JPH11234960A - 磁気軸受スピンドル - Google Patents

磁気軸受スピンドル

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JPH11234960A
JPH11234960A JP3095598A JP3095598A JPH11234960A JP H11234960 A JPH11234960 A JP H11234960A JP 3095598 A JP3095598 A JP 3095598A JP 3095598 A JP3095598 A JP 3095598A JP H11234960 A JPH11234960 A JP H11234960A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 生産加工機械等に用いられる磁気軸受スピン
ドルにおいて、高速・高剛性化を図ることを目的とす
る。 【解決手段】 回転軸の負荷側に設けられこの回転軸の
径方向荷重を支持する第一のラジアル軸受と、前記負荷
側に対して反対側に設けられた第二のラジアル軸受と、
前記第一のラジアル軸受と前記第二のラジアル軸受の中
間部に設けられたモータ部と、前記回転軸の軸方向荷重
を支持するスラスト軸受より構成される磁気軸受スピン
ドルにおいて、前記第一と第二のラジアル軸受の回転部
のそれぞれのロータ外径をD1、D2として、かつ前記モ
ータのロータ外径をDmとしたとき、Dm>D1とするこ
とにより高速・高剛性化を図る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生産加工機械等に
用いられる磁気軸受スピンドルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年機械加工の分野において、高速切削
加工に対する要請が強くなっている。高速切削は生産効
率の向上が図れる、切削抵抗を低減できるため加工精度
が向上し工具の寿命が延びる、また一体の原料から形状
を一気に削り出すことで鋳型などの費用を削減できかつ
工程の短縮化がはかれる、などの効果が期待されてい
る。
【0003】また最近の製品品質に対する要求は、加工
面の品質すなわち形状精度や面粗度だけでなく、加工表
面下の欠陥や変質層の有無まで問われるようになってき
ており、金属除去に伴う発生熱の影響が低く、加工負荷
が小さくできる高速切削の期待が大きい。
【0004】加工機の性能を決定的に支配するスピンド
ルには、従来から主に玉軸受による支持構造が用いられ
てきた。前述した高速切削の要請に対して、潤滑方式の
改良、セラミックス軸受の採用などにより、高速化に応
えるための開発がなされている。
【0005】一方、磁気浮上により非接触で回転体を支
持する能動制御型の磁気軸受スピンドルが、玉軸受方式
の限界を超える可能性を持つものとして、近年注目され
ている。
【0006】図8はその磁気軸受スピンドルの一例であ
り、500はスピンドルの主軸、501はモータロー
タ、502はモータステータである。503と504は
フロント側ラジアル軸受、505と506はリア側ラジ
アル軸受、507と508はスラスト軸受であり、それ
ぞれ回転側のロータと固定側のステータから構成され
る。509,510はフロント側とリア側のラジアル変
位センサー、511はスラスト変位センサー、512,
513は保護ベアリング、514はケーシングである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】加工用スピンドルの基
本性能は、通常DN値(主軸径×回転数)の大きさで評価
される。玉軸受スピンドルの場合、近年様々な改良がな
されているが、機械的な摺動潤滑をともなうために、寿
命という点を考慮すれば、実用的にはDN値は250万程
度が限界とされている。
【0008】一方磁気軸受の場合、半永久的に使用可能
である非接触回転の特徴を活かすことにより、玉軸受の
DN値を大きく上回るスピンドルが実現できる可能性が
ある。前述した加工側の高速・高剛性の要請に応えるた
めに、スピンドルの主軸径をより大きく、またより高速
で回転させる試みがなされている。大きな主軸径が要望
される理由は、主軸径が大きい程、高速時の慣性剛性
(主軸の軸中心が一方向を保とうとする力学的効果)が
大きく、またより大きな外径の刃具を把持できるからで
ある。
【0009】しかし非接触であるがゆえに低損失である
と期待された磁気軸受は、高DN値を追求する取組みの
結果、予想外の大きな摩擦損失が生じることが明らかと
なった。その主たる要因は、ラジアル軸受の渦電流損に
よるものである。ラジアル軸受は上下左右の4方向から
磁気の力で回転子を吸引して回転子を非接触で中心に保
持する。回転子鉄心中の一点は、回転によってたとえば
N→S→N→Sと順次に磁束が変化するために、回転子鉄心
には変動する誘起起電力が生じて渦電流が流れることに
なる。この渦電流損を小さくするために、回転子鉄心
は、通常薄い電磁鋼板(珪素鋼板)を重ねあわせた積層
構造が採用される。
【0010】さて渦電流損は、一般に抵抗率に反比例
し、鉄板の厚さの2乗に比例し、周波数(回転速度)の
2乗に比例する。上記おおまかな原則を踏まえて、高D
N値(大きな主軸径と高い回転数)のスピンドルの実現
を見込み、磁気軸受の回転部を構成した場合、次のよう
な課題が生じた。
【0011】渦電流損を低減するために、抵抗率が高
く、板厚の薄い電磁鋼板を採用した場合、遠心力によっ
て発生する応力に対して、材料の機械的強度の限界から
許容回転数に制約が生じた。遠心力によって発生する応
力は、回転体の周速で決まるため、DN値にはおのずと
限界が生ずる。
【0012】逆により高い回転数にまで耐える、板厚
が大きく抵抗率の低い電磁鋼板を採用した場合、大きな
渦電流損による発熱によって主軸に大きな温度上昇をも
たらした。
【0013】主軸に温度上昇をもたらす発熱の要因とし
て、磁気軸受に加えてモータもそのひとつである。回転
スピンドルに用いられる誘導モータは、通常スロットを
打ち抜いた薄い珪素鋼板を積み重ねて鉄心を作り、その
スロットの中に銅またはアルミニウムの導体棒を通し、
鉄心の外で前記導体棒の両端をエンドリング(端絡環)
で短絡した構成になっている。誘導モータの回転原理に
もとずき、固定子である界磁巻線に回転磁界が生ずる
と、前記エンドリングに誘導電流が流れる。この誘導電
流によるジュール熱が発熱要因となる。
【0014】さて、これらの発熱による主軸の温度上昇
は、高DN値のスピンドルの高速時の高精度回転化を図
る上で、不可避な課題を提起することになった。その最
大の課題は主軸の振れの増大である。たとえば、主軸径
をφ90、回転数を4〜5万回転に設定したとき、主軸
に発生するラジアル方向の振れは数十ミクロンになっ
た。主軸に装着される工具先端の振れは勿論この値を上
回る。加工時の工具の振れは、びびり振動の要因とな
り、加工面精度を劣化させ、また工具寿命を著しく低下
させる主要因となる。
【0015】本発明は、磁気軸受スピンドルの高速・高
剛性化(高DN値化)を図るための課題に対して、解決
策を与えるものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は、回転軸の負荷
側に設けられこの回転軸の軸径方向荷重を支持する第一
のラジアル軸受と、前記負荷側に対して反対側に設けら
れた第二のラジアル軸受と、前記第一のラジアル軸受と
前記第二のラジアル軸受の中間部に設けられたモータ部
と、前記回転軸の軸方向荷重を支持するスラスト軸受よ
り構成される磁気軸受スピンドルにおいて、前記第一と
第二のラジアル軸受の回転部のそれぞれのロータ外径を
1、D2として、かつ前記モータのロータ外径をDm
したとき、Dm> D1とし、望ましくは、Dm>D2とし
たものであることを特徴とするものである。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、まず最初に本発明に至るま
での考察について述べる。二つのラジアル磁気軸受の回
転部とその中間部に配置されるモータの回転部を発熱源
として、高速回転時に主軸は温度上昇する。この温度上
昇によって、主軸はある曲率をもって変形することが分
かった。この変形をもたらす要因として、 磁気軸受部、モータ部に積層された電磁鋼板の発熱量
が非軸対称である。この非軸対称性は、磁性材料である
積層鉄芯の磁気特性が製作時に熱的な変化を経るため
に、抵抗率、透磁率等の僅かなばらつきによって生ずる
ものと考えられる。
【0018】また発熱量のばらつきを極力押さえたと
しても、主軸の変形をもたらす次の要因がある。すなわ
ち、磁気軸受、モータの回転子は多くの複合部品、すな
わちモータ・磁気軸受の積層鉄芯とそれを側面から締結
するリング、スラスト軸受の円盤、主軸内部を利用して
設けられたツーリング部材等から構成される。これらの
部材は、焼きばめ、圧入工程を経てスピンドルの主軸と
して組み立てられため、高速・高温下の苛酷な条件下に
おいて、これらの部品の熱膨張特性の温度依存性が軸非
対称性を持つのは、実用上避けられない。
【0019】さて、主軸の軸方向に座標をとり、温度分
布と応力分布の軸非対称性を持つ部分をXとする。ここ
で上記Xが主軸の変形と工具の振れに与える影響は、X
が主軸のどの位置にあるかで大きく異なることに着目す
る。図1において、 (1)温度分布と応力分布の軸非対称性を持つ部分:
Xがスピンドルのフロント側100(第一のラジアル軸
受)にあるとき、主軸101に曲がりをもたらす個所と
工具102先端の間の距離:l1は小さく、工具先端の
振れに与える影響は図(イ)のごとく小さい。
【0020】(2)Xがスピンドルのリアー側103
(第二のラジアル軸受)にあるとき、図(ロ)のごとく
磁気軸受のギャップ内で主軸は曲がり、かつ曲げの変曲
点を持つ。しかしスピンドルとして最も必要な機能(工
具先端の振れ精度)にはなんら影響を与えない。軸受の
ギャップ内で主軸の曲がりが許されるのは、玉軸受(2
点で固定支持)にはない磁気軸受スピンドルだけの特徴
である。
【0021】(3)Xがスピンドルの中央部(モータ
部)にあるとき、主軸に曲がりをもたらす個所と工具先
端の間の距離:l1は最も大きく、工具先端の振れに与
える影響は図(ハ)のごとく大きい。
【0022】図2は、上記着眼点を熱・構造解析を用い
て実証したものである。解析を行う上での仮定として、
主軸の変形をもたらす推定要因、すなわち磁気軸受、
モータの円周方向温度分布、複合部材による応力分
布、主軸本体の残留歪み、などの軸非対称の温度依存
性を持つ要因:Xを「等価温度差:ΔT」で代表させ
る。解析条件は、φ90×420mmのストレートな主
軸が、円周方向と軸方向の一定幅(45゜×100m
m)の範囲で、円周方向で温度差:ΔTをもつとした。
またツール先端は主軸端部から50mmの位置にあるも
のとする。図3は上記条件下における熱・構造解析の結
果を示すものである。
【0023】(1)上記温度差を持つ部分が主軸のフロ
ント側にあるとき、温度差:ΔTに対するツール先端の
振れ:δは極めて小さい。
【0024】(2)温度差を持つ部分が主軸の中央部に
あるとき、温度差:ΔTがツール先端の振れに与える影
響は極めて大きく、上記(1)の5倍程度である。
【0025】以上の考察から得られた知見を要約すれ
ば、フロント側磁気軸受の発熱による要因:Xがたと
えあったとしても、ツール先端の振れに与える影響は小
さい、主軸に曲がりをもたらす要因:Xの影響を低く
押さえるためには、主軸の中央部(モータ部)の剛性を
他の部分よりもアップさせる、ことがキーポイントであ
ることがわかる。ちなみに、外径:φDの丸棒の断面2
次モーメント:I=πD4/64であり、軸の剛性は外径
の4乗に比例するため、外径を僅かに大きくしても剛性
アップに与える効果は大きい。
【0026】すなわち本発明では、前記第一と第二のラ
ジアル軸受の回転部のそれぞれのロータ外径をD1、D2
として、かつ前記モータのロータ外径をDmとしたと
き、Dm> D1とし、望ましくはさらにDm>D2とす
る。
【0027】図4は本発明の第一実施例の高速磁気軸受
スピンドルを示すもので、1はスピンドルの主軸、2は
モータロータ、3はモータステータである。4と5はフ
ロント側ラジアル軸受(第一のラジアル軸受)のロータ
とステータ、6と7はリア側ラジアル軸受(第二のラジ
アル軸受)のロータとステータである。8と9はスラス
ト軸受のロータとステータである。10,11はフロン
ト側とリア側のラジアル変位センサー、12はスラスト
変位センサー、13,14は保護ベアリング、15はフ
ロントプレート、16はフロントケース、17はリアー
ケース、18はリアープレートである。主軸1は、フロ
ント側ラジアル軸受のロータ4(外径:φD1)が装着
されたフロント部19、モータロータ2(外径:φ
m)が装着された中央部20、リア側ラジアル軸受の
ロータ6(外径:φD2)が装着されたリアー部21か
ら構成される。
【0028】以下、本発明をベースとした他の実施例に
ついて述べる。ラジアル軸受とモータの各ロータ部は、
主軸に装着された磁性材料による積層鉄芯から構成され
ている。通常、この積層鉄芯は母体である主軸程は強度
は期待できない。したがって、第一と第二のラジアル軸
受及び前記モータのそれぞれの前記軸芯部の外径を
1、d2、dmとしたとき、dm>d1およびdm>d2
すれば、工具の振れはさらに低減できる。
【0029】たとえばDN値が360〜450万の高速
スピンドルの場合、磁気軸受、モータ共、その回転子を
構成する材料は、遠心破壊に対してほぼ限界に近いとこ
ろで使用される。通常用いられる誘導モータは、ロータ
内部を貫通する導体棒を両サイドのエンドリングで保持
する構成となっている。通常アルミあるいは銅で構成さ
れるエンドリングには、高速時大きなせん断が加わるた
め、誘導モータの高速化の限界はこのエンドリングの遠
心破壊強度で決まることが多い。
【0030】そこでモータは誘導モータではなく、ロー
タ部に永久磁石を有するACサーボモータを用いれば、
ロータ径:Dm(あるいはdm)をさらに大きくできる。
その理由はACサーボモータでは、ロータ表面に貼り付
けられた永久磁石の耐遠心破壊強度を高める公知の方
法、たとえば(1)永久磁石ロータに強度のあるチタン
合金のパイプを被せる、(2)カーボンファイバーなど
の補強繊維でロータを被覆する、等の方法が採用できる
からである。 ACサーボモータで上記(1)、(2)が採用で
きる理由は、磁石の透磁率は空気と同程度であり、ロー
タとステータ間のエアーギャップが少々大きくなって
も、誘導モータ程は効率に大きな影響を与えないからで
ある。しかし誘導モータの場合、エアーギャップを大き
くすれば、トルクはギャップの2乗に逆比例して極度に
低下してしまうため、ロータの補強は難しくロータ径を
大きくするのには限界がある。
【0031】ACサーボモータに、ロータ内部に永久磁
石を内蔵する公知の埋め込み磁石モータ(IPMモー
タ)用いれば、耐遠心破壊強度が向上するため、ロータ
径をさらに大きくでき、非軸対称の熱応力に対して一層
強い構造にできる。図5に埋め込み磁石モータの原理図
を示す。30はステータ、31は埋め込み磁石、32は
ロータである。この埋め込み磁石モータでは、前述した
ような(1)(2)のロータの補強策を施さなくてもよ
く、そのためロータ、ステータ間のエアーギャップの増
大による効率低下もない。
【0032】本発明における永久磁石型モータの適用
は、モータが配置される個所が熱・応力の軸非対称性が
ツールの振れに最も大きな影響を与えるところである、
という知見を踏まえて、パワーアップではなく、モー
タが配置される個所の剛性を大きくするために、モータ
の適性を活かしてモータロータ径を太くする、ロータ
に誘導電流が流れないため、発熱と温度上昇そのものを
小さくできるというメリットが得られる。すなわち、上
記×の相乗効果が本発明の特徴である。
【0033】図6は、モータ・ステータのコイルエンド
の内側が、通常無効な空間(使用できない空間)とされ
ていることに注目して、この部分に補強用のリングを設
けたものである。51はモータのロータ、52はステー
タ、53a、53bはコイルエンド、54a、54bは
エンドリング,55a,55bは補強リング、56は主
軸、57はハウジングである。モータに誘導モータを用
いる場合、前記エンドリングには誘導電流を効率よく流
すために、通常銅またはアルミ系の材料をもちいる。し
かし前記補強リングには、機械的強度を重視して、鉄系
材料を焼きばめまたは圧入等により主軸56に装着すれ
ばよい。
【0034】またモータ・ステータの中心とコイルエン
ドの距離をL1、モータ・ロータの中心と補強リングの
距離をL2、モータ・ロータの外径をDm、補強リングの
外径をDEとして、L1≒ L2、 DE ≒Dmとすれば、最
も効果的である。
【0035】図7は、ACサーボモータを用いた場合に
エンドリングを兼ねて、高強度材による補強リング60
a,60bを設けた例である。 各部品の寸法:L1
2、DE、Dmの関係は図6の場合と同様である。
【0036】前記補強リングは、延性がありかつ前記主
軸よりも熱膨張率の小さな材料を用いれば、高速・高温
の条件下で主軸の変形を抑制する作用が得られる。
【0037】また磁気軸受スピンドルのフロント側とリ
アー側の電磁石を次のように構成することにより、発熱
の総量を低減させ、主軸の温度上昇と熱変形をさらに抑
制できる。
【0038】フロント側の電磁石に用いる電磁鋼板に
は、渦電流損が大きいが機械的強度が高い磁性材料を用
いる。
【0039】リアー側の電磁石に用いる電磁鋼板に
は、機械的強度は低いが渦電流損も小さい磁性材料を用
いる。
【0040】φDm>φD1>φD2として、それぞれ
の材料のDN値で決まる強度限界の範囲内で上記D1
2の寸法を決定する。
【0041】上記構成により高DN値を維持したまま
で、磁気軸受の通常の構成方法すなわちフロント側、リ
アー側とも渦電流損の大きな同一材料を用いた場合と比
べて、渦電流損失による発熱を大幅に低減することがで
きる。しかしスピンドルの静剛性には大きな影響を与え
ず、最外径のφD1とφD2を同一に構成した場合と比べ
て、ほぼ同等の静剛性を得ることができる。その理由は
次のようである。加工用スピンドルがツールから受ける
ラジアル荷重は、二つのラジアル軸受によって配分され
て支持される。てこの原理から明らかなように、リアー
側のラジアル軸受が受けるラジアル荷重は、フロント側
と比べて充分に小さい。したがってリアー側の軸受径:
φD2を小さくしても、スピンドル本体の静剛性に与え
る影響は小さくてすむからである。
【0042】またリアー側の軸受径:φD2の径小化に
よる慣性剛性の低下は、本発明では、モータ・ロータの
外形:φDmをφD1とφD2よりも大きくすることによ
って補うことができる。
【0043】
【発明の効果】本発明を用いて磁気軸受スピンドルを構
成すれば、主軸の温度分布と応力分布の軸非対称性が工
具の振れに与える影響を僅少にすることができるため、
磁気軸受の回転子に用いる磁性材料を広い範囲で選択で
きる。たとえば、磁気軸受の積層鉄心として用いられる
電磁鋼板は、機械的強度と高周波鉄損の面で相矛盾する
関係を持っている。しかし本発明を適用すれば、鉄損が
少々大きくても遠心破壊強度に強い電磁鋼板を用いるこ
とができるため、主軸と工具の振れ精度を僅少に保った
ままで、高DN値のスピンドルを実現できる。
【0044】本発明の適用により、磁気軸受スピンドル
が本来持っている基本的能力(高速・高剛性)を一層活
かした形で高速切削加工の要請に応えることができ、そ
の効果は絶大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】温度と応力の分布の軸非対称性が工具先端に与
える影響を示す図
【図2】熱、構造解析の一例を示す図
【図3】ツール先端の振れ量と等価温度差の関係を示す
【図4】この発明にかかる実施例の磁気軸受スピンドル
の正面断面図
【図5】磁石植え込みモータの原理図
【図6】本発明の他の実施例を示す図
【図7】本発明の他の実施例を示す図
【図8】従来の磁気軸受スピンドルを示す図
【符号の説明】
1 回転軸 2 モータ部 3 モータ部 4 第一のラジアル軸受け 5 第一のラジアル軸受け 6 第二のラジアル軸受け 7 第二のラジアル軸受け

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】回転軸の負荷側に設けられこの回転軸の径
    方向荷重を支持する第一のラジアル軸受と、前記負荷側
    に対して反対側に設けられた第二のラジアル軸受と、前
    記第一のラジアル軸受と前記第二のラジアル軸受の中間
    部に設けられたモータ部と、前記回転軸の軸方向荷重を
    支持するスラスト軸受より構成される磁気軸受スピンド
    ルにおいて、前記第一と第二のラジアル軸受の回転部の
    それぞれのロータ外径をD1、D2として、かつ前記モー
    タのロータ外径をDmとしたとき、Dm> D1であること
    を特徴とする磁気軸受スピンドル。
  2. 【請求項2】Dm>D2である請求項1記載の磁気スピン
    ドル。
  3. 【請求項3】回転軸の負荷側に設けられこの回転軸の軸
    径方向荷重を支持する第一のラジアル軸受と、前記負荷
    側に対して反対側に設けられた第二のラジアル軸受と、
    前記第一のラジアル軸受と前記第二のラジアル軸受の中
    間部に設けられたモータ部と、前記回転軸の軸方向荷重
    を支持するスラスト軸受より構成される磁気軸受スピン
    ドルにおいて、前記第一と第二のラジアル軸受及び前記
    モータの各ロータ部は軸芯部に装着された磁性材料によ
    る回転部材から構成されており、かつ前記第一と第二の
    ラジアル軸受及び前記モータのそれぞれの前記軸芯部の
    外径をd1、d2、dmとしたとき、dm> d1であること
    を特徴とする磁気軸受スピンドル。
  4. 【請求項4】dm>d2である請求項3記載の磁気軸受ス
    ピンドル。
  5. 【請求項5】モータ部はロータ部に永久磁石を有するA
    Cサーボモータであることを特徴とする請求項1または
    3のいずれかに記載の磁気軸受スピンドル。
  6. 【請求項6】ロータ内部に永久磁石が埋め込まれた埋め
    込み磁石モータであることを特徴とする請求項5記載の
    磁気軸受スピンドル。
  7. 【請求項7】前記第一のラジアル軸受の回転部に用いら
    れる磁性材料は、前記第二のラジアル軸受に用いられる
    磁性材料と比べて、遠心力による機械的強度が高くかつ
    高周波鉄損が大きく、かつ D1>D2であることを特徴
    とする請求項2記載の磁気軸受スピンドル。
  8. 【請求項8】モータ・ステータのコイルエンドの内側と
    主軸の間の空間を利用して、主軸の剛性を向上させる補
    強リングを前記主軸に装着したことを特徴とする請求項
    1記載の磁気軸受スピンドル。
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