JPH11233197A - 電気コネクタ組立体及び電気コネクタ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 相互にラッチ係合するプラグコネクタ（副組
立体）とリセプタクルコネクタ（副組立体）とより成る
電気コネクタ組立体を小型（小径）として、例えば中空
ヒンジパイプ内に挿通可能にすること。 【構成】 電気コネクタ組立体は、プラグコネクタ（副
組立体）１００と、リセプタクルコネクタ（副組立体）
200より成る。両コネクタ100,200は略円形断面のボディ
（又はハウジング）110,210を有し、各ボディ110,210に
は、夫々コンタクト部材112,212が挿入保持されるコン
タクト受容孔128,218を有する。リセプタクルコネクタ2
00のボディ210の外面には、長手方向に沿う溝２２６が
形成され、この溝226内に当接部214を有する。プラグコ
ネクタ100のボディ110はギャップが形成された中空前方
嵌合部１２２と平坦面126が形成された後方部124を有す
る。更に、ボディ110には、平坦面126から起立する片持
ち梁状のラッチ部材114を有する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は電気コネクタ、特に
冷蔵庫のドアなどに使用して、その開閉状態に応じて所
定の制御を行う場合に好適な電気コネクタ組立体及びそ
のプラグ型及びリセプタクル型電気コネクタに関する。

【０００２】

【従来の技術】最近の冷蔵庫のドアは、単に冷蔵庫の内
部を閉じる為の目的のみに使用されるものではない。か
かるドアには、例えば制御パネル、アイス（氷）ディス
ペンサ、冷水タップその他の電気及び電子装置を含めて
益々多くの装置が設けられている。従って、電気ケーブ
ル（即ちワイヤハーネス）がドアと冷蔵庫本体間に設け
られ、ドアと本体間で電力及び制御信号の伝送を可能に
する必要がある。

【０００３】斯るケーブルは美観上及び安全上、ドアの
移動路中にばらけたりすることなく、所定位置に正しく
保持されていなければならない。斯るケーブルは冷蔵庫
のドアの中空ヒンジピン内を通し、ドアの移動路に沿っ
て配線するのが普通である。従来、斯るケーブルは中空
ヒンジピン内を通した後、ケーブルの遠端に取り付けら
れたコネクタを冷蔵庫本体から来るケーブルの相手コネ
クタと接続していた。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかし、斯る従来技法
にあっては、冷蔵庫の組立最終段階でケーブル端部にコ
ネクタを取り付けるのは容易ではなかった。従って、ケ
ーブルを冷蔵庫ドア内の各装置に接続する前にケーブル
にコネクタを取付け、その後に、コネクタが取り付けら
れたケーブルを中空ヒンジピンを挿通させ、更にその後
で冷蔵庫本体のケーブルの相手コネクタと嵌合させるの
が好ましい。

【０００５】そこで、本発明の目的は作業性が優れた冷
蔵庫ドアなどに好適な小型又は断面積の小さい電気コネ
クタ組立体及び電気コネクタを提供することである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明の電気コネクタ組
立体は相互にラッチ固定されるリセプタクルコネクタ及
びプラグコネクタ（副組立体）より成る。両コネクタ
は、少なくとも1個のコンタクト受容孔が形成されたボ
ディを有する。リセプタクルコネクタのボディの外面に
は長手方向に溝が形成され、この溝内にラッチ係合用当
接部が形成されている。他方、プラグコネクタのボディ
部は、長手方向にギャップが形成された中空の前方部
と、平坦面が形成された後方部を有する。この平坦面か
ら起立する弾性ラッチ部材がボディと一体に形成され、
両コネクタの嵌合時に、ラッチ係合して嵌合状態を保持
する。

【０００７】即ち、本発明の原理によると、この電気コ
ネクタ組立体はプラグコネクタ（サブアセンブリ）と、
リセプタクルコネクタとにより成る。プラグコネクタ
は、中空前方嵌合部と、これを不完全に包囲する筒状壁
とを有し、この筒状壁にはギャップ（間隙）が設けられ
ている。更に、プラグボディのギャップの後方にコンタ
クト受容部を有する。このコンタクト受容部は略剛性
（ソリッド）の部分筒状であり、複数のコンタクトが貫
通し、筒状壁と同一面ではあるが筒状壁の弧面よりも低
く、ギャップの後方に平坦面を形成し且つギャップに対
して角度的に対称とする。

【０００８】プラグコネクタは、ボディの平坦面に取り
付けられたラッチ部材を有する。このラッチ部材は、ピ
ボット軸を中心にプラグボディの軸に直交してピボット
（旋回）すると共に、ギャップ内に延びる後方係合壁付
き前端を有する。リセプタクルコネクタは、略筒状の絶
縁ボディを含み、その前方部がプラグボディの前方嵌合
部内に適合するよう構成され、同様に複数のコンタクト
が貫通する。リセプタクルボディの直径は、冷蔵庫の中
空ヒンジピン内を挿通可能な寸法に選定される。

【０００９】最後に、リセプタクルコネクタは、リセプ
タクルボディの前方部の凹部から外方に放射状に延びる
当接部を有し、この当接部は、リセプタクルボディの外
壁がなす筒状部に完全に収まるよう構成されている。当
接部は、リセプタクルボディ部の前方部が、プラグボデ
ィの前方嵌合部内に受容されるとき、プラグボディ前方
嵌合部のギャップ内に延びる。当接部の後壁は、リセプ
タクルボディ部前方部が、プラグボディ前方嵌合部内に
完全に着座すると、プラグラッチ部材の後方係合壁と干
渉係合するよう構成している。

【００１０】

【発明の実施の形態】以下、本発明の電気コネクタ組立
体及び電気コネクタの好適実施形態例の構成及び動作を
添付図を参照して詳細に説明する。

【００１１】先ず、図１は本発明による電気コネクタ組
立体の好適実施形態例の嵌合状態を示す。即ち、この電
気コネクタ組立体は、プラグコネクタ（副組立体）１０
０と、リセプタクルコネクタ（副組立体）２００とより
成る。図示するプラグコネクタ１００は、プラグボディ
１１０、少なくとも１個の雄コンタクト部材１１２及び
ラッチ部材１１４の３つの部分より構成される。同様
に、リセプタクルコネクタ２００も、リセプタクルボデ
ィ２１０、少なくとも１個の雌（リセプタクル）コンタ
クト部材２１２及び当接部２１４の３つの部分より構成
される。

【００１２】プラグボディ１１０は、絶縁材料のモール
ド（成形）品であり、長手軸１２０を決定する筒状壁１
１８で境界をなす中空の前方嵌合部１１６を有する。こ
の筒状壁１１８は、不完全であり、１８０度以上３６０
度未満の円弧状をなし、筒状壁１１８にギャップ１２２
が存する。更に、プラグボディ１１０は、ギャップ１２
２の後方にコンタクト受容部（後方部）１２４を有す
る。コンタクト受容部（後方部）１２４は、実質的に剛
性を有する部分筒状であり、筒状１１８と同様に延びる
が筒状壁１１８がなす円弧より小さい（但し１８０度以
上）。これにより、ギャップ１２２の後方に平坦面１２
６を形成する。しかし、このコンタクト受容部１２４
は、図３に最も良く示す如く、ギャップ１２２に対して
軸１２０の周りに角度的に対称である。コンタクト受容
部１２４に複数のコンタクト受容孔１２８が形成され、
各コンタクト受容孔１２８は後壁１３０から前方嵌合部
１１６の後部をなす前方嵌合壁１３２へ長手方向に延び
る。また、各コンタクト受容孔１２８は、中央径小部１
３４を有し、これは大径前方部１３８内の前壁１３６
と、大径部１４２内の後壁１４０により終端する。

【００１３】各雄コンタクト部材１１２は、導電性金属
板から打抜き形成され、筒状バレル部１４４と前方部嵌
合端１４６とを有する。バレル部１４６の後部には少な
くとも２個の外方へ延びる突起１４８があり且つバレル
部１４４の前端に向けて少なくとも２個の外方へ延びる
ロック用ランス１５０がある。バレル部１４４の後方
に、圧着（クリンプ）部１５２があり、従来の如く導電
性ワイヤ１５４を圧着接続する。

【００１４】従って、コンタクト部材１１２がコンタク
ト受容孔１２８に取付けられると、ロック用ランス１５
０は、中央の小径部１３４を通過するとき圧縮され、前
壁１３６を通過して大径前方部１３８に入ると外方へ拡
がって固定（抜け止め）する。よって、ロック用ランス
１５０は、前壁１３６に当接することにより、コンタク
ト受容孔１２８からコンタクト部材１１２が前方へ更に
移動するのを阻止する。これにより、コンタクト部材１
１２をコンタクト受容孔１２８内に捕える、即ち固定す
る。その理由は、コンタクト部材１１２の前方嵌合端１
４６が前方嵌合壁１３２を超えて前方嵌合部１１６へ延
びる為である。

【００１５】次に、ラッチ部材114が、好ましくは、ボ
ディ部110と一体形成され、しかも平坦面126から外方へ
放射方向に延びるペデスタル部156を含んでいる。この
ペデスタル部156は、プラグ軸120に直交する旋回（ピボ
ット）軸となる。更に、ラッチ部材114は、ペデスタル
部156の遠端から前方へ片持ち梁状に延びる前端１５８
を有する。この前端158には、ギャップ122内に延びる後
方係合壁１６２を有する垂下する突起１６０を有する。
従って、側壁118は、ラッチ部材114の保護を行う。突起
160には、更に前方カム面164が形成されるが、この機能
については後述する。最後に、ラッチ部材114は、ペデ
スタル部156の遠端から後方へ延びる片持ち梁状のハン
ドル（操作）部１６６を有する。このハンドル部166を
押し下げると、突起160はギャップ122から遠ざかるよう
に持ち上げられ、ハンドル部１６６に押し下げ力が作用
しないときは、ペデスタル部156は弾性偏倚力により突
起160をギャップ122内に保持する。

【００１６】リセプタクルボディ210も絶縁材料のモー
ルド品であり、長手軸216を規定する略筒状をしてお
り、前方嵌合壁222から後方に延びる前方部はプラグボ
ディ１１０の前方嵌合部116内に適合する寸法である。
リセプタクルボディ210は、後壁220から前方嵌合壁２２
２に長手方向に延びる複数のコンタクト受容孔２１８が
形成されている。リセプタクルボディ210のコンタクト
受容孔218は、プラグボディ110のコンタクト受容孔１２
８とアライメントされている。斯るアライメントを保証
する為に、リセプタクルボディ210には少なくとも1個の
長手溝２２４が形成され、前方嵌合壁222から後方へ延
び且つプラグボディ１１０の筒状壁１１８に形成された
長手方向のリブ１６８と相補構成とされる。斯るリブ16
8と溝124の角度位置は、リセプタクルボディ210とプラ
グボディ110との嵌合時のポーララィゼーション（方向
付け）を行うようにする。リセプタクルボディ210内の
コンタクト受容孔218は、プラグボディ110内のコンタク
ト受容孔128と同様に形成され、各コンタクト受容孔128
は、大径前方部内の前壁と大径後部内の後壁で終端され
る小径部を有する。

【００１７】雌コンタクト部材212は、雄コンタクト部
材112と類似し、後方突起及び前方ランス付きバレル部
及び導電性ワイヤに圧着接続する為の圧着部を有する。
しかし、各雌コンタクト部材212の前方嵌合端は、従来
の如く、対応する雌コンタクト部材112の前方嵌合端146
を包囲し且つ接触（係合）するよう形成され、前方嵌合
壁222の後方の対応するコンタクト受容孔218内に収めら
れる。

【００１８】当接部214がリセプタクルボディ210と一体
に形成されリセプタクルボディ210の前方部から放射状
外方に延びる。これは、ボディ210に長手方向の外溝226
をモールドし且つ当接部214を溝226内に形成し、これに
より当接部214が図5に最も良く示される如く、リセプタ
クルボディ210の略筒状を形成する円内に完全に収まる
ようにすることで達成可能である。この当接部２１４
は、リセプタクルボディ210がプラグボディ110の前方嵌
合部116内に完全に着座させたとき、ラッチ部材114の後
方係合壁１６２と干渉係合するよう構成された後壁２２
８を有する。更に、当接部214は、前方カム面230を有
し、ラッチ部材114の前方カム面164と協働するようにす
る。

【００１９】プラグ及びリセプタクルコネクタを嵌合さ
せると、リブ168を対応する溝224とアライメントさせて
プラグボディ110の前方嵌合部116内に挿入される。次
に、当接部214は、ギャップ122内にある。リセプタクル
ボディ210を前方へ移動させると、カム面230,164を相互
に係合させる。これにより、ラッチ部材114の突起160が
持ち上げられて、当接部214の後壁228がラッチ部材114
の後方係合壁１６２を通過させ、この通過時点で、ペデ
スタル156により付与される偏倚力により、ラッチ部材1
14の突起160が下方にスナップし、プラグ及びリセプタ
クルコネクタが分離されないようにする。しかし、プラ
グ及びリセプタクルコネクタを分離させたい場合には、
ラッチ部材114のハンドル部166を押下げ、ラッチ部材11
4の突起160を持ち上げ当接部214との係合を解くように
する。

【００２０】図2に示す如く、リブ168の前端は、プラグ
ボディ110の前方嵌合部116内に収められる。これによ
り、多くの利点乃至効果が得られる。よって、プラグ及
びリセプタクルコネクタは方向付け前に部分的に嵌合さ
れる。これは、特に高すぎて取付作業者がプラグとリセ
プタクルコネクタを同時に見たり取扱ったりすることが
困難である場合に取付けを支援する。また、方向付け前
の部分嵌合により、コンタクトの破損を阻止する。

【００２１】上述の設計は、冷蔵庫製造メーカーが規定
する多くの要件に合致する。斯る要件の1つは、コネク
タシステムの片方（即ちプラグ又はリセプタクル）は、
冷蔵庫ドアの中空ヒンジピン内を挿通しなければならな
いことである。このヒンジピンの内径は、１／２インチ
（12.5ｍｍ）未満である。上述の設計によると、リセプ
タクルボディ210の外径は、この要件を満足する。その
理由は、当接部214はこの直径内に維持される為であ
る。また、製造メーカーはコンタクト間が2ｍｍ以上離
れているとの厳しい要件を課しているが、上述設計によ
り容易にクリアできた。コンタクト受容孔の配置によ
り、モールドに必要な壁厚が維持される。更に、ワイヤ
の絶縁被覆にコンタクトを圧着（かしめ）することによ
り、ワイヤを支持するのが普通である。この組立体の寸
法要件により、斯る圧着はできない。そこで、コンタク
ト受容孔の後部の大径部の深さは、絶縁被覆を支持する
のに十分である。

【００２２】以上、冷蔵庫のドアに特に好適な本発明の
改良電気コネクタ組立体及び電気コネクタを説明した。
しかし、本発明は斯る特定例のみに限定されるべきでは
なく、本発明の要旨を逸脱することなく種々の変形変更
が可能であること当業者には容易に理解できよう。ま
た、本発明は、冷蔵庫ドアのみならず、自動車のドアミ
ラー用コネクタなどにも適用可能である。

【００２３】

【発明の効果】上述の説明から理解できる如く、本発明
の電気コネクタ組立体及び電気コネクタによると、ラッ
チ部材用係合片を筒状コネクタボディの溝内に完全に収
めることにより極めてスリム（小形且つ小径）になり、
冷蔵庫のドアの中空ヒンジピン内にドアの組立後に挿通
することが可能である。また、プラグボディのラッチ部
材は筒状（円筒状）の一部を切欠き平坦部にペデスタル
を形成するので、筒状嵌合部の外周から外方へ突出する
寸法が限られ、且つラッチ係合突起はギャップ内に延び
るので、ラッチ部材を効果的に保護して、取扱中にラッ
チ部材の破損等が阻止可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の電気コネクタ組立体の好適実施形態
例の嵌合状態を示す斜視図である。

【図２】 図1の電気コネクタ組立体のプラグコネクタ
の分解斜視図である。

【図３】 図2のプラグコネクタのプラグボディの後面
図である。

【図４】 図1の電気コネクタ組立体のリセプタクルコ
ネクタの分解斜視図である。

【図５】 図４のリセプタクルコネクタのリセプタクル
ボディの後面図である。

【図６】 図1の電気コネクタ組立体の嵌合状態の長手
方向断面図である。

【符号の説明】

１００ 電気コネクタ（プラグコネクタ） １１０ ボディ １１２，２１２ コンタクト部材 １１４ ラッチ部材 １１６ 前方嵌合部 １２２ ギャップ １２４ 後方部 １２６ 平坦面 １２８、２１８ コンタクト受容孔 １６０ 係合突起 ２００ 電気コネクタ（リセプタクルコネクタ） ２１０ ボディ ２１４ 当接部 ２２６ 溝

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 夫々略円筒状ボディ部を有し、少なくと
   も１個のコンタクト受容孔が形成され、ラッチ部材で嵌
   合状態を維持するよう構成されたプラグコネクタとリセ
   プタクルコネクタとより成る電気コネクタ組立体におい
   て、 前記リセプタクルコネクタのリセプタクルボディには長
   手方向に形成された溝と、該溝内に前記プラグコネクタ
   の前記ラッチ部材と係合する当接部とを有し、 前記プラグコネクタのプラグボディには、前記リセプタ
   クルボディの嵌合端を受容すると共に長手方向にキャッ
   プが形成された中空筒状前方嵌合部と、平坦外面を有す
   る後方部と、該後方部から起立し、前記キャップに沿っ
   て前方に延びるラッチ部材が形成されていることを特徴
   とする電気コネクタ組立体。
2. 【請求項２】 略長手方向に沿って少なくとも１個のコ
   ンタクト受容孔が形成された略円筒状ボディと、 該ボディの外面に長手方向に沿って形成された溝と、 該溝内に前記ボディ部の前記略円筒面より実質的に突出
   しないよう形成され相手電気コネクタのラッチ部材と係
   合する当接部と、 を具えることを特徴とする電気コネクタ。
3. 【請求項３】長手方向に所定幅のギャップが形成された
   筒状前方嵌合部、外面が平坦にされた後方部及び少なく
   とも１個のコンタクト受容孔が形成されたボディ部と、 該ボディ部の前記平坦面から起立して形成され、前記前
   方嵌合部の前記スリットに沿って延び、相手電気コネク
   タとの嵌合時にラッチ係合するラッチ部材とを具えるこ
   とを特徴とする電気コネクタ。