JPH11235386A - 拡張バルーンカテーテル - Google Patents

拡張バルーンカテーテル

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JPH11235386A
JPH11235386A JP10135024A JP13502498A JPH11235386A JP H11235386 A JPH11235386 A JP H11235386A JP 10135024 A JP10135024 A JP 10135024A JP 13502498 A JP13502498 A JP 13502498A JP H11235386 A JPH11235386 A JP H11235386A
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JP
Japan
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balloon
catheter
balloon catheter
papilla
vater
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Application number
JP10135024A
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English (en)
Inventor
Akira Saito
晃 斎藤
Haruhiko Masuda
春彦 増田
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Bakelite Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ファーター乳頭に直接誘導し、挿入すること
が可能なバルーンカテーテルを提供し、EPBDに関わ
る諸操作の簡便化をはかるとともに、EPBDを術者単
独でも実施可能な手技とする。 【解決手段】 前方部にバルーンが付設され、長さ方向
に貫通する第1ルーメンとバルーン内部に開口する第2
ルーメンを有する可撓性チューブ1の先端に別の可撓性
チューブ2よりなる先端チップを接合したカテーテルシ
ャフトとからなるバルーンカテーテルであって、バルー
ン前方には長さ20〜60mmのチューブ2よりなる誘
導部を有し、少なくとも該誘導部の先端を含むカテーテ
ルの前方部が5〜20cmの半径を有する円弧状にカー
ブしている拡張バルーンカテーテル。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は経内視鏡的に挿入し
て、総胆管結石等の治療を行うための拡張バルーンカテ
ーテルに関する。
【0002】
【従来の技術】胆石症は、肝臓、胆嚢、総胆管等に胆石
が発生し、炎症等の症状が発生する病気であり、胆石の
発生する部位により肝内結石、総胆管結石、胆嚢結石等
の名称を有する。総胆管結石は肝臓から分泌された胆汁
の通り道である総胆管に胆石が発生したもので、胆石に
より総胆管が閉塞すると黄疸となったり、可及的速やか
なるドレナージ、結石除去を行わなければ細菌感染によ
る化膿性胆管炎を起こし、死に至る場合もある。
【0003】旧来、総胆管結石の治療手段は開腹手術が
主であり、胆石を有する患者にとっては大きな負担とな
っていた。しかし、近年、技術の発達により、内視鏡を
使用した開腹を行わない低侵襲治療手段が開発されてき
た。総胆管結石の内視鏡的療法のひとつである内視鏡的
乳頭切開術(以下ESTと略す)は、総胆管の十二指腸
への開口部があるファーター乳頭を結石摘出ができる程
度に高周波メス(パピロトーム)で切開して、総胆管内
の結石を十二指腸内に取り出す方法で、現在広く普及し
ている。しかし、この方法はファーター乳頭にメスを入
れて切開するため、切開する位置や方向、切開の程度を
誤ると、動脈性の大出血や、十二指腸穿孔等の合併症が
発生するという欠点を有する。さらに、これらの合併症
には緊急開腹手術が必要になるため、患者の負担は開腹
術となんら変わらなくなってしまう。
【0004】内視鏡的乳頭バルーン拡張術(以下EPB
Dと略す)はESTの欠点を克服するために考案された
といってよい。この方法では、バルーンカテーテルを使
用してファーター乳頭を拡張する。すなわち、ファータ
ー乳頭を切開するのではなく、経内視鏡的にファーター
乳頭にバルーンを配置した後に、バルーンを高圧で膨張
して結石摘出ができる程度にファーター乳頭の開口部を
拡大しようとするものである。この方法は切開を伴わな
いため、ESTの欠点であった合併症の発生は皆無とな
り、ファーター乳頭の機能を温存できるというメリット
を有している。さらに、胆道鏡等を使用した検査等、結
石摘出以外の症例に対しても、前述したESTでは患者
の侵襲が大きく、合併症のリスクが問題であるが、EP
BDは安全かつ効果的な方法として適用が始まってい
る。しかし、その反面、EPBDはバルーンカテーテル
の構造的な欠陥により、挿入操作方法が煩雑であり、術
者以外に複数の補助者が必要という欠点を有していた。
ここで、図を使用してバルーンカテーテルの挿入方法を
詳細に説明し、本発明が解決しようとする問題点を明確
にする。
【0005】図1は、バルーンカテーテルと、バルーン
挿入時の内視鏡とファーター乳頭の位置関係を示す図、
図2のa〜dはバルーンカテーテルをファーター乳頭に
挿入するための手順を示す図である。ファーター乳頭
(5)は十二指腸下行脚後壁に位置しているため、ここ
へのアプローチには、先端側方に鉗子孔出口(10)、
対物レンズ(11)もしくはCCDカメラ(電子スコー
プ)を有するタイプの内視鏡が使用される。術者はバル
ーンカテーテル(6)を鉗子孔(12)に通し、対物レ
ンズ(11)を通して得られる内視鏡画像を観察して、
鉗子孔出口(10)から出たバルーンカテーテル(6)
の先端(9)をファーター乳頭(5)に誘導しようとす
る。バルーン(7)は完全に収縮してカテーテルシャフ
トに巻き付けられた状態(以後ラッピングという)で保
持されて鉗子孔(12)に挿通されるが、いかにうまく
バルーンをラッピングしたとしても、バルーンの構造
上、ラッピングの戻りによるバルーン部の嵩張りが発生
してしまう。
【0006】図1より明らかなように、バルーン(7)
の嵩張りは、対物レンズ(11)から得られる視界を狭
めてしまい、先端(9)とファーター乳頭(5)を十分
に確認できない不具合が発生する。また、鉗子孔出口
(10)とファーター乳頭(5)の隙間は、このタイプ
の内視鏡の最小可視距離である10mmに設定されるの
に対し、バルーン(7)の長さが25〜30mmである
ため、バルーン(7)が鉗子孔出口(10)にかかり、
挿入操作性が著しく損なわれる不具合が同時に発生す
る。このため、バルーンカテーテル(6)を直接ファー
ター乳頭に挿入するのは難しく、術者は以下に述べる煩
雑な手技を実施しなければならない。
【0007】まず、術者はERCPカテーテル(内視鏡
的逆行性胆管膵管造影用カテーテル)(2)をファータ
ー乳頭(5)に挿入する(図2−a)。ERCPカテー
テル(2)の全長は、内視鏡の有効長(1.0〜1.4
m)よりも長く、一般的には、処置等を行う先端部と処
置操作を実行する基端部に余裕を持たせるために、少な
くとも1.8mの長さを有する。これはERCPカテー
テルに限らず、バルーンカテーテル(6)をはじめ、経
内視鏡的に挿入する医療用具すべてに共通する。
【0008】次に、術者はERCPカテーテル(2)の
内腔に、少なくともその2倍の長さを有するガイドワイ
ヤー(4)を挿通し、先端をファーター乳頭(5)に到
達させる(図2−b)。この時、ガイドワイヤー(4)
の後方部は、内視鏡(1)およびERCPカテーテル
(2)に挿通されない状態で保持される。この後、ER
CPカテーテル(2)を抜去し(図2−c)、留置され
たガイドワイヤー(4)に沿って、バルーンカテーテル
(6)を挿入していく。バルーン(7)をファーター乳
頭(5)に配置して挿入操作は完了する(図2−d)。
【0009】ERCPカテーテル(2)の抜去とバルー
ンカテーテル(6)の挿入をガイドワイヤー(4)の誘
導下に行うためには、ガイドワイヤー(4)には、c、
dの使用状態において、抜去、または誘導するカテーテ
ルの内腔に挿通しきれるだけの後方部長さが必要であ
る。すなわち、ガイドワイヤーは使用するカテーテルの
少なくとも2倍の長さ、具体的には少なくとも3.6m
の長さが必要である。このため、図中bからdの操作を
実施する際には、ガイドワイヤー(4)、バルーンカテ
ーテル(6)を空中に保持し、非清潔領域との接触によ
る汚染を防ぐとともに、カテーテルの抜去、ガイドワイ
ヤーのカテーテル内腔への挿通操作を実施する複数の補
助者が必要となる。
【0010】挿入操作が終了すると、インフレーション
シリンジ等により、バルーン(7)を膨張させ、乳頭拡
張処置を行う。この後、負圧をバルーン(7)に作用さ
せて、バルーン(7)を収縮させる。この時、図13に
示されるように、バルーン(7)は、鉗子孔出口(1
0)の直径よりも大きな、一対の対向した放射状に延在
する平らなウイングを形成して収縮する。このため、術
者がバルーンカテーテルを内視鏡から抜去する際、この
ウイングが内視鏡(1)の鉗子孔出口(10)にひっか
かり、なめらかな引き抜きを妨害されたりする場合があ
った。
【0011】前述の問題を解決するために、特開平3−
92173号公報や特表平6−506848号公報で
は、図14−a、bに示したように、バルーンの肉厚を
部分的に調整し、バルーン収縮時に形成されるウイング
の数を3つ以上に増やすことで、ウイングの放射方向長
さを短くしようとした。しかし、バルーン収縮時のウイ
ングを3つや4つに形成させても、一度バルーンを膨張
すると、図14−a''、b''に示したように、ウイング
の放射方向長さは、内視鏡の鉗子孔出口(10)にひっ
かかるほど十分に大きくなってしまい、結局、ウイング
をつぶしながら抜去しなければならないので、スムーズ
に引き抜けない場合があった。
【0012】このようにEPBDは、操作方法が煩雑で
あり、術者以外に複数の補助者が必要という欠点や、バ
ルーンカテーテルの抜去性が悪いという問題を有してい
た。しかし、本手技の合併症がなく、安全性と有効性が
高いという特長は、多くの医者、患者が期待するもので
あり、QOL(生活の質)の向上の観点からも、より簡
便に実施できる手段が望まれていた。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ファ
ーター乳頭に直接誘導し、挿入することが可能なバルー
ンカテーテルを提供し、EPBDに関わる諸操作の簡便
化をはかるとともに、EPBDを術者単独でも実施可能
な手技とし、本手技の一層の普及を図ることにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、前方部にバル
ーンが付設され、長さ方向に貫通する第1ルーメンとバ
ルーン内部に開口する第2ルーメンを有する可撓性チュ
ーブ1よりなるシャフトの先端に別の可撓性チューブ2
よりなる先端チップを接合したカテーテルシャフトとか
らなるバルーンカテーテルであって、バルーン前方には
長さ20〜60mmの該可撓性チューブ2よりなる誘導
部を有し、少なくとも誘導部の先端を含むカテーテルの
前方部が5〜20cmの半径を有する円弧状にカーブし
ていることを特徴とする拡張バルーンカテーテルを提供
するものである。また、本発明は、バルーン収縮時に、
少なくとも誘導部の先端を含むカテーテルの前方部に形
成されたカーブが形成する面に対して、折り畳まれたバ
ルーンが垂直方向に2つの第1ウイングを形成するとと
もに、カーブが形成する面と同一平面上で、かつカーブ
の内側に少なくとも1つの第2ウイングを形成し、2つ
の第1ウイングが、少なくとも1つの第2ウイングを包
み込んだ形態で、カテーテルシャフトに巻き付けられて
いる、抜去性が改善されたバルーンカテーテルである。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、実施例を用いて本発明を詳
細に説明する。図3は本発明の1実施例となるバルーン
カテーテルの概略を示す図、図4は図3のA−A’にお
ける断面形状を示す図、図5は本発明の別の実施例とな
るバルーンカテーテルの前方部の断面図、図6は図3の
誘導部の先端部分を示す図、図7、図8は本発明の別の
実施例となる誘導部の先端部分を示す図、図9−aは本
発明によるバルーンカテーテルをファーター乳頭に挿入
する時の模式図、図9−bは本発明によるバルーンカテ
ーテルのバルーンが、ファーター乳頭に配置された時の
模式図である。
【0016】図3、4において、シャフト(21)は長
さ方向に貫通する第1ルーメン(25)と膨張用コネク
ター(23)からバルーン枝管(24)を介してバルー
ン(7)内に通じる第2ルーメン(26)を有するダブ
ルルーメンチューブである。シャフト(21)の先端に
は先端チップ(30)が付設され、先端チップ(30)
の内腔(33)は第1ルーメン(25)に通じ、主腔枝
管(22)のコネクターからガイドワイヤーを挿入した
り、造影剤を注入することが可能である。バルーン
(7)はバルーンカテーテル(6)前方部のシャフト
(21)と先端チップ(30)上の2点において気密的
に接合される。
【0017】図3の実施例ではシャフト(21)に2つ
の内腔を有するダブルルーメンチューブを使用している
が、本発明はシャフト(21)の構造をこれのみに限定
するものではなく、例えば、図5に示したように、内管
(31)と外管(32)よりなるコアキシャルタイプの
シャフトを使用してもよい。シャフト(21)を形成す
る材料に特に限定はなく、例えば、軟質ポリ塩化ビニ
ル、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、ポリ
ウレタン、テフロン等、あらゆる可撓性材料を使用する
ことが可能である。ただし、シャフト(21)は鉗子孔
(12)内に挿通されるため、摩擦係数が高い材料から
形成されたシャフトは内視鏡の鉗子孔(12)をスムー
ズに通過できなくなり、バルーンカテーテルの操作性が
低下するので好ましくない。
【0018】また、内視鏡(1)の鉗子孔(12)の表
面はテフロンで形成されているため不要の場合が多い
が、バルーンカテーテルの挿入操作性をいっそう向上さ
せるためにシャフト(21)の表面にテフロンコートや
ポリパラキシリレンコート等の潤滑性処理を施してもよ
い。シャフト(21)にフレキシビリティーを付与する
場合は、柔軟な材料よりシャフト(21)を形成する。
この場合、バルーンカテーテル(6)を鉗子孔(12)
に挿入していく際、鉗子入口(14)でのシャフト(2
1)の折れが発生するため、第1ルーメン(25)内
に、ステンレスワイヤー等よりなるスタイレットが装備
される。
【0019】本発明によれば、先端チップ(31)はバ
ルーン(7)前方部において、長さLの誘導部(34)
を構成する。誘導部(34)は、バルーン(7)に先だ
って鉗子孔出口(10)から突出してファーター乳頭
(5)に到達し、バルーン(7)をファーター乳頭
(5)に挿入するためのガイドとなる。図9−aより明
らかなように、バルーン(7)は鉗子孔(12)に完全
に収納されており、内視鏡の視野に入ってこないため、
術者は内視鏡に映るカテーテルの先端(9)やファータ
ー乳頭(5)を容易に確認することができる。また、バ
ルーン(7)が鉗子孔出口(10)にかかり、カテーテ
ルの挿入操作性を低下させることもない。
【0020】誘導部(34)の長さLは、20〜60m
mに設定される。Lが20mm未満では、先端(9)を
ファーター乳頭(5)に挿入する時にバルーン(7)が
鉗子孔出口(10)にかかり、内視鏡の視野を狭めると
ともに挿入操作性が低下するので好ましくなく、Lが6
0mmを越えると、バルーン(7)を挿入時にカテーテ
ルの先端(9)でファーター乳頭(5)の奥にある総胆
管(35)、または膵管(36)を傷つける可能性があ
るので好ましくない。より好ましい誘導部(34)の長
さLは30から50mmで、操作性と安全性のいっそう
の向上が可能である。
【0021】本発明によれば、バルーン(7)をファー
ター乳頭(5)に配置するために、バルーンカテーテル
(6)の先端(9)を含む前方部に5〜20cmの半径
の円弧状のカーブ構造を設ける。カーブ構造の半径が2
0cmよりも大きかったり、カーブ構造を有さない場
合、先端(9)は総胆管(35)に挿入することができ
なかったり、膵管(36)に入り、膵炎等の合併症の原
因となるので好ましくない。先端(9)はスムーズに総
胆管(35)に誘導されなければならない。また、カー
ブ構造の半径が5cmよりも小さい場合、挿入が困難に
なったり、挿入操作時に総胆管(35)の管壁を先端
(9)のエッジで傷つける場合があるので好ましくな
い。
【0022】本発明のより好ましい実施形態は、誘導部
(34)の全体にわたり、カーブを形成することであ
る。カーブの形成が誘導部(34)の一部の場合、先端
(9)を総胆管(35)にスムーズに挿入することがで
きなかったり、挿入に時間を要し、操作者は患者に負担
がかかるので好ましくない。本発明の最も好ましい実施
形態は、先端(9)よりバルーン付設部までの全体にわ
たりカーブを形成することである。この形態をとること
により、バルーン(7)がラッピングされている部分の
カテーテルシャフトは適度な撓み性を付与され、この結
果、先端(9)を総胆管(35)への挿入が容易とな
る。
【0023】また、カーブの半径は先端(9)よりバル
ーン付設部までの全体にわたり均一で無くともよく、た
とえば、誘導部(34)はカーブ半径を5cm、バルー
ン付設部はカーブ半径を20cmに設定してもよい。こ
のような形態は、総胆管(35)へ誘導部(34)を深
く挿入する場合に、膵管(36)への誤挿入を防ぎ、無
合併症の発生率を低減させる点で優れている。
【0024】さらに本発明によれば、図6〜図8に示す
ように誘導部(34)の先端(9)には造影性マーカー
(37)が設けられる。このような形態は、X線透視下
で誘導部が確実に総胆管に挿入していることを確認し、
挿入時の安全性をより向上させるために有効である。造
影性マーカー(37)を設ける方法としては、金属製リ
ングを使用する方法や、金属の粒体や硫酸バリウムのよ
うな造影性物質を適当なポリマーに混合し、所望の形状
に成形後、先端部分に接着させる方法等があるが、特に
制限はない。金属製リングや金属の粒体には、安定で酸
化されない金、白金、タンタル、ステンレスやこれらの
合金が特に好ましく使用される。また、造影性物質とし
ては硫酸バリウム以外に、酸化ビスマス、ビスマス酸塩
などが好ましく使用される。
【0025】マーカー(37)の軸方向の長さMは、好
ましくは0.5〜5mm、より好ましくは1〜3mmに
設定される。Mが0.5mm未満では、X線透視下での
確認が難しくなるので好ましくなく、Mが5mmを越え
ると、誘導部のフレキシビリティーを低下させ、挿入操
作性が低下するので好ましくはない。
【0026】また、本発明では、誘導部の最先端部分は
球面状に形成してもよい。これはカテーテルのファータ
ー乳頭への直接挿入操作法として、まず誘導部の最先端
部分だけを挿入するので、この時挿入された最先端部分
がファーター乳頭から外れないために構造上有効であ
る。さらに最先端部分が球面状の場合、従来のテーパー
加工を施されているカテーテルに比べ挿入時の安全性が
高い。もちろんその膨らみが挿入性を低下させるほどに
大きくてはならない。また、挿入操作時にマーカーが外
れて体内に落ちてしまうことを防ぐためにもこの膨らみ
は有効である。ボール状の金属製マーカーなどを誘導部
最先端部分に取り付ける方法もあるが、この場合本発明
に比べてマーカーが外れて体内に落ちてしまう可能性が
高いので好ましくない。図6の実施例では先端チップ
(30)に金属製リングを嵌め込み、その上にポリウレ
タン樹脂(38)によるコーティングを施すことで、誘
導部の最先端部分を球面状にし、またマーカー(37)
の位置安定性の向上を得ている。最先端部分を球面状に
形成する方法としては、図7のように先端チップ自体を
成形する方法、成形品を接着する方法等があるが、特に
制限はない。更に本発明でいうところの球面状という言
葉は膨らみを有しているという意味であって、例えば図
8のような円錐状のものも含まれる。本発明では、成形
品やコーティングにより球面状態を形成する場合、ファ
ーター乳頭、総胆管等の組織の損傷を防ぐために、比較
的硬度が小さい材料が好ましく用いられる。このような
材料としては、例えばポリウレタン樹脂、シリコーンゴ
ム、スチレン−ブタジエンコポリマー、ポリオレフィン
系エラストマー等のエラストマーが挙げられるが、本発
明はこれらに限定されるものではない。
【0027】本発明に基づくバルーンカテーテルには、
バルーン(7)の至適挿入レベルを示すマーカー(2
9)が設けられ、挿入操作の簡易化を可能とする。術者
はバルーン(7)の挿入の際、内視鏡下にマーカー(2
9)とファーター乳頭(5)の位置をあわせるだけで容
易にバルーン(7)を至適位置に配置することが可能で
ある。マーカー(29)は、バルーン(7)内の先端チ
ップ(30)上に印刷、または金属リング等をはめ込む
ことにより設けられる。
【0028】バルーン(7)は、少なくとも0.8MP
aの耐圧性を有する。耐圧性が0.8MPaより小さい
とファーター乳頭(5)を十分拡張できないので好まし
くない。本発明で使用できるバルーンとしては、例え
ば、ポリオレフィンよりなるバルーン、特公昭63−2
6655号公報に開示されているポリエチレンテレフタ
レートよりなるバルーン、特開昭63−212373号
公報、特開平3−57462号公報に開示されているポ
リアミドエラストマーやナイロンよりなるバルーン、ま
た、特願平7−213848号に開示されたポリウレタ
ンよりなるバルーンが適当である。ただし、本発明は使
用するバルーンをこれらに限定するものではない。
【0029】次に、本発明によるバルーン(7)のラッ
ピング方法について説明する。図10は本発明の1実施
例で、図3に示したカテーテルのB−B’における断面
図であって、aはバルーンを収縮させた時の状態を示
し、bは、aにおいて形成させたウイングをラッピング
した状態を示す。図11は本発明の別の実施例で、図3
に示したカテーテルのB−B’における断面図であっ
て、aはバルーンを収縮させた時の状態を示し、bは、
aにおいて形成させたウイングをラッピングした状態を
示す図である。図12は従来のバルーンカテーテルの前
方部を示す図、図14は、図12に示したカテーテルの
C−C’の断面図であって、a、bはバルーン収縮時の
状態を示す図、a’はaにおいて形成された3つのウイ
ングをラッピングした状態を示す図、b’はbにおいて
形成された4つのウイングをラッピングした状態を示す
図であり、a''は、a’のようにラッピングされたバル
ーンを一度膨張させた後、収縮させた時の状態を示す図
で、b''は、b’のようにラッピングされたバルーンを
一度膨張させた後、収縮させた時の状態を示す図であ
る。
【0030】本発明によると、完全に収縮させたバルー
ン(7)は、先端チップ(30)が形成するカーブの面
方向に対して、垂直方向に2つの第1ウイング(3
9)、(39’)を形成し、該カーブが形成する同一平
面上、かつ該カーブの内側に、少なくとも1つの第2ウ
イング(40)を形成している。第1ウイング(3
9)、(39’)の長さは、第2ウイング(40)の長
さより長く設定される。第2ウイング(40)が第1ウ
イング(39)、(39’)より長いと、本発明の効果
が十分でなくなるので好ましくない。バルーンは、第2
ウイング(40)を第1ウイング(39)、(39’)
で包み込むように折り畳まれており、このような状態
は、例えば、バルーン(7)を上述した形態に折り畳ん
だ後に、適当なカバーチューブをバルーン(7)の上か
ら被せ、バルーン材質のガラス転移温度以上でバルーン
(7)を加熱し、セットすることで得ることができる。
(以後、この工程をプレラッピングと言う。)
【0031】本発明によると、第2ウイング(40)の
数は、好ましくは1つか2つ、より好ましくは1つに設
定される。第2ウイング(40)の数を3つより多く設
定した場合、プレラッピング工程において、バルーン
(7)をセットしにくくなるため、設定されたウイング
数を形成しにくいので、好ましくない。
【0032】本発明によれば、バルーン(7)は、図1
0−b、図11−bのようにプレラッピングされ、バル
ーン(7)膨張後も収縮操作を行うと、ウイングがカテ
ーテルシャフトに巻き付いた状態に戻り、ほぼ膨張前の
ラッピング形状に回復する。これは、少なくとも誘導部
の先端を含むカテーテルの前方部がカーブしているため
である。図9−bより明らかなように、バルーン(7)
がファーター乳頭(5)に配置された状態、すなわち、
バルーン(7)が膨張、収縮される配置状態において、
バルーン(7)全体には該カーブと同一方向にカーブが
形成される。そのため、収縮時にバルーン(7)にかか
った応力は、形成された第1ウイング(39)、(3
9’)が、カテーテルシャフトに巻く付く方向に働く。
この時、形成された第2ウイング(40)も、第1ウイ
ング(39)、(39’)により包み込まれるため、カ
テーテルシャフトに巻き付く。このように本発明によれ
ば、バルーン(7)の収縮時に放射方向にウイングを形
成するのではなくて、カテーテルシャフトに巻き付くよ
うにウイングを形成させるため、放射方向に延在するウ
イングをつぶしながらバルーンカテーテルを内視鏡から
抜去する従来の方法に比べ、ウイングを巻き付かせなが
ら抜去するため、鉗子孔への抵抗が最小化され、抜去作
業がより容易になる。
【0033】
【発明の効果】以上より明らかなように、本発明による
バルーンカテーテルは、ERCPカテーテルやガイドワ
イヤーを使用せず、バルーンを容易、迅速、かつ安全に
ファーター乳頭に挿入することが可能であり、EPBD
に関わる諸操作の簡便化をはかるとともに、術者単独で
も実施可能な手技とする医療用具としてきわめて有用で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】バルーンカテーテルと、バルーン挿入時の内視
鏡とファーター乳頭の位置関係を示す図である。
【図2】バルーンカテーテルをファーター乳頭に挿入す
るための手順を示す図である。
【図3】本発明の1実施例となるバルーンカテーテルの
図である。
【図4】図3、A−A’における断面形状を示す図であ
る。
【図5】本発明の別の実施例となるバルーンカテーテル
の前方部の断面図である。
【図6】図3の誘導部の先端部分を示す図である。
【図7】本発明の別の実施例となる誘導部の先端部分を
示す図である。
【図8】本発明の別の実施例となる誘導部の先端部分を
示す図である。
【図9】(a)本発明によるバルーンカテーテルをファ
ーター乳頭に挿入する時の模式図である。 (b)本発明によるバルーンカテーテルのバルーンが、
ファーター乳頭に配置された時の模式図である。
【図10】本発明の1実施例であり、図3に示したカテ
ーテルのB−B’における断面図で、aはバルーンを収
縮させた時の状態を示す図で、bはaにおいて形成させ
たウイングをラッピングした状態を示す図である。
【図11】本発明の別の実施例であり、図3に示したカ
テーテルのB−B’における断面図で、aはバルーンを
収縮させた時の状態を示す図で、bはaにおいて形成さ
せたウイングをラッピングした状態を示す図である。
【図12】本発明の比較例となる、従来のバルーンカテ
ーテルの前方部を示す図である。
【図13】図12のバルーンのC−C’断面図で、一
度、バルーンを膨張させた後に収縮させた時の、バルー
ンの状態を示す図である。
【図14】図12のバルーンに3〜4つのウイングを形
成させた時の、C−C’断面図であって、a、bは収縮
させた時の状態を示す図、a’はaにおいて形成された
3つのウイングをラッピングした時の状態を示す図、
b’はbにおいて形成された4つのウイングをラッピン
グした時の状態を示す図であり、a''は、a’のように
ラッピングされたバルーンを、一度膨張させた後、収縮
させた時の状態を示す図で、b''は、b’のようにラッ
ピングされたバルーンを、一度膨張させた後、収縮させ
た時の状態を示す図である。
【符号の説明】
1 内視鏡 2 ERCPカテーテル 4 ガイドワイヤー 5 ファーター乳頭 6 バルーンカテーテル 7 バルーン 9 先端 10 鉗子孔出口 11 対物レンズ 12 鉗子孔 14 鉗子孔入口 21 シャフト 22 主腔枝管 23 膨張用コネクター 24 バルーン枝管 25 第1ルーメン 26 第2ルーメン 27 分岐部 29 マーカー 30 先端チップ 31 内管 32 外管 33 内腔 34 誘導部 35 総胆管 36 膵管 37 マーカー 38 ポリウレタン樹脂 39 第1ウイング 39’ 第1ウイング 40 第2ウイング

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 前方部に付設されたバルーンと、長さ方
    向に貫通する第1ルーメンとバルーン内部に開口する第
    2ルーメンを有する可撓性チューブ1よりなるシャフト
    の先端に別の可撓性チューブ2よりなる先端チップを接
    合したカテーテルシャフトとからなるバルーンカテーテ
    ルであって、バルーン前方には長さ20〜60mmの該
    可撓性チューブ2よりなる誘導部を有し、少なくとも誘
    導部の先端を含むカテーテルの前方部が5〜20cmの
    半径を有する円弧状にカーブしていることを特徴とする
    拡張バルーンカテーテル。
  2. 【請求項2】 誘導部先端よりバルーン後端側付設部ま
    でが円弧状にカーブした請求項1記載の拡張バルーンカ
    テーテル。
  3. 【請求項3】 誘導部のみが円弧状にカーブした請求項
    1記載の拡張バルーンカテーテル。
  4. 【請求項4】 誘導部の先端部に全周にわたるX線造影
    性物質を具備するとともに、最先端部分が球面状に形成
    されていることを特徴とする請求項1、2又は3記載の
    拡張バルーンカテーテル。
  5. 【請求項5】 バルーン収縮時に、少なくとも誘導部の
    先端を含むカテーテルの前方部に形成されたカーブが形
    成する面に対して、折り畳まれたバルーンが垂直方向に
    2つの第1ウイングを形成するとともに、カーブが形成
    する面と同一平面上で、かつカーブの内側に少なくとも
    1つの第2ウイングを形成し、2つの第1ウイングが、
    少なくとも1つの第2ウイングを包み込んだ形態で、カ
    テーテルシャフトに巻き付けられた請求項1〜4記載の
    いずれかの拡張バルーンカテーテル。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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