JPH1123776A - 原子炉炉内機器の複合診断システム - Google Patents

原子炉炉内機器の複合診断システム

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JPH1123776A
JPH1123776A JP9176786A JP17678697A JPH1123776A JP H1123776 A JPH1123776 A JP H1123776A JP 9176786 A JP9176786 A JP 9176786A JP 17678697 A JP17678697 A JP 17678697A JP H1123776 A JPH1123776 A JP H1123776A
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equipment
deterioration
diagnostic
diagnostic device
furnace
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JP9176786A
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Masahiro Otaka
正廣 大高
Takahiko Kato
隆彦 加藤
Shinobu Okido
忍 大城戸
Makoto Hayashi
眞琴 林
Motoyuki Hashimoto
素行 橋本
Junya Kaneda
潤也 金田
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

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  • Monitoring And Testing Of Nuclear Reactors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】発電プラントなどの構造材料の健全性を評価す
るために診断必要機器の選択から、その機器の劣化状況
及び将来の推移を実施し、予防保全の系統的実施を進め
る上で、定期検査の時間の短縮,構造物の高精度な余寿
命評価を行うことを目的としている。 【解決手段】各炉内機器の劣化ポテンシャルおよびその
劣化のメカニズムを評価し、詳細な点検を要する機器及
び部位を選定する1次診断装置と、炉内機器の劣化の進
行を含めた余寿命を予測する2次診断装置と、診断対象
機器及び部位に対する診断手法を決定し、非破壊的にま
たは破壊的に炉内機器の劣化を診断する3次診断装置か
らなる、原子炉炉内機器の複合診断システム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、原子力プラントな
どの機器材料の健全性を評価するために、現時点での機
器の劣化の状態を正確に把握し、さらに、機器の余寿命
を評価して原子力プラントの予防保全を系統的に実施す
るための診断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】構造材料の健全性を系統的に評価する手
法及びその装置については特開昭61−139743号公報に記
載されているように、構造材料の表面をビデオカメラで
観察し、その画像を画像解析システムにより演算処理す
る。その結果から最大き裂長さを求めて統計処理を行
い、その値に基づく余寿命評価を行う。また特開昭62−
245960号公報に記載されているように、余寿命評価の対
象部位を研磨等による前処理し、その部分について硬さ
測定やクリープキャビティの観察をすることによって余
寿命を評価する。また特開平1−248049号公報,特開昭6
3−114486号公報,特開平2−213764 号公報に記載されて
いるように、電磁コイル,超音波,SQUID等によって欠
陥を検出する技術である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
(1)従来技術による炉内構造物の検査及び劣化に対す
る診断方法は、予め規定された炉内構造物を超音波探傷
試験によって検査し、許容欠陥寸法以上の欠陥が検知さ
れた場合には補修,取替えを実施する。しかし、この方
法では、場合によっては劣化が進行しておらず検査の必
要がない位置でも検査を実施してしまうことになる。
【0004】(2)また許容欠陥寸法に到達した欠陥で
も、材料そのものの劣化が進行しておらず、検知された
欠陥に対して十分に耐えられる強度を有する場合もあ
る。これは、超音波探傷検査から得られる情報は、現在
のところき裂などの欠陥のサイズ,形状に限られてお
り、金属組織的なミクロな変化の情報,応力−歪み曲線
の変化等の機械的特性の情報は得られないからである。
【0005】(3)また従来の方法によると、損傷予防
・補修対策として施した予防保全が適切であるかどうか
の評価、さらに許容欠陥以下の微小な欠陥の今後の進展
予測について対応が得られない状況である。
【0006】(4)従来の方法によると、検査は一定期
間に経過後実施してきたが、状況によっては、検査期間
を長くしても問題ない場合や、逆に安全上検査期間を短
くする必要がある場合があるので、検査期間は評価対象
機器の状態に合わせて決定していく必要がある。このよ
うな検査に費やす時間は、プラント運転管理上できる限
り短縮する必要があるが、従来の方法では検査に費やす
時間は毎回同じである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題(1)及び
(4)を解決するために、原子炉の運転環境,使用年
数,機器データなどの条件を変数とした関数を用いて、
炉内機器及び部位の劣化のポテンシャルや過去のトラブ
ル事例データベースを基に評価し、各炉内機器及び部位
に予め規格しておいたしきい値よりもポテンシャルが高
い機器及び部位を抽出し、不必要な機器検査工程を省く
ことを可能にした。
【0008】また上記課題(2)を解決するために、材
料の材質劣化を診断するために、例えば非破壊的な方法
として、超伝導量子干渉素子,渦電流,電気化学的再活
性化法,金属組織観察,表面弾性波等を用いて、また未
破壊的な方法として、炉内機器から微小な試験片を採取
してきて、引張試験,疲労試験,破壊靱性試験などを評
価し、これらを組み合わせることにより材料の劣化をよ
り正確に、適切に診断することが可能になる。
【0009】また上記課題(3)を解決するために、材
料特性,使用環境条件を入力しある関数に代入し、シミ
ュレートすることによって、欠陥の進展状況を把握する
ことが可能になる。例えば破壊靱性値を評価する理論式
として KIC=σ0.2/(1−ν)(π(1+n)d(εf・E/σ0.2)1+n)1/2 …(数1) 等があり、基本材料特性ポアソン比ν,ヤング率E,降
伏応力σ0.2 に実機材から評価したデータである加工硬
化係数nを入力し、おおよそのKICを推測することによ
って、き裂の進展速度を推測すると同時に、次期検査の
最適な期間を決定することが可能である。
【0010】即ち、原子炉炉内機器材料の劣化状態を診
断し、炉内構造物の余寿命を診断する装置において、炉
内機器の材料劣化を設計データ,材料データ及び運転デ
ータから各炉内機器の劣化進行のポテンシャルを評価
し、診断評価を要する機器及び部位を選定する1次診断
装置と、1次診断装置の診断結果を基に診断評価を要す
る特定の炉内機器について現在までの劣化累積の推定と
今後の運転に伴う劣化進行の予測をシミュレーションで
きる2次診断装置とからなる間接的診断装置に、現時点
での機器の劣化の状態を正確に把握して間接的診断装置
の評価精度を向上させるため、診断対象機器及び部位あ
るいは、その近傍を非破壊的または未破壊的に炉内機器
の劣化を直接的に診断する3次診断装置を備えた原子炉
炉内機器の複合診断システムがある。
【0011】1次診断装置は、炉の運転条件,環境,使
用年数などの条件を変数とした関数を用いて、劣化のポ
テンシャル算定すると共に、過去のトラブル事例データ
ベースを用いて発生確率を加味し、各炉内機器及び部位
に予め規格しておいたしきい値よりもポテンシャルが高
い機器及び部位のみを抽出することができる。
【0012】2次診断装置は、炉水温度履歴,材料の化
学組成,照射環境等を変数とする応力腐食割れの劣化進
行の程度を評価する他、照射条件から照射硬化に基づく
破壊靱性値を理論的に評価でき、診断対象機器が劣化の
許容値に到達するまでの時間を予測することができる。
【0013】3次診断装置は、例えば診断対象機器とし
てBWRプラント内のシュラウドの溶接部における応力
腐食割れによる劣化ポテンシャルが高い場合、非破壊的
に診断する手法として超音波を用いてき裂長さのサイジ
ングを行うと同時に、超伝導量子干渉素子による材料内
の析出物の検出,シュラウドの一部を切取り、それを用
いて電気化学的再活性化率測定,破壊靱性評価,き裂進
展試験等の材料特性評価試験を実施することにより材料
の応力腐食割れに関する感受性を評価することができ
る。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例の全体構成
を図1及び図19に示し説明する。炉内構造物の複合診
断システムは、大きく分けると、各炉内機器の劣化ポテ
ンシャルを評価し、詳細な点検を要する機器及び部位を
選定する1次診断装置1と、炉内機器の劣化の進展を含
めた余寿命を予測する2次診断装置2と、診断対象機器
及び部位に対し、非破壊的にまたは未破壊的に炉内機器
の劣化を診断する3次診断装置からなる。1次診断装置
1及び2次診断装置2はワークステーション等のコンピ
ュータに搭載できるソフトを含むシステムである。
【0015】1次診断装置1の詳細を図2に示す。1次
診断装置1は、図2に示す診断対象機器・位置判定装置
11,材料データベース12,環境データベース13,
点検結果データベース14,劣化メカニズム診断装置1
5,ポテンシャル評価装置16から構成されている。診
断対象機器・位置判定装置11はプラントを構成する全
ての機器、及びその位置に関する情報を格納している。
本システムの使用者は、任意の機器及びその機器におけ
る任意の位置の選択が可能である。診断対象機器・位置
判定装置11で任意の位置を選択すると、次は、材料デ
ータベース12,環境データベース13,点検結果デー
タベース14の3つデータベースからデータが入力され
る。
【0016】これらの入力データ画面例を図3〜図6に
示し説明する。
【0017】材料データベース12は、図4に示すよう
に材料ファイルであり、主に、材料の化学組成,初期の
硬度,降伏強度,金属組織等の入力欄から構成される。
材料データベース12は、プラント建設時に測定された
データを用いるので、一度データを入力することによっ
て以後再入力する必要はない。
【0018】環境データベース13は図5に示すように
使用年数,環境変化,運転条件の入力欄から構成され
る。環境データベース13は、炉内構造材料の劣化状況
を決定する重要な要因である。使用年数はともかく、炉
内環境の変化,運転条件は常にモニタリングし、それら
のデータを環境データベース13に入力する。
【0019】点検結果データベース14は、図6に示す
ように前回の点検結果に関する情報を格納するところで
ある。例えば、前回までの材料特性の劣化状況,溶接,
熱処理等の材料履歴,前回の点検結果に基づいて実施し
た予防保全内容等である。
【0020】材料データベース12,環境データベース
13,点検結果データベース14の入力後、これらのデ
ータを基に劣化メカニズム診断装置15において、炉内
機器材料の劣化がどのようなメカニズムで進行している
のか判定する。例えば、シュラウドの溶接部においてき
裂が検出された場合、疲労によるき裂なのか、応力腐食
割れによるき裂なのか、それ以外の原因によるき裂なの
かを診断する。劣化メカニズムの診断基準は、材料デー
タベース12,環境データベース13,点検結果データ
ベース14の参照ファイルに含まれる過去のプラント事
例を照合して判定する。
【0021】材料データベース12,環境データベース
13,点検結果データベース14,劣化メカニズム診断
装置15の結果を基に、ポテンシャル評価装置16にお
いて炉内構造材料の劣化度を定量的に評価する。ポテン
シャル評価装置16においては、予め各メカニズムに基
づいたポテンシャル評価関数を定義しておく。さらにそ
のポテンシャルのしきい値を定義しておき、ポテンシャ
ルの高低に対応した今後の対応について決めておく。材
料データベース12,環境データベース13,点検結果
データベース14の入力値、およびメカニズムに基づい
た関数を用いて各機器の劣化ポテンシャルを求め、その
値を図6のように出力する。
【0022】2次診断装置2の内容を図7に示す。2次
診断装置2は1次診断装置1から、余寿命評価に必要な
パラメータであるき裂進展速度,破壊靱性値から求まる
許容欠陥をき裂進展シミュレータ31、または破壊靱性
シミュレータ32で計算する。き裂進展シミュレータ3
1、及び破壊靱性シミュレータ32で出力された結果を
基に余寿命評価シミュレータ33を用いて今後の劣化の
進展挙動を評価し、最終的にき裂が許容欠陥寸法に到達
するまでの時間を計算する。
【0023】3次診断装置3は図8に示す診断材料特性
選定21,試験方法選定22,試験・診断23からな
る。診断材料特性21は1次診断装置1の出力結果から
診断を必要とする機器材料のどの材料特性を評価するか
決定する。次に、試験方法選定23において、サンプリ
ング材による検査か、それとも非破壊的な検査が可能か
を決定する。ここで、試験方法の決定は、サンプリング
材による検査か非破壊的な診断方法か一つに決定するの
ではなく、対象となる機器の検査が両方の方法で可能で
あるならば、両方の方法で検査する。例えば、シュラウ
ドの母材部などにおいては、シュラウドの位置決めに使
用されたベンチマークパッドをサンプリングし、サンプ
リング材から検査を実施することが可能であると同時
に、非破壊的に、例えばSQUID等を使用して検査す
ることも可能である。
【0024】また、例えばシュラウドの溶接部等におい
ては、サンプリング材による検査は困難であるが、非破
壊的に超音波探傷等でのき裂の有無,材料劣化等の検査
が可能である。また、試験方法選定22においては同時
に、具体的にどのような検査を実施するか決定する。例
えば、2相ステンレス鋼製のバルブの劣化を非破壊的に
評価する場合は、SQUIDを用いて残留磁束密度を測
定する等である。3次診断装置3においては、最終的に
構造材料をサンプリング材による評価または非破壊的に
診断した結果を出力する。
【0025】図9〜図18に、シュラウドにおいて本発
明を適用した一例を示す。図9に全体の流れの内、1次
診断装置1の内容を示す。材料データベース12の入力
値として、シュラウド溶接部の初期材料特性は硬度Hv
0,初期降伏強度σy0であり、また粒界におけるCr
濃度の濃縮,欠乏は見られないことを入力する。環境デ
ータベース13としては、使用年数Y年,炉水の電気伝
導度がμy,電位差Epyプラントの出力変化の波Wを
入力する。また点検結果データベース14として、前回
の材料特性値,環境条件は材料の硬度をHv(y−1),
降伏強度σy(y−1),粒界のCr濃度の濃縮をCr
(y−1),使用年数をY−1,照射量をφy−1,炉水
の電気伝導度をμ(y−1)である。シュラウドにおける
IASCCの劣化ポテンシャルの評価は次式で評価でき
る。
【0026】 P(IASCC)=f(Hv0−Hv(y−1),σy−σy(y−1),μy −μ(y−1))−f(WJP) …(数2) ポテンシャルPの判定は、予め定めておいた基準値を用
いて、例えばPがP1より小さいときには点検する必要
なし、P1からP2では点検要、P2からP3では詳細
な点検要、P3以上では取替えが必要という形で、ラン
ク付けされている。(数2)式より求めたPIASCC
はP2<PIASCC<P3の範囲であった場合、点検
が必要となる。
【0027】2次診断装置2の破壊靱性シミュレータ3
1より対象部位の破壊靱性値を求めたため、照射硬化の
変化として耐力を計算した結果の出力例を図10に、さ
らにこの結果から破壊靱性値を求めた結果を図11に示
す。また、余寿命を決定するために必要なもう一つのパ
ラメータであるき裂進展速度は、き裂進展シミュレータ
32を用いて、前回の点検時の欠陥サイズを入力し、関
係式を導き出し計算する。この結果の出力例を図12に
示す。余寿命評価シミュレータ33において、破壊靱性
シミュレータ31,き裂進展シミュレータ32の結果を
一つのグラフにあわせ、2曲線が交わった位置が寿命で
あり、現在時間から寿命までの時間の差が余寿命であ
る。余寿命評価シミュレータ33の出力結果の一例を図
13に示す。
【0028】さらに、精度の高い判定が必要な場合に
は、3次診断装置3を実施する。図14に、3次診断装
置3の内容を示す。1次診断装置1及び2次診断装置の
出力結果から、対象部位における点検作業が必要である
と判定された場合には、IASCCを評価するのに必要
な主な材料特性値は、材料の硬度Hvy,降伏強度をσ
y(y),粒界のCr濃度の濃縮をCr(y),炉水の電気
伝導度μyである。また、構造物の許容欠陥寸法を決定
するために破壊靱性値JIC(y)を測定する必要がある。
従って、診断材料特性選定21の結果は、硬度Hvy,
降伏強度σy(y),粒界のCr濃度の濃縮Cr(y),破
壊靱性値JIC(y)となる。
【0029】これらの材料特性を評価する試験方法を試
験方法22で選択する。対象位置がシュラドの溶接部で
あるので、構造物に影響を与えないような小さな試験片
をサンプリングすることが可能である。また、非破壊的
にも検査が可能である。そこで、サンプリング材を採取
し、そこから破壊靱性値JIC(y)を小型の試験片から評
価し、また、粒界のCr濃度の濃縮をCr(y)をFE−
TEMを用いて評価する。欠陥のサイジング,破壊靱性
値JIC(y)は非破壊的にSQUIDから評価する。
【0030】これらの試験結果の一例を図15〜図17
に示す。破壊靱性値JIC(y)は図15に示すように試験
片破面のストレッチゾーンから評価している。Cr濃度
分布は図16に示すようにFE−TEMを用いて、nm
オーダーの分解能で検出する。また欠陥のサイジング,
破壊靱性値JIC(y)は図17に示すようにSQUIDの出力
である磁気パラメータ(残留磁気,保磁力等)から評価
する。
【0031】3次診断装置3により破壊靱性値JIC(y)
はサンプリング材の破壊靱性試験とSQUIDから直接
的に得られる。したがって、破壊靱性シミュレータ31
はこれらの結果をより真の値に近づけるために再度実施
する。FE−TEMで材料の組織を観察することにより
Cr濃度分布と同時に材料内の転位ループ密度σyが分
かる。また、破壊靱性試験時に降伏応力σy(y)も得ら
れる。これらのパラメータと(数1)式を用いて真の値
に近い破壊靱性値JIC(y)及び今後の推移を実測データ
で補正しながら計算することができる。図18にその補
正フローを示す。
【0032】これらの一連のデータは、診断機器選定シ
ステム1の点検結果データベース14に保存される。
【0033】本実施例を用いれば、炉内構造物の劣化状
況を診断するとき、どのような問題が、どの位置で発生
しているか全く分からない初めての定期点検時には、1
次診断装置及び2次診断装置により機器の損傷状態を予
測できる。
【0034】また、前回の点検時に微小なき裂が認めら
れたが、点検するのが非常に困難な位置、例えばシュラ
ウドの中間胴の狭隘部などは、劣化の進行状況,運転に
及ぼす影響,損傷の進展予想を計算し、実際の点検作業
の内容,期間周期を判定し、適正な管理により点検作業
時間の大幅な低減が図れる。
【0035】また、劣化の進行が進んでいる状態にある
機器が検出された場合、劣化程度を確認及び予測し、そ
の結果、取替えを要するような損傷が検出された場合、
必要な補修,取替え計画を迅速に実施できる。
【0036】
【発明の効果】本発明を用いることにより、プラントの
定期点検の時間を大幅に減少させ、さらにプラント構造
物の健全性評価及び余寿命評価を高精度に実施すること
が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例の複合診断システムを示す図。
【図2】診断機器及び部位を決定する1次診断装置を示
す図。
【図3】データベース入力メイン画面例を示す図。
【図4】材料データベースファイル例を示す図。
【図5】環境データベースのプラントデータファイル例
を示す図。
【図6】点検データベース画面例を示す図。
【図7】2次診断装置の構成を示す図。
【図8】3次診断装置の構成を示す図。
【図9】シュラドに本実施例を適用した1次診断装置の
フローを示す図。
【図10】2次診断装置で評価した照射硬化の出力結果
例を示す特性図。
【図11】2次診断装置で評価した破壊靱性値の出力例
を示す特性図。
【図12】2次診断装置で予測したき裂進展の結果例を
示す特性図。
【図13】余寿命診断結果例を示す特性図。
【図14】3次診断装置の適用実施例を示す図。
【図15】小型試験片による破壊靱性値測定結果例を示
す特性図。
【図16】FE−TEMによる出力結果を示す特性図。
【図17】SQUIDによる測定出力結果を示す特性
図。
【図18】破壊靱性値表評価フローを示す図。
【図19】本実施例の複合診断システムの構成概念図。
【符号の説明】
1…1次診断装置、2…2次診断装置、3…3次診断装
置、11…診断対象機器・位置判定装置、12…材料デ
ータベース、13…環境データベース、14…点検結果
データベース、15…劣化メカニズム診断装置、16…
ポテンシャル評価装置、21…診断材料特性選定、22
…試験方法、23…試験・診断、31…破壊靱性シミュ
レータ、32…き裂進展シミュレータ、33…余寿命評
価シミュレータ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 林 眞琴 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (72)発明者 橋本 素行 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 金田 潤也 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】原子炉炉内機器材料の劣化状態を診断し、
    炉内構造物の余寿命を診断する装置において、炉内機器
    の材料劣化を設計データ,材料データ及び運転データか
    ら各炉内機器の劣化進行のポテンシャルを評価し、診断
    評価を要する機器及び部位を選定する1次診断装置と、
    1次診断装置の診断結果を基に診断評価を要する特定の
    炉内機器について現在までの劣化累積の推定と今後の運
    転に伴う劣化進行の予測をシミュレーションできる2次
    診断装置とからなる間接的診断装置に、現時点での機器
    の劣化の状態を正確に把握して間接的診断装置の評価精
    度を向上させるため、診断対象機器及び部位あるいは、
    その近傍を非破壊的または未破壊的に炉内機器の劣化を
    直接的に診断する3次診断装置を備えたことを特徴とす
    る原子炉炉内機器の複合診断システム。
  2. 【請求項2】請求項1において、炉内機器の材料劣化を
    設計データ,材料データ及び運転データから各炉内機器
    の劣化進行のポテンシャルを評価し、診断評価を要する
    機器及び部位を選定する1次診断装置は、炉の運転条
    件,環境,使用年数などの条件を変数とした関数を用い
    て、劣化のポテンシャル算定すると共に、過去のトラブ
    ル事例データベースを用いて発生確率を加味し、各炉内
    機器及び部位に予め規格しておいたしきい値よりもポテ
    ンシャルが高い機器及び部位を抽出することを特徴とす
    る原子炉炉内機器の複合診断システム。
  3. 【請求項3】請求項1において、診断評価を要する特定
    の炉内機器について現在までの劣化累積の推定と今後の
    運転に伴う劣化進行の予測をシミュレーションできる2
    次診断装置は、炉水温度履歴,材料の化学組成,照射環
    境等を変数とする応力腐食割れの劣化進行の程度を評価
    する他、照射条件から照射硬化に基づく破壊靱性値を理
    論的に評価し、診断対象機器が劣化の許容値に到達する
    までの時間を予測することを特徴とする原子炉炉内機器
    の複合診断システム。
  4. 【請求項4】請求項1において、現時点での機器の劣化
    の状態を正確に把握して間接的診断装置の評価精度を向
    上させるため、診断対象機器及び部位あるいは、その近
    傍を非破壊的または未破壊的に炉内機器の劣化を直接的
    に診断する3次診断装置は、非破壊的に診断する手法と
    して超音波を用いてき裂長さのサイジングを行うと同時
    に、超伝導量子干渉素子による材料内の析出物の検出,
    破壊靱性値や降伏応力等の機械的特性の推定、また、対
    象部位の一部を切取り、それを用いて電気化学的再活性
    化率測定,破壊靱性評価,き裂進展試験等の材料特性評
    価試験を実施することにより材料の応力腐食割れに関す
    る感受性を評価することを特徴とする原子炉炉内機器の
    複合診断システム。
JP9176786A 1997-07-02 1997-07-02 原子炉炉内機器の複合診断システム Pending JPH1123776A (ja)

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