施形態で説明したイベント制御装置1の動
作と同様であるので、図4のフローチャートを援用し、
同様の動作についての詳細な説明を省略する。
【0070】図4において、ステップS1のイベント発
行処理に引き続き、発行された各イベントを、各タスク
(タスクA、タスクB、タスクC、…)毎にそれぞれ発
行順に蓄積していく処理がイベント蓄積部14によって
行われる。また、ステップS3のタスク遅延判定処理に
引き続き、イベント蓄積部14によって発行順に蓄積さ
れている複数のイベントの順序を各タスク毎にそれぞれ
並べ替える処理がイベント並べ替え部15によって行わ
れる。
【0071】すなわち、イベント並べ替え部15は、イ
ベントが発行されてからの経過時間を計時する機能を有
し、各イベントについて、計時して得られた経過時間を
遅延時間管理テーブル110に記載された最大遅延時間
と比較することによって、最大遅延時間までの残り時間
を算出する。そして、イベント蓄積部14に蓄積されて
いる複数のイベントの順序を、算出した残り時間が短い
順に並べ替える。こうして並べ替えられた複数のイベン
トは、処理装置2における各タスク毎の処理の進捗状況
に合わせて、先頭のものから順番に処理装置2へと送出
される。
【0072】以上のように、本実施形態によれば、発行
した各イベントと対応する処理の進捗状況を監視するこ
とによって、処理装置2が実行する1以上のタスクそれ
ぞれについて処理遅延が発生しつつあるか否かを判定
し、判定結果に基づいて、処理装置2が1以上のタスク
を選択的に実行する際の選択動作を制御するので、簡単
な制御動作を行うだけで、複数の要求の中にそれが発せ
られるタイミングが不定であるような要求が含まれてい
ても、処理装置2において処理遅延が発生することを防
ぐことができる。
【0073】その際、発行順に蓄積されている複数のイ
ベントを、最大遅延時間までの残り時間が短い順に並べ
替えるので、処理装置2において処理遅延が発生するこ
とをより確実に防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るイベント制御装
置の構成を示すブロック図である。
【図2】図1の遅延時間管理テーブル110の一例を示
す図である。
【図3】図1の判断部112が作成するイベント進捗状
況管理テーブルの一例を示す図である。
【図4】ハードウェアまたはソフトウェアからの要求と
オペレータからの要求とが共に実時間的に処理されるよ
うに、イベント制御装置1が処理装置2を制御する動作
を示すフローチャートである。
【図5】本発明の第2の実施形態に係るイベント制御装
置の構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の第3の実施形態に係るイベント制御装
置の構成を示すブロック図である。
【図7】図6の進捗履歴記憶部13の記憶内容(進捗履
歴テーブル)の一例を示す図である。
【図8】本発明の第4の実施形態に係るイベント制御装
置の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1、1a〜1c イベント制御装置 2 処理装置 10 イベント発行部 11 タスク遅延判定部 12、12a タスク選択制御部 13 進捗履歴記憶部 14 イベント蓄積部 15 イベント並べ替え部 110 遅延時間管理テーブル 111 処理開始/完了検出部 112 判断部 120 タスク優先度変更部 121 タスク選択禁止部 122 タスク復旧部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ▲吉▼井 健人 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 山田 泰隆 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 田中 博文 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1以上のタスクのいずれかを選択的に実
    行することにより複数の要求を処理していく処理装置に
    付随して用いられ、各要求が実時間的に処理されるよう
    処理装置を制御する制御装置であって、 前記複数の要求には、それが発せられるタイミングが不
    定であるような要求が含まれており、 前記複数の要求に応じて、前記1以上のタスクのうち各
    要求と対応するタスクを前記処理装置に実行させるため
    のイベントを発行するイベント発行手段、 前記イベント発行手段によって発行された各イベントに
    ついて、前記処理装置における当該イベントと対応する
    処理の進捗状況を監視することによって、前記処理装置
    において処理遅延が発生しつつあるか否かを、前記1以
    上のタスク毎に判定するタスク遅延判定手段、および前
    記タスク遅延判定手段の判定結果に基づいて、前記処理
    装置が前記1以上のタスクのいずれかを選択的に実行す
    る際の選択動作を制御するタスク選択制御手段を備え
    る、イベント制御装置。
  2. 【請求項2】 前記1以上のタスクには、実行優先度が
    付与され、前記処理装置は、付与された実行優先度に基
    づいて、次に実行すべきタスクの選択を行うように構成
    されており、 前記タスク遅延判定手段は、 前記イベント発行手段によって発行される全てのイベン
    トについて、当該イベントが発行されてから、前記処理
    装置が当該イベントと対応する処理を開始するまでの遅
    延時間の最大許容値を示す最大遅延時間が予め記述され
    た遅延時間管理テーブル、 前記イベント発行手段によって発行された各イベントに
    ついて、前記処理装置において当該イベントと対応する
    処理が開始されたことを検出する処理開始検出手段、お
    よび前記遅延時間管理テーブルを参照することによっ
    て、前記イベント発行手段によって発行された各イベン
    トについて、当該イベントと対応する前記最大遅延時間
    内に前記処理開始検出手段が当該イベントと対応する処
    理の開始を検出したか否かを判断する判断手段を含み、 前記タスク選択制御手段は、前記判断手段の判断結果に
    関連して、前記処理装置に命じて前記1以上のタスクに
    付与された実行優先度を変更させるタスク優先度変更手
    段を含む、請求項1に記載のイベント制御装置。
  3. 【請求項3】 前記1以上のタスクには、実行優先度が
    付与され、前記処理装置は、付与された実行優先度に基
    づいて、次に実行すべきタスクの選択を行うように構成
    されており、 前記タスク遅延判定手段は、 前記イベント発行手段によって発行される全てのイベン
    トについて、当該イベントが発行されてから、前記処理
    装置が当該イベントと対応する処理を完了するまでの遅
    延時間の最大許容値を示す最大遅延時間が予め記述され
    た遅延時間管理テーブル、 前記イベント発行手段によって発行された各イベントに
    ついて、前記処理装置において当該イベントと対応する
    処理が完了されたことを検出する処理完了検出手段、お
    よび前記遅延時間管理テーブルを参照することによっ
    て、前記イベント発行手段によって発行された各イベン
    トについて、当該イベントと対応する前記最大遅延時間
    内に前記処理完了検出手段が当該イベントと対応する処
    理の完了を検出したか否かを判断する判断手段を含み、 前記タスク選択制御手段は、前記判断手段の判断結果に
    関連して、前記処理装置に命じて前記1以上のタスクに
    付与された実行優先度を変更させるタスク優先度変更手
    段を含む、請求項1に記載のイベント制御装置。
  4. 【請求項4】 前記タスク遅延判定手段は、 前記イベント発行手段によって発行される全てのイベン
    トについて、当該イベントが発行されてから、前記処理
    装置が当該イベントと対応する処理を開始するまでの遅
    延時間の最大値を示す最大遅延時間が予め記述された遅
    延時間管理テーブル、 前記イベント発行手段によって発行された各イベントに
    ついて、前記処理装置において当該イベントと対応する
    処理が開始されたことを検出する処理開始検出手段、お
    よび前記遅延時間管理テーブルを参照することによっ
    て、前記イベント発行手段によって発行された各イベン
    トについて、当該イベントと対応する前記最大遅延時間
    時間内に前記処理開始検出手段が当該イベントと対応す
    る処理の開始を検出したか否かを判断する判断手段を含
    み、 前記タスク選択制御手段は、前記判断手段の判断結果が
    否定であるようなイベントが存在する場合に、前記処理
    装置が当該イベントと対応するタスクを選択することを
    禁止するタスク選択禁止手段を含む、請求項1に記載の
    イベント制御装置。
  5. 【請求項5】 前記タスク遅延判定手段は、 前記イベント発行手段によって発行される全てのイベン
    トについて、当該イベントが発行されてから、前記処理
    装置が当該イベントと対応する処理を完了するまでの遅
    延時間の最大値を示す最大遅延時間が予め記述された遅
    延時間管理テーブル、 前記イベント発行手段によって発行された各イベントに
    ついて、前記処理装置において当該イベントと対応する
    処理が完了されたことを検出する処理完了始検出手段、
    および前記遅延時間管理テーブルを参照することによっ
    て、前記イベント発行手段によって発行された各イベン
    トについて、当該イベントと対応する前記最大遅延時間
    時間内に前記処理完了検出手段が当該イベントと対応す
    る処理の完了を検出したか否かを判断する判断手段を含
    み、 前記タスク選択制御手段は、前記判断手段の判断結果が
    否定であるようなイベントが存在する場合に、前記処理
    装置が当該イベントと対応するタスクを選択することを
    禁止するタスク選択禁止手段を含む、請求項1に記載の
    イベント制御装置。
  6. 【請求項6】 前記タスク選択制御手段は、前記タスク
    選択禁止手段によって選択禁止とされたタスクを選択可
    能に復旧する手段をさらに含む、請求項4または5に記
    載のイベント制御装置。
  7. 【請求項7】 前記1以上のタスク毎の、処理の進捗履
    歴を記憶しておくための手段をさらに備える、請求項1
    に記載のイベント制御装置。
  8. 【請求項8】 前記イベント発行手段によって発行され
    た各イベントを、前記1以上のタスク毎にそれぞれ発行
    順に蓄積していくイベント蓄積手段、および前記イベン
    ト蓄積手段に蓄積されている複数のイベントを、各イベ
    ントが発行されてからの経過時間と、前記遅延時間管理
    テーブルに記載された最大遅延時間とに関連して並べ替
    える手段をさらに備える、請求項3または4に記載のイ
    ベント制御装置。
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