JPH11236695A - 電気めっきの付着量制御方法及びその装置 - Google Patents

電気めっきの付着量制御方法及びその装置

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JPH11236695A
JPH11236695A JP5602998A JP5602998A JPH11236695A JP H11236695 A JPH11236695 A JP H11236695A JP 5602998 A JP5602998 A JP 5602998A JP 5602998 A JP5602998 A JP 5602998A JP H11236695 A JPH11236695 A JP H11236695A
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plating
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electroplating
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JP5602998A
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Michinori Orino
道法 折野
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Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 めっき付着量の制御を遅れの少ない高応答制
御系により行って、めっき処理される鋼帯のめっき品位
や製品歩留を改善することのできる電気めっきの付着量
制御方法及びその装置を提供する。 【解決手段】 めっき処理する鋼帯11を複数のめっき
タンク14に連続的に供給し、めっきタンク14毎にめ
っき電流を流して目標めっき付着量となるめっき被膜を
形成させる電気めっきの付着量制御方法において、鋼帯
11上に制御対象領域を設定して、制御対象領域が通過
するめっきタンク14毎に付加される電気量の積算値か
ら、めっき処理後における制御対象領域の推定めっき付
着量を演算し、めっきタンク14毎に流すめっき電流を
調整して推定めっき付着量を目標めっき付着量に制御す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋼帯の表面にクロ
ム、ニッケル、錫、亜鉛等のめっき被膜を連続的に形成
させる電気めっきラインにおける電気めっきの付着量制
御方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電気めっきラインにおける目標めっき付
着量の変更(目付量変更)やめっきタンクの切替等に伴
う操作変更及び操業時における漏れ電流等の変動要素
は、めっき付着量の精度、疵や汚れの有無、光沢等によ
って評価されるめっき品位や、製品歩留に大きな影響を
与える因子である。このような電気めっきラインにおけ
る電気めっきの制御方法として、供給される鋼帯のライ
ン速度から所定のめっき付着量を得るのに必要なトータ
ルめっき電流を求め、これをめっき電流を供給する各タ
ンクの整流器に分配してめっき処理を行う方法が提案さ
れていた。また、従来のめっき付着量の制御において
は、電気めっきラインの最終のめっきタンクから離れた
位置にめっき付着量計を設置し、ここでめっき処理され
た鋼帯のめっき付着量を測定し、このめっき付着量を所
定の目標めっき付着量に調整する操作がなされていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、近年の
薄めっき化、多層めっき化、高速めっき化及び低コスト
化の傾向にあっては、めっき処理をトータルめっき電流
に基づいて制御する従来の方法では、各めっきタンクで
のめっき条件の最適化が困難であり、鋼帯のめっき品位
や製品歩留の低下が生じるという問題があった。また、
最終のめっきタンクから離れた位置の搬送ライン上でめ
っき付着量を測定して、この測定されためっき付着量に
基づいて制御を行う方法では、大きな時間遅れ(無駄時
間)が生じるために、ライン速度が遅くなるなど無駄時
間の影響が大きくなり、高応答性の制御系の実現は困難
である。このため、特に目付量変更時、タンク切替時、
ライン速度の加減速時や整流器の漏れ電流発生時等に
は、これらの変動への応答が遅れるために、目付不良や
製品歩留の低下を助長するという問題があった。本発明
はこのような事情に鑑みてなされたもので、めっき付着
量の制御を遅れの少ない高応答制御系により行って、め
っき処理される鋼帯のめっき品位や製品歩留を改善する
ことのできる電気めっきの付着量制御方法及びその装置
を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記目的に沿う請求項1
記載の電気めっきの付着量制御方法は、めっき処理する
鋼帯を複数のめっきタンクに連続的に供給し、該めっき
タンク毎にめっき電流を流して目標めっき付着量となる
めっき被膜を形成させる電気めっきの付着量制御方法に
おいて、前記鋼帯上に制御対象領域を設定して、該制御
対象領域が通過する前記めっきタンク毎に付加される電
気量の積算値から、めっき処理後における前記制御対象
領域の推定めっき付着量を演算し、前記めっきタンク毎
に流すめっき電流を調整して前記推定めっき付着量を前
記目標めっき付着量に制御する。請求項2記載の電気め
っきの付着量制御方法は、請求項1記載の電気めっきの
付着量制御方法において、前記複数のめっきタンクを通
過した前記制御対象領域で測定される測定めっき付着量
と前記目標めっき付着量との差を用いて前記推定めっき
付着量を補正する。請求項3記載の電気めっきの付着量
制御方法は、請求項1又は2記載の電気めっきの付着量
制御方法において、前記電気量の積算値が前記鋼帯を前
記めっきタンクに搬送するライン速度をパラメータとす
るめっき付着量関数によって決定され、該めっき付着量
関数は前記めっきタンク毎の最適めっき条件を設定する
ことにより実験により定められる。請求項4記載の電気
めっきの付着量制御装置は、めっき処理する鋼帯を複数
のめっきタンクに連続的に供給し、該めっきタンク毎に
めっき電流を流して、最終的に目標めっき付着量となる
めっき被膜を形成させる電気めっきの付着量制御装置に
おいて、前記鋼帯上の制御対象領域が通過する前記めっ
きタンク毎に該制御対象領域に付加される電気量の積算
値を算出する電流履歴演算器と、該積算値を用いてめっ
き処理後の推定めっき付着量を演算する付着量演算器
と、前記めっきタンク毎に流すめっき電流を調整して前
記推定めっき付着量を前記目標めっき付着量に制御する
制御装置とを有する。
【0005】鋼帯とは、ステンレス鋼、普通鋼等からな
る帯状に形成された薄板をいい、この鋼帯のめっき処理
とは、この表面にクロム、ニッケル、錫、亜鉛等の電気
めっき被膜を形成させるための電気めっきラインにおけ
る連続処理をいう。制御対象領域とは、各めっきタンク
に連続的に供給される鋼帯上に仮想的に設定される領域
であって、この領域を対象として、鋼帯にめっきされる
めっき付着量(推定めっき付着量)を算出したり、セン
サを用いて実際にその領域の鋼帯にめっきされためっき
付着量(測定めっき付着量)を測定する操作が行われる
領域をいう。制御対象領域が通過するめっきタンク毎に
付加される電気量、即ち最初からk番目に配置されため
っきタンクで制御対象領域の単位面積当たりに付加され
る電気量Qk は、各めっきタンクにおける電流密度と制
御対象領域がめっきタンク内を移動する通過時間との積
又は時間の積分で表される。従って、制御対象領域が通
過した時点においてめっきタンクに流れるめっき電流i
k 、制御対象領域がめっきタンクを通過する通過時間t
k 、めっきタンク内の鋼帯の長さをLk 及び幅設定値を
bとすると、電気量Qk は、Qk =ik /(b×Lk
×tk =∫ik /(b×Lk )dtとして求められ、こ
れら電気量の積算値は制御対象領域が通過するn個のめ
っきタンク毎の総和(ΣQk =Q1 +・・+Qk ・・+
n )である。また、各めっきタンクに搬送される鋼帯
のライン速度をVとすると前記各通過時間tk はtk
k /Vとなって、電気量Qk の積算値ΣQk は、ΣQ
k =Σ(ik /(b×V))として表記されるライン速
度Vの関数である。なお、ライン速度Vがその時点の各
めっきタンク毎に変動するような場合には、めっきタン
ク毎におけるライン速度Vk を個々に設定して、ΣQk
=Σ(ik/(b×Vk ))を適用することもできる。
ライン速度Vとめっき電流ik との最適対応関係は、連
続して配置された個々のめっきタンク毎に設定され、め
っき効率やめっき品位等を最良の状態に維持させるため
のめっき処理条件(最適めっき条件)として設定でき
る。具体的には特定のライン速度とめっき電流の組み合
わせの下で実験を行って得られるめっき効率や、めっき
品位のデータを整理、評価することによって定めること
ができる。
【0006】本発明においては、電気めっきの付着量制
御におけるめっき付着量を、各めっきタンクの電流履歴
から推定演算し、これを用いてめっき付着量を制御する
ので、従来の制御系を用いる場合のように無駄時間がな
く、速い応答性を持った制御系を実現でき、鋼帯のめっ
き品位や製品歩留を改善することができる。さらに、め
っき付着量を実際に測定して、これにより推定めっき付
着量を更正して、めっき付着量の精度等のめっき品位を
さらに良好に保つこともできる。また、目付変更やタン
ク切替に際しても、次の設定状態に適切に移行でき、こ
の変動に伴う目付不良や製品歩留の低下を最少限度に抑
制することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】続いて、添付した図面を参照しつ
つ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発
明の理解に供する。ここに図1は本発明の一実施の形態
に係る電気めっきの付着量制御方法を適用する電気めっ
きラインの説明図、図2は同電気めっきラインを制御す
る電気めっき制御系のブロック図、図3はトータルめっ
き電流とライン速度との関係を示した模式図である。
【0008】本発明の一実施の形態に係る電気めっきの
付着量制御方法を適用する電気めっきライン10は図1
に示すように、めっき処理する鋼帯11をコンダクタロ
ール12を介してめっき液13中に浸漬させて、めっき
処理を行うためのめっきタンク14を複数組(n組)有
して構成されている。各めっきタンク14は、めっき液
13を保持するためのタンク本体15と、タンク本体1
5内に設けられ、鋼帯11の表裏側に対向して配置され
た一対の入側めっき電極16、17及び出側めっき電極
18、19と、タンク本体15内の下部に設けられ、供
給される鋼帯11を浸漬させて引き上げるためのシンク
ロール20と、入側めっき電極16、17及び出側めっ
き電極18、19にそれぞれめっき電流を供給するため
の整流器21とを有している。
【0009】整流器21は、各コンダクタロール12を
負極とし、各めっき電極16〜19をそれぞれ正極とし
て設定される各回路にめっき電流を供給する装置であ
り、これによって、各めっきタンク14を通過する負に
帯電された鋼帯11にめっき電流で付加される電気量に
応じた厚さのめっき被膜が形成される。それぞれの整流
器21毎のめっき電流の大きさは図2に示す電気めっき
の付着量制御装置の一例である電気めっき制御系30に
よって制御されるようになっている。なお、各コンダク
タロール12とめっき電極16〜19は、その正負を変
更したり、又は、交互に切り換えて必要なケミカル処理
等を行うこともできる。
【0010】電気めっき制御系30は、めっき処理条件
の変更前における制御を担当する制御装置の一例である
第1の制御系30aと、変更後の制御を行うための制御
装置の一例である第2の制御系30bと、鋼帯11に付
加されるめっき条件の履歴から推定めっき付着量を演算
して第1及び第2の制御系30a、30bにフィードバ
ックして補正するための第3の制御系30cとを有して
いる。そして、第1の制御系30aは、めっき処理後の
鋼帯11の測定めっき付着量Ct を検出するための付着
量検出器31と、目標めっき付着量C0 及びめっき効率
の同定値Nとが必要に応じて入力され、補正されためっ
き効率を出力するための付着量制御器31aと、予め入
力されるめっき条件の変更前の目標めっき付着量C0
応じてライン速度を設定するための速度関数器32と、
測定めっき付着量Ct と目標めっき付着量C0 とを比較
演算するための付着量フィードバック制御器33と、ラ
イン速度V0 及び板幅設定値b0 が入力され、めっき効
率η0 を設定するためのめっき効率ゲイン設定器34
と、電気めっきライン10の目標全電流を演算するため
の全電流演算器35と、電気めっきライン10の全めっ
き電流(トータルめっき電流)を取得するための全電流
加算器36と、取得された全めっき電流と目標全電流と
を比較して目標全電流を補正するための全電流制御器3
7とを備えている。さらに、第1の制御系30aは、各
整流器21に指示するめっき電流の総和と前記目標全電
流とを比較して全めっき電流を設定するための収束演算
器38と、各整流器21毎に全めっき電流を分配するた
め比例配分器39と、ライン速度V0 に応じた最適めっ
き電流を設定して各整流器21に指示するための速度関
数器40と、各整流器21毎の最適めっき電流値を加算
して総和を求め、前記収束演算器38に入力するための
電流加算器41とを有している。
【0011】第2の制御系30bは、前記第1の制御系
30aのめっき効率ゲイン設定器34、全電流演算器3
5、収束演算器38、比例配分器39、速度関数器4
0、電流加算器41とそれぞれ同一の機能を有するめっ
き効率ゲイン設定器34a、全電流演算器35a、収束
演算器38a、比例配分器39a、速度関数器40a、
電流加算器41aが図2に示すように配置されている。
ここでは、めっき処理条件変更後の新たに設定される目
標めっき付着量である目付量C1 、ライン速度V1 、板
幅設定値b1 等の設定データがめっき効率ゲイン設定器
34aに入力されて、以降の演算が行われ、各速度関数
器40aから対応する各整流器21に変更後のめっき電
流の設定値が所定のタイミングで指示され、整流器21
を介して各めっき電極16〜19に所定のめっき電流が
供給されるようになっている。
【0012】第3の制御系30cは、鋼帯11上の制御
対象領域が通過するめっきタンク14毎の電気量を測定
して、制御対象領域に付加される電気量の積算値を演算
する電流履歴演算器42と、該積算値からめっき処理後
の推定めっき付着量を演算するための付着量演算器43
と、付着量演算器43からそれぞれ出力されるめっき効
率の同定値Nを取り込んで平均めっき効率をめっき効率
ゲイン設定器34、34aにフィードバックさせるため
の効率同定器44とを有し、さらに全電流加算器36か
ら出力される全めっき電流値を別に入力されるライン速
度Vのデータから適正な全めっき電流値に補正し、この
補正値を全電流演算器35、35aに入力するための速
度電流関数器45を備えている。そして、前記推定めっ
き付着量が前記第1及び第2の制御系30a、30bで
処理され、めっきタンク14毎に流すめっき電流を調整
して推定めっき付着量が目標めっき付着量となるように
制御される。
【0013】続いて前記電気めっき制御系30を用いて
制御される電気めっきライン10に適用する本発明の一
実施の形態に係る電気めっきの付着量制御方法について
説明する。まず、第1の制御系30aにおいて、鋼帯1
1の目標めっき付着量(全目付設定量)C0 、めっき定
数Kc 、板幅設定値b0 、ライン速度V0 、めっき効率
η0 、付着量制御補正値ΔIcont及びフィードバック制
御補正値ΔIFBを設定することにより、下式(1)を用
いてめっき処理条件の変更前の全めっき電流It0の指令
値を算出することができる。 It0=C0 ×Kc ×b0 ×V0 /η0 +ΔIcont+ΔIFB・・・(1) なお、付着量制御補正値ΔIcontは、複数の各めっきタ
ンクで構成される電気めっきライン10の特性に応じて
実験的に定められる定数である。フィードバック制御補
正値ΔIFBは、めっき付着量検出器31を用いて測定さ
れる鋼帯11の測定めっき付着量Ct と目標めっき付着
量C0 との差(C0 −Ct )に応じて、付着量フィード
バック制御器33を用いて設定することのできる補正値
であり、例えば実験によりめっき品位等を最適化して得
られる定数k及び時間tの積分を用いて、ΔIFB=k・
∫(C0 −Ct )dtのように定めることができる。
【0014】また、めっき処理が、鋼帯11上にクロム
層と酸化クロム層とを順次それぞれ所定量となるように
形成させる多層めっき処理である場合には、各めっきタ
ンク14毎のめっき条件をそれぞれ別個に設定すること
によって、各段階での固有のめっき化学反応を制御する
ことが必要になる。さらに、このような多層めっき処理
において、板幅設定値bの変更や、めっき液13の交換
のためにめっきタンク14を切り換えて操業を行うよう
な場合にも、相互に関連しあう各めっきタンク14毎の
めっき状態を的確、かつ精密に制御する必要があり、本
発明においてはこのような全めっき電流It0の指令値を
用いて適正な制御を行うようにしている。
【0015】このようにして前記(1)式に定められる
めっき処理条件変更前の全めっき電流It0の指令値は、
(1)式の設定を行う速度関数器32、付着量制御補正
値ΔIcont、フィードバック補正値ΔIFBを算出する付
着量フィードバック制御器33、めっき効率η0 を設定
するめっき効率ゲイン設定器34、及びこれらを用いて
最終的に全めっき電流It0の指令値を設定する全電流演
算器35を用いて算出することができる。次に、この全
めっき電流It0の指令値と全電流加算器36で検出され
る各整流器21の全めっき電流とを全電流制御器37に
入力して補正を行い、必要に応じてその差分を収束演算
器38にかけて最終的な全めっき電流の指令値を決定す
る。
【0016】なお、収束演算器38においては、電流加
算器41により取得されるめっき電流の総和を、鋼帯1
1の目標全電流指令値と、出力される前の電流指令値の
総和との差分を用いて必要に応じて補正を行うことがで
きる。そして、この補正された全めっき電流を、各比例
配分器39を用いて補正前の各めっき電流の比率に応じ
て各整流器21毎に配分することもできるようになって
いる。本実施の形態においては、この測定めっき付着量
t を用いる代わりに、第3の制御系30cを介して取
得される推定めっき付着量Ce を用いて同様な制御演算
を行うものである。これによって、測定めっき付着量C
t を用いて直接制御を行う場合に較べて、制御における
無駄時間がなくなり、応答性に優れた制御系が構成さ
れ、制御の遅れによって生じるめっき品位、製品歩留の
低下を効果的に抑制することができる。また、測定めっ
き付着量Ct と目標めっき付着量C0 との差を用いて推
定めっき付着量Ce を補正することもでき、前記応答性
に加えて、より精密な制御を実現することもできる。こ
のように、収束演算器38には電流加算器41から各整
流器21毎のめっき電流の総和がフィードバック入力さ
れ、この値が前記収束演算器38における補正計算に再
度反映されるようになっている。そして、各めっき電極
16〜19の整流器21に対応する比例配分器39、速
度関数器40によって、各整流器21毎の適正めっき電
流値を算出することができる。こうして求められるめっ
き電流が、各めっき電極16〜19に供給されるように
各整流器21が制御される。そして、最終的な全めっき
電流が全電流加算器36によって算出され、前記全電流
制御器37又は収束演算器38にフィードバックされ、
電気めっきライン10のトータルのめっき処理が安定的
に維持されるようになっている。
【0017】次に、目付量、タンク切替等のめっき処理
条件の変更に対応して、第2の制御系30bを用いて各
めっきタンク14に供給するめっき電流の設定値を決定
する方法について説明する。なお、第2の制御系30b
における各動作は前記第1の制御系30aの対応する各
部の動作と同様であるので詳しい説明は省略する。ここ
では、まず、めっき処理条件の変更に対応してライン速
度V1 、板幅設定値b1 、目標めっき付着量C1 等を新
たに設定し、めっき効率ゲイン設定器34a及び全電流
演算器35aにおいて、これらの定数を前記(1)式に
0 →V1、C0 →C1 、b0 →b1 、η0 →η1 とな
るように代入演算して、めっき処理条件変更後の全めっ
き電流をIt0→It1として算出することができる。そし
て、収束演算器38a、比例配分器39a及び速度関数
器40aを用いて、前記全めっき電流It1を各整流器2
1毎に配分できる。この配分された設定値をライン速度
Vに同期させて変更し、設定値の変更を行うめっきタン
ク14毎に順次切り換えることもできる。即ち、鋼帯1
1上にあるめっき処理条件の変更開始点を含む鋼帯11
の部分を制御対象領域として、この制御対象領域が該当
するめっきタンク14に到着した時点にタイミングを合
わせて、トラッキング信号を各整流器21等に発信し
て、めっき電流を新たに設定された各設定値に順次変更
するようにする。これによって、このめっき処理条件の
変更による影響が変更開始点の前後に波及するのを最少
限度に抑制することが可能になる。
【0018】第3の制御系30cにおいては、電流履歴
演算器42を用いて制御対象領域の通過する各めっきタ
ンク14毎のめっき電流の履歴から電気量の演算を行っ
て、該電気量の積算値が付着量演算器43を用いて演算
され、ライン速度をパラメータとするめっき付着量関数
を有する速度電流関数器45に、ライン速度Vやめっき
効率の同定値N等が入力されて推定めっき付着量が決定
されるようになっている。このめっき付着量関数はめっ
きタンク14毎の最適めっき条件を設定することにより
実験により定めることができる図3に示すような関数で
ある。なお、図2の第3の制御系30cにおけるライン
速度V、板幅設定値bは、それぞれV0、V1 とb0
1 の何れかを表している。
【0019】このようにして、各めっきタンク14毎の
めっき処理状態が、目付変更やタンク切替のめっき操業
の変動に応じて無駄時間のない状態で適正に設定される
ので、めっき付着量の精度や光沢等のめっき品位が良好
に維持され、目付不良による製品歩留の低下が改善され
る。また、多層めっき処理の際における酸化クロム層の
生成など、めっき生成の化学反応を効果的に制御し、か
つ目標めっき付着量を所定範囲に設定する自由度を確保
することができる。
【0020】以上、本発明の実施の形態を説明したが、
本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではな
く、要旨を逸脱しない条件の変更等は全て本発明の適用
範囲である。例えば、本実施の形態においては、全めっ
き電流の指令値を特定の関係式(1)を用いて算出した
が、これは一例であって本発明はこの関係のものに限定
されることなく適用することができるのは勿論である。
【0021】
【発明の効果】請求項1〜3記載の電気めっきの付着量
制御方法においては、鋼帯上の制御対象領域が通過する
めっきタンク毎に付加される電気量の積算値から推定め
っき付着量を演算するので、無駄時間のない制御系を実
現できる。そして、めっきタンク毎に流すめっき電流を
調整して推定めっき付着量を目標めっき付着量に制御す
るので、時間遅れに伴うめっき品位や製品歩留の低下を
防止できる。特に、請求項2記載の電気めっきの付着量
制御方法においては、複数のめっきタンクを通過した制
御対象領域で測定される測定めっき付着量と目標めっき
付着量との差を用いて推定めっき付着量を補正するの
で、さらに精度良くかつ効果的にめっき付着量の制御を
行うことができる。また、請求項3記載の電気めっきの
付着量制御方法においては、電気量の積算値がライン速
度をパラメータとするめっき付着量関数によって決定さ
れ、めっき付着量関数はめっきタンク毎の最適めっき条
件を設定することにより実験により定められるので、ラ
イン速度によって変動する最適めっき条件の関係をめっ
き付着量の制御条件にフィードバックさせて、さらに正
確かつ効果的にめっき付着量の制御を行うことができ
る。この結果、付着量の精度、疵、光沢、汚れ等のめっ
き品位を保ち、目付量変更やタンク切替時の目付不良
や、製品歩留を改善でき、近年の薄めっき化、多層めっ
き化、高速めっき化に充分に対応して更にめっきの低コ
スト化を実現できる。請求項4記載の電気めっきの付着
量制御装置においては、鋼帯上の制御対象領域が通過す
るめっきタンク毎の電気量を演算する電流履歴演算器
と、制御対象領域に付加される電気量の積算値からめっ
き処理後の推定めっき付着量を演算する付着量演算器
と、めっきタンク毎に流すめっき電流を調整して推定め
っき付着量を目標めっき付着量に制御する制御装置とを
有するので、めっき直後の付着量をめっき電流の履歴か
ら推定することで無駄時間による遅れをなくして、高応
答なめっき付着量の制御を行うことができ、めっき処理
される鋼帯のめっき品位や製品歩留を改善することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る電気めっきの付着
量制御方法を適用する電気めっきラインの説明図であ
る。
【図2】同電気めっきラインを制御する電気めっき制御
系のブロック図である。
【図3】トータルめっき電流とライン速度との関係を示
した模式図である。
【符号の説明】
10 電気めっきライン 11 鋼帯 12 コンダクタロール 13 めっき液 14 めっきタンク 15 タンク本
体 16 入側めっき電極(表) 17 入側めっ
き電極(裏) 18 出側めっき電極(表) 19 出側めっ
き電極(裏) 20 シンクロール 21 整流器 30 電気めっき制御系 30a 第1の
制御系(制御装置) 30b 第2の制御系(制御装置) 30c 第3の
制御系 31 付着量検出器 31a 付着量
制御器 32 速度関数器 33 付着量フ
ィードバック制御器 34 めっき効率ゲイン設定器 34a めっき
効率ゲイン設定器 35 全電流演算器 35a 全電流
演算器 36 全電流加算器 37 全電流制
御器 38 収束演算器 38a 収束演
算器 39 比例配分器 39a 比例配
分器 40 速度関数器 40a 速度関
数器 41 電流加算器 41a 電流加
算器 42 電流履歴演算器 43 付着量演
算器 44 効率同定器 45 速度電流
関数器

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 めっき処理する鋼帯を複数のめっきタン
    クに連続的に供給し、該めっきタンク毎にめっき電流を
    流して目標めっき付着量となるめっき被膜を形成させる
    電気めっきの付着量制御方法において、 前記鋼帯上に制御対象領域を設定して、該制御対象領域
    が通過する前記めっきタンク毎に付加される電気量の積
    算値から、めっき処理後における前記制御対象領域の推
    定めっき付着量を演算し、前記めっきタンク毎に流すめ
    っき電流を調整して前記推定めっき付着量を前記目標め
    っき付着量に制御することを特徴とする電気めっきの付
    着量制御方法。
  2. 【請求項2】 前記複数のめっきタンクを通過した前記
    制御対象領域で測定される測定めっき付着量と前記目標
    めっき付着量との差を用いて前記推定めっき付着量を補
    正する請求項1記載の電気めっきの付着量制御方法。
  3. 【請求項3】 前記電気量の積算値が前記鋼帯を前記め
    っきタンクに搬送するライン速度をパラメータとするめ
    っき付着量関数によって決定され、該めっき付着量関数
    は前記めっきタンク毎の最適めっき条件を設定すること
    により実験により定められる請求項1又は2記載の電気
    めっきの付着量制御方法。
  4. 【請求項4】 めっき処理する鋼帯を複数のめっきタン
    クに連続的に供給し、該めっきタンク毎にめっき電流を
    流して、最終的に目標めっき付着量となるめっき被膜を
    形成させる電気めっきの付着量制御装置において、 前記鋼帯上の制御対象領域が通過する前記めっきタンク
    毎に該制御対象領域に付加される電気量の積算値を算出
    する電流履歴演算器と、該積算値を用いてめっき処理後
    の推定めっき付着量を演算する付着量演算器と、前記め
    っきタンク毎に流すめっき電流を調整して前記推定めっ
    き付着量を前記目標めっき付着量に制御する制御装置と
    を有することを特徴とする電気めっきの付着量制御装
    置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010202950A (ja) * 2009-03-05 2010-09-16 Nippon Steel Engineering Co Ltd 電気メッキ電流制御方法

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